JPH0620821A - Mn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法 - Google Patents

Mn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法

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JPH0620821A
JPH0620821A JP4178309A JP17830992A JPH0620821A JP H0620821 A JPH0620821 A JP H0620821A JP 4178309 A JP4178309 A JP 4178309A JP 17830992 A JP17830992 A JP 17830992A JP H0620821 A JPH0620821 A JP H0620821A
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heating
chloride
oxide
mixed
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JP4178309A
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Sadakimi Kiyota
禎公 清田
Hidetada Yoshimatsu
秀格 吉松
Satoru Narutani
哲 成谷
Hideaki Inaba
秀明 稲場
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鉄、マンガン及び亜鉛の塩化物を含有する塩化
物混合水溶液から、塩化亜鉛の蒸発を防止し、かつ、酸
化亜鉛が均一に混合されたMn−Znフェライト用原料
酸化物を製造する。 【構成】Fe、Mn及びZnの塩化物を含有する塩化物
混合水溶液を加熱雰囲気中に、得られる中間加熱体の最
高履歴温度をZnの塩化物の沸点未満として噴霧して該
混合水溶液中の水分を除去して中間加熱体とする第1の
工程と、該中間加熱体をZnの塩化物の沸点未満の温度
に加熱して酸化焙焼を行い、Fe,Mn及びZnの混合
酸化物を得る第2の工程とよりなる。第2の工程は加熱
雰囲気の酸素含有量を15vol%以上、温度を600
℃以下とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Mn−Znフェライト
用原料酸化物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Mn−Znフェライトは高周波軟磁性材
料として広く利用されている。その成形に供される原料
粉末としては、主要構成元素であるFe,Mn及びZn
の酸化物粉末を機械的に混合した後、熱処理(仮焼)、
粉砕したものがもっとも一般的に使用されている。
【0003】一方、Fe,Mn及びZnを塩化物混合物
混合水溶液として用意し、この水溶液を噴霧焙焼するこ
とで得られる混合酸化物粉末は、各酸化物粉末を混合し
たものよりも構成元素がより均一に混合されているた
め、高い磁気特性が得られるなどの利点をもつ。しか
し、塩化物混合水溶液を噴霧焙焼する方法は、蒸気圧の
高いZnCl2 が焙焼時に蒸発するためZnの歩留りが
低く、組成にずれを生ずる問題があった。なお、Zn原
料としてZnCl2 に替えて蒸気圧の低いZnO,Zn
(OH)2 又はZnCO3 を用いたとしても、Zn化合
物は溶解してZnCl2 を生成するので、噴霧焙焼時に
蒸発する問題は解決されない。
【0004】そこで、この問題を解決する方法として、
FeとMnのみの塩化物混合水溶液を噴霧焙焼して得た
混合酸化物にZnOの粉末を機械的に混合して成形原料
粉末とすることが提案されている(特公昭63−177
76)。しかし、この方法においてはZnOは粉末を機
械的に混合するのでZnOの混合は不均一なものとなら
ざるを得ない。
【0005】また、FeとMnのみの塩化物混合水溶液
を噴霧焙焼して得た混合酸化物を再加熱して脱塩し、こ
れにZnOの粉末を機械的に混合して得られる成形原料
粉末は、前記特公昭63−17776の方法に比較して
焼成時に欠陥発生の危険が低いことで期待ができ有望で
あるが、ZnOの混合の不均一性は解決されていない。
(特開平2−271923)。
【0006】また、これらの2つの方法も、噴霧焙焼は
FeとMnのみの塩化物混合水溶液で行っており、F
e,Mn及びZnを含有する塩化物混合水溶液からZn
の歩留りを低下させることなく、しかもFe、Mn及び
Znの酸化物が均一に混合された混合酸化物を直接に得
るものではない。以上のように、Fe,Mn及びZnを
含有する塩化物混合水溶液から、Znの歩留りを低下さ
せることなく、Fe,Mn及びZnの酸化物が均一に混
合された混合酸化物を直接に得られる手段がないのが実
情であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、Fe、Mn及びZnの塩化物を含
有する水溶液からZnの歩留りを低下させることなく、
しかもFe、Mn及びZnの酸化物が均一に混合されて
いるMn−Znはフェライト用原料酸化物を製造するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題解決のための手段】本発明は、Fe、Mn及びZ
nの塩化物を含有する塩化物混合水溶液を加熱雰囲気中
に、得られる中間加熱体の最高履歴温度をZnの塩化物
の沸点未満として噴霧して該混合水溶液中の水分を除去
して中間加熱体とする第1の工程と、該中間加熱体をZ
nの塩化物の沸点未満の温度に加熱して酸化焙焼を行
い、Fe,Mn及びZnの混合酸化物を得る第2の工程
とよりなることを特徴とするMn−Znフェライト用原
料酸化物の製造方法であって、前記第2の工程は、加熱
雰囲気の酸素含有量が15vol%以上であること、及
び加熱温度が600℃以下であることが好ましい。
【0009】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。本発明
のMn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法の第1
の工程では、Fe,Mn及びZnの塩化物を含有する塩
化物混合水溶液を加熱雰囲気中に、得られる中間加熱体
の最高履歴温度をZnCl2 の沸点(732℃)未満の
温度として噴霧して、前記混合水溶液の水分を除去して
中間加熱体を得ることが必要である。
【0010】一般に、金属塩化物溶液から金属酸化物を
得る酸化焙焼で必要となる熱エネルギーの大半は、水の
蒸発及び結晶水の除去に使用されるものである。したが
って、本工程では、用意した塩化物混合水溶液に効率よ
く熱を伝え、水の蒸発及びFe,Mn及びZnの塩化物
の結晶水の除去を速やかに完結し、しかもFe,Mn及
びZnを均一に混合するために、前記水溶液を加熱雰囲
気中に噴霧する。
【0011】この際、伝達すべき熱の最低量は、前記水
溶液中の水の蒸発潜熱及び蒸発温度まで加熱する顕熱、
Fe,Mn及びZnの塩化物の結晶水の離脱に必要な潜
熱及びFe,Mn及びZnの塩化物を結晶水離脱温度ま
で加熱する顕熱の合計量であることが必要である。伝熱
量が前記の合計量を下回る場合は、塩化物の結晶水の離
脱が不十分で、得られた中間加熱体を噴霧加熱よりも伝
熱効率の悪い別の加熱炉によって多量の熱をさらに加え
る必要がある。したがって、噴霧加熱炉の伝達効率の高
さを有効に活用するために、噴霧加熱によって前記の合
計量を上回る伝熱が必要である。言い換えると、噴霧加
熱によって、塩化物混合水溶液の水の蒸発及びFe,M
n及びZnの塩化物の結晶水の除去を完結させる。
【0012】伝達された熱量が上記最低量を上回ると、
中間加熱体の温度が上昇し、中間加熱体中の無水塩化物
は酸化焙焼されてそれぞれの酸化物になるが、ZnCl
2 を含有している中間加熱体がZnCl2 の沸点(73
2℃)以上の温度まで加熱されるとZnCl2 が蒸発
し、Zn収率が低下する。このため、前記水溶液を噴霧
して得られた中間加熱体が加熱雰囲気中で遭遇する最高
温度(最高履歴温度)をZnCl2 の沸点未満としなけ
ればならない。
【0013】伝達すべき熱量を制御し、中間加熱体の最
高履歴温度を塩化物の結晶水が完全に除去される200
℃前後から塩化ZnCl2 の沸点である732℃未満の
間に制御することは、加熱炉内の温度、液滴サイズ、及
び液滴飛行距離などの変更によって行うことができる。
中間加熱体の最高履歴温度は加熱炉内最高温度より低
く、液滴サイズを小さく、液滴飛行距離を長くすること
で、加熱炉内最高温度に近付けることができる。一方、
加熱炉内温度を高くすることで、伝熱効率を高めること
ができる。
【0014】通常、噴霧加熱炉内の温度は300〜10
00℃、液滴直径は数μm〜1mm、液滴飛行距離は1
〜10m程度であり、中間加熱体の最高履歴温度を20
0〜732℃未満の間に確実に制御するためには、加熱
炉温度を目標温度と同一(200〜732℃未満)の範
囲内、好ましくは、その高温部(730〜500℃)の
範囲にし、液滴径は小さく(数〜数10μm)し、飛行
距離を長く(3〜10m程度)して、中間加熱体の最高
履歴温度と加熱炉最高温度とを一致させるようにすれば
よい。
【0015】一方、伝熱効率を上げるために、加熱炉温
度をより高温(600〜1000℃)にし、液滴径は大
きく(数10〜数100μm)し、飛行距離を短く(1
〜5m程度)してもよいが、制御が困難となる。実際に
は、中間加熱体が最高何度まで加熱されたか、すなわ
ち、最高履歴温度が何度であったかは、測定が困難なた
め、シミュレート計算と経験により操業パラメータを決
め、生成物の分析によって、塩化物の結晶水の除去及び
ZnCl2の蒸発の有無を確認し、操業パラメータを修
正決定する。
【0016】噴霧する塩化物混合水溶液としては、例え
ば純水にFe,Mn及びZnの塩化物を溶解したものが
用いられ、ZnCl2 に替えてZnO、Zn(OH)2
及びZnCO3 を用いても、これ等のZn化合物はFe
Cl2 、MnCl2 の水溶液に溶解してZnCl2 を生
成するのでZnCl2 と同様に使用することができ、特
に、製鉄所で多量に発生する酸洗いの廃液に必要に応じ
て金属あるいは合金をさらに溶解したものが、経済的に
好ましく使用できる。
【0017】塩化物混合水溶液中のMnとZnとFeと
の重量比率は、製造しようとする焙焼酸化物の組成で決
まるが、金属比率で通常、Mn:5〜70wt%,Z
n:1〜50wt%,残部Feの組成となる。塩化物混
合水溶液が噴霧される加熱雰囲気は、水分の除去だけで
なく、塩化物の酸化焙焼も成可く行わせるために酸素含
有雰囲気であることが好ましく加熱を経済的に行うため
に、炭化水素などを含有する燃料を燃焼させて製造した
酸素を含有する高温ガス(通常:酸素含有量2〜10v
ol%)を利用するのが好ましい。
【0018】本発明の第1の工程においては、Fe,M
n及びZnの塩化物を含有する塩化物混合水溶液の水分
の除去を温度制御が容易な噴霧加熱によって行っている
ので、得られた中間加熱体におけるZnの収率が良好で
あるばかりでなく、混合の均一性も良好である。本発明
の製造方法の第2の工程においては、前記の中間加熱体
をZnCl2 の沸点未満でさらに加熱し酸化焙焼を行う
ことが必要である。
【0019】前述のとおり、本発明の第1の工程は、噴
霧加熱炉を用い、原料液滴又はその加熱体が加熱雰囲気
中を飛行する際に、水の蒸発及びFe,Mn及びZnの
塩化物の結晶水の除去を行い中間加熱体を得るために行
われるもので、このため中間加熱体は十分には酸化焙焼
されていないので、酸化焙焼を完結するために第2の工
程により加熱することが必要である。ただし、加熱温度
がZnCl2 の沸点以上になると、ZnCl2 の蒸発の
ためZnの収率が低下してしまう。したがって、第2の
工程の加熱温度はZnCl2 の沸点未満であることが必
要である。
【0020】また、前記の第2の工程の加熱雰囲気の酸
素含有量は、成可く高いことが好ましい。なぜなら、第
1の工程は水分の除去を行うのが目的であるため、酸素
含有量には影響されなかったが、第2の工程では酸化反
応を行うため酸素含有量は高いほうが好ましい。また、
加熱コストを考慮して、炭化水素などを含有する燃料を
燃焼させて製造した酸素を含有する高温ガス(通常:酸
素含有量2〜10vol%)を利用する場合は、空気な
どを導入して、15vol%以上の酸素含有量とするこ
とで、効率よく焙焼反応を遂行できるので好ましい。
【0021】さらに、ZnCl2 の蒸発を実質的に皆無
にするためには、ZnCl2 の蒸気圧が大気圧の1/1
0になる600℃以下を第2の工程の加熱温度とするこ
とが好ましい。特に制限するものではないが、第2の工
程の加熱温度を400℃以上とすることで、効率良く酸
化焙焼を完結できる。
【0022】通常、第2の工程の加熱時間は、0.5〜
12時間程度である。第2の工程の加熱においては、温
度及び雰囲気を容易に精度よく制御しうる加熱装置を使
用する。この加熱装置は、噴霧加熱炉のように数秒間し
か加熱のチャンスがないような形式のものでなければよ
く、トンネル炉やロータリーキルンなどが好ましく使用
できる。
【0023】以上のように、本発明の製造方法は、塩化
物混合水溶液の水分の除去を目的とする効率よい加熱に
第1の工程として噴霧加熱炉を使用し、Znの収率にか
かわる精密な温度制御には、第2の工程として噴霧方式
でない別型式の加熱炉を使用するものである。以上の様
に、本発明の第1の工程の中間加熱体の最高履歴温度及
び第2の工程における加熱温度は、いずれもZnCl2
の沸点(732℃)未満とした。その結果、高いZn収
率を得ることができる。
【0024】しかし、酸化物のプレスによる成形性を向
上させるために、粉体の平均粒径を大きくする必要があ
る場合がある。その際は、本発明の第2の工程の加熱に
より、0.2wt%以下の塩素を含有するFe,Mn及
びZnの混合酸化物を得、その後に、さらに、前記の第
2の工程の加熱温度よりも高い温度で仮焼することがで
きる。第2の工程の加熱の結果としてZnCl2 をほぼ
完全に酸化した(0.2wt%以下の塩素を含有する程
度)後は、もはや、蒸発しやすいZnCl2 は実質的に
存在しないので、さらに高温まで加熱してもZnCl2
の蒸発によるZnの収率の実質的な低下は生じない。
【0025】以上のように、本発明によりFeCl2
MnCl2 及びZnCl2 を含有する塩化物混合水溶液
からZnの収率を低下させることがなく、かつ熱効率よ
く、しかもZnOの混合の均一性の良好なMn−Znフ
ェライト用原料酸化物を製造することができる。次に、
本発明の製造法によって得られた混合酸化物を使用した
Mn−Znフェライトの好ましい製造方法について説明
する。
【0026】本発明の製造方法で得られた原料酸化物を
使用したMn−Znフェライトの製造方法では、本発明
の製造方法で得られたMn−Znフェライト用原料酸化
物の1種以上、もしくはこれに成分調整のため公知のフ
ェライト原料であるFe2 3 ,Mn34 及びZnO
などの1種以上を粉砕混合して使用する。この混合は機
械的に行うものであり、通常、乾式あるいは湿式のボー
ルミルやアトライターなどが好ましく使用できる。こう
して得られるMn,Zn及びFeの含有率はMnO,Z
nO及びFe23 に換算して、各々、おおよそ10〜
30wt%,2〜15wt%及び残部の比率になる。
【0027】これらの粉砕混合を終えた混合酸化物は、
空気、窒素、あるいはこれらの混合ガス、又は、炭化水
素燃料の燃焼排ガスなどの雰囲気中、最高700〜11
00℃で加熱することで仮焼するのが好ましい。仮焼に
は、ロータリーキルンなどが好ましく使用できる。仮焼
した混合酸化物は、粉砕と同時に微量添加物を混合し、
さらに、成形の後、焼成する。
【0028】微量添加物としては、磁気特性向上のため
にSiO2 ,CaO及びNb25などの粉末を微量添
加する。これらの微量添加物の添加量は、公知の通り、
各々、0.3wt%以下、0.5wt%以下及び0.7
wt%以下程度であり、所望する磁気特性によって添加
量は異なる。こうして得られた混合粉砕粉は、通常、
0.3〜2μm程度の平均粒径をもつ。
【0029】混合粉砕粉末には、通常、0.1〜1wt
%程度のPVAに代表される成形助剤や、0.01〜1
wt%程度のステアリン酸亜鉛に代表される潤滑剤を混
合し、−30mesh程度に造粒を行い成形原料とす
る。成形原料は、通常、0.1〜2t/cm2 程度の圧
力で所望の形状に金型成形する。成形体は、通常、大気
又は窒素、あるいはこれらの混合ガス中で、最高120
0〜1350℃程度で保持して焼成する。
【0030】
【実施例】以下、実施例にしたがって、本発明を説明す
る。 [実施例1]純水とFeCl2 、MnCl2 及び4種の
亜鉛原料(表1〜3に記載)を使用して、1リットル中
に金属単位でFeを100g,Mnを33g,Znを1
3g含有する原料液を用意した。
【0031】この原料液を1リットル/hの供給速度で
噴霧加熱炉に噴霧した。噴霧加熱炉は、内径300mm
の円筒状の炉心管(垂直に設置)を外部より電気炉によ
って長さ1500mmにわたって均熱加熱できるように
したもので、炉心管に流入する空気量を調節することで
雰囲気を制御できる。また、炉心管内の前記均熱域の直
上部に2流体スプレーノズルを配置し、平均径を制御し
た原料液滴を噴霧できるようにした。噴霧加熱(第1の
工程)の条件として、炉心均熱温度、平均液滴径、最高
履歴温度及び炉心管内酸素含有量を表1〜3に示した。
【0032】得られた噴霧加熱粉(中間加熱体)のZn
収率、結晶水除去率及び焙焼反応率を表1〜3に併記し
た。Znの収率は、Feの収率がほぼ100%であるこ
とを経験的に知っているので、中間加熱体のFe及びZ
nの化学分析値より相対的に算出した。結晶水除去率
も、Fe及びMnの塩化物が四水塩、Znの塩化物が無
水物であるとして、元素分析結果よりFeとの相対比較
によって算出した。さらに、塩素分析値より、Feとの
相対比較によって、塩素投入量に対する塩素除去量の比
率を求め、その比率の1%の桁を0と5に切り上げるこ
とで丸めて焙焼反能率とした。
【0033】得られた中間加熱体は、内径50mm、長
さ700mmの円筒状の炉心管をもつ電気炉による外熱
型ロータリーキルンによって、第2の工程の加熱を行っ
た。工程条件及び得られた混合酸化物の特性を表4に示
した。第1の工程の温度条件のみを変更した本発明例1
〜3及び比較例1,2を比較すると、温度が300℃と
低すぎる場合(比較例1)は、液滴の加熱が十分ではな
く、結晶水の除去が不十分で(結晶水除去率は55
%)、第1の工程の加熱として効率がよいとは言えない
点で問題である。一方、温度が800℃と高すぎる場合
(比較例2)は加熱が過剰となり、結晶水除去(結晶水
除去率は100%)のみならず焙焼もかなり進む(焙焼
反能率は95%)ものの、ZnCl2 の蒸発(沸点73
2℃)に起因して中間加熱体の段階でのZn収率は75
%と低いものとなってしまう欠点がある。一方、本発明
例1〜3のように適切な温度域(各々、400,55
0,650℃)で加熱した場合、効率よく結晶水を除去
でき(結晶水除去率は100%)、かつ、中間加熱体の
段階で99〜100%の高いZn収率が得られる。ちな
みに、400〜650℃の加熱温度の違いは、焙焼反応
率10〜55%の違いとなって現われ、Zn収率に問題
がない限り、高焙焼反応率の方がよい。さらに、本発明
の中間加熱体に本発明の第2の工程を施すことで、高い
Zn収率(97〜98%)を維持しながら焙焼反応を完
結させることができ、0.04〜0.06wt%の低塩
素量の混合酸化物が得られた。
【0034】ここでいう第1工程の温度とは加熱炉の炉
心均熱温度であり、中間加熱体が実際に何度まで履歴し
たかについては、逆に中間加熱体の特性などをもとに推
測する。中間加熱体の最高履歴温度は少なくとも加熱炉
の最高温度より低く、最高履歴温度と加熱炉温度との差
は液滴径が小さいほど小さい。以上の結果より、本発明
例1〜3ように、中間加熱体の最高履歴温度がZnCl
2 の沸点732℃を間違いなくこえない(炉温が732
℃未満)場合に高いZn収率を確保でき、その範囲内で
高温であるほど結晶水を除去でき効率のよい加熱ができ
るといえる。
【0035】ただし、本発明例7のように、たとえ、炉
温が800℃とZnCl2 の沸点より高い場合において
も、液滴径が大きく、最高履歴温度が加熱炉温度を大き
く下回り、その結果、ZnCl2 の沸点より低いと場合
は高いZn収率が得られる。また、本発明がZn原料と
してZnCl2 に限定されず広く適用できることは、本
発明例4,15〜17のZnO使用例、本発明例5,6
のZnCO3 使用例及び本発明例6のZn(OH)2 使
用例より明らかである。
【0036】第2の工程の条件による効果については、
本発明例8〜17及び比較例3〜5によって明らかであ
る。すなわち、第2の工程の酸素含有量については、6
vol%(本発明例8),15vol%(本発明例
9),20.6vol%(本発明例2)と酸素含有量が
高くなるにつれ、最終の混合酸化物の塩素量が0.1w
t%(本発明例8),0.05wt%(本発明例9),
0.04wt%(本発明例2)と低く好ましいものとな
る。特に、0.1wt%の塩素量を下回る15vol%
以上の酸素含有量が好ましい。
【0037】一方、第1の工程の酸素含有量について
は、6vol%(本発明例2),20.6vol%(本
発明例10)と変化しても第1の工程の終了時の焙焼反
応率が、30%(本発明例2)、35%(本発明例1
0)と多少変化するものの、最終の混合酸化物の塩素量
は、0.04wt%(本発明例2)、0.05wt%
(本発明例10)と大差なく、炭化水素等を燃焼した排
ガスがそのまま利用できる点で、前者が経済的に好まし
い。但し、限定するものではない。
【0038】また、第2の工程の温度については、Zn
Cl2 を使用した本発明例11〜14及び比較例3,
4、ZnOを使用した本発明例15〜17及び比較例5
により明確であり、ZnCl2 の沸点である732℃を
越えて加熱した場合(比較例4,5)には、Zn収率が
著しく低く各々、65%,72%となる。ZnCl2
沸点より低温で加熱することで、はじめて91〜99%
の高いZn収率を確保しながら焙焼反応を完結すること
ができ、その結果として、0.03〜0.1wt%の低
い塩素量の混合酸化物が得られる(本発明例11〜1
7)。ただし、加熱温度が600℃以上の場合(本発明
例11,15)は、若干量のZnCl2 の蒸発は防止で
きず、Zn収率が、各々、91%,92%と低下するの
で、加熱温度は600℃以下であるのが好ましい。一
方、加熱温度が390℃と低すぎる場合(比較例3)
は、0.5wt%の塩素を含有した混合酸化物した得ら
れず、焙焼反応を完結できないので好ましくない。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】鉄、マンガン及び亜鉛の塩化物を含有す
る塩化物混合水溶液から、亜鉛が、製造工程中の加熱に
よる蒸発を生ぜず、かつ均一に混合されたMn−Znフ
ェライト用原料酸化物を製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 成谷 哲 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 稲場 秀明 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe、Mn及びZnの塩化物を含有する
    塩化物混合水溶液を加熱雰囲気中に、得られる中間加熱
    体の最高履歴温度をZnの塩化物の沸点未満として噴霧
    して該混合水溶液中の水分を除去して中間加熱体とする
    第1の工程と、該中間加熱体をZnの塩化物の沸点未満
    の温度に加熱して酸化焙焼を行い、Fe,Mn及びZn
    の混合酸化物を得る第2の工程とよりなることを特徴と
    するMn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 第2の工程の加熱雰囲気の酸素含有量が
    15vol%以上であることを特徴とする請求項1に記
    載のMn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の工程の加熱温度が600℃以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のMn−Z
    nフェライト用原料酸化物の製造方法。
JP4178309A 1992-07-06 1992-07-06 Mn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法 Withdrawn JPH0620821A (ja)

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