JPH062173A - チタン製設備・装置材料の耐食性改善方法 - Google Patents
チタン製設備・装置材料の耐食性改善方法Info
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- JPH062173A JPH062173A JP4180416A JP18041692A JPH062173A JP H062173 A JPH062173 A JP H062173A JP 4180416 A JP4180416 A JP 4180416A JP 18041692 A JP18041692 A JP 18041692A JP H062173 A JPH062173 A JP H062173A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Ti又はTi合金適用の化学設備・装置類等の耐
食性を改善して高性能化及び長寿命化の促進に資する安
価な手段を確立する。 【構成】 不純物としての白金族元素含有量が0.01%未
満の“実質的に白金族元素を含まないチタン”を構成材
料として使用する設備・装置において、前記チタン部材
に a) 白金族元素の1種以上を0.03〜0.12%含む耐食性チ
タン合金, b) 白金族元素の1種以上を0.02〜0.12%とNi,Co,M
o,W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上とを 0.1〜
2.0%含む耐食性チタン合金,の少なくとも何れかを接
触させて成る構成を取り入れる。
食性を改善して高性能化及び長寿命化の促進に資する安
価な手段を確立する。 【構成】 不純物としての白金族元素含有量が0.01%未
満の“実質的に白金族元素を含まないチタン”を構成材
料として使用する設備・装置において、前記チタン部材
に a) 白金族元素の1種以上を0.03〜0.12%含む耐食性チ
タン合金, b) 白金族元素の1種以上を0.02〜0.12%とNi,Co,M
o,W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上とを 0.1〜
2.0%含む耐食性チタン合金,の少なくとも何れかを接
触させて成る構成を取り入れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、pHが1.5 以下の非
酸化性酸環境となるメッキ装置,製塩設備の加熱管や蒸
発缶,海水淡水化装置の熱交換器等の如き高温塩化物環
境で使用されるチタン又はチタン合金(Ti又はTi合金)
適用設備・装置に対して非常に効果的な、Ti又はTi合金
部材の耐食性改善方法に関するものである。
酸化性酸環境となるメッキ装置,製塩設備の加熱管や蒸
発缶,海水淡水化装置の熱交換器等の如き高温塩化物環
境で使用されるチタン又はチタン合金(Ti又はTi合金)
適用設備・装置に対して非常に効果的な、Ti又はTi合金
部材の耐食性改善方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、石油精製装置,製塩装
置,化学品製造装置等を始めとした工業設備・装置は高
効率化のために使用条件が益々厳しくなり、かつ一層の
長寿命化が図られつつある。それ故、これら設備・装置
の構成材料は次第に高級化する傾向を見せており、これ
に伴い従前は航空・宇宙機器等の如き特殊用途に限られ
る観のあったTi及びTi合金(以降“チタン”と総称す
る)も前記設備・装置の構成材料として年々その使用量
が増大している。
置,化学品製造装置等を始めとした工業設備・装置は高
効率化のために使用条件が益々厳しくなり、かつ一層の
長寿命化が図られつつある。それ故、これら設備・装置
の構成材料は次第に高級化する傾向を見せており、これ
に伴い従前は航空・宇宙機器等の如き特殊用途に限られ
る観のあったTi及びTi合金(以降“チタン”と総称す
る)も前記設備・装置の構成材料として年々その使用量
が増大している。
【0003】しかしながら、従来、チタンは塩化物環境
に対し高級ステンレス鋼よりも遙に優れた耐孔食,耐隙
間腐食性を有していることから高信頼性材料と考えられ
てきたが、これまでの使用経験を通じて、高温高塩化物
環境では隙間腐食を生じる危険性のあることが次第に明
らかとなってきた。また、pH1の低いpH域で沸騰状
態のような高温になると全面腐食を生じ、チタン表面に
形成している薄い酸化皮膜が一旦破壊されると本来の活
性な性質のために予想外の高い腐食速度を示すことも明
らかとなった。このように、耐食性の点でも秀でた金属
材料であるとされてきたチタンにも、使用条件によって
は全面腐食,隙間腐食を生じる可能性のあることが分か
ってきたのである。
に対し高級ステンレス鋼よりも遙に優れた耐孔食,耐隙
間腐食性を有していることから高信頼性材料と考えられ
てきたが、これまでの使用経験を通じて、高温高塩化物
環境では隙間腐食を生じる危険性のあることが次第に明
らかとなってきた。また、pH1の低いpH域で沸騰状
態のような高温になると全面腐食を生じ、チタン表面に
形成している薄い酸化皮膜が一旦破壊されると本来の活
性な性質のために予想外の高い腐食速度を示すことも明
らかとなった。このように、耐食性の点でも秀でた金属
材料であるとされてきたチタンにも、使用条件によって
は全面腐食,隙間腐食を生じる可能性のあることが分か
ってきたのである。
【0004】そこで、このような腐食の防止策として、
設備・装置全体を“TiにPdを0.12〜0.25%(以降、 成分
割合を表す%は重量%とする)添加したTi−Pd合金”で
構成するか、又はチタン部材の表面をPdでコーティング
して使用するか、或いは特公昭58ー52030号公報
に示されている如き、チタン部材の表面を白金族元素酸
化物と耐食性金属酸化物との複合酸化物でコーティング
する等の方法が提案された。
設備・装置全体を“TiにPdを0.12〜0.25%(以降、 成分
割合を表す%は重量%とする)添加したTi−Pd合金”で
構成するか、又はチタン部材の表面をPdでコーティング
して使用するか、或いは特公昭58ー52030号公報
に示されている如き、チタン部材の表面を白金族元素酸
化物と耐食性金属酸化物との複合酸化物でコーティング
する等の方法が提案された。
【0005】しかし、Ti−Pd合金は非常に高価(純Tiの
約2倍の価格)であることからその使用が制限され、ま
た“Pdコーティング”或いは“白金族元素,耐食性金属
の複合酸化物コーティング”の場合には、使用条件によ
り剥離が生じて効果の減少を来たしたり処理が煩雑であ
る等の問題があって、何れも設備・装置の構成材料とし
て用いにくい点が指摘されている。つまり、前述のよう
な化学設備・装置は工業的に使用するものであるから長
期使用の点で信頼性の高いことが必要であるが、長期的
信頼性が高いからといって経済的要素を無視した、いた
ずらに高価なものでは実用的見地から満足することがで
きない。
約2倍の価格)であることからその使用が制限され、ま
た“Pdコーティング”或いは“白金族元素,耐食性金属
の複合酸化物コーティング”の場合には、使用条件によ
り剥離が生じて効果の減少を来たしたり処理が煩雑であ
る等の問題があって、何れも設備・装置の構成材料とし
て用いにくい点が指摘されている。つまり、前述のよう
な化学設備・装置は工業的に使用するものであるから長
期使用の点で信頼性の高いことが必要であるが、長期的
信頼性が高いからといって経済的要素を無視した、いた
ずらに高価なものでは実用的見地から満足することがで
きない。
【0006】そこで、実際には、安価な材料を適用して
設備・装置の交換頻度が高まるのを余儀無くされたり、
腐食抑制剤の使用や犠牲防食の適用の下で運転を行って
しばしばトラブルが生じるのを余儀無くされる等の不都
合を強いられることも多かった。
設備・装置の交換頻度が高まるのを余儀無くされたり、
腐食抑制剤の使用や犠牲防食の適用の下で運転を行って
しばしばトラブルが生じるのを余儀無くされる等の不都
合を強いられることも多かった。
【0007】このようなことから、本発明が目的とした
のは、化学工業等で使用されるチタン適用の設備・装置
に指摘された前述の問題点を解消し、設備・装置全体の
コストを安価に維持しつつその耐食性をより改善し、該
設備類の性能と信頼性を一段と向上させ得る手段を確立
することである。
のは、化学工業等で使用されるチタン適用の設備・装置
に指摘された前述の問題点を解消し、設備・装置全体の
コストを安価に維持しつつその耐食性をより改善し、該
設備類の性能と信頼性を一段と向上させ得る手段を確立
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた過程で、腐食環境において
“白金族元素を含む貴なチタン”と“白金族を含まない
卑なチタン”を接触させた場合、一般に考えられる「後
者が優先的に腐食し、 その犠牲防食効果で前者の耐食性
がより向上する」という現象が常に起きる訳ではなく、
或る環境下では後者の“白金族を含まない卑なチタン”
の耐食性が前者の“白金族元素を含む貴なチタン”と同
程度の優れたレベルになることを見出した。
達成すべく鋭意研究を重ねた過程で、腐食環境において
“白金族元素を含む貴なチタン”と“白金族を含まない
卑なチタン”を接触させた場合、一般に考えられる「後
者が優先的に腐食し、 その犠牲防食効果で前者の耐食性
がより向上する」という現象が常に起きる訳ではなく、
或る環境下では後者の“白金族を含まない卑なチタン”
の耐食性が前者の“白金族元素を含む貴なチタン”と同
程度の優れたレベルになることを見出した。
【0009】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
されたものであり、「不純物としての白金族元素含有量
が0.01%未満の“実質的に白金族元素(Pd,Ru, Os, Ir,
Pt, Rh)を含まないチタン”を構成材料として使用する
設備・装置において、 前記チタン部材に a) 白金族元素の1種以上を0.03〜0.12%含む耐食性チ
タン合金, b) 白金族元素の1種以上を0.02〜0.12%とNi,Co,M
o,W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上とを 0.1〜
2.0%含む耐食性チタン合金,の少なくとも何れかを接
触させることにより、 前記チタン部材の耐食性を顕著に
改善してそれを適用した設備・装置の耐食性を一段と向
上し得るようにした点」に大きな特徴を有している。
されたものであり、「不純物としての白金族元素含有量
が0.01%未満の“実質的に白金族元素(Pd,Ru, Os, Ir,
Pt, Rh)を含まないチタン”を構成材料として使用する
設備・装置において、 前記チタン部材に a) 白金族元素の1種以上を0.03〜0.12%含む耐食性チ
タン合金, b) 白金族元素の1種以上を0.02〜0.12%とNi,Co,M
o,W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上とを 0.1〜
2.0%含む耐食性チタン合金,の少なくとも何れかを接
触させることにより、 前記チタン部材の耐食性を顕著に
改善してそれを適用した設備・装置の耐食性を一段と向
上し得るようにした点」に大きな特徴を有している。
【0010】ここで、化学設備・装置等の構成材料とし
て使用される“実質的に白金族金属を含まないチタン
(不純物としての白金族元素含有量が0.01%未満のTi又
はTi合金)”としては、例えばこれまで上記装置類に適
用されいた一般的な商業レベルの純Ti,ASTM Gr.1
2に規定されるTi合金(Ti-0.8Ni-0.3Mo合金),Ti-6Al
-4V合金,Ti-3Al-8V-6Cr-4Mo-4Zr合金等を挙げること
ができる。
て使用される“実質的に白金族金属を含まないチタン
(不純物としての白金族元素含有量が0.01%未満のTi又
はTi合金)”としては、例えばこれまで上記装置類に適
用されいた一般的な商業レベルの純Ti,ASTM Gr.1
2に規定されるTi合金(Ti-0.8Ni-0.3Mo合金),Ti-6Al
-4V合金,Ti-3Al-8V-6Cr-4Mo-4Zr合金等を挙げること
ができる。
【0010】なお、本発明方法による耐食性改善効果
は、イ ) 80℃以上の塩化物環境における隙間腐食,ロ ) pH 1.5以下の沸騰状態にある非酸化性酸溶液環境
での全面腐食,に対して特に顕著に認めることができ
る。
は、イ ) 80℃以上の塩化物環境における隙間腐食,ロ ) pH 1.5以下の沸騰状態にある非酸化性酸溶液環境
での全面腐食,に対して特に顕著に認めることができ
る。
【0011】前記の如く、本発明は、耐腐食材料として
一般のチタン(実質的に白金族元素を含まないチタン)
を適用した化学工業用装置等において、その一般チタン
部材に“高耐食性材料として知られるTi−Pd合金よりも
遙に価格の安い耐食性Ti合金(白金族元素を0.02〜0.12
%含むTi合金)”を接触させて使用するだけで耐隙間腐
食性を顕著に改善すると共に、純TiやTi-6Al-4V合金の
ように非酸化性酸環境において全面腐食を生じる懸念の
ある一般チタン部材で構成された設備・装置類に対して
も、上記低価格耐食性Ti合金を接触させることでチタン
部材の腐食速度を十分に満足できる低い領域に抑えるこ
とを可能とし、これら耐食性改善効果によって設備・装
置全体のコストを格別に上昇させることなくその性能や
交換寿命を向上できるようにした点を骨子とするもので
あるが、以下、具体例に従って本発明をその効果と共に
より詳細に説明する。
一般のチタン(実質的に白金族元素を含まないチタン)
を適用した化学工業用装置等において、その一般チタン
部材に“高耐食性材料として知られるTi−Pd合金よりも
遙に価格の安い耐食性Ti合金(白金族元素を0.02〜0.12
%含むTi合金)”を接触させて使用するだけで耐隙間腐
食性を顕著に改善すると共に、純TiやTi-6Al-4V合金の
ように非酸化性酸環境において全面腐食を生じる懸念の
ある一般チタン部材で構成された設備・装置類に対して
も、上記低価格耐食性Ti合金を接触させることでチタン
部材の腐食速度を十分に満足できる低い領域に抑えるこ
とを可能とし、これら耐食性改善効果によって設備・装
置全体のコストを格別に上昇させることなくその性能や
交換寿命を向上できるようにした点を骨子とするもので
あるが、以下、具体例に従って本発明をその効果と共に
より詳細に説明する。
【0012】例えば高温にて使用する海水熱交換器で
は、耐食材として従前のチタン(実質的に白金族元素を
含まないTi又はTi合金)を適用したのでは隙間腐食を生
じる危険性があるが、この場合、本発明法に従って熱交
換器の「管板」に本発明で言う“耐食性Ti合金(白金族
元素を0.02〜0.12%含むTi合金)”を使用し「管」に従
前のチタンを使用するか、或いは管板と管の材料をこれ
とは逆にすることにより隙間腐食を効果的に防止するこ
とができる。
は、耐食材として従前のチタン(実質的に白金族元素を
含まないTi又はTi合金)を適用したのでは隙間腐食を生
じる危険性があるが、この場合、本発明法に従って熱交
換器の「管板」に本発明で言う“耐食性Ti合金(白金族
元素を0.02〜0.12%含むTi合金)”を使用し「管」に従
前のチタンを使用するか、或いは管板と管の材料をこれ
とは逆にすることにより隙間腐食を効果的に防止するこ
とができる。
【0013】また、熱交換器を構成する部材を見ると、
主として熱を放出する流体が接触する部材(放熱部材)
と熱を奪う流体が接触する部材(吸熱部材)とに大きく
分かれている。そして、吸熱部材では、流体の入側は温
度が低いので腐食環境としてはそれほど厳しくはない
が、出側は温度が高くなるので腐食環境として厳しいも
のとなる。これに対して、放熱部材では流体の入側は温
度が高く出側で温度が低くなる。ところが、このような
状況にあっても、従来のチタン製熱交換器では管と管板
に同材質を使用するのが一般的であった。しかし、この
場合でも、管を本発明で言う“耐食性Ti合金”とし管板
を“一般チタン(例えば純Ti等のような白金族元素を含
有しないチタン)”とするか、管板を“耐食性Ti合金”
とし管を“一般チタン”とすることで、上記“一般チタ
ン製部材”の耐食性を“耐食性Ti合金”のそれに相当す
る程度にまで高めることができ、熱交換器全体としての
耐食性能を向上することができる。
主として熱を放出する流体が接触する部材(放熱部材)
と熱を奪う流体が接触する部材(吸熱部材)とに大きく
分かれている。そして、吸熱部材では、流体の入側は温
度が低いので腐食環境としてはそれほど厳しくはない
が、出側は温度が高くなるので腐食環境として厳しいも
のとなる。これに対して、放熱部材では流体の入側は温
度が高く出側で温度が低くなる。ところが、このような
状況にあっても、従来のチタン製熱交換器では管と管板
に同材質を使用するのが一般的であった。しかし、この
場合でも、管を本発明で言う“耐食性Ti合金”とし管板
を“一般チタン(例えば純Ti等のような白金族元素を含
有しないチタン)”とするか、管板を“耐食性Ti合金”
とし管を“一般チタン”とすることで、上記“一般チタ
ン製部材”の耐食性を“耐食性Ti合金”のそれに相当す
る程度にまで高めることができ、熱交換器全体としての
耐食性能を向上することができる。
【0014】更に、メッキ装置のように低pHの非酸化
性酸溶液に曝される場合、一般チタンは比較的腐食しや
すい傾向となる。しかし、この場合でも、該一般チタン
をより高い耐食性を示すチタン(耐食性Ti合金)と接触
させておくと、前記一般チタンの腐食速度は例えばメッ
キ装置に適用しても十分に実用可能なレベル(年間腐食
率:0.05mm/年以下)にまで低下し、装置寿命の著しい延
命化を図ることができる。
性酸溶液に曝される場合、一般チタンは比較的腐食しや
すい傾向となる。しかし、この場合でも、該一般チタン
をより高い耐食性を示すチタン(耐食性Ti合金)と接触
させておくと、前記一般チタンの腐食速度は例えばメッ
キ装置に適用しても十分に実用可能なレベル(年間腐食
率:0.05mm/年以下)にまで低下し、装置寿命の著しい延
命化を図ることができる。
【0015】上述のように、化学装置等を構成するチタ
ン部材により高い耐食性を示す“耐食性Ti合金”を接触
させることで前記チタン部材の耐食性が改善される理由
は十分に明確ではないが、腐食環境で比較的安定な“耐
食性Ti合金”が一般チタンを耐腐食安定域(不働態域)
にまで分極する効果によると考えられる。何れにして
も、その効果自体は後述する実施例の結果からも明らか
な如く本発明者等の検討により十分確認されている。従
って、従来、腐食問題のためにJISの11〜13種に
規定される高価なTi−Pd合金が適用されていた設備・装
置を、より価格の安い一般チタン及び低価格耐食性Ti合
金で構成することが可能となり、設備・機器類全体の総
コストを大幅に低減できることとなる。
ン部材により高い耐食性を示す“耐食性Ti合金”を接触
させることで前記チタン部材の耐食性が改善される理由
は十分に明確ではないが、腐食環境で比較的安定な“耐
食性Ti合金”が一般チタンを耐腐食安定域(不働態域)
にまで分極する効果によると考えられる。何れにして
も、その効果自体は後述する実施例の結果からも明らか
な如く本発明者等の検討により十分確認されている。従
って、従来、腐食問題のためにJISの11〜13種に
規定される高価なTi−Pd合金が適用されていた設備・装
置を、より価格の安い一般チタン及び低価格耐食性Ti合
金で構成することが可能となり、設備・機器類全体の総
コストを大幅に低減できることとなる。
【0016】本発明において、本発明法の適用対象設備
・装置を「不純物としての白金族元素含有量が0.01%未
満の“実質的に白金族元素を含まないチタン”を構成材
料として使用するもの」と限定した理由はこの点にあ
り、安価な一般チタンを材料として顕著な効果を得よう
とするためである。つまり、白金族元素の含有量が0.01
%を超えるチタンは、通常、積極的に白金族元素を添加
して得られるものであって、その使用はコスト的な不利
につながるからである。
・装置を「不純物としての白金族元素含有量が0.01%未
満の“実質的に白金族元素を含まないチタン”を構成材
料として使用するもの」と限定した理由はこの点にあ
り、安価な一般チタンを材料として顕著な効果を得よう
とするためである。つまり、白金族元素の含有量が0.01
%を超えるチタンは、通常、積極的に白金族元素を添加
して得られるものであって、その使用はコスト的な不利
につながるからである。
【0017】また、本発明法では、一般チタン部材に接
触させる“耐食性Ti合金”の組成を a) 白金族元素の1種以上を0.03〜0.12%含むもの, b) 白金族元素の1種以上を0.02〜0.12%とNi,Co,M
o,W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上とを 0.1〜
2.0%含むもの,に限定しているが、これは次の理由に
よるものである。
触させる“耐食性Ti合金”の組成を a) 白金族元素の1種以上を0.03〜0.12%含むもの, b) 白金族元素の1種以上を0.02〜0.12%とNi,Co,M
o,W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上とを 0.1〜
2.0%含むもの,に限定しているが、これは次の理由に
よるものである。
【0018】即ち、上記a)のTi合金では白金族元素(P
d,Ru,Os,Ir,Pt,Rh)の1種以上の含有量が0.03%
未満の場合、そして前記b)のTi合金では白金族元素の1
種以上の含有量が0.02%未満であったり、Ni,Co,Mo,
W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上の含有量が 0.1
%未満である場合には、これを一般チタン(実質的に白
金族元素を含まないチタン)部材に接触させておいたと
しても、80℃以上の高濃度塩化物溶液環境での隙間腐
食を防止したり、或いは耐全面腐食性を向上させる効果
が十分でない。一方、何れのTi合金も、0.12%を越える
量の白金族元素を含有させても前記耐食性改善効果が飽
和してしまうばかりか、材料価格の上昇の点から好まし
くない。更に、前記b)のTi合金では、Ni,Co,Mo,W,
V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上の含有量が 2.0%を
越えると、やはりそれによる前記耐食性改善効果が飽和
してしまうばかりでなく、該Ti合金の加工性を阻害した
り、一般チタンとの溶接による接合が行われる場合には
その溶接性及び溶接部の加工性に悪影響を及ぼすように
なる。
d,Ru,Os,Ir,Pt,Rh)の1種以上の含有量が0.03%
未満の場合、そして前記b)のTi合金では白金族元素の1
種以上の含有量が0.02%未満であったり、Ni,Co,Mo,
W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上の含有量が 0.1
%未満である場合には、これを一般チタン(実質的に白
金族元素を含まないチタン)部材に接触させておいたと
しても、80℃以上の高濃度塩化物溶液環境での隙間腐
食を防止したり、或いは耐全面腐食性を向上させる効果
が十分でない。一方、何れのTi合金も、0.12%を越える
量の白金族元素を含有させても前記耐食性改善効果が飽
和してしまうばかりか、材料価格の上昇の点から好まし
くない。更に、前記b)のTi合金では、Ni,Co,Mo,W,
V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上の含有量が 2.0%を
越えると、やはりそれによる前記耐食性改善効果が飽和
してしまうばかりでなく、該Ti合金の加工性を阻害した
り、一般チタンとの溶接による接合が行われる場合には
その溶接性及び溶接部の加工性に悪影響を及ぼすように
なる。
【0019】
【発明の効果】先にも述べたように、実質的に白金族元
素を含まない一般チタン(Ti及びTi合金)は80℃以上
の高濃度塩化物溶液(例えば25%食塩水)環境では隙
間腐食を生じる懸念があるためその使用が制限され、従
来はTiに0.12〜0.25%のPdを添加したTi−Pd合金の使用
が推奨されてきた。また、pH 1.5以下の沸騰状態にあ
る非酸化性酸溶液中においても一般チタンは腐食するこ
とから、やはりPdを0.12〜0.25%含むTi−Pd合金の使用
が推奨されてきた。しかしながら、本発明法を適用する
ことによって上記Ti−Pd合金よりも安価な材料で前記環
境下に曝される設備・装置を構成することが可能とな
り、格別なコストアップを伴うことなく設備・装置の高
性能化,高寿命化を達成することができる。
素を含まない一般チタン(Ti及びTi合金)は80℃以上
の高濃度塩化物溶液(例えば25%食塩水)環境では隙
間腐食を生じる懸念があるためその使用が制限され、従
来はTiに0.12〜0.25%のPdを添加したTi−Pd合金の使用
が推奨されてきた。また、pH 1.5以下の沸騰状態にあ
る非酸化性酸溶液中においても一般チタンは腐食するこ
とから、やはりPdを0.12〜0.25%含むTi−Pd合金の使用
が推奨されてきた。しかしながら、本発明法を適用する
ことによって上記Ti−Pd合金よりも安価な材料で前記環
境下に曝される設備・装置を構成することが可能とな
り、格別なコストアップを伴うことなく設備・装置の高
性能化,高寿命化を達成することができる。
【0020】なお、本発明法を適用するのが好適な設備
・装置としては、海水淡水化装置,メッキ装置,塩化第
二鉄製造装置等の如き、一般チタンをそのまま使用した
のでは耐食性の点で問題となる“高温高濃度塩化物と接
触する環境(例えば80℃以上の海水環境)”或いは
“非酸化性酸と接触する環境(例えば沸騰3%塩酸溶液
環境)”等を伴う設備・装置類を例示することができ
る。
・装置としては、海水淡水化装置,メッキ装置,塩化第
二鉄製造装置等の如き、一般チタンをそのまま使用した
のでは耐食性の点で問題となる“高温高濃度塩化物と接
触する環境(例えば80℃以上の海水環境)”或いは
“非酸化性酸と接触する環境(例えば沸騰3%塩酸溶液
環境)”等を伴う設備・装置類を例示することができ
る。
【0021】続いて、本発明の効果を実施例によって更
に具体的に説明する。
に具体的に説明する。
【実施例】まず、何れも不純物たる白金族元素の含有量
が0.01%未満であるところの、純Ti板(板厚が3mmのJ
IS2種相当市販材),Ti-0.8Ni-0.3Mo合金板(板厚が
3mmのASTM Gr.12相当市販材),Ti-6Al-4V合金
板(板厚が3mmの市販材)並びにTi-3Al-8V-6Cr-4Mo-4
Zr合金板(ビレットから板厚5mmに熱間圧延した板材)
を供試材として準備し、これらの板材から図1及び図2
に示す形状・寸法の全面腐食試験片と、図5に示す形状
・寸法の隙間腐食試験片を採取した。
が0.01%未満であるところの、純Ti板(板厚が3mmのJ
IS2種相当市販材),Ti-0.8Ni-0.3Mo合金板(板厚が
3mmのASTM Gr.12相当市販材),Ti-6Al-4V合金
板(板厚が3mmの市販材)並びにTi-3Al-8V-6Cr-4Mo-4
Zr合金板(ビレットから板厚5mmに熱間圧延した板材)
を供試材として準備し、これらの板材から図1及び図2
に示す形状・寸法の全面腐食試験片と、図5に示す形状
・寸法の隙間腐食試験片を採取した。
【0022】また、上記各供試材とは別に、腐食環境中
で前記供試材と接触させるための各種低価格耐食性Ti合
金材をも準備した。この低価格耐食性Ti合金材は、白金
族元素等の耐食性改善元素を添加したTi合金材であっ
て、次の工程に従って作成された。即ち、まず“スポン
ジチタン”と“目標組成に必要な合金元素粉末”との混
合粉末を圧縮して直径45mm×高さ50mmの円柱状コン
パクトとし、これを溶接して1次溶解電極に組み立てた
後、真空溶解を2回繰り返して直径150mm×高さ15
0mmの鋳塊とする。そして、更に熱間加工により直径1
0mmの棒材と、厚さ5mmの板材とし、各々からM5のメ
−トルネジとナット、及び図1(単独腐食試験用)と図
3,図4に示す形状・寸法の全面腐食試験片(5mm厚
板)、並びに図5乃至図8に示す隙間腐食試験片(5mm
厚板)を作成した。
で前記供試材と接触させるための各種低価格耐食性Ti合
金材をも準備した。この低価格耐食性Ti合金材は、白金
族元素等の耐食性改善元素を添加したTi合金材であっ
て、次の工程に従って作成された。即ち、まず“スポン
ジチタン”と“目標組成に必要な合金元素粉末”との混
合粉末を圧縮して直径45mm×高さ50mmの円柱状コン
パクトとし、これを溶接して1次溶解電極に組み立てた
後、真空溶解を2回繰り返して直径150mm×高さ15
0mmの鋳塊とする。そして、更に熱間加工により直径1
0mmの棒材と、厚さ5mmの板材とし、各々からM5のメ
−トルネジとナット、及び図1(単独腐食試験用)と図
3,図4に示す形状・寸法の全面腐食試験片(5mm厚
板)、並びに図5乃至図8に示す隙間腐食試験片(5mm
厚板)を作成した。
【0023】次に、上記各試験片の表面を320番の湿
式エメリーで研磨した後、更にアセトン脱脂を施し、こ
れらを用いて「沸騰塩酸中での全面腐食試験」及び「高
温塩化物溶液中での隙間腐食試験」を実施した。なお、
これらの試験では、実質的に白金族元素を含まない純Ti
板及びTi合金板について、低価格耐食性Ti合金材と接触
させた場合の耐食性改善効果を“全面腐食”及び“隙間
腐食”について確認することを目的とした。
式エメリーで研磨した後、更にアセトン脱脂を施し、こ
れらを用いて「沸騰塩酸中での全面腐食試験」及び「高
温塩化物溶液中での隙間腐食試験」を実施した。なお、
これらの試験では、実質的に白金族元素を含まない純Ti
板及びTi合金板について、低価格耐食性Ti合金材と接触
させた場合の耐食性改善効果を“全面腐食”及び“隙間
腐食”について確認することを目的とした。
【0024】「全面腐食試験」は、水冷コンデンサ付き
耐熱ガラスで構成した沸騰試験器の中に供試材を浸漬す
る方法によった。 このときの試験条件は次の通りであった。 試験片の板厚:2mm, 試験時間 :20時間, 試験溶液 :1wt.%HCl溶液(pH約0.7)、及び3w
t.%HCl溶液(pH約0.3), 温度 :沸騰, 試験回数 :2回(それぞれ新しい試験片を使用)。
耐熱ガラスで構成した沸騰試験器の中に供試材を浸漬す
る方法によった。 このときの試験条件は次の通りであった。 試験片の板厚:2mm, 試験時間 :20時間, 試験溶液 :1wt.%HCl溶液(pH約0.7)、及び3w
t.%HCl溶液(pH約0.3), 温度 :沸騰, 試験回数 :2回(それぞれ新しい試験片を使用)。
【0025】表1は、純Ti(JIS2種)の“沸騰塩酸
溶液中での腐食速度”に及ぼす“各種低価格耐食性Ti合
金接触の影響”を示したもので、接触させた純Ti板と低
価格耐食性Ti合金板との面積比(純Ti板/低価格耐食性
Ti合金板)を4としたときの腐食速度の測定結果であ
る。ここで、比較のために実施する単独試験の場合には
図1に示した形状・寸法の試験片を用い、低価格耐食性
Ti合金と接触させて試験する場合には、図2に示した形
状・寸法の“純Ti試験片”と図4に示し形状・寸法の
“低価格耐食性Ti合金試験片”とを、図9に示すようよ
うに4弗化エチレン製のボルト,ナットで締付け接触さ
せて試験した。そして、試験結果としての「腐食速度」
は、試験前後の重量変化を年間腐食率(mm/年)に換算
して示した。
溶液中での腐食速度”に及ぼす“各種低価格耐食性Ti合
金接触の影響”を示したもので、接触させた純Ti板と低
価格耐食性Ti合金板との面積比(純Ti板/低価格耐食性
Ti合金板)を4としたときの腐食速度の測定結果であ
る。ここで、比較のために実施する単独試験の場合には
図1に示した形状・寸法の試験片を用い、低価格耐食性
Ti合金と接触させて試験する場合には、図2に示した形
状・寸法の“純Ti試験片”と図4に示し形状・寸法の
“低価格耐食性Ti合金試験片”とを、図9に示すようよ
うに4弗化エチレン製のボルト,ナットで締付け接触さ
せて試験した。そして、試験結果としての「腐食速度」
は、試験前後の重量変化を年間腐食率(mm/年)に換算
して示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示される結果からは、Ti−0.02Pd合
金板との接触では純Ti板の耐食性改善効果は認められな
かったが、白金族元素の含有量が0.03%以上の低価格耐
食性Ti合金板、或いは白金族元素含有量が0.02%以上で
かつNi,Co,Mo, W,V,Ag及びCrの1種以上を 0.1%
以上添加した低価格耐食性Ti合金板と接触させた純Ti板
の腐食速度は、何れも低価格耐食性Ti合金板と接触させ
ずに求めた腐食速度よりも大幅に減少しており、顕著な
耐全面腐食性改善効果が奏されることを確認できる。
金板との接触では純Ti板の耐食性改善効果は認められな
かったが、白金族元素の含有量が0.03%以上の低価格耐
食性Ti合金板、或いは白金族元素含有量が0.02%以上で
かつNi,Co,Mo, W,V,Ag及びCrの1種以上を 0.1%
以上添加した低価格耐食性Ti合金板と接触させた純Ti板
の腐食速度は、何れも低価格耐食性Ti合金板と接触させ
ずに求めた腐食速度よりも大幅に減少しており、顕著な
耐全面腐食性改善効果が奏されることを確認できる。
【0028】また、表2は、実質的に白金族金属を含有
しないTi合金供試板を用い、その沸騰塩酸溶液中の腐食
速度に及ぼす低価格耐食性Ti合金板接触の影響に関する
調査結果を示したもので、接触させたTi合金供試板と低
価格耐食性Ti合金板との面積比(Ti合金供試板/低価格
耐食性Ti合金板)を4としたときの腐食速度の測定結果
である。なお、接触材(低価格耐食性Ti合金板)として
は、Ti−0.05Ru-0.5Ni合金板,Ti-0.02Pd-0.02Ru-0.3Cr
合金板、或いはTi−0.05Pd-0.3Co合金板を用いた。
しないTi合金供試板を用い、その沸騰塩酸溶液中の腐食
速度に及ぼす低価格耐食性Ti合金板接触の影響に関する
調査結果を示したもので、接触させたTi合金供試板と低
価格耐食性Ti合金板との面積比(Ti合金供試板/低価格
耐食性Ti合金板)を4としたときの腐食速度の測定結果
である。なお、接触材(低価格耐食性Ti合金板)として
は、Ti−0.05Ru-0.5Ni合金板,Ti-0.02Pd-0.02Ru-0.3Cr
合金板、或いはTi−0.05Pd-0.3Co合金板を用いた。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示される結果からは、低価格耐食性
Ti合金と接触させた“実質的に白金族金属を含有しない
Ti合金”の腐食速度についても低価格耐食性Ti合金と接
触させずに求めた腐食速度より減少しており、顕著な耐
全面腐食性改善効果が奏されることを確認できる。
Ti合金と接触させた“実質的に白金族金属を含有しない
Ti合金”の腐食速度についても低価格耐食性Ti合金と接
触させずに求めた腐食速度より減少しており、顕著な耐
全面腐食性改善効果が奏されることを確認できる。
【0031】更に、表3は、純Ti供試板の“沸騰塩酸中
での腐食速度”に及ぼす“接触低価格耐食性Ti合金板と
の面積比”の影響に関する調査結果を示したものであ
る。なお、接触させた低価格耐食性Ti合金はTi−0.05Pd
-0.3Co合金である。
での腐食速度”に及ぼす“接触低価格耐食性Ti合金板と
の面積比”の影響に関する調査結果を示したものであ
る。なお、接触させた低価格耐食性Ti合金はTi−0.05Pd
-0.3Co合金である。
【0032】
【表3】
【0033】表2に示される結果からすると、「純Ti板
/低価格耐食性Ti合金板」の面積比が24の場合には低
価格耐食性Ti合金板と接触させずに求めた純Ti板の腐食
速度と殆ど変化なく、前記面積比が4になると腐食速度
は大きく低下することから、前記面積比を4以下として
用いることが効果的であると結論できる。
/低価格耐食性Ti合金板」の面積比が24の場合には低
価格耐食性Ti合金板と接触させずに求めた純Ti板の腐食
速度と殆ど変化なく、前記面積比が4になると腐食速度
は大きく低下することから、前記面積比を4以下として
用いることが効果的であると結論できる。
【0034】一方、「隙間腐食試験」は、下記条件のオ
−トクレ−ブ内試験によった。 試験片の寸法:厚さ2mm×幅30mm×長さ30mm, 試験時間 :500時間, 試験溶液 :25%NaCl溶液(pH2), 温度 :150℃, 試験回数 :2回(それぞれ新しい試験片を使用)。
−トクレ−ブ内試験によった。 試験片の寸法:厚さ2mm×幅30mm×長さ30mm, 試験時間 :500時間, 試験溶液 :25%NaCl溶液(pH2), 温度 :150℃, 試験回数 :2回(それぞれ新しい試験片を使用)。
【0035】表4及び表5は、高温塩化物溶液中での
“実質的に白金族金属を含有しない純Ti或いはTi合金”
の隙間腐食に及ぼす“低価格耐食性Ti合金接触の影響”
を示したもので、前記純Ti又はTi合金に接触させる低価
格耐食性Ti合金としてTi−0.05Ru-0.5Ni合金,Ti−0.05
Pd-0.3Co合金,Ti−0.05Pd合金,Ti-0.01Pd-0.02Ru-0.3
Cr合金,Ti−0.04Pd-0.5V合金又はTi−0.02Pd-1.6Ni合
金を用いたときの測定結果であり、「耐隙間腐食性」に
ついては、試験後、隙間表面に腐食生成物(主としてTi
O2 )が発生したか否かで評価した。ここで、隙間腐食
試験片については、接触組み合わせが“同一材質”及び
“異なる材質”の“面積比(純Ti又はTi合金供試板/低
価格耐食性Ti合金板)が1での隙間腐食試験”の場合に
は図5で示した形状・寸法の純Ti又はTi合金供試板と低
価格耐食性Ti合金板とをそれぞれ用い、“面積比が1よ
り大きい値での隙間腐食試験”の場合には、“図5に示
す形状・寸法の純Ti又はTi合金供試板”と“図6乃至図
8に示す低価格耐食性Ti合金板”を用いて、これを図10
に示すように低価格耐食性Ti合金製のボルト,ナットで
締付け接触させて組み立てた。
“実質的に白金族金属を含有しない純Ti或いはTi合金”
の隙間腐食に及ぼす“低価格耐食性Ti合金接触の影響”
を示したもので、前記純Ti又はTi合金に接触させる低価
格耐食性Ti合金としてTi−0.05Ru-0.5Ni合金,Ti−0.05
Pd-0.3Co合金,Ti−0.05Pd合金,Ti-0.01Pd-0.02Ru-0.3
Cr合金,Ti−0.04Pd-0.5V合金又はTi−0.02Pd-1.6Ni合
金を用いたときの測定結果であり、「耐隙間腐食性」に
ついては、試験後、隙間表面に腐食生成物(主としてTi
O2 )が発生したか否かで評価した。ここで、隙間腐食
試験片については、接触組み合わせが“同一材質”及び
“異なる材質”の“面積比(純Ti又はTi合金供試板/低
価格耐食性Ti合金板)が1での隙間腐食試験”の場合に
は図5で示した形状・寸法の純Ti又はTi合金供試板と低
価格耐食性Ti合金板とをそれぞれ用い、“面積比が1よ
り大きい値での隙間腐食試験”の場合には、“図5に示
す形状・寸法の純Ti又はTi合金供試板”と“図6乃至図
8に示す低価格耐食性Ti合金板”を用いて、これを図10
に示すように低価格耐食性Ti合金製のボルト,ナットで
締付け接触させて組み立てた。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】表4及び表5に示される結果からも明らか
なように、同一材質を組み合わせた隙間腐食試験片では
隙間を形成させた面に隙間腐食が発生し、TiO2 を主成
分とする腐食生成物のため試験片は変形しているものも
認められた。一方、純Ti又はTi合金供試板と低価格耐食
性Ti合金板とを接触させて組み合わせた試験片では何れ
の面積比でも隙間腐食は発生せず、低価格耐食性Ti合金
と接触させた場合には“実質的に白金族金属を含有しな
い純Ti或いはTi合金”の耐隙間腐食性改善に効果のある
ことが分かる。このような低価格耐食性Ti合金との接触
によって得られる一般チタンの耐食性向上効果が、これ
らの環境で安定な低価格耐食性Ti合金が一般チタンを耐
腐食安定域(不働態)まで分極する作用によってもたら
されると考えられることは前述した通りである。
なように、同一材質を組み合わせた隙間腐食試験片では
隙間を形成させた面に隙間腐食が発生し、TiO2 を主成
分とする腐食生成物のため試験片は変形しているものも
認められた。一方、純Ti又はTi合金供試板と低価格耐食
性Ti合金板とを接触させて組み合わせた試験片では何れ
の面積比でも隙間腐食は発生せず、低価格耐食性Ti合金
と接触させた場合には“実質的に白金族金属を含有しな
い純Ti或いはTi合金”の耐隙間腐食性改善に効果のある
ことが分かる。このような低価格耐食性Ti合金との接触
によって得られる一般チタンの耐食性向上効果が、これ
らの環境で安定な低価格耐食性Ti合金が一般チタンを耐
腐食安定域(不働態)まで分極する作用によってもたら
されると考えられることは前述した通りである。
【0039】そして、上述した結果から、一般チタンで
は隙間腐食を生じる高温塩化物環境においても一部低価
格耐食性Ti合金を接触させるように用いるのみで隙間腐
食を生じない装置を構成できることが明らかであり、こ
の手段を適用することによって管と管板からなる熱交換
器,板熱交換器、或いは管同士の接合部を要する化学装
置等、チタン使用の設備・装置類における隙間腐食を効
果的かつ経済的に防止できることが分かる。
は隙間腐食を生じる高温塩化物環境においても一部低価
格耐食性Ti合金を接触させるように用いるのみで隙間腐
食を生じない装置を構成できることが明らかであり、こ
の手段を適用することによって管と管板からなる熱交換
器,板熱交換器、或いは管同士の接合部を要する化学装
置等、チタン使用の設備・装置類における隙間腐食を効
果的かつ経済的に防止できることが分かる。
【0040】
【効果の総括】以上に説明した如く、本発明によれば、
従来は腐食問題のためにJISの11〜13種に規定さ
れる高価なTi−Pd合金が適用されていた設備・装置をよ
り安価な一般チタンと低価格耐食性Ti合金で構成するこ
とが可能となり、設備・機器類の性能向上やコスト低減
に大きく寄与できるなど、産業上有用な効果がもたらさ
れる。
従来は腐食問題のためにJISの11〜13種に規定さ
れる高価なTi−Pd合金が適用されていた設備・装置をよ
り安価な一般チタンと低価格耐食性Ti合金で構成するこ
とが可能となり、設備・機器類の性能向上やコスト低減
に大きく寄与できるなど、産業上有用な効果がもたらさ
れる。
【図1】単独試験用全面腐食試験片の形状・寸法の説明
図である。
図である。
【図2】低価格耐食性Ti合金と接触させて試験するため
の、一般チタンの全面腐食試験片に係る形状・寸法説明
図である。
の、一般チタンの全面腐食試験片に係る形状・寸法説明
図である。
【図3】一般チタンに面積比24で接触させて全面腐食
試験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形
状・寸法説明図である。
試験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形
状・寸法説明図である。
【図4】一般チタンに面積比4で接触させて全面腐食試
験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形状
・寸法説明図である。
験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形状
・寸法説明図である。
【図5】隙間腐食試験片の形状・寸法の説明図である。
【図6】一般チタンに面積比49で接触させて隙間腐食
試験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形
状・寸法説明図である。
試験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形
状・寸法説明図である。
【図7】一般チタンに面積比24で接触させて隙間腐食
試験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形
状・寸法説明図である。
試験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形
状・寸法説明図である。
【図8】一般チタンに面積比4で接触させて隙間腐食試
験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形状
・寸法説明図である。
験を行うための、低価格耐食性Ti合金試験片に係る形状
・寸法説明図である。
【図9】一般チタンと低価格耐食性Ti合金とを接触させ
た全面腐食試験片の組み合わせ説明図である。
た全面腐食試験片の組み合わせ説明図である。
【図10】一般チタンと低価格耐食性Ti合金とを接触さ
せた隙間腐食試験片の組み合わせ説明図である。
せた隙間腐食試験片の組み合わせ説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 不純物としての白金族元素含有量が0.01
重量%未満の“実質的に白金族元素を含まないチタン又
はチタン合金”を構成材料として使用する設備・装置に
おいて、前記チタン又はチタン合金部材に a) 白金族元素の1種以上を0.03〜0.12重量%含む耐食
性チタン合金, b) 白金族元素の1種以上を0.02〜0.12重量%とNi,C
o,Mo,W,V,Ag,Cr及びSnのうちの1種以上とを 0.
1〜 2.0重量%含む耐食性チタン合金,の少なくとも何
れかを接触させることを特徴とする、チタン又はチタン
合金部材の耐食性改善方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4180416A JPH062173A (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | チタン製設備・装置材料の耐食性改善方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4180416A JPH062173A (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | チタン製設備・装置材料の耐食性改善方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH062173A true JPH062173A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=16082880
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4180416A Pending JPH062173A (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | チタン製設備・装置材料の耐食性改善方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH062173A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8741217B2 (en) | 2005-12-28 | 2014-06-03 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Titanium alloy for corrosion-resistant materials |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5011853A (ja) * | 1973-06-04 | 1975-02-06 |
-
1992
- 1992-06-15 JP JP4180416A patent/JPH062173A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5011853A (ja) * | 1973-06-04 | 1975-02-06 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8741217B2 (en) | 2005-12-28 | 2014-06-03 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Titanium alloy for corrosion-resistant materials |
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