JPH0622791A - サルモネラ菌の簡易検出法およびその培地組成物 - Google Patents

サルモネラ菌の簡易検出法およびその培地組成物

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JPH0622791A
JPH0622791A JP20422992A JP20422992A JPH0622791A JP H0622791 A JPH0622791 A JP H0622791A JP 20422992 A JP20422992 A JP 20422992A JP 20422992 A JP20422992 A JP 20422992A JP H0622791 A JPH0622791 A JP H0622791A
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medium
colony
salmonella
black
agar
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JP20422992A
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Takayuki Morita
隆行 盛田
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Nisshin Oillio Group Ltd
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 サルモネラ菌で汚染された各種検体成分を、
必要に応じてL−シスチンを強化した特定の寒天培地で
培養し、この培地上に、中心部が黒色で周縁部が半透明
のコロニーを形成し、かつ黒色の痕跡を認めることで、
検体中のサルモネラ菌を検出する。 【効果】 長い時間と労力、熟練を必要とせず、簡単な
操作で短時間に多数の検体を安価に処理できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、食糧、飼料、そ
れらの原料等に混入したサルモネラ菌の簡易な検出法、
およびこれに用いる培地組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】サルモネラ菌は病原性の腸内細菌の一属
であり、一般には食中毒や腸チフスを引き起こす病原菌
として知られている。食品、食糧、飼料、あるいはそれ
らの原料を介してヒトや動物に感染し、他の感染型食中
毒菌と同様に小腸上皮細胞に侵入して腸管壁を障害し、
下痢を起こす。このため食品および飼料製造における衛
生管理、保健所や各種研究機関における衛生検査等にお
いて、サルモネラ菌の検出・判定方法がすでに開発され
ている。
【0003】例えば、食品中のサルモネラ菌の検出方法
としては、公定書である食品衛生検査指針((社)日本
食品衛生協会編)に記載されている。この方法は、まず
検体を、Enterobacteriaceae Enrichment Mannitol Bro
th(以下、EEM培地という)上で、37℃で24時
間、前増菌培養し、この培養液の一部をさらにハーナテ
トラチオン酸塩基礎培地で37℃、24時間、増菌培養
した後、この一部をDesoxycholate Hydrogen Sulfide L
actose Agar(以下、DHL寒天培地という)で37
℃、20〜24時間培養すると、該寒天平板上に、産生
された硫化水素(H2S)と培地中のクエン酸鉄アンモ
ニウムとの反応により生じた中心部が黒色で周縁部が半
透明の定型的コロニーが形成されるので、これをサルモ
ネラ菌の推定試験とすることができる(J.F.McFADDIN,
"Biochemical Test for Identification of Medical B
acterial",1976, pp89-99参照)。次いで、上記DHL
寒天平板上に出現したH2S産生コロニーを釣菌し、Tri
ple Sugar Iron Agar(以下、TSI培地という),Sul
fide Indol Motility Medium(以下、SIM培地とい
う)およびLysine Indole Motility Medium(以下、L
IM培地という)を用いる生化学的分類手法により、サ
ルモネラパターンすなわちTSI培地で斜面赤色から高
層黒色、ガス産生を示し、SIM培地で黒色、運動性
(+)、インドール産生(−)、インドールピルビン酸
産生(−)を示し、LIM培地で全体紫色、運動性
(+)を示すもの(細菌・真菌・原虫用培地「ニッス
イ」マニュアル第4版、第31〜34頁、1987年,
日本製薬(株)発行など)を区分して確認試験とし、さ
らに上記確認試験でサルモネラ菌の疑いのあるものにつ
いては血清型別試験に供して、抗原・抗体反応による菌
体抗原(O抗原)および鞭毛抗原(H抗原第1相および
第2相)の有無を調べ、完全確認試験を行うものであ
る。これらの一連の試験結果をもってサルモネラ菌を特
定することができる。
【0004】また、サルモネラ菌を同定するための種々
の簡易法も開発されている。例えばバイオコントロール
社(USA)が開発した、いわゆる1−2テスト法は、
食品中のサルモネラ菌を2種類のチャンバーからなるL
字型プラスチック容器内で培養し、サルモネラ菌の鞭毛
に対する抗原・抗体反応を白いイムノバンドとして検出
する簡易キットである。種々の食品サンプルを常法によ
り前増菌培養し、この培養液を液体培地が入った接種チ
ャンバーで増菌培養すると、この培養液の一部が、抗体
を含むゲル状培地が入った運動チャンバーに移動し、該
運動チャンバー内でサルモネラ菌が抗原・抗体反応して
白色のイムノバンドを形成するため、この原理を利用し
てサルモネラ菌の存在を確認するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、サルモ
ネラ菌の検出法としては、従来、食品衛生検査指針の、
いわゆる公定法およびその簡易法などが利用されてき
た。しかしながら、前者では検体の前増菌培養、増菌培
養、分離培養による推定試験のほかに、生化学的分類法
および免疫学的判定法による確認試験を必要とし、検体
中のサルモネラ菌を同定するまでには極めて長い時間と
労力、熟練を要するものであった。殊に分離培養による
推定試験では、上述のごとく培地成分とサルモネラ菌と
の作用で中心部が黒色で周縁部が半透明の定型的コロニ
ーを生じるが、かかるコロニーの特徴を有するサルモネ
ラ菌以外の細菌類も多く、この段階でサルモネラ菌を同
定することは困難であった。また後者は、上述の1−2
テスト法のごとく、操作が簡単で、費やす時間も短縮で
きる簡易法もあるが、装置および試薬キットの費用が高
く、多数の検体を処理する場合には非常にコストが高く
なり、汎用的な手法ではなかった。
【0006】したがって本発明は、食品をはじめとする
種々の検体中のサルモネラ菌を、特定の培地組成物を用
いて、特殊な熟練・技術を必要とせず、短時間に簡単か
つ容易に検出できる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、検体成
分を含硫アミノ酸と鉄イオンを含む寒天培地で培養し
て、該培地上に中心部が黒色で周縁部が半透明のコロニ
ーを形成し、かつ前記集落裏側における前記培地表面に
おいて黒色の痕跡を検出することを特徴とするサルモネ
ラ菌の簡易検出法が提供される。
【0008】すなわち本発明は、検体成分を必要に応じ
てL−シスチンを強化したDHL寒天培地で培養し、該
培地上に中心部が黒色で周縁部が半透明のコロニーを形
成し、かつ主として硫化水素に由来する黒色の痕跡を認
めることを特徴とする。
【0009】さらに本発明は、上述のサルモネラ菌の簡
易検出法に最適な、含硫アミノ酸と鉄イオンを含む寒天
培地組成物を提供する。
【0010】本発明では、食品、食糧、飼料およびその
原材料をはじめ、サルモネラ菌で汚染されている懸念の
ある物質・製品を検体として選ぶことができる。かかる
検体はそのまま本発明に適用できるが、その種類や形
状、あるいは本発明を実施する際の状態、たとえば汚染
の状況などによって、混入あるいは付着菌数および種類
が異なるため、適当な前処理を行なうことが望ましい。
【0011】検体の前処理としては、周知の方法が使用
できる。例えば所要量の検体を培地に添加し、35〜3
7℃で24時間培養し、前増菌培養物を得、さらに該培
養液の一部を用いて増菌培養用の培地でほぼ同条件にて
培養し、増菌培養物を得る。ここで前増菌培養用の培地
としては公知のものを適宜選んで使用できるが、検体が
加工食品の場合には乳糖ブイヨン培地、生肉類ではTB
G培地、粉製品のときには乳糖ブイヨンおよびTBG培
地、油粕類の場合にはEEM培地などが好ましい。また
増菌培養用の培地も公知のもの、すなわちサルモネラ菌
の増菌用培地として市販されている、例えばハーナテト
ラチオン酸塩基礎培地、SBG培地、セレナイト培地な
どが使用できる。かくして得られる増菌培養物を、本発
明のサルモネラ菌検出用の試料とする。
【0012】本発明は、検体又は上述のごとき検体の培
養物を特定成分からなる寒天培地で培養して得られるコ
ロニーの特性によって、サルモネラ菌を精度よく同定す
ることを特徴とする。
【0013】すなわち本発明の特定成分からなる寒天培
地とは、菌体が増殖するために必要な炭素源および窒素
源のほかに、チオ硫酸塩および鉄イオン含有化合物を基
本成分とし、必要に応じてL−シスチンを強化した寒天
培地を意味し、炭素源としては乳糖、白糖、ブドウ糖、
マンニトール、ソルビトールなど、窒素源としては肉汁
エキス、酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、カゼイン
などの公知のものが使用でき、チオ硫酸塩としてはナト
リウムおよび/又はカリウム塩、鉄イオン含有化合物と
してはクエン酸第二鉄、クエン酸鉄アンモニウムなどが
好適例としてあげられる。本発明では、かかる成分に、
さらに必要に応じてL−シスチンを、好ましくは培地の
0.01〜1重量%(培地1リットルあたり0.1〜1
0グラム)、さらに好ましくは0.05〜0.1重量%
(0.5〜1グラム)添加した寒天培地を用いる。0.
01重量%未満の添加量では、サルモネラ菌を識別する
ための培養時間の短縮化に効果がなく、また後述する硫
化水素に由来する痕跡が明瞭でなくなる。一方、1重量
%を越えるL−シスチンを添加すると、サルモネラ菌以
外の菌体でも該痕跡を生じることがあるため、サルモネ
ラ菌を特定することが困難になることがある。かかる成
分を含む培地の例としては、市販のDHL寒天培地に
0.1重量%のL−シスチンを添加したものなどがあ
る。
【0014】上記の特定成分からなる寒天培地に、サル
モネラ菌を含有する試料を常法により画線し、30〜4
0℃、好ましくは35〜37℃で5〜30時間、好まし
くは10〜24時間培養すると、該寒天培地の表面に、
中心部が黒色で周縁部が半透明の定型的コロニーを生じ
る。ついでこのコロニーを、先の丸いループ又はガラス
棒等で個々にかき取ると、その部分の培地表面に黒色の
硫化水素に由来する痕跡を残すものが認められる。本発
明では、上述のコロニーの特徴および寒天培地上の痕跡
を有するものをサルモネラ菌と同定する。サルモネラ菌
以外のものは、たとえH2Sガスを産生し、中心部が黒
色で周縁部が半透明の定型的コロニーを形成する細菌で
あっても、本発明の特定の寒天培地表面に黒色の痕跡を
残さないので、特別の熟練を要せずしてサルモネラ菌を
識別することができる。
【0015】
【実施例】
実施例1 理化学研究所微生物系統保存施設から入手したサルモネ
ラ菌(各種血清型)およびH2S産生能の可能性のある
他の標準菌株の各々をハートインフュージョン培地(D
IFCO社製)で増菌培養(37℃、24時間)し、さ
らにその一部をEEM培地(日水製薬(株)製)で前増
菌培養(37℃、24時間)した後、ハーナテトラチオ
ン酸塩基礎培地(栄研化学(株)製)で増菌培養(37
℃、24時間)し、表1に示すL−シスチン強化DHL
寒天平板上に画線して、37℃で24時間培養した。
【0016】
【表1】 該寒天平板上のコロニーの発育状況、H2S産生能およ
び痕跡産生能を観察した結果を表2に示す。
【0017】
【表2】 (注) 発育、H2 S産生能および痕跡産生能の評価:+++ >++
>+>+w>±>− H2 S産生能:生成される硫化鉄によるコロニー中心部
の黒色により判定。
【0018】痕跡産生能 :コロニーを除去し、培地上
の黒色痕跡の有無で判定。表2から、サルモネラ菌では
血清型や種別にかかわらず、すべての菌株で、L−シス
チン強化寒天平板で発育よく、H2S産生能があり、そ
れに由来する黒色の痕跡を残したことが明らかである。
一方、H2S産生が予想されたサルモネラ菌以外の腸内
細菌は、H2Sを産生しないか、もしくは産生しても該
寒天平板上で痕跡を残さなかった。
【0019】実施例2 サルモネラ菌陰性の菜種粕25gに、H2S産生の可能
性がある表3の菌体培養液各0.1mlを添加して供試
検体とし、EEM培地(日水製薬(株)製)225ml
で前増菌培養(37℃、24時間)、次いでこの1ml
をハーナテトラチオン酸塩基礎培地(栄研化学(株)
製)10mlで(37℃、24時間)した。この培養物
の1白金耳量をDHL寒天平板培地(日水製薬(株)
製)に画線し、35℃で20時間培養した後、シャーレ
上のH2S産生定型的コロニーを5個ずつ釣菌し、痕跡
の有無を確認するとともに、公定法のTSI,SIMお
よびLIM各培地(いずれも日水製薬(株)製)に接種
し、確認試験を行った。結果を表4に示す。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】 (注) H2S産生能および痕跡産生能の評価=表2と
同じ 確認試験による判定:TSI,SIM,LIM培地で下
記のサルモネラパターンを示したものをサルモネラ菌と
した。
【0022】(サルモネラパターン) TSI培地=斜面赤色、高層黒色、ガス産生(+) SIM培地=黒色、運動生(+)、インドール産生
(−)、インドールピルビン酸産生(−) LIM培地=全体紫色、運動生(+)。
【0023】実施例3 常法により製造した魚粉から70検体をサンプリング
し、各25gを使用して、実施例2と同様の操作で増菌
培養物を得た。これをL−シスチン0.5重量部強化し
たDHL寒天平板培地に画線し、37℃、24時間培養
して発生した菌株の数個を選び、コロニーの特徴、H2
S産生能および痕跡の有無により判定した。なお、すべ
てのコロニーについてTSI,SIMおよびLIM培地
で確認試験を行い、サルモネラ菌の可能性のあるものに
ついては血清型別試験(デンカ生研サルモネラ免疫血清
を使用)を行った。その結果を表5に示す。
【0024】
【表5】 1)中心部が黒色で周縁部が半透明を呈するコロニー
の数2) サルモネラパターン:表4の(注)と同じ3) O抗原のみ決定:43株のうち、04型(12株),013型
(26株),01 ,3,19 型(4株),other serotype(1
株)であった。 上記の寒天平板上でH2Sを産生する典型的コロニーの
うち、痕跡を有するものの約96%がサルモネラ菌であ
った。またH2Sを産生し、定型的コロニーを形成する
が、痕跡を残さないものはすべてサルモネラ菌ではなか
った。なお、H2S産生かつ痕跡を有し、確認試験でサ
ルモネラパターンを示さなかったものは、コロニーが全
体黒色で中心部が白色をおびたサイトロバクターフロイ
ンディと同定できた。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来、判定のた
めに長時間、労力かつ熟練を必要とし、また費用が高
く、多数の検体を処理することが困難であった各種検体
中からのサルモネラ菌の検出を簡単かつ容易な操作で、
短時間に行うことができ、また従来法の推定段階で高い
確率で判定できるので安価である。また本発明によるサ
ルモネラ菌の簡易検出方法は、単に特定寒天平板培地を
直接に視覚的に判別するのみならず、コロニーの特徴お
よび痕跡を機械的あるいは電気的に認識し、自動的にサ
ルモネラ菌を識別する方式に応用することも可能であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体成分を含硫アミノ酸と鉄イオンを含
    む寒天培地で培養して、該培地上に中心部が黒色で周縁
    部が半透明のコロニーを形成し、かつ前記集落裏側にお
    ける前記培地表面において黒色の痕跡を検出することを
    特徴とするサルモネラ菌の簡易検出法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の検出法の実施のために
    使用する含硫アミノ酸と鉄イオンを含む寒天培地組成
    物。
JP20422992A 1992-07-09 1992-07-09 サルモネラ菌の簡易検出法およびその培地組成物 Pending JPH0622791A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1988002917A1 (fr) * 1986-10-16 1988-04-21 Sony Corporation Appareil et procede d'enregistrement et de reproduction de donnees au moyen d'un disque
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