JPH06234002A - 金属板の調質圧延方法 - Google Patents
金属板の調質圧延方法Info
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- JPH06234002A JPH06234002A JP2045393A JP2045393A JPH06234002A JP H06234002 A JPH06234002 A JP H06234002A JP 2045393 A JP2045393 A JP 2045393A JP 2045393 A JP2045393 A JP 2045393A JP H06234002 A JPH06234002 A JP H06234002A
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- rolling
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光沢度に優れた金属板を製造する調質圧延技
術の提供。 【構成】 表面にロールの軸方向と実質的に平行な研磨
目を有し、ロール周方向の中心線平均粗さが0.02〜0.1
μm、ロール直径が 500mm以上であるロールをワークロ
ールとして使用し、エマルションタイプ以外の、40℃に
おける粘度が1.5〜5cStの調質圧延液を用いて調質圧延
を行う光沢度の高い金属板の調質圧延方法。 【効果】 タンデムミルやレバースミルのような大径ワ
ークロールの圧延機で高速圧延した光沢度の低い金属板
であっても、本発明の調質圧延方法で圧延すればオイル
ピットや焼付疵、摩耗粉の付着量が少なく、ゼンジミア
ミル等の小径ロールで低速で圧延し、無潤滑で調質圧延
した場合の表面性状に匹敵する光沢度に優れた金属板を
製造することができる。
術の提供。 【構成】 表面にロールの軸方向と実質的に平行な研磨
目を有し、ロール周方向の中心線平均粗さが0.02〜0.1
μm、ロール直径が 500mm以上であるロールをワークロ
ールとして使用し、エマルションタイプ以外の、40℃に
おける粘度が1.5〜5cStの調質圧延液を用いて調質圧延
を行う光沢度の高い金属板の調質圧延方法。 【効果】 タンデムミルやレバースミルのような大径ワ
ークロールの圧延機で高速圧延した光沢度の低い金属板
であっても、本発明の調質圧延方法で圧延すればオイル
ピットや焼付疵、摩耗粉の付着量が少なく、ゼンジミア
ミル等の小径ロールで低速で圧延し、無潤滑で調質圧延
した場合の表面性状に匹敵する光沢度に優れた金属板を
製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特殊な表面研磨状態
のロールをワークロールとして使用し、低粘度の調質圧
延液を用いて調質圧延を行うことにより、光沢度が極め
て優れた金属板を高能率で製造する方法に関する。
のロールをワークロールとして使用し、低粘度の調質圧
延液を用いて調質圧延を行うことにより、光沢度が極め
て優れた金属板を高能率で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板を圧延すると、金属板にはワーク
ロール (以下、単にロールと記す) の表面の凹凸が転写
されるので、ロールは製品金属板に要求される表面粗さ
に応じてその表面を研磨して使用する。例えば、優れた
光沢を必要とする冷延鋼板などの圧延には、高番手の砥
石で研磨した表面粗さの小さいロールを使用する。しか
し、ロール粗さを小さくするほどロール表面の研磨作業
には時間がかかり、ロールの研磨コスト、ひいては金属
板の製造コストの増大を招く。
ロール (以下、単にロールと記す) の表面の凹凸が転写
されるので、ロールは製品金属板に要求される表面粗さ
に応じてその表面を研磨して使用する。例えば、優れた
光沢を必要とする冷延鋼板などの圧延には、高番手の砥
石で研磨した表面粗さの小さいロールを使用する。しか
し、ロール粗さを小さくするほどロール表面の研磨作業
には時間がかかり、ロールの研磨コスト、ひいては金属
板の製造コストの増大を招く。
【0003】近年、圧延油として冷却能力の大きい水溶
性エマルションを使用すれば高速圧延が可能となり、高
生産性が期待できるので、 180mmφ以上という大径ロー
ルを用いるタンデムミルやレバースミルによる冷間圧延
が行われるようになってきた。ところが、このような大
径ロールのミルで圧延した金属板はゼンジミアミルで圧
延した金属板と比較して表面の光沢度が劣るという問題
がある。したがって薄鋼板、特に表面光沢度を重視する
ステンレス鋼板等の金属板は 100mmφ以下の小径ロール
を使用するゼンジミアミルで冷間圧延をするのが普通で
ある。
性エマルションを使用すれば高速圧延が可能となり、高
生産性が期待できるので、 180mmφ以上という大径ロー
ルを用いるタンデムミルやレバースミルによる冷間圧延
が行われるようになってきた。ところが、このような大
径ロールのミルで圧延した金属板はゼンジミアミルで圧
延した金属板と比較して表面の光沢度が劣るという問題
がある。したがって薄鋼板、特に表面光沢度を重視する
ステンレス鋼板等の金属板は 100mmφ以下の小径ロール
を使用するゼンジミアミルで冷間圧延をするのが普通で
ある。
【0004】上述のような大径のロールで高速圧延を行
うと、ロールと鋼板との間に油膜を生じ、金属板表面が
油圧により部分的に凹状となる、いわゆるオイルピット
と呼ばれる微少な欠陥が金属板表面に生じて、表面の光
沢度が低下するのである。
うと、ロールと鋼板との間に油膜を生じ、金属板表面が
油圧により部分的に凹状となる、いわゆるオイルピット
と呼ばれる微少な欠陥が金属板表面に生じて、表面の光
沢度が低下するのである。
【0005】冷間圧延において金属板表面にオイルピッ
トが生じても、後工程の調質圧延において鏡面仕上げロ
ールを用いて圧延することにより、金属板の光沢度を高
めることが可能なように思われる。しかし、調質圧延
は、一般に圧下率が2%以下と小さいので、冷間圧延に
おいて発生したオイルピットを調質圧延で押しつぶすこ
とは極めて難しい。
トが生じても、後工程の調質圧延において鏡面仕上げロ
ールを用いて圧延することにより、金属板の光沢度を高
めることが可能なように思われる。しかし、調質圧延
は、一般に圧下率が2%以下と小さいので、冷間圧延に
おいて発生したオイルピットを調質圧延で押しつぶすこ
とは極めて難しい。
【0006】金属板の光沢度を向上させるための方法と
して、例えば特開平2-92402号公報には、最終スタンド
のワークロールの表面の中心線平均粗さ(Ra)を 0.2μm
以下とし、かつ圧延油の濃度を2%以下とするかまたは
無潤滑の状態で冷間圧延する方法が提案されている。し
かし、この方法では油膜が存在しないか存在しても極め
て薄いので、ロール面上の局部的な凸部で潤滑不足を生
じ、油膜切れによる焼付きを生じて、表面性状が低下す
る。しかも高速圧延ができないという問題もある。
して、例えば特開平2-92402号公報には、最終スタンド
のワークロールの表面の中心線平均粗さ(Ra)を 0.2μm
以下とし、かつ圧延油の濃度を2%以下とするかまたは
無潤滑の状態で冷間圧延する方法が提案されている。し
かし、この方法では油膜が存在しないか存在しても極め
て薄いので、ロール面上の局部的な凸部で潤滑不足を生
じ、油膜切れによる焼付きを生じて、表面性状が低下す
る。しかも高速圧延ができないという問題もある。
【0007】その他に、鏡面ロールを用いて無潤滑で調
質圧延(以下、「ドライ圧延」という)する方法があ
る。この方法では、鏡面ロールの表面性状の転写効率が
向上して、金属板の光沢度を向上させることができる
が、ロールの摩耗粉やほこり(埃)等の巻き込みによる
疵が金属板表面につきやすく表面性状を低下させる上
に、摩擦係数が大きくなるので所定の圧下率を得るに
は、2パス以上の圧延が必要になり圧延作業の能率が悪
くなるという問題がある。
質圧延(以下、「ドライ圧延」という)する方法があ
る。この方法では、鏡面ロールの表面性状の転写効率が
向上して、金属板の光沢度を向上させることができる
が、ロールの摩耗粉やほこり(埃)等の巻き込みによる
疵が金属板表面につきやすく表面性状を低下させる上
に、摩擦係数が大きくなるので所定の圧下率を得るに
は、2パス以上の圧延が必要になり圧延作業の能率が悪
くなるという問題がある。
【0008】前述の調質圧延において、調質圧延液を使
用しての圧延(以下、「ウエット圧延」という)を行う
ことにより、ドライ圧延での問題点を解決する試みも行
われている。しかし、冷間圧延時に生じたオイルピット
に調質圧延液が封入され、調質圧延によってますますオ
イルピットが増大する結果となり、むしろドライ圧延の
場合よりも光沢度が低下することがある。また、オイル
ピットに封入された調質圧延液の潤滑作用により摩擦係
数がドライ圧延を行う場合に比べて著しく低下し、2%
以下の低圧下率に調整して圧延することが困難になると
いう問題が生じる。
用しての圧延(以下、「ウエット圧延」という)を行う
ことにより、ドライ圧延での問題点を解決する試みも行
われている。しかし、冷間圧延時に生じたオイルピット
に調質圧延液が封入され、調質圧延によってますますオ
イルピットが増大する結果となり、むしろドライ圧延の
場合よりも光沢度が低下することがある。また、オイル
ピットに封入された調質圧延液の潤滑作用により摩擦係
数がドライ圧延を行う場合に比べて著しく低下し、2%
以下の低圧下率に調整して圧延することが困難になると
いう問題が生じる。
【0009】前述したように、生産性の高い大径ロール
のミルで高速で圧延された金属板は一般に光沢度が小さ
く、特に光沢度を重視するステンレス薄鋼板等の金属板
においてもその表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)で 0.1
〜0.2 μm程度である。この金属板にドライ圧延による
調質圧延を施しても、圧下率が2%以下と小さいので十
分に表面を平滑化することができない。そればかりか金
属板表面に摩耗粉が発生し、その摩耗粉が金属板の表面
に押し込まれて疵となって、表面品質を低下させる。一
方、ウエット圧延を行うと、前述の摩耗粉の影響は軽減
されるが、ロールと金属板は油膜で隔てられ、金属板の
凹部に補足された調質圧延液が圧延中に静水圧を及ぼ
す。従って、ウエット圧延を行うと金属板の表面粗さが
小さくならないだけでなく、調質圧延液の静水圧によっ
てオイルピットが発生する。
のミルで高速で圧延された金属板は一般に光沢度が小さ
く、特に光沢度を重視するステンレス薄鋼板等の金属板
においてもその表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)で 0.1
〜0.2 μm程度である。この金属板にドライ圧延による
調質圧延を施しても、圧下率が2%以下と小さいので十
分に表面を平滑化することができない。そればかりか金
属板表面に摩耗粉が発生し、その摩耗粉が金属板の表面
に押し込まれて疵となって、表面品質を低下させる。一
方、ウエット圧延を行うと、前述の摩耗粉の影響は軽減
されるが、ロールと金属板は油膜で隔てられ、金属板の
凹部に補足された調質圧延液が圧延中に静水圧を及ぼ
す。従って、ウエット圧延を行うと金属板の表面粗さが
小さくならないだけでなく、調質圧延液の静水圧によっ
てオイルピットが発生する。
【0010】表面粗さの凹部の残存およびオイルピット
の発生を減少させるためには、比較的圧下率を大きくす
るのがよいとされている。しかし、調質圧延の圧下率は
一般に2%以下と小さいので、この方法を採用すること
ができない。また、ロールを研磨してその表面粗さを大
きくすればオイルピットをある程度は減少させることが
できるが、逆に研磨目が金属板の表面に転写されるとい
う問題が発生する。
の発生を減少させるためには、比較的圧下率を大きくす
るのがよいとされている。しかし、調質圧延の圧下率は
一般に2%以下と小さいので、この方法を採用すること
ができない。また、ロールを研磨してその表面粗さを大
きくすればオイルピットをある程度は減少させることが
できるが、逆に研磨目が金属板の表面に転写されるとい
う問題が発生する。
【0011】このように、金属板の光沢度を高めるため
の種々の試みがなされているが、いまだ工業的に実施で
き、かつ効果のある方法は知られていない。
の種々の試みがなされているが、いまだ工業的に実施で
き、かつ効果のある方法は知られていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産性の高
い大径ロールのミルを用いて高速圧延した光沢度の比較
的低い金属板、特にステンレス薄鋼板等の金属板を、ゼ
ンジミアミルで低速圧延した後に無潤滑で調質圧延した
場合に匹敵する優れた光沢度をもつ金属板に仕上げるこ
とができる調質圧延技術の開発を課題としてなされたも
のである。
い大径ロールのミルを用いて高速圧延した光沢度の比較
的低い金属板、特にステンレス薄鋼板等の金属板を、ゼ
ンジミアミルで低速圧延した後に無潤滑で調質圧延した
場合に匹敵する優れた光沢度をもつ金属板に仕上げるこ
とができる調質圧延技術の開発を課題としてなされたも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、金属板の光
沢度を高める研究の課程で、大径ロールのミルを用いて
高速で圧延した光沢度の低い金属板であっても、特殊な
表面研磨状態の大径ロールをワークロールとし、低粘度
の調質圧延液を使用して調質圧延を行うことにより、光
沢度に優れた金属板を得ることが可能であることを見出
した。
沢度を高める研究の課程で、大径ロールのミルを用いて
高速で圧延した光沢度の低い金属板であっても、特殊な
表面研磨状態の大径ロールをワークロールとし、低粘度
の調質圧延液を使用して調質圧延を行うことにより、光
沢度に優れた金属板を得ることが可能であることを見出
した。
【0014】本発明の要旨は、「表面にロールの軸方向
と実質的に平行な研磨目を有し、ロール周方向の中心線
平均粗さが0.02〜0.1 μm、ロール直径が 500mm以上で
あるロールをワークロールとして使用し、エマルション
タイプ以外の、40℃における粘度が 1.5〜5cStの調質圧
延液を用いて調質圧延を行う光沢度の高い金属板の調質
圧延方法」にある。
と実質的に平行な研磨目を有し、ロール周方向の中心線
平均粗さが0.02〜0.1 μm、ロール直径が 500mm以上で
あるロールをワークロールとして使用し、エマルション
タイプ以外の、40℃における粘度が 1.5〜5cStの調質圧
延液を用いて調質圧延を行う光沢度の高い金属板の調質
圧延方法」にある。
【0015】
【作用】本発明の調質圧延方法に用いるロールの研磨目
の方向及び表面粗さについて説明する。
の方向及び表面粗さについて説明する。
【0016】図1は、ロール研磨目の方向を説明する図
で、(a)はロール研磨目の傾きを説明する図、(b)
は従来方法の場合のロール研磨目の方向を示す図、
(c)は本発明方法の場合のロール研磨目の方向を示す
図である。
で、(a)はロール研磨目の傾きを説明する図、(b)
は従来方法の場合のロール研磨目の方向を示す図、
(c)は本発明方法の場合のロール研磨目の方向を示す
図である。
【0017】(a)に示すようにロール研磨目とロール
周方向(ロール軸に直角の方向)とのなす角度をαとす
る。従来方法では、(b)に示すようにαはほぼ0°で
ある。即ち、ロール研磨目がロール周方向に平行であ
る。一方、本発明方法では、(c)に示すようにαをほ
ぼ90°とする。即ち、ロール研磨目をロール軸方向に実
質的に平行とする。なお、実質的に平行であるとは研磨
時に砥石の接触状態の変化により発生するαが90°から
いくらかずれた研磨目が混在していても良いことを意味
する。
周方向(ロール軸に直角の方向)とのなす角度をαとす
る。従来方法では、(b)に示すようにαはほぼ0°で
ある。即ち、ロール研磨目がロール周方向に平行であ
る。一方、本発明方法では、(c)に示すようにαをほ
ぼ90°とする。即ち、ロール研磨目をロール軸方向に実
質的に平行とする。なお、実質的に平行であるとは研磨
時に砥石の接触状態の変化により発生するαが90°から
いくらかずれた研磨目が混在していても良いことを意味
する。
【0018】図2は、圧延においてはロール表面と金属
板表面との間に滑りがあることを説明する図で、(a)
はロールバイト部を示す断面図、(b)は金属板表面上
のある一点の軌跡を説明する図である。
板表面との間に滑りがあることを説明する図で、(a)
はロールバイト部を示す断面図、(b)は金属板表面上
のある一点の軌跡を説明する図である。
【0019】(a)に示すようにロール1によって金属
板sをxの方向へ厚さt1 からt2に圧延する場合、金
属板sの圧延速度vがロールの周速Vと同じになる点を
中立点(図中のN点)と呼び、N点から前方(ロール出
側)を先進域、N点から後方(ロール入側)を後進域と
呼ぶ。また、ロール入側(A点)での金属板sの圧延速
度をv1 、ロール出側(B点)でのそれをv2 とすれ
ば、v1 <V<v2 である。
板sをxの方向へ厚さt1 からt2に圧延する場合、金
属板sの圧延速度vがロールの周速Vと同じになる点を
中立点(図中のN点)と呼び、N点から前方(ロール出
側)を先進域、N点から後方(ロール入側)を後進域と
呼ぶ。また、ロール入側(A点)での金属板sの圧延速
度をv1 、ロール出側(B点)でのそれをv2 とすれ
ば、v1 <V<v2 である。
【0020】先進域と後進域での金属板の圧延速度が異
なるので、ロール上のある点がA点→N点→B点の方向
に回転すると、この点は金属板s上を滑りながら(b)
に示すような軌跡を描く。この図のとおり、先進域では
圧延方向xと逆向きの軌跡を描くことがわかる。
なるので、ロール上のある点がA点→N点→B点の方向
に回転すると、この点は金属板s上を滑りながら(b)
に示すような軌跡を描く。この図のとおり、先進域では
圧延方向xと逆向きの軌跡を描くことがわかる。
【0021】図3は、研磨目の方向がロール周方向と平
行な通常のロールを用いてウエット圧延を行ったとき
に、金属板表面に形成されるロール研磨目の転写(以
下、「転写パターン」という)と、オイルピットの発生
を説明する図で、(a)は研磨目の方向がロール周方向
に平行なロールで圧延することを説明する平面図、
(c)は転写パターンを金属板の幅方向で説明する断面
図である。
行な通常のロールを用いてウエット圧延を行ったとき
に、金属板表面に形成されるロール研磨目の転写(以
下、「転写パターン」という)と、オイルピットの発生
を説明する図で、(a)は研磨目の方向がロール周方向
に平行なロールで圧延することを説明する平面図、
(c)は転写パターンを金属板の幅方向で説明する断面
図である。
【0022】図2で説明したように、ロールと金属板と
の間には相対的に滑りが発生するので、研磨目の方向が
ロール周方向と平行な通常のロールを用いてウエット圧
延を行うと、金属板sの表面にはロール1の研磨目が転
写されるのに加えて、(b)に示すように周方向に長い
滑り疵がつき、(c)に示すようにロール研磨目の凹凸
が強調されて転写されることになる。また、(d)に示
すようにロールの凹部に存在する油膜によりオイルピッ
トが生じる。ロール研磨目の方向がロール周方向と平行
な場合には、発生したオイルピットを押しつぶすことが
できないので、生じたオイルピットがそのまま残存する
ことになるのである。
の間には相対的に滑りが発生するので、研磨目の方向が
ロール周方向と平行な通常のロールを用いてウエット圧
延を行うと、金属板sの表面にはロール1の研磨目が転
写されるのに加えて、(b)に示すように周方向に長い
滑り疵がつき、(c)に示すようにロール研磨目の凹凸
が強調されて転写されることになる。また、(d)に示
すようにロールの凹部に存在する油膜によりオイルピッ
トが生じる。ロール研磨目の方向がロール周方向と平行
な場合には、発生したオイルピットを押しつぶすことが
できないので、生じたオイルピットがそのまま残存する
ことになるのである。
【0023】図4は、ロール軸方向と平行な研磨目を持
つロールを用いて圧延を行ったときに形成される転写パ
ターンおよびオイルピット状況を説明する図で、(a)
は研磨目の方向がロール軸方向と平行なロールで圧延す
ることを説明する平面図、(b)はある一つの研磨目の
金属板上での軌跡を説明する図、(c)は転写による金
属板の平滑化の程度を説明する板幅方向の断面図、
(d)は研磨目の転写およびオイルピットの残存状況を
説明する圧延方向の断面図である。
つロールを用いて圧延を行ったときに形成される転写パ
ターンおよびオイルピット状況を説明する図で、(a)
は研磨目の方向がロール軸方向と平行なロールで圧延す
ることを説明する平面図、(b)はある一つの研磨目の
金属板上での軌跡を説明する図、(c)は転写による金
属板の平滑化の程度を説明する板幅方向の断面図、
(d)は研磨目の転写およびオイルピットの残存状況を
説明する圧延方向の断面図である。
【0024】(a)に示すようなロール軸方向と平行な
研磨目のロール1で金属板sをXの方向に圧延すると、
ロール軸方向のある一つの研磨目が金属板sに描く軌跡
は、(b)に示すようにA点→N点→B点となり、N点
→B点の間で圧延方向xと逆の方向になる。このように
金属板sとロール軸方向の研磨目との間に相対的な滑り
があると、金属板sの表面にはロール軸方向にある程度
の長さを持つロール研磨目の凸部によりロール周方向の
滑り疵がつくことになる。すなわち、ある一つのロール
軸方向の研磨目の凸部が金属板sの表面の一部面積を平
滑にすることになるのである。
研磨目のロール1で金属板sをXの方向に圧延すると、
ロール軸方向のある一つの研磨目が金属板sに描く軌跡
は、(b)に示すようにA点→N点→B点となり、N点
→B点の間で圧延方向xと逆の方向になる。このように
金属板sとロール軸方向の研磨目との間に相対的な滑り
があると、金属板sの表面にはロール軸方向にある程度
の長さを持つロール研磨目の凸部によりロール周方向の
滑り疵がつくことになる。すなわち、ある一つのロール
軸方向の研磨目の凸部が金属板sの表面の一部面積を平
滑にすることになるのである。
【0025】転写パターンを金属板sの幅方向の断面で
みると、(c)に示すように凹凸が緩やかである。更に
転写パターンを圧延方向でみると、(d)に示すように
微小な凸部が残存するのみであり、オイルピットは見ら
れない。
みると、(c)に示すように凹凸が緩やかである。更に
転写パターンを圧延方向でみると、(d)に示すように
微小な凸部が残存するのみであり、オイルピットは見ら
れない。
【0026】これは、金属板sの表面にロール研磨目が
転写され、更に表面粗さの凹部に存在する油膜の静水圧
によりオイルピットも一旦生じるものの、ロール軸方向
と実質的に平行な研磨目が金属板sの表面を平滑にする
ため、転写された研磨目および発生したオイルピットは
押しつぶされて消滅するからである。また、微小な凸部
は、ロールの凸部が金属板の表面をロール周方向に滑っ
た際に、ロールの凹部に金属板sの表面がめり込み、更
に盛り上がって生じたものである。
転写され、更に表面粗さの凹部に存在する油膜の静水圧
によりオイルピットも一旦生じるものの、ロール軸方向
と実質的に平行な研磨目が金属板sの表面を平滑にする
ため、転写された研磨目および発生したオイルピットは
押しつぶされて消滅するからである。また、微小な凸部
は、ロールの凸部が金属板の表面をロール周方向に滑っ
た際に、ロールの凹部に金属板sの表面がめり込み、更
に盛り上がって生じたものである。
【0027】図5は、研磨目の方向がロール周方向と平
行なロール(従来のロール)でウェット圧延を行った後
の、金属板表面の拡大平面図と表面粗さの断面曲線を示
す図である。オイルピットが凹疵として残存しているこ
とがわかる。
行なロール(従来のロール)でウェット圧延を行った後
の、金属板表面の拡大平面図と表面粗さの断面曲線を示
す図である。オイルピットが凹疵として残存しているこ
とがわかる。
【0028】図6は研磨目の方向がロール軸方向のロー
ルでウェット圧延した後の、金属表面の拡大平面図と表
面粗さの断面曲線を示す図である。金属板表面が図5と
比較して平滑化されていることがわかる。
ルでウェット圧延した後の、金属表面の拡大平面図と表
面粗さの断面曲線を示す図である。金属板表面が図5と
比較して平滑化されていることがわかる。
【0029】次に、本発明方法で用いる調質圧延液とロ
ールとの関係について説明する。
ールとの関係について説明する。
【0030】調質圧延液を使用したウェット圧延では、
前述のようにように静水圧作用によりオイルピットの発
生が助長される。静水圧作用はロール研磨目の粗さ及び
調質圧延液の粘度が大きいほど発生しやすいので、これ
らの最適な値を決定する際には相互の関係をよく確認し
ておくことが重要である。
前述のようにように静水圧作用によりオイルピットの発
生が助長される。静水圧作用はロール研磨目の粗さ及び
調質圧延液の粘度が大きいほど発生しやすいので、これ
らの最適な値を決定する際には相互の関係をよく確認し
ておくことが重要である。
【0031】本発明方法における調質圧延用ロールは、
研磨目の方向が実質的にロールの軸方向と平行であると
ともに、ロール周方向の中心線平均粗さ (以下これを
「Raθ」と記す) が0.02〜0.1 μmのものを用いる。
研磨目の方向が実質的にロールの軸方向と平行であると
ともに、ロール周方向の中心線平均粗さ (以下これを
「Raθ」と記す) が0.02〜0.1 μmのものを用いる。
【0032】Raθが0.02μm未満では、油膜の厚さ及び
金属板表面粗さに比べてロール粗さが小さいので、ロー
ル研磨目の凸部(粗さの頂部)が金属板表面に十分に届
かず、金属板表面の平滑化が行えない。したがって、凹
凸が残存するばかりか、更にオイルピットを発生させ
る。従って、Raθの下限は0.02μmである。
金属板表面粗さに比べてロール粗さが小さいので、ロー
ル研磨目の凸部(粗さの頂部)が金属板表面に十分に届
かず、金属板表面の平滑化が行えない。したがって、凹
凸が残存するばかりか、更にオイルピットを発生させ
る。従って、Raθの下限は0.02μmである。
【0033】Raθが 0.1μmを超えると、圧延時にロー
ル研磨目の凸部が金属板表面の凹部にまで金属板表面に
めり込んでロール研磨目の凹凸が強調され過ぎ、転写パ
ターンの断面深さが大きくなり、光沢度が低下する。ま
た、局部的な焼付き疵や金属板の摩耗粉による押込み疵
等新たな疵が発生する。従って、Raθの上限は 0.1μm
である。
ル研磨目の凸部が金属板表面の凹部にまで金属板表面に
めり込んでロール研磨目の凹凸が強調され過ぎ、転写パ
ターンの断面深さが大きくなり、光沢度が低下する。ま
た、局部的な焼付き疵や金属板の摩耗粉による押込み疵
等新たな疵が発生する。従って、Raθの上限は 0.1μm
である。
【0034】また、図2および図4で説明したようなロ
ール研磨目の凸部による金属板表面の平滑化の作用は、
圧延時におけるロールと金属板との接触弧、即ち、A点
からB点までの長さが長いほど有効である。特に、圧延
出側のN点からB点までの長さが長いことが重要であ
る。
ール研磨目の凸部による金属板表面の平滑化の作用は、
圧延時におけるロールと金属板との接触弧、即ち、A点
からB点までの長さが長いほど有効である。特に、圧延
出側のN点からB点までの長さが長いことが重要であ
る。
【0035】N点からB点までの長さは圧下率が同じで
あれば、ロールの直径が大きいほど長くなる。その長さ
は研磨目凸部のロール周方向間隔に対して2〜3倍以上
は必要であるが、圧下率が2%以下と小さい調質圧延で
は、ロールの直径が 500mm未満のロールでは十分な長さ
が得られない。従って、ワークロールの直径は 500mm以
上が必要である。更に望ましいのは 700mm以上である。
あれば、ロールの直径が大きいほど長くなる。その長さ
は研磨目凸部のロール周方向間隔に対して2〜3倍以上
は必要であるが、圧下率が2%以下と小さい調質圧延で
は、ロールの直径が 500mm未満のロールでは十分な長さ
が得られない。従って、ワークロールの直径は 500mm以
上が必要である。更に望ましいのは 700mm以上である。
【0036】調質圧延液は、摩擦係数の低減、摩耗粉及
び汚れの除去、焼付疵の防止の目的で使用する。研磨目
の方向がロール軸方向と平行なロールで圧延すると、図
4に示したように金属板表面が平滑化される。それに伴
って摩擦係数が増大し、摩耗粉が従来のロールで圧延し
た場合と比べて多く発生する。場合によっては局部的に
焼付きが発生することがある。したがって、本発明の方
法では、摩擦係数を十分に低下させ、かつ、摩耗粉の除
去性に優れた調質圧延液を用いる必要がある。
び汚れの除去、焼付疵の防止の目的で使用する。研磨目
の方向がロール軸方向と平行なロールで圧延すると、図
4に示したように金属板表面が平滑化される。それに伴
って摩擦係数が増大し、摩耗粉が従来のロールで圧延し
た場合と比べて多く発生する。場合によっては局部的に
焼付きが発生することがある。したがって、本発明の方
法では、摩擦係数を十分に低下させ、かつ、摩耗粉の除
去性に優れた調質圧延液を用いる必要がある。
【0037】一方、一般に調質圧延液を使用すると通常
は光沢度が低下する。これは、圧延時に調質圧延液が、
ロールと金属板との界面に入り込みロール研磨目の凸部
(粗さの頂部)が金属表面に十分に届かなくなり、オイ
ルピットが発生するからである。
は光沢度が低下する。これは、圧延時に調質圧延液が、
ロールと金属板との界面に入り込みロール研磨目の凸部
(粗さの頂部)が金属表面に十分に届かなくなり、オイ
ルピットが発生するからである。
【0038】オイルピットを発生させることなく、摩擦
係数を低下させ、摩耗粉を除去することができる調質圧
延液として本発明の方法では、エマルションタイプ以外
の調質圧延液であって、かつ40℃での粘度が 1.5〜5cSt
の調質圧延液を用いる。
係数を低下させ、摩耗粉を除去することができる調質圧
延液として本発明の方法では、エマルションタイプ以外
の調質圧延液であって、かつ40℃での粘度が 1.5〜5cSt
の調質圧延液を用いる。
【0039】調質圧延液には、以下のとおり無機塩、有
機酸塩および/または有機物を水に溶解させた水溶液タ
イプと、鉱油等の有機物そのもの、あるいは有機物を基
油として無機塩、有機酸塩および/または有機物を溶解
させた油溶液タイプ、さらには油分を水中に乳化、分散
させたエマルションタイプとがある。
機酸塩および/または有機物を水に溶解させた水溶液タ
イプと、鉱油等の有機物そのもの、あるいは有機物を基
油として無機塩、有機酸塩および/または有機物を溶解
させた油溶液タイプ、さらには油分を水中に乳化、分散
させたエマルションタイプとがある。
【0040】調質圧延液 水溶液タイプ 溶媒:水、 溶質:無機塩、有機酸
塩、有機物 油溶液タイプ 有機物そのもの(鉱油等) 溶媒:有機物、溶質:無機塩、有機酸塩、有機物 エマルションタイプ 油分を水中に乳化、分散させた
もの 水溶液および油溶液のタイプは図7(b)に示すよう
に、摩耗粉は凝集せずに調質圧延液の中へ分散するの
で、摩耗粉の除去性に優れる。40℃における粘度が1.5c
St未満の調質圧延液では、調質圧延液が流動する際に摩
耗粉を金属板の表面から引き離す効果が小さく、また圧
延液中の摩耗粉が金属板表面に付着するのを防止する効
果も小さいので摩耗粉を分散させる効果が十分でなく焼
付き疵が発生する。一方、40℃における粘度が5cSt 以
上になるとオイルピットが発生する。
塩、有機物 油溶液タイプ 有機物そのもの(鉱油等) 溶媒:有機物、溶質:無機塩、有機酸塩、有機物 エマルションタイプ 油分を水中に乳化、分散させた
もの 水溶液および油溶液のタイプは図7(b)に示すよう
に、摩耗粉は凝集せずに調質圧延液の中へ分散するの
で、摩耗粉の除去性に優れる。40℃における粘度が1.5c
St未満の調質圧延液では、調質圧延液が流動する際に摩
耗粉を金属板の表面から引き離す効果が小さく、また圧
延液中の摩耗粉が金属板表面に付着するのを防止する効
果も小さいので摩耗粉を分散させる効果が十分でなく焼
付き疵が発生する。一方、40℃における粘度が5cSt 以
上になるとオイルピットが発生する。
【0041】エマルションタイプの圧延液は連続層が低
粘度の水であるので摩耗粉の除去性が弱く、しかも油分
がロール、および圧延材表面に付着する。また、図7
(a)に示すように、エマルション中の油分の一部はロ
ールとの界面に吸着されて油膜を形成し、摩耗粉はその
油膜中あるいはエマルション中の油分に凝集される。そ
の結果、調質圧延液の粘度が大きくなりオイルピットを
発生させやすくなるので光沢度を重視する製品の圧延に
は使用できない。
粘度の水であるので摩耗粉の除去性が弱く、しかも油分
がロール、および圧延材表面に付着する。また、図7
(a)に示すように、エマルション中の油分の一部はロ
ールとの界面に吸着されて油膜を形成し、摩耗粉はその
油膜中あるいはエマルション中の油分に凝集される。そ
の結果、調質圧延液の粘度が大きくなりオイルピットを
発生させやすくなるので光沢度を重視する製品の圧延に
は使用できない。
【0042】したがって、調質圧延液は40℃での粘度が
1.5cSt以上5cSt以下の水溶液または油溶液を用いる。こ
のとき、無機塩を水に溶かした調質圧延液は無機塩が結
晶となって析出しやすいので、有機物の水溶または油溶
調質圧延液を用いるのが好ましいが、油溶性の調質圧延
液は引火点があり火災を引き起こすことがあるので有機
物の水溶調質圧延液を用いるのが最適である。
1.5cSt以上5cSt以下の水溶液または油溶液を用いる。こ
のとき、無機塩を水に溶かした調質圧延液は無機塩が結
晶となって析出しやすいので、有機物の水溶または油溶
調質圧延液を用いるのが好ましいが、油溶性の調質圧延
液は引火点があり火災を引き起こすことがあるので有機
物の水溶調質圧延液を用いるのが最適である。
【0043】本発明方法に使用する調質圧延液には、40
℃での粘度が1.5cSt以上5cSt以下であって、エマルショ
ンタイプ以外のものであれば種々のものを用いることが
できるが、粘度や、溶液タイプの場合には溶質の溶解安
定性などを考慮すると、特に次のようなものを用いるの
が好ましい。
℃での粘度が1.5cSt以上5cSt以下であって、エマルショ
ンタイプ以外のものであれば種々のものを用いることが
できるが、粘度や、溶液タイプの場合には溶質の溶解安
定性などを考慮すると、特に次のようなものを用いるの
が好ましい。
【0044】水溶タイプの調質圧延液に用いる無機塩と
しては、亜硝酸ソーダ、亜硝酸アミン、硅酸ソーダ、硅
酸アミン等の1種または2種以上を混合して用いること
ができる。水溶および油溶タイプの調質圧延液に用いる
有機物には、分子量が 100〜600 のポリビニルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレング
リコール類、炭素数が6〜18のアルキルアミン類および
アルカノールアミン類、炭素数が10〜18のカルボン酸の
アンモニウム塩、炭素数が4〜18のアルキルアミン等の
化合物が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合
して用いるのが良い。
しては、亜硝酸ソーダ、亜硝酸アミン、硅酸ソーダ、硅
酸アミン等の1種または2種以上を混合して用いること
ができる。水溶および油溶タイプの調質圧延液に用いる
有機物には、分子量が 100〜600 のポリビニルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレング
リコール類、炭素数が6〜18のアルキルアミン類および
アルカノールアミン類、炭素数が10〜18のカルボン酸の
アンモニウム塩、炭素数が4〜18のアルキルアミン等の
化合物が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合
して用いるのが良い。
【0045】油溶タイプの調質圧延液の場合の基油は、
前述の有機物そのものでもよく、鉱物油等の炭化水素類
を用いてもよい。なお、水及び炭化水素類に溶解させる
無機塩、有機物の量は5%未満では摩耗粉の除去性、潤
滑性に劣ることがある。また、高濃度になるほど、摩耗
粉の除去性、潤滑性は向上するが、20%を超えるとその
効果が飽和するとともに、圧延時の発熱等により水分が
蒸発して局部的に高濃度な部分が生じ、圧延液が高粘度
化したりあるいは圧延液中に固体が析出することがあ
る。そのような状態で調質圧延を行うと金属板の光沢が
低下するので、それらの濃度は5%以上20%以下である
のが好ましい。
前述の有機物そのものでもよく、鉱物油等の炭化水素類
を用いてもよい。なお、水及び炭化水素類に溶解させる
無機塩、有機物の量は5%未満では摩耗粉の除去性、潤
滑性に劣ることがある。また、高濃度になるほど、摩耗
粉の除去性、潤滑性は向上するが、20%を超えるとその
効果が飽和するとともに、圧延時の発熱等により水分が
蒸発して局部的に高濃度な部分が生じ、圧延液が高粘度
化したりあるいは圧延液中に固体が析出することがあ
る。そのような状態で調質圧延を行うと金属板の光沢が
低下するので、それらの濃度は5%以上20%以下である
のが好ましい。
【0046】
【実施例】直径が 400mm、 450mm、 500mmおよび 750mm
で幅が 400mmのロールを装備可能な2Hi圧延機におい
て、表1に示したステンレス鋼板を供試材(各材料を
A、B、CおよびDとする)とし、表2に示したとおり
の表面粗さと研磨目方向を持つ調質圧延用ロール(各ロ
ールを1〜9とする)を用いて調質圧延を行った。試験
No.1〜28ではそれぞれ表3に示した各種調質圧延液(各
液をイ〜ヨとする) を供給して圧延した。試験No. 29お
よび30は調質圧延液を用いないドライ圧延を行った例で
ある。なお、試験No.31 は、ゼンジミアミルで冷間圧延
した鋼板をドライ圧延して製造した従来の例である。
で幅が 400mmのロールを装備可能な2Hi圧延機におい
て、表1に示したステンレス鋼板を供試材(各材料を
A、B、CおよびDとする)とし、表2に示したとおり
の表面粗さと研磨目方向を持つ調質圧延用ロール(各ロ
ールを1〜9とする)を用いて調質圧延を行った。試験
No.1〜28ではそれぞれ表3に示した各種調質圧延液(各
液をイ〜ヨとする) を供給して圧延した。試験No. 29お
よび30は調質圧延液を用いないドライ圧延を行った例で
ある。なお、試験No.31 は、ゼンジミアミルで冷間圧延
した鋼板をドライ圧延して製造した従来の例である。
【0047】各試験ごとに使用した供試材、使用ロー
ル、調質圧延液は、表4に示すとおりである。なお、調
質圧延の圧下率は 0.8%とし、圧延速度は400m/minとし
た。
ル、調質圧延液は、表4に示すとおりである。なお、調
質圧延の圧下率は 0.8%とし、圧延速度は400m/minとし
た。
【0048】調質圧延を行った後、鋼板表面の光沢度、
オイルピットの有無、焼付疵の有無、摩耗粉の付着量を
測定あるいは観察して表4に併記した。
オイルピットの有無、焼付疵の有無、摩耗粉の付着量を
測定あるいは観察して表4に併記した。
【0049】光沢度の評価は、 JIS法による測定角度45
°の鏡面光沢度 (Gs45°) で測定し800以上を○、 700
以上を△、それ未満を×として示した。また、オイルピ
ット、焼付疵の有無は、顕著に有りを×、無しを○、若
干有りの場合を△とした。摩耗粉の付着量はゼンジミア
ミルで冷間圧延後ドライ圧延して得た鋼材に付着した摩
耗粉量を基準として、それより少ない場合を○、同等な
場合を△、多い場合を×とした。総合評価は、全て○の
場合◎、△と○の場合で△が1つの場合○、2つの場合
△、×があれば×とした。
°の鏡面光沢度 (Gs45°) で測定し800以上を○、 700
以上を△、それ未満を×として示した。また、オイルピ
ット、焼付疵の有無は、顕著に有りを×、無しを○、若
干有りの場合を△とした。摩耗粉の付着量はゼンジミア
ミルで冷間圧延後ドライ圧延して得た鋼材に付着した摩
耗粉量を基準として、それより少ない場合を○、同等な
場合を△、多い場合を×とした。総合評価は、全て○の
場合◎、△と○の場合で△が1つの場合○、2つの場合
△、×があれば×とした。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4(1)】
【0054】
【表4(2)】
【0055】表4から、本発明方法で調質圧延した金属
板は、光沢度、オイルピット、焼付疵、摩耗粉の付着量
のいずれもが△以上であるが、本発明方法以外の条件で
調質圧延した場合は、冷間圧延をゼンジミアミルで行っ
たものであってもそれらのいずれか一つ以上に×があ
り、本発明方法が優れていることが分かる。また、有機
物の水溶または油溶の調質圧延液を使用するとその効果
が顕著であることがわかる。
板は、光沢度、オイルピット、焼付疵、摩耗粉の付着量
のいずれもが△以上であるが、本発明方法以外の条件で
調質圧延した場合は、冷間圧延をゼンジミアミルで行っ
たものであってもそれらのいずれか一つ以上に×があ
り、本発明方法が優れていることが分かる。また、有機
物の水溶または油溶の調質圧延液を使用するとその効果
が顕著であることがわかる。
【0056】
【発明の効果】タンデムミルやレバースミルのような大
径ワークロールの圧延機で高速圧延した光沢度の低い金
属板であっても、本発明の調質圧延方法で圧延すればオ
イルピットや焼付疵、摩耗粉の付着量が少なく、ゼンジ
ミアミルで冷間圧延した後ドライ圧延した場合の表面に
匹敵する光沢度に優れた金属板を製造することができ
る。
径ワークロールの圧延機で高速圧延した光沢度の低い金
属板であっても、本発明の調質圧延方法で圧延すればオ
イルピットや焼付疵、摩耗粉の付着量が少なく、ゼンジ
ミアミルで冷間圧延した後ドライ圧延した場合の表面に
匹敵する光沢度に優れた金属板を製造することができ
る。
【図1】ロール研磨目(粗さの凹凸)の方向を説明する
図である。
図である。
【図2】冷間圧延におけるロール表面と金属板表面間の
滑りを説明する図である。
滑りを説明する図である。
【図3】研磨目の方向がロール周方向のロール(従来の
ロール)を用いて調質圧延を行った際の金属板表面に形
成されるロール研磨目の転写、オイルピット状況を説明
する図である。
ロール)を用いて調質圧延を行った際の金属板表面に形
成されるロール研磨目の転写、オイルピット状況を説明
する図である。
【図4】研磨目の方向がロールの軸方向と実質的に平行
なロールを用いて調質圧延を行った際の金属板表面に形
成されるロール研磨目の転写、オイルピット状況を説明
する図である。
なロールを用いて調質圧延を行った際の金属板表面に形
成されるロール研磨目の転写、オイルピット状況を説明
する図である。
【図5】研磨目の方向がロール周方向と平行なロール
(従来のロール)でウエット圧延を行った後の、金属板
表面の拡大平面図と圧延方向および幅方向粗さの断面曲
線を示す図である。
(従来のロール)でウエット圧延を行った後の、金属板
表面の拡大平面図と圧延方向および幅方向粗さの断面曲
線を示す図である。
【図6】研磨目の方向がロール軸方向と実質的に平行な
ロールでウェット圧延を行った後の、金属板表面の拡大
平面図と圧延方向および幅方向粗さの断面曲線を示す図
である。
ロールでウェット圧延を行った後の、金属板表面の拡大
平面図と圧延方向および幅方向粗さの断面曲線を示す図
である。
【図7】(a)は調質圧延液としてエマルションタイプ
を使用した際の調質圧延液の油分の挙動と摩耗粉の付着
状況を説明する図である。(b)は調質圧延液として水
溶液または油溶液タイプのものを使用した際の調質圧延
液の油分の挙動と摩耗粉の付着状況を説明する図であ
る。
を使用した際の調質圧延液の油分の挙動と摩耗粉の付着
状況を説明する図である。(b)は調質圧延液として水
溶液または油溶液タイプのものを使用した際の調質圧延
液の油分の挙動と摩耗粉の付着状況を説明する図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】表面にロールの軸方向と実質的に平行な研
磨目を有し、ロール周方向の中心線平均粗さが0.02〜0.
1 μm、ロール直径が 500mm以上であるロールをワーク
ロールとして使用し、エマルションタイプ以外の、40℃
における粘度が 1.5〜5cStの調質圧延液を用いて調質圧
延を行うことを特徴とする光沢度の高い金属板の調質圧
延方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2045393A JPH06234002A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 金属板の調質圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2045393A JPH06234002A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 金属板の調質圧延方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06234002A true JPH06234002A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12027497
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2045393A Pending JPH06234002A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 金属板の調質圧延方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06234002A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5994075B1 (ja) * | 2015-03-30 | 2016-09-21 | 大同化学工業株式会社 | 調質圧延液の耐ビルドアップ性の評価方法 |
-
1993
- 1993-02-09 JP JP2045393A patent/JPH06234002A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5994075B1 (ja) * | 2015-03-30 | 2016-09-21 | 大同化学工業株式会社 | 調質圧延液の耐ビルドアップ性の評価方法 |
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