JPH06217764A - 細胞凍結保存用組成物 - Google Patents
細胞凍結保存用組成物Info
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- JPH06217764A JPH06217764A JP50A JP2602693A JPH06217764A JP H06217764 A JPH06217764 A JP H06217764A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 2602693 A JP2602693 A JP 2602693A JP H06217764 A JPH06217764 A JP H06217764A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】動物細胞を長期間、低温で凍結保存する際に、
細胞を懸濁させておき、凍結に付する際に、凍結から細
胞を保護する組成物を提供する。 【構成】乳または乳由来のたんぱく質画分を5〜60
%、ジメチルスルフォキシド(DMSO)を5〜20%
含有する凍結保存用の組成物。細胞培養用基本培地を2
0〜90容量%をこの組成物中に含む。凍結細胞の生存
率が向上し、さらに牛胎児血清(FCS)を含む凍結保
存用組成物と比較して、安定供給が可能であり、ウイル
ス汚染などの問題もない。また低価格で供給できる。
細胞を懸濁させておき、凍結に付する際に、凍結から細
胞を保護する組成物を提供する。 【構成】乳または乳由来のたんぱく質画分を5〜60
%、ジメチルスルフォキシド(DMSO)を5〜20%
含有する凍結保存用の組成物。細胞培養用基本培地を2
0〜90容量%をこの組成物中に含む。凍結細胞の生存
率が向上し、さらに牛胎児血清(FCS)を含む凍結保
存用組成物と比較して、安定供給が可能であり、ウイル
ス汚染などの問題もない。また低価格で供給できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は凍結保存細胞の保護機能
を有する凍結保存用組成物に関する。
を有する凍結保存用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】動物の細胞や組織は生体外では短期間し
か生存することができない。このため、長期間、生体外
で生存させるためには、細胞を初代培養の状態から長期
間の培養に耐えることのできるように形質転換した株化
細胞とすることが必要である。この株化細胞は、培養液
の交換により長期間継代培養することが可能である。こ
のようにして継代培養することにより、必要な時に自由
に、目的とする細胞を利用することが可能となった。し
かしこのような継代培養では、しばしば細菌による汚染
や、培養細胞の突然変異による形質転換がおこり、必要
とする形質を失うなどの問題点があった。このため細胞
や組織を凍結保存する手法が開発された。この方法の開
発により、細胞や、組織を特定の条件で凍結し、−80℃
以下の超低温フリーザーや液体窒素中で保存し、必要時
に凍結細胞を融解し、目的とする細胞や組織を利用する
ことが可能となった。
か生存することができない。このため、長期間、生体外
で生存させるためには、細胞を初代培養の状態から長期
間の培養に耐えることのできるように形質転換した株化
細胞とすることが必要である。この株化細胞は、培養液
の交換により長期間継代培養することが可能である。こ
のようにして継代培養することにより、必要な時に自由
に、目的とする細胞を利用することが可能となった。し
かしこのような継代培養では、しばしば細菌による汚染
や、培養細胞の突然変異による形質転換がおこり、必要
とする形質を失うなどの問題点があった。このため細胞
や組織を凍結保存する手法が開発された。この方法の開
発により、細胞や、組織を特定の条件で凍結し、−80℃
以下の超低温フリーザーや液体窒素中で保存し、必要時
に凍結細胞を融解し、目的とする細胞や組織を利用する
ことが可能となった。
【0003】動物細胞を凍結保存する際には、保護成分
として10%程度のジメチルスルフォキシド(DMS
O)およびウシ胎児血清(FCS)のような動物の血清
を10〜50%添加した培地を凍結保存用組成物として
用いるのが一般的である。この細胞の凍結保存にDMS
OとFCSを用いる方法は米国特許3852155 号に開示さ
れている。特に、この凍結保存に用いる培地において
は、DMSOとFCSは必須成分であると考えられてい
る。このような凍結保存用組成物に動物細胞を懸濁さ
せ、プログラムフリーザーや超低温冷凍庫を用いて細胞
を緩慢凍結する。
として10%程度のジメチルスルフォキシド(DMS
O)およびウシ胎児血清(FCS)のような動物の血清
を10〜50%添加した培地を凍結保存用組成物として
用いるのが一般的である。この細胞の凍結保存にDMS
OとFCSを用いる方法は米国特許3852155 号に開示さ
れている。特に、この凍結保存に用いる培地において
は、DMSOとFCSは必須成分であると考えられてい
る。このような凍結保存用組成物に動物細胞を懸濁さ
せ、プログラムフリーザーや超低温冷凍庫を用いて細胞
を緩慢凍結する。
【0004】ところが、動物血清は極めて高価であり,
多種類の細胞株を大量に凍結保存する際の保存コストを
上げる原因になっている。また、血清には製造メーカー
が保証している以外のウィルスやマイコプラズマが混入
している恐れがあり、また血清はロットごとの品質のバ
ラツキが大きいことが指摘されている。さらに、液体窒
素中で細胞を凍結保存する際には、凍結アンプルの蓋の
わずかな隙間から液体窒素がアンプル内に入ることがあ
り,他の保存細胞アンプル中の血清成分からのウィルス
等の汚染が問題になる場合もある。また、動物の組織か
ら得られた成分を使用することは、動物愛護団体からの
恰好の標的となり、今後血清成分の使用が制限される可
能性が大きい。
多種類の細胞株を大量に凍結保存する際の保存コストを
上げる原因になっている。また、血清には製造メーカー
が保証している以外のウィルスやマイコプラズマが混入
している恐れがあり、また血清はロットごとの品質のバ
ラツキが大きいことが指摘されている。さらに、液体窒
素中で細胞を凍結保存する際には、凍結アンプルの蓋の
わずかな隙間から液体窒素がアンプル内に入ることがあ
り,他の保存細胞アンプル中の血清成分からのウィルス
等の汚染が問題になる場合もある。また、動物の組織か
ら得られた成分を使用することは、動物愛護団体からの
恰好の標的となり、今後血清成分の使用が制限される可
能性が大きい。
【0005】このため、血清に代わる添加成分の検討が
進められてきた。WO 91/11101 には非イオン系界面活性
剤、特にトリトン─100 やオクチルフェノキシポリエト
キシエタノールが有効であることが記載されている。ま
た凍結保護を目的として、カルボキシメチルセルロース
を添加した凍結保存培地が市販されるようになった。こ
のような、血清を使用しない組成物を用いた場合は、凍
結から融解させた細胞をただちに無血清培養に移行でき
るメリットがある。またウシ胎児血清を用いないため、
ウィルス等の汚染がなく、安定に供給することが可能で
ある。しかしこれらの血清に代わる物質を含む凍結保護
剤は凍結保護効果に関しては必ずしも満足のゆくもので
はなかったし、その価格も高かった。近年血清以外の保
護成分として、カルボキシメチルセルロースを添加した
凍結保存培用組成物を使用した場合、凍結細胞の保護効
果に満足できないことが多かった。即ち凍結から融解さ
せた場合の細胞の生存率が低く、細胞の回復に問題が残
った。
進められてきた。WO 91/11101 には非イオン系界面活性
剤、特にトリトン─100 やオクチルフェノキシポリエト
キシエタノールが有効であることが記載されている。ま
た凍結保護を目的として、カルボキシメチルセルロース
を添加した凍結保存培地が市販されるようになった。こ
のような、血清を使用しない組成物を用いた場合は、凍
結から融解させた細胞をただちに無血清培養に移行でき
るメリットがある。またウシ胎児血清を用いないため、
ウィルス等の汚染がなく、安定に供給することが可能で
ある。しかしこれらの血清に代わる物質を含む凍結保護
剤は凍結保護効果に関しては必ずしも満足のゆくもので
はなかったし、その価格も高かった。近年血清以外の保
護成分として、カルボキシメチルセルロースを添加した
凍結保存培用組成物を使用した場合、凍結細胞の保護効
果に満足できないことが多かった。即ち凍結から融解さ
せた場合の細胞の生存率が低く、細胞の回復に問題が残
った。
【0006】
【本発明が解決しようしている課題】本発明者らは細胞
の凍結保存用組成物について検討を進めた結果、DMS
Oと乳、又は乳由来蛋白質画分を含む組成物が細胞の凍
結保護に有効であることを初めて見出した。本発明は、
ジメチルスルフォキシド(DMSO)と乳または乳由来
のたんぱく質を有効成分とする細胞の凍結保存用組成物
を提供することを課題とする。
の凍結保存用組成物について検討を進めた結果、DMS
Oと乳、又は乳由来蛋白質画分を含む組成物が細胞の凍
結保護に有効であることを初めて見出した。本発明は、
ジメチルスルフォキシド(DMSO)と乳または乳由来
のたんぱく質を有効成分とする細胞の凍結保存用組成物
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれまで動物細
胞の凍結保存時の保護成分として添加されていた動物の
血清に替えて、乳を保護成分として添加することを特徴
とする。これまで、動物細胞の凍結保存用とされていた
組成物としては、例えば米国特許3,852,155 号に開示さ
れた組成物が例示できる。これは8 〜10%のDMSOと
80%以上の羊血清もしくはFCSを含有する溶液であ
る。この米国特許によれば血清含量が60%以下になる
と、細胞の、凍結からの回復が低下することが確認され
ている。
胞の凍結保存時の保護成分として添加されていた動物の
血清に替えて、乳を保護成分として添加することを特徴
とする。これまで、動物細胞の凍結保存用とされていた
組成物としては、例えば米国特許3,852,155 号に開示さ
れた組成物が例示できる。これは8 〜10%のDMSOと
80%以上の羊血清もしくはFCSを含有する溶液であ
る。この米国特許によれば血清含量が60%以下になる
と、細胞の、凍結からの回復が低下することが確認され
ている。
【0008】本発明は、DMSOを5 〜20%、特に好ま
しくは10〜15% 含有し、さらに乳、脱脂乳、カゼイン、
ホエー蛋白質を5 〜60%、特に好ましくは10〜50% 含有
する組成物を凍結保存溶液として使用するところにあ
る。上記以外の成分としては、細胞培養に一般的に使用
される無血清培地を含有する。脱脂乳、カゼイン、ホエ
ー蛋白質を得るための乳はどのような哺乳動物由来の乳
であっても差し支えないが、容易に入手可能な乳として
牛乳があげられる。牛乳は動物の血清にくらべ、安価で
ある。牛乳は生乳を均質化したもの、遠心分離によって
脂肪濃度を調整したもの(低脂肪乳あるいは脱脂乳)、
粉乳を水に溶解して還元したもの(還元乳)などが入手
が容易であり、本発明において使用可能である。
しくは10〜15% 含有し、さらに乳、脱脂乳、カゼイン、
ホエー蛋白質を5 〜60%、特に好ましくは10〜50% 含有
する組成物を凍結保存溶液として使用するところにあ
る。上記以外の成分としては、細胞培養に一般的に使用
される無血清培地を含有する。脱脂乳、カゼイン、ホエ
ー蛋白質を得るための乳はどのような哺乳動物由来の乳
であっても差し支えないが、容易に入手可能な乳として
牛乳があげられる。牛乳は動物の血清にくらべ、安価で
ある。牛乳は生乳を均質化したもの、遠心分離によって
脂肪濃度を調整したもの(低脂肪乳あるいは脱脂乳)、
粉乳を水に溶解して還元したもの(還元乳)などが入手
が容易であり、本発明において使用可能である。
【0009】牛乳から分離した主要たんぱく質のカゼイ
ン、カゼイン以外の乳たんぱく質であるホエーたんぱく
質、ホエーたんぱく質を濃縮したホエーたんぱく質濃縮
物(WPC)、分離ホエーたんぱく質(WPI)なども
利用できる.乳を用いる場合は、高圧のホモゲナイザー
などで均質化することが好ましい。均質化しないと脂肪
分が分離し、これが細胞に接触することによって細胞の
凍結結果に悪影響を与える恐れがある。脱脂乳であって
も、たんぱく質などの成分を安定化するために均質化す
ることが望ましい。
ン、カゼイン以外の乳たんぱく質であるホエーたんぱく
質、ホエーたんぱく質を濃縮したホエーたんぱく質濃縮
物(WPC)、分離ホエーたんぱく質(WPI)なども
利用できる.乳を用いる場合は、高圧のホモゲナイザー
などで均質化することが好ましい。均質化しないと脂肪
分が分離し、これが細胞に接触することによって細胞の
凍結結果に悪影響を与える恐れがある。脱脂乳であって
も、たんぱく質などの成分を安定化するために均質化す
ることが望ましい。
【0010】牛乳や乳成分の殺菌は種々の条件で行うこ
とができる。63℃30分の低温殺菌法から、120℃
や140℃で数秒加熱するような高温殺菌法を採用でき
る.通常のオートクレーブ条件の121℃15分の殺菌
は、乳たんぱく質の激しい褐変と凝固を引き起こすので
好ましくない。乳や脱脂乳、カゼイン、ホエー蛋白質の
濃度は10〜50%(容量)が好ましい。50%を越え
る濃度の牛乳は生細胞率を著しく低下させることがあ
る。逆に、10%より低い濃度では,凍結中の基本培地
のpHが上昇することを防ぐことができず、長期の保存
に向かない。
とができる。63℃30分の低温殺菌法から、120℃
や140℃で数秒加熱するような高温殺菌法を採用でき
る.通常のオートクレーブ条件の121℃15分の殺菌
は、乳たんぱく質の激しい褐変と凝固を引き起こすので
好ましくない。乳や脱脂乳、カゼイン、ホエー蛋白質の
濃度は10〜50%(容量)が好ましい。50%を越え
る濃度の牛乳は生細胞率を著しく低下させることがあ
る。逆に、10%より低い濃度では,凍結中の基本培地
のpHが上昇することを防ぐことができず、長期の保存
に向かない。
【0011】DMSOと乳、脱脂乳、カゼインまたはホ
エーたんぱく質の混合溶液に添加する無血清培地として
は、上述したように、どのような種類のものを用いても
よい。このような培地として代表的なものを例示する
と、最少必須培地、ダルベッコ改変最小必須培地、RP
MI1640培地、ハムのF12培地、ERDF培地な
どを挙げることができる。本発明の実施例において使用
しているERDF培地は、細胞培養用基礎培地としては
優れた特性を有しており、特に好ましい。このERDF
培地は、マウスミエローマNS1の増殖を指標として、
村上らによって開発された公知の無血清培養用基礎合成
培地である(特開平3─180175参照)。凍結保護
成分として加えるジメチルスルフォキシド(DMSO)
の濃度は、細胞に対する毒性と凍結保護効果を考慮し
て、その含有量を決定するが、5 〜20%の濃度範囲であ
れば使用可能である。とくに好ましくは10〜15%が本発
明においては最適である。DMSOの濃度が低いと保護
作用が十分ではなく,高すぎると細胞毒性を示す。凍結
保存用組成物の代表的な組成を表1および表2に示す。
エーたんぱく質の混合溶液に添加する無血清培地として
は、上述したように、どのような種類のものを用いても
よい。このような培地として代表的なものを例示する
と、最少必須培地、ダルベッコ改変最小必須培地、RP
MI1640培地、ハムのF12培地、ERDF培地な
どを挙げることができる。本発明の実施例において使用
しているERDF培地は、細胞培養用基礎培地としては
優れた特性を有しており、特に好ましい。このERDF
培地は、マウスミエローマNS1の増殖を指標として、
村上らによって開発された公知の無血清培養用基礎合成
培地である(特開平3─180175参照)。凍結保護
成分として加えるジメチルスルフォキシド(DMSO)
の濃度は、細胞に対する毒性と凍結保護効果を考慮し
て、その含有量を決定するが、5 〜20%の濃度範囲であ
れば使用可能である。とくに好ましくは10〜15%が本発
明においては最適である。DMSOの濃度が低いと保護
作用が十分ではなく,高すぎると細胞毒性を示す。凍結
保存用組成物の代表的な組成を表1および表2に示す。
【0012】
【表1】 〔組成1〕 ────────────────────── ERDF培地 80% DMSO 10% 脱脂乳* 10% ──────────────────────* 脱脂粉乳を10%(v/v)となるように水に還元
し、140℃で2秒間加熱殺菌したもの。
し、140℃で2秒間加熱殺菌したもの。
【0013】
【表2】 〔組成2〕 ────────────────────── ERDF培地 40% DMSO 10% 脱脂乳* 50% ──────────────────────* 組成1と同じ脱脂乳。
【0014】上記の組成物を用いて、動物細胞を凍結保
存する場合には、一般に細胞の凍結保存に使用される方
法に準じて行うことができる。凍結は以下のように行
う。 動物細胞を培養容器から回収し、遠心管に入れて遠心
沈殿させる。 上清を除去した後、細胞の沈殿に凍結保存用組成物を
適量添加し、よく細胞を懸濁させた後凍結チューブ(ク
ライオチューブ)などの細胞凍結容器に入れて細胞を凍
結する。 凍結に用いる容器は、樹脂製の凍結チューブ、ガラスア
ンプル、細胞凍結バッグ(血液バッグのようなもの)な
どが利用できる。また細胞の凍結に用いる冷却装置に
は、液体窒素で温度をコントロールできるプログラム凍
結装置、−80℃に冷却できるディープフリーザーなど
がある。ほとんどの場合、細胞アンプルを適当な箱に入
れ、−80℃のディープフリーザーに入れて直接凍結し
ても問題はない。長期(半年以上)冷凍保存する際には
液体窒素容器を用いる。
存する場合には、一般に細胞の凍結保存に使用される方
法に準じて行うことができる。凍結は以下のように行
う。 動物細胞を培養容器から回収し、遠心管に入れて遠心
沈殿させる。 上清を除去した後、細胞の沈殿に凍結保存用組成物を
適量添加し、よく細胞を懸濁させた後凍結チューブ(ク
ライオチューブ)などの細胞凍結容器に入れて細胞を凍
結する。 凍結に用いる容器は、樹脂製の凍結チューブ、ガラスア
ンプル、細胞凍結バッグ(血液バッグのようなもの)な
どが利用できる。また細胞の凍結に用いる冷却装置に
は、液体窒素で温度をコントロールできるプログラム凍
結装置、−80℃に冷却できるディープフリーザーなど
がある。ほとんどの場合、細胞アンプルを適当な箱に入
れ、−80℃のディープフリーザーに入れて直接凍結し
ても問題はない。長期(半年以上)冷凍保存する際には
液体窒素容器を用いる。
【0015】以下実施例により本発明を詳しく説明す
る。
る。
【実施例1】本実施例においては、DMSO、脱脂乳を
含有する組成物による細胞の凍結保存の例を示す。 〔細胞〕マウスハイブリドーマHB8852(ATCC-HB8
852)(H.Kawakami et al.,J.Dairy Sci.,Vol.70,752-75
9,1986 を参照)を用いた。細胞はインスリン、エタノ
ールアミン、トランスフェリン、亜セレン酸ナトリウム
を増殖因子として含むITES−ERDF培地(特開平
3─180175参照)で継代培養した。 〔凍結保存用培地〕DMSO、脱脂乳を含有する組成物
として、表3に示す組成の凍結保存用培地を調製した。
脱脂乳は脱脂粉乳を水で溶解し、脂肪分1%,乳固形分
10%に調整し、均質化処理後、140℃で2秒間超高
温殺菌したものを用いた。ウシ胎児血清はフローラボラ
トリーより、ERDF培地は極東製薬から購入した。
含有する組成物による細胞の凍結保存の例を示す。 〔細胞〕マウスハイブリドーマHB8852(ATCC-HB8
852)(H.Kawakami et al.,J.Dairy Sci.,Vol.70,752-75
9,1986 を参照)を用いた。細胞はインスリン、エタノ
ールアミン、トランスフェリン、亜セレン酸ナトリウム
を増殖因子として含むITES−ERDF培地(特開平
3─180175参照)で継代培養した。 〔凍結保存用培地〕DMSO、脱脂乳を含有する組成物
として、表3に示す組成の凍結保存用培地を調製した。
脱脂乳は脱脂粉乳を水で溶解し、脂肪分1%,乳固形分
10%に調整し、均質化処理後、140℃で2秒間超高
温殺菌したものを用いた。ウシ胎児血清はフローラボラ
トリーより、ERDF培地は極東製薬から購入した。
【0016】
【表3】 〔凍結に用いた培地組成〕 ────────────────────────────────── 番号 組成(%) DMSO 脱脂乳 ウシ胎児血清 ERDF培地 ────────────────────────────────── 1 10 10 0 80 2 10 50 0 40 3 10 90 0 0 4 10 0 10 80 5 10 0 50 40 6 10 0 90 0 7(対照) 10 0 0 90 ──────────────────────────────────
【0017】〔細胞の凍結保存と生細胞率の測定〕HB
8852細胞4×106 個を4mlの凍結培地に懸濁
し、2ml容量のポリプロピレン製凍結チューブ(コー
ニング社)に2mlづつ分注した.凍結チューブは凍結
保存ラック用紙箱(インターメット社)に入れ、−80
℃のディープフリーザーで凍結保存した。凍結1週間お
よび1ヵ月後,凍結チューブを大量の水(25℃)に浸
して細胞を融解し、直ちに8mlのERDF培地に細胞
を懸濁した。1000回転10分間の遠心により細胞を
沈殿させた後、3mlのERDF培地に細胞をよく懸濁
させた。融解した細胞をトリパンブルー溶液(ギブコ
社)と等量混合し、血球計算盤を用いて染色されない細
胞の割合を算出した。なお、凍結保存前のHB8852
細胞の生細胞率は82.9%であった。
8852細胞4×106 個を4mlの凍結培地に懸濁
し、2ml容量のポリプロピレン製凍結チューブ(コー
ニング社)に2mlづつ分注した.凍結チューブは凍結
保存ラック用紙箱(インターメット社)に入れ、−80
℃のディープフリーザーで凍結保存した。凍結1週間お
よび1ヵ月後,凍結チューブを大量の水(25℃)に浸
して細胞を融解し、直ちに8mlのERDF培地に細胞
を懸濁した。1000回転10分間の遠心により細胞を
沈殿させた後、3mlのERDF培地に細胞をよく懸濁
させた。融解した細胞をトリパンブルー溶液(ギブコ
社)と等量混合し、血球計算盤を用いて染色されない細
胞の割合を算出した。なお、凍結保存前のHB8852
細胞の生細胞率は82.9%であった。
【0018】〔結果〕−80℃で凍結1週間および1ヵ
月後のHB8852の生細胞率を表4に示した。1週間
後では、全ての牛胎児血清を含む凍結培地と、10%の
脱脂乳を含む凍結培地で80%を越える高い生細胞率が
得られた。1カ月後では10%の脱脂乳を含む凍結培地
が最も高い生細胞率を与えた。
月後のHB8852の生細胞率を表4に示した。1週間
後では、全ての牛胎児血清を含む凍結培地と、10%の
脱脂乳を含む凍結培地で80%を越える高い生細胞率が
得られた。1カ月後では10%の脱脂乳を含む凍結培地
が最も高い生細胞率を与えた。
【0019】
【表4】 〔ハイブリドーマの凍結保存後の生細胞率〕 ─────────────────────────────── 生細胞率(%) 凍結培地 1週間後 1ヵ月後 ─────────────────────────────── 1 81.6 (98.4) 84.4(101.8) 2 76.9 (92.8) 70.7(85.3) 3 35.8 (43.2) 12.8(15.4) 4 82.1 (99.0) 77.6(93.6) 5 81.3 (98.1) 75.3(90.8) 6 83.7(101.0) 80.0(96.5) 7(対照)75.0 (90.5) 65.8(79.4) ─────────────────────────────── ()内は凍結前の生細胞率に対する割合
【0020】
【実施例2】本実施例においては、脱脂乳中の主要成分
であるカゼイン、ホエー蛋白質または乳糖とDMSOを
含有する組成物の凍結保護におよぼす効果を示す。 〔細胞〕実施例1と同じく、HB8852を用いた。 〔凍結培地〕DMSOおよび各成分を含有する組成物と
して、表5に示す組成の凍結保存用培地を調製した。添
加した乳成分はいずれも生理食塩水に、カゼイン10%
溶液(シグマ社)、WPC10%溶液(太陽化学)、乳
糖2%溶液(1水物,和光純薬)に溶解し、メジュ─ム
瓶中で63℃30分間加熱殺菌した。
であるカゼイン、ホエー蛋白質または乳糖とDMSOを
含有する組成物の凍結保護におよぼす効果を示す。 〔細胞〕実施例1と同じく、HB8852を用いた。 〔凍結培地〕DMSOおよび各成分を含有する組成物と
して、表5に示す組成の凍結保存用培地を調製した。添
加した乳成分はいずれも生理食塩水に、カゼイン10%
溶液(シグマ社)、WPC10%溶液(太陽化学)、乳
糖2%溶液(1水物,和光純薬)に溶解し、メジュ─ム
瓶中で63℃30分間加熱殺菌した。
【0021】
【表5】 〔凍結に用いた培地組成〕 ──────────────────────────────────── 番号 組成(%) DMSO カゼイン溶液 WPC溶液 乳糖溶液 ERDF培地 ──────────────────────────────────── 1 10 10 0 0 80 2 10 50 0 0 40 3 10 0 10 0 80 4 10 0 50 0 40 5 10 0 0 10 80 6 10 0 0 50 40 ────────────────────────────────────
【0022】〔細胞の凍結保存と生細胞率の測定〕実施
例1と同様に行った。凍結保存前のHB8852細胞の
生細胞率は84.0%であった。 〔結果〕−80℃で凍結1週間および1ヵ月後のHB8
852の生細胞率を表6に示した。WPC含有凍結培地
中では,凍結1ヵ月後も80%を越える高い生細胞率を
維持していた。またカゼイン含有培地でも75%以上の
細胞が生存していた。たんぱく質や微生物の保護物質と
してしばしば添加される乳糖の凍結保護作用は高くなか
った。
例1と同様に行った。凍結保存前のHB8852細胞の
生細胞率は84.0%であった。 〔結果〕−80℃で凍結1週間および1ヵ月後のHB8
852の生細胞率を表6に示した。WPC含有凍結培地
中では,凍結1ヵ月後も80%を越える高い生細胞率を
維持していた。またカゼイン含有培地でも75%以上の
細胞が生存していた。たんぱく質や微生物の保護物質と
してしばしば添加される乳糖の凍結保護作用は高くなか
った。
【0023】
【表5】 〔ハイブリドーマの凍結保存後の生細胞率〕 ─────────────────────────────── 生細胞率(%) 凍結培地 1週間後 1ヵ月後 ─────────────────────────────── 1 81.5(97.0) 76.6(91.2) 2 79.0(94.0) 76.4(91.0) 3 82.9(98.7) 81.7(97.3) 4 84.9(101.1) 80.2(95.5) 5 74.1(88.2) 65.2(77.6) 6 69.1(82.3) 59.3(70.6) ─────────────────────────────── ()内は凍結前の生細胞率に対する割合
【発明の効果】本発明により、新規な細胞凍結保存用組
成物が提供される。本発明組成物は、凍結時の細胞保護
効果が大きいため、高い生細胞率を維持させたまま、動
物細胞を凍結保存することが可能である。また動物血清
に代えて、脱脂乳、カゼイン、ホエーたんぱく質を使用
しており、ウイルスや細菌による細胞の汚染が無く、安
全でかつ安価な凍結保存用組成物が提供される。
成物が提供される。本発明組成物は、凍結時の細胞保護
効果が大きいため、高い生細胞率を維持させたまま、動
物細胞を凍結保存することが可能である。また動物血清
に代えて、脱脂乳、カゼイン、ホエーたんぱく質を使用
しており、ウイルスや細菌による細胞の汚染が無く、安
全でかつ安価な凍結保存用組成物が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】乳または乳由来のたんぱく質画分および、
ジメチルスルフォキシドを有効成分とする細胞凍結保存
用組成物。 - 【請求項2】たんぱく質画分がカゼイン画分またはホエ
ーたんぱく質画分である請求項1記載の細胞凍結保存用
組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP50A JPH06217764A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 細胞凍結保存用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP50A JPH06217764A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 細胞凍結保存用組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06217764A true JPH06217764A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=12182197
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP50A Pending JPH06217764A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 細胞凍結保存用組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06217764A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004504003A (ja) * | 1999-09-24 | 2004-02-12 | モルフォゲン ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド | 多能性胚様幹細胞、その組成物、方法および使用 |
| WO2017061392A1 (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | メビオール株式会社 | 細胞の保存方法 |
| JP2020108361A (ja) * | 2019-01-07 | 2020-07-16 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 | ミミズ細胞の保存方法及びミミズ細胞の形質転換方法 |
| KR20210090560A (ko) * | 2020-01-09 | 2021-07-20 | 세종대학교산학협력단 | 세포 배양용 소태아혈청 대체 소재 |
-
1993
- 1993-01-22 JP JP50A patent/JPH06217764A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004504003A (ja) * | 1999-09-24 | 2004-02-12 | モルフォゲン ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド | 多能性胚様幹細胞、その組成物、方法および使用 |
| WO2017061392A1 (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | メビオール株式会社 | 細胞の保存方法 |
| JP2017070221A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | メビオール株式会社 | 細胞の保存方法 |
| JP2020108361A (ja) * | 2019-01-07 | 2020-07-16 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 | ミミズ細胞の保存方法及びミミズ細胞の形質転換方法 |
| KR20210090560A (ko) * | 2020-01-09 | 2021-07-20 | 세종대학교산학협력단 | 세포 배양용 소태아혈청 대체 소재 |
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