JPH06210782A - 繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形品およびその成形方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形品およびその成形方法

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JPH06210782A
JPH06210782A JP501693A JP501693A JPH06210782A JP H06210782 A JPH06210782 A JP H06210782A JP 501693 A JP501693 A JP 501693A JP 501693 A JP501693 A JP 501693A JP H06210782 A JPH06210782 A JP H06210782A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
sheet
reinforced thermoplastic
molding material
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Application number
JP501693A
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English (en)
Inventor
Tadamichi Nozawa
忠道 野沢
Satoru Matoba
哲 的場
Takao Kimura
隆夫 木村
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Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的性質の向上を目的とした繊維強化熱可
塑性樹脂多孔質成形品およびその成形方法を提供する。 【構成】 抄造法による繊維強化熱可塑性樹脂シート状
成形素材を加熱膨張させた後、これらのシート状成形素
材の間に加熱された無機フィラー含有熱可塑性樹脂層を
介在させた状態で加圧、冷却成形し全体を一体化する。 【効果】 均一な膨張が実施されているシート状成形素
材を積層し、両者の間を無機フィラー含有熱可塑性樹脂
のアンカー効果で強固に接着させることにより、良好な
機械的性質が得られる。また、従来方法に比べて成形品
厚みの許容範囲も広がり、軽量化メリットを生かした多
孔質成形品として有益な結果が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂
多孔質成形品とその成形方法に関するものである。本発
明による多孔質成形品は、木材が従来から使用されてい
た自動車部品、建築、土木等の産業用資材に広く使用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題により、南洋材の伐
採が問題視されている。南洋材は、従来から合板に加工
され、バス、トラック等の車両部材、建築、土木等の産
業用資材に大量に使用されており、それに代わる素材の
開発が望まれている。木材代替品として、比較的長い強
化繊維と熱可塑性樹脂から構成されている繊維強化熱可
塑性樹脂成形品は、その特性として軽量かつ、比較的高
い強度、剛性を有していることから注目を集めている。
【0003】木材代替品の多くは板状体として使用され
るため、その曲げ強さ、曲げ剛性等の機械的性質と軽量
化が重要になる。材料力学的には、曲げ強さは板厚の2
乗、曲げ剛性は板厚の3乗に比例する。機械的性質の向
上と軽量化メリットを生かす方法として、抄造法(特公
昭52−12283号公報、特公昭55−9119号公
報)によるシート状成形素材を用いた多孔質成形品の製
造方法(特開昭60−179234号公報、特開昭62
−161529号公報)が提案されている。
【0004】このシート状成形素材は、抄造技術を応用
して、直径3〜30μm 、長さ3〜50mmの強化繊維と
熱可塑性樹脂粉末を均一に分散して不織材料を製造し、
この不織材料を原料とし加熱、加圧を行いさらに冷却し
て製造される。多孔質成形品は、このシート状成形素材
が、成形前にマトリックスである熱可塑性樹脂の軟化点
または融点以上に加熱される際に生じるシート膨張を利
用して成形される。
【0005】抄造法で製造される不織材料は、強化繊維
がモノフィラメント(単一の繊維)の状態で分散してい
るため、非常にかさ高いという性質を示す。不織材料の
厚みは、強化繊維の含有量とその形状、抄造条件により
異なるが、シート状成形素材として一般的に用いられる
空隙を除去したシートに比べ10倍程度の厚みを有して
いる。シート状成形素材は、加熱により、熱可塑性樹脂
の強化繊維に対する結合力が弱まるため、強化繊維の残
留応力が解放され、元に戻ろうとするスプリングバック
により膨張する。
【0006】この膨張したシート状成形素材を、成形型
内に挿入し、膨張したシート厚み以下で、かつ内包する
空隙を残す範囲にクリアランスを設定し、目的とする膨
張倍率を得る条件で加圧、冷却成形することにより、多
孔質成形品を製造する。多孔質成形品は、膨張により面
積当りの強度、弾性率は低下するが、板厚の増加により
製品の曲げ強さ、曲げ剛性は改善される。
【0007】しかし、この方法では、シート状成形素材
の板厚が厚い場合は、以下に述べるように目的とした機
械的性質の改善が得られなかった。従来の多孔質成形品
の成形方法の一例を図2に示した。シート状成形素材1
は、一般的には遠赤外線加熱炉5内で熱可塑性樹脂の軟
化点または融点以上に加熱される。シート状成形素材の
膨張は、最初に加熱されるシートの表面から始まり次第
に熱が板厚中心部におよぶにつれて全体的に膨張する。
しかし膨張によりシート内部には断熱空気層が形成され
るため、熱伝導率が低下する。シートは、内部に熱が十
分伝わらない状態で加熱されるため、膨張したシート表
面では局部加熱による熱可塑性樹脂の熱劣化が発生す
る。結果として、板厚の厚いシート状成形素材の加熱で
は、表面の局部加熱を避ける必要があるために表面付近
が膨張した層(9)を形成し、内部はほとんど膨張して
いない層(10)を形成する。この加熱されたシート状
成形素材を、冷却プレス盤7内に挿入し、クリアランス
を膨張したシートの厚み以下に設定し、目的とする膨張
倍率を得る条件で加圧、冷却成形することにより、多孔
質成形品11を製造する。このため、多孔質成形品が曲
げられる場合に引張り、圧縮の荷重が加わる表面部が機
械的に弱い構造になり、機械的性質が低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
機械的性質の向上を目的とした繊維強化熱可塑性樹脂多
孔質成形品とその成形方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは次の通りである。 (1)3〜30体積%の無機フィラーを含有した熱可塑
性樹脂が、抄造法によるシート状成形素材から形成され
た、強化繊維含有量が10体積%以上で、見かけ密度
0.2〜1.0g/cm3 の繊維強化熱可塑性樹脂層間に存
在し、前記繊維強化熱可塑性樹脂層の連続気泡に浸入し
て前記繊維強化熱可塑性樹脂層同士を結合していること
を特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形品。
【0010】(2)抄造法による強化繊維含有量が10
体積%以上の繊維強化熱可塑性樹脂シート状成形素材を
加熱し、強化繊維のスプリングバックを利用して膨張さ
せた後、これらのシート状成形素材の間に加熱された3
〜30体積%の無機フィラーを含有した熱可塑性樹脂層
を介在させた状態で加圧、冷却成形し全体を一体化する
ことを特徴とする上記(1)記載の繊維強化熱可塑性樹
脂多孔質成形品の成形方法。
【0011】(3)抄造法による強化繊維含有量が10
体積%以上の繊維強化熱可塑性樹脂シート状成形素材
と、抄造法による強化繊維含有量が10体積%以上の繊
維強化熱可塑性樹脂層と3〜30体積%の無機フィラー
を含有した熱可塑性樹脂層からなる複合シート状成形素
材を加熱し、強化繊維のスプリングバックを利用して膨
張させた後、これらのシート状成形素材の間に前記熱可
塑性樹脂層を介在させた状態で、加圧、冷却成形し全体
を一体化することを特徴とする上記(1)記載の繊維強
化熱可塑性樹脂多孔質成形品の成形方法。
【0012】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形
品の成形方法の一例を図1に示した。シート状成形素材
として、繊維強化熱可塑性樹脂シート状成形素材1と繊
維強化熱可塑性樹脂層2と無機フィラー含有熱可塑性樹
脂層3からなる複合シート状成形素材4を用いる。シー
ト状成形素材1は、抄造法により製造された強化繊維と
熱可塑性樹脂からなる不織材料を、加熱、加圧、冷却成
形して製造される。複合シート状成形素材4は、抄造法
により製造された強化繊維と熱可塑性樹脂からなる不織
材料の片面に無機フィラー含有熱可塑性樹脂フィルムを
積層し、加熱、加圧、冷却成形して製造される。これら
のシート状成形素材は、遠赤外線加熱炉5内で熱可塑性
樹脂の軟化点または融点以上に加熱される。シート状成
形素材は、加熱により、熱可塑性樹脂の強化繊維に対す
る結合力が弱まるため、強化繊維の残留応力が解放さ
れ、元に戻ろうとするスプリングバックにより膨張す
る。この膨張は、最初に加熱されるシートの表面から始
まり次第に熱が板厚中心部におよぶにつれて全体的に膨
張する。加熱されたシート状成形素材1の表面と複合シ
ート状成形素材4の無機フィラー含有熱可塑性樹脂フィ
ルムが積層されていない表面では、強化繊維がスプリン
グバックにより露出し、熱可塑性樹脂が膨張シート内部
に吸収されるために樹脂量が低下する。複合シート状成
形素材4の予め無機フィラー含有熱可塑性樹脂フィルム
が積層されている表面では、無機フィラー含有熱可塑性
樹脂により強化繊維が覆われた状態の樹脂リッチ層6が
形成される。シート状成形素材1と複合シート状成形素
材4をその樹脂リッチ層が、両者の間に介在するように
積層し、冷却プレス盤7内に挿入し、クリアランスを膨
張したシート状成形素材の厚み以下で、かつ内包する空
隙を残す範囲に設定し、目的とする膨張倍率を得る条件
で加圧、冷却成形して、本発明の多孔質成形品8を成形
する。
【0013】本発明で使用するシート状成形素材におい
ても、従来の方法と同様に、加熱膨張によりその熱伝導
率が低下する。この熱伝導率の低下による悪影響に対し
ては、使用するシート状成形素材の初期厚みを薄くする
ことにより解決を図り、加熱されたシート状成形素材の
均一膨張を実現した。本発明で使用するシート状成形素
材の厚みは、3.5mm以下が望ましい。
【0014】膨張したシート状成形素材は、三次元的に
強化繊維の交差点が熱可塑性樹脂で融着されている構造
で、内部の空隙のほとんどは表面と貫通している連続気
泡である。また、複合シート状成形素材の樹脂リッチ層
は、無機フィラー添加により熱可塑性樹脂の溶融粘度が
増大し、加熱膨張したシート状成形素材内部への吸収が
抑えられるために形成される。本発明では、シート状成
形素材を積層する際に両者の間に複合シート状成形素材
の樹脂リッチ層を介在させ、加圧、冷却成形することに
より、膨張したシート状成形素材の連続気泡中に樹脂を
浸入させ、冷却固化してアンカー効果により層間強度を
向上させる。本発明の多孔質成形品では繊維強化熱可塑
性樹脂層の均一膨張と両者の層間強度の向上により、良
好な機械的性質が発現する。
【0015】本発明による多孔質成形品の見かけ密度
は、シート状成形素材の膨張に応じた成形時のクリアラ
ンス設定によって決められる。そのため、見かけ密度の
範囲は、強化繊維のスプリングバックによるシート膨張
の範囲の0.2〜1.0g/cm3である。見かけ密度は、
多孔質成形品の重量をその体積で除した値で表される。
【0016】不織材料の原料となる強化繊維としては、
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維のほかに無機繊維、有
機繊維が用いられる。強化繊維の形状は、直径が取り扱
いの容易さと経済的な観点により3μm 以上で、十分な
強度を発現させるために30μm 以下にすることが好ま
しく、繊維長は強度発現の観点から3mm以上で、均一な
分散が可能な50mm以下にすることが望ましい。また強
化繊維は、水中での良好な分散を目的として親水性を向
上するために水溶性高分子、湿潤剤で、強度発現を目的
として熱可塑性樹脂との接着性を向上するためにシラン
カプリング剤等で、表面処理を行うことが望ましい。
【0017】熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、ホリアミド、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポ
リフェニレンスルフィド等の樹脂であり、またこれらの
2種類またはそれ以上の混合物をも含み、これらに一般
的に用いられる可塑剤、熱安定剤、光安定剤、充填材、
染顔料、耐衝撃剤、増量材、核剤、加工助剤等を添加す
ることもできる。熱可塑性樹脂の形状は、ペレット、パ
ウダー、フレーク、繊維状のものを適宜選択して使用す
る。
【0018】強化繊維の含有量は、スプリングバックに
よる安定した膨張が生じる10体積%以上で、強化繊維
と熱可塑性樹脂との接着が可能で多孔質成形品としての
機械的性質を十分発現する40体積%以下とすることが
望ましい。
【0019】不織材料に積層する無機フィラー含有熱可
塑性樹脂フィルムのマトリックス樹脂は、繊維強化熱可
塑性樹脂層を融着して多孔質成形品を形成する必要があ
るため、不織材料の熱可塑性樹脂と同じものを用いるの
が一般的であるが、層間強度の向上を目的として接着強
度を向上させる場合は、目的に応じた熱可塑性樹脂、無
水マレイン酸変性等の変性樹脂、ホットメルトタイプの
接着性樹脂を用いてもよく、さらにそれらの樹脂との混
合物を使用してもよい。
【0020】無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、
タルク等の微粒子状フィラー、マイカ等のフレーク状フ
ィラー、チョップドガラス繊維、ロックウール繊維等の
繊維状フィラーを用いる。無機フィラーは、熱可塑性樹
脂との接着性を向上するためにシランカプリング剤等
で、表面処理を行うことが望ましい。無機フィラーの添
加量は、熱可塑性樹脂の溶融粘度を増大させる目的から
3体積%以上に、安定したフィルム成形が可能な30体
積%以下とする。熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、繊維
強化熱可塑性樹脂層の膨張倍率により、0.1〜2mmの
範囲から適宜選択する。
【0021】図1では、2枚のシート状成形素材の間に
樹脂リッチ層が介在するように積層して、多孔質成形品
を成形する方法について述べたが、シート状成形素材の
積層枚数は成形品用途、特に成形品厚みに応じて適宜選
択する。つまり多孔質成形品の厚みが大きい場合は、そ
の機械的性質に影響を与える繊維強化熱可塑性樹脂層の
膨張状態を均一にするために、3枚以上のシート状成形
素材を積層することが望ましい。
【0022】本発明において、無機フィラーが添加され
ていない熱可塑性樹脂フィルムを使用した場合、複合シ
ート状成形素材の表面に安定した樹脂リッチ層を形成す
るには、フィルム厚みを厚くする必要があるため、製品
の重量増加につながり効果的ではない。
【0023】本発明の多孔質成形品では、均一な膨張が
実施されているシート状成形素材を積層し、両者の間を
無機フィラー含有熱可塑性樹脂のアンカー効果で強固に
接着させることにより、良好な機械的性質が得られる。
さらに、従来の方法に比べて厚みの許容範囲も広がり、
軽量化メリットを生かした繊維強化熱可塑性樹脂多孔質
成形品として有益な結果が得られる。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 強化繊維として直径10μm 、長さ13mmのガラス繊維
と、熱可塑性樹脂として直径3mmの球状ペレットを機械
粉砕し、その粉砕品をふるい分けにより70mesh(開口
径0.212mm)から10mesh(開口径1.7mm)まで
に分級したポリプロピレン樹脂粉末を用いて、抄造法に
よりガラス繊維含有量45重量%(22.3体積%)と
ポリプロピレン樹脂55重量%(77.7体積%)の組
成で、目付け量が2000 g/m2 の不織材料を製造し
た。
【0025】不織材料を600×600mmに切断して2
枚重ね合わせ、その両面にステンレス鋼製鏡板を重ね合
わせて、210℃に温度設定された加熱プレス盤内に挿
入し、圧力2Kgf/cm2 の加圧下で不織材料の中心部温度
が190℃以上に昇温するまで、約5分間予熱した。つ
づいて、圧力5Kgf/cm2 で、1分間加圧し、さらに冷却
プレス盤に挿入し、圧力5Kgf/cm2 で約5分間、加圧、
冷却成形し、鏡板を取り外すことにより板厚3.2mmの
シート状成形素材を成形した。
【0026】一方、不織材料を600×600mmに切断
して2枚重ね合わせ、さらにその片面に直径2μm の微
粒子状無機フィラーであるタルクが40重量%添加され
たポリプロピレン樹脂フィルム(厚み:0.35mm)を
1枚重ね合わせ、その両面にステンレス鋼製鏡板を重ね
合わせて、シート状成形素材の成形と同様な方法で、板
厚3.6mmの複合シート状成形素材を成形した。
【0027】このシート状成形素材1枚と複合シート状
成形素材1枚を用いて、図1に示した本発明の方法によ
り多孔質成形品を成形した。シート状成形素材および複
合成形素材を、遠赤外線加熱炉により表面温度が220
℃に昇温するまで約7分間加熱した。両者は、ガラス繊
維のスプリングバックにより膨張し、その膨張厚みは各
々約14mmであった。加熱されたシートの表面は、ガラ
ス繊維のスプリングバックによる露出と、ポリプロピレ
ン樹脂が膨張シート内部に吸収されたために、樹脂量が
低下していることが確認された。但し、複合シート状成
形素材のタルク含有ポリプロピレン樹脂フィルムが積層
された表面は、ガラス繊維の露出が抑えられ、樹脂リッ
チ層が形成されていることが確認された。加熱されたシ
ート状成形素材と複合シート状成形素材を、この樹脂リ
ッチ層が両者の間に介在するように積層し、冷却プレス
盤に挿入して、プレス盤のクリアランスをスペーサーに
より設定して、圧力5Kgf/cm2 で5分間、加圧、冷却し
て、板厚12mmの多孔質成形品を成形した。
【0028】光学顕微鏡、走査電子顕微鏡観察により、
多孔質成形品内部のガラス繊維の交差点がポリプロピレ
ン樹脂で効率よく接着され、均一な膨張が実施され、積
層間では多孔質成形品の連続気泡内部にタルク含有ポリ
プロピレン樹脂が含浸、固化していることが確認され
た。多孔質成形品から幅70mm、長さ200mmの試験片
を採取し、スパン150mmの3点曲げ試験を行った。結
果を、表1に示した。
【0029】参考例1 実施例1のガラス繊維とポリプロピレン樹脂粉末を用い
て抄造法によりガラス繊維含有量45重量%(22.3
体積%)とポリプロピレン樹脂55重量%(77.7体
積%)の組成で、目付け量が2100 g/m2 の不織材料
を製造した。この不織材料を600×600mmに切断し
て4枚重ね合わせ、その両面にステンレス鋼製鏡板を重
ね合わせて、実施例1と同様に板厚6.8mmのシート状
成形素材を成形した。シート状成形素材の表面は、ガラ
ス繊維の露出がなく、樹脂リッチで良好な外観を呈して
いた。また、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡観察により、
シート状成形素材内部のガラス繊維が均一に分散してお
り、その間には熱可塑性樹脂が十分含浸していることが
確認された。このシート状成形素材から幅70mm、長さ
200mmの試験片を採取し、スパン150mmの3点曲げ
試験を行った。結果を、表1に示した。
【0030】比較例1 参考例1で成形されたシート状成形素材を用いて、図2
に示した従来の方法により多孔質成形品を成形した。参
考例1のシート状成形素材を、遠赤外線加熱炉により表
面温度が220℃に昇温するまで約7分間加熱した。こ
の際、成形素材は表面付近が大きく膨張し、内部は十分
加熱されていない状態であり、膨張後の厚みは約16mm
であった。また表面は、ガラス繊維の露出とポリプロピ
レン樹脂が膨張シート内部に吸収されたために、樹脂量
が低下していることが確認された。加熱された成形素材
を、冷却プレス盤に挿入し、プレス盤のクリアランスを
スペーサーにより設定して、圧力5Kgf/cm2 で5分間、
加圧、冷却して、板厚12mmの多孔質成形品を成形し
た。
【0031】光学顕微鏡、走査電子顕微鏡観察により、
多孔質成形品内部の膨張状態は表面付近が非常に大きく
膨張し、中心部はもとより成形素材同様ほとんど膨張し
ていないことが確認された。この中心層は、成形素材の
初期厚みの約50%で、3.2mmの厚みを有していた。
多孔質成形品から幅70mm、長さ200mmの試験片を採
取し、スパン150mmの3点曲げ試験を行った。結果
を、表1に示した。
【0032】実施例1の多孔質成形品は、繊維強化熱可
塑性樹脂層の均一な膨張において、ガラス繊維の交差点
がポリプロピレン樹脂で効率よく接着され、積層間では
連続気泡内部にタルク含有ポリプロピレン樹脂が含浸、
固化しアンカー効果で強固に接着しているため良好な機
械的性質が得られた。面積当りでの強度、弾性率は参考
例1のシート状成形素材に比べて低下しているが、製品
としての曲げ強さ(曲げ荷重)、曲げ剛性(弾性勾配)
は改善されている。曲げ勾配とは、3点曲げ試験におい
て、板状試験片のたわみ量が2.5mmの時の荷重であ
り、板としての剛性の指標となる。実施例1と参考例1
は、単位面積当りの重量は同じであるが、実施例1の板
厚が膨張成形により参考例1に比べて約2倍に厚くなっ
ている。この結果は、曲げ強さが製品板厚の2乗、曲げ
剛性が板厚の3乗に比例することによるもので、特に剛
性の向上が著しいことが確認された。
【0033】比較例1は、実施例1、参考例1に比べて
機械的性質が低下していることが確認された。比較例1
の多孔質成形品では、表面付近の膨張が非常に大きく、
中心部はほとんど膨張していない構造を示していた。そ
のため、製品が曲げられる場合に引張り、圧縮の荷重が
加わる表面部が、機械的に弱い構造になり機械的性質が
低下する。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明は、繊維強化熱可塑
性樹脂の機械的性質の向上と軽量化メリットを生かす方
法として、繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形品およびそ
の成形方法を提供するものであるが、本発明により、多
孔質成形品の機械的性質が改良され、成形品厚みの許容
範囲も従来法に比べて広がるため、木材代替品等の用途
に有益な結果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形品の
成形方法の一例を示す概略図である。
【図2】従来の繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形品の成
形方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 繊維強化熱可塑性樹脂シート状成形素材 2 繊維強化熱可塑性樹脂層 3 無機フィラー含有熱可塑性樹脂層 4 複合シート状成形素材 5 遠赤外線加熱炉 6 樹脂リッチ層 7 冷却プレス盤 8 本発明の多孔質成形品 9 膨張した層 10 ほとんど膨張していない層 11 従来の多孔質成形品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/12 8413−4F 27/20 I 8413−4F // B29K 105:04 105:08 B29L 9:00 4F (72)発明者 木村 隆夫 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3〜30体積%の無機フィラーを含有し
    た熱可塑性樹脂が、抄造法によるシート状成形素材から
    形成された、強化繊維含有量が10体積%以上で、見か
    け密度0.2〜1.0g/cm3 の繊維強化熱可塑性樹脂層
    間に存在し、前記繊維強化熱可塑性樹脂層の連続気泡に
    浸入して前記繊維強化熱可塑性樹脂層同士を結合してい
    ることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂多孔質成形
    品。
  2. 【請求項2】 抄造法による強化繊維含有量が10体積
    %以上の繊維強化熱可塑性樹脂シート状成形素材を加熱
    し、強化繊維のスプリングバックを利用して膨張させた
    後、これらのシート状成形素材の間に加熱された3〜3
    0体積%の無機フィラーを含有した熱可塑性樹脂層を介
    在させた状態で加圧、冷却成形し全体を一体化すること
    を特徴とする請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹脂多孔
    質成形品の成形方法。
  3. 【請求項3】 抄造法による強化繊維含有量が10体積
    %以上の繊維強化熱可塑性樹脂シート状成形素材と、抄
    造法による強化繊維含有量が10体積%以上の繊維強化
    熱可塑性樹脂層と3〜30体積%の無機フィラーを含有
    した熱可塑性樹脂層からなる複合シート状成形素材を加
    熱し、強化繊維のスプリングバックを利用して膨張させ
    た後、これらのシート状成形素材の間に前記熱可塑性樹
    脂層を介在させた状態で、加圧、冷却成形し全体を一体
    化することを特徴とする請求項1記載の繊維強化熱可塑
    性樹脂多孔質成形品の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015221563A (ja) * 2007-10-03 2015-12-10 エイセル インダストリーズ リミテッド 複合製品

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