JPH06214561A - 新音律体系による楽器 - Google Patents

新音律体系による楽器

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JPH06214561A
JPH06214561A JP5006665A JP666593A JPH06214561A JP H06214561 A JPH06214561 A JP H06214561A JP 5006665 A JP5006665 A JP 5006665A JP 666593 A JP666593 A JP 666593A JP H06214561 A JPH06214561 A JP H06214561A
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JP
Japan
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temperament
frequency
key
sound
musical instrument
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JP5006665A
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Terunori Hachisuga
照憲 蜂須賀
Terutaka Hachisuga
照崇 蜂須賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新しい音楽の創作への可能性を開き、かつ従
来慣れ親しんだ12分割音律体系からの移行が違和感な
く行える新音律体系による楽器を提供する。 【構成】 非連続的な振動数の音を出すべく複数の鍵
0,1,・・・が配列された楽器において、上記複数の
鍵の中で振動数f0の基音を出す鍵(0)とその2倍の振
動数2f0の音を出す鍵(17)との間の鍵が、振動数f0
と振動数2f0を17分割した振動数の音が出るように1
6個の鍵(1,2,・・・16)で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新音律体系、特に17
分割音律体系による楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】音律は紀元前から発展してきた人類の大
いなる文化遺産である。古くから沢山ある音律の中で有
名なものとしては、純正律や古代のピタゴラス音律、中
世のミーン・トーン音律、ルネッサンス後はベルクマイ
シュター音律やキルンベルガー音律等がある。近代にな
って楽器の大衆化が進むにつれて、平均律が用いられる
ようになっており、わが国でも百年以上この音律が使用
されるに至っている。
【0003】これらすべての音律は、ある音(例えば
ド)とその振動数が2倍である1オクターヴ上の音
(ド)との間を12分割するいわゆる12分割音律体系
の範疇に属するものである。純正律は、ハ長調における
ドとレの音の振動数の比が9/8、ドとミの比が5/
4、ドとファの比が4/3、ドとソの比が3/2、ドと
ラの比が5/3、ドとシの比が15/8というように、
小整数比になっているのが特徴である。このため非常に
和声的であるという特長がある反面、ハ長調のために調
律されたピアノでは、旋律を転調したときに相対的に同
じ振動数比にならないという欠点を有している。
【0004】また、ピタゴラス音律によれば、主音ド
(振動数fP0とする)とそのオクターヴ上のド(振動数
をfp12 とする、fp12/fp0=2)の間の音を12分割する
ときに、まず完全5度のソ(振動数fp7とする)を、fp0
とよく協和するfp7/fp0=3/2(従ってfp7/fp12=3/4 )と
なるように取る。また、完全4度のファ(振動数fp5
する)は、fp5/fp0=4/3とする。次にこれら属音を新た
に主音として、例えばそのまた属音に当たるレ(振動数
をfp2とする)では、
【0005】
【数2】 fp2/fp0=(fp2/fp7)・(fp7/fp0) =(3/4)・(3/2)=9/8 となるように分割する。同様にこの分割を繰り返してい
くと、これらはすべて整数比となるが、一巡してオクタ
ーブ上のドに還ったときにその振動数比は
【0006】
【数3】fp12/fp0 =(3/2)6・(3/4)6=2.027287 となり、正確に2倍にはならない。この不一致を補正す
るために、上述のミーン・トーン音律等のような諸々の
音律が考えだされてきた。現在主流となっている平均律
は、平均的に12個に音を分布させる方法で、基音の振
動数をfg0とし、順次f g1,fg2,fg3, ・・・fg12 とする
と、それぞれ
【0007】
【数4】fg12/fg0=2 fg1/fg0=fg2/fg1=fg3/fg2= ・・・=fg12/fg11=r0 r0 12=2 となるように選んでいる。
【0008】以上の純正律、ピタゴラス音律及び平均律
のオクターヴ間のc音と主要7音(d,e,f,g,
a’,b’,c’)との振動数比をcentの単位で表して
対比した表を図4に示す。図4からわかるようにf音と
g音における平均律と他の音律との差が約2centと約−
2centであり、平均律では完全5度と完全4度の間で比
較的周期の長い唸りが発生する。ピアノの調律技術者が
平均律調律を行うときには、両完全音を頼りに唸りの数
を数えながら行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、人類が
紀元前から今日に至るまで採用してきた12分割音律体
系では、新しい音楽の創作という点で行き詰まった状態
にあるという問題がある。他方、いわゆる1/4音を使
った24音音階の音楽も微分音音楽として試みられてお
り、又、中近東では50近くに分割された音律体系が採
用されているが、これらはあまりに多くの音があるため
に音程認識が困難で、12分割音律体系に慣れた者にと
って馴染みにくく、特に一般庶民が音楽を演奏するとい
った点で無理がある。
【0010】従って、本発明はかかる問題に鑑み、新し
い音楽の創作への可能性を開き、かつ従来慣れ親しんだ
12分割音律体系からの移行が違和感なく行える新音律
体系による楽器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では非連続的な振動数の音を出すべく複数の
キーが配列された楽器において、上記複数のキーの中で
振動数f0の基音を出すキーとその2倍の振動数2f0の音
を出すキーとの間のキーを、振動数f0と振動数2f0を1
7分割した振動数の音が出るように16個のキーで構成
する。
【0012】また、前記振動数f0と振動数2f0を17分
割した振動数を低いほうから順次f1,f2,f3,f4,f5,f6,
f7,f8,f9,f10,f11,f12,f13,f14,f15,f16と表したとき
に、
【0013】
【数5】f1/f0=f2/f1=f3/f2=・・・= 2f0/f16= r r17= 2 となる関係を略満足させる。尚、本明細書においてキー
とは、楽器の鍵、フレッド、孔、バルブ等音を出すため
に操作する部分を言うものとする。
【0014】
【作用】従来例で説明したように、12分割音律体系で
は完全5度と完全4度の基音に対する振動数比がそれぞ
れ3/2、4/3という小整数比又はその近傍にあり、
それらが人間の耳によく協和して聞こえると共に、それ
らが分割する際の基本になっている。
【0015】本願発明者はかかる点に着目し、新しい音
律体系は同じように3/2、4/3という協和音を持
ち、さらに従来の分割方法の手法をできる限り利用でき
るものが12分割音律体系からの移行の点からも最適で
あると考えた。本願の17分割による振動数では、基音
をf0としたときに(平均律で分割した例で説明する)、
【0016】
【数6】f7/f0 =1.330312≒4/3 f10/f0=1.503407≒3/2 となり、3/2、4/3に非常に近い分割点が存在す
る。本願発明者はさらに、このような3/2、4/3に
非常に近い分割点が存在するような分割数は、2から2
3までの分割数のうち、12を除き17だけであること
も見いだした。12及び17以外の分割数では3/2、
4/3のうちの片方の分割点さえも存在しないことがわ
かった。
【0017】このことを別の表現で表すと、3n ≒2m
を満足するようなnとなり得る整数は、2から23の中
で12と17だけであると言うこともできる。17分割
音律体系による楽器を調律する際には、従来と同様この
3/2、4/3の分割点を利用して、うなりの数で補正
するだけで行っている調律技術者の平均律調律法を使用
することができる。
【0018】このように、17という素数で12と一見
全く関係ないように見える分割数が、12音律体系の長
所を兼ね備えつつ、さらに新しい音楽の創作の可能性を
持っていることがわかった。
【0019】
【実施例】本発明の新音律体系による楽器の実施例を図
1に示す。図1はピアノ、オルガン、鉄琴、木琴等の鍵
盤楽器において本願発明を実施した例であり、17分割
にあわせて鍵を配置している。図1において、参照符号
0,3,6,7,10,13,16,17は白鍵で、こ
れらは従来の12分割音律体系におけるこの種の楽器の
白鍵と同じ構造及び配列である。一方、参照符号1,
2,4,5,8,9,11,12,14,15は黒鍵
で、これらは従来の12分割音律体系における黒鍵の位
置に夫々2つずつ配列されており、これら白鍵(0,・
・・17)と黒鍵(1,・・・15)の配列が周期的に
繰り返される。1音階の中に17個の鍵が存在してい
る。
【0020】次に、鍵0,1,2,3・・・17の振動
数をf0,f1,f2,f3 ・・・,f17とし、
【0021】
【数7】f17/f0=2 f1/f0=f2/f1=f3/f2= ・・・=f17/f16= r r17= 2 なる関係を満足させるように分割する(この分割を以
下、17平均律と称することとする)。
【0022】この時、従来の12分割音律体系によるハ
長調のソの鍵に対応する白鍵10と、ファの鍵に対応す
る白鍵7のそれぞれの振動数f10 ,f7とf0との関係を見
ると、
【0023】
【数8】f10/f0=1.503407≒3/2 f7/f0 =1.330312≒4/3 となり、従来の12分割音律体系におけるソとド及びフ
ァとドの関係とほぼ同じ関係になることがわかる。即
ち、従来の楽器と同じ位置に完全5度と完全4度の協和
音が位置付けられることになり、これは新しい楽器への
適応という点で非常に有利である。図4には、17平均
律と従来の音律との振動数比の比較表を示す。
【0024】17の分割態様については、上記17平均
律の態様以外にも種々の態様が考えられ、従来のピタゴ
ラス音律における分割法に準じ、完全5度(3/2倍)
ずつ高音側に音を取っていく(或いは完全4度ずつ低音
側に音を取っていく)こともできる(以下、この分割を
17ピラゴラス音律と称することする。)。即ち、数2
に準じ、
【0025】
【数9】 f3/f0=(f3/f20)・(f20/f10)・(f10/f0) =(1/2)・(3/2)・(3/2) =9/8 としてf3を決め、同様に、
【0026】
【数10】 f13/f0=(f13/f3)・(f3/f0) =(3/2)・(9/8)=27/16 としてf13 を決め、同様に順次f6,f16,f9,f2,f12,f5,f
15 の所謂従来で言えば嬰記号が増える方向の調の主音
ができる。また、完全5度ずつ低音側に音を取っていく
(或いは完全4度ずつ高音側に音を取っていく)ことに
よって、
【0027】
【数11】 f14/f0=(f14/f7)・(f7/f0) =(4/3)・(4/3)=16/9 としてf14 を決め、同様に、
【0028】
【数12】 f4/f0=(f4/f21)・(f21/f14)・(f14/f0)=(1/2)・(4/3)・(16/9) =64/54 としてf4を決め、順次f11,f1,f8の所謂従来で言えば変
記号が増える方向の調の主音を決めることができる。
【0029】さらに、17平均律において調律を行う際
には、この17ピタゴラス音律の分割法を利用すること
ができ、従来と同様うなりを計測しながら17平均律に
より近づかせることができる。さらに、従来のミーン・
トーン音律やベルクマイシュター音律等に準じてピタゴ
ラス音律からある部分の音をずらすといったような改良
された音律をこの17音律体系に適用することも可能で
ある。
【0030】また、従来の12音律において、演奏者に
応じて調律の誤差を故意に変えることが行われている。
17音律体系についても同様であり、上記17平均律に
よって定まる振動数から誤差(30cent位迄)を故意に
付けることも本発明の範囲に含まれる。尚、本実施例を
シンセサイザー等の電子楽器に適用するさいには、機械
的な調律ではなく、電気的に振動数を制御することが可
能である。さらに、12音律体系と17音律体系の切換
を電気的に行うことも可能である。
【0031】1音階の中の白鍵0(f0),3(f3),6
(f6),7(f7),10(f10) ,13(f13),16(f16) ,
17(2f0) を従来の慣例に準じてc(ハ),d(ニ),
e(ホ),f(ヘ),g(ト),a’(イ),b’
(ロ),c’(ハ)と表記することにする。そのとき、
上記数9、数10等によって決まる音は従来の慣習に準
じて嬰記号を付けてf9の黒鍵9をf♯、f2の黒鍵2をc
♯、f12 の黒鍵12をg♯、f5の黒鍵5をd♯、f15
黒鍵をa’♯と表記することができる。さらに、上記数
11、数12等によって決まる音も従来の慣習に準じて
変記号を付けて f14の黒鍵14をb’♭、f4の黒鍵4を
e♭、f11 の黒鍵11をa’♭、f1の黒鍵1をd♭、f8
の黒鍵8をg♭とすることができる。従来ではc♯とd
♭は同じ音になるが、17分割音律体系では異なった音
を示すことになる。しかしながら、このような表記法を
採用することによって、新たな記号を使うことなく従来
の方法に準じて17音すべてを表すことができる。これ
も新しい楽器への適応という点で非常に有利である。
【0032】図2は上述の表記に基づいた本願の17分
割音律体系の記譜の実施例を示したもので、図1のc,
d,e,f,g,a’,b’,c’,・・・に対応する
音を従来のc,d,e,f,g,a’,b’,c’と同
じ位置にある音符で表し、図1のd♭,c♯,e♭,d
♯,g♭,f♯,a’♭,g♯,b’♭,a’♯に対応
する音をシャープ♯、フラット♭をつけた音符で表すこ
とによって、従来の5線譜を用いて楽譜を作成すること
ができる。
【0033】図3は別の表記に基づいた本願の17分割
音律体系の記譜の実施例であり、図2の例における、音
の高低と音符の高低が一部逆転する点を改良したもので
ある。本例では、ひとつ高い音を*、ひとつ低い音をφ
で表している。従って、例えば黒鍵1は、白鍵0の次に
高い音であるのでc*と表記する。また、黒鍵2は、白
鍵3の次に低い音であるのでdφとし、同様に黒鍵4,
5,8,9,11,12,14,15はd*,eφ,f
*,gφ,g*,a’φ,a’*,b’φと表記するこ
ととする。このような表記によっても新しい記号*,φ
を導入する点を除き、従来の表記からの移行という点で
違和感なく行うことができる。
【0034】図1の実施例は、鍵盤楽器について説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば
ギターにおいて、フレッドの間隔を17分割音律体系に
合わせて設定することができる。又、フルート、オーボ
エの如きバルブ、尺八、横笛の如き孔を17分割音律体
系に合わせて配列させることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば非
連続的な振動数の音を出すべく複数のキーが配列された
楽器において、上記複数のキーの中で振動数f0の基音を
出すキーとその2倍の振動数2f0の音を出すキーとの間
のキーが、振動数f0と振動数2f0を17分割した振動数
の音が出るように16個のキーで構成することにより、
新しい音楽の創作への可能性を開き、かつ従来慣れ親し
んだ12分割音律体系からの移行が違和感なく行える新
音律体系に基づいた楽器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の新音律体系による楽器の実施例の主要
部の平面図である。
【図2】本発明の17分割音律体系の記譜例である。
【図3】本発明の17分割音律体系の別の記譜例であ
る。
【図4】12平均律、純正律、ピタゴラス音律及び17
平均律の主要7音の振動数比をcentの単位で表して対比
した表である。
【符号の説明】
0,1,・・・17 鍵

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非連続的な振動数の音を出すべく複数の
    キーが配列された楽器において、 上記複数のキーの中で振動数f0の基音を出すキーとその
    2倍の振動数2f0の音を出すキーとの間のキーを、振動
    数f0と振動数2f0を17分割した振動数の音が出るよう
    に16個のキーで構成することを特徴とする楽器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の楽器において、前記振動
    数f0と振動数2f0を17分割した振動数を低いほうから
    順次f1,f2,f3,f4,f5,f6,f7,f8,f9,f10,f11,f12,f13,
    f14,f15,f16と表したときに、 【数1】f1/f0=f2/f1=f3/f2=・・・=2f0/f16=r r17=2 となる関係を略満足することを特徴とする楽器。
JP5006665A 1993-01-19 1993-01-19 新音律体系による楽器 Withdrawn JPH06214561A (ja)

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