JPH06230341A - 液晶光学素子の駆動方法 - Google Patents

液晶光学素子の駆動方法

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JPH06230341A
JPH06230341A JP3414393A JP3414393A JPH06230341A JP H06230341 A JPH06230341 A JP H06230341A JP 3414393 A JP3414393 A JP 3414393A JP 3414393 A JP3414393 A JP 3414393A JP H06230341 A JPH06230341 A JP H06230341A
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liquid crystal
driving
pulse
voltage
optical element
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JP3414393A
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Yoshinori Hirai
良典 平井
Satoshi Niiyama
聡 新山
Yutaka Kumai
裕 熊井
Tsuneo Wakabayashi
常生 若林
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AG Technology Co Ltd
Original Assignee
AG Technology Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶固化物複合体を用いた大面積の液晶光学シ
ャッタースクリーンのスイッチング時の特性を改善す
る。 【構成】正負の各駆動用主電圧パルスのほぼ先頭位置に
同極性の第1のパルスを重畳するか、または各駆動用主
電圧パルスの立ち下がり10%点以降に、直前の駆動用
主電圧パルスと逆極性の第2のパルスを印加する液晶光
学素子の駆動方法。 【効果】大面積の液晶パネルで均一な表示特性が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶光学素子を用いた光
の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶が固化物マトリクス中に分散
して保持され、少なくとも一方が透明な電極基板間に挟
持され、電圧を外部より対向電極間に印加し発生した電
界により光の散乱もしくは透過状態を制御することがで
きる液晶固化物複合体を用いた液晶光学素子が知られて
いる。
【0003】この液晶固化物複合体を用いた液晶光学素
子は、投射型表示装置、直視型表示装置用などのディス
プレイ素子、各種光学シャッター素子として応用され始
めてている。この型の液晶光学素子は、従来の液晶光学
素子(例えばツイステッドネマチック液晶セル:TN型
セル)と比較して透過状態で高い透過率を示し、応答時
間もTN型セルよりも早いといった特性上の特長を有し
ている。
【0004】さらに、液晶固化物複合体は自己保持性を
持つため、大面積のシャッター、表示素子などへの応用
も可能であるという特長を持っている。この大面積、高
いオフ時の散乱性、高速性、オン時の高い透過率、のす
べてを同時に利用した応用例としては、アイコンタクト
方式の双方向通信用スクリーンシャッター(例えば、S
ID’91Digest、p327:S.Shiwa
and M.Ishibasi)などが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】大面積の液晶固化物複
合体を用いた光学シャッターを高速にスイッチングする
場合、その応答性は液晶固化物複合体自体の応答性が、
大面積シャッターの静電容量と電極の抵抗成分による時
定数により大きく損なわれていた。そのため、いかに高
速でスイッチング可能な液晶固化物複合体を用いたとし
ても、実際のスイッチング時間は、かなり遅くなってし
まい、外部信号による同期がとれないということが課題
であった。
【0006】さらに、大面積の電極を用いるために、シ
ャッターの場所(面積上の位置)により応答特性が異な
っており、同時に全面をスイッチングすることは非常に
困難であった。このような課題の解決手段として、一般
に電極の抵抗値を低くし、液晶固化物複合体と電極によ
る時定数を小さくし、シャッターとしての実際の応答性
が用いられる液晶固化物複合体そのものの応答性に近づ
くようにすることが考えられる。
【0007】過渡応答特性に影響するITOなどの透明
電極の抵抗値を低減するには、その厚みを増して単位長
あたりの抵抗成分を低下することが必要となる。しか
し、この手段では、液晶光学素子の透過時における透明
電極での光の吸収成分が増えてしまい、大切な光透過率
が低下してしまうといった欠点が存在していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するべくなされたものであり、対向電極間に液晶が固化
物中に分散保持された液晶固化物複合体を挟持し、外部
から両極性の駆動電圧パルスを対向電極間に印加し、発
生した電界により液晶固化物複合体の光の透過または散
乱を制御する液晶光学素子の駆動方法において、正およ
び負の各駆動用主パルスを用い、正の駆動用主パルス幅
よりも短い幅を有する正の第1のパルスを、正の駆動用
主パルスの好ましくはほぼ先頭位置に重畳し、かつ、負
の駆動用主パルス幅よりも短い幅を有する負の第1のパ
ルスを、負の駆動用主パルスの好ましくはほぼ先頭位置
に重畳することを特徴とする液晶光学素子の第1の駆動
方法を提供する。
【0009】また、対向電極間に液晶が固化物中に分散
保持された液晶固化物複合体を挟持し、外部から両極性
の駆動電圧パルスを対向電極間に印加し、発生した電界
により液晶固化物複合体の光の透過または散乱を制御す
る液晶光学素子の駆動方法において、正および負の各駆
動用主パルスを用い、各駆動用主パルスの立ち下がり1
0%点以降に、直前の駆動用主パルスの極性と逆極性の
第2のパルスを印加することを特徴とする液晶光学素子
の第2の駆動方法を提供する。また、上記の液晶光学素
子の第1の駆動方法において、各駆動用主パルスの立ち
下がり10%点以降に、直前の駆動用主パルスの極性と
逆極性の第2のパルスを印加することを特徴とする液晶
光学素子の第3の駆動方法を提供する。
【0010】また、上記の液晶光学素子の第1〜第3の
いずれか1つの駆動方法において、用いる液晶光学素子
の、単位面積(1cm2 )あたりの静電容量C(F)、
電極材料のシート抵抗R(Ω/□)、対向電極の有効長
d(cm)によって決まる特性時間τが、 τ=C・R・d2 > 5×10-5 (sec) の関係を満たし、さらに、τと液晶の応答時間(オンか
らオフのスイッチング時間をT1 、オフからオンのスイ
ッチング時間をT2 とする)との間で、 T1 <20・τ (sec) または、 T2 <20・τ (sec) の関係を満たすことを特徴とする液晶光学素子の第4の
駆動方法を提供する。
【0011】また、この液晶光学素子の第4の駆動方法
において、正または負の第1のパルスの電圧値Va を駆
動用主パルスのオン電圧Vonの0.2倍以上の電圧値と
し、かつ駆動用主パルスの立ち上がりから2・τ以内の
期間に印加する、および/または、直前の駆動用主パル
スの極性と逆極性の第2のパルスの電圧値Vb をVonの
0.2倍以上の電圧値とし、かつ駆動用主パルスの立ち
下がりから2・τ以内の期間に印加する液晶光学素子の
駆動方法を提供する。
【0012】本発明の説明において、駆動電圧主パルス
とは単純に矩形である場合の他、一定の立ち上がり時間
や立ち下がり時間を有する台形上の波形や、うねりを重
畳したものを含む。実効的に本発明の効果が得られる範
囲で、パルス波形は変化してもよい。第1のパルスと第
2のパルスの波高値(電圧値)や、タイミング(駆動用
主パルスに対する位置)を微妙に調整することができ
る。
【0013】上述した、第1のパルスを駆動用主パルス
のほぼ先頭位置に重畳せしめたとは、駆動用主パルスの
パルストップ振幅より前であることを意味する。基本的
には第1のパルスと駆動用主パルスを印加することで液
晶パネル全面においての平均的な充電が達成されればよ
い。
【0014】本発明において、第1のパルスの電圧値V
a は、駆動用主パルスのトップ振幅に対する有効な上乗
せ分として定義している。また、第1のパルスは台形状
波形の駆動用主パルスの立ち上がりのランプ部に重畳せ
しめてもよい。ただし、立ち上がり0%点から所定の時
間内に、有効な電圧値(Va +Von)に達しなければな
らない。例えば矩形波を用いるとき、好ましくは時定数
2・τ以内に所要の電圧値(Va +Von)を印加するの
がよい。
【0015】この場合、第1のパルスと駆動用主パルス
との間にスパイクやオーバーシュートやリンギングのな
いことが望ましい。もちろん、わずかの波形歪みなどは
ほとんど実効上影響がない。
【0016】また、第2のパルスのタイミングは駆動用
主パルスの後に位置せしめられ、基本的には液晶パネル
全面においての平均的な放電が達成されればよい。第2
のパルスと駆動用主パルスとの間は電圧変化が大きいの
で、スパイクやオーバーシュートやリンギングのないこ
とが望ましい。もちろんわずかの波形歪みなどは実効上
問題がない。例えば矩形波を用いるとき、好ましくは時
定数2・τ以内に所要の電圧値(Vb )を印加するのが
よい。
【0017】また、駆動電圧パルスを取り出し電極間
(基板に設けられた透明な対向電極に接続されている)
に印加しても、実際には各場所における分布容量や電極
自身の抵抗成分で電圧波形が異なる。この場合は、少な
くとも入力前の無負荷状態での電圧波形自身が本発明で
定義する波形を有していればよい。さらに、実際に液晶
固化物複合体からなる液晶光学素子に接続し、負荷をと
もなった場合に、その各部の少なくとも1か所で本発明
で定義する電圧波形を具備していればよい。
【0018】従来の一般的な液晶技術、例えばTN型セ
ルなどに代表される液晶光学素子では、通常そのパネル
サイズは対角20インチ以下であり、また低抵抗の透明
電極を用いることが多いため、パネル自身の電気的時定
数は、十分に液晶自体の応答時間よりも短いのが常であ
った。
【0019】ここで、電気的時定数とは、液晶部分の静
電容量C(F)、透明電極の抵抗成分Rによって決まる
特性時間であり、このパネルへの電気的書き込みと消去
に要する時間に関するパラメータとなる。ここで、厳密
には、液晶の誘電率はその配列によって異なるのである
が、応答に関連する静電容量はオン状態、すなわち液晶
が電界方向に配列した状態での容量と定義する。
【0020】例えば、通常のTN型セルにおいては、液
晶の単位面積あたりの静電容量は、おおよそ1(nF/
cm2 )程度であり、電極のシート抵抗はおおよそ10
0(Ω/□)以下である。したがって、CとRと両電極
間の電極取り出し部分間の距離d(cm)によって決ま
る特性時間τ(τ=C・R・d2 )は、最大でも100
μs程度である。
【0021】この値は、従来から問題になっているよう
に書き込みの電圧波形をなまらせることはあるが、TN
型セルやSTN型セルの応答時間が最小でも20ms程
度であることを考えると、応答時間は、パネルの電気的
時定数よりも2桁以上大きくなり、オフからオン、オン
からオフというスタティック駆動時の応答性には、パネ
ルの電気的時定数は本質的に殆ど関与していないと考え
られる。
【0022】しかしながら、液晶固化物複合体は能動素
子としての応答時間が1ms以下であり、従来のTN型
液晶セルよりも1桁以上スイッチング速度が早い。そし
て、液晶固化物複合体を用いた液晶光学素子は偏光板が
不要というその大きな利点を生かしてパネルを大面積化
することができる。この場合、高速のスイチング速度を
有しているため、このパネルのスイッチングにおける電
気的時定数が液晶固化物複合体自身の応答時間と同等ま
たはそれ以上になることがある。
【0023】この場合、パネル全体としての応答時間
は、電圧が印加される入力端から各部に至るまでの時間
的遅れが累積され、さらに液晶固化物複合体自身の応答
時間が存在し、これらの積算された量となる。したがっ
て、電気的時定数の大きな大面積かつ高速の液晶固化物
複合体を用いた液晶光学シャッターにおいては、液晶固
化物複合体のもつ本質的な高速応答性はそのまま生かす
ことができなくなってしまう。
【0024】
【作用】液晶固化物複合体を用いて大面積化された液晶
光学素子、具体的には液晶光学シャッターにおいて、本
来の液晶固化物複合体自体の高速応答性を損なうことな
く、大面積のパネルでの高速のスイッチングを可能とす
る。
【0025】本発明は、従来にない上記の応答性の関係
を考慮し、液晶固化物複合体を用いた液晶光学シャッタ
ーにおいて大面積化と高速スイッチングを同時に達成す
る駆動方法と液晶パネルの構成条件を提供することを目
的とする。以下、具体的に本発明を説明する。液晶固化
物複合体を用いた液晶セルは、一般には従来のTN型セ
ルよりもセルギャップ(電極間間隙:液晶固化物複合体
の厚さに相当する)が厚く、Cは0.5(nF/cm
2 )程度である。一方、大面積のシャッターを構成する
場合、通常透明電極付きプラスチックフィルムが用いら
れるが、その電極のシート抵抗はおおよそ100(Ω/
□)程度である。
【0026】TN型セルの場合と最も違うのは液晶パネ
ルサイズ(面積)であり、液晶固化物複合体を挟持する
電極の有効長(両電極の取り出し部分間の距離、スペー
サ部を含んでよい)dは、100cmにも達することが
ある。d=100cmとした場合、上記のパラメーター
の値を用いると、特性時間τは0.5msとなる。液晶
固化物複合体の応答時間は高速なものでは、0.5ms
以下(オン→オフ、オフ→オンとも)になるため、この
場合、逆転現象が生ずることになる。
【0027】この場合には、本来の応答時間が大面積
の、液晶固化物複合体を用いた液晶光学シャッターでは
達成できず、通常の駆動においては、2倍以上の応答時
間が必要となってしまう。
【0028】図2に、電極に挟持された液晶固化物複合
体素子の断面図を示す。透明な導電性電極(ITOな
ど)を基板に設け対向せしめて液晶セルを構成してい
る。図3に応答特性の1例(シャッター中心部での電圧
波形)を示す。
【0029】次に光学的な応答時間について説明する。
光学的な応答時間は、始状態から終状態への遷移におい
て光学的に(透過率が)90%の変化を示すまでの時間
で定義する。すなわち、オンの光学的な応答時間とは、
始状態の透過率を0、終状態の透過率を100%とした
場合、透過率が0%から90%に変化するのに要する時
間である。また、オフの光学的な応答時間とは透過率が
100%から10%に変化するのに要する時間である。
【0030】上記のように、用いる液晶光学素子の、単
位面積(1cm2 )あたりの静電容量C(F)、電極の
シート抵抗R(Ω/□)、両電極間の有効長(電極取り
出し部分間の距離)d(cm)によって決まる特性時間
τが、 τ=C・R・d2 > 5×10-5(sec) である。
【0031】さらに、τと液晶の応答時間(オンからオ
フのスイッチング時間をT1 、オフからオンのスイッチ
ング時間をT2 とする)との間で、 T1 <20・τ (sec) または、 T2 <20・τ (sec) で表されるような関係を持つ場合、通常の駆動方式では
十分な応答特性は期待できず、本発明の駆動方法が極め
て有効なものとなる。
【0032】本発明では、このような応答性の阻害要因
を取り除くべく、電圧を印加した際の液晶固化物複合体
を挟持する電極への電荷の蓄積を加速するような電圧波
形、または電圧を除去した際の電極からの電荷の開放
(除去)を加速するような電圧波形を用いる駆動方法を
提供することにある。
【0033】電圧波形としては、図1のような駆動電圧
波形が例示される。この例では、フィルム電極間に液晶
固化物複合体を挟持し、所定の時間(ms)の間だけシ
ャッターを開ける場合を想定している。電圧印加時(オ
フ状態からオン状態への遷移時)に、通常の駆動電圧
(オン電圧Von)よりも高い電圧(Von+Va )をYa
(ms)の間、印加し電荷の蓄積を加速する。
【0034】また、電圧を除去した際(オン状態からオ
フ状態への遷移時)には、直前のオン電圧と逆符号の
(この例では、直前のオン電圧がプラスであるので、マ
イナスの符号)電圧(−Vb )をYb (ms)の間、両
取り出し電極間に印加する。これによって、電荷の蓄積
または開放による遅れを減少させ、液晶光学シャッター
としての応答性を液晶固化物複合体の持つ本来の特性限
界に近づけることが可能となる。
【0035】図3は、この波形を印加した際のシャッタ
ー中心部分での液晶固化物複合体に印加される実際の電
圧を示している。また、図中、破線は通常の駆動電圧波
形(第1のパルスや第2のパルスのない例えば矩形の駆
動電圧主パルスのみ)で駆動した場合の、シャッター中
心部分での実際の電圧波形の1例を示している。このよ
うに、本発明の駆動方法に用いる駆動電圧波形により、
液晶パネルの実際の印加電圧波形が理想的な矩形波駆動
に近づく。
【0036】また、一般にこのような大容量で大きな電
極インピーダンスをもつ液晶光学シャッターにおいて
は、場所により電気特性(取り出し電極からのインピー
ダンスなど)が大きく異なり、電気光学特性(特に応答
特性)が場所により異なってしまうことがある。
【0037】これは、パネルの全面を同時にシャッタリ
ング使用とする場合には、大きな問題となる。本発明の
ような駆動電圧波形を用いれば、強制的な電荷の蓄積ま
たは開放を行うことにより大面積パネルでの場所依存性
を低減することができ、高速で全面のスイッチングを行
うことが可能となる。このような目的の場合には、電極
の取り出しを左右振り分け構造のようにして、電極と液
晶固化物複合体が等価的に均等に分散されていることが
望ましい。電圧の充電(光学的にはオン)または放電の
み(光学的にはオフ)の各場合だけでも上述した駆動方
法が適用できる。また、電極構造に限定されない。
【0038】本発明において付加的に印加する第1のパ
ルスのYa 、第2のパルスのYb の印加時間が長いと
(特にYa が長いと)実際に液晶固化物複合体に印加さ
れる電圧がVonを大きく超える可能性がある。この値
が、この液晶固化物複合体の破壊電圧(耐圧)を超えな
いように、Va 、Ya を設定することが望ましい。実際
には、時間遅れを考慮して印加する電圧値とその時間幅
を調整する。具体的には、特性時間τに対してYa ≦2
(1+Von/Va )・τ、Yb ≦2(1+Von/Vb )
・τの関係を満たすことが望ましい。
【0039】より望ましくはYa ≦(1+Von/Va )
・τ、Yb ≦(1+Von/Vb )・τとされる。また、
この印加時間があまりにも短いと効果は少なく、Ya ≧
(Von/Va /8)・τ、Yb ≧(Von/Vb /8)・
τの関係を満たすことが望ましい。
【0040】さらに、このVa 、およびVb のVonに対
する比が大きいほど高速に電荷の蓄積または開放が可能
である。したがって、電圧のオフ状態からオン状態への
遷移時にオン電圧Von(Vrms )の1.2倍以上の電圧
(すなわちVa ≧0.2・Von)をオン状態への遷移期
間の最初の一定時間Ya の期間印加することが望まし
い。
【0041】また、オン状態からオフ状態への遷移時に
は、直前のオン状態の駆動電圧主パルスの電圧と符号が
逆でVonの0.2倍以上の電圧(すなわち、−Vb を印
加する、Vb ≧0.2・Von)をオフ状態への遷移の最
初の一定期間Yb とすることが望ましい。
【0042】オン状態への遷移過程、オフ状態への遷移
過程の両方で、上記の各駆動方式を用いることで最も早
いスイッチングが可能となるが、用途に応じてどちらか
の過程のみで用い、どちらかの過程を高速化することが
可能である。また、基本的には駆動用主パルスは正と負
の極性が対称になるようにしたが、非対称の場合でも可
能である。
【0043】
【実施例】
(実施例1)ネマチック液晶と単官能のアクリレートモ
ノマー、2官能のアクリレートオリゴマー、光反応開始
剤を均一に溶解した溶液を、シート抵抗値が100Ω/
□の透明電極(ITO)がコートされたフィルム電極シ
ート2枚の間に塗布し、その後紫外線を照射して、液晶
固化物複合体を形成した。電極間間隙の均一性を確保す
るため、溶液には直径20μmのプラスチックビーズを
混合し、液晶固化物複合体層としての電極間間隙を約2
0μmとした。
【0044】光硬化後のフィルムを、110cm×15
0cmの長方形に切断しその長辺に導電性テープにより
取り出し電極を構成した。電極取り出し後の形状は取り
出し電極間が100cm、フィルム長辺が150cmで
あった。その断面図を図2に示す。この例では、電極の
取り出しが左右に振り分けられている。
【0045】このフィルム素子に、100V、2msの
矩形の電圧波形(従来の駆動電圧波形)を印加したとこ
ろ、中心部での応答時間は立ち上がりが約1.4ms、
立ち下がりが約1.6msであった。同条件で周辺(取
り出し電極付近)での応答時間は立ち上がりが約1.3
ms、立ち下がりが約1.4msであった。
【0046】同じフィルム素子を用い波形として最初
0.15msが200V、次の1.85ms間100
V、更に次の0.15ms間−100Vとする波形(実
施例1の駆動電圧波形)を用いて駆動した。この結果、
中心部での立ち上がり時間は約0.9ms、立ち下がり
は約1.0msであった。また、周辺部でも中心とほぼ
同等の応答時間が得られた。
【0047】参考に、同一の素子を小面積(5cmx5
cm)で作成し、応答時間を計ったところ、立ち上がり
が約0.5ms、立ち下がりが約0.7msであった。
フィルム素子中心から電圧モニター用のプローブを出し
て、電圧波形をモニターしたところ、図3に示すシャッ
ター中心部での電圧波形30が得られた(実線の波
形)。オン期間の波形のなまりが緩和され、遅れのない
理想的な矩形波に近づいていることがわかる。
【0048】なお、当フィルム素子の単位面積当たりの
容量は、電圧印加状態で約0.5nF/cm2 であり、
特性時間τは約0.5msであった。この素子を、スク
リーン兼シャッターとして用い、CCDカメラ、液晶プ
ロジェクターと組み合わせ、大面積の双方向通信用モニ
ター/カメラとした。CCDカメラの取り込みタイミン
グを60Hzで行い、1周期1/60秒の内2msの間
フィルム素子をオン状態(透明状態)とし、その間にC
CDカメラにより画像の取り込みを行った。
【0049】従来の駆動方法では、開閉のタイミングが
印加波形のタイミングとは大きくずれるためタイミング
調整が必要であった。また、オン状態からオフ状態に時
間がかかったためスクリーンとして用いることのできる
時間は、1/60秒の内約11msであり、スクリーン
上の画像、並びに、CCDカメラにより取り込んだ画像
共にややコントラストが不足しており薄ぼけた感じであ
った。
【0050】本発明による駆動方法においては、液晶固
化物複合体フィルム素子を用いた液晶光学シャッターの
オン/オフのタイミングは印加される駆動電圧波形のタ
イミングに近いため、容易に同期が取れ、また応答性も
通常の駆動電圧波形の場合よりも早く、スクリーンとし
て用いることのできる時間は約12msとなった。この
ため、スクリーン上に投射される画像と、CCDカメラ
で取り込んだ画像ともに通常の駆動よりも高いコントラ
スト比を示し、画像品位が向上した。
【0051】(実施例2〜実施例4)実施例1と同じフ
ィルム素子を用い、実施例2〜3で駆動電圧波形の印加
時間、印加電圧を変化させて応答時間を測定した。実施
例4において、駆動電圧主パルスの後に逆極性の第2の
パルスを印加して応答時間を測定した。図4に実施例4
に用いた駆動電圧波形を示す。これらの場合において、
駆動電圧波形は理想的な矩形を基本として説明してい
る。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】実施例2〜4でも実施例1と同様のスクリ
ーンシャッターとして使用した場合、いずれの場合も従
来の駆動方法の場合よりも、画像品位は向上した。ここ
で用いた液晶光学素子の耐電圧は、すべて約150Vで
あったが、200Vの電圧を短時間印加しても実際に印
加される電圧は150V以下であり、シャッターの電気
的破損などは生じなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明による液晶光学素子の駆動方法に
よって、大面積の液晶パネルをシャッター或はスクリー
ンとして用いることができるようになった。すなわち、
実用上で高速かつ大面積のシャッター兼スクリーンとし
ての動作が初めて達成できた。
【0056】具体的には、実施例に示すように1650
0cm2 程度の大面積液晶パネルで、1ms〜2msの
高速応答を実現することができた。そして、実用的なス
クリンーシャッターを実現することができる。また、本
発明の駆動方法によれば、大面積の液晶固化物複合体の
場所依存性を低減するので長期的な信頼性も改善され
る。
【0057】用いる透明電極のシート抵抗や、液晶セル
電極間隙や液晶固化物複合体の誘電率などで決まる静電
容量や、パネル面積によっても変化するが、本発明の液
晶光学素子の駆動方法は少なくとも900cm2 程度以
上の中面積の液晶パネルに適用すると効果がある。
【0058】さらに、10000cm2 程度以上の大面
積の液晶パネルに適用することで、大面積であり実用的
な高速スクリーン兼シャッターが得られる。また、本発
明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で種々の
応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる駆動電圧波形(第1のパルスと
第2のパルスの双方を用いる)の1例を示す図。
【図2】液晶固化物複合体を用いた液晶光学素子の断面
図。
【図3】液晶光学素子の中心部での電圧波形図。
【図4】本発明に用いる駆動電圧波形(第2のパルスの
み用いる)の1例を示す図。
【符号の説明】
1:駆動電圧波形 2:正の駆動電圧主パルス 2a:正の第1のパルス 2b:負の第2のパルス 3:負の駆動電圧主パルス 3a:負の第1のパルス 3b:正の第2のパルス 10:液晶固化物複合体を用いた液晶光学素子 11:第1の取り出し電極 12:第2の取り出し電極 20:液晶固化物複合体 Ta:正の駆動電圧主パルスのオン時間 Ya:第1のパルスのオン時間 Va:第1のパルスの電圧値(駆動電圧主パルスのトッ
プラインに対する電圧値) Tb:負の駆動電圧主パルスのオン時間 Yb:第2のパルスのオン時間 Vb:第2のパルスの電圧値(駆動電圧主パルスのトッ
プラインに対する電圧値)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊井 裕 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内 (72)発明者 若林 常生 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向電極間に液晶が固化物中に分散保持さ
    れた液晶固化物複合体を挟持し、外部から両極性の駆動
    電圧パルスを対向電極間に印加し、発生した電界により
    液晶固化物複合体の光の透過または散乱を制御する液晶
    光学素子の駆動方法において、 正および負の各駆動用主パルスを用い、正の駆動用主パ
    ルス幅よりも短い幅を有する正の第1のパルスを、正の
    駆動用主パルスのほぼ先頭位置に重畳し、 かつ、負の駆動用主パルス幅よりも短い幅を有する負の
    第1のパルスを、負の駆動用主パルスのほぼ先頭位置に
    重畳することを特徴とする液晶光学素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】対向電極間に液晶が固化物中に分散保持さ
    れた液晶固化物複合体を挟持し、外部から両極性の駆動
    電圧パルスを対向電極間に印加し、発生した電界により
    液晶固化物複合体の光の透過または散乱を制御する液晶
    光学素子の駆動方法において、 正および負の各駆動用主パルスを用い、各駆動用主パル
    スの立ち下がり10%点以降に、直前の駆動用主パルス
    の極性と逆極性の第2のパルスを印加することを特徴と
    する液晶光学素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】請求項1の液晶光学素子の駆動方法におい
    て、各駆動用主パルスの立ち下がり10%点以降に、直
    前の駆動用主パルスの極性と逆極性の第2のパルスを印
    加することを特徴とする液晶光学素子の駆動方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項の液晶光学素
    子の駆動方法において、用いる液晶光学素子の、単位面
    積(1cm2 )あたりの静電容量C(F)、電極材料の
    シート抵抗R(Ω/□)、対向電極の有効長d(cm)
    によって決まる特性時間τが、 τ=C・R・d2 > 5×10-5 (sec) の関係を満たし、 さらに、τと液晶の応答時間(オンからオフのスイッチ
    ング時間をT1 、オフからオンのスイッチング時間をT
    2 とする)との間で、 T1 <20・τ (sec) または、 T2 <20・τ (sec) の関係を満たすことを特徴とする液晶光学素子の駆動方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4の液晶光学素子の駆動方法におい
    て、正または負の第1のパルスの電圧値Va を駆動用主
    パルスのオン電圧Vonの0.2倍以上の電圧値とし、か
    つ駆動用主パルスの立ち上がりから2・τ以内の期間に
    印加する、 および/または、 直前の駆動用主パルスの極性と逆極性の第2のパルスの
    電圧値Vb をVonの0.2倍以上の電圧値とし、かつ駆
    動用主パルスの立ち下がりから2・τ以内の期間に印加
    する液晶光学素子の駆動方法。
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