JPH06212344A - 高疲労強度温間鍛造用鋼 - Google Patents
高疲労強度温間鍛造用鋼Info
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- JPH06212344A JPH06212344A JP417593A JP417593A JPH06212344A JP H06212344 A JPH06212344 A JP H06212344A JP 417593 A JP417593 A JP 417593A JP 417593 A JP417593 A JP 417593A JP H06212344 A JPH06212344 A JP H06212344A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は表面が黒皮鍛造のままで使用される
自動車エンジンのコンロッド等の疲労強度を向上し、か
つ被削性をも改善した高疲労強度温間鍛造用鋼に関す
る。 【構成】 重量比にして、C:0.25〜0.50%、Si:0.35
%以下, Mn:0.50〜1.20%、Al:0.010 〜0.060 %、
V:0.15〜0.35%を含有し、必要に応じてCr 或いは
S,Pb,Caの1種ないし2種以上を含有させ、残部がFeな
らびに不純物元素からなり、かつ100 ×V(%) ×[C
(%)-Si(%) /3]>3.5 を満足し、さらに加熱温度1050
℃以下で温間鍛造を行ってフェライト・パ−ライト粒度
がJISNo で 9以上になることを特徴とする高疲労強度温
間鍛造用鋼。
自動車エンジンのコンロッド等の疲労強度を向上し、か
つ被削性をも改善した高疲労強度温間鍛造用鋼に関す
る。 【構成】 重量比にして、C:0.25〜0.50%、Si:0.35
%以下, Mn:0.50〜1.20%、Al:0.010 〜0.060 %、
V:0.15〜0.35%を含有し、必要に応じてCr 或いは
S,Pb,Caの1種ないし2種以上を含有させ、残部がFeな
らびに不純物元素からなり、かつ100 ×V(%) ×[C
(%)-Si(%) /3]>3.5 を満足し、さらに加熱温度1050
℃以下で温間鍛造を行ってフェライト・パ−ライト粒度
がJISNo で 9以上になることを特徴とする高疲労強度温
間鍛造用鋼。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は最近の自動車の燃費規制
に伴う軽量化対応に鑑み、細径化、薄肉化しても折損せ
ず、かつ表面が黒皮鍛造肌のままでも充分使用可能な高
疲労強度温間鍛造用鋼に関する。
に伴う軽量化対応に鑑み、細径化、薄肉化しても折損せ
ず、かつ表面が黒皮鍛造肌のままでも充分使用可能な高
疲労強度温間鍛造用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車エンジンのコンロッド等
は、機械構造用炭素鋼であるS50C, S55Cなどを用
い、熱間鍛造により成形後、高強度、高靱性を付与させ
るため、焼入焼もどし等の熱処理(以下調質と記す)が
施されていた。また、熱間鍛造後の調質処理が莫大なエ
ネルギ−を必要とすることから、省エネルギ−の社会的
要請に応えるために、熱間鍛造後の自然空冷にて必要な
性能の得られる非調質鋼の開発が近年盛んに行われ、C
を 0.2〜0.5%程度含有する中炭素鋼に0.03〜0.20% のV
添加した非調質鋼が提案され、使用されている。
は、機械構造用炭素鋼であるS50C, S55Cなどを用
い、熱間鍛造により成形後、高強度、高靱性を付与させ
るため、焼入焼もどし等の熱処理(以下調質と記す)が
施されていた。また、熱間鍛造後の調質処理が莫大なエ
ネルギ−を必要とすることから、省エネルギ−の社会的
要請に応えるために、熱間鍛造後の自然空冷にて必要な
性能の得られる非調質鋼の開発が近年盛んに行われ、C
を 0.2〜0.5%程度含有する中炭素鋼に0.03〜0.20% のV
添加した非調質鋼が提案され、使用されている。
【0003】しかしながら、表面が黒皮鍛造肌のまま使
用するコンロッド等の部品は、疲労強度がその表面性状
によりほぼ決定されてしまう。そして、問題となる表面
は製造時に高温にさらされ、脱炭、スケ−ル等が生成す
るため、本来材料が持っている特性を十分に生かすこと
は非常に難しい。従って、実際の部品が持つ強度は材料
が本来持つ強度に比べ著しく低くなってしまうのが通常
であり、実部品の疲労強度を上げることができず、高強
度化は困難であった。
用するコンロッド等の部品は、疲労強度がその表面性状
によりほぼ決定されてしまう。そして、問題となる表面
は製造時に高温にさらされ、脱炭、スケ−ル等が生成す
るため、本来材料が持っている特性を十分に生かすこと
は非常に難しい。従って、実際の部品が持つ強度は材料
が本来持つ強度に比べ著しく低くなってしまうのが通常
であり、実部品の疲労強度を上げることができず、高強
度化は困難であった。
【0004】よって、表面が黒皮鍛造肌のまま使用する
部品を高強度化しようとする場合には、使用する材料の
強度を上げるだけでは不十分であり、表面性状を改善す
ることが必要となる。そこで、特開平4-202741号 (疲労
強度の優れた熱間鍛造品) にも記載したように、Vの添
加ならびにSi量の低減等により熱間鍛造品の表面脱炭層
を改善し、疲労強度を向上させる方策が提案されてい
る。しかしながら高V鋼の熱間鍛造品において疲労強度
は向上するものの、硬さも高くなってしまい、ドリル穴
明け加工等の厳しい切削加工が困難であり、生産性の低
下を招く等の問題が生じていた。
部品を高強度化しようとする場合には、使用する材料の
強度を上げるだけでは不十分であり、表面性状を改善す
ることが必要となる。そこで、特開平4-202741号 (疲労
強度の優れた熱間鍛造品) にも記載したように、Vの添
加ならびにSi量の低減等により熱間鍛造品の表面脱炭層
を改善し、疲労強度を向上させる方策が提案されてい
る。しかしながら高V鋼の熱間鍛造品において疲労強度
は向上するものの、硬さも高くなってしまい、ドリル穴
明け加工等の厳しい切削加工が困難であり、生産性の低
下を招く等の問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、表面が黒
皮鍛造肌のまま使用するコンロッドの疲労強度向上に対
する前記の如き問題点を考慮してなされたもので、黒皮
鍛造肌のままで使用する場合においても優れた疲労強度
を有し、同時に優れた被削性を有する鋼を提供すること
を目的とする。
皮鍛造肌のまま使用するコンロッドの疲労強度向上に対
する前記の如き問題点を考慮してなされたもので、黒皮
鍛造肌のままで使用する場合においても優れた疲労強度
を有し、同時に優れた被削性を有する鋼を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記目的の
下に黒皮鍛造品の表面性状、中でも特に表面脱炭層の改
善について鋭意研究を重た結果、以下の知見をなし本発
明を得た。すなわちV添加によるフェライト脱炭層の低
減ならびにフェライト脱炭層の強化と熱間鍛造から温間
鍛造に変更することによる表面性状の改善とを組合わせ
ることにより、鍛造品の表面部と内部で全く硬さの変化
がなく均一となり、疲労強度も飛躍的に向上することを
発見した。そしてさらに検討を進めた結果、フェライト
脱炭量はC量,V量に反比例し、Si量に比例するため、
使用する鋼の組成を 100×V(%) ×[C(%) -Si(%)/
3]>3.5 に限定すると効果があることを見出したもの
である。
下に黒皮鍛造品の表面性状、中でも特に表面脱炭層の改
善について鋭意研究を重た結果、以下の知見をなし本発
明を得た。すなわちV添加によるフェライト脱炭層の低
減ならびにフェライト脱炭層の強化と熱間鍛造から温間
鍛造に変更することによる表面性状の改善とを組合わせ
ることにより、鍛造品の表面部と内部で全く硬さの変化
がなく均一となり、疲労強度も飛躍的に向上することを
発見した。そしてさらに検討を進めた結果、フェライト
脱炭量はC量,V量に反比例し、Si量に比例するため、
使用する鋼の組成を 100×V(%) ×[C(%) -Si(%)/
3]>3.5 に限定すると効果があることを見出したもの
である。
【0007】さらにこの鋼の温間鍛造条件とその結果得
られるミクロ組織についても検討した結果、加熱温度10
50℃以下で温間鍛造を行えば、鍛造品の表面層の硬さは
内部とほぼ同一となり、表面性状が改善されることを見
出した。またその結果得られるフェライト・パ−ライト
組織の結晶粒度が JISNoで 9以上となった時に飛躍的な
疲労強度の向上が図られることを確認し、本発明を完成
させたものである。
られるミクロ組織についても検討した結果、加熱温度10
50℃以下で温間鍛造を行えば、鍛造品の表面層の硬さは
内部とほぼ同一となり、表面性状が改善されることを見
出した。またその結果得られるフェライト・パ−ライト
組織の結晶粒度が JISNoで 9以上となった時に飛躍的な
疲労強度の向上が図られることを確認し、本発明を完成
させたものである。
【0008】本発明は前述の知見に基づいて完成された
ものであって、本発明の請求項1は、重量比にして、
C:0.25〜0.50%,Si:0.35%以下, Mn:0.50〜1.20
%,Al:0.010 〜0.060 %、V:0.15〜0.35%を含有
し、残部がFeならびに不純物元素からなり、かつ 100×
V(%) ×[C(%) -Si(%)/3]>3.5 を満足し、加熱温
度が1050℃以下で温間鍛造を行ってフェライト・パ−ラ
イト粒度が JISNoで 9以上になることを特徴とする高疲
労強度温間鍛造コンロッド用鋼であり、請求項2は請求
項1にさらにCr:0.20〜0.50%を含有し鋼の強度、靱性
のバランスを調整するものであり、請求項3は請求項2
にさらにS:0.04〜0.12%,Pb:0.05〜0.30%,Ca:0.
0005〜0.0100%のうち1種ないし2種以上を含有し、請
求項2の被削性をさらに向上させることを要旨とする。
ものであって、本発明の請求項1は、重量比にして、
C:0.25〜0.50%,Si:0.35%以下, Mn:0.50〜1.20
%,Al:0.010 〜0.060 %、V:0.15〜0.35%を含有
し、残部がFeならびに不純物元素からなり、かつ 100×
V(%) ×[C(%) -Si(%)/3]>3.5 を満足し、加熱温
度が1050℃以下で温間鍛造を行ってフェライト・パ−ラ
イト粒度が JISNoで 9以上になることを特徴とする高疲
労強度温間鍛造コンロッド用鋼であり、請求項2は請求
項1にさらにCr:0.20〜0.50%を含有し鋼の強度、靱性
のバランスを調整するものであり、請求項3は請求項2
にさらにS:0.04〜0.12%,Pb:0.05〜0.30%,Ca:0.
0005〜0.0100%のうち1種ないし2種以上を含有し、請
求項2の被削性をさらに向上させることを要旨とする。
【0009】つぎに本発明の高疲労強度温間鍛造用鋼の
化学成分組成限定理由、温間鍛造条件およびミクロ組織
の限定理由について以下に説明する。
化学成分組成限定理由、温間鍛造条件およびミクロ組織
の限定理由について以下に説明する。
【0010】C:0.25〜0.50% Cは強度の確保ならびにフェライト脱炭量の低減に必要
な元素であり、0.25%以上の含有が必要である。しかし
0.50%を越えて含有させても効果が飽和するとともに靱
性が低下するので上限を0.50%とした。
な元素であり、0.25%以上の含有が必要である。しかし
0.50%を越えて含有させても効果が飽和するとともに靱
性が低下するので上限を0.50%とした。
【0011】Si:0.35%以下 Siはフェライト脱炭量軽減のため含有量を低くすること
が望ましいが製鋼時の脱酸材として不可欠であるため、
上限を0.35%とした。
が望ましいが製鋼時の脱酸材として不可欠であるため、
上限を0.35%とした。
【0012】Mn:0.50〜1.20% Mnは製鋼時の脱酸ならびに鋼の強度、靱性バランスを調
整するため添加される元素であり、0.50%以上の含有が
必要である。しかし過剰に添加すると焼入性が向上し過
ぎてベイナイト組織が生成し、V炭窒化物によるフェラ
イト脱炭層の強化ならびに疲労強度の向上に対して妨げ
となる。よって本発明においては鍛造放冷でベイナイト
組織が生成しないようにするため、上限を1.20%とし
た。
整するため添加される元素であり、0.50%以上の含有が
必要である。しかし過剰に添加すると焼入性が向上し過
ぎてベイナイト組織が生成し、V炭窒化物によるフェラ
イト脱炭層の強化ならびに疲労強度の向上に対して妨げ
となる。よって本発明においては鍛造放冷でベイナイト
組織が生成しないようにするため、上限を1.20%とし
た。
【0013】Cr:0.20〜0.50% Crは鋼の強度、靱性バランスを調整するために有効な元
素であり、必要に応じて添加されるが上記効果を得るた
めには0.20%以上の含有が必要である。しかし過剰の添
加はMnと同様ベイナイトを生成するため、上限を0.50%
とした。
素であり、必要に応じて添加されるが上記効果を得るた
めには0.20%以上の含有が必要である。しかし過剰の添
加はMnと同様ベイナイトを生成するため、上限を0.50%
とした。
【0014】Al:0.010 〜0.060 % Alは強力な脱酸効果を有する元素であるが 0.010%未満
の含有では脱酸効果が認められなくなるので、下限を0.
010 %とした。しかし0.060 %を越えて含有させると前
記効果が飽和するとともに被削性を低下させるので、上
限を0.06%とした。
の含有では脱酸効果が認められなくなるので、下限を0.
010 %とした。しかし0.060 %を越えて含有させると前
記効果が飽和するとともに被削性を低下させるので、上
限を0.06%とした。
【0015】V:0.15〜0.35% Vは鋼中のC,Nと結合して炭窒化物となって鍛造後の
冷却中に微細に析出することにより、フェライトを強化
するという非調質鋼にとっては必須の元素であり、通常
は0.10%程度添加されている。但し本発明の場合にはそ
れ以外の効果として、VがCと結合しトラップし、フェ
ライト脱炭層を低減させることと、生成したフェライト
脱炭層をVの炭窒化物により強固に析出強化させること
をも狙いとしており、それらの効果が得られる最低量で
ある0.15%を下限とした。しかしながら0.35%を越えて
含有させても1050℃以下の加熱温度ではVが未固溶とな
るため前記効果が飽和するとともに、靱性が低下して早
期破断の危険を招くため、上限を0.35%とした。
冷却中に微細に析出することにより、フェライトを強化
するという非調質鋼にとっては必須の元素であり、通常
は0.10%程度添加されている。但し本発明の場合にはそ
れ以外の効果として、VがCと結合しトラップし、フェ
ライト脱炭層を低減させることと、生成したフェライト
脱炭層をVの炭窒化物により強固に析出強化させること
をも狙いとしており、それらの効果が得られる最低量で
ある0.15%を下限とした。しかしながら0.35%を越えて
含有させても1050℃以下の加熱温度ではVが未固溶とな
るため前記効果が飽和するとともに、靱性が低下して早
期破断の危険を招くため、上限を0.35%とした。
【0016】S:0.04〜0.12%, Pb:0.05〜0.30%,C
a:0.0005〜0.0100%の1種以上 S,Pb,Caは被削性の改善に有効な元素であり、熱間鍛造
後の切削の程度に応じて必要量添加されるものである。
前記効果を得るためにはS;0.04 %、Pb:0.05%,Ca:0.
0005 %以上の含有が必要である。しかし多量に含有さ
せてもその効果が飽和するとともに靱性を低下させるの
で、上限をS:0.12 %、Pb0.30%,Ca:0.0100 %とし
た。
a:0.0005〜0.0100%の1種以上 S,Pb,Caは被削性の改善に有効な元素であり、熱間鍛造
後の切削の程度に応じて必要量添加されるものである。
前記効果を得るためにはS;0.04 %、Pb:0.05%,Ca:0.
0005 %以上の含有が必要である。しかし多量に含有さ
せてもその効果が飽和するとともに靱性を低下させるの
で、上限をS:0.12 %、Pb0.30%,Ca:0.0100 %とし
た。
【0017】100×V(%) ×[C(%)-Si(%) /3]>3.5 100×V(%) ×[C(%)-Si(%) /3](以下式(1)と記
す)>3.5 はフェライト脱炭の生成やそれによる硬さ低
下を極力小さくし、優れた疲労強度を得るための必須条
件である。C,Nの含有量が少なかったり、Siを過剰に
含有して式(1)≦3.5 となると、フェライト脱炭層が増
加し、表面近傍の硬さが大きく低下して部品の疲労強度
が低下するので式(1)>3.5 とする必要がある。
す)>3.5 はフェライト脱炭の生成やそれによる硬さ低
下を極力小さくし、優れた疲労強度を得るための必須条
件である。C,Nの含有量が少なかったり、Siを過剰に
含有して式(1)≦3.5 となると、フェライト脱炭層が増
加し、表面近傍の硬さが大きく低下して部品の疲労強度
が低下するので式(1)>3.5 とする必要がある。
【0018】加熱温度1050℃以下で温間鍛造 加熱温度1050℃以下で温間鍛造するという製造時の限定
条件は、前記した鋼を使用して製造した鍛造品の性能を
最大限に生かす必須条件である。もし加熱温度が1050℃
を越えると、表面性状が悪くなって疲労強度が低下する
とともに、鍛造品の表面部に比べて内部の硬さが高くな
ってしまいドリル穴明け加工等の厳しい切削加工が困難
となるため、加熱温度1050℃以下で温間鍛造することと
した。また、800℃以下では鍛造が困難であるため、
下限は800℃以上が望ましい。さらに、加熱時間が長
くなると脱炭、肌荒、結晶粒粗大化等の問題が生ずるの
で、1時間以内が望ましい。
条件は、前記した鋼を使用して製造した鍛造品の性能を
最大限に生かす必須条件である。もし加熱温度が1050℃
を越えると、表面性状が悪くなって疲労強度が低下する
とともに、鍛造品の表面部に比べて内部の硬さが高くな
ってしまいドリル穴明け加工等の厳しい切削加工が困難
となるため、加熱温度1050℃以下で温間鍛造することと
した。また、800℃以下では鍛造が困難であるため、
下限は800℃以上が望ましい。さらに、加熱時間が長
くなると脱炭、肌荒、結晶粒粗大化等の問題が生ずるの
で、1時間以内が望ましい。
【0019】フェライト・パ−ライト粒度がJISNo で9
以上 フェライト・パ−ライト粒度がJISNo で9以上という条
件は、前記した鋼を使用して製造した鍛造品の性能を最
大限に生かす必須条件である。前記した鋼を加熱温度10
50℃以下で温間鍛造すれば、殆どの場合、フェライト・
パ−ライト粒度はJISNo.で9以上となるが、鋼の化学組
成と鍛造条件の組合わせにより変化し、場合によっては
フェライト・パ−ライト粒度がJISNo.で9未満となるこ
とがある。鍛造品の疲労強度を良好なものとするために
は、表面性状の改善に加えてフェライト・パ−ライト粒
度をJISNo で9以上とする必要がある。
以上 フェライト・パ−ライト粒度がJISNo で9以上という条
件は、前記した鋼を使用して製造した鍛造品の性能を最
大限に生かす必須条件である。前記した鋼を加熱温度10
50℃以下で温間鍛造すれば、殆どの場合、フェライト・
パ−ライト粒度はJISNo.で9以上となるが、鋼の化学組
成と鍛造条件の組合わせにより変化し、場合によっては
フェライト・パ−ライト粒度がJISNo.で9未満となるこ
とがある。鍛造品の疲労強度を良好なものとするために
は、表面性状の改善に加えてフェライト・パ−ライト粒
度をJISNo で9以上とする必要がある。
【0020】
【実施例】以下に本発明の特徴を比較鋼、従来鋼と比較
し、実施例でもって明らかにする。表1は実施例に用い
た供試鋼の化学成分を示したものである。表1において
A〜H鋼は前述した本発明の条件を満足する鋼であり、
A,B鋼は請求項1、C,D鋼は請求項2、E〜H鋼は
請求項3に該当する鋼である。また、I〜N鋼は本発明
に使用する鋼としての条件を部分的に満足しない比較鋼
であり、O,P鋼は従来から使用されている鋼であるS
55Cである。
し、実施例でもって明らかにする。表1は実施例に用い
た供試鋼の化学成分を示したものである。表1において
A〜H鋼は前述した本発明の条件を満足する鋼であり、
A,B鋼は請求項1、C,D鋼は請求項2、E〜H鋼は
請求項3に該当する鋼である。また、I〜N鋼は本発明
に使用する鋼としての条件を部分的に満足しない比較鋼
であり、O,P鋼は従来から使用されている鋼であるS
55Cである。
【0021】
【表1】
【0022】実施例として使用した供試材は熱間圧延に
て製造した直径50mmの丸棒を高周波加熱炉により1000℃
に加熱後、1000〜900 ℃で図1に示すような形状に鍛造
し、室温まで自然空冷したものであり、P鋼については
空冷し後,800℃にて加熱後、油浴中にて焼入,580℃にて
焼もどしを行った。
て製造した直径50mmの丸棒を高周波加熱炉により1000℃
に加熱後、1000〜900 ℃で図1に示すような形状に鍛造
し、室温まで自然空冷したものであり、P鋼については
空冷し後,800℃にて加熱後、油浴中にて焼入,580℃にて
焼もどしを行った。
【0023】これら各供試材を機械加工によりコンロッ
ド完成品の試験材とし、電気油圧式疲労試験機により引
張・圧縮荷重負荷方式の実体疲労試験を行い、耐久限を
求めた。また表面から0.1mm と中心部における硬さ、フ
ェライト脱炭層の深さの測定、ミクロ組織の観察とフェ
ライト・パ−ライト粒度の測定も併せて行った。
ド完成品の試験材とし、電気油圧式疲労試験機により引
張・圧縮荷重負荷方式の実体疲労試験を行い、耐久限を
求めた。また表面から0.1mm と中心部における硬さ、フ
ェライト脱炭層の深さの測定、ミクロ組織の観察とフェ
ライト・パ−ライト粒度の測定も併せて行った。
【0024】以上の測定結果により使用する鋼の成分の
違いによる実部品の耐久限への影響および硬さ、脱炭レ
ベルの変化について検討を行った。表2にこれらの結果
を示す。なお、硬さの測定はビッカ−ス硬度計により測
定荷重 500gfで行い、フェライト脱炭層の深さ測定、ミ
クロ組織の観察、フェライト・パ−ライト粒度の測定に
ついては光学顕微鏡を用い 400倍の倍率で行った。また
被削性については上記方法にて作成したそれぞれの試験
材にSKH51 製φ 5mmストレ−トドリル、深さ15mmの条件
で穴明けを連続で行いドリル寿命を測定し、従来鋼であ
るO鋼を 100とした指数で評価し表2に示した。
違いによる実部品の耐久限への影響および硬さ、脱炭レ
ベルの変化について検討を行った。表2にこれらの結果
を示す。なお、硬さの測定はビッカ−ス硬度計により測
定荷重 500gfで行い、フェライト脱炭層の深さ測定、ミ
クロ組織の観察、フェライト・パ−ライト粒度の測定に
ついては光学顕微鏡を用い 400倍の倍率で行った。また
被削性については上記方法にて作成したそれぞれの試験
材にSKH51 製φ 5mmストレ−トドリル、深さ15mmの条件
で穴明けを連続で行いドリル寿命を測定し、従来鋼であ
るO鋼を 100とした指数で評価し表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】表2から明らかなように比較鋼、従来鋼を
使用して製造した温間鍛造品である実施例No 9〜16鋼を
本発明実施例No.1〜8 鋼の温間鍛造品と比較すると、9
鋼はC含有量が低いため、フェライト脱炭層の深さが大
きく、表面から0.1mm の硬さが低くなって、耐久限が劣
るものであり、10鋼はSi含有量が高いため、9 と同様な
理由により耐久限が劣るものであり、11鋼はMnおよびCr
の含有量が高いため、焼入性が向上しすぎてフェライト
・パ−ライト組織にベイナイト組織が混在し、フェライ
ト脱炭層がV炭窒化物により十分に析出硬化されなかっ
たため、耐久限が劣るものであり、12鋼はVの含有量が
低く、13鋼は化学成分は本発明の範囲内であるが、式
(1)を満足していないため、フェライト脱炭層の深さが
大きく、表面近傍の硬さが低くなってしまい、耐久限が
劣るものでる。
使用して製造した温間鍛造品である実施例No 9〜16鋼を
本発明実施例No.1〜8 鋼の温間鍛造品と比較すると、9
鋼はC含有量が低いため、フェライト脱炭層の深さが大
きく、表面から0.1mm の硬さが低くなって、耐久限が劣
るものであり、10鋼はSi含有量が高いため、9 と同様な
理由により耐久限が劣るものであり、11鋼はMnおよびCr
の含有量が高いため、焼入性が向上しすぎてフェライト
・パ−ライト組織にベイナイト組織が混在し、フェライ
ト脱炭層がV炭窒化物により十分に析出硬化されなかっ
たため、耐久限が劣るものであり、12鋼はVの含有量が
低く、13鋼は化学成分は本発明の範囲内であるが、式
(1)を満足していないため、フェライト脱炭層の深さが
大きく、表面近傍の硬さが低くなってしまい、耐久限が
劣るものでる。
【0027】なお、14鋼のように化学成分、式(1)>
3.5 ともに本発明の範囲に入っていてもフェライト・パ
−ライトの粒度がJISNo で 8となり、 9以上を満足しな
い場合には充分な耐久限が得られない。また、従来鋼で
あるS55Cを本発明鋼、比較鋼と同様に温間鍛造後放冷
ままで試験したところ、やはりフェライト脱炭層の深さ
が大きく、耐久限が劣る。同じくS55Cを温間鍛造後に
調質しても表面性状は改善されず、むしろ調質時の加熱
によりフェライト脱炭層の深さが大きくなってしまい耐
久限が劣るものである。
3.5 ともに本発明の範囲に入っていてもフェライト・パ
−ライトの粒度がJISNo で 8となり、 9以上を満足しな
い場合には充分な耐久限が得られない。また、従来鋼で
あるS55Cを本発明鋼、比較鋼と同様に温間鍛造後放冷
ままで試験したところ、やはりフェライト脱炭層の深さ
が大きく、耐久限が劣る。同じくS55Cを温間鍛造後に
調質しても表面性状は改善されず、むしろ調質時の加熱
によりフェライト脱炭層の深さが大きくなってしまい耐
久限が劣るものである。
【0028】これに対して、本発明の温間鍛造品である
実施例No.1〜8 鋼はC,Vを適量含有しSiの含有量を抑
えて、式(1)>3.5 を満足する鋼を使用して、加熱温度1
050℃以下で温間鍛造を行ったことにより、フェライト
脱炭層が0.0mm となって表面近傍の硬さが中心部の硬さ
とほとんど同じとなり、フェライト・パ−ライト粒度も
JISNo.で9 以上となった結果、実体疲労試験における耐
久限が40Kgf/mm2 以上という優れた疲労強度を示すもの
である。
実施例No.1〜8 鋼はC,Vを適量含有しSiの含有量を抑
えて、式(1)>3.5 を満足する鋼を使用して、加熱温度1
050℃以下で温間鍛造を行ったことにより、フェライト
脱炭層が0.0mm となって表面近傍の硬さが中心部の硬さ
とほとんど同じとなり、フェライト・パ−ライト粒度も
JISNo.で9 以上となった結果、実体疲労試験における耐
久限が40Kgf/mm2 以上という優れた疲労強度を示すもの
である。
【0029】また、被削性改善元素を添加した実施例E
〜H鋼のドリル穿孔試験結果は、表2に示したように従
来鋼Oの調質材を 100としたものと比べて 138〜189 と
大幅に被削性が向上したことが明らかになった。
〜H鋼のドリル穿孔試験結果は、表2に示したように従
来鋼Oの調質材を 100としたものと比べて 138〜189 と
大幅に被削性が向上したことが明らかになった。
【0030】次に鍛造時の加熱温度の変化による影響を
調査した実施例について以下に示す。表1に示す鋼のう
ち本発明対象鋼であるB,H鋼と比較鋼のJ鋼および従
来鋼であるO鋼の直径50mmの熱間圧延棒鋼を各種の加熱
温度で加熱後鍛造し、室温まで空冷して、試験材を作製
した。そして出来上がった試験材を用いて実体疲労試
験、硬さ測定、脱炭層およびミクロ組織の観察を前記実
施例と同様の方法で行い、その性能を評価した。表3に
これらの結果を示す。
調査した実施例について以下に示す。表1に示す鋼のう
ち本発明対象鋼であるB,H鋼と比較鋼のJ鋼および従
来鋼であるO鋼の直径50mmの熱間圧延棒鋼を各種の加熱
温度で加熱後鍛造し、室温まで空冷して、試験材を作製
した。そして出来上がった試験材を用いて実体疲労試
験、硬さ測定、脱炭層およびミクロ組織の観察を前記実
施例と同様の方法で行い、その性能を評価した。表3に
これらの結果を示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3から明らかように、本発明対象鋼であ
るB,H鋼を使用しても加熱温度が1050℃を越えるとフ
ェライト脱炭の深さが大きく、表面近傍の硬さ低下が大
きくなるとともにフェライト・パ−ライト粒度が JISNo
で 9未満となり、耐久限が低くなっている。このデ−タ
から本発明の効果を充分に引き出すためには、鍛造時の
加熱温度を1050℃以下とする必要があることがわかる。
るB,H鋼を使用しても加熱温度が1050℃を越えるとフ
ェライト脱炭の深さが大きく、表面近傍の硬さ低下が大
きくなるとともにフェライト・パ−ライト粒度が JISNo
で 9未満となり、耐久限が低くなっている。このデ−タ
から本発明の効果を充分に引き出すためには、鍛造時の
加熱温度を1050℃以下とする必要があることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明の高疲労強度温間鍛造用鋼は上述
のように、C,Vの適量含有とSi含有量を抑制し、かつ
式(1)および加熱温度を特定範囲にすることにより、表
面が黒皮鍛造肌のままで使用するコンロッドにおいて、
フェライト脱炭層の生成を抑制し、表面性状を著しく改
善することができ、また表面近傍と中心部との硬さの差
をなくしたことにより実部品の疲労強度を飛躍的に改善
することができた。この技術は自動車の軽量化、低燃費
化等産業上寄与するところは極めて大である。
のように、C,Vの適量含有とSi含有量を抑制し、かつ
式(1)および加熱温度を特定範囲にすることにより、表
面が黒皮鍛造肌のままで使用するコンロッドにおいて、
フェライト脱炭層の生成を抑制し、表面性状を著しく改
善することができ、また表面近傍と中心部との硬さの差
をなくしたことにより実部品の疲労強度を飛躍的に改善
することができた。この技術は自動車の軽量化、低燃費
化等産業上寄与するところは極めて大である。
【図1】実施例として製作したコンロッドの形状を示す
図である。
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂東 克己 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 安田 茂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 森 元秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】重量比にして、C:0.25〜0.50%,Si:0.
35%以下,Mn:0.50〜1.20%,Al:0.010 〜0.060 %,
V:0.15〜0.35%を含有し, 残部がFeならびに不純物元
素からなり、かつ 100×V(%) ×[C(%) −Si(%) /
3]>3.5 を満足し、さらに加熱温度1050℃以下で温間
鍛造を行ってフェライト・パ−ライト粒度が JISNoで9
以上になることを特徴とする高疲労強度温間鍛造用鋼。 - 【請求項2】重量比にして、C:0.25〜0.50%,Si:0.
35%以下,Mn:0.50〜1.20%,Cr:0.20〜0.50%,Al:
0.010 〜0.060 %,V:0.15〜0.35%を含有し, 残部が
Feならびに不純物元素からなり、かつ 100×V(%) ×
[C(%) −Si(%) /3]>3.5 を満足し、さらに加熱温
度1050℃以下で温間鍛造を行ってフェライト・パ−ライ
ト粒度が JISNoで9以上になることを特徴とする高疲労
強度温間鍛造用鋼。 - 【請求項3】重量比にして、C:0.25〜0.50%,Si:0.
35%以下,Mn:0.50〜1.20%,Cr:0.20〜0.50%,Al:
0.010 〜0.060 %,V:0.15〜0.35%と, さらにS:0.
04〜0.12%,Pb:0.04〜0.12%,Ca:0.0005〜0.0100%
のうち1種ないし2種以上を含有し、残部がFeならびに
不純物元素からなり、かつ 100×V(%) ×[C(%) −Si
(%) /3]>3.5 を満足し、加熱温度1050℃以下で温間
鍛造を行ってフェライト・パ−ライト粒度が JISNoで9
以上になることを特徴とする高疲労強度温間鍛造用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP417593A JPH06212344A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 高疲労強度温間鍛造用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP417593A JPH06212344A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 高疲労強度温間鍛造用鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06212344A true JPH06212344A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=11577387
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP417593A Pending JPH06212344A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 高疲労強度温間鍛造用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06212344A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003155521A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-30 | Aichi Steel Works Ltd | 高強度鍛造品の製造方法 |
| CN102851471A (zh) * | 2012-09-27 | 2013-01-02 | 攀枝花学院 | 低碳合金钢快速获得细小铁素体晶粒的热处理方法 |
| CN110453138A (zh) * | 2019-08-30 | 2019-11-15 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种汽车转向节用中碳合金钢及其制备方法 |
-
1993
- 1993-01-13 JP JP417593A patent/JPH06212344A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003155521A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-30 | Aichi Steel Works Ltd | 高強度鍛造品の製造方法 |
| CN102851471A (zh) * | 2012-09-27 | 2013-01-02 | 攀枝花学院 | 低碳合金钢快速获得细小铁素体晶粒的热处理方法 |
| CN110453138A (zh) * | 2019-08-30 | 2019-11-15 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种汽车转向节用中碳合金钢及其制备方法 |
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