JPH0621529A - 磁気抵抗素子 - Google Patents

磁気抵抗素子

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JPH0621529A
JPH0621529A JP3058877A JP5887791A JPH0621529A JP H0621529 A JPH0621529 A JP H0621529A JP 3058877 A JP3058877 A JP 3058877A JP 5887791 A JP5887791 A JP 5887791A JP H0621529 A JPH0621529 A JP H0621529A
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Yasuo Gondo
靖夫 権藤
Yoshitaka Suezawa
慶孝 末澤
史明 ▲高▼橋
Fumiaki Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成で、然かも製造が容易である電気
抵抗の変化率(ΔR/R)が実用上十分高い磁気抵抗素
子を得る事を目的とする。 【構成】 保磁力を異にする少なくとも2種の薄膜状の
金属片2、3をオーミックコンタクトを介して互いに積
層させて形成された単位素子5と、該単位素子に該単位
素子の積層面と交差する方向に電流が流れる様に電極
6、7、が形成される様に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気抵抗素子に関するも
のであり、特に詳しくは金属薄膜状体を利用して常温に
於いて磁界強度を変化させた場合に、確実で且つ安定し
た電気抵抗の変化率を発生しえる磁気抵抗素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、特定の金属片或いは金属膜に
電圧を掛けた状態で、当該金属に磁界を掛け、その磁界
の強さ、或いは磁界の方向を変化させると、当該金属片
或いは金属薄膜状片に流れる電流が変化する事は知られ
ており、係る電流の変化から、当該金属片或いは金属薄
膜状に於ける電気抵抗値が変化する事が理解され、従っ
て、係る現象を利用する事により、磁界に依存したスイ
ッチング手段を構成しえるものであると言う期待が有っ
た。
【0003】例えば、従来に於ける磁気抵抗素子は強磁
性金属膜に磁界をかけて、磁化を変化させる時、磁化と
電流とのなす角に依存する電気抵抗の変化を利用したも
のであるが、電気抵抗の変化率(ΔR/R)が7%を越
えるものは知られていない。又、従来に於ける磁気抵抗
素子の他の一例を図6に示すと、従来の磁気抵抗素子と
して、コバルトCoから構成された第1の金属薄膜状片
10とニッケルNiから構成された第2の金属薄膜状片
20とを絶縁膜として構成された酸化アルミニウムAl2O
3 の膜30を両者の間に介在させて接続固定したもので
ある。尚、係る従来に於ける磁気抵抗素子の構造におい
ては、電圧を検出し易くする為に当該各金属薄膜状片を
L字型に形成しておくものである。即ち、従来に於ける
磁気抵抗素子に於いては、酸化アルミニウムから成る絶
縁膜をコバルトCoとニッケルNiと言う強磁性金属片
から成る電極で挟んで構成んしたものであり、該両者の
金属薄膜状片同士の接続面は強磁性のトンネル接合を形
成しており、そのトンネルコンダクタンス、換言すれば
該接合部の電気抵抗は両電極の磁化の相対角度Θに依存
して変化する。
【0004】係る構造を有する従来の磁気抵抗素子に於
ける磁界の変化と当該磁気抵抗素子の電気抵抗の変化に
付いて実験した結果を図7に示す。図7の実験結果は、
第1の金属薄膜状片10として厚さ約1000〜200
0Åで幅が1mmのコバルトCoと、第2の金属薄膜状
片20として厚さ約1000〜2000Åで幅が1mm
のニッケルNiとをそれぞれ図7に示す様にL字型に形
成し、互いに各金属薄膜状片の端部が直角となる様に、
その角部同志を絶縁酸化膜としての約10Åの膜厚を有
する酸化アルミニウムAl2O3 の薄膜30を介在させて接
続固定したものである。
【0005】係る磁気抵抗素子に於けるコバルトCoは
保磁力Hcが18Oeのものを選択し、又ニッケルNi
は保磁力Hcが50Oeのものを選択して使用した。更
に、コバルト金属薄膜状片10の一端部10─1とニッ
ケル金属薄膜状片20の一端部20─1との間に電流を
流し、コバルト金属薄膜状片10の一端部10─2とニ
ッケル金属薄膜状片20の一端部20─2との間の電圧
を測定する様に配線した。
【0006】更に、本実験例においては磁界矢印Hの方
向、つまり電流の方向Iに対して直角の方向に磁界を掛
け、その磁界の強度H(Oe)を200(Oe)から−
200(Oe)の間で往復状に変化させた場合に於ける
当該磁気抵抗素子の電気抵抗率(ΔR/R)の変化を測
定したものである。本実験例に於ける該電気抵抗の変化
率(ΔR/R)の磁界依存性を調べた測定結果を図7に
示す。
【0007】尚、図7の測定条件は、室温下で、磁界強
度が0の場合に於ける該磁気抵抗素子の電気抵抗Rを
0.78(Ω)、電流量Iを100mAに設定して測定
したものである。図7は上記実験に於ける磁界強度H
(Oe)と電気抵抗の変化率(ΔR/R)との関係を表
した図であり、図8は上記実験に於ける磁界強度H(O
e)と磁化(M)との関係を示す図である。
【0008】即ち、磁界強度H(Oe)を−200(O
e)から200(Oe)迄振る場合には、磁界強度H
(Oe)が−50Oeまでは、コバルトCoとニッケル
Niの磁化(M)即ち磁気モーメントが、第1の方向
(下向き)に揃っており、更に該磁界強度H(Oe)が
─50Oeから18Oeの間も、コバルトCoとニッケ
ルNiの磁化(M)即ち磁気モーメントが、第1の方向
に揃っているが、磁界強度H(Oe)が18Oeを越え
50Oeと成る間の領域Bに於いては、コバルトCoの
磁気モーメントが第2の方向(上向き)を向くが、ニッ
ケルNiの磁気モーメントは依然としてもとの第1の方
向を向いたままとなるので、当該領域Bに於いて両金属
薄膜状片間に磁気モーメントの反転現象が発生する。
【0009】更に、磁界強度H(Oe)が変化して50
Oeを越える値となると、ニッケルNiの磁気モーメン
トも第2の方向を向くことになるので、係る領域Aに於
いては両金属薄膜状片間の磁気モーメントは第2の方向
(上向き)に揃った状態となる。次に、磁界強度H(O
e)を逆に200(Oe)から−200(Oe)迄振る
場合には、磁界強度H(Oe)が50Oeまでは、コバ
ルトCoとニッケルNiの磁化(M)即ち磁気モーメン
トが、第2の方向(上向き)に揃っており、更に該磁界
強度H(Oe)が50Oeから−18Oeの間も、コバ
ルトCoとニッケルNiの磁化(M)即ち磁気モーメン
トが、第2の方向に揃っているが、磁界強度H(Oe)
が−18Oeから下がって−50Oeに成る間の領域D
に於いては、コバルトCoの磁気モーメントが第1の方
向を向くが、ニッケルNiの磁気モーメントは依然とし
てもとの第2の方向を向いたままとなるので、当該領域
Dに於いて両金属薄膜状片間に磁気モーメントの反転現
象が発生する。
【0010】更に、磁界強度H(Oe)が変化して−5
0Oeを越えて下がった値となると、ニッケルNiの磁
気モーメントも第1の方向を向くことになるので、係る
領域Eに於いては両金属薄膜状片間の磁気モーメントは
第1の方向(下向き)に揃った状態となる。そして、図
7から明らかな様に、上記領域Bと領域D即ち両金属薄
膜状片の磁気モーメントMが互いに反対の方向を向いて
いる所謂磁化反転状態にある場合に電気抵抗の変化率
(ΔR/R)が増加している事が判る。本実験に於ける
電気抵抗の変化率(ΔR/R)の最大値は、0.1%で
あった。
【0011】つまり、本実験から金属薄膜状片の磁気モ
ーメントM反転状態にある場合には、該絶縁膜である酸
化アルミニウムの薄膜のトンネルコンダクタンスを最小
とするスピン依存トンネル効果が表れ、それが故に、該
磁気抵抗素子の抵抗が高くなると考えられている。所
で、係る実験に於ける該電気抵抗の変化率(ΔR/R)
はたかだか0.1乃至0.2%のオーダーに過ぎず、係
る変化率では、電気回路に於けるスイッチング手段とし
ては実用には不向きであり、その改善が望まれていた。
【0012】係る問題を解決する為に、これまで種々の
改良が考えられて来ている。例えば、図6に示す磁気抵
抗素子の構成の内、コバルトCoの保磁力を16Oe、
又ニッケルNiの保磁力を110Oeとし、磁界の方向
を各金属薄膜状片間を流れる電流の方向に対して45度
の角度となる様な方向H’に設定を変更して、又電流を
100mAとして実験した結果、図9に示す様なグラフ
が得られるが、電気抵抗の変化率(ΔR/R)は0.4
%に過ぎず、又コバルトCoの保磁力を75Oe、又ニ
ッケルNiの保磁力を125Oeとして見た場合でも図
10に示す様に電気抵抗の変化率(ΔR/R)は0.5
%でしか無かった。つまり、従来における方法では、実
用的な磁気抵抗素子を得ることは不可能で有った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、係る
従来の欠点を改善し、簡易な構成で、然かも製造が容易
である電気抵抗の変化率(ΔR/R)が実用上十分高い
磁気抵抗素子を得ようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、以下に記載されたような技術構成を採用
するものである。即ち、保磁力を異にする少なくとも2
種の薄膜状の金属片をオーミックコンタクトを介して互
いに積層させて形成された単位素子と、該単位素子に該
単位素子の積層面と交差する方向に電流が流れる様に電
極が形成されている磁気抵抗素子である。
【0015】
【作用】本発明に於いては、上記した様な構成を採用す
る事によって、保磁力を異にする少なくとも2種の薄膜
情報の金属片がオーミックコンタクトで接合されてお
り、且つ電流を該オーミックコンタクト面に対して略直
角の方向に流す事により、磁界強度の変化に伴い電気抵
抗を大きく上昇させる事が可能となる。処で、2つの強
磁性金属膜がトンネル接合又はオーミック接合を形成す
る時、薄膜間に電圧をかけると接合面を通して電流がな
がれる。
【0016】強磁性金属中の電流を担う電子は3d電子
であるが、その電子の性質はスピン即ち磁気モーメント
の向きに依存している。その為、接合面を流れる電流
は、2つの強磁性金属薄膜の磁化が同一の向き(平行)
の時は、(即ち、印加磁界が大きく、両薄膜が同方向に
飽和まで磁化している時)電流を担う電子のスピン(磁
気モーメント)が変化しないので、電子の受ける散乱効
果は小さく、従って電気抵抗は小さい。
【0017】次に、磁界を減らし、磁界ゼロから逆向き
の磁界を加えると保磁力Hcの小さな金属の磁化が逆転
し、接合面を挟んで様金属薄膜の磁化が反対方向を向く
(反平行)ことになる。この時は、電流を担う電子のス
ピン(磁気モーメント)は逆向きの磁化の影響を受ける
為に、電子の受ける散乱効果は大きくなり、従って電気
抵抗はこの状態で大きくなる。
【0018】更に、逆向きの磁界を大きくすると、保磁
力Hcと大きな薄膜の磁化も反転し、再び両金属薄膜の
磁化は両者とも反対方向を向く(平行)ことになる。従
って、電子のスピンの向きから決まる散乱効果は小さく
なり、電気抵抗は小さくなり、最初の状態に戻る。この
ような、磁化の向きが平行か、反平行かに依存する電気
抵抗の変化がΔRであり、当該素子を構成する2つの金
属の組合せによって決まる。一方、電気抵抗Rは素子を
構成する2つの金属の抵抗率、厚さ、断面積、接合面の
状態によって決まるので、Rをある程度小さくし、適当
な大きさにすることによりΔR/Rを大きくすることが
出来るのである。
【0019】
【実施例】以下に、本発明に係る磁気抵抗素子の具体例
を図面を参照しながら詳細に説明する。即ち、図1は、
本発明に係る磁気抵抗素子1の構成の一例を示す断面図
であり、その構成は、保磁力を異にする少なくとも2種
の薄膜状の金属片2、3をオーミックコンタクト4を介
して互いに積層させて形成された単位素子5と、該単位
素子5に該単位素子5の積層面4と交差する方向に電流
Iが流れる様に電極6、7が形成されているものであ
る。
【0020】本発明に於いて使用される保磁力を異にす
る少なくとも2種の薄膜状の金属片2、3としては、例
えば比較的強磁性を有する銅、金、鉄、ニッケル、コバ
ルト、アルミニウム、クロム、マンガン、マグネシウ
ム、亜鉛、錫、鉛、ニオブ、テルル、ガドリウム等から
成る金属或いは、前記の金属から選ばれた少なくとも2
種からなる合金若しくはフェライト等の中から選択され
るものである。
【0021】選択の組合せは特に限定されるものではな
いが、従来からの知見から、金とコバルト、鉄とコバル
ト、鉄とクロム、ニッケルとコバルト等及びそれ等の合
金等の組合せから選択された一つで構成されたものであ
る事が好ましい。又、上記に従って選択された保磁力H
cを異にする少なくとも2種の薄膜状の金属片の保磁力
Hcは適当な差、例えば互いに少なくとも10Heの差
を有している事が好ましく、両薄膜金属片の磁化の反転
状態が確実に実現される事が好ましい。
【0022】又、本発明に於いては、該金属薄膜状片は
少なくとも2種類の保磁力を異にする、異なった金属材
料で構成された素材を使用するものであるが、3種また
はそれ以上の互いに異なる金属薄膜状片を組み合わせて
使用する事も可能である。本発明に於ける各金属薄膜状
片2、3、の膜厚は特に限定されるものでは無いが、好
ましくは厚さ約1000〜2000Åを有しているもの
が使用される。
【0023】又、本発明に於ける係る選択された、複数
個の金属薄膜状片2、3の形状は特に限定されるもので
は無いが、従来の磁気抵抗素子の様に、L字型に構成し
たもので有っても良く、図2に示す様に、四角形、丸
形、楕円形、多角形、菱形、短冊形の様に一方向が長尺
状に形成された矩形等のものが使用でき、又これ等は使
用形態、使用場所、使用目的等に応じて適宜の形状を採
用する事が可能である。又、各金属薄膜状片の断面積も
特に限定されるものでは無いが、例えば、数mm2 以下
で有れば十分である。
【0024】本発明に於ける特徴の一つは、上記選択さ
れた複数の保磁力の異なる金属薄膜状片2、3を互いに
その対向する表面を接合するものであるが、従来は、絶
縁膜として、所定の厚さを有する酸化膜(例えば酸化ア
ルミニウム、酸化ニッケル)を介在させていたが、本発
明に於いては係る絶縁膜を用いずに直接両者の金属薄膜
状片をオーミックコンタクトを形成するように接合する
ものである。
【0025】本発明における該オーミックコンタクトと
は、該両金属薄膜状片同士が直接に且つ完全に接合し合
い適当な電気抵抗を有するものであるが、例えば、極く
薄い不完全な酸化膜で、その膜に多数の孔が形成されて
いて、その孔部を介して当該金属薄膜状片同士がオーミ
ックコンタクトしえるものであれば、本発明に使用しえ
る事は言うまでもない。従来に於ける磁気抵抗素子に於
いては、上記した絶縁膜は、トンネル効果を発揮する為
に、極めて均一の1nm程度の薄膜を形成させる必要が
あり、その製造は、難しく従って工業的な生産性を持っ
て大量生産することが出来なかった。
【0026】又、本発明に於いては保磁力を異にする少
なくとも2種の薄膜状の金属片をオーミックコンタクト
を介して互いに積層させて形成された単位素子5に、該
単位素子5の積層面4と交差する方向、好ましくは直角
な方向に電流が流れる様に電極6、7が形成されている
ものである。該電極には、適宜の電流源8、好ましくは
定電流源が接続され、当該単位素子5に所定の電流を流
す様に構成されている。
【0027】又、本発明に於いては、上記した単位素子
5を単独で使用して、磁気抵抗素子を構成するもので有
っても良く、又該単位素子5を図3に示す様にその表面
同士を互いに接合させる様にして複数個積層して棒状体
の磁気抵抗素子を構成したもので有っても良い。係る棒
状体磁気抵抗素子の断面形状は、例えば図2に示される
様な平面形状の何れかで有っても良い。係る構成を有す
る磁気抵抗素子を製造するには、保磁力を異にする少な
くとも2種の金属薄膜を接合した単位薄膜体を複数枚積
層した後、所定の部分を所定の断面となる様にエッチン
グ等の処理技術を用いて分離残留させる事により製造す
る事が出来る。
【0028】かくして形成された、図3に示す様な棒状
の磁気抵抗素子55は、その周囲を適宜の絶縁体で包囲
形成させる事により単一の磁気抵抗素子として使用しえ
る。本発明に於ける該単位素子55は例えば10個以上
の単位素子5を積層したもので有っても良く、好ましく
は、100個以上の単位素子5を積層したもので有って
も良い。
【0029】係る構成から成る本発明の磁気抵抗素子
は、該単位素子の積層方向と直角、つまり接合面と平行
に磁界を掛けて使用するものであるが、その場合、磁界
強度の変化に伴う室温での電気抵抗の変化率(ΔR/
R)が10%以上となるものである。更に好ましくは、
当該電気抵抗の変化率(ΔR/R)が20%以上のもの
も得られるのである。
【0030】又、本発明に係る磁気抵抗素子1は、それ
単独で使用する事も出来るが、好ましくは図3に示す様
に棒状体55に形成された物を使用する事が出来る。
特に断面形状が短冊形である長尺状矩形を有する金属薄
膜から構成される単位磁気抵抗素子を多数重ねて形成し
た偏平状の棒状体は、それ単独で使用すると、その断面
形状の長尺方向の軸線に対して交差する磁界の方向によ
り電気抵抗の変化率(ΔR/R)の大きさが変化し、特
にその角度が45度の時にその変化が最大となる。
【0031】又、本発明に於いては、係る棒状体の磁気
抵抗素子55を少なくとも2個互いに直列に接続して使
用する事が好ましく、更には、該短冊状の平面形状を有
する棒状体磁気抵抗素子55を使用する場合には、該棒
状体磁気抵抗素子55を少なくとも2個の磁気抵抗素子
55を直列に接続し、且つ各磁気抵抗素子55の断面に
於ける長尺状軸方向が互いに直角となる様に配列して使
用する事が好ましい。係る構成を採用する事により、該
磁気抵抗素子55は磁界の方向依存性がなくなり、どの
方向に磁界を印加しても、磁界の大きさのみによって電
気抵抗の変化率(ΔR/R)が決定される事になる。
【0032】次に、本発明に係る磁気抵抗素子1の最適
な具体例を説明する。保磁力13OeのコバルトCo金
属薄膜状片2と保磁力55OeのニッケルNi金属薄膜
状片3とを、断面積が1mm2 となる様に長尺軸を有す
る短冊状に打ち抜いたものを直接接合してオーミックコ
ンタクト4を形成させ、該コバルトCoの金属薄膜状片
2と該ニッケルNi金属薄膜状片3の外表面に電極6、
7をそれぞれ取り付けて単位素子5を構成し、適宜の定
電流源8から該単位素子5に電流を流し、該単位素子5
の接合面4に対して直角方向に流れる電流Iが一定電流
100mAとなる様に設定した。
【0033】そして、磁界を該単位素子の電流の流れる
方向と直角方向(H方向)に掛け、その磁界強度H(O
e)を200HOeから−200HOe迄振り、その時
の電気抵抗の変化率(ΔR/R)を測定した。測定の結
果、本具体例の磁界0に於ける該磁気抵抗素子の電気抵
抗Rは21mΩであり、又磁界を変化させた場合の最大
の抵抗の変化ΔRは4.6mΩであった。従って、本具
体例に於ける電気抵抗の変化率(ΔR/R)は22%と
なり、従来の方法にくらべて大幅に電気抵抗の変化率
(ΔR/R)の改善が見られ、又係る電気抵抗の変化率
(ΔR/R)のレベルは、実用上十分なものである。
【0034】
【発明の効果】本発明に於いては、電気抵抗の変化率
(ΔR/R)が実用上十分高い磁気抵抗素子を簡易な構
成で容易に得る事が出来、更には、製造方法も容易で大
量生産に適する方法で製造が出来るので高性能の磁気抵
抗素子を安価に生産する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る磁気抵抗素子に使用され
る単位素子の構造の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る磁気抵抗素子に使用され
る単位素子の平面形状の例を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る磁気抵抗素子の他の構成
例を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明に係る磁気抵抗素子により得ら
れる磁界強度と磁気モーメントとの関係を示す図であ
る。
【図5】図5は、本発明に係る磁気抵抗素子により得ら
れる磁界強度と電気抵抗の変化率(ΔR/R)との関係
を示す図である。
【図6】図6は、従来の磁気抵抗素子に於ける構成の一
例を示す平面図である。
【図7】図7は、従来の磁気抵抗素子により得られる磁
界強度と電気抵抗の変化率(ΔR/R)との関係を示す
図である。
【図8】図8は、従来の磁気抵抗素子により得られる磁
界強度と磁気モーメントとの関係を示す図である。
【図9】図9は、従来に於ける他の磁気抵抗素子により
得られる磁界強度と磁気モーメントとの関係を示す図で
ある。
【図10】図10は従来に於ける他の磁気抵抗素子によ
り得られる磁界強度と電気抵抗の変化率(ΔR/R)と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1…磁気抵抗素子 2、3…金属薄膜状片 4…オーミックコンタクト部 5…単位素子 6、7…電極 8…定電流源 10…第1の金属薄膜状片 20…第2の金属薄膜状片 30…絶縁膜 55…磁気抵抗素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年5月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【作用】本発明に於いては、上記した様な構成を採用す
る事によって、保磁力を異にする少なくとも2種の薄膜
の金属片がオーミックコンタクトで接合されており、
且つ電流を該オーミックコンタクト面に対して略直角の
方向に流す事により、磁界強度の変化に伴い電気抵抗を
大きく上昇させる事が可能となる。処で、2つの強磁性
金属膜がトンネル接合又はオーミック接合を形成する
時、薄膜間に電圧をかけると接合面を通して電流がなが
れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】次に、磁界を減らし、磁界ゼロから逆向き
の磁界を加えると保磁力Hcの小さな金属の磁化が逆転
し、接合面を挟んで金属薄膜の磁化が互に反対方向を
向く(反平行)ことになる。この時は、電流を担う電子
のスピン(磁気モーメント)は逆向きの磁化の影響を受
ける為に、電子の受ける散乱効果は大きくなり、従って
電気抵抗はこの状態で大きくなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】更に、逆向きの磁界を大きくすると、保磁
力Hc大きな薄膜の磁化も反転し、再び両金属薄膜の
磁化は両者とも方向を向く(平行)ことになる。従っ
て、電子のスピンの向きから決まる散乱効果は小さくな
り、電気抵抗は小さくなり、最初の状態に戻る。このよ
うな、磁化の向きが平行か、反平行かに依存する電気抵
抗の変化がΔRであり、当該素子を構成する2つの金属
の組合せによって決まる。一方、電気抵抗Rは素子を構
成する2つの金属の抵抗率、厚さ、断面積、接合面の状
態によって決まるので、Rをある程度小さくし、適当な
大きさにすることによりΔR/Rを大きくすることが出
来るのである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】又、本発明に係る磁気抵抗素子1は、それ
単独で使用する事も出来るが、好ましくは図3に示す様
に棒状体55に形成された物を使用する事が出来る。
特に断面形状が短冊形である長尺状矩形を有する金属薄
膜から構成される単位磁気抵抗素子を多数重ねて形成し
た偏平状の棒状体は、それ単独で使用すると、その断面
形状の長尺方向の軸線に対して交差する磁界の方向によ
り電気抵抗の変化率(ΔR/R)の大きさが変化し、特
にその角度が0度または45度の時にその変化が最大と
なる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】削除
【補正内容】
【0033】そして、磁界を該単位素子の電流の流れる
方向と直角方向(H方向)に掛け、その磁界強度H(O
e)を200Oeから−200Oe迄振り、その時の電
気抵抗の変化率(ΔR/R)を測定した。測定の結果、
本具体例の磁界0に於ける該磁気抵抗素子の電気抵抗R
は21mΩであり、又磁界を変化させた場合の最大の抵
抗の変化ΔRは4.6mΩであった。従って、本具体例
に於ける電気抵抗の変化率(ΔR/R)は22%とな
り、従来の方法にくらべて大幅に電気抵抗の変化率(Δ
R/R)の改善が見られ、又係る電気抵抗の変化率(Δ
R/R)のレベルは、実用上十分なものである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年5月24日
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】そして、磁界を該単位素子の電流の流れる
方向と直角方向(H方向)に掛け、その磁界強度H(O
e)を200Oeから−200Oe迄振り、その時の電
気抵抗の変化率(ΔR/R)を測定した。測定の結果、
本具体例の磁界0に於ける該磁気抵抗素子の電気抵抗R
は21mΩであり、又磁界を変化させた場合の最大の抵
抗の変化ΔRは4.6mΩであった。従って、本具体例
に於ける電気抵抗の変化率(ΔR/R)は22%とな
り、従来の方法にくらべて大幅に電気抵抗の変化率(Δ
R/R)の改善が見られ、又係る電気抵抗の変化率(Δ
R/R)のレベルは、実用上十分なものである。
フロントページの続き (72)発明者 末澤 慶孝 千葉県市原市若宮3丁目14番5号 (72)発明者 ▲高▼橋 史明 東京都町田市つくし野4丁目11番地9

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保磁力を異にする少なくとも2種の薄膜
    状の金属片をオーミックコンタクトを介して互いに積層
    させて形成された単位素子と、該単位素子に該単位素子
    の積層面と交差する方向に電流が流れる様に電極が形成
    されている事を特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 【請求項2】 該単位素子が複数個積層されて構成され
    ている事を特徴とする請求項1記載の磁気抵抗素子。
  3. 【請求項3】 磁界強度の変化に伴う室温での電気抵抗
    の変化率(ΔR/R)が10%以上である事を特徴とす
    る請求項1記載の磁気抵抗素子。
  4. 【請求項4】 該電気抵抗の変化率(ΔR/R)が20
    %以上である事を特徴とする請求項3記載の磁気抵抗素
    子。
  5. 【請求項5】 該単位素子を構成する少なくとも2種の
    互いに異なる薄膜状の金属片は、比較的強磁性を有する
    銅、金、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、クロ
    ム、マンガン、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ニオブ、
    テルル、ガドリウム等から成る金属或いは、前記の金属
    から選ばれた少なくとも2種からなる合金若しくはフェ
    ライト等の中から選択されるものである事を特徴とする
    請求項1記載の磁気抵抗素子。
  6. 【請求項6】 該単位素子の少なくとも2種の互いに異
    なる薄膜状金属片は、金とコバルト、鉄とコバルト、鉄
    とクロム、ニッケルとコバルト等及びそれ等の合金等の
    組合せから選択された一つで構成されたものである事を
    特徴とする請求項5記載の磁気抵抗素子。
  7. 【請求項7】 上記により選択された少なくとも2種の
    金属薄膜状片は、当該各金属薄膜状片の保磁力間に適度
    の差が存在しているものである事を特徴とする請求項1
    記載の磁気抵抗素子。
  8. 【請求項8】 該磁気抵抗素子は複数個の単位素子が、
    各薄膜状片単位素子の表面が互いに接触するように接合
    されて形成された棒状体である事を特徴とする請求項2
    記載の磁気抵抗素子。
  9. 【請求項9】 該各薄膜状片単位素子が長尺状の短冊形
    の平面形状を有している事を特徴とする請求項7乃至8
    記載の磁気抵抗素子。
  10. 【請求項10】 該棒状体から構成された少なくとも2
    個の磁気抵抗素子を直列に接続した事を特徴とする請求
    項7乃至9記載の磁気抵抗素子。
  11. 【請求項11】 長尺状短冊形平面を有する該薄膜状片
    単位素子を複数個積層して形成した偏平状棒状体で構成
    された少なくとも2個の磁気抵抗素子を直列に接続し、
    且つ各磁気抵抗素子を互いにその長尺状軸方向が直角と
    なる様に配列され固定されている事を特徴とする請求項
    10記載の磁気抵抗素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6215696B1 (en) 1997-08-04 2001-04-10 Nec Corporation Ferromagnetic tunnel junction device and method of forming the same
US8733230B2 (en) 2008-05-28 2014-05-27 Nestec S.A. Pump for liquid beverage preparation devices
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US8733230B2 (en) 2008-05-28 2014-05-27 Nestec S.A. Pump for liquid beverage preparation devices
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