JPH062198Y2 - 微細ビーム成形装置 - Google Patents

微細ビーム成形装置

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JPH062198Y2
JPH062198Y2 JP1837988U JP1837988U JPH062198Y2 JP H062198 Y2 JPH062198 Y2 JP H062198Y2 JP 1837988 U JP1837988 U JP 1837988U JP 1837988 U JP1837988 U JP 1837988U JP H062198 Y2 JPH062198 Y2 JP H062198Y2
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英司 岩本
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日新ハイボルテージ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (ア)技術分野 この考案はイオンビームを微細なビームに成形する微細
ビーム成形装置に関する。
ヘリウムイオンHe+をビーム状にして加速し、試料に当
て、試料の物性を検出する方法がある。
ヘリウムイオンHe+のかわりに、陽子H+あるいはその他
の重イオンを使う事もある。
第3図に測定装置の概略を示す。
例えば、1.5MeVに加速したヘリウムイオンHe+を偏向電
磁石3で曲げて直進するビームとする。これは円形断面
のビームである。
このビームのままでは太すぎるので、スリット2によっ
て絞る。さらにこれを第1コリメータ1で絞る。スリッ
ト2はビームを絞る目的の他に、ビーム偏向後のビーム
位置の検出、そして加速器へのエネルギー安定化へのフ
ィードバック信号検出にも用いる。
ヘリウムイオンはかなり重いビームであるが、それでも
僅かな拡がりを持っている。第1コリメータ1で絞って
も、これが拡がってゆくので、Qレンズ9で水平・垂直
2方向(x,y方向)に絞る。そして試料8に当てる。
ビ−ムを走査コイル10で、x,y方向に走査すれば、
試料8の任意の点にヘリウムイオンビームを当てること
ができる。また試料8を動かす方法を取ることもでき
る。
ヘリウムイオンは高エネルギー(1MeV以上)の荷電粒
子である。試料に当たると、大部分は試料原子を電離さ
せることでエネルギーを失ない、最後は止まる。また、
一部の入射粒子は原子核と衝突してあらゆる角度に散乱
され、前方に散乱されたものが前方散乱粒子である。
この他に後方散乱されて試料の外へ弾き返されるヘリウ
ムもある。この時、試料によって、中性化されるものも
ある。イオンのまま後方散乱されるものもある。
後方散乱されたヘリウムイオンを測定する事ができる。
これはラザフォードバックスキッタリング(Ruther for
d Back Scattering,RB)という。Heイオンは試料表面の
原子によりクーロン力によって散乱される。試料表面の
原子により、散乱されたHeイオンのエネルギーが異な
る。重い原子によって散乱されると、エネルギー損失が
少い。
エネルギー損失分布から、試料表面の構成元素の種類や
分布がわかる。
また、Heイオンが試料中の原子を励起する。その時の電
子がそのまま外部へ出る事もある。これは二次電子であ
る。
イオンのエネルギーが高いので、比較的内殻の電子を弾
きとばす事もできる。すると、オージェ効果による電子
放出も起こる。
こうして放出された電子の運動エネルギーは、試料中で
の内殻電子エネルギーを反映している。したがって内殻
構造をあきらかにする事ができる。
また、電子がいったん励起された後に、再び原子内へ落
ちこむこともある。
この時にX線を出す。
X線のエネルギーは、電子レベル間の遷移エネルギーに
等しい。そこで、X線エネルギー分布を測定すれば、伝
導帯、価電子帯の構造が分る。これをPIXE(particle-in
duced X-ray emission)という。
このように、Heイオンを照射して、試料から発生するRB
S、X線、二次電子のエネルギー分布を測定すると、試
料表面の物性について重要なデータが得られる。
(イ)従来技術 高エネルギーイオンビームを使って、RBS、PIXE、二次電
子の測定を行う方法は、半導体の特性評価、磁性薄膜の
特性評価、生体科学、医学の分野で用途を開拓しつつあ
る。
ところが、半導体の表面構造は極めて微細化しつつあ
る。配線パターンが0.5μm程度に迫りつつある。
このように微細構造をもつ試料に対してその特性評価を
行おうとすれば、ビームを細く絞らなければならない。
たとえば5μmの寸法の構造をもつものであれば、ビー
ム径を5μm以下に成形しなければならない。
ところが、従来は、0.5mm〜1mmφのイオンビームが使
われていた。このように大きいビームであると、もちろ
ん微細構造を測定する上で役にはたたない。
そこで、ふたつの方法が考えられる。
ひとつは、Qレンズを使ってビームを絞る方法である。
もうひとつは、コリメータを使う方法である。
コリメータというのは、板面に微小な円孔、又は角孔を
穿ったものである。ビームをコリメータに当てると、孔
からビームが出るので、細いビームになる。任意の寸
法、形状のビームを得る事ができる。
ところが、これは、イオンビームを遮断する事によって
微細化するのであるから、イオンビームの大部分を失う
事になる。損失の多い方法である。
Qレンズを使う方法は、ビームの損失が少ないが、任意
の形状のビームを得る事は難しい。
大阪大学の高井らのグループは、コリメータとQレンズ
とを組合わせて、Heイオンビームを微細ビームに絞る機
構を実現している。
M.Takai et al."Microanalysis by Focused MeV Helium
Ion Beam,"Jpn.J.Appl.Phys. Vol. 26 No.5(1987) L55
0-553 これを第4図に示す。HeイオンビームAをスリット2で
絞る。スリット2の幅は5mm〜10mm程度である。これは
円孔である場合もある。孔に等しい寸法になったビーム
Bは、第1コリメータ1で微細なビームとなる。コリメ
ータの開口は5μm〜20μm程度である。
コリメータを経た後、ビーム拡がりはx方向に0.25mra
d、y方向に0.2mradである。これをQx,QyよりなるQレ
ンズで絞る。この図に於て下側にx方向のビーム拡がり
を、上側にy方向のビーム拡がりを示している。
Qレンズ9によりx方向には、縮少比1/4.7、y方向に
は1/21.9が得られたとある。
コリメータとQレンズの距離は1846mm、Qレンズと試料
8の距離は135mmである。これは上記縮少比の中間の値
の比率になるようにしてある。
Qレンズで縮少した結果、ビーム形状が1.3μm×2.2μ
mになった、とある。
極めて微少なイオンビームが得られた事になる。
(ウ)考案が解決すべき問題点 スリット2と第1コリメータ1の部分を拡大して第2図
に示す。
スリット2はギャップも広いので、肉厚も大きい。たと
えば5mm〜20mm程度の厚みのある耐熱性材料である。こ
れは耐熱性のある材料で作るのがよい。しかし、冷却す
ることができるので、ステンレス板で作る事もできる。
あるいは無酸素銅で作る。
ところが、第1コリメータ1は精密構造を持ち、精度が
要求されるので、冷却することは得策でないし、スリッ
ト先端まで冷却することはできない。
ビームBの直径をB、ビームEの直径をEとすると、面
積にしてπ(B2-E2)のビームが全て第1コリメータ1に
当る。するとコリメータ1が強く加熱される。イオンエ
ネルギーが高いからである。
またイオンエネルギーが高いので、コリメータ1がスパ
ッタリングされる。
コリメータにはイオンビームの殆んど全てが当る事にな
り、コリメータには熱歪みが入る。劣化が速い。コリメ
ータ1の穴の寸法は可変としなければならないので、可
動機構がついている。5〜20μmの範囲で開口寸法を変
えなければならない。これは精密な機構である。
ところが、コリメータには夥しい熱量が与えられる。こ
れを除かなければならない。真空中なのであるから、冷
却風で除くわけにはゆかない。薄い部材を動かす精密機
構がついているので、冷却水で冷却するのも困難であ
る。
イオンビームを弱くすればよいように思える。しかしそ
のようにすると、試料8に当たるイオンビームも減るの
でRBS、X線、二次電子ともに弱くなる。信号が弱くな
るので、S/Nが下り、検出感度が悪くなる。これは論外
である。
第1コリメータ1に当たったHeイオンの運動エネルギー
が、どれほどの熱量を生ずるのかを、次に概算する。
たとえば Heイオン加速エネルギー(E) 1〜4MeV イオン電流(I) 10〜300μA ビームパワー(1E=W) 10〜1200W ビーム径(D) 10mmφ エネルギー密度(4W/πD2)13〜1500W/cm2であるとす
る。ビームAの直径が10mmφ、スリット2の幅が7mmと
すると、ここで失われるエネルギーQ1は、エネルギー
密度1500W/cm2、ビームパワー1200Wの時、 Q1=228W (1) である。
第1コリメータ1の寸法を5μm×25μmとする。する
と、ここで失われるエネルギーQ2はのこりの殆んど全
てである。
Q2=972W (2) という事になる。ビームEのエネルギーをQeとすると、
これは極めて少なく Qe=2×10-3W (3) にすぎない、1200Wのエネルギーのうち2×10-3Wのエネ
ルギーしか利用していないのである。利用率は2×10-6
である。
ここで問題にするのは、利用率の低さよりも、第1コリ
メータ1に当たるパワーの大きさである。これは水冷す
る事ができないし、微調整できるものでなくてはならな
い。
このようなエネルギーを受けると、容易に劣化してしま
う。
劣化してしまえば、第1コリメータのチップ部品を新し
いものに取替えなければならない。
第1コリメータ1は精密な、ビームラインを規定する最
も重要な要素である。これを交換するとビームラインの
再調整を行わなければならない。しかし、これは極めて
難しい作業である。
コリメータのチップ部品の交換は極力避けたいものであ
る。
(エ)構成 本考案に於ては、第1コリメータ1に当たるビーム量を
減すために、第1コリメータ1の前段に2又は1の補助
スリットを入れる。補助スリットによって、ビームエネ
ルギーの多くを吸収する事にする。しかも、補助スリッ
トは微調整しなくてよいから、冷却機構を設ける事がで
きる。
第1図は本考案の一例を示すビーム成形装置の略構成図
である。
偏向電磁石3でイオンビームが曲げられる。
これは、イオンの質量や電荷、エネルギーなどが同一の
ものだけを選び出す作用がある。これにより、エネルギ
ーが所定の値である1価のヘリウムイオンを選ぶことが
できる。もちろん、イオンの種類はなんであっても良い
わけである。所望のイオンを選ぶという事である。
偏向されたビームAがスリット2で絞られる。これは水
冷するスリットである。スリットを通り抜ける事によ
り、より細いビームBとなる。
この後、第1補助スリット5、第2補助スリット6をビ
ーム軸線上に設けている。
これらの補助スリット5、6の開口は、角型であっても
円型であってもよい。第1コリメータ1の最大開口より
も大きく、スリット2の開口よりも小さければよい。
第1補助スリット5、第2補助スリット6は、ステンレ
ス、WC、Moなどで製作する事ができる。高融点物質でス
パッタリングレイショが低い材料が望ましい。ステンレ
スは高融点材料とはいえないが加工性が優れているし、
冷却すればこれでも耐久性がある。
補助スリットは2つに限らず、ひとつでもよい。反対に
3以上であっても差支えない。
(オ)作用 補助スリット5、6にイオンビームの大部分が当たり第
1コリメータに当たるビームが大きく減少する。このた
め、第1コリメータの熱損傷を回避することができる。
一例によって説明する。最もエネルギーが高い場合の例
をとる。
Heイオン加速エネルギー(E) 4MeV イオン電流(I) 300μA ビームパワー(W=IE) 1200W ビームAの径 10mmφ スリット2の幅(長幅の短辺) 7mm 第1補助スリット5 1mm×1mm 第2補助スリット6 0.1mm×0.1mm 第1コリメータ 5μm
×25μm このようにすると、一様エネルギー密度のビームとする
と、スリット2、5、6、コリメータ1で失われるエネ
ルギーと、イオン電流は以下のようである。
(カ)効果 第1コリメータにかかる熱負荷が極めて小さくなる。
前例の場合、第1図に示す本考案で第1コリメータでの
エネルギー損失が0.151Wになる。第2図に示す従来例で
は972Wであったので、著しく減少している事になる。
これは微調整しなければならず、薄いものであって冷却
することもできない。熱負荷が小さいので、温度上昇せ
ず、これにともなう障害が発生しない。チップ部品の寿
命を著しく延ばすことができる。
逆にいえば、これは入力のイオンエネルギー密度を上げ
る事ができるという事である。4MeV、300μAのイオン
ビームであれば、第1コリメータ1を通るエネルギーが
2mW、電流が0.5nAである。これをQレンズによって1
μm×1μmに絞った場合、500μA/mm2という高密度
微少ビームを得る事ができる。
RBS、PIXE、二次電子検出強度が著しく増加する。S/N比
が上るので、固体の表面微細構造の測定、評価を行う上
で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の微細ビ−ム成形装置の一例を示す断面
図。 第2図は従来例に係る微細ビーム成形装置の断面図。 第3図は高エネルギーイオンビームを使ったRBS、PIXE、
二次電子測定装置の原理図。 第4図は第1コリメータを通った後のヘリウムイオンビ
ームの発散収束を説明する図。 1……第1コリメータ 2……スリット 3……偏向電磁石 5……第1補助スリット 6……第2補助スリット

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】高エネルギーイオンビームを偏向電磁石3
    を通して曲げた後、数mm〜20mmの開口を有するスリット
    2と数μm程度の寸法可変の第1コリメータ1を通して
    試料8に当てて、イオンの後方散乱、二次X線、二次電
    子等を測定する装置において、スリット2と第1コリメ
    ータ1との間に、スリット2の開口より小さく第1コリ
    メータ1の開口より大きい開口を持った1個以上の補助
    スリット5、…を設けた事を特徴とする微細ビーム成形
    装置。
JP1837988U 1988-02-15 1988-02-15 微細ビーム成形装置 Expired - Lifetime JPH062198Y2 (ja)

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JPH01122254U JPH01122254U (ja) 1989-08-18
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