JPH062144A - 堆積膜形成装置の基体支持体 - Google Patents

堆積膜形成装置の基体支持体

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JPH062144A
JPH062144A JP18055092A JP18055092A JPH062144A JP H062144 A JPH062144 A JP H062144A JP 18055092 A JP18055092 A JP 18055092A JP 18055092 A JP18055092 A JP 18055092A JP H062144 A JPH062144 A JP H062144A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】基体温度の変化が無く、特性の安定した堆積膜
の製造を可能にする堆積膜製造における基体用支持体を
提供する。 【構成】減圧可能な成膜空間を持つ反応容器を有し、前
記成膜空間内の基体支持体101上に載置された基体1
03上に機能性堆積膜を形成する堆積膜製造装置の基体
支持体であって、該基体支持体の少なくとも一部を金属
酸化物粉末の溶射102により黒化処理する事を特徴と
する堆積膜形成における基体支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基体上に機能性堆積
膜、特に半導体デバイス、電子写真用感光体デバイス、
画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス等に用いるア
モルファス半導体膜を形成する堆積膜形成装置において
用いられる基体支持体の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイス、電子写真用感光
体デバイス、画像入力用ライン・センサー、撮像デバイ
ス、その他各種エレクトロニクス素子部材としてアモル
ファス・シリコン(以降「a−Si]と略記する。)等
の機能性堆積膜が提案され、その中のいくつかは実用に
供されている。
【0003】こうした機能性堆積膜の形成は、例えば真
空蒸着法、スパッタング法、気相化学法等の手段を用い
て行われる。これ等の手段の中で、一例として気相化学
法を取りあげ、以下にその概要を述べる。
【0004】気相化学法は、堆積膜形成用の原料ガスを
プラズマ、熱、光等のエネルギーにより分解、励起し、
ガラス、石英、アルミニウム、ステンレス、合成樹脂フ
ィルムなどの基体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法で
ある。
【0005】以下、高周波プラズマのエネルギーを利用
した気相化学法(以下「R.F.プラズマCVD法」と
略記する)より、電子写真用感光デバイスを形成する方
法について簡単に述べる。
【0006】図3はR.F.プラズマCVD法により電
子写真用a−Si系感光体を作成する際に用いる堆積膜
形成装置の模式図である。
【0007】図3において、201は反応炉、202は
円筒状アルミニウム製基体、203は基体加熱用ヒータ
ーであり、不図示の電源により所望の温度迄加熱を行う
事が出来る。204は基体回転用のモーターであり、基
体上に堆積する膜の周方向の均一化を図るために用いら
れる。
【0008】205は反応炉内の圧力を知る為の真
計、206はR.F.グロー放電を励起する為の電極で
あり、電源207より電力が供給される。208は反応
炉リーク用のバルブ、209は排気管、210は排気用
のストップ・バルブ、211は排気速度が可変な例えば
メカニカル・ブースター・ポンプ等の排気ポンプ、21
2はロータリー・ポンプである。
【0009】213は基体支持体、214はガスを反応
炉へ導くガス管であり、215は温度を知る為の熱電対
である。220,230,240,・・・,280は各
々ガスの充填されたボンベあり、220はSiH4ガス
ボンベ、230はH2ガス・ボンベ、240はB26
ス・ボンベ(3000ppm、H2希釈、以下これをB2
6/H2と略記する)、250はNOガス・ボンベ、2
60はGeH4ガス・ボンベ、270はCH4ガス・ボン
ベ、280はArガス・ボンベ、221,231,・・
・,281は各々ボンベの開閉バルブ、222,23
2,・・・,282は各々ガスの圧力を調節する減圧
器、223,233,・・・,283は各々ガス導入バ
ルブ、224,234,・・・,284は各々ガス流量
を調節する為のマス・フロー・コントローラー、22
5,235,・・・,285は各々ガス供給バルブであ
る。
【0010】図3に示した堆積膜形成装置を用いてa−
Si系感光体を作成する工程を簡単に述べる。
【0011】まず、所定の加工、表面処理、そして洗浄
の行われた円筒状アルミニウム基体202(長さ358
mm,直径80mm,肉厚5mm)を基体支持体213
と組み合わせ反応炉内に設置する。次いで排気バルブ2
10を開けた後に、ロータリー・ポンプ212及びメカ
ニカル・ブースター・ポンプ211を起動し、反応炉2
01内を減圧とする。反応炉201内の圧力を真空計2
05で監視し、圧力が0.001torr以下となった
ならば、モーター204により基体を1rpmで回転
し、又、不図示の電源によりヒーター203に電力を供
給し、基体202の温度を300℃迄加熱する。
【0012】基体202の温度が300℃となったなら
ば表1に示す条件により、基体上にa−Si系感光体を
構成する長波長光吸収層、電荷注入阻止層、光導電層、
表面保護層を順に形成する。
【0013】長波長光吸収層を形成するには、Si
4,H2,B26/H2,NO,Ge 4の充填されたボ
ンベのバルブ221,231,・・・,261を開け、
各々のガスをガス各に減圧器222,232,・・・,
262により所望の圧力に減圧する。次に導入バルブ2
23,233,・・・,263を開け各々のガスをマス
・フロー・コントローラー224,234,・・・,2
64に導入する。各々のガスは、マス・フロー・コント
ローラーにより所望の流量に制御されて、供給バルブ2
25,235,・・・,265を通過した後混合されガ
ス管214から反応炉内へ導入される。
【0014】長波長光吸収層の作成条件の1例は表1に
示す通りである。SiH4ガス流量100SCCM、H2ガス
流量600SCCM、B26/H2ガスを、SiH4ガス流量
に対して3000ppmの流量、NOガス流量5SCCM
GeH4ガス流量50SCCMとなるようマス・フロー・コ
ントローラーで調節する。次いで、真空計205を見な
がら排気ポンプ211の排気速度を調節して反応炉内圧
力を0.5Torrに調節する。次にR.F.電源20
7から電力を供給する事により電極206間にグロー放
電を生起させ長波長光吸収層の形成を開始する。
【0015】所望の膜厚の長波長光吸収層が形成された
ならば、放電を止め、長波長光吸収層の形成を終える。
以下、同様の手順により表1に示す条件で電荷注入阻止
層、光導電層、表面層を順に形成する。形成される各層
の切り替え時には必要に応じてすべてのバルブを閉じ、
一旦系内を高真空にする作業を行う。
【0016】以上の様にしてa−Si系感光体を構成す
る全層の形成を終えたならば、加熱用電源を切りa−S
i系感光体及び反応炉内を冷却する。常温迄冷却された
a−Si系感光体は、反応炉から取り出され電子写真装
置への使用に供される。
【0017】この様な膜堆積時の問題点として、膜堆積
のサイクルを重ねる度に基体支持手段(即ち、基体支持
体)の表面が黒化し、その結果、基体温度が経時的に変
化するという事が挙げられる。基体温度の変化は、堆積
膜の特性へ影響を与えてしまう。この問題点を以下に詳
述する。基体の温度の測定には一般に熱電対が広く用い
られる。熱電対は次に述べる理由によって直接、基体表
面の温度を測る事が困難である。すなわち、熱電対を直
接基体202の表面に接触させた場合には、電極206
間の放電により、熱電対自身がプラズマ加熱、あるいは
高周波加熱されてしまい、その結果、基体表面の温度を
正確に測る事が出来ない。
【0018】又、熱電対自身に膜が堆積してしまうとい
う問題もある。更にエッチングに対する耐性の問題があ
る。膜堆積時に目的とする基体以外の箇所にも少なから
ず、膜あるいは粉体が堆積するが、これ等の不必要な膜
あるいは粉体をクリーニングする為にCF4 NF3,S
6等のガスを励起し、それ等励起種により膜あるいは
粉体を気相へと還元する、いわゆるエッチング法が広く
使われている。エッチングを行う結果熱電対が、上述し
た励起種によって腐食されてしまい実用とならない。
【0019】こうした様々な理由により、熱電対で直接
基体表面の温度を計る事は困難であり、実使用上は図3
に示した如く、熱電対を基体支持体のプラズマにさらさ
れない側に設置せざるを得ない。一方、熱電対で温度を
測定する箇所と基体表面の温度は全く同一ではなく温度
勾配が少なからず存在するので、実使用上は基体表面温
度が所望の温度となる時に、図3に示した位置の温度が
何度であるかを予め調べておき、以降、図3に示した位
置にある熱電対により温度をモニターしながらヒーター
をコントロールするという方法をとる。
【0020】前述の、図3に示した位置に存在する熱電
対と基体表面との温度差(以降この温度差を「温度差
丁」と略記する)には諸般の要因があるが、例えば基体
202及び基体支持体213の熱伝導、熱容量、あるい
は表面状態などが影響すると考えられる。以上の要因の
うち熱伝導、熱容量は長期に渡っての経時的な変化は少
なく、実際上、温度差丁の経時変化は問題とならない。
これに対して基体支持体の表面状態は経時変化があり、
温度差丁の変化を生む要因となる。すなわち通常、堆積
膜形成時に基体温度は200℃乃至400℃前後迄加熱
されるが、成膜サイクルを重ねる度に基体支持体に長期
に渡る、加熱の影響によるいわゆる「焼け」を生じ表面
色が黒化する。成膜サイクルを重ね、基体支持体の表面
の黒化が進行するにつれ、ヒーターからの熱輻射により
基体支持体が暖められる程度が増し、結果的に基体表面
の温度が高くなる。
【0021】以上をまとめると、成膜サイクルを重ねる
度に基体支持体の表面が黒化し、その結果、加熱条件を
一定と保っているにも拘らず、基体温度が経時的に高く
なる。同時に、堆積膜の特性も基体温度の変化に伴って
変動する。
【0022】以上の実例では、ヒーターにより加熱する
場合を取り上げたが、基体を基体支持体を通して加熱す
る場合には、どのような加熱方式であっても、例えば、
光照射加熱、誘導加熱等の方法を用いた場合にも事情は
変わらない。又、このような問題点は、電子写真用感光
体を作成する場合に限られるものではなく、基体支持体
を有する堆積膜製造装置を利用して堆積されるデバイス
すべてに共通する問題点である。
【0023】このような、基体支持体の黒化による温度
変化を防止するについて、一般に行われていた方法とし
て、毎回の膜堆積サイクルが終了した時点で、基体支持
体を再生する方法がある。この方法は、ヤスリによる研
磨、サンド・ブラスト、あるいは梨子地仕上げの際に用
いるホーニング処理、更には化学的処理等の手段により
基体支持体の黒化部分を除いて初期の状態に再生する方
法である。この再生方法によれば、基体の温度変化が無
く、堆積した膜の特性の安定化を図る事が可能ではある
が、毎回の膜堆積サイクル毎に、基体支持体の再生を行
わなければならず、その作業に要する手間及び時間は甚
大なものとなりコストの増大を招いてしまう。又、極め
て微妙な色ムラが堆積した膜の特性ムラに反映してしま
う為、再生時の品質管理にも高い精度が要求される。
【0024】ところで、基体温度の経時変化を防止する
手段として、基体支持体の少なくとも一部を事前に黒化
処理を行っておく方法が考えられる。この方法によれ
ば、基体支持体の表面色が使用初期から一定であるの
で、基体温度の経時変化が無く、又、成膜サイクル毎に
基体支持体の再生の必要が無い。しかし、事前の黒化処
理をインク、塗装等の手段を用いて行うと、加熱により
インク、あるいは塗装面が変質したり、損傷を受けやす
いという問題点がある。又、更に真空状態に置かれた時
の耐久性、脱ガスといった問題もある。以上の点からイ
ンクあるいは塗料等により基体支持体を黒化する事は実
際上困難である。
【0025】又、黒化処理を施す別の手段として基体支
持体に有色の金属を真空蒸着する方法が考えられる。し
かし、一般に金属膜は硬度が軟らかく、頻繁に組上げ及
び分解を行う基体支持体に適しているとは言えない。
【0026】以上、述べた問題点に鑑み、基体支持体を
事前に黒化し、且つその黒化した部分が減圧、加熱等に
充分に耐え、また機械的衝撃にも強いという黒化手段の
提供が切望されている。
【0027】
【発明の目的】本発明は、堆積膜製造装置の基体支持体
における上述の問題点を克服し、基体温度変化が無く、
特性の安定した堆積膜の製造が可能な堆積膜製造装置の
基体支持体を提供する事を目的とする。
【0028】
【発明の構成・結果】本発明は前記目的を達成するもの
であって、本発明により提供される堆積膜製造装置の基
体支持体は、以下の構成内容のものである。
【0029】即ち、減圧可能な成膜空間を持つ反応容器
を有し、前記成膜空間内の基体支持体上に載置された基
体上に機能性堆積膜を形成する堆積膜製造装置の基体支
持体であって、前記基体支持体の少なくとも一部を金属
酸化物粉末の溶射により黒化処理する事を特徴とする。
金属酸化物粉末の溶射法で黒化処理の行われたかくなる
基体支持体を使用する事により、成膜サイクルを重ねた
場合においても基体表面の温度が一定となり、堆積膜の
特性の安定化が可能となる。
【0030】一般的に溶射材料として広く用いられてい
る物質には例えば、Al23,NiO,TiO2,Cr2
3,ZrO2,Y23等及びこれ等の混合物質がある。
こうした材料の中から前述の条件、すなわち、溶射後の
色が黒色である事、500℃程度迄の加熱に対して安定
である事、充分な硬度を有する事等の条件をすべて満た
し、更に比較的容易に入手し得る材料としてAl23
NiO(アルミナ・酸化ニッケル)混合粉末,Al
23,Cr23(アルミナ,クロミヤ)混合粉末,Al
23,TiO2(アルミナ・チタニア)混合粉末があ
る。酸化ニッケル、チタニア、クロミヤは単体では各々
灰色、白色、緑色であるが、アルミナと混合して溶射し
た後にはすべて黒色化する。これらの物質は約500℃
迄の耐熱性を有する。
【0031】これらの物質の中、特にアルミナ・クロミ
ヤは、700℃以上の耐熱性を有するところ、好適であ
る。また、硬度の観点からすると、上述した物質の溶射
膜は、ビッカース硬度で数百の硬度を有しており、蒸着
金属等に比べてはるかに硬い。中でも特にアルミナ・ク
ロミヤの溶射膜は、900程度の硬度を有しているとこ
ろ好適である。上記の金属酸化物粉末を溶射する方法と
しては、直流アーク放電を利用したプラズマ溶射法が一
般的に採用できる。
【0032】溶射により作成される層(以降、「溶射
層」と略記する)の厚みについては、特に制限はない
が、基体支持体上の溶射箇所を完全に溶射面で覆うにつ
いて、ある程度の厚みが必要であり、且つ溶射層自身の
熱容量が基体支持体の熱容量に対して無視し得る層厚で
ある事が望ましい。こうしたことから、溶射層の厚み
は、好ましくは1乃至1000μm、より好ましくは、
10乃至100μmとするのが望ましい。
【0033】基体支持上の溶射を必要とする箇所は、従
来の溶射処理の全く無い基体支持体において成膜サイク
ルを重ねた時に黒化が生じる場所に対応する。基体支持
体の一部であっても、経時的に黒化の生じない部分につ
いては、必ずしも溶射をする必要はないが、溶射処理の
都合等の理由により、溶射を行っても良い。
【0034】上述した本発明の基体支持体の模式的断面
図を図1に示す。図1は、電子写真感光体を製造する際
に使用する基体支持体の略断面図であり、ヒーターに対
向する面にのみ溶射を行った場合の例である。
【0035】図1において、101は基体支持体、10
2は溶射層、103は基体である。
【0036】図2は、太陽電池、画像センサー等平面状
の堆積膜を製造する際に用いる基体支持体の略断面図で
あり、基体支持体の全面に溶射を行った場合の例であ
る。
【0037】図2において、110は基体支持体、11
1は溶射層、112は基体固定用治具、113は基体で
ある。
【0038】図3に示した堆積膜形成装置において、図
1及び図2に示した本発明の基体支持体を使用する事に
より、成膜サイクルを重ねた場合においても、基体表面
の温度が一定となり、堆積膜の特性が安定したものとな
る。
【0039】本発明の基体支持体は、気相化学法による
成膜に限って使用されるものではなく、他の堆積膜形成
方法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、マグネ
トロン・スパッタリング法等による成膜においても、有
効である事は言うまでもない。
【0040】ところで、基体支持体として有色の材質
(例えばカーボン等)を使用する場合については、本発
明の一効果である基体の経時的温度変化を防止するとい
う点での効果は少ないが、基体支持体の硬度をコントロ
ールする等の点では有効である。
【0041】以下、実験例及び実施例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限され
るものではない。
【0042】
【実験例】図4に示した堆積膜製造装置を用い、本発明
の黒化処理の為された基体支持体及び従来の黒化処理の
無い基体を用いて基体の加熱実験を行った。
【0043】図4において、301は反応炉、302は
円筒状アルミニウム製基体である。303は基体加熱用
ヒーターであり、不図示の電源により所望の温度迄加熱
を行う事が出来る。304は基体回転用のモーターであ
り、基体上に堆積する膜の周方向の均一化を図るために
用いられる。305は反応炉内の圧力を知る為の真空計
である。306はR.F.グロー放電を励起する為の電
極であり、電源307より電力が供給される。308は
反応炉リーク用のバルブ、309は排気管、310は排
気用のストップ・バルブ、311は排気速度が可変な例
えばメカニカル・ブースター・ポンプ等の排気ポンプ、
312はロータリー・ポンプである。
【0044】313は基体支持体、314はガスを反応
炉へ導くガス管である。315,316は温度を知る為
の熱電対である。320,330,340,・・・,3
80は、各々、ガスの充填されたボンベである。32
1,331,・・・,381は、各々、ボンベの開閉バ
ルブ、322,332,・・・,382は、各々、ガス
の圧力を調節する減圧器、323,333,・・・,3
83は、各々、ガス導入バルブ、324,334,・・
・,384は、各々、ガス流量を調整する為のマス・フ
ロー・コントローラー、325,335,・・・,38
5は、各々、ガス供給バルブである。実験は以下の手順
にて行った。即ち、所定の加工、表面処理及び洗浄の行
われた円筒状アルミニウム基体302(長さ358m
m,直径80mm,肉厚5mm)用意し、これを基体支
持体313と組み合わせた。次いで組み上がった基体及
び基体支持体を反応炉301内に設置した。設置にあた
っては315に示した通常の位置にある温度モニター用
熱電対の他に、直接基板温度を測定する為の熱電対31
6を新たに設けた。以上の準備の後、排気バルブ310
を開け、ロータリー・ポンプ312及びメカニカル・ブ
ースター・ポンプ311を起動し、反応炉301内を減
圧にした。反応炉301内の圧力を真空計305で監視
し、圧力が充分に高真空となったことを確認した。次い
でヒーター303に電力を供給し、加熱を開始した。加
熱用の電力供給は不図示の電源により行われ、温度モニ
ター用熱電対316が330℃の一定温度となる様に制
御した。
【0045】温度モニター用熱電対316が330℃の
一定温度を保つ様に制御しながら、この状態を200時
間維持した。200時間の加熱時間中、基体表面温度を
直接測る為の熱電対316により基体表面温度を測定し
た。以上の実験を基体支持体として図1に示した黒化処
理の為された基体支持体を使用した場合及び従来の黒化
処理の無い基体支持体を使用した場合について行った。
本発明の黒化処理は、アルミナ・クロミナ粉末を各々7
5%,25%の割合で混合した粉末のプラズマ溶射によ
って行い、その層厚は平均で30μmとした。
【0046】以上の加熱実験の結果を図5に示した。図
5から明らかなように、両者の場合とも加熱開始後約2
時間で250℃以上に達し、その後、加熱時間とともに
徐々に温度が増加している。本発明の黒化処理を施した
基体支持体を使用した場合は加熱開始後5時間で296
℃に達し、100時間後には300℃迄で飽和状態とな
り温度変化は極めて微少である。それに対して従来の黒
化処理の無い基体支持体を使用した場合には5時間後の
276℃から200時間後の298℃迄22℃の温度変
化がある。
【0047】又、200時間の加熱の後、従来の黒化処
理の無い基体支持体を取りだして目視で観察したとこ
ろ、円筒型基体支持体の内周は黒化していた。
【0048】以上のことから、本発明の黒化処理の施さ
れた基体支持体を使用した場合には、長時間に渡る使用
においても、基体温度の経時的変化が極めて微少であ
り、堆積膜の特性の安定化が可能となることが理解され
る。
【0049】
【実施例1】本発明の黒化処理の施された基体支持体を
用いて、a−Si系感光体を作成した。基体支持体の黒
化処理はアルミナ及び酸化ニッケルの混合粉末のプラズ
マ溶射により行い、その平均膜厚は50μmとした。a
−Si系感光体の作成に使用した堆積膜形成装置は、図
4の堆積膜形成装置において、熱電対316を取り去っ
た装置である。ボンベ320には、SiH4ガス、ボン
ベ330には、H2ガス、ボンベ340には、B26
ス(3000ppm,H2希釈)、ボンベ350には、
NOガス、ボンベ360には、GeH4ガス、ボンベ3
70には、CH4ガス、ボンベ380には、Arガスが
それぞれ充填されている。a−Si系感光体の形成は、
通常のグロー放電分解法により行った。
【0050】このようにしてa−Si系感光体の作成を
30回繰り返し、30個のa−Si系感光体を作成し
た。得られた感光体のそれぞれをキャノン製電子写真装
置NP−9330にセットし評価を行った。その結果、
いずれのa−Si系感光体も電位特性、画像特性とも感
光体間のバラツキ及び経時変化が極めて少なく、安定し
た所望の特性を発揮するものであることが判った。
【0051】
【比較例1】黒化処理の無い従来の基体支持体を利用し
た事以外は、実施例1と全く同様の方法により電子写真
用a−Si系感光体を作成した。実施例1と同様に、a
−Si系感光体の作成を30回繰り返し、30個のa−
Si系感光体を作成し、得られたa−Si系感光体のそ
れぞれをキャノン製電子写真装置NP−9330にセッ
トし、評価を行った。その結果、受容電位には、第1回
目のa−Si系感光体から30回目のa−Si系感光体
の間に約4%の経時的変化があった。又、感度には約2
%の経時的変化があった。
【0052】
【実施例2】本発明の基体支持体を用いて図5に示す堆
積膜形成装置によりa−Si太陽電池を作成した。
【0053】図5は、マイクロ波(以降「μw」と略記
する)CVD法による堆積膜形成装置の模式図である。
図5において、501は反応炉、502は基体及び基体
支持体を出し入れする為の扉である。503は堆積膜形
成用の基体であり、本実施例においてはステンレス製基
板を用いている。504は基体支持体であり、ステンレ
ス製本体にアルミナ及びチタニア(アルミナ60%,チ
タニア40%)の混合粉末のプラズマ溶射を図2に示す
通り基体支持体全面に施した物である。
【0054】505は加熱用ヒーター、506は加熱ヒ
ーター用電源、507は真空計である。508はリーク
・バルブ、509は排気バルブであり開閉度の調節を行
う事が出来る。510はメイン排気ポンプ、511は補
助排気ポンプ、512はガス導入管、513はμwを反
応炉内へ導く為の誘電体窓、514は導波管、515は
μw電源、516は熱電対である。
【0055】520乃至550は各々ガスの充填された
ボンベであり、ボンベ520にはSiH4ガス、ボンベ
530にはH2ガス、ボンベ540にはPH3ガス(10
00ppm、H2希釈、以降 PH3/H2 と略記す
る)、ボンベ550にはB26ガス(1000ppm、
2希釈、以降 B26/H2 ガスと略記する)がそれ
ぞれ充填されている。
【0056】521,531,・・・,551は各々ボ
ンベの開閉バルブ、522,532,・・・,552は
各々ガスの圧力を調節する減圧器、523,543,・
・・,553は各々ガス導入バルブである。524,5
34,・・・,554は各々マス・フロー・コントロー
ラー、525,535,・・・,555は各々ガス供給
バルブである。
【0057】図5に示した装置を用いてのa−Si太陽
電池の作成は以下の手順で行った。即ち、まず、リーク
・バルブ508を開いて反応炉501内を大気圧とし
た。大気圧となったならば扉502を開いて、基体50
3の組み込まれた基体支持体504を設置した。基体は
50mm角のステンレス基板であり所定の表面処理及び
洗浄の施された基板を使用した。基体支持体はステンレ
ス上に溶射層厚20μmのアルミナ・チタニア溶射の行
われた物を使用した。扉502及びバルブ508を閉じ
た後に、排気バルブ509を開け、ポンプ511及び5
10を起動し、反応炉501内を減圧する。反応炉50
1内の圧力を圧力計507で監視し、圧力が10-6To
rr以下となったところで、電源506よりヒーター5
05に電力を供給し加熱を開始した。熱電対516にて
温度を270℃となるよう加熱をコントロールしたとこ
ろ、充分時間の経過した後、基板温度は250℃となっ
た。
【0058】次いで表2に示した条件で基板上に、太陽
電池を構成するn型 a−Si層、i型 a−Si層、
p型 a−Si層を順に形成した。まず、n型 a−S
i層を形成した。即ち、SiH4,H2,PH3ガスの充
填されたボンベのバルブ521〜541を開け、各々の
ガスをガス毎に減圧器522〜524、導入バルブ52
3〜543、マス・フロー・コントローラー524〜5
44、供給バルブ525〜545を通して混合した後に
ガス管512より反応室501内へ導入した。
【0059】n型 a−Si層はつぎのようにして形成
した。即ち、表2に示したように、SiH4ガス流量3
SCCM、H2ガス流量150SCCM、PH3ガス流量をSi
4ガス流量に対して600ppmとなる様、マス・フ
ロー・コントローラーで調節した。次いで真空計507
を見ながら排気バルブ509の開度を調節して反応炉内
圧力を0.7Torrとした。その後、μw電源515
を起動し、導波管514、誘電体窓513を通して、炉
内にμwパワーを投入し、放電を励起し、堆積膜の形成
を開始した。所望の膜厚の形成を行ったところで、放電
を止め、n型 a−Si層を形成した。
【0060】同様にして、表2に示す条件で、i型 a
−Si層及びP型 a−Si層を形成した。太陽電池を
構成する全層の形成を終えたところで、加熱用電源50
6を切って、反応炉内を冷却した。反応炉が常温となっ
たところで、炉をリークし、基体及び基体支持体を取り
出した。基体上に更に透明電極を形成し、基体支持体と
切り離し、太陽電池を得た。以上の作業を繰り返し、5
0個の太陽電池を作成した。
【0061】得られた50個の太陽電池のそれぞれにつ
いて、AM1.5のスペクトルを有する強度100mw
/cm2の光を照射し、太陽電池特性の経時変化を調べ
た。その結果、いずれの太陽電池も、開放電圧、短絡電
流、曲線因子、変換効率のいずれもバラツキ及び経時変
化が極めて少なく安定した特性を示した。
【0062】
【比較例2】黒化処理の無い従来の基体支持体を利用し
た以外は実施例2と全く同様の方法により太陽電池を作
成した。実施例2と同様に太陽電池の作成を50回繰り
返し、得られた太陽電池すべてについて太陽電池特性の
評価を行った。その結果、短絡電流に約3%の経時変化
があり、それに伴って変換効率も約3%の変動を示し
た。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果と概要】上述したように、減圧可能な成膜
空間を持つ反応容器を有し、前記成膜空間内の基体支持
体上に載置された基体上に機能性堆積膜を形成する堆積
膜製造装置の基体支持体について、前記基体支持体の少
なくとも一部を金属酸化物粉末の溶射により黒化処理す
る事により、成膜サイクルを重ねた場合においても、基
体表面の温度変化が極めて微少であり、特性の安定した
堆積膜を形成する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、黒化処理の施された基体支持体の1
例の略断面図である。
【図2】本発明の、黒化処理の施された基体支持体の他
の例の略断面図である。
【図3】電子写真感光体を形成する為の堆積膜製造装置
の模式図である。
【図4】基体表面温度を直接測る為の熱電対を設けた場
合の電子写真感光体用の堆積膜形成装置の模式図であ
る。
【図5】実験例における基体温度の変化を示すグラフで
ある。
【図6】マイクロ波(以降「μw」と略記する)CVD
法による堆積膜形成装置の模式図である。
【符号の説明】 101 基体支持体 102 溶射層 103 基体 110 基体支持体 111 溶射層 112 基体固定用治具 113 基体 201 反応炉 202 円筒状アルミニウム製基体 203 基体加熱用ヒーター 204 基体回転用のモーター 205 反応炉内の圧力を知る為の真空計 206 R.F.グロー放電を励起する為の電極 207 R.F.電源 208 反応炉リーク用のバルブ 209 排気管 210 排気用のストップ・バルブ 211 排気速度が可変な排気ポンプ 212 ロータリー・ポンプ 213 基体支持体 214 ガスを反応炉へ導くガス管 215 温度を知る為の熱電対 220,230,240,250,260,270,2
80 ガスの充填されたボンベ 220 SiH4ガス・ボンベ 230 H2ガス・ボンベ 240 B26/H2ガス・ボンベ 250 NOガス・ボンベ 260 GeH4ガス・ボンベ 270 CH4ガス・ボンベ 280 Arガス・ボンベ 221,231,241,251,261,271,2
81 ボンベの開閉バルブ 222,232,242,252,262,272,2
82 ガスの圧力を調節する減圧器 223,233,243,253,263,273,2
83 ガス導入バルブ 224,234,244,254,264,274,2
84 ガス流量を調整する為のマスフローコントローラ
ー 225,235,245,255,265,275,2
85 ガス供給バルブ 301 反応炉 302 円筒状アルミニウム製基体 303 基体加熱用ヒーター 304 基体回転用のモーター 305 反応炉内の圧力を知る為の真空計 306 R.F.グロー放電を励起する為の電極 307 R.F.電源 308 反応炉リーク用のバルブ 309 排気管 310 排気用のストップ・バルブ 311 排気速度が可変な例えばメカニカル・ブースタ
ー・ポンプ等の排気ポンプ 312 ロータリー・ポンプ 313 基体支持体 314 ガスを反応炉へ導くガス管 315,316 温度を知る為の熱電対 320,330,340,350,360,370,3
80 ガスの充填されたボンベである 220 SiH4ガス・ボンベ 230 H2ガス・ボンベ 240 B26/H2ガス・ボンベ 250 NOガス・ボンベ 260 GeH4ガス・ボンベ 270 CH4ガス・ボンベ 280 Arガス・ボンベ 321,331,341,351,361,371,3
81 ボンベの開閉バルブ 322,332,342,352,362,372,3
82 ガスの圧力を調節する減圧器 323,333,343,353,363,373,3
83 ガス導入バルブ 324,334,344,354,364,374,3
84 ガス流量を調整する為のマス・フロー・コントロ
ーラー 325,335,345,355,365,375,3
85 ガス供給バルブ 501 反応炉 502 基体及び基体支持体を出し入れする為の扉 503 堆積膜形成用の基体である 504 基体支持体であり、ステンレス製本体にアルミ
ナ及びチタニア(アルミナ60%,チタニア40%)の
混合粉末のプラズマ溶射を基体支持体全面に施した物 505 加熱用ヒーター 506 加熱ヒーター用電源 507 真空計 508 リーク・バルブ 509 排気バルブ 510 メイン排気ポンプ 511 補助排気ポンプ 512 ガス導入管 513 誘電体窓 514 導波管 515 μw電源 516 熱電対 520乃至550 ガスの充填されたボンベ 521,531,541,551 ボンベの開閉バルブ 522,532,542,552 ガスの圧力を調節す
る減圧器 523,533,543,553 ガス導入バルブ 524,534,544,554 マスフローコントロ
ーラー 525,535,545,555 ガス供給バルブ
フロントページの続き (72)発明者 江原 俊幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧可能な成膜空間を持つ反応容器を有
    し、前記成膜空間内の基体支持体上に載置された基体上
    に機能性堆積膜を形成する堆積膜製造装置の基体支持体
    であって、該基体支持体の少なくとも一部を金属酸化物
    粉末の溶射により黒化処理する事を特徴とする堆積膜形
    成装置の基体支持体。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物粉末がアルミナ(Al2
    3)粉末と、クロミヤ(Cr23)、チタニア(Ti
    2)、酸化ニッケル(NiO)の中から選ばれる少な
    くとも1種類以上の粉末との混合粉末である事を特徴と
    する請求項1に記載の堆積膜形成装置の基体支持体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5695561A (en) * 1993-05-14 1997-12-09 Sony Corporation Disk tray used with an apparatus for forming a protective film on an optical disk

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5695561A (en) * 1993-05-14 1997-12-09 Sony Corporation Disk tray used with an apparatus for forming a protective film on an optical disk

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