JPH06228193A - トランス作用因子−1 - Google Patents

トランス作用因子−1

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JPH06228193A
JPH06228193A JP4054147A JP5414792A JPH06228193A JP H06228193 A JPH06228193 A JP H06228193A JP 4054147 A JP4054147 A JP 4054147A JP 5414792 A JP5414792 A JP 5414792A JP H06228193 A JPH06228193 A JP H06228193A
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taf
gene
sequence
motif
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JP4054147A
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Nam-Hai Chua
チュア ナン−ハイ
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Rockefeller University
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/415Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トランス作用因子TAF-1 の活性部分を同定・
単離し、その特性を決定した。このタンパク質因子は以
前に数多くの植物プロモーター要素内で同定されたモチ
ーフI 様配列に結合する。 【効果】 TAF-1を遺伝子工学的に細胞培養系やトラン
スジェニック植物に導入すると、TAF-1 と結合するシス
作用配列を1 コピー以上含むプロモーター要素に融合さ
せた異種遺伝子の発現を増強または調節できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス作用因子TAF-
1 、その製造およびTAF-1 の結合部位を含む遺伝子の発
現を高めるためのトランスでのその使用に関する。ここ
に記載するTAF-1 は、異種遺伝子産物の発現を高めたり
調節するために、細胞培養系またはトランスジェニック
植物において使用され、遺伝子工学的に操作される。
【0002】
【従来の技術】植物遺伝子に関する最近の研究は、トラ
ンス調節で重要な役割を演ずる配列特異的DNA 結合タン
パク質に集中している。これらのDNA 結合タンパク質は
通常核の中に見い出され、それらの標的DNA 配列および
結合特異性は全細胞または核抽出物を使うゲル移動度シ
フト検定あるいはDNAse フットプリント法により特徴づ
けることができる。このようなin vitro実験の結果か
ら、植物遺伝子の5 ′- 上流領域は多数の核タンパク質
因子の結合部位を含むという結論に達した(Allenet a
l., 1989, Plant Cell 1:623-631; Gilmartin et al.,
1990, Plant Cell 2, 369-378; Schindler and Cashmor
e, 1990, EMBO J. 9:3415-3427を参照)。さらに、いく
つかの場合には、1 つの核因子が2 つ以上のプロモータ
ーと相互作用する。例えば、タバコ核因子の活性化配列
因子(ASF)-1は、カリフラワーモザイクウイルス(CaM
V) 35S プロモーターの-83 から-63 の領域に存在するT
GACG モチーフと結合する能力により初めて確認された
(Lam et al., 1989)。しかしながら、更なる分析によ
り、これはコムギヒストンH3遺伝子(Katagiri et al.,
1989, Nature 340:727-730 )、ノパリンシンターゼ遺
伝子(Katagiri et al., 1989,前掲;Bouchez et al.,
1989, EMBO J. 8, 4197-4204; Lam et al., 1990,J. Bi
ol. Chem. 265:9909-9913)、オクトピンシンターゼ遺
伝子(Fromm et al., 1989, Plant Cell 1:977-984; To
kuhisa et al., 1990, Plant Cell 2:215-224 )、およ
びオクトピンT-DNA のTR1 ′および2 ′プロモーター
(Bouchez et al., 1989, EMBO J. 8, 4197-4204)の5
′領域中の類似モチーフにも結合することが証明され
た。これらの生化学的結果は、1 つの調節遺伝子が数種
類の構造遺伝子の活動をコントロールするという以前の
遺伝子データと一致している(Coeand Neuffer, 1977,
In Sprague, G.F., ed., Corn and Corn Improvement.
Madison, WI., USA. pp. 111-223 を参照)。
【0003】もう1 つの核因子であるG-ボックス結合因
子(GBF )もいくつかのプロモーターに結合すると思わ
れる。Giuliano et al., (1988, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 85:7089-7093 )は、この因子が数種類の双子葉
植物のrbcS遺伝子の上流配列に保存されるG-ボックスモ
チーフ、5 ′-TCTTACACGTGGCAYY-3 ′、に結合すること
を最初に報告した。コア配列CACGTGを含むG-ボックス関
連モチーフは2 つの他のクラスの光反応性遺伝子の5 ′
領域にも存在する:すなわちArabidopsis cab遺伝子(H
a and An, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:8017
-8021) およびPetroselium crispum (Schulze-Lefert e
t al., 1989, EMBO J. 8:651-656; Schulze-Lefert et
al., 1989, Plant Cell 1:707-714) とAntirrhinum maj
us (Staiger et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 86:6930-6934) のカルコンシンターゼ遺伝子(chs)
。カルコンシンターゼのG-ボックスモチーフとN. taba
cumrbcS のそれとは、2 つの配列が同一のタバコ核因子
CG-1について競合すると思われるので、互いに関係のあ
ることが分かった。これらの結果はCG-1とGBF が同様の
結合特異性をもつことを示唆する;しかしながら、2 つ
のタンパク質因子が実際に同一であるのか、単に関係が
あるだけなのかは分かっていない。G-ボックスまたは関
連モチーフは光反応性遺伝子とのみ関係するのではない
ことに注意すべきである。というのは、それはパタチン
(PI-II )プロモーター(Rosahl etal., 1986, Mol. G
en. Genet. 203:214-220)の-577にも、Arabidopsis ア
ルコールデヒドロゲナーゼ(Adh )プロモーター(McKe
ndree et al., 1990, Plant Cell 2:207-214; DeLisle
and Ferl, 1990, Plant Cell 2:547-557) の-200にも存
在するからである。これらの発見により、GBF やCG-1は
いろいろな調節特性のプロモーターと相互作用しうるど
こにでもある因子にすぎない可能性が出てきた。
【0004】最近、イネ rab16A プロモーターの5 ′-G
TACGTGGCG-3 ′配列に特異的に結合するイネ核因子が開
示された(Mundy et al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 87:406-410 )。モチーフI と呼ばれるこの配列
は4 種類すべてのABA 反応性rab16 遺伝子(A−D;Mu
ndy and Chua, 1988, EMBO J. 7:2279-2286; Yamaguchi
-Shinozaki et al., 1990, Plant Mol. Biol. 14:29-3
9)に保存されているばかりでなく、後期胚形成中に発
現されるワタ遺伝子(lea)(Baker et al., 1988, Plan
t Molecular Biology 11:277-291) にも、コムギのEm遺
伝子(Marcotte et al., 1989, Plant Cell 1:969-976)
にも保存されている。モチーフI とG-ボックスモチーフ
を比較すると、高度の配列相同が見られる。
【0005】
【発明の要約】ここでは転写活性因子TAF-1 の構造と機
能を開示する。TAF-1 はrab プロモーターの特定のモチ
ーフに結合し、TAF-1 の結合部位に連結した対象の遺伝
子をトランス活性化することにより遺伝子発現を高める
ことができる。本発明は、タバコ核抽出物がrab16 モチ
ーフI に結合する因子を含みしかもこの結合がG-ボック
スモチーフによる競合に対して敏感であることを示す下
記の実施例を用いて説明する。タバコcDNA発現ライブラ
リーから単離した部分cDNAクローンであって、核モチー
フI 因子と類似したDNA 結合特異性を有する末端切断タ
ンパク質(TAF-1 )をコードするものを開示する。核因
子と末端切断TAF-1 は両方ともG-ボックスモチーフに対
して非常に高い結合親和性を示す。TAF-1 はそのN 末端
に酸性ドメインを、そのC 末端にロイシンリピートに隣
接した塩基性ドメインを含む。さらに、葉の細胞中で一
時的に発現させると、それはモチーフI テトラマーに結
合したβ−グルクロニダーゼ(GUS )リポーター遺伝子
をトランス活性化することができる。
【0006】本明細書中で用いる以下の略語は次の意味
を有する: ABA =アブシジン酸 ABRE=ABA 反応性要素 GUS =β−グルクロニダーゼ TAF =トランス作用因子
【0007】
【図面の説明】
図1 :タバコ核抽出物はイネ rab16遺伝子のモチーフI
に対する結合活性を含む。(A) ゲル移動度シフト検定に
使用したDNA プローブ。70-bp の長さのプローブA はイ
ネ rab16B 遺伝子の-275から-206の配列を含む(Yamagu
chi-Shinozakiet al., 1990, Plant Mol. Biol. 14:29-
39 )。野生型プローブはモチーフI 、CTACGTGGCG、の4
つの直列コピーを含み、突然変異(MU)プローブはモ
チーフIの突然変異配列(G をT に、T をG に変えた)
の4 つの直列コピーを含む。(B)プローブA を使用する
タバコ核抽出物のゲル移動度シフト検定。実験は「材料
および方法」に記載した通りに行った。競合物質は300
倍過剰モル量で加えた。F、遊離のプローブ;I およびI
I、それぞれ複合体I およびII;T. Ext. 、タバコ核抽
出物;comp. 、競合物質;A 、プローブA 。矢じりは特
異的DNA-タンパク質複合体の位置を示す。
【0008】図2 :cDNAクローン5aおよびそのコード化
産物(TAF-1 )の特性決定。(A) クローン5aのヌクレオ
チド配列。部分cDNAは1345-bp から成り、264 個のアミ
ノ酸のオープン・リーディング・フレームを含む。最初
のメチオニンは22位にある。(B)TAF-1をコードする核遺
伝子のサザンブロット分析。高分子量タバコDNA (10μ
g)はHindIII ( レーン1 )またはEcoRI (レーン2 )で
消化した。cDNAクローン5a(その制限地図は(C) に示
す)の3 ′末端の大きいほうのEcoRI 断片(約1.2Kb)に
フィルターをハイブリダイズさせた。Hd、HindIII; Ec
、EcoRI; Nh 、NheI。(D) クローン5aによりコードさ
れるタンパク質産物のDNA 結合特異性。部分cDNAクロー
ンはベクターpSK(-)中のlacZプロモーターの下流に配置
し、この組み換えプラスミドを大腸菌に形質転換した。
この発現ベクターでは、おそらく、分子量26,000の末端
切断TAF-1 を生産するためにイニシエーターメチオニン
としてMet-22が使用された。2mM IPTGを用いて指数的生
長相培養物を誘導した(+) ;非誘導培養物は対照として
使用した(-) 。誘導(+) および非誘導(-) 培養物から抽
出物(E. ext)を調製し、「材料および方法」で記載し
た通りに硫酸アンモニウムで分画化した。SDS-PAGE分析
は誘導培養物からの抽出物中に26,000-Kd のポリペプチ
ドの存在を示したが、非誘導培養物では示さなかった。
ゲル移動度シフト検定はプローブとしてWTまたは突然変
異モチーフI テトラマーを使って行った(図1A) 。F 、
遊離のプローブ;NC、非特異的複合体;矢じりは特異的
複合体を示す。
【0009】図3 :モチーフI の突然変異分析。WTモチ
ーフI と種々の突然変異体(M1 ないしM5) のテトラマー
はゲル移動度シフト検定により大腸菌で生産された組み
換えTAF-1 と相互作用する能力について調べた。突然変
異体は図面に示すように連続2-bp変異を含んでいた。N
C、非特異的複合体; 矢じりは特異的複合体を示す。 図4 :末端切断TAF-1 および核モチーフI 因子のDNA 結
合部位配列特異性。(A)TAF-1は完全なパリンドローム配
列に優先的に結合する。末端切断TAF-1 を含む大腸菌抽
出物を用いるゲル移動度シフト検定においてプローブと
してWTモチーフI と突然変異体M1と完全なパリンドロー
ム(PA)、GCCACGTGGC、のテトラマーを使用した。F 、遊
離のプローブ;NC、非特異的複合体。矢じりで示す特異
的複合体は非特異的複合体と比べて遅い移動度を示す。
(B) モチーフI(WT) と関連配列に対するTAF-1 の相対結
合親和性。末端切断TAF-1 を含む大腸菌抽出物を用いる
ゲル移動度シフト検定においてプローブとしてWTモチー
フI テトラマーを使用した。異なる濃度の突然変異体M1
ないしM5のテトラマー、および完全なパリンドローム(P
A)のテトラマーはTAF-1 についてWT配列と競合する能力
を調べた。ここに示した実験では、約50% の競合をもた
らす濃度のWT、PA、M1およびM5を使用した。突然変異体
M2、M3およびM4の場合には、より高い濃度を使用した。
comp. 、競合物質。(C)WT 、突然変異体M1ないしM5、お
よび完全なパリンドローム(PA)のヌクレオチド配列。こ
の図面には、コア配列として TACGTG ヘキサヌクレオチ
ドを有するテトラマーのWTモチーフI を示す。このモチ
ーフの5 ′ヌクレオチドG はテトラマーの先行するモチ
ーフの3 ′ヌクレオチドから誘導される。他の配列を一
致させて表示した。PAとのヌクレオチド差異を小文字で
表す。TAF-1 に対する相対結合親和性を右側に示す。
(D) モチーフI(WT) と関連配列に対する核モチーフI 因
子の相対結合親和性。実験はタバコ核抽出物(T. Ext.)
を使用したことを除いて(B) のように行った。(B) と
(D) では競合物質の濃度がわずかに異なることに注意さ
れたい。F 、遊離のプローブ;NC、非特異的複合体;矢
じりは特異的複合体を示す。
【0010】図5 :植物 bZip タンパク質の塩基性ドメ
インとロイシンリピートのアミノ酸配列の比較。(A) 塩
基性ドメイン。TAF-1 、EmBP-1(Guiltinan et al., 199
0, Science 250:267-271) 、HBP-1(Tabata et al., 198
9, Science 245:965-967) 、OCSBF-1(Singh et al., 19
90, Plant Cell 2:891-903) 、02(Hastings et al.,198
9, EMBO J. 8:2795-2801; Schmidt et al., 1990, Pro
c. Natl. Acad. Sci.USA 87:46-50) 、TGA-1aおよびTGA
-1b(Katagiri et al., 1989 Nature 340:727-730)。保
存されたアミノ酸残基はボックスで囲ってある。(B) ロ
イシンリピート。文献は(A) を参照されたい。反復ロイ
シン残基には星印を付けてある。
【0011】図6 :TAF-1 はコムギヒストンH3プロモー
ターのhex モチーフに結合する。IPTG誘導(+) および非
誘導(-) 培養物から大腸菌抽出物(E. ext)を調製し、
「材料および方法」のところで詳述するように硫酸アン
モニウムで分画化した。WT(4H1) または突然変異体(4H
3)hex配列のテトラマー(Katagiri et al., 1989 Nature
340:727-730)を使ってゲル移動度シフト検定を行った。
WT、-180 TTCGGCCACGTCACCAATCCG -160; 突然変異体、
-180 TTCGGCCACGTCCAATCCG -160 。-168から-170の位置
で3 個のヌクレオチドがTCA からCGT に変わったことに
注意されたい。特異的複合体は矢じりで示す。F 、遊離
プローブ。
【0012】図7 :タバコ植物の異なる器官中のTAF-1
mRNAのノザンブロット分析。タバコ植物の根(R) 、茎
(S) および葉(L) からのポリA RNA(1 μg)を使用した。
ハイブリダイゼーションプローブはTAF-1 cDNA(上段パ
ネル)とβ-ATPase cDNA(下段パネル)であった。他の
細部については「材料および方法」を参照されたい。
【0013】
【発明の具体的説明】本発明はプロモーター配列のある
種のモチーフに結合する新規な転写活性因子TAF-1 に関
する。TAF-1 はトランスで作用して、TAF-1 の結合部位
に連結した遺伝子配列の発現を高める。TAF-1 の構造、
機能、特性決定と、これを使用して細胞培養系またはト
ランスジェニック植物で遺伝子発現を高めることが開示
される。
【0014】本発明は、タバコ核抽出物がrab16 モチー
フI に結合する因子を含みしかもこの結合がG-ボックス
モチーフによる競合に対して敏感であることを示す下記
の実施例を用いて説明する。モチーフI 配列(5 ′-GTA
CGTGGCG-3 ′)をハイブリダイゼーションプローブとし
て利用して、タバコcDNA発現ライブラリーから部分cDNA
クローンを単離した。この部分cDNAのTAF-1 はそのアミ
ノ末端に酸性ドメインを、そのカルボキシ末端部分に、
“ロイシンジッパー”タンパク質に特徴的なロイシンリ
ピートに隣接したドメインを含む末端切断タンパク質を
コードする。核因子と末端切断TAF-1 は両方ともモチー
フI とG-ボックスモチーフに結合する。
【0015】TAF-1 が遺伝子発現の高揚にトランスで作
用することを証明するために、種々のモチーフI 型配列
をCaMV 35Sプロモーターに挿入し、リポーター遺伝子GU
S に融合させた。これらのキメラ融合物はAgrobacteriu
m 媒介形質転換により安定した状態でタバコに形質転換
された。CaMV 35S-TAF-1融合物を構築し、この融合物を
含むプラスミドDNA は高速衝撃(high velocity bombard
ment) によりモチーフI テトラマー−GUS トランスジー
ン構築物を保有するトランスジェニック葉の細胞に導入
した。35S-TAF-1 エフェクタープラスミドの一時的発現
は、対照細胞が2 倍であったのに対して、GUS 発現を10
-15 倍増加させた。従って、末端切断TAF-1 トランス作
用因子はモチーフI 関連配列と結合して、下流の異種構
造遺伝子の活性化を引き起こす。
【0016】TAF-1 の特徴は、(a)TAF-1の構造と機能お
よびその結合モチーフ;(b)TAF-1の生産;(c)細胞培
養系またはトランスジェニック植物で遺伝子発現を高め
るためのTAF-1 の使用を記載する以下のサブセクション
において詳述する。 1. TAF-1 の構造 部分cDNAクローンp5a のヌクレオチド配列分析により、
末端切断TAF-1 (分子量約26,000)はそのカルボキシ末
端にロイシンリピートに隣接した塩基性ドメインを含む
ことが分かる(図2 )。この2 つの部分から成る構造は
bZipクラスのDNA 結合タンパク質に特徴的である(Vins
on et al., 1989, Science 246:911-916)。今までのと
ころ、5 種類の他の植物のbZipタンパク質をコードする
cDNAクローンが単離され、特性が決定されている(Kata
giri et al., 1989, Nature 340:727-730; Tabata et a
l., 1989, Science 245:965-967; Hasting et al., 198
9,EMBO J. 8:2795-2801; Schmidt et al., 1990, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 87:46-50; Singh et al., 199
0, Plant Cell 2:891-903 )。Guiltinan et al.,(199
0, Science 250:267-271) は75-bp ABA 反応性要素内の
保存配列に結合するコムギbZipタンパク質をコードする
部分cDNAクローンを開示した。TAF-1 とこれらの6 種の
他のbZipタンパク質のアミノ酸配列を比較すると、塩基
性ドメインのみに高度の相同が見られる(図5A)。最も
顕著な保存はTAF-1 、HBP-1(Tabata et al., 1989, Sci
ence 245:965-967) 、EmBP-1(Guiltinan et al., 1990,
Science 250:267-271) 、およびOCSBF-1(Singh et a
l., 1990, Plant Cell 2:891-903)の間に見られる。TA
F-1 とEmBP-1の塩基性ドメインは、4 位のArg がLys に
置換されているだけでほとんど同じである。bZipタンパ
ク質の塩基性ドメインはDNA 認識に関与するので、この
配列保存はこれらのDNA 結合タンパク質の標的DNA配列
が類似しているらしいことを当然意味する。以下の表1
により、TAF-1 、HBP-1 、およびEmBP-1の場合はこれが
実際に真実であることが分かる。
【0017】TAF-1 とEmBP-1の配列相同はロイシンジッ
パー領域にまで部分的に延びており(図5B)、これらの
2 つのタンパク質が相互作用してヘテロダイマーを形成
するという可能性も出てくる。 2. TAF-1 の機能 下記の実施例に示すように、タバコ核抽出物はrab (Mun
dy and Chua, 1988, EMBO J. 7:2279-2286; Yamaguchi-
Shinozaki et al., 1990, Plant Mol. Biol. 14:29-39)
およびlea (Baker et al., 1988, Plant Mol. Biol. 1
1:277-291) 遺伝子に保存されるモチーフI 配列と特異
的に相互作用する因子を含む。タバコcDNA発現ライブラ
リーから、本発明者らはTAF-1 と呼ばれるタンパク質の
C-末端部分をコードする部分cDNAクローンp5a を単離し
た。大腸菌により生産された末端切断TAF-1 タンパク質
は、識別用プローブのパネルを用いて試験したとき( 図
4BおよびD を参照) 、核モチーフI 因子と同一ではない
にしても非常に類似した結合特異性を示す。この結果か
ら、全長TAF-1 は核モチーフI 因子であるか、あるいは
その活性の一部を占めるという強力な証拠が得られる。 2.1 TAF-1 はトランス作用因子として機能しうる これまでに記載した6 種の植物bZipタンパク質のうち、
2 種だけが転写調節に関与していた。22 Kd zein遺伝子
の転写にはO2遺伝子産物が必要であることを示す遺伝子
データがある(Jones et al., 1977, Plant Physiol. 5
9:525-529) 。この遺伝子データによると、O2は陽性の
調節遺伝子であるらしい。本発明者らは最近、タバコbZ
ipタンパク質TGA1a が植物(Yamazaki et al., 1990, Pr
oc. Natl.Acad. Sci. USA 87:7035-7039)およびHeLa in
vitro 転写系(Katagiri et al.,1990, Genes and Deve
lopment 4:1899-1909)において活性化因子として機能す
ることを示す直接の生化学証拠を提示した。さらに、精
製したTGA1a タンパク質は-90 CaMV 35S/GUSキメラ遺伝
子(Benfey et al., 1989, EMBO J. 8:2195-2202)の転写
を、このリポーター構築物を保有するトランスジェニッ
クタバコの葉細胞に顕微注入したとき、活性化すること
ができた。この結果から、TGA1a はin vivoで転写活性
因子として機能しうることが分かる。ここでの我々の研
究の主要な点は、TAF-1 がDNA 結合タンパク質であるば
かりでなく、転写活性因子であることを証明することで
ある。我々は、35S 末端切断TAF-1 キメラ遺伝子が、タ
バコ葉細胞内で一時的に発現させたとき、野生型モチー
フI テトラマーに結合したGUSリポーター遺伝子の発現
を高めるが、突然変異テトラマーの場合は高めないこと
を明らかにした。これらの結果から、TAF-1 はin vivo
でトランス作用因子として機能することが分かる。これ
に関連して、我々は、末端切断TAF-1 のアミノ末端領域
(アミノ酸1-86)が酸性であり、従って転写活性ドメイ
ンとして作用することを明記する(Johnson and McKnigh
t, 1989, Ann. Rev. Biochem. 58:799-839を参照された
い) 。 2.2 TAF-1 とGBF およびCG-1との関係 TAF-1 は最初rab 遺伝子のモチーフI に特異的なDNA 結
合タンパク質として単離されたが、それはG-ボックス中
に存在するヘキサヌクレオチドコア CACGTG を含む完全
なパリンドローム配列 GCCACGTGGC ( 図4 )および数種
の植物プロモーターの関連モチーフ(表1)に高い親和
性でもって結合する。パリンドローム配列はペチュニア
rbcS-611遺伝子のG-ボックス配列(Tumer et al., 1986,
Nuc. Acad. Res. 14:3325-3342)と同一であり、Arabid
opsis rbcS-1A G-ボックスとは1-bpのみが異なる( 表
1)。この結果はTAF-1 が他のG-ボックス配列および関
連モチーフをも認識しうることを示唆している。
【0018】
【表1】 in vitroでG-ボックスおよび関連モチーフを認識する植
物核因子はいくつかの実験により報告されている( 表
1)。トマトおよびArabidopsis のGBF はトマトrbcS-3
A 、Arabidopsis rbcS-1A 、エンドウマメrbcS-3.6(Giu
liano et al., 1988, 前掲) のG-ボックス、およびN. p
lumbaginifolia Cab-Eプロモーターの-240に位置する類
似のモチーフ CAGACGTGGC (Schindler and Cashmore, 1
990,前掲;表2) に結合する。Arabidopsis 細胞培養物
の全細胞抽出物もGBF 活性を含み(McKendree et al., 1
990, 前掲) 、このGBF はrbcS-1A およびAdh のG-ボッ
クス要素に結合するが、アデノウイルス主要後期プロモ
ーターの上流活性化要素(UAE) 中に存在する関連モチー
フ GCCACGTGAC には結合しない( 表1)。タバコと他の
高等植物において、Staiger et al., (1989, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 86:6930-6934) はA. majusおよびP.
crispum chs 遺伝子の上流領域に存在するG-ボックス様
モチーフと相互作用する核因子CG-1を開示した。CG-1は
アデノウイルス主要後期プロモーターのUAE に結合して
N. plumbaginifolia Cab-Eプロモーターに結合しないの
で、GBF と区別される( 表1)。一緒にして考えると、
植物核抽出物を用いるin vitro結合実験は重複する特異
性を有する多数のG-ボックス結合因子と一致する。
【0019】植物における1 つのファミリーのG-ボック
ス結合タンパク質の考えは3 つの追加の証拠により支持
される。第一に、Arabidopsis 葉核抽出物中のGBF は、
Arabidopsis 細胞培養物のGBF により形成されたもの(M
cKendree et al., 1990, Plant Cell 2:207-214)と移動
度が異なるG-ボックス配列を有する少なくとも2 種類の
複合体(Giuliano et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 85:7089-7093)を形成する。この結果はArabidop
sis が2 種類以上のGBF を含みうることを示している。
実際に、UV架橋実験はArabidopsis GBF 活性が分子量約
18,000と31,000の少なくとも2 種類のタンパク質に関係
することを示した(DeLisle and Ferl, 1990, Plant Cel
l 2:547-557)。第二に、組み換えDNA 結合タンパク質を
用いて得られた結果は、少なくとも2 種類の異なる因
子、TAF-1 と最近報告されたEmBP-1(Guiltinan et al.,
1990)、がG-ボックス関連配列に結合することを証明し
ている( 表1)。それらの塩基性ドメインの保存された
アミノ酸配列を考慮して、我々はHBP-1 とOCSBF-1 もG-
ボックスおよび関連モチーフに結合するであろうと推定
する。この可能性は今後の実験により確かめられるだろ
う。第三に、カリフラワーの核抽出物は、CACGTGコアモ
チーフを認識するが隣接配列に対する優先性において相
違する少なくとも3 種類の因子を含む。
【0020】特に重要なこととして指摘しておくが、TA
F-1 とEmBP-1は両方ともコムギヒストンH3遺伝子のhex
モチーフ GTGACGTGGC (2-bp だけが完全なパリンドロー
ム配列と異なる) に結合する( 表1)。少なくとも3 種
類の他のタンパク質、タバコTGA1a およびTGA1b(Katagi
ri et al., 1989)並びにコムギHBP-1(Tabata et al.,19
89)は同一のhex 配列を認識することができる。これら
の3 種類のタンパク質がG-ボックスと相互作用するかど
うかはまだ確立されていない。
【0021】完全なパリンドローム配列(PA)、GCCACGTG
GC、は1-bpだけがアデノウイルス主要後期プロモーター
の-62 から-53 に位置する上流活性化要素(UAE) ,GCCAC
GTGAC,の配列と異なる。UAE は2 種類のヒト転写因子US
F およびTFE-3 と相互作用することができ、これらの因
子をコードする全長cDNAクローンが最近報告された(Gre
gor et al., 1990, Genes and Dev. 4:1730-1740; Beck
mann et al., 1990, Genes and Dev. 4:167-179)。bZip
タンパク質であるTAF-1 と対照的に、USF およびTFE-3
は共にDNA 認識に関与すると思われる塩基性ドメインの
下流にヘリックス- ループ- ヘリックス(HLH) モチーフ
を含むc-myc-関連タンパク質である。それらの認識部位
のヌクレオチド配列の顕著な類似性にもかかわらず、TA
F-1 と2種類のヒト転写因子間には塩基性ドメインのア
ミノ酸配列に明らかな相同が見られない。 2.3 in vivo でのTAF-1 の機能 末端切断TAF-1 は転写活性因子として機能しうるが、こ
の調節タンパク質により制御される核遺伝子はまだ同定
されていない。根にTAF-1 mRNAが豊富に存在すること
は、この因子が根で優先的に発現される遺伝子、例えば
アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子、を調節することを
示唆している(DeLisle and Ferl, 1990, Plant Cell 2:
547-557)。葉組織でのTAF-1 の役割はあまりはっきりし
ていない。この因子はrbcSおよびCab 遺伝子の上流に位
置するG-ボックスモチーフと相互作用する可能性がある
(Gilmartin et al., 1990, Plant Cell 2:369-378; Sch
indler and Cashmore, 1990, EMBO J. 9:3415-3427を参
照されたい) 。一方、より高い親和性の結合部位、例え
ばPA、はこの因子が豊富に存在しない問題を解決し、葉
での発現を与えるかもしれない。我々は、TAF-1 が他の
因子と相互作用してrbcSおよびCab の転写を調節し、こ
の相乗相互作用が葉でのこれらの光合成遺伝子の高レベ
ル発現に不可欠であるという仮説を支持する。これによ
りG-ボックスモチーフの突然変異がトランスジェニック
タバコ植物においてArabidopsis rbcS-1A の発現レベル
を劇的に低下させる理由を説明することができる(Donal
d and Cashmore, 1990, EMBO J. 9:1717-1726)。同様の
情況がP. crispum chs遺伝子にも適用され(Schulze-Lef
ert et al., 1989, EMBO J. 8:651-656; 1989b, Plant
Cell 1:707-714) 、この場合UV誘導発現にG-ボックス結
合タンパク質が必要であることを示すin vivo 証拠があ
る。
【0022】最近、Guiltinan et al., (1990, Science
250:267-271) は、コムギEm遺伝子の75-bp 断片がイネ
プロトプラストを用いる一時的検定でABA 反応性転写を
与えると報告した。この断片は2 つの保存G-ボックス様
モチーフ、Em1a GGACACGTGGCおよびEm1b GCACACGTGCC、
を含み、両方ともCACGTGコア配列をもっている。Em1aモ
チーフの突然変異はABA 誘導比を11から2 へ低下させ、
このことはEm1aがホルモン誘導に必要であることを示
す。しかしながら、Em1aが単独でABA 反応性転写を仲介
するのか、それともそれが75-bp 断片内の他のシス要素
と相互作用するのか定かでない。Guiltinan et al., (1
990, Science 250:267-271) は、Em1aモチーフおよびコ
ムギヒストンH3プロモーターのhex 要素に結合するEmBP
-1と呼ばれるDNA 結合タンパク質をコードするコムギ部
分cDNAクローンを単離した。タバコの場合、我々はTAF-
1 がモチーフのほかにhex 要素にも結合することを見い
だした( 図6 )。モチーフI テトラマーもhex テトラマ
ーもトランスジェニックタバコのGUS リポーター遺伝子
に対してABA 誘導発現を与えることができない。対照的
に、TAF-1 に対する親和性が非常に低下したhex 突然変
異要素( 図6 )はトランスジェニックタバコにおいてAB
A 反応性転写を与えることができる。これらの結果は、
少なくともタバコにおいて、モチーフI およびTAF-1 が
ABA 反応性遺伝子発現に直接関与していないことを示す
だろう。しかし、モチーフI がタバコと対照的にイネの
異なる調節因子と相互作用し、イネにおいてABREとして
機能することはありうる。単子葉植物と双子葉植物の転
写系におけるこのような差異は以前に報告されている(K
eith and Chua, EMBO J. 5:2419-2425, 1986) 。 3. TAF-1 の生産 3.1 TAF-1 コード配列 TAF-1 のヌクレオチドコード配列および推定アミノ酸配
列は図2Aに示してある。このヌクレオチド配列またはそ
の断片もしくは機能的均等物は、適当な宿主細胞内で、
TAF-1 遺伝子産物またはその機能的活性ペプチドもしく
は機能的均等物を発現させる組み換えDNA 分子を作るた
めに使用される。
【0023】ヌクレオチド配列の縮重のために、本発明
の実施に際しては、図2Aに示したものと実質的に同じア
ミノ酸配列をコードする他のDNA 配列をTAF-1 のクロー
ニングおよび発現のために使用することができる。この
ような変異には同一のまたは機能的に等しい遺伝子産物
をコードする配列をもたらす様々のヌクレオチド残基の
欠失、付加または置換が含まれる。遺伝子産物はこの配
列内のアミノ酸残基の欠失、付加または置換を含んでい
てもよく、これはサイレントな変化をもたらして結果的
に生物活性産物を与える。このようなアミノ酸置換は関
係する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性およ
び/または両親媒性に基づいて行われる。例えば、負に
荷電したアミノ酸にはアスパラギン酸とグルタミン酸が
含まれ;正に荷電したアミノ酸にはリシンおよびアルギ
ニンが含まれ;類似の親水値を有する非荷電極性ヘッド
基をもつアミノ酸には次のものが含まれる:ロイシン、
イソロイシン、バリン;グリシン、アラニン;アスパラ
ギン、グルタミン;セリン、トレオニン;フェニルアラ
ニン、チロシン。
【0024】TAF-1 のゲノム配列はあらゆる植物細胞源
から得られるが、cDNAコピー作製用のmRNAはTAF-1 を生
産する細胞源から得るのがよい。例えば、植物の一部分
( 葉、茎、根、根瘤、子葉、種子、果実など) を砕い
て、DNA またはRNA を抽出するための供給源として使用
する。また、植物細胞系列もDNA またはRNA の便利な供
給源として使用できる。
【0025】TAF-1 コード配列はこのような細胞源から
単離・精製したRNA のcDNAクローニングまたはゲノムク
ローニングにより得ることができる。cDNAまたはゲノム
ライブラリーは当分野でよく知られた技法( 制限酵素の
使用を含むが、これに限定されない) を使って形成され
たDNA 断片から作製する。TAF-1 をコードする断片は、
図2Aに示した配列の一部に実質的に相補的なヌクレオチ
ドプローブでこの種のライブラリーをスクリーニングす
ることにより同定できる。DNA の単離、適当な制限断片
の形成、クローンおよびライブラリーの構築、および組
み換え体のスクリーニングのために当分野でよく知られ
た技法が使用される。この種の技法に関しては、例えば
Maniatis et al., 1982, Molecular Cloning A Laborat
ory Manual, Cold Spring Harbor Press, N.Y., Chapte
rs 1-11 を参照されたい。cDNA発現ライブラリーをスク
リーニングするために、対象のタンパク質産物とトラン
スで作用するシス作用要素を表すオリゴヌクレオチドプ
ローブが利用される。また、TAF-1 配列から誘導された
オリゴヌクレオチドは他の種からTAF-1 配列のcDNAまた
はゲノムコピーを作製するためのPCR(ポリメラーゼ・チ
ェイン・リアクション) において異種プライマーとして
使用されるだろう。このようなPCR 法に関しては、例え
ばGelfand, D.H., 1989,“PCR 法、DNA 増幅のための原
理と応用(PCRTechnology. Principles and Application
s for DNA Amplification) ”Ed., H.A. Erlich, Stock
ton Press, N.Y.; および“分子生物学における最新の
プロトコール(Current-Protocols in Molecular Biolog
y)”,Vol.2, Ch.15, Eds. Ausubel et al., John Wiley
& Sons, 1988 を参照されたい。
【0026】本発明の別の実施態様では、図2Aのコード
配列の全部または一部を当分野で知られた化学的方法を
使って合成することもできる。例えば、Caruthers et a
l.,1980, Nuc. Acids Res. Symp. Ser. 7:215-233; Cre
a and Horn, 180, 180, Nuc. Acids Res. 9(10):2331;
Matteucci and Caruthers, 1980, Tetrahedron Letters
21:719; およびChow and Kempe, 1981, Nuc. Acids Re
s. 9(12) 2807-2817を参照されたい。これとは別に、タ
ンパク質それ自体を製造するための化学的方法を使っ
て、図2Aに示したアミノ酸配列の全部または一部を合成
することもできる。例えば、固相法でペプチドを合成
し、樹脂から切り離し、分離用高性能液体クロマトグラ
フィーを使って精製する。(例えば、Creighton, 1983,
ProteinsStructures and Molecular Principles, W.H.
Freeman and Co., N.Y. pp.50-60を参照されたい。)
合成ペプチドの組成はアミノ酸分析またはシークエンシ
ングにより確かめる。( 例えば、エドマン分解法; Crei
ghton, 1983, Proteins Structures and Molecular Pri
nciples, W.H. Freeman and Co., N.Y. pp.34-49を参照
されたい。) 3.2 TAF-1 コード配列を含む発現ベクターの構築 生物学的に活性なTAF-1 を発現させるために、上記セク
ション3.1 で記載したTAF-1 をコードするヌクレオチド
配列または機能的均等物、挿入したコード配列の転写お
よび翻訳に必要な要素を含むベクターを作製する。TAF-
1 遺伝子産物、宿主細胞、組み換えTAF-1 発現ベクター
でトランスフェクトまたは形質転換された細胞系列また
は植物はいろいろな目的に利用される。
【0027】当分野でよく知られた方法を使って、TAF-
1 コード配列と適当な転写/翻訳調節シグナルを含む発
現ベクターを構築する。これらの方法にはin vitro組み
換えDNA 法、合成法およびin vivo 組み換え/遺伝子組
み換えが含まれる。例えば、Maniatis et al., 1982, M
olecular Cloning A Laboratory Manual, Cold Spring
Harbor Laboratory, N.Y., Chapter 12 に記載される技
法を参照されたい。
【0028】TAF-1 コード配列を発現させるためにいろ
いろな宿主- 発現ベクター系が利用できる。これらには
TAF-1 コード配列を含む組み換えバクテリオファージDN
A 、プラスミドDNA またはコスミドDNA 発現ベクターで
形質転換された細菌のような微生物; TAF-1 コード配列
を含む組み換え酵母発現ベクターで形質転換された酵
母; TAF-1 コード配列を含む組み換えウイルス発現ベク
ター( 例えば、バキュロウイルス) を感染させた昆虫細
胞系; TAF-1 コード配列を含む組み換えウイルス発現ベ
クター( 例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaM
V; タバコモザイクウイルス、TMV)を感染させた、また
は組み換えプラスミド発現ベクター( 例えば、Tiプラス
ミド) で形質転換された植物細胞系; あるいは植物TAF-
1 コード配列を含む組み換えウイルス発現ベクター( 例
えば、アデノウイルス、ワクシニアウイルス) を感染さ
せた動物細胞系が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】これらのベクターの発現要素はそれらの強
度および特異性により変化する。利用する宿主/ベクタ
ー系に応じて、多くの転写・翻訳プロモーターのいずれ
かを発現ベクター中で使用する。例えば、細菌系にクロ
ーニングするときには、バクテリオファージλのpL、pl
ac、ptrp、ptac (ptrp-lacハイブリッドプロモーター)
のような誘導性プロモーターを使用する; 昆虫細胞系に
クローニングするときには、バキュロウイルスポリヘド
リンプロモーターのようなプロモーターを使用する; 植
物細胞系にクローニングするときには、植物細胞ゲノム
から誘導されるプロモーター( 例えば、熱ショックプロ
モーター; RUBISCO の小サブユニットのプロモーター;
クロロフィルa/b 結合タンパク質のプロモーター) また
は植物ウイルスから誘導されるプロモーター( 例えば、
CaMVの35S RNA プロモーター; TMV のコートタンパク質
プロモーター) を使用する; 哺乳動物細胞系にクローニ
ングするときには、哺乳動物細胞ゲノムから誘導される
プロモーター( 例えば、メタロチオネインプロモータ
ー) または哺乳動物ウイルスから誘導されるプロモータ
ー( 例えば、アデノウイルス後期プロモーター; ワクシ
ニアウイルス7.5Kプロモーター) を使用する。また、組
み換えDNA 法や合成法により製造したプロモーターを使
って、挿入されたTAF-1 コード配列の転写を誘導しても
よい。
【0030】細菌系では、発現されるTAF-1 の意図する
用途に応じて多くの発現ベクターを有利に選択すること
ができる。例えば、抗体の形成のために大量のTAF-1 を
生産する必要があるときには、簡単に精製できる融合タ
ンパク質産物を高レベルで発現するベクターが望ましい
だろう。この種のベクターには大腸菌発現ベクターpUR2
78(Ruther et al., 1983, EMBO J. 2:1791) 、この場合
にはハイブリッドTAF-1-lac Z タンパク質が生産される
ように、TAF-1 コード配列をlac Z コード領域と同じフ
レームでベクターに連結する; pIN ベクター(Inouye &
Inouye, 1985,Nucleic acids Res. 13:3101-3109; Van
Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 264:5503-55
09)などが含まれるが、これらに限定されない。しかし
ながら、非融合TAF-1 の発現が望まれるときには、宿主
遺伝子型の条件を殆どまたは全く必要としない発現ベク
ター、例えばptac12(Amann et al., 1983, Gene 25:16
7)のようなベクターが好適である。
【0031】酵母では、構成または誘導プロモーターを
含む多くのベクターが使用される。これに関しては、Cu
rrent Protocols in Molecular Biology, Vol.2, 1983
3, Eds. Ausubel et al., Green Publish. Assoc. & Wi
ley Interscience, Ch.13; Grant et al., 1987, Expre
ssion and Secretion Vectors for Yeast, in Methodsi
n Enzymology, Eds. Wu & Grossman, 31987, Acad. Pre
ss, N.Y., Vol.153, pp.516-544; Glover, 1986, DNA C
loning, Vol.II, IRL Press, Wash. D.C., Ch.3; Bitte
r, 1987, Heterologous Gene Expression in Yeast, Me
thods in Enzymology, Eds. Berger & Kimmel, Acad. P
ress, N.Y., Vol.152, pp.673-684;およびThe Molecula
r Biology of the Yeast Saccharomyces, 1982, Eds. S
trathenet al., Cold Spring Harbor Press, Vols. I a
nd IIを参照されたい。
【0032】植物発現ベクターを用いる場合、TAF-1 コ
ード配列の発現は多くのプロモーターのいずれかにより
開始される。例えば、CaMVの35S RNA および19S RNA プ
ロモーター(Brisson et al., 1984, Nature 310:511-51
4)またはTMV のコートタンパク質プロモーター(Takamat
su et al., 1987, EMBO J. 6:307-311) のようなウイル
スプロモーターが使用される; あるいはRUBISCO の小サ
ブユニット(Coruzzi et al., 1984, EMBO J. 3:1671-16
80; Broglie et al., 1984, Science 224:838-843)のよ
うな植物プロモーター; または熱ショックプロモータ
ー、例えばダイズhsp17.5-E またはhsp17.3-B(Gurley e
t al., 1986, Mol. Cell. Biol. 6:559-565)も使用され
る。これらの構築物はTiプラスミド、Riプラスミド、植
物ウイルスベクター、直接DNA 形質転換、マイクロイン
ジェクション、エレクトロポレーション、粒子衝撃法な
どを使って植物細胞に導入することができる。この種の
技術に関しては、例えばWeissbach & Weissbach, 1988,
Methods for Plant Molecular Biology, Academic Pre
ss, NY, Section VIII, pp.421-463; およびGrierson&
Corey, 1988, Plant Molecular Biology, 2d Ed., Blac
kie, London, Ch.7-9を参照されたい。
【0033】TAF-1 の発現に使用できる別の発現系とし
て昆虫系がある。このような系では、外来遺伝子を発現
させるためのベクターとしてAutographa california 核
多角体病ウイルス(AcNPV) が用いられる。ウイルスはSp
odoptera frugiperda 細胞中で増殖させる。TAF-1 コー
ド配列をこのウイルスの非必須領域( 例えば、ポリヘド
リン遺伝子) にクローニングし、AcNPV プロモーター(
例えば、ポリヘドリンプロモーター) の支配下に置く。
TAF-1 コード配列の挿入が成功すると、ポリヘドリン遺
伝子の不活化と非封入組み換えウイルス( すなわち、ポ
リヘドリン遺伝子によりコードされるタンパク質コート
を欠くウイルス) の生産が起こるだろう。その後、これ
らの組み換えウイルスをSpodoptera frugiperda 細胞に
感染させて、挿入した遺伝子を発現させる。( 例えば、
Smith et al., 1983, J. Viol. 46:584; Smith, 米国特
許第4,215,051 号を参照されたい。)アデノウイルスを
発現ベクターとして使用する場合は、TAF-1 コード配列
をアデノウイルス転写/翻訳調節複合体、例えば後期プ
ロモーターおよびトリパルタイトリーダー配列、に連結
する。その後、このキメラ遺伝子をin vitroまたはinvi
vo 組み換えによりアデノウイルスゲノムに挿入する。
ウイルスゲノムの非必須領域( 例えば、領域E1またはE
3) に挿入すると、生存可能で、しかも感染宿主内でTAF
-1 を発現することができる組み換えウイルスが得られ
るだろう。( 例えば、Logan & Shenk, 1984, Proc. Nat
l. Acad. Sci. (USA) 81:3655-3659を参照されたい。)
この他に、ワクシニア7.5Kプロモーターも使用できる。
( 例えば、Mackett et al., 1982, Proc. Natl. Acad.
Sci. (USA) 79:7415-7419; Mackettet al., 1984, J. V
irol. 49:857-864; Panicali et al., 1982, Proc. Nat
l.Acad. Sci. (USA) 79:4927-4931 を参照されたい。)
挿入したTAF-1 コード配列の効率のよい翻訳には特定の
開始シグナルも必要である。これらのシグナルにはATG
開始コドンと隣接配列が含まれる。全TAF-1 遺伝子( そ
れ自体の開始コドンと隣接配列を含む) を適当な発現ベ
クターに挿入する場合には、追加の翻訳調節シグナルは
なくてもよい。しかしながら、TAF-1 コード配列の一部
のみを挿入する場合には、ATG 開始コドンを含めた外因
性翻訳調節シグナルが必要となる。さらに、全挿入物の
翻訳を確実にするために、開始コドンをTAF-1 コード配
列のリーディング・フレームと合わせねばならない。こ
れらの外因性翻訳調節シグナルと開始コドンは天然また
は合成のいろいろな起源のものでありうる。発現効率は
適当な転写エンハンサー要素、転写ターミネーターなど
を挿入することによって高めることができる(Bitter et
al., 1987, Methods in Enzymol. 153:516-544 を参
照) 。
【0034】さらに、挿入した配列の発現を調節した
り、希望する特定の方法で遺伝子産物を修飾またはプロ
セッシングする宿主細胞株が選ばれる。プロモーターに
よって開始される発現はある種の誘導物質( 例えば、メ
タロチオネインプロモーターのための亜鉛およびカドミ
ウム) の存在下で促進される。従って、遺伝子工学的に
操作されたTAF-1 の発現を制御することができる。この
ことはクローン化外来遺伝子のタンパク質産物が宿主細
胞の死を招く場合に特に重要である。さらに、タンパク
質産物の修飾( 例えば、グリコシル化) およびプロセッ
シング( 例えば、切断) はそのタンパク質の機能にとっ
て重要である。それぞれの宿主細胞はタンパク質の翻訳
後プロセッシングおよび修飾のための特定の機構をもっ
ている。発現された外来タンパク質の正しい修飾および
プロセッシングを確実にするために、適当な細胞系列ま
たは宿主系が選択される。 3.3 TAF-1 遺伝子産物を発現するトランスフェクタント
または形質転換体の同定およびTAF-1 の単離 TAF-1 コード配列を含みかつ生物学的に活性なTAF-1 遺
伝子産物を発現する宿主細胞は少なくとも4 つの一般的
な方法により同定できる:(a) DNA-DNA ハイブリダイゼ
ーション; (b) “マーカー”遺伝子機能の有無; (c) 宿
主細胞内でのTAF-1 mRNA転写物の発現により測定される
転写レベルの評価; および(d) イムノアッセイまたは生
物学的活性により測定されるTAF-1 遺伝子産物の検出。
【0035】第一の方法では、発現ベクターに挿入した
植物TAF-1 コード配列の存在を、実質的に図2Aに示した
植物TAF-1 コード配列またはその一部もしくは誘導体に
相同なヌクレオチド配列から成るプローブを使って、DN
A-DNA ハイブリダイゼーションにより検出することがで
きる。第二の方法では、ある種の“マーカー”遺伝子機
能( 例えば、チミジンキナーゼ活性、抗生物質耐性、メ
トトレキセート抵抗性、形質転換表現型、バキュロウイ
ルスにおける封入体の形成など) の有無に基づいて、組
み換え発現ベクター/宿主系を同定・選択することがで
きる。例えば、TAF-1 コード配列をベクターのマーカー
遺伝子配列内に挿入する場合は、マーカー遺伝子機能の
不在によってTAF-1 コード配列を含む形質転換体を同定
できる。また、マーカー遺伝子を植物TAF-1 コード配列
の発現を制御するために用いたプロモーターと同一のま
たは異なるプロモーターの支配下にTAF-1 コード配列と
直列に配置することもできる。誘導または選択に応答し
たマーカーの発現はTAF-1 コード配列の発現を示す。植
物細胞および植物においてプロモーター活性をモニター
するのに特に価値のあるこのようなマーカー遺伝子構築
物の1 つは細菌のグルクロニダーゼ遺伝子(GUS) である
(Jefferson et al., 1987, EMBO J. 6:3901-3908) 。
【0036】第三の方法では、ハイブリダイゼーション
検定によりTAF-1 コード領域の転写活性が評価される。
例えば、RNA を単離して、実質的に図2Aに示したTAF-1
コード配列またはその特定部分に相同なプローブを使っ
てノザンブロット法により分析する。別法として、宿主
細胞の全核酸を抽出し、上記プローブを用いるハイブリ
ダイゼーションにより検定してもよい。
【0037】第四の方法では、TAF-1 タンパク質産物の
発現が免疫学的に、例えばウェスターンブロット、放射
線免疫沈降のようなイムノアッセイ、エンザイムイムノ
アッセイなどにより評価される。しかしながら、発現系
の成功を調べる最終試験は、生物学的に活性なTAF-1 遺
伝子産物の検出を含む。宿主細胞が遺伝子産物を分泌す
る場合は、培養したトランスフェクタント宿主細胞から
得られた無細胞培地をTAF-1 活性について検定する。遺
伝子産物が分泌されない場合は、細胞リゼイトを同様に
検定する。いずれの場合にも、TAF-1 活性を検出するた
めに、適切に標識されたまたは未標識のDNA 断片による
組み換えTAF-1 の部分精製を含めて、多くのアッセイが
使用される。 4. 遺伝子発現を高めるためのTAF-1 の使用 TAF-1 は植物細胞培養系またはトランスジェニック植物
においてTAF-1 と結合するシス作用要素を含むプロモー
ターにより制御される遺伝子の転写を刺激するために利
用される。外因性TAF-1(上記セクション3 に従って生産
されたもの) をこのような系に添加することもできる
が、好適な実施態様では、TAF-1 遺伝子発現構築物( 例
えば、上記の構築物) がTAF-1 結合モチーフを含むプロ
モーターにより制御される対象の遺伝子と共に細胞培養
系またはトランスジェニック植物に遺伝子工学的に挿入
されるだろう。酵母、植物または動物細胞培養物を含め
た細胞培養系もしくはトランスジェニック植物では、TA
F-1 の発現を誘導すると対象の遺伝子の発現が上昇する
だろう。
【0038】TAF-1 により開始される二重発現系が機能
する組み合わせは数多くデザインすることができる。例
えば、両方の構築物を同一のDNA ベクターに直列に配置
してもよい。これとは別に、それぞれの構築物を別々の
選択マーカー遺伝子を含みうる別個のDNA ベクターに配
置してもよい。この組み合わせの配置内で、両方の異種
構築物は同一のまたは異なるプロモーター系により駆動
されるだろう( 種々のプロモーター系の議論については
上記セクション3.2 を参照されたい) 。TAF-1により活
性化される異種プロモーター要素は、TAF-1 と結合する
ことが知られているシス作用要素を1 以上のコピー数で
保有する。当業者が利用しうる多数の技術は植物細胞培
養で使用するための、またはトランスジェニック植物を
再生するための植物細胞の形質転換を可能にするだろ
う。両方の構築物は対象の植物種に同時に形質転換され
るか、あるいはトランスジーン構築物の一方を含む安定
した形質転換系列からの細胞が2 回目の形質転換の標的
になるだろう。いくつかの植物形質転換方法が以下に記
載するように利用できる。
【0039】この二重遺伝子発現系は他の真核細胞系や
原核細胞系でも機能するだろう。例えば、末端切断TAF-
1 コード領域と調節または制御すべき遺伝子は、酵母発
現プラスミドや酵母組込みプラスミドに含まれるプロモ
ーターに融合することができる。その後、これらの構築
物を使って適当なSaccharomyces cerevisiae宿主を形質
転換する。得られた形質転換細胞を培養下で増殖させて
対象の遺伝子を発現させる。この例は他の真核発現系ば
かりでなく大腸菌や枯草菌(B. subtilus) のような原核
生物による発現にも及ぶ。
【0040】本発明のいくつかの実施態様では、植物に
本発明の組み換え構築物を導入するためにAgrobacteriu
m tumefaciens 遺伝子伝達系を使用する。一般に、この
系はDNA を双子葉植物に伝達するために利用される(Bev
an et al., 1982, Ann. Rev.Genet. 16:357-384; Roger
s et al., 1986, Methods Enzymol. 118:627-641; Fral
ey et al., 1986, CRC Crit. Rev. Plant Sci. 4:1-46;
Hooykaas et al., 1984, Adv. Genet. 22:210-283; Ne
ster et al., 1984, Ann. Rev. Plant. Physiol. 35:38
7-413) 。このために、植物形質転換用のAgrobacterium
ベクター(これに限定されない)のようなベクター、
例えばBevan (1984, Nucl. Acids Res.12:8711-8721)
により開示されたベクターが使用される。Nicotiani to
bacum xanthiはHorsch et al. (1985, Science 227:122
29-1231)に記載されるような葉接種法により形質転換し
てもよい。
【0041】特に、組み換え構築物を使ってトランスジ
ェニック単子葉植物をつくる場合には、別のDNA 導入法
が使用される。この種の方法には、限定するものではな
いが、裸のDNA のポリ(エチレングリコール) およびカ
ルシウム媒介取り込み(Hainet al., 1985, Mol. Gen. G
enet. 199:161-168; Paszkowski et al., 1984, EMBO
J. 3:2717-2722; Potrykus et al., 1985, Mol. Gen. G
enet. 199:169-177)、エレクトロポレーション(Fromm e
t al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5824-58
28) 、マイクロインジェクションおよび粒子加速ガンが
含まれる。
【0042】成功した形質転換体を同定するためには、
選択マーカーやリポーター遺伝子を含む追加の構築物を
使って宿主細胞を形質転換することが望ましいかもしれ
ない。追加の構築物は対象の遺伝子またはTAF-1 を含む
構築物と別々に、または直列に連結して導入することが
できる。直列に構築しない場合でも、選択マーカーやリ
ポーター遺伝子機能の発現がプロモーター活性の指標と
して役立ち、これにより対象の遺伝子またはTAF-1 コー
ド配列が確かに転写されるという証拠をもたらすよう
に、追加の構築物は同じプロモーター系を利用すること
ができる。選択マーカーには抗生物質耐性(例えば、カ
ナマイシン耐性)を生じさせる遺伝子、またはリポータ
ー遺伝子をコードするもの、例えば以下の実施例で使用
するクロラムフェニコールアセチル−トランスフェラー
ゼ(CAT) 遺伝子、β- グルクロニダーゼ遺伝子(Jeffers
on, 1987, Plant Mol. Bio. Rep. 5:387-405) 、ネオマ
イシンホスホトランスフェラーゼ(NPT II)遺伝子、およ
びルシフェラーゼ遺伝子(Owet al., 1986, Science 23
4:856-859)が含まれ、これらに限定されない。その後、
当分野で知られた方法を使ってリポーター遺伝子発現の
検出を行う。
【0043】また、形質転換体はサザンブロット法のよ
うな外来DNA 配列の同定法を用いて組み換え構築物の存
在を検査してもよい。組み換え構築物の転写は形質転換
体からDNA を単離し、期待された転写物をノザンブロッ
トまたはRNA 保護によりスクリーニングして検出する。
同様に、目的タンパク質の翻訳はタンパク質ゲル電気泳
動、ウェスターンブロット法、免疫沈降またはエンザイ
ムイムノアッセイにより検出できる。
【0044】類似の技術を使って、対象の遺伝子または
TAF-1 コード配列の転写の指標となりうるRNA 、タンパ
ク質、選択マーカー、またはリポーター遺伝子の存在を
調べることによっても、特定の植物器官または組織にお
ける本発明の組み換え構築物の発現を検出することがで
きる。以下の実施例には、1 コピーから数コピーのモチ
ーフI 様配列を含むCaMV 35Sの-90 プロモーターの下流
に融合したリポーター遺伝子GUS を用いて、TAF-1 の効
果を例示してある。一般に、この35S-GUS トランスジー
ンは葉組織で低レベルの発現を示す。しかしながら、35
S-TAF-1 構築物をトランスジェニック葉細胞中で一時的
に発現させると、35S-GUS 発現の増加が付随して起こ
る。粒子衝撃法を使って葉細胞に35S-TAF-1 プラスミド
を伝達したが、本発明はこれに限定されない。両方の構
築物(すなわち、プロモーター配列により制御される対
象の遺伝子とプロモーター配列により制御されるTAF-1
コード配列)は対象の種に安定した状態で形質転換さ
れ、その後のトランスジェニック植物はそれ以上遺伝子
操作することなく利用される。異種遺伝子発現を高める
この二重系を実施するために、一時的発現、安定した形
質転換、形質転換方法のいろいろな組み合わせが可能で
あり、当業者には明らかであるだろう。
【0045】
【実施例】TAF-1 の特性決定 タバコ核抽出物はイネrab 遺伝子とワタlea 遺伝子に保
存されているモチーフI 配列(5' GTACGTGGCG 3')に特異
的に結合する因子を含んでいる(Yamaguchi-Sinozaki et
al., 1990, Plant Mol. Biol. 14:29-39)。下記のサブ
セクションでは、タバコcDNA発現ライブラリーから、TA
F-1 と呼ばれるタンパク質の末端切断誘導体をコードす
る部分cDNAクローンを単離した。末端切断TAF-1(分子量
=26,000)はそのN-末端に酸性領域を、そのC-末端にbZip
モチーフを含む。プローブとしてモチーフI 突然変異体
のパネルを使うことにより、本発明者らは、モチーフI
に関して末端切断TAF-1 とタバコ核因子が、同一でない
にしても、類似した結合特異性を有することを突き止め
た。特に、両者はG-ボックスモチーフとしても知られる
完全なパリンドローム 5′GCCACGTGGC 3′に対して高親
和結合を示す(Giuliano et al., 1988, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 85:7089-7093)。TAF-1 mRNAは根で豊富に
発現されるが、そのレベルは茎や葉では少なくとも10倍
低い。この観察と一致して、本発明者らは、モチーフI
テトラマーが、CaMV 35Sプロモーターの-90 誘導体に融
合したとき、トランスジェニックタバコの葉で不活性で
あることを見いだした。しかしながら、この活性は末端
切断TAF-1 の一時的発現により高めることができる。こ
れらの結果から、我々はTAF-1 がG-ボックスおよび関連
モチーフに結合して転写活性因子として機能すると結論
づけた。材料および方法 1. TAF-1 組み換えファージの単離 2 日間暗室で順応させたタバコの苗(Nicotiana tabacum
cv. SR1) から調製したポリA RNA を使って、λ zapベ
クターにランダム- プライムド(random-primed)cDNA ラ
イブラリーを構築した。増幅したライブラリーは rab16
B の-275から-206にわたる標識オリゴヌクレオチド断片
を用いてスクリーニングした(図1A)。我々は本質的に
Katagiri et al., (1989, Nature 340:727-730) がわず
かな変更を加えたSingh et al., (1988, Cell 52:415-4
23) のスクリーニングプロトコールを採用した。 2. ヌクレオチド配列解析 ファージIR408 を感染させた後の大腸菌HB101 から一本
鎖鋳型を調製した(Russel et al., 1986, Gene 45:333-
338)。共通プライマーと合成プライマーを使ってSequen
ase TMシークエンシングキット(USB) により両鎖のヌク
レオチド配列を決定した。配列データはIBMPS12 コンピ
ュータでDNASISおよびPROSISプログラム(Hitachi) によ
り解析した。 3. ゲル移動度−シフト検定 ゲル移動度−シフト検定はGreen et al., (1987, EMBO
J. 6:2543-2549) に従って行った。検定混合物は5 μl
のB 緩衝液(20mM HEPES-KOH, pH 7.5)、40mM KCl、1mM
EDTA、10% グリセロール、および0.5mM DTT 中にタバコ
核抽出物(7.5μg タンパク質) または大腸菌抽出物(5μ
g タンパク質) 、0.2ng の結合プローブ(2x104cpm)、お
よび5 μg のポリ(dI-dC) を含んでいた。タバコ核抽出
物は記載される通りに調製した(Green et al., 1987,前
掲) 。組み換えプラスミドを含む大腸菌細胞は初期対数
期へ増殖させ、2mM IPTGと共に4 時間インキュベートし
た。細胞を集め、緩衝液 A(50mM トリス-HCl, pH 7.5,
20% グリセロール, 1mM EDTA, 5mM DTT)に再懸濁した。
この懸濁液に超音波処理を施し、ホモジネートを10,000
x gで15分間遠心した。上清画分をアリコートに分割
し、液体窒素中で凍結し、-80 ℃で貯蔵した。オリゴヌ
クレオチドはApplied Biosystems Model 380ADNA 合成
機で合成した。全長産物を変性ポリアクリルアミドゲル
で精製し、アニーリングし、pEMBL12+誘導体のHindIII/
XhoI部位にクローニングした(Dante etal., 1983, Nucl
eic Acid Research 11:1645-1655)。オリゴヌクレオチ
ド挿入物を含むプラスミドDNA はHindIII とXhoIで消化
し、修復(fill-in) 反応により標識した。標識挿入物は
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製し、結合プロー
ブとして使用した。 4. 組み換えTAF-1 の部分精製 上記のように調製した大腸菌抽出物 10ml に硫酸アンモ
ニウム 2.43gを30分かけて徐々に加え、40% 飽和を得
た。15,000 x gで30分間遠心してタンパク質沈殿物を集
め、これを1.25mlの緩衝液 Aに再懸濁し、20mM NaCl を
含む緩衝液 Aに対して200ml ずつ3 回変えて4 時間透析
した。透析後、抽出物を微量遠心機で10分間遠心し、不
溶性物質を除いた。上清画分はアリコートに分割し、液
体窒素中で凍結し、-80 ℃で貯蔵した。 5. ノザンおよびサザン分析 ポリRNA を調製し(Katagiri et al., 1989, Genes and
Development 4:1899-1909; Nagy et al., 1988, In Pla
nt Molecular Biology Manual, eds. Gelvin,S.V. and
Schilperoort, R.A., Kluwer, Dordrecht, Vol.B4, pp.
1-29)、ホルムアルデヒドゲルで分離し、Nitranフィル
ターにブロットした。フィルターはcDNAクローン5aまた
はβ-ATPase cDNA(Boutry and Chua, 1985, EMBO J. 4:
2159-2165)の標識EcoRI 断片(1.2Kb) と6 x SSC 、超音
波処理サケ精子DNA 、0.5% SDS、0.2%フィコールを含む
溶液中37℃で24時間ハイブリダイズさせた。フィルター
を0.1 x SSC 中で65℃にて洗い、オートラジオグラフィ
ーを行った。タバコの葉から高分子量DNA を単離し(Aus
ubel et al., 1987, Current Protocols in Molecular
Biology, Wiley, New York) 、そしてサザンブロット分
析をManiatis et al., 1982, Molecular Cloning: A La
boratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Co
ld Spring Harbor, New Yorkに記載される通りに行っ
た。 6. トランスジェニック植物の作製 野生型および突然変異モチーフI(図1A) のテトラマーを
ベクター X-GUS-90 の上流に配置した(Benfey et al.,
1989, EMBO J. 8:2195-2202)。この組み換えプラスミド
ベクターを保有する Agrobacterium tumefaciens (GV31
11SE) 細胞を Nicotiana tabacum cv. SR1の葉盤に接種
し、発生した芽をカナマイシン(200μg/ml) 含有培地で
選択した(Horsch et al., 1985, Science, 227:1229-12
31) 。根の形成後、トランスジェニック苗を土に移し、
温室で生育させた。R-0 植物を自家受粉させ、R-1 種子
および苗を実験に使用した。 7. β- グルクロニダーゼ(GUS) 酵素検定 タバコ抽出物中のGUS 酵素活性は本質的に記載される通
りに測定した(Jefferson et al., 1987, EMBO J. 6:390
1-3907) 。Perkin-Elmer LS5蛍光計を使って蛍光を測定
した。蛍光強度の較正のために 0.2M 炭酸ナトリウム中
の100mM 4-メチルウンベリフェロン(MU)の溶液を使用し
た。GUS 活性の組織化学的染色は発表されたプロトコー
ルに従った(Jefferson et al., 1987,前掲; Benfey et
al., 1989, EMBO J. 8:2195-2202) 。 8. 高速度粒子衝突 5 μg のプラスミドDNA をタングステン粉末に被覆し、
Konstantin Goulianos教授(ロックフェラー大学、実験
物理学研究所)により考案された自家製の装置を使って
タングステン粒子の高速度加速により葉切片に伝達し
た。この装置はKlein et al., 1988, Bio/Technology
6:559-563; Klein et al., 1989, Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 86:6681-6685 に記載された原理に基づいてい
る。衝突後、葉切片を湿った暗室において室温で12時間
インキュベートし、次いでGUS 活性を測定した。
【0046】
【結果】
1. タバコ因子は保存されたモチーフI に結合する イネ rab16遺伝子(A、B 、C およびD)の上流領域は、イ
ネ核タンパク質の結合部位として働くモチーフI 、GTAC
GTGGCG、と呼ばれる保存配列を含む(Mundy J.,et al.,
1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:406-410; Yamag
uchi-Shinozaki et al., 1990, Plant Mol. Biol. 14:2
9-39)。このモチーフI は他のABA 反応性遺伝子の上流
領域にも見られる(Skriven and Mundy, 1990, Plant Ce
ll 2:503-512を参照されたい) 。rab16Bの場合、モチー
フI は-275から-206にわたる70-bp 領域内にある(図1
A)。タバコの葉から調製した核抽出物を用いるゲル移
動度シフト検定においてこの70-bp 断片をプローブとし
て使うと、移動度を増す順序にI およびIIと名づけた2
つの複合体が見られた(図1B)。複合体の一方がモチー
フI との特異的相互作用により生じたかどうか調べるた
めに、我々はモチーフI とその突然変異誘導体のテトラ
マーを合成し(図1A)、それらをゲル移動度シフト検定
において競合物質として使用した。図1Bから、より遅く
泳動する複合体I は野生型による競合に対して敏感であ
るが、突然変異体のテトラマーには敏感でないことが分
かる。これらの結果は、タバコの葉の核抽出物がイネ r
ab16B の保存されたモチーフI と特異的に結合する因子
を含むことを明らかにした。 2. モチーフI に結合するタンパク質をコードするcDNA
クローンの単離 我々は rab16B の70-bp 断片(図1A)をプローブとして
使用してタバコの葉のcDNA発現ライブラリーをスクリー
ニングした。陽性クローンは rab16プロモーターからの
モチーフI ヌクレオチドプローブ(図1A)と結合するも
のである。1 つの陽性クローン、5a、が500,000 個の組
み換えファージのスクリーニングから得られた。5aのcD
NA挿入物をSK(-) プラスミドにサブクローニングし、組
み換えプラスミドp5a をその後の実験に使用した。
【0047】cDNA挿入物の全ヌクレオチド配列はジデオ
キシ法により決定した(図2)。この挿入物は我々が試験
的に最初のアミノ酸残基と定めたアラニンから出発する
265個のアミノ酸のオープン・リーディング・フレーム
をコードする1,345-bpの部分cDNAを含む。推定アミノ酸
配列の分析から、コード化タンパク質はそのC-末端にヘ
プタドリピート(heptad repeats)として配置された6 個
のロイシン残基(No.222, 229, 236, 243, 250, 257) を
含むことが判明した。さらに、塩基性アミノ酸(残基19
6-215)もロイシンリピートのN-末端に隣接して延在して
いる。これらの2 つの構造モチーフ、塩基性ドメインと
ロイシンジッパー、は bZip タンパク質と呼ばれるクラ
スの転写因子に特徴的である(Vinson et al., 1989, Sc
ience 246:911-916)。このグループのタンパク質の場
合、塩基性ドメインがDNA 結合に関与し(Talanian et a
l., 1990, Science 249:769-771)、一方ロイシンリピー
トが2 量体形成に関与することが知られている(O′Neil
et al., 1990, Science 249:774-778) 。コード化タン
パク質の別の特徴は、Ala-1 からPro-107 までのN-末端
領域が7 の負の実効電荷をもつことである。この領域も
高比率のセリンとトレオニンを含んでいる。酸性残基お
よび/またはヒドロキシアミノ酸に富むトランス因子の
ドメインは転写活性化に関係していた(Johnson and McK
night, 1989, Ann. Rev. Biochem 58:799-839 を参照)
。便宜上、ここではこの部分cDNAによりコードされる
タンパク質を末端切断TAF-1 と呼ぶことにする。
【0048】タバコゲノム中の多くの遺伝子がTAF-1 遺
伝子とどのような関係にあるのかを調べるために、TAF-
1 部分cDNAの1.2Kb EcoRI 断片(図2C)をプローブとし
て使用してサザンブロットハイブリダイゼーションを行
った。HindIII(図2B、レーン1)またはEcoRI(図2B、レー
ン2)で消化したゲノムDNA を用いて、2 本のハイブリッ
ド形成バンドが得られた。これらの結果はTAF-1 が1 個
または2 個の遺伝子によりコードされるらしいことを示
唆している。 3. 末端切断TAF-1 のDNA 結合特異性 p5a によりコードされるタンパク質産物が実際にDNA と
結合するかどうかを調べるために、IPTG誘導の前後に発
現ベクターpSK(-)を保有する大腸菌から抽出物を調製し
た。このベクターでは、おそらく部分TAF-1 コード配列
のMet-22が分子量約26,000のN-末端切断TAF-1 を生産す
るためのイニシエーターメチオニンとして使用された。
抽出物はゲル移動度シフト検定によりモチーフI 野生型
および突然変異テトラマーを使って試験した。図2Dから
明らかなように、野生型テトラマーはIPTG誘導細胞から
の抽出物とインキュベートしたときに特異的複合体を形
成するが(レーン2 )、非誘導細胞からの抽出物とは形
成しなかった(レーン1 )。また、抽出物は突然変異テ
トラマーとは特異的複合体を形成しなかった(図2D、レ
ーン3 および4 )。これらの結果は、p5a 部分cDNA挿入
物によりコードされる組み換えタンパク質がモチーフI
と特異的に結合し、従ってその全長産物TAF-1 がモチー
フI 因子の有望な候補であることを示している。野生型
テトラマーは4 コピーのモチーフI を含むので、このプ
ローブにより複数の複合体が得られることは意外なこと
ではなかった(図2D、レーン2 )。 4. TAF-1 の結合部位配列特異性 TAF-1 との相互作用に重要なモチーフI 中のヌクレオチ
ドを規定するために、連続2-bp置換変異を含む一組のモ
チーフI 突然変異体を合成した。末端切断TAF-1 と結合
するこれらの突然変異体の能力はゲル移動度シフト検定
で調べた。末端切断TAF-1 は完全な bZip ドメインを含
むので、これらの実験では、そのDNA 結合特異性が全長
産物と変わらないと仮定した。モチーフI の中央の6 個
のヌクレオチドの突然変異(M2、M3およびM4)は結合を
事実上失わせ、最後の2 個のヌクレオチドの突然変異
(M5)はTAF-1 結合を非常に低下させることが判明した
(図3 )。対照的に、最初の2 個のヌクレオチドの突然
変異を含むM1は同一因子に対する親和性の増加を示し
た。
【0049】M1配列の詳細な分析により、それはペチュ
ニア rbcS-611 遺伝子の-190に存在するG-ボックスモチ
ーフと同一の、10- ヌクレオチドパリンドローム配列(P
A) GCCACGTGGC (図4C)と9 個のヌクレオチドを共有す
ることが明らかになった(Tumer et al., 1986, Nucleic
Acids Research 14:3325-3342) 。bZipタンパク質はそ
れらの標的DNA 部位に2 量体として結合するので、TAF-
1 がパリンドローム配列を優先しうると仮定することは
理に適っている。この可能性を調べるために、本発明者
らは、PAと末端切断TAF-1 の相互作用をゲル移動度シフ
ト検定により証明した。我々は、野生型テトラマーと比
べて、PAテトラマーが実際にTAF-1 に対してより高い親
和性を示すことを見いだした(図4A)。
【0050】TAF-1 に対するWT、PA、およびM1-M5 の相
対親和性を評価するために、プローブとして野生型テト
ラマーを、競合物質として非標識PAまたは突然変異テト
ラマーを使用した。図4Bから分かるように、200ng の野
生型で約50% の競合が得られたが、同程度の競合を得る
のに60ngのM1および3ng のPAだけで十分であった。これ
らの結果は、PAおよびM1に対するTAF-1 の結合親和性
が、WTに対するよりも、それぞれ約66および3.3 倍高い
ことを示唆している。突然変異体M5はWTと比べてこの競
合検定においてわずかに効力が劣っていた。残りの突然
変異体M2、M3、およびM4は200ng 以上の濃度で競合物質
としての効力がなかった。
【0051】競合実験から得られた結果(図4B)は直接
結合から得られた結果(図3 および4A)と一致し、それ
らを図4Cに要約してある。相対結合親和性とPA、WT、お
よび種々の突然変異体のヌクレオチド配列との比較は、
PAがTAF-1 に対して最大親和性をもつことを示してい
る。さらに、結合親和性はヌクレオチド誤対合の程度が
増えるにつれて低下すると思われる。 5. 核モチーフI 因子の結合部位配列特異性 核モチーフI 因子(図1C)と組み換えTAF-1 (図2D)は
両方ともモチーフI に対して配列特異的結合を示した
が、それらが実際に同一の因子であるのか知られていな
かった。この点を解明するために、我々は、プローブと
してモチーフI を競合物質として突然変異体のパネル
(図4C)を使って、ゲル移動度シフト検定により核モチ
ーフI 因子の結合部位配列条件を調べた。この技術の感
度限界内で、核因子により得られた結果(図4D)は末端
切断TAF-1 の場合に得られた結果(図4B)とほぼ同じで
あった。これらの結果から、全長TAF-1 は核モチーフI
因子の候補であるか、またはその重要な成分であると結
論づけられた。 6. 末端切断TAF-1 はhex モチーフにも結合する TAF-1 の塩基性領域はHBP-1 の対応領域と顕著な相同を
示す(図5A)。HBP-1はコムギヒストンH3プロモーター
の-171に存在する保存されたヘキサマー(hex)配列と相
互作用するコムギDNA 結合タンパク質である(Tabata et
al., 1989, Science 245:965-967)。この観察から、組
み換えTAF-1 がこの配列に結合するかどうか調べること
になった。図6 は、大腸菌により生産された末端切断TA
F-1 が実際にコムギヒストンH3プロモーターの-180から
-160の領域に結合することを示している(レーン1 と2
)。位置-168から-170の3-bp突然変異はこの結合を大
いに失わせたので、この結合は完全なhex 配列に依存し
ていた(レーン3 と4 )。 7. TAF-1 mRNAの発現パターン 図7 の上のパネルは、TAF-1 mRNAが根で発現されるが、
茎や葉では検出されないことを示している。しかしなが
ら、同一のオートラジオグラムに比較的長く露光する
と、これらの2 つの試料中に同じサイズのかすかなバン
ドが現れた。我々は、茎や葉と比べて、根にはTAF-1 mR
NAが約10-20 倍多く存在すると概算した。対照として、
構成的に発現されるβ-ATPase 遺伝子のmRNA(Boutry an
d Chua, 1985, EMBO J. 4:2159-2165)は他の2 つの器官
よりも根に約2 倍多く存在する(図7 、下のパネル)。
【0052】TAF-1 mRNAのサイズは2.2 Kbであるので、
この遺伝子の3 ′部分をコードする我々の部分cDNAクロ
ーンからは約0.8 KbのTAF-1 配列が欠失していると概算
された。 8. TAF-1 はトランス作用因子である 組み換えTAF がin vivo で転写活性因子として機能する
かどうかを調べるために、4 コピーのWTモチーフI 配列
または4 コピーのモチーフI 突然変異配列を含む二本鎖
オリゴヌクレオチドを合成した。これらのテトラマーは
-90 CaMV 35Sプロモーターの上流に別々に配置した(Ben
fey et al., 1989, EMBO J. 8:2195-2202)。両方の場合
に、リポーター遺伝子として細菌β- グルクロニダーゼ
(GUS) コード配列を使用した。タバコにこれらのキメラ
遺伝子を移入し、各構築物の個々のトランスジェニック
植物についてGUS 活性を分析した。
【0053】WTモチーフI テトラマーはトランスジェニ
ック植物の葉において活性を殆どまたは全く与えず、一
方突然変異テトラマーは不活性であることが見いだされ
た(表2)。ABA を添加しても、いずれかの構築物を含
むトランスジェニック植物の葉におけるGUS 活性(表
2)またはmRNAレベルに対して顕著な効果はなかった。
【0054】
【表2】 X-GUS90 に融合したモチーフI テトラマー(A) またはX-
GUS90 に融合した突然変異テトラマー(B) を含むトラン
スジェニック植物からの成熟葉(約8cm x 4cm)を切断し
て2 つの切片を得た。一方の切片にはpMON505 を被覆し
たタングステン粒子を衝突させ(Benfey et al., 1989,
EMBO J. 8:2195-2202)、他方の切片には35S:5a-cDNA キ
メラ遺伝子を含むpMON505 誘導体を衝突させた。後者は
CaMV 35Sプロモーター(-343 から+8) 、部分TAF-1 cDN
A、および rbcS-E9 3′ポリアデニル化シグナルを含ん
でいた。その後、葉切片を暗室にて水または10-4M ABA
中室温で24時間インキュベートした。衝突させていない
葉切片は対照として使用した。GUS 活性はJefferson et
al. (1987, EMBO J. 6:3901-3907)に従って測定し、pm
ole 4-メチルウンベリフェロン/mg タンパク質/minとし
て表した。表示した結果は(A) については4 つの独立し
た実験を、(B) については3 つの独立した実験を表して
いる。
【0055】モチーフI がもたらした葉における低発現
レベルは、この器官の細胞中にその同族の転写活性因子
が低濃度で存在するためであろう。これはまた葉の低い
TAF-1 mRNAとも一致する(図7 )。末端切断TAF-1 がin
vivo でモチーフI に結合してトランス作用因子として
機能するならば、TAF-1 の過剰発現によって葉でのGUS
発現を高めることができるだろう。この仮説を試験する
ために、本発明者らはCaMV 35Sプロモーター(-343 から
+8) と部分TAF-1 cDNAコード配列から成るキメラ遺伝子
を構築した。このキメラ遺伝子を含むプラスミドDNA
は、モチーフI テトラマー-GUSトランスジーンを保持す
るトランスジェニック葉の細胞に高速衝突により導入し
た。上記表1から、35S/TAF-1 エフェクタープラスミド
の衝突は実際に葉の中でGUS 発現を約10-15 倍高める
が、ベクターDNA だけでは2 倍以下の刺激しか与えない
ことが分かる。ほんの一部の葉細胞だけがエフェクター
プラスミドを受け取ったので、35S/TAF-1 構築物による
活性化の実際の量はもっと高かった。突然変異モチーフ
I テトラマーを保持するトランスジェニック植物の葉は
同じエフェクタープラスミドに応答しなかったので、GU
S 発現はモチーフI に結合するTAF-1 の能力に依存して
いた。我々はまた、モチーフI とTAF-1 によってもたら
される葉でのGUS 発現がABA 処理によりどのように影響
されるのかを調べた。表2は、ABA 処理試料と対照試料
との間でGUS 活性に有意差がないことを示している。
【0056】本発明の特定の実施態様について説明して
きたが、機能的に均等な変更が本発明の範囲内に含まれ
ることを理解すべきである。実際、当業者には、ここに
開示したもののほかに本発明のいろいろな修飾が前記の
詳細な説明および添付図面から明らかになるだろう。こ
のような修飾も特許請求の範囲に含めるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) ゲル移動度シフト検定に使用したプローブ
を示す図。 (B) プローブA を使用するタバコ核抽出物のゲル移動度
シフト検定を示す電気泳動図。
【図2】(A) クローン5aのヌクレオチド配列と推定アミ
ノ酸配列を示す図。 (B) TAF-1 をコードする核遺伝子のサザンブロット分析
を示す電気泳動図。 (C) cDNAクローン5aの制限地図を示す図。 (D) クローン5aによりコードされるタンパク質産物のDN
A 結合特異性を調べるゲル移動度シフト検定を示す電気
泳動図。
【図3】モチーフI の突然変異体とTAF-1 との相互作用
を調べるゲル移動度シフト検定を示す電気泳動図。
【図4】(A) プローブとしてWTモチーフI 、突然変異体
M1、完全パリンドローム(PA)を使用する末端切断TAF-1
のゲル移動度シフト検定を示す電気泳動図。 (B) WTモチーフI と関連配列に対するTAF-1 の相対結合
親和性を調べるゲル移動度シフト検定を示す図電気泳
動。 (C) WTモチーフI 、突然変異体M1-M5 、および完全パリ
ンドローム(PA)のヌクレオチド配列を示す図。 (D) WTモチーフI と関連配列に対する核モチーフI 因子
の相対結合親和性を調べるゲル移動度シフト検定を示す
電気泳動図。
【図5】(A) 植物 bZip タンパク質の塩基性ドメインの
アミノ酸配列の比較を示す図。 (B) 植物 bZip タンパク質のロイシンリピートのアミノ
酸配列の比較を示す図。
【図6】プローブとしてコムギヒストンH3プロモーター
のhex モチーフを使用するIPTG誘導または非誘導培養物
からの大腸菌抽出物のゲル移動度シフト検定を示す電気
泳動図。
【図7】プローブとしてTAF-1 cDNA(上段パネル)とβ
-ATPase cDNA(下段パネル)を使用するタバコ植物の異
なる器官に含まれるTAF-1 mRNAのノザンブロット分析を
示す電気泳動図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 トランス作用因子−1
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス作用因子TA
F−1、その製造およびTAF−1の結合部位を含む遺
伝子の発現を高めるためのトランスでのその使用に関す
る。ここに記載するTAF−1は、異種遺伝子産物の発
現を高めたり調節するために、細胞培養系またはトラン
スジェニック植物において使用され、遺伝子工学的に操
作される。
【0002】
【従来の技術】植物遺伝子に関する最近の研究は、トラ
ンス調節で重要な役割を演ずる配列特異的DNA結合タ
ンパク質に集中している。これらのDNA結合タンパク
質は通常核の中に見い出され、それらの標的DNA配列
および結合特異性は全細胞または核抽出物を使うゲル移
動度シフト検定あるいはDNAseフットプリント法に
より特徴づけることができる。このようなin vit
ro実験の結果から、植物遺伝子の5′−上流領域は多
数の核タンパク質因子の結合部位を含むという結論に達
した(Allen et al.,1989,Plan
t Cell 1:623−631;Gilmarti
n et al.,1990,PlantCell
2,369−378;Schindler and C
ashmore,1990,EMBO J.9:341
5−3427を参照)。さらに、いくつかの場合には、
1つの核因子が2つ以上のプロモーターと相互作用す
る。例えば、タバコ核因子の活性化配列因子(ASF)
−1は、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)3
5S プロモーターの−83から−63の領域に存在す
るTGACG モチーフと結合する能力により初めて確
認された(Lam etal.,1989)。しかしな
がら、更なる分析により、これはコムギヒストンH3遺
伝子(Katagiri et al.,1989,N
ature 340:727−730)、ノパリンシン
ターゼ遺伝子(Katagiri etal.,198
9,前掲;Bouchez et al.,1989,
EMBO J.8,4197−4204;Lam et
al.,1990,J.Biol.Chem.26
5:9909−9913)、オクトピンシンターゼ遺伝
子(Fromm et al.,1989,Plant
Cell 1:977−984;Tokuhisa
et al.,1990,Plant Cell2:2
15−224)、およびオクトピンT−DNAのTR
1′および2′プロモーター(Bouchez et
al.,1989,EMBO J.8,4197−42
04)の5′領域中の類似モチーフにも結合することが
証明された。これらの生化学的結果は、1つの調節遺伝
子が数種類の構造遺伝子の活動をコントロールするとい
う以前の遺伝子データと一致している(Coe and
Neuffer,1977,In Sprague,
G.F.,ed.,Cornand Corn Imp
rovement.Mad ison,WI.,US
A.pp.111−223を参照)。
【0003】もう1つの核因子であるG−ボックス結合
因子(GBF)もいくつかのプロモーターに結合すると
思われる。Giuliano et al.,(198
8,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
85:7089−7093)は、この因子が数種類の双
子葉植物のrbcS遺伝子の上流配列に保存されるG−
ボックスモチーフ、5′−TCTTACACGTGGC
AYY−3′、に結合することを最初に報告した。コア
配列CACGTGを含むG−ボックス関連モチーフは2
つの他のクラスの光反応性遺伝子の5′領域にも存在す
る:すなわちArabidopsis cab遺伝子
(Ha and An,1988,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 85:8017−80
21)およびPetroselium crispum
(Schulze−Lefert et al.,19
89,EMBO J.8:651−656;Schul
ze−Lefert et al.,1989,Pla
nt Cell 1:707−714)とAntirr
hinum majus(Staiger et a
l.,1989,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 86:6930−6934)のカルコンシ
ンターゼ遺伝子(chs)。カルコンシンターゼのG−
ボックスモチーフとN.tabacum rbcSのそ
れとは、2つの配列が同一のタバコ核因子CG−1につ
いて競合すると思われるので、互いに関係のあることが
分かった。これらの結果はCG−1とGBFが同様の結
合特異性をもつことを示唆する;しかしながら、2つの
タンパク質因子が実際に同一であるのか、単に関係があ
るだけなのかは分かっていない。G−ボックスまたは関
連モチーフは光反応性遺伝子とのみ関係するのではない
ことに注意すべきである。というのは、それはパタチン
(PI−II)プロモーター(Rosahl et a
l.,1986,Mol.Gen.Genet.20
3:214−220)の−577にも、Arabido
psis アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)プロ
モーター(McKendree et al.,199
0,Plant Cell 2:207−214;De
Lisle and Ferl,1990,Plant
Cell 2:547−557)の−200にも存在
するからである。これらの発見により、GBFやCG−
1はいろいろな調節特性のプロモーターと相互作用しう
るどこにでもある因子にすぎない可能性が出てきた。
【0004】最近、イネrab16Aプロモーターの
5′−GTACGTGGCG−3′配列に特異的に結合
するイネ核因子が開示された(Mundy et a
l.,1990,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 87:406−410)。モチーフIと呼
ばれるこの配列は4種類すべてのABA反応性rab1
6遺伝子(A−D;Mundy and Chua,1
988,EMBO J.7:2279−2286;Ya
maguchi−Shinozaki et al.,
1990,Plant Mol.Biol.14:29
−39)に保存されているばかりでなく、後期胚形成中
に発現されるワタ遺伝子(lea)(Baker et
al.,1988,Plant Molecular
Biology 11:277−291)にも、コム
ギのEm遺伝子(Marcotteet al.,19
89,Plant Cell 1:969−976)に
も保存されている。モチーフIとG−ボックスモチーフ
を比較すると、高度の配列相同が見られる。
【0005】
【発明の要約】ここでは転写活性因子TAF−1の構造
と機能を開示する。TAF−1はrabプロモーターの
特定のモチーフに結合し、TAF−1の結合部位に連結
した対象の遺伝子をトランス活性化することにより遺伝
子発現を高めることができる。本発明は、タバコ核抽出
物がrab16モチーフIに結合する因子を含みしかも
この結合がG−ボックスモチーフによる競合に対して敏
感であることを示す下記の実施例を用いて説明する。タ
バコcDNA発現ライブラリーから単離した部分cDN
Aクローンであって、核モチーフI因子と類似したDN
A結合特異性を有する末端切断タンパク質(TAF−
1)をコードするものを開示する。核因子と末端切断T
AF−1は両方ともG−ボックスモチーフに対して非常
に高い結合親和性を示す。TAF−1はそのN末端に酸
性ドメインを、そのC末端にロイシンリピートに隣接し
た塩基性ドメインを含む。さらに、葉の細胞中で一時的
に発現させると、それはモチーフIテトラマーに結合し
たβ−グルクロニダーゼ(GUS)リポーター遺伝子を
トランス活性化することができる。
【0006】本明細書中で用いる以下の略語は次の意味
を有する: ABA=アブシジン酸 ABRE=ABA反応性要素 GUS=β−グルクロニダーゼ TAF=トランス作用因子
【0007】
【図面の説明】 図1:タバコ核抽出物はイネrab16遺伝子のモチー
フIに対する結合活性を含む。ゲル移動度シフト検定に
使用したDNAプローブ。70−bpの長さのプローブ
Aはイネrab16B遺伝子の−275から−206の
配列を含む(Yamaguchi−Shinozaki
et al.,1990,PlantMol.Bio
l.14:29−39)。野生型プローブはモチーフ
I、CTACGTGGCG、の4つの直列コピーを含
み、突然変異(MU)プローブはモチーフIの突然変異
配列(GをTに、TをGに変えた)の4つの直列コピー
を含む。 図2:タバコ核抽出物はイネrab16遺伝子のモチー
フIに対する結合活性を含む。プローブAを使用するタ
バコ核抽出物のゲル移動度シフト検定。実験は「材料お
よび方法」に記載した通りに行った。競合物質は300
倍過剰モル量で加えた。F、遊離のプローブ;Iおよび
II、それぞれ複合体IおよびII;T.Ext.、タ
バコ核抽出物;comp.、競合物質;A、プローブ
A。矢じりは特異的DNA−タンパク質複合体の位置を
示す。
【0008】図3および図4:cDNAクローン5aお
よびそのコード化産物(TAF−1)の特性決定。クロ
ーン5aのヌクレオチド配列。部分cDNAは1345
−bpから成り、264個のアミノ酸のオープン・リー
ディング・フレームを含む。最初のメチオニンは22位
にある。 図5:cDNAクローン5aおよびそのコード化産物
(TAF−1)の特性決定。TAF−1をコードする核
遺伝子のサザンブロット分析。高分子量タバコDNA
(10μg)はHindIII(レーン1)またはEc
oRI(レーン2)で消化した。cDNAクローン5a
(その制限地図は図6に示す)の3′末端の大きいほう
のEcoRI断片(約1.2Kb)にフィルターをハイ
ブリダイズさせた。Hd、HindIII;Ec、Ec
oRI;Nh、NheI。 図6:cDNAクローン5aおよびそのコード化産物
(TAF−1)の特性決定。cDNAクローン5aの制
限地図。 図7:cDNAクローン5aおよびそのコード化産物
(TAF−1)の特性決定。クローン5aによりコード
されるタンパク質産物のDNA結合特異性。部分cDN
AクローンはベクターpSK(−)中のlacZプロモ
ーターの下流に配置し、この組み換えプラスミドを大腸
菌に形質転換した。この発現ベクターでは、おそらく、
分子量26,000の末端切断TAF−1を生産するた
めにイニシエーターメチオニンとしてMet−22が使
用れた。2mM IPTGを用いて指数的生長相培養物
を誘導した(+);非誘導培養物は対照として使用した
(−)。誘導(+)および非誘導(−)培養物から抽出
物(E.ext)を調製し、「材料および方法」で記載
した通りに硫酸アンモニウムで分画化した。SDS−P
AGE分析は誘導培養物からの抽出物中に26,000
−Kdのポリペプチドの存在を示したが、非誘導培養物
では示さなかった。ゲル移動度シフト検定はプローブと
してWTまたは突然変異モチーフIテトラマーを使って
行った(図1)。F、遊離のプローブ;NC、非特異的
複合体;矢じりは特異的複合体を示す。
【0009】図8:モチーフIの突然変異分析。WTモ
チーフIと種々の突然変異体(M1ないしM5)のテト
ラマーはゲル移動度シフト検定により大腸菌で生産され
た組み換えTAF−1と相互作用する能力について調べ
た。突然変異体は図面に示すように連続2−bp変異を
含んでいた。NC、非特異的複合体;矢じりは特異的複
合体を示す。 図9:末端切断TAF−1および核モチーフI因子のD
NA結合部位配列特異性。TAF−1は完全なパリンド
ローム配列に優先的に結合する。末端切断TAF−1を
含む大腸菌抽出物を用いるゲル移動度シフト検定におい
てプローブとしてWTモチーフIと突然変異体M1と完
全なパリンドローム(PA)、GCCACGTGGC、
のテトラマーを使用した。F、遊離のプローブ;NC、
非特異的複合体。矢じりで示す特異的複合体は非特異的
複合体と比べて遅い移動度を示す。 図10:末端切断TAF−1および核モチーフI因子の
DNA結合部位配列特異性。モチーフI(WT)と関連
配列に対するTAF−1の相対結合親和性。末端切断T
AF−1を含む大腸菌抽出物を用いるゲル移動度シフト
検定においてプローブとしてWTモチーフIテトラマー
を使用した。異なる濃度の突然変異体M1ないしM5の
テトラマー、および完全なパリンドローム(PA)のテ
トラマーはTAF−1についてWT配列と競合する能力
を調べた。ここに示した実験では、約50%の競合をも
たらす濃度のWT、PA 、M1およびM5を使用し
た。突然変異体M2、M3およびM4の場合には、より
高い濃度を使用した。comp.、競合物質。 図11:末端切断TAF−1および核モチーフI因子の
DNA結合部位配列特異性。WT、突然変異体M1ない
しM5、および完全なパリンドローム(PA)のヌクレ
オチド配列。この図面には、コア配列としてTACGT
Gヘキサヌクレオチドを有するテトラマーのWTモチー
フIを示す。このモチーフの5′ヌクレオチドGはテト
ラマーの先行するモチーフの3′ヌクレオチドから誘導
される。他の配列を一致させて表示した。PAとのヌク
レオチド差異を小文字で表す。TAF−1に対する相対
結合親和性を右側に示す。 図12:末端切断TAF−1および核モチーフI因子の
DNA結合部位配列特異性。モチーフI(WT)と関連
配列に対する核モチーフI因子の相対結合親和性。実験
はタバコ核抽出物(T.Ext.)を使用したことを除
いて図10のように行った。図10と図12では競合物
質の濃度がわずかに異なることに注意されたい。F、遊
離のプローブ;NC、非特異的複合体;矢じりは特異的
複合体を示す。
【0010】図13:植物bZipタンパク質の塩基性
ドメインとロイシンリピートのアミノ酸配列の比較。塩
基性ドメイン。TAF−1、EmBP−1(Guilt
inan et al.,1990,Science
250:267−271)、HBT−1(Tabata
et al.,1989,Science 245:
965−967)、OCSBF−1(Singh et
al.,1990,Plant Cell 2:89
1−903)、02(Hastings etal.,
1989,EMBO J.8:2795−2801;S
chmidtet al.,1990,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA87:46−50)、
TGA−1aおよびTGA−1b(Katagiri
et al.,1989 Nature 340:72
7−730)。保存されたアミノ酸残基はボックスで囲
ってある。 図14:植物bZipタンパク質の塩基性ドメインとロ
イシンリピートのアミノ酸配列の比較。ロイシンリピー
ト。文献は図13を参照されたい。反復ロイシン残基に
は星印を付けてある。
【0011】図15:TAF−1はコムギヒストンH3
プロモーターのhexモチーフに結合する。IPTG誘
導(+)および非誘導(−)培養物から大腸菌抽出物
(E.ext)を調製し、「材料および方法」のところ
で詳述するように硫酸アンモニウムで分画化した。WT
(4H1)または突然変異体(4H3)hex配列のテ
トラマー(Katagiri et al.,1989
Nature 340:727−730)を使ってゲ
ル移動度シフト検定を行った。WT、−180TTCG
GCCACGTCACCAATCCG−160; 突然
変異体、−180TTCGGCCACGTCCAATC
CG−160。−168から−170の位置で3個のヌ
クレオチドがTCAからCGTに変わったことに注意さ
れたい。特異的複合体は矢じりで示す。F、遊離プロー
ブ。
【0012】図16:タバコ植物の異なる器官中のTA
F−1 mRNAのノザンブロット分析。タバコ植物の
根(R)、茎(S)および葉(L)からのポリA RN
A(1 μg)を使用した。ハイブリダイゼーションプ
ローブはTAF−1 cDNA(上段パネル)とβ−A
TPase cDNA(下段パネル)であった。他の細
部については「材料および方法」を参照されたい。
【0013】
【発明の具体的説明】本発明はプロモーター配列のある
種のモチーフに結合する新規な転写活性因子TAF−1
に関する。TAF−1はトランスで作用して、TAF−
1の結合部位に連結した遺伝子配列の発現を高める。T
AF−1の構造、機能、特性決定と、これを使用して細
胞培養系またはトランスジェニック植物で遣伝子発現を
高めることが開示される。
【0014】本発明は、タバコ核抽出物がrab16モ
チーフIに結合する因子を含みしかもこの結合がG−ボ
ックスモチーフによる競合に対して敏感であることを示
す下記の実施例を用いて説明する。モチーフI配列
(5′−GTACGTGGCG−3′)をハイブリダイ
ゼーションプローブとして利用して、タバコcDNA発
現ライブラリーから部分cDNAクローンを単離した。
この部分cDNAのTAF−1はそのアミノ末端に酸性
ドメインを、そのカルボキシ末端部分に、“ロイシンジ
ッパー”タンパク質に特徴的なロイシンリピートに隣接
したドメインを含む末端切断タンパク質をコードする。
核因子と末端切断TAF−1は両方ともモチーフIとG
−ボックスモチーフに結合する。
【0015】TAF−1が遺伝子発現の高揚にトランス
で作用することを証明するために、種々のモチーフI型
配列をCaMV 35Sプロモーターに挿入し、リポー
ター遺伝子GUSに融合させた。これらのキメラ融合物
はAgrobacterium媒介形質転換により安定
した状態でタバコに形質転換された。CaMV 35S
−TAF−1融合物を構築し、この融合物を含むプラス
ミドDNAは高速衝撃(high velocity
bombardment)によりモチーフIテトラマー
−GUSトランスジーン構築物を保有するトランスジェ
ニック葉の細胞に導入した。35S−TAF−1エフェ
クタープラスミドの一時的発現は、対照細胞が2倍であ
ったのに対して、GUS発現を10−15倍増加させ
た。従って、末端切断TAF−1トランス作用因子はモ
チーフI関連配列と結合して、下流の異種構造遺伝子の
活性化を引き起こす。
【0016】TAF−1の特徴は、(a)TAF−1の
構造と機能およびその結合モチーフ;(b)TAF−1
の生産;(c)細胞培養系またはトランスジェニック植
物で遺伝子発現を高めるためのTAF−1の使用を記載
する以下のサブセクションにおいて詳述する。 1. TAF−1の構造 部分cDNAクローンp5aのヌクレオチド配列分析に
より、末端切断TAF−1(分子量約26,000)は
そのカルボキシ末端にロイシンリピートに隣接した塩基
性ドメインを含むことが分かる(図3−7)。この2つ
の部分から成る構造はbZipクラスのDNA結合タン
パク質に特徴的である(Vinsonet al.,1
989,Science 246:911−916)。
今までのところ、5種類の他の植物のbZipタンパク
質をコードするcDNAクローンが単離され、特性が決
定されている(Katagiri et al.,19
89,Nature 340:727−730;Tab
ata et al.,1989,Science 2
45:965−967;Hasting etal.,
1989,EMBO J.8:2795−2801;S
chmidtet al.,1990,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 87:46−50;
Singh et al.,1990,Plant C
ell2:891−903)。Guiltinan e
t al.,(1990,Science 250:2
67−271)は75−bp ABA反応性要素内の保
存配列に結合するコムギbZipタンパク質をコードす
る部分cDNAクローンを開示した。TAF−1とこれ
らの6種の他のbZipタンパク質のアミノ酸配列を比
較すると、塩基性ドメインのみに高度の相同が見られる
(図13)。最も顕著な保存はTAF−1、HBP−1
(Tabata et al.,1989,Scien
ce 245:965−967)、EmBP−1(Gu
il tinan et al.,1990,Scie
nce 250:267−271)、およびOCSBF
−1(Singh et al.,1990,Plan
tCell 2:891−903)の間に見られる。T
AF−1とEmBP−1の塩基性ドメインは、4位のA
rgがLysに置換されているだけでほとんど同じであ
る。bZipタンパク質の塩基性ドメインはDNA認識
に関与するので、この配列保存はこれらのDNA結合タ
ンパク質の標的DNA配列が類似しているらしいことを
当然意味する。以下の表1により、TAF−1、HBP
−1、およびEmBP−1の場合はこれが実際に真実で
あることが分かる。
【0017】TAF−1とEmBP−1の配列相同はロ
イシンジッパー領域にまで部分的に延びており(図1
4)、これらの2つのタンパク質が相互作用してヘテロ
ダイマーを形成するという可能性も出てくる。 2. TAF−1の機能 下記の実施例に示すように、タバコ核抽出物はrab
(Mundy andChUa,1988,EMBO
J.7:2279−2286;Yamaguchi−S
hinozaki et al.,1990,Plan
t MOl.Biol.14:29−39)およびle
a(Baker et al.,1988,Plant
Mol.Biol.11:277−291)遺伝子に
保存されるモチーフI配列と特異的に相互作用する因子
を含む。タバコcDNA発現ライブラリーから、本発明
者らはTAF−1と呼ばれるタンパク質のC−末端部分
をコードする部分cDNAクローンp5aを単離した。
大腸菌により生産された末端切断TAF−1タンパク質
は、識別用プローブのパネルを用いて試験したとき(図
10および12を参照)、核モチーフI因子と同一では
ないにしても非常に類似した結合特異性を示す。この結
果から、全長TAF−1は核モチーフI因子であるか、
あるいはその活性の一部を占めるという強力な証拠が得
られる。 2.1 TAF−1はトランス作用因子として機能しう
これまでに記載した6種の植物bZipタンパク質のう
ち、2種だけが転写調節に関与していた。22 Kd
zein遺伝子の転写には02遺伝子産物が必要である
ことを示す遺伝子データがある(Jones et a
l.,1977,Plant Physiol.59:
525−529)。この遺伝子データによると、02は
陽性の調節遺伝子であるらしい。本発明者らは最近、タ
バコbZipタンパク質TGAlaが植物(Yamaz
aki et al.,1990,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 87:7035−70
39)およびHeLa in Vitro転写系(Ka
tagiri et al.,1990,Genes
and Development 4:1899−19
09)において活性化因子として機能することを示す直
接の生化学証拠を提示した。さらに、精製したTGAl
aタンパク質は−90 CaMV 35S/GUSキメ
ラ遺伝子(Benfey et al.,1989,E
MBO J.8:2195−2202)の転写を、この
リポーター構築物を保有するトランスジェニックタバコ
の葉細胞に顕微注入したとき、活性化することができ
た。この結果から、TGA1aはin vivoで転写
活性因子として機能しうることが分かる。ここでの我々
の研究の主要な点は、TAF−1がDNA結合タンパク
質であるばかりでなく、転写活性因子であることを証明
することである。我々は、35S末端切断TAF−1キ
メラ遺伝子が、タバコ葉細胞内で一時的に発現させたと
き、野生型モチーフIテトラマーに結合したGUSリポ
ーター遺伝子の発現を高めるが、突然変異テトラマーの
場合は高めないことを明らかにした。これらの結果か
ら、TAF−1はin vivoでトランス作用因子と
して機能することが分かる。これに関連して、我々は、
末端切断TAF−1のアミノ末端領域(アミノ酸1−8
6)が酸性であり、従って転写活性ドメインとして作用
することを明記する(Johnson and Mck
night,1989,Ann.Rev.Bioche
m.58:799−839を参照されたい)。 2.2 TAF−1とGBFおよびCG−1との関係 TAF−1は最初rab遺伝子のモチーフIに特異的な
DNA結合タンパク質として単離されたが、それはG−
ボックス中に存在するヘキサヌクレオチドコアCACG
TGを含む完全なパリンドローム配列GCCACGTG
GC(図9−12)および数種の植物プロモーターの関
連モチーフ(表1)に高い親和性でもって結合する。パ
リンドローム配列はペチュニアrbcS−611遺伝子
のG−ボックス配列(Tumer et al.,19
86,Nuc.Acad.Res.14:3325−3
342)と同一であり、Arabidopsis rb
cS−1A G−ボックスとは1−bpのみが異なる
(表1)。この結果はTAF−1が他のG−ボックス配
列および関連モチーフをも認識しうることを示唆してい
る。
【0018】
【表1】in vitroでG−ボックスおよび関連モ
チーフを認識する植物核因子はいくつかの実験により報
告されている(表1)。トマトおよびArabidop
sisのGBFはトマトrbcS−3A、Arabid
opsis rbcS−1A、エンドウマメrbcS−
3.6(Giuliano et al.,1988,
前掲)のG−ボックス、およびN.plumbagin
ifolia Cab−Eプロモーターの−240に位
置する類似のモチーフCAGACGTGGC(Schi
ndler and Cashmore,1990,前
掲;表2)に結合する。Arabidopsis細胞培
養物の全細胞抽出物もGBF活性を含み(McKend
ree et al.,1990,前掲)、このGBF
はrbcS−1AおよびAdhのG−ボックス要素に結
合するが、アデノウイルス主要後期プロモーターの上流
活性化要素(UAE)中に存在する関連モチーフGCC
ACGTGACには結合しない(表1)。タバコと他の
高等植物において、Staiger et al.,
(1989,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 86:6930−6934)はA.majus
およびP.crispum chs遺伝子の上流領域に
存在するG−ボックス様モチーフと相互作用する核因子
CG−1を開示した。CG−1はアデノウイルス主要後
期プロモーターのUAEに結合してN.Plumbag
inifolia Cab−Eプロモーターに結合しな
いので、GBFと区別される(表1)。一緒にして考え
ると、植物核抽出物を用いるin Vitro結合実験
は重複する特異性を有する多数のG−ボックス結合因子
と一致する。
【0019】植物における1つのファミリーのG−ボッ
クス結合タンパク質の考えは3つの追加の証拠により支
持される。第一に、Arabidopsis葉核抽出物
中のGBFは、Arabidopsis細胞培養物のG
BFにより形成されたもの(McKendree et
al.,1990,Plant Cell 2:20
7−214)と移動度が異なるG−ボックス配列を有す
る少なくとも2種類の複合体(Giuliano et
al.,1988,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 85:7089−7093)を形成す
る。この結果はArabidopsisが2種類以上の
GBFを含みうることを示している。実際に、UV架橋
実験はArabidopsis GBF活性が分子量約
18,000と31,000の少なくとも2種類のタン
パク質に関係することを示した(DeLisle an
d Ferl,1990,Plant Cell 2:
547−557)。第二に、組み換えDNA結合タンパ
ク質を用いて得られた結果は、少なくとも2種類の異な
る因子、TAF−1と最近報告されたEmBP−1(G
uiltinan et al、,1990)、がG−
ボックス関連配列に結合することを証明している(表
1)。それらの塩基性ドメインの保存されたアミノ酸配
列を考慮して、我々はHBP−1とOCSBF−1もG
−ボックスおよび関連モチーフに結合するであろうと推
定する。この可能性は今後の実験により確かめられるだ
ろう。第三に、カリフラワーの核抽出物は、CACGT
Gコアモチーフを認識するが隣接配列に対する優先性に
おいて相違する少なくとも3種類の因子を含む。
【0020】特に重要なこととして指摘しておくが、T
AF−1とEmBP−1は両方ともコムギヒストンH3
遺伝子のhexモチーフGTGACGTGGC(2−b
pだけが完全なパリンドローム配列と異なる)に結合す
る(表1)。少なくとも3種類の他のタンパク質、タバ
コTGA1aおよびTGA1b(Katagiriet
al.,1989)並びにコムギHBP−1(Tab
ata et al.,1989)は同一のhex配列
を認識することができる。これらの3種類のタンパク質
がG−ボックスと相互作用するかどうかはまだ確立され
ていない。
【0021】完全なパリンドローム配列(PA)、GC
CACGTGGC、は1−bpだけがアデノウイルス主
要後期プロモーターの−62から−53に位置する上流
活性化要素(UAE),GCCACGTGAC,の配列
と異なる。UAEは2種類のヒト転写因子USFおよび
TFE−3と相互作用することができ、これらの因子を
コードする全長cDNAクローンが最近報告された(G
regor et al.,1990,Genes a
nd Dev.4:1730−1740;Beckma
nn et al.,1990,Genes and
Dev.4:167−179)。bZipタンパク質で
あるTAF−1と対照的に、USFおよびTFE−3は
共にDNA認識に関与すると思われる塩基性ドメインの
下流にヘリックス−ループ−ヘリックス(HLH)モチ
ーフを含むc−myc−関連タンパク質である。それら
の認識部位のヌクレオチド配列の顕著な類似性にもかか
わらず、TAF−1と2種類のヒト転写因子間には塩基
性ドメインのアミノ酸配列に明らかな相同が見られな
い。 2.3 in vivoでのTAF−1の機能 末端切断TAF−1は転写活性因子として機能しうる
が、この調節タンパク質により制御される核遺伝子はま
だ同定されていない。根にTAF−1 mRNAが豊富
に存在することは、この因子が根で優先的に発現される
遺伝子、例えばアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子、を
調節することを示唆している(DeLisle and
Ferl,1990,Plant Cell 2:5
47−557)。葉組織でのTAF−1の役割はあまり
はっきりしていない。この因子はrbcSおよびCab
遺伝子の上流に位置するG−ボックスモチーフと相互作
用する可能性がある(Gilmartin et a
l.,1990,Plant Cell 2:369−
378;Schindler and Cashmor
e,1990,EMBO J.9:3415−3427
を参照されたい)。一方、より高い親和性の結合部位、
例えばPA、はこの因子が豊富に存在しない問題を解決
し、葉での発現を与えるかもしれない。我々は、TAF
−1が他の因子と相互作用してrbcSおよびCabの
転写を調節し、この相乗相互作用が葉でのこれらの光合
成遺伝子の高レベル発現に不可欠であるという仮説を支
持する。これによりG−ボックスモチーフの突然変異が
トランスジェニックタバコ植物においてArabido
psis rbcS−1Aの発現レベルを劇的に低下さ
せる理由を説明することができる(Donald an
d Cashmore,1990,EMBO J.9:
1717−1726)。同様の情況がP.crispu
m chs遺伝子にも適用され(Schulze−Le
fertet al.,1989,EMBO J.8:
651−656;1989b,Plant Cell
1:707−714)、この場合UV誘導発現にG−ボ
ックス結合タンパク質が必要であることを示すin v
ivo証拠がある。
【0022】最近、Guiltinan et a
l.,(1990,Science 250:267−
271)は、コムギEm遺伝子の75−bp断片がイネ
プロトプラストを用いる一時的検定でABA反応性転写
を与えると報告した。この断片は2つの保存G−ボック
ス様モチーフ、Em1a GGACACGTGGCおよ
びEm1b GCACACGTGCC、を含み、両方と
もCACGTGコア配列をもっている。Em1aモチー
フの突然変異はABA誘導比を11から2へ低下させ、
このことはEm1aがホモン誘導に必要であることを示
す。しかしながら、Em1aが単独でABA反応性転写
を仲介するのか、それともそれが75−bp断片内の他
のシス要素と相互作用するのか定かでない。Guilt
inan et al.,(1990,Science
250:267−271)は、Em1aモチーフおよ
びコムギヒストンH3プロモーターのhex要素に結合
するEmBP−1と呼ばれるDNA結合タンパク質をコ
ードするコムギ部分cDNAクローンを単離した。タバ
コの場合、我々はTAF−1がモチーフのほかにhex
要素にも結合することを見いだした(図15)。モチー
フIテトラマーもhexテトラマーもトランスジェニッ
クタバコのGUSリポーター遺伝子に対してABA誘導
発現を与えることができない。対照的に、TAF−1に
対する親和性が非常に低下したhex突然変異要素(図
15)はトランスジェニックタバコにおいてABA反応
性転写を与えることができる。これらの結果は、少なく
ともタバコにおいて、モチーフIおよびTAF−1がA
BA反応性遺伝子発現に直接関与していないことを示す
だろう。しかし、モチーフIがタバコと対照的にイネの
異なる調節因子と相互作用し、イネにおいてABREと
して機能することはありうる。単子葉植物と双子葉植物
の転写系におけるこのような差異は以前に報告されてい
る(Keith and Chua,EMBO J.
5:2419−2425,1986)。 3. TAF−1の生産 3.1 TAF−1コード配列 TAF−1のヌクレオチドコード配列および推定アミノ
酸配列は図3,4に示してある。このヌクレオチド配列
またはその断片もしくは機能的均等物は、適当な宿主細
胞内で、TAF−1遺伝子産物またはその機能的活性ペ
プチドもしくは機能的均等物を発現させる組み換えDN
A分子を作るために使用される。
【0023】ヌクレオチド配列の縮重のために、本発明
の実施に際しては、図3,4に示したものと実質的に同
じアミノ酸配列をコードする他のDNA配列をTAF−
1のクローニングおよび発現のために使用することがで
きる。このような変異には同一のまたは機能的に等しい
遺伝子産物をコードする配列をもたらす様々のヌクレオ
チド残基の欠失、付加または置換が含まれる。遺伝子産
物はこの配列内のアミノ酸残基の欠失、付加または置換
を含んでいてもよく、これはサイレントな変化をもたら
して結果的に生物活性産物を与える。このようなアミノ
酸置換は関係する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、
親水性および/または両親媒性に基づいて行われる。例
えば、負に荷電したアミノ酸にはアスパラギン酸とグル
タミン酸が含まれ;正に荷電したアミノ酸にはリシンお
よびアルギニンが含まれ;類似の親水値を有する非荷電
極性ヘッド基をもつアミノ酸には次のものが含まれる:
ロイシン、イソロイシン、バリン;グリシン、アラニ
ン;アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;
フェニルアラニン、チロシン。
【0024】TAF−1のゲノム配列はあらゆる植物細
胞源から得られるが、cDNAコピー作製用のmRNA
はTAF−1を生産する細胞源から得るのがよい。例え
ば、植物の一部分(葉、茎、根、根瘤、子葉、種子、果
実など)を砕いて、DNAまたはRNAを抽出するため
の供給源として使用する。また、植物細胞系列もDNA
またはRNAの便利な供給源として使用できる。
【0025】TAF−1コード配列はこのような細胞源
から単離・精製したRNAのcDNAクローニングまた
はゲノムクローニングにより得ることができる。cDN
Aまたはゲノムライブラリーは当分野でよく知られた技
法(制限酵素の使用を含むが、これに限定されない)を
使って形成されたDNA断片から作製する。TAF−1
をコードする断片は、図3,4に示した配列の一部に実
質的に相補的なヌクレオチドプローブでこの種のライブ
ラリーをスクリーニングすることにより同定できる。D
NAの単離、適当な制限断片の形成、クローンおよびラ
イブラリーの構築、および組み換え体のスクリーニング
のために当分野でよく知られた技法が使用される。この
種の技法に関しては、例えばManiatis et
al.,1982,Molecular Clonin
g A LaboratoryManual,Cold
Spring Harbor Press,N.
Y.,Chapters 1−11を参照されたい。c
DNA発現ライブラリーをスクリーニングするために、
対象のタンパク質産物とトランスで作用するシス作用要
素を表すオリゴヌクレオチドプローブが利用される。ま
た、TAF−1配列から誘導されたオリゴヌクレオチド
は他の種からTAF−1配列のcDNAまたはゲノムコ
ピーを作製するためのPCR(ポリメラーゼ・チェイン
・リアクション)において異種プライマーとして使用さ
れるだろう。このようなPCR法に関しては、例えばG
elfand,D.H.,1989,“PCR法、DN
A増幅のための原理と応用(PCR Technolo
gy.Principles and Applica
tions for DNA Amplificati
on)”Ed.,H.A.Erlich,Stockt
on Press,N.Y.;および“分子生物学にお
ける最新のプロトコール(Current−Proto
cols in Molecular Biolog
y)”,Vol.2,Ch.15,Eds.Subel
et al.,John Wiley &Sons,
1988を参照されたい。
【0026】本発明の別の実施態様では、図3,4のコ
ード配列の全部または一部を当分野で知られた化学的方
法を使って合成することもできる。例えば、Carut
hers et al.,1980,Nuc.Acid
s Res.Symp.Ser.7:215−233;
Crea and Horn,180,180,Nu
c.Acids Res.9(10):2331;Ma
tteucci and Caruthers,198
0,Tetrahedron Letters21:7
19;およびChow and Kempe,198
1,Nuc.Acids Res.9(12)2807
−2817を参照されたい。これとは別に、タンパク質
それ自体を製造するための化学的方法を使って、図3,
4に示したアミノ酸配列の全部または一部を合成するこ
ともできる。例えば、固相法でペプチドを合成し、樹脂
から切り離し、分離用高性能液体クロマトグラフィーを
使って精製する。(例えば、Creighton,19
83,ProteinsStructures and
Molecular Principles,W.
H.Freeman and Co.,N.Y.pp.
50−60を参照されたい。)合成ペプチドの組成はア
ミノ酸分析またはシークエンシングにより確かめる。
(例えば、エドマン分解法;Creighton,19
83,Proteins Structures an
d Molecular Principles,W.
H.Freeman and Co.,N.Y.pp.
34−49を参照されたい。) 3.2 TAF−1コード配列を含む発現ベクターの構
生物学的に活性なTAF−1を発現させるために、上記
セクション3.1で記載したTAF−1をコードするヌ
クレオチド配列または機能的均等物、挿入したコード配
列の転写および翻訳に必要な要素を含むベクターを作製
する。TAF−1遺伝子産物、宿主細胞、組み換えTA
F−1発現ベクターでトランスフェクトまたは形質転換
された細胞系列または植物はいろいろな目的に利用され
る。
【0027】当分野でよく知られた方法を使って、TA
F−1コード配列と適当な転写/翻訳調節シグナルを含
む発現ベクターを構築する。これらの方法にはin v
itro組み換えDNA法、合成法およびin viv
o組み換え/遺伝子組み換えが含まれる。例えば、Ma
niatis et al.,1982,Molecu
lar Cloning A Laboratory
Manual,Cold Spring Harbor
Laboratory,N.Y.,Chapter
12に記載される技法を参照されたい。
【0028】TAF−1コード配列を発現させるために
いろいろな宿主−発現ベクター系が利用できる。これら
にはTAF−1コード配列を含む組み換えバクテリオフ
ァージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA
発現ベクターで形質転換された細菌のような微生物;T
AF−1コード配列を含む組み換え酵母発現ベクターで
形質転換された酵母;TAF−1コード配列を含む組み
換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイル
ス)を感染させた昆虫細胞系;TAF−1コード配列を
含む組み換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラ
ワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイ
ルス、TMV)を感染させた、または組み換えプラスミ
ド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換
された植物細胞系;あるいは植物TAF−1コード配列
を含む組み換えウイルス発現ベクター(例えば、アデノ
ウイルス、ワクシニアウイルス)を感染させた動物細胞
系が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】これらのベクターの発現要素はそれらの強
度および特異性により変化する。利用する宿主/ベクタ
ー系に応じて、多くの転写・翻訳プロモーターのいずれ
かを発現ベクター中で使用する。例えば、細菌系にクロ
ーニングするときには、バクテリオファージλのpL、
plac、ptrp、ptac(ptrp−lacハイ
ブリッドプロモーター)のような誘導性プロモーターを
使用する;昆虫細胞系にクローニングするときには、バ
キュロウイルスポリヘドリンプロモータ−のようなプロ
モーターを使用する;植物細胞系にクローニングすると
きには、植物細胞ゲノムから誘導されるプロモーター
(例えば、熱ショックプロモーター;RUBISCOの
小サブユニットのプロモーター;クロロフィルa/b結
合タンパク質のプロモーター)または植物ウイルスから
誘導されるプロモーター(例えば、CaMVの35S
RNAプロモーター;TMVのコートタンパク質プロモ
ーター)を使用する;哺乳動物細胞系にクローニングす
るときには、哺乳動物細胞ゲノムから誘導されるプロモ
ーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)また
は哺乳動物ウイルスから誘導されるプロモーター(例え
ば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイ
ルス7.5Kプロモーター)を使用する。また、組み換
えDNA法や合成法により製造したプロモーターを使っ
て、挿入されたTAF−1コード配列の転写を誘導して
もよい。
【0030】細菌系では、発現されるTAF−1の意図
する用途に応じて多くの発現ベクターを有利に選択する
ことができる。例えば、抗体の形成のために大量のTA
F−1を生産する必要があるときには、簡単に精製でき
る融合タンパク質産物を高レベルで発現するベクターが
望ましいだろう。この種のベクターには大腸菌発現ベク
ターpUR278(Ruther et al.,19
83,EMBO J.2:1791)、この場合にはハ
イブリッドTAF−1−lac Zタンパク質が生産さ
れるように、TAF−1コード配列をlac Zコード
領域と同じフレームでベクターに連結する;pINベク
ター(Inouye & Inouye,1985,N
ucleic acids Res.13:3101−
3109;Van Heeke & Schuste
r,1989,J.Biol.Chem.264:55
03−5509)などが含まれるが、これらに限定され
ない。しかしながら、非融合TAF−1の発現が望まれ
るときには、宿主遺伝子型の条件を殆どまたは全く必要
としない発現ベクター、例えばptac12(Aman
n et al.,1983,Gene 25:16
7)のようなベクターが好適である。
【0031】酵母では、構成または誘導プロモーターを
含む多くのベクターが使用される。これに関しては、C
urrent Protocols in Molec
ular Biology,Vol.2,19833,
Eds.Ausubel et al.,Green
Publish.Assoc.& Wiley Int
erscience,Ch.13;Grant et
al.,1987,Expression and S
ecretion Vectors forYeas
t,in Methods in Enzymolog
y,Eds.Wu & Grossman,3198
7,Acad.Press,N.Y.,Vol.15
3,pp.516−544;Glover,1986,
DNA Cloning,Vol.II,IRL Pr
ess,Wash.D.C.,Ch.3;Bitte
r,1987,Heterologous Gene
Expression in Yeast,Metho
ds in Enzymology,Eds.Berg
er & Kimmel,Acad.Press,N.
Y.,Vol.152,pp.673−684;および
The Molecular Biology of
the Yeast Saccharomyces,1
982,Eds.Strathen et al.,C
old Spring Harbor Press,V
ols.I and IIを参照されたい。
【0032】植物発現ベクターを用いる場合、TAF−
1コード配列の発現は多くのプロモーターのいずれかに
より開始される。例えば、CaMVの35S RNAお
よび19S RNAプロモーター(Brisson e
t al.,1984,Nature 310:511
−514)またはTMVのコートタンパク質プロモータ
ー(Takamatsu et al.,1987,E
MBO J.6:307−311)のようなウイルスプ
ロモーターが使用される;あるいはRUBISCOの小
サブユニット(Coruzzi et al.,198
4,EMBOJ.3:1671−1680;Brogl
ie et al.,1984,Science 22
4:838−843)のような植物プロモーター;また
は熱ショックプロモーター、例えばダイズhsp17.
5−Eまたはhsp17.3−B(Gurley et
al.,1986,Mol.Cell.Biol.
6:559−565)も使用される。これらの構築物は
Tiプラスミド、Riプラスミド、植物ウイルスベクタ
ー、直接DNA形質転換、マイクロインジェクション、
エレクトロポレーション、粒子衝撃法などを使って植物
細胞に導入することができる。この種の技術に関して
は、例えばWeissbach & Weissbac
h,1988,Methods for Plant
Molecular Biology,Academi
c Press,NY,SectionVIII,p
p.421−463;およびGrierson & C
orey,1988,Plant Molecular
Biology,2d Ed.,Blackie,L
ondon,Ch.7−9を参照されたい。
【0033】TAF−1の発現に使用できる別の発現系
として昆虫系がある。このような系では、外来遺伝子を
発現させるためのベクターとしてAutographa
california核多角体病ウイルス(AcNP
V)が用いられる。ウイルスはSpodoptera
frugiperda細胞中で増殖させる。TAF−1
コード配列をこのウイルスの非必須領域(例えば、ポリ
ヘドリン遺伝子)にクローニングし、AcNPVプロモ
ーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター)の支配下
に置く。TAF−1コード配列の挿入が成功すると、ポ
リヘドリン遺伝子の不活化と非封入組み換えウイルス
(すなわち、ポリヘドリン遺伝子によりコードされるタ
ンパク質コートを欠くウイルス)の生産が起こるだろ
う。その後、これらの組み換えウイルスをSpodop
tera frugiperda細胞に感染させて、挿
入した遺伝子を発現させる。(例えば、Smith e
t al.,1983,J.Viol.46:584;
Smith,米国特許第4,215,051号を参照さ
れたい。)アデノウイルスを発現ベクターとして使用す
る場合は、TAF−1コード配列をアデノウイルス転写
/翻訳調節複合体、例えば後期プロモーターおよびトリ
パルタイトリーダー配列、に連結する。その後、このキ
メラ遺伝子をin vitroまたはin vivo組
み換えによりアデノウイルスゲノムに挿入する。ウイル
スゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)
に挿入すると、生存可能で、しかも感染宿主内でTAF
−1を発現することができる組み換えウイルスが得られ
るだろう。(例えば、Logan & Shenk,1
984,Proc.Natl.Acad.Sci.(U
SA)81:3655−3659を参照されたい。)こ
の他に、ワクシニア7.5Kプロモーターも使用でき
る。(例えば、Mackett et al.,198
2,Proc.Natl.Acad.Sci.(US
A)79:7415−7419;Mackett et
al.,1984,J.Virol.49:857−
864;Panicaliet al.,1982,P
roc.Natl.Acad.Sci.(USA)7
9:4927−4931を参照されたい。)挿入したT
AF−1コード配列の効率のよい翻訳には特定の開始シ
グナルも必要である。これらのシグナルにはATG開始
コドンと隣接配列が含まれる。全TAF−1遺伝子(そ
れ自体の開始コドンと隣接配列を含む)を適当な発現ベ
クターに挿入する場合には、追加の翻訳調節シグナルは
なくてもよい。しかしながら、TAF−1コード配列の
一部のみを挿入する場合には、ATG開始コドンを含め
た外因性翻訳調節シグナルが必要となる。さらに、全挿
入物の翻訳を確実にするために、開始コドンをTAF−
1コード配列のリーディング・フレームと合わせねばな
らない。これらの外因性翻訳調節シグナルと開始コドン
は天然または合成のいろいろな起源のものでありうる。
発現効率は適当な転写エンハンサー要素、転写ターミネ
ーターなどを挿入することによって高めることができる
(Bitter et al.,1987,Metho
ds in Enzymol.153:516−544
を参照)。
【0034】さらに、挿入した配列の発現を調節した
り、希望する特定の方法で遺伝子産物を修飾またはプロ
セッシングする宿主細胞株が選ばれる。プロモーターに
よって開始される発現はある種の誘導物質(例えば、メ
タロチオネインプロモーターのための亜鉛およびカドミ
ウム)の存在下で促進される。従って、遺伝子工学的に
操作されたTAF−1の発現を制御することができる。
このことはクローン化外来遺伝子のタンパク質産物が宿
主細胞の死を招く場合に特に重要である。さらに、タン
パク質産物の修飾(例えば、グリコシル化)およびプロ
セッシング(例えば、切断)はそのタンパク質の機能に
とって重要である。それぞれの宿主細胞はタンパク質の
翻訳後プロセッシングおよび修飾のための特定の機構を
もっている。発現された外来タンパク質の正しい修飾お
よびプロセッシングを確実にするために、適当な細胞系
列または宿主系が選択される。 3.3 TAF−1遺伝子産物を発現するトランスフェ
クタントまたは形質転換体の同定およびTAF−1の単
TAF−1コード配列を含みかつ生物学的に活性なTA
F−1遺伝子産物を発現する宿主細胞は少なくとも4つ
の一般的な方法により同定できる:(a)DNA−DN
Aハイブリダイゼーション;(b)“マーカー”遺伝子
機能の有無;(c)宿主細胞内でのTAF−1 mRN
A転写物の発現により測定される転写レベルの評価;お
よび(d)イムノアッセイまたは生物学的活性により測
定されるTAF−1遺伝子産物の検出。
【0035】第一の方法では、発現ベクターに挿入した
植物TAF−1コード配列の存在を、実質的に図3,4
に示した植物TAF−1コード配列またはその一部もし
くは誘導体に相同なヌクレオチド配列から成るプローブ
を使って、DNA−DNAハイブリダイゼーションによ
り検出することができる。第二の方法では、ある種の
“マーカー”遣伝子機能(例えば、チミジンキナーゼ活
姓、抗生物質耐性、メトトレキセート抵抗性、形質転換
表現型、バキュロウイルスにおける封入体の形成など)
の有無に基づいて、組み換え発現ベクター/宿主系を同
定・選択することができる。例えば、TAF−1コード
配列をベクターのマーカー遺伝子配列内に挿入する場合
は、マーカー遺伝子機能の不在によってTAF−1コー
ド配列を含む形質転換体を同定できる。また、マーカー
遺伝子を植物TAF−1コード配列の発現を制御するた
めに用いたプロモーターと同一のまたは異なるプロモー
ターの支配下にTAF−1コード配列と直列に配置する
こともできる。誘導または選択に応答したマーカーの発
現はTAF−1コード配列の発現を示す。植物細胞およ
び植物においてプロモーター活性をモニターするのに特
に価値のあるこのようなマーカー遺伝子構築物の1つは
細菌のグルクロニダーゼ遺伝子(GUS)である(Je
fferson et al.,1987,EMBO
J.6:3901−3908)。
【0036】第三の方法では、ハイブリダイゼーション
検定によりTAF−1コード領域の転写活性が評価され
る。例えば、RNAを単離して、実質的に図3,4に示
したTAF−1コード配列またはその特定部分に相同な
プローブを使ってノザンブロット法により分析する。別
法として、宿主細胞の全核酸を抽出し、上記プローブを
用いるハイブリダイゼーションにより検定してもよい。
【0037】第四の方法では、TAF−1タンパク質産
物の発現が免疫学的に、例えばウェスターンブロット、
放射線免疫沈降のようなイムノアッセイ、エンザイムイ
ムノアッセイなどにより評価される。しかしながら、発
現系の成功を調べる最終試験は生物学的に活性なTAF
−1遺伝子産物の検出を含む。宿主細胞が遺伝子産物を
分泌する場合は、培養したトランスフェクタント宿主細
胞から得られた無細胞培地をTAF−1活性について検
定する。遺伝子産物が分泌されない場合は、細胞リゼイ
トを同様に検定する。いずれの場合にも、TAF−1活
性を検出するために、適切に標識されたまたは未標識の
DNA断片による組み換えTAF−1の部分精製を含め
て、多くのアッセイが使用される。 4. 遺伝子発現を高めるためのTAF−1の使用 TAF−1は植物細胞培養系またはトランスジェニック
植物においてTAF−1と結合するシス作用要素を含む
プロモーターにより制御される遺伝子の転写を刺激する
ために利用される。外因性TAF−1(上記セクション
3に従って生産されたもの)をこのような系に添加する
こともできるが、好適な実施態様では、TAF−1遺伝
子発現構築物(例えば、上記の構築物)がTAF−1結
合モチーフを含むプロモーターにより制御される対象の
遺伝子と共に細胞培養系またはトランスジェニック植物
に遺伝子工学的に挿入されるだろう。酵母、植物または
動物細胞培養物を含めた細胞培養系もしくはトランスジ
ェニック植物では、TAF−1の発現を誘導すると対象
の遺伝子の発現が上昇するだろう。
【0038】TAF−1により開始される二重発現系が
機能する組み合わせは数多くデザインすることができ
る。例えば、両方の構築物を同一のDNAベクターに直
列に配置してもよい。これとは別に、それぞれの構築物
を別々の選択マーカー遺伝子を含みうる別個のDNAベ
クターに配置してもよい。この組み合わせの配置内で、
両方の異種構築物は同一のまたは異なるプロモーター系
により駆動されるだろう(種々のプロモーター系の議論
については上記セクション3.2を参照されたい)。T
AF−1により活性化される異種プロモーター要素は、
TAF−1と結合することが知られているシス作用要素
を1以上のコピー数で保有する。当業者が利用しうる多
数の技術は植物細胞培養で使用するための、またはトラ
ンスジェニック植物を再生するための植物細胞の形質転
換を可能にするだろう。両方の構築物は対象の植物種に
同時に形質転換されるか、あるいはトランスジーン構築
物の一方を含む安定した形質転換系列からの細胞が2回
目の形質転換の標的になるだろう。いくつかの植物形質
転換方法が以下に記載するように利用できる。
【0039】この二重遺伝子発現系は他の真核細胞系や
原核細胞系でも機能するだろう。例えば、末端切断TA
F−1コード領域と調節または制御すべき遺伝子は、酵
母発現プラスミドや酵母組込みプラスミドに含まれるプ
ロモーターに融合することができる。その後、これらの
構築物を使って適当なSaccharomycesce
revisiae宿主を形質転換する。得られた形質転
換細胞を培養下で増殖させて対象の遺伝子を発現させ
る。この例は他の真核発現系ばかりでなく大腸菌や枯草
菌(B.subtilus)のような原核生物による発
現にも及ぶ。
【0040】本発明のいくつかの実施態様では、植物に
本発明の組み換え構築物を導入するためにAgroba
cterium tumefaciens遺伝子伝達系
を使用する。一般に、この系はDNAを双子葉植物に伝
達するために利用される(Bevan et al.,
1982,Ann.Rev.Genet.16:357
−384;Rogers et al.,1986,M
ethods Enzymol.118:627−64
1;Fraley et al.,1986,CRC
Crit,Rev.Plant Sci.4:1−4
6;Hooykaas et al.,1984,Ad
v.Genet.22:210−283;Nester
et al.,1984,Ann.Rev.Plan
t.Physiol.35:387−413)。このた
めに、植物形質転換用のAgrobacteriumベ
クター(これに限定されない)のようなベクター、例え
ばBevan(1984,Nucl.Acids Re
s.12:8711−8721)により開示されたベク
ターが使用される。Nicotiani tobacu
xanthiはHorsch et al.(19
85,Science227:12229−1231)
に記載されるような葉接種法により形質転換してもよ
い。
【0041】特に、組み換え構築物を使ってトランスジ
ェニック単子葉植物をつくる場合には、別のDNA導入
法が使用される。この種の方法には、限定するものでは
ないが、裸のDNAのポリ(エチレングリコール)およ
びカルシウム媒介取り込み(Hain et al.,
1985,Mol Gen.Genet.199:16
1−168;Paszkowski et al.,1
984,EMBO J.3:2717−2722;Po
trykus et al.,1985,Mol.Ge
n.Genet.199:169−177)、 エレク
トロポレーション(Fromm et al.,198
5,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
82:5824−5828)、マイクロインジェクショ
ンおよび粒子加速ガンが含まれる。
【0042】成功した形質転換体を同定するためには、
選択マーカーやリポーター遺伝子を含む追加の構築物を
使って宿主細胞を形質転換することが望ましいかもしれ
ない。追加の構築物は対象の遺伝子またはTAF−1を
含む構築物と別々に、または直列に連結して導入するこ
とができる。直列に構築しない場合でも、選択マーカー
やリポーター遺伝子機能の発現がプロモーター活性の指
標として役立ち、これにより対象の遺伝子またはTAF
−1コード配列が確かに転写されるという証拠をもたら
すように、追加の構築物は同じプロモーター系を利用す
ることができる。選択マーカーには抗生物質耐性(例え
ば、カナマイシン耐性)を生じさせる遺伝子、またはリ
ポーター遺伝子をコードするもの、例えば以下の実施例
で使用するクロラムフェニコールアセチルートランスフ
ェラーゼ(CAT)遺伝子、β−グルクロニダーゼ遺伝
子(Jefferson,1987,Plant Mo
l.Bio.Rep.5:387−405)、ネオマイ
シンホスホトランスフェラーゼ(NPT II)遺伝
子、およびルシフェラーゼ遺伝子(Owet al.,
1986,Science 234:856−859)
が含まれ、これらに限定されない。その後、当分野で知
られた方法を使ってリポーター遺伝子発現の検出を行
う。
【0043】また、形質転換体はサザンブロット法のよ
うな外来DNA配列の同定法を用いて組み換え構築物の
存在を検査してもよい。組み換え構築物の転写は形質転
換体からDNAを単離し、期待された転写物をノザンブ
ロットまたはRNA保護によりスクリーニングして検出
する。同様に、目的タンパク質の翻訳はタンパク質ゲル
電気泳動、ウェスターンブロット法、免疫沈降またはエ
ンザイムイムノアッセイにより検出できる。
【0044】類似の技術を使って、対象の遺伝子または
TAF−1コード配列の転写の指標となりうるRNA、
タンパク質、選択マーカー、またはリポーター遺伝子の
存在を調べることによっても、特定の植物器官または組
織における本発明の組み換え構築物の発現を検出するこ
とができる。以下の実施例には、1コピーから数コピー
のモチーフI様配列を含むCaMV35Sの−90プロ
モーターの下流に融合したリポーター遺伝子GUSを用
いて、TAF−1の効果を例示してある。一般に、この
35S−GUSトランスジーンは葉組織で低レベルの発
現を示す。しかしながら、35S−TAF−1構築物を
トランスジェニック葉細胞中で一時的に発現させると、
35S−GUS発現の増加が付随して起こる。粒子衝撃
法を使って葉細胞に35S−TAF−1プラスミドを伝
達したが、本発明はこれに限定されない。両方の構築物
(すなわち、プロモーター配列により制御される対象の
遺伝子とプロモーター配列により制御されるTAF−1
コード配列)は対象の種に安定した状態で形質転換さ
れ、その後のトランスジェニック植物はそれ以上遣伝子
操作することなく利用される。異種遺伝子発現を高める
この二重系を実施するために、一時的発現、安定した形
質転換、形質転換方法のいろいろな組み合わせが可能で
あり、当業者には明らかであるだろう。
【0045】
【実施例】TAF−1の特性決定 タバコ核抽出物はイネrab遺伝子とワタlea遺伝子
に保存されているモチーフI配列(5’GTACGTG
GCG 3’)に特異的に結合する因子を含んでいる
(Yamaguchi−Sinozaki et a
l.,1990,Plant Mol.Biol.1
4:29−39)。下記のサブセクションでは、タバコ
cDNA発現ライブラリーから、TAF−1と呼ばれる
タンパク質の末端切断誘導体をコードする部分cDNA
クローンを単離した。末端切断TAF−1(分子量=2
6,000)はそのN−末端に酸性領域を、そのC−末
端にbZipモチーフを含む。プローブとしてモチーフ
I突然変異体のパネルを使うことにより、本発明者ら
は、モチーフIに関して末端切断TAF−1とタバコ核
因子が、同一でないにしても、類似した結合特異性を有
することを突き止めた。特に、両者はG−ボックスモチ
ーフとしても知られる完全なパリンドローム5′GCC
ACGTGGC 3′に対して高親和結合を示す(Gi
uliano etal.,1988,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 85:7089−7
093)。TAF−1 mRNAは根で豊富に発現され
るが、そのレベルは茎や葉では少なくとも10倍低い。
この観察と一致して、本発明者らは、モチーフIテトラ
マーが、CaMV 35Sプロモーターの−90誘導体
に融合したとき、トランスジェニックタバコの葉で不活
性であることを見いだした。しかしながら、この活性は
末端切断TAF−1の一時的発現により高めることがで
きる。これらの結果から、我々はTAF−1がG−ボッ
クスおよび関連モチーフに結合して転写活性因子として
機能すると結論づけた。材料および方法 1. TAF−1組み換えファージの単離 2日間暗室で順応させたタバコの苗(Nicotian
a tabacumcv.SR1)から調製したポリA
RNAを使って、λ zapベクターにランダム−プ
ライムド(random−primed)cDNAライ
ブラリーを構築した。増幅したライブラリーはrab1
6Bの−275から−206にわたる標識オリゴヌクレ
オチド断片を用いてスクリーニングした(図1)。我々
は本質的にKatagiri et al.,(198
9,Nature 340:727−730)がわずか
な変更を加えたSingh et al.,(198
8,Cell 52:415−423)のスクリーニン
グプロトコールを採用した。 2. ヌクレオチド配列解析 ファージIR408を感染させた後の大腸菌HB101
から一本鎖鋳型を調製した(Russel et a
l.,1986,Gene 45:333−338)。
共通プライマーと合成プライマーを使ってSequen
ase TMシークエンシングキット(USB)により
両鎖のヌクレオチド配列を決定した。配列データはIB
MPS12コンピュータでDNASISおよびPROS
ISプログラム(Hitachi)により解析した。 3. ゲル移動度−シフト検定 ゲル移動度−シフト検定はGreen et al.,
(1987,EMBOJ.6:2543−2549)に
従って行った。検定混合物は5μlのB緩衝液(20m
M HEPES−KOH,pH7.5)、40mM K
Cl、1mMEDTA、10%グリセロール、および
0.5mM DTT中にタバコ核抽出物(7.5μgタ
ンパク質)または大腸菌抽出物(5μgタンパク質)、
0.2ngの結合プローブ(2x10cpm)、およ
び5μgのポリ(dI−dC)を含んでいた。タバコ核
抽出物は記載される通りに調製した(Green et
al.,1987,前掲)。組み換えプラスミドを含む
大腸菌細胞は初期対数期へ増殖させ、2mM IPTG
と共に4時間インキュベートした。細胞を集め、緩衝液
A(50mM トリス−HCl,pH7.5,20%グ
リセロール,1mM EDTA,5mM DTT)に再
懸濁した。この懸濁液に超音波処理を施し、ホモジネー
トを10,000 x gで15分間遠心した。上清画
分をアリコートに分割し、液体窒素中で凍結し、−80
℃で貯蔵した。オリゴヌクレオチドはApplied
Biosystems Model 380A DNA
合成機で合成した。全長産物を変性ポリアクリルアミド
ゲルで精製し、アニーリングし、pEMBL12+誘導
体のHindIII/XhoI部位にクローニングした
(Dante et al.,1983,Nuclei
c Acid Research 11:1645−1
655)。オリゴヌクレオチド挿入物を含むプラスミド
DNA はHindIIIとXhoIで消化し、修復
(fill−in)反応により標識した。標識挿入物は
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製し、結合プロー
ブとして使用した。 4. 組み換えTAF−1の部分精製 上記のように調製した大腸菌抽出物10mlに硫酸アン
モニウム2.43gを30分かけて徐々に加え、40%
飽和を得た。15,000 × gで30分間遠心して
タンパク質沈殿物を集め、これを1.25mlの緩衝液
Aに再懸濁し、20mM NaClを含む緩衝液Aに対
して200mlずつ3回変えて4時間透析した。透析
後、抽出物を微量遠心機で10分間遠心し、不溶性物質
を除いた。上清画分はアリコートに分割し、液体窒素中
で凍結し、−80℃で貯蔵した。 5. ノザンおよびサザン分析 ポリRNAを調製し(Katagiri et a
l.,1989,Genes and Develop
ment 4:1899−1909;Nagy et
al.,1988,In Plant Molecul
ar Biology Manual,eds.Gel
vin,S.V.and Schilperoort,
R.A.,Kluwer,Dordrecht,Vo
l.B4,pp.1−29)、ホルムアルデヒドゲルで
分離し、Nitranフィルターにブロットした。フィ
ルターはcDNAクローン5aまたはβ−ATPase
cDNA(Boutry and Chua,198
5,EMBO J.4:2159−2165)の標識E
coRI断片(1.2Kb)と6 × SSC、超音波
処理サケ精子DNA、0.5% SDS、0.2%フィ
コールを含む溶液中37℃で24時間ハイブリダイズさ
せた。フィルターを0.1 × SSC中で65℃にて
洗い、オートラジオグラフィーを行った。タバコの葉か
ら高分子量DNAを単離し(Ausubel et a
l.,1987,Current Protocols
in Molecular Biology,Wil
ey,NewYork)、そしてサザンブロット分析を
Maniatis et al.,1982,Mole
cular Cloning:A Laborator
yManual,Cold Spring Harbo
r Laboratory,Cold Spring
Harbor,New Yorkに記載される通りに行
った。 6. トランスジェニック植物の作製 野生型および突然変異モチーフI(図1)のテトラマー
をベクターX−GUS−90の上流に配置した(Ben
fey et al.,1989,EMBOJ.8:2
195−2202)。この組み換えプラスミドベクター
を保有するAgrobacterium tumefa
ciens(GV311SE)細胞をNicotian
a tabacum cv.SRlの葉盤に接種し、発
生した芽をカナマイシン(200μg/ml)含有培地
で選択した(Horsch et al.,1985,
Science,227:1229−1231)。根の
形成後、トランスジェニック苗を土に移し、温室で生育
させた。R−0植物を自家受粉させ、R−1種子および
苗を実験に使用した。 7. β−グルクロニダーゼ(GUS)酵素検定 タバコ抽出物中のGUS酵素活性は本質的に記載される
通りに測定した(Jefferson et al.,
1987,EMBO J.6−3901−3907)。
Perkin−Elmer LS5蛍光計を使って蛍光
を測定した。蛍光強度の較正のために0.2M炭酸ナト
リウム中の100mM4−メチルウンベリフェロン(M
U)の溶液を使用した。GUS活性の組織化学的染色は
発表されたプロトコールに従った(Jefferson
et al.,1987,前掲;Benfey et
al.,1989,EMBO J.8:2195−2
202)。 8. 高速度粒子衝突 5μgのプラスミドDNAをタングステン粉末に被覆
し、Konstantin Goulianos教授
(ロックフェラー大学、実験物理学研究所)により考案
された自家製の装置を使ってタングステン粒子の高速度
加速により葉切片に伝達した。この装置はKlein
et al.,1988,Bio/Technolog
y 6:559−563;Klein et al.,
1989,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 86:6681−6685に記載された原理に基
づいている。衝突後、葉切片を湿った暗室において室温
で12時間インキュベートし、次いでGUS活性を測定
した。
【0046】
【結果】 1. タバコ因子は保存されたモチーフIに結合する イネrab16遺伝子(A、B、CおよびD)の上流領
域は、イネ核タンパク質の結合部位として働くモチーフ
I、GTACGTGGCG、と呼ばれる保存配列を含む
(Mundy J.,et al.,1990,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 87:40
6−410;Yamaguchi−Shinozaki
et al.,1990,Plant Mol.Bi
ol.14:29−39)。このモチーフIは他のAB
A反応性遺伝子の上流領域にも見られる(Skrive
n and Mundy,1990,Plant Ce
ll 2:503−512を参照されたい)。rab1
6Bの場合、モチーフIは−275から−206にわた
る70−bp領域内にある(図1)。タバコの葉から調
製した核抽出物を用いるゲル移動度シフト検定において
この70−bp断片をプローブとして使うと、移動度を
増す順序にIおよびIIと名づけた2つの複合体が見ら
れた(図2)。複合体の一方がモチーフIとの特異的相
互作用により生じたかどうか調べるために、我々はモチ
ーフIとその突然変異誘導体のテトラマーを合成し(図
1)、それらをゲル移動度シフト検定において競合物質
として使用した。図2から、より遅く泳動する複合体I
は野生型による競合に対して敏感であるが、突然変異体
のテトラマーには敏感でないことが分かる。これらの結
果は、タバコの葉の核抽出物がイネrab16Bの保存
されたモチーフIと特異的に結合する因子を含むことを
明らかにした。 2. モチーフIに結合するタンパク質をコードするc
DNAクローンの単離 我々はrab16Bの70−bp断片(図1)をプロー
ブとして使用してタバコの葉のcDNA発現ライブラリ
ーをスクリーニングした。陽性クローンはrab16プ
ロモーターからのモチーフIヌクレオチドプローブ(図
1)と結合するものである。1つの陽性クローン、5
a、が500,000個の組み換えファージのスクリー
ニングから得られた。5aのcDNA挿入物をSK
(−)プラスミドにサブクローニングし、組み換えプラ
スミドp5aをその後の実験に使用した。
【0047】cDNA挿入物の全ヌクレオチド配列はジ
デオキシ法により決定した(図3−7)。この挿入物は
我々が試験的に最初のアミノ酸残基と定めたアラニンか
ら出発する265個のアミノ酸のオープン・リーディン
グ・フレームをコードする1,345−bpの部分cD
NAを含む。推定アミノ酸配列の分析から、コード化タ
ンパク質はそのC−末端にヘプタドリピート(hept
ad repeats)として配置された6個のロイシ
ン残基(No.222,229,236,243,25
0,257)を含むことが判明した。さらに、塩基性ア
ミノ酸(残基196−215)もロイシンリピートのN
−末端に隣接して延在している。これらの2つの構造モ
チーフ、塩基性ドメインとロイシンジッパー、はbZi
pタンパク質と呼ばれるクラスの転写因子に特徴的であ
る(Vinson et al.,1989,Scie
nce 246:911−916)。このグループのタ
ンパク質の場合、塩基性ドメインがDNA結合に関与し
(Talanian etal.,1990,Scie
nce 249:769−771)、一方ロイシンリピ
ートが2量体形成に関与することが知られている(0′
Neil etal.,1990,Science 2
49:774−778)。コード化タンパク質の別の特
徴は、Ala−1からPro−107までのN−末端領
域が7の負の実効電荷をもつことである。この領域も高
比率のセリンとトレオニンを含んでいる。酸性残基およ
び/またはヒドロキシアミノ酸に富むトランス因子のド
メインは転写活性化に関係していた(Johnson
and McKnight,1989,Ann.Re
v.Biochem 58:799−839を参照)。
便宜上、ここではこの部分cDNAによりコードされる
タンパク質を末端切断TAF−1と呼ぶことにする。
【0048】タバコゲノム中の多くの遺伝子がTAF−
1遺伝子とどのような関係にあるのかを調べるために、
TAF−1部分cDNAの1.2Kb EcoRI断片
(図6)をプローブとして使用してサザンブロットハイ
ブリダイゼーションを行った。HindIII(図5、
レーン1)またはEcoRI(図5,レーン2)で消化
したゲノムDNAを用いて、2本のハイブリド形成バン
ドが得られた。これらの結果はTAF−1が1個または
2個の遺伝子によりコードされるらしいことを示唆して
いる。 3. 末端切断TAF−1のDNA結合特異性 p5aによりコードされるタンパク質産物が実際にDN
Aと結合するかどうかを調べるために、IPTG誘導の
前後に発現ベクターpSK(−)を保有する大腸菌から
抽出物を調製した。このベクターでは、おそらく部分T
AF−1コード配列のMet−22が分子量約26,0
00のN−末端切断TAF−1を生産するためのイニシ
エーターメチオニンとして使用された。抽出物はゲル移
動度シフト検定によりモチーフI野生型および突然変異
テトラマーを使って試験した。図7から明らかなよう
に、野生型テトラマーはIPTG誘導細胞からの抽出物
とインキュベートしたときに特異的複合体を形成するが
(レーン2)、非誘導細胞からの抽出物とは形成しなか
った(レーン1)。また、抽出物は突然変異テトラマー
とは特異的複合体を形成しなかった(図7、レーン3お
よび4)。これらの結果は、p5a部分cDNA挿入物
によりコードされる組み換えタンパク質がモチーフIと
特異的に結合し、従ってその全長産物TAF−1がモチ
ーフI因子の有望な候補であることを示している。野生
型テトラマーは4コピーのモチーフIを含むので、この
プローブにより複数の複合体が得られることは意外なこ
とではなかった(図7、レーン2)。 4. TAF−1の結合部位配列特異性 TAF−1との相互作用に重要なモチーフI中のヌクレ
オチドを規定するために、連続2−bp置換変異を含む
一組のモチーフI突然変異体を合成した。末端切断TA
F−1と結合するこれらの突然変異体の能力はゲル移動
度シフト検定で調べた。末端切断TAF−1は完全なb
Zipドメインを含むので、これらの実験では、そのD
NA結合特異性が全長産物と変わらないと仮定した。モ
チーフIの中央の6個のヌクレオチドの突然変異(M
2、M3およびM4)は結合を事実上失わせ、最後の2
個のヌクレオチドの突然変異(M5)はTAF−1結合
を非常に低下させることが判明した(図8)。対照的
に、最初の2個のヌクレオチドの突然変異を含むM1は
同一因子に対する親和性の増加を示した。
【0049】M1配列の詳細な分析により、それはペチ
ュニアrbcS−611遺伝子の−190に存在するG
−ボックスモチーフと同一の、10−ヌクレオチドパリ
ンドローム配列(PA)GCCACGTGGC(図1
1)と9個のヌクレオチドを共有することが明らかにな
った(Tumer et al.,1986,Nucl
eic Acids Research 14:332
5−3342)。bZipタンパク質はそれらの標的D
NA部位に2量体として結合するので、TAF−1がパ
リンドローム配列を優先しうると仮定することは理に適
っている。この可能性を調べるために、本発明者らは、
PAと末端切断TAF−1の相互作用をゲル移動度シフ
ト検定により証明した。我々は、野生型テトラマーと比
べて、PAテトラマーが実際にTAF−1に対してより
高い親和性を示すことを見いだした(図9)。
【0050】TAF−1に対するWT、PA、およびM
1−M5の相対親和性を評価するために、プローブとし
て野生型テトラマーを、競合物質として非標識PAまた
は突然変異テトラマーを使用した。図10から分かるよ
うに、200ngの野生型で約50%の競合が得られた
が、同程度の競合を得るのに60ngのM1および3n
gのPAだけで十分であった。これらの結果は、PAお
よびM1に対するTAF−1の結合親和性が、WTに対
するよりも、それぞれ約66および3.3倍高いことを
示唆している。突然変異体M5はWTと比べてこの競合
検定においてわずかに効力が劣っていた。残りの突然変
異体M2、M3、およびM4は200ng以上の濃度で
競合物質としての効力がなかった。
【0051】競合実験から得られた結果(図10)は直
接結合から得られた結果(図8および9)と一致し、そ
れらを図11に要約してある。相対結合親和性とPA、
WT、および種々の突然変異体のヌクレオチド配列との
比較は、PAがTAF−1に対して最大親和性をもつこ
とを示している。さらに、結合親和性はヌクレオチド誤
対合の程度が増えるにつれて低下すると思われる。 5. 核モチーフI因子の結合部位配列特異性 核モチーフI因子(図1C)と組み換えTAF−1(図
7)は両方ともモチーフIに対して配列特異的結合を示
したが、それらが実際に同一の因子であるのか知られて
いなかった。この点を解明するために、我々は、プロー
ブとしてモチーフIを競合物質として突然変異体のバネ
ル(図11)を使って、ゲル移動度シフト検定により核
モチーフI因子の結合部位配列条件を調べた。この技術
の感度限界内で、核因子により得られた結果(図12)
は末端切断TAF−1の場合に得られた結果(図10)
とほぼ同じであった。これらの結果から、全長TAF−
1は核モチーフI因子の候補であるか、またはその重要
な成分であると結論づけられた。 6. 末端切断TAF−1はhexモチーフにも結合す
TAF−1の塩基性領域はHBP−1の対応領域と顕著
な相同を示す(図13)。HBP−1はコムギヒストン
H3プロモーターの−171に存在する保存されたヘキ
サマー(hex)配列と相互作用するコムギDNA結合
タンパク質である(Tabata et al.,19
89,Science 245:965−967)。こ
の観察から、組み換えTAF−1がこの配列に結合する
かどうか調べることになった。図15は、大腸菌により
生産された末端切断TAF−1が実際にコムギヒストン
H3プロモーターの−180から−160の領域に結合
することを示している(レーン1と2)。位置−168
から−170の3−bp突然変異はこの結合を大いに失
わせたので、この結合は完全なhex配列に依存してい
た(レーン3と4)。 7. TAF−1 mRNAの発現パターン 図16の上のパネルは、TAF−1 mRNAが根で発
現されるが、茎や葉では検出されないことを示してい
る。しかしながら、同一のオートラジオグラムに比較的
長く露光すると、これらの2つの試料中に同じサイズの
かすかなバンドが現れた。我々は、茎や葉と比べて、根
にはTAF−1 mRNAが約10−20倍多く存在す
ると概算した。対照として、構成的に発現されるβ−A
TPase遺伝子のmRNA(Boutry and
Chua,1985,EMBO J.4:2159−2
165)は他の2つの器官よりも根に約2倍多く存在す
る(図16、下のパネル)。
【0052】TAF−1 mRNAのサイズは2.2K
bであるので、この遺伝子の3′部分をコードする我々
の部分cDNAクローンからは約0.8KbのTAF−
1配列が欠失していると概算された。 8. TAF−1はトランス作用因子である 組み換えTAFがin vivoで転写活性因子として
機能するかどうかを調べるために、4コピーのWTモチ
ーフI配列または4コピーのモチーフI突然変異配列を
含む二本鎖オリゴヌクレオチドを合成した。これらのテ
トラマーは−90 CaMV 35Sプロモーターの上
流に別々に配置した(Benfey et al.,1
989,EMBO J.8:2195−2202)。両
方の場合に、リポーター遺伝子として細菌β−グルクロ
ニダーゼ(GUS)コード配列を使用した。タバコにこ
れらのキメラ遺伝子を移入し、各構築物の個々のトラン
スジェニック植物についてGUS活性を分析した。
【0053】WTモチーフIテトラマーはトランスジェ
ニック植物の葉において活性を殆どまたは全く与えず、
一方突然変異テトラマーは不活性であることが見いださ
れた(表2)。ABAを添加しても、いずれかの構築物
を含むトランスジェニック植物の葉におけるGUS活性
(表2)またはmRNAレベルに対して顕著な効果はな
かった。
【0054】
【表2】X−GUS90に融合したモチーフIテトラマ
ー(A)またはX−GUS90に融合した突然変異テト
ラマー(B)を含むトランスジェニック植物からの成熟
葉(約8cm × 4cm)を切断して2つの切片を得
た。一方の切片にはpMON505を被覆したタングス
テン粒子を衝突させ(Benfey et al.,1
989,EMBO J.8:2195−2202)、他
方の切片には35S:5a−cDNAキメラ遺伝子を含
むpMON505誘導体を衝突させた。後者はCaMV
35Sプロモーター(−343から+8)、部分TA
F−1 cDNA、およびrbcS−E9 3′ポリア
デニル化シグナルを含んでいた。その後、葉切片を暗室
にて水または10−4M ABA中室温で24時間イン
キュベートした。衝突させていない葉切片は対照として
使用した。GUS活性はJefferson et a
l.(1987,EMBO J.6:3901−390
7)に従って測定し、pmole 4−メチルウンベリ
フェロン/mgタンパク質/minとして表した。表示
した結果は(A)については4つの独立した実験を、
(B)については3つの独立した実験を表している。
【0055】モチーフIがもたらした葉における低発現
レベルは、この器官の細胞中にその同族の転写活性因子
が低濃度で存在するためであろう。これはまた葉の低い
TAF−1 mRNAとも一致する(図16)。末端切
断TAF−1がin vivoでモチーフIに結合して
トランス作用因子として機能するならば、TAF−1の
過剰発現によって葉でのGUS発現を高めることができ
るだろう。この仮説を試験するために、本発明者らはC
aMV 35Sプロモーター(−343から+8)と部
分TAF−1 cDNAコード配列から成るキメラ遺伝
子を構築した。このキメラ遺伝子を含むプラスミドDN
Aは、モチーフIテトラマー−GUSトランスジーンを
保持するトランスジェニック葉の細胞に高速衝突により
導入した。上記表1から、35S/TAF−1エフェク
タープラスミドの衝突は実際に葉の中でGUS発現を約
10−15倍高めるが、ベクターDNAだけでは2倍以
下の刺激しか与えないことが分かる。ほんの一部の葉細
胞だけがエフェクタープラスミドを受け取ったので、3
5S/TAF−1構築物による活性化の実際の量はもっ
と高かった。突然変異モチーフIテトラマーを保持する
トランスジェニック植物の葉は同じエフェクタープラス
ミドに応答しなかったので、GUS発現はモチーフIに
結合するTAF−1の能力に依存していた。我々はま
た、モチーフIとTAF−1によってもたらされる葉で
のGUS発現がABA処理によりどのように影響される
のかを調べた。表2は、ABA処理試料と対照試料との
間でGUS活性に有意差がないことを示している。
【0056】本発明の特定の実施態様について説明して
きたが、機能的に均等な変更が本発明の範囲内に含まれ
ることを理解すべきである。実際、当業者には、ここに
開示したもののほかに本発明のいろいろな修飾が前記の
詳細な説明および添付図面から明らかになるだろう。こ
のような修飾も特許請求の範囲に含めるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゲル移動度シフト検定に使用したプローブを
示す図。
【図2】 プローブAを使用するタバコ核抽出物のゲル
移動度シフト検定を示す電気泳動図。
【図3】クローン5aのヌクレオチド配列と推定アミノ
酸配列を示す図。
【図4】クローン5aのヌクレオチド配列と推定アミノ
酸配列を示す図(続き)
【図5】TAF−1をコードする核遺伝子のサザンブロ
ット分析を示す電気泳動図。
【図6】cDNAクローン5aの制限地図を示す図。
【図7】クローン5aによりコードされるタンパク質産
物のDNA結合特異性を調べるゲル移動度シフト検定を
示す電気泳動図。
【図8】モチーフIの突然変異体とTAF−1との相互
作用を調べるゲル移動度シフト検定を示す電気泳動図。
【図9】プローブとしてWTモチーフI、突然変異体M
1、完全パリンドローム(PA)を使用する末端切断T
AF−1のゲル移動度シフト検定を示す電気泳動図。
【図10】WTモチーフIと関連配列に対するTAF−
1の相対結合親和性を調べるゲル移動度シフト検定を示
す図電気泳動。
【図11】WTモチーフI、突然変異体M1−M5、お
よび完全パリンドローム(PA)のヌクレオチド配列を
示す図。
【図12】WTモチーフIと関連配列に対する核モチー
フI因子の相対結合親和姓を調べるゲル移動度シフト検
定を示す電気泳動図。
【図13】植物bZipタンパク質の塩基性ドメインの
アミノ酸配列の比較を示す図。
【図14】植物bZipタンパク質のロイシンリピート
のアミノ酸配列の比較を示す図。
【図15】プローブとしてコムギヒストンH3プロモー
ターのhexモチーフを使用するIPTG誘導または非
誘導培養物からの大腸菌抽出物のゲル移動度シフト検定
を示す電気泳動図。
【図16】プローブとしてTAF−1 cDNA(上段
パネル)とβ−ATPase cDNA(下段パネル)
を使用するタバコ植物の異なる器官に含まれるTAF−
1 mRNAのノザンブロット分析を示す電気泳動図。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/12 C12P 21/02 C 8214−4B //(C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸残基番号1 からアミノ酸残基番
    号254 までの実質的に図2Aに示したアミノ酸配列を有す
    る植物トランス作用因子TAF-1 。
  2. 【請求項2】 ヌクレオチド残基番号1 からヌクレオチ
    ド残基番号903 までの実質的に図2Aに示したヌクレオチ
    ド配列を有する、植物トランス作用因子TAF-1 をコード
    する実質的に純粋なヌクレオチド配列。
  3. 【請求項3】 請求項2のTAF-1 ヌクレオチド配列を含
    む組み換えDNA ベクター。
  4. 【請求項4】 TAF-1 ヌクレオチド配列が宿主細胞中で
    のTAF-1 ヌクレオチド配列の発現を調節する第二の配列
    により制御される、請求項3の組み換えDNAベクター。
  5. 【請求項5】 ヌクレオチド残基番号1 からヌクレオチ
    ド残基番号903 までの実質的に図2Aに示したヌクレオチ
    ド配列から成る、植物トランス作用因子TAF-1 をコード
    するヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
  6. 【請求項6】 TAF-1 ヌクレオチド配列が宿主細胞中で
    のTAF-1 ヌクレオチド配列の発現を調節する第二の配列
    により制御される、請求項5の宿主細胞。
  7. 【請求項7】 さらに対象の遺伝子を含み、その対象の
    遺伝子の発現が、宿主細胞によってTAF-1 が発現される
    とき高まるように、TAF-1 の結合部位を含む調節配列に
    より制御される、請求項6の宿主細胞。
  8. 【請求項8】 培養植物細胞である、請求項5、6また
    は7の宿主細胞。
  9. 【請求項9】 対象の遺伝子の発現を制御する調節配列
    は1 以上のコピー数のヌクレオチド配列: RTACGTGGR ( ここでR はプリンヌクレオチドを表す) を含む、請求
    項7の宿主細胞。
  10. 【請求項10】 第二トランスジーンのプロモーター要
    素である対象の遺伝子を制御する調節配列は1 以上のコ
    ピー数のヌクレオチド配列: GCCACGTGGC を含む、請求項7の宿主細胞。
  11. 【請求項11】 対象の遺伝子の発現を制御する調節配
    列は1 以上のコピー数のヌクレオチド配列: GCAACGTGGC を含む、請求項7の宿主細胞。
  12. 【請求項12】 第二トランスジーンのプロモーター要
    素である対象の遺伝子を制御する調節配列は1 以上のコ
    ピー数のヌクレオチド配列: GGTACGTGGC を含む、請求項7の宿主細胞。
  13. 【請求項13】 第二トランスジーンのプロモーター要
    素である対象の遺伝子を制御する調節配列は1 以上のコ
    ピー数のヌクレオチド配列: CGTACGTGGG を含む、請求項7の宿主細胞。
  14. 【請求項14】 ヌクレオチド残基番号1 からヌクレオ
    チド残基番号903 までの実質的に図2Aに示したヌクレオ
    チド配列から成る、植物トランス作用因子TAF-1 をコー
    ドするヌクレオチド配列を含むトランスジェニック植
    物。
  15. 【請求項15】 TAF-1 ヌクレオチド配列がトランスジ
    ェニック植物中でのTAF-1 ヌクレオチド配列の発現を調
    節する第二の配列により制御される、請求項14のトラ
    ンスジェニック植物。
  16. 【請求項16】 さらに対象の遺伝子を含み、その対象
    の遺伝子の発現が、トランスジェニック植物によってTA
    F-1 が発現されるとき高まるように、TAF-1の結合部位
    を含む調節配列により制御される、請求項15のトラン
    スジェニック植物。
  17. 【請求項17】 対象の遺伝子の発現を制御する調節配
    列は1 以上のコピー数のヌクレオチド配列: RTACGTGGR ( ここでR はプリンヌクレオチドを表す) を含む、請求
    項16のトランスジェニック植物。
  18. 【請求項18】 対象の遺伝子の発現を制御する調節配
    列は1 以上のコピー数のヌクレオチド配列: GCCACGTGGC を含む、請求項16のトランスジェニック植物。
  19. 【請求項19】 対象の遺伝子の発現を制御する調節配
    列は1 以上のコピー数のヌクレオチド配列: GCAACGTGGC を含む、請求項16のトランスジェニック植物。
  20. 【請求項20】 対象の遺伝子の発現を制御する調節配
    列は1 以上のコピー数のヌクレオチド配列: GGTACGTGGC を含む、請求項16のトランスジェニック植物。
  21. 【請求項21】 対象の遺伝子の発現を制御する調節配
    列は1 以上のコピー数のヌクレオチド配列: CGTACGTGGG を含む、請求項16のトランスジェニック植物。
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