JPH062347A - 給水管路の防食法および装置 - Google Patents

給水管路の防食法および装置

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JPH062347A
JPH062347A JP18286992A JP18286992A JPH062347A JP H062347 A JPH062347 A JP H062347A JP 18286992 A JP18286992 A JP 18286992A JP 18286992 A JP18286992 A JP 18286992A JP H062347 A JPH062347 A JP H062347A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既設建物に施設された鋼管をもつ給水管路の
腐食を防止し,漏水トラブルを回避する。 【構成】 鋼管製の給水管路を備えた建物において,該
給水管路に供給する前の水に窒素ガスをバブリングさせ
る。このため,受水槽を大気と遮断された閉鎖容器に構
成したうえ,この受水槽の水面下に,窒素ガス源に接続
されたポーラスチューブを設置し,受水槽内空間から大
気圧雰囲気に通ずる排ガス管路を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,給水管路の防食法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】既設建物における給水管路の漏水事故が
起きると,その責任の所在が建物の設計者,管理者また
は施工者にあるのか,管の製造者または施工者にあるの
かといった問題はもとより,補修にあたっても簡単に済
まない場合が多い。
【0003】とりわけ,腐食が原因となっている場合に
は,一部の補修のみならず,全面改修を必要とする事態
すら生ずる。したがって,給水管の腐食は可能な限り防
止されねばならない。
【0004】耐食性に優れた材料,例えばステンレス鋼
管を使用することも提案されているが,これも半永久的
な施設や特別な建物,或いは特定の管路位置に限られ,
一般建物に対してのすべての給水管路をステンレス鋼管
にする程の安全対策が採られることは,建物の耐用年数
や経済性から勘案しても稀なことである。
【0005】一方,最近のビルの高層化や複雑化に伴
い,耐圧や強度さらには加工性・溶接性等の点から水路
を構成する部材(受水槽,高置槽,縦管,横管,ジヨイ
ント,弁等)も鋼に依存するところが多く,給水路を構
成する材料として鋼管または鋼板の使用が不可避であ
る。
【0006】かような給水路に使用される鋼の腐食を防
止するために,従来より,防食被膜をもつ鋼材料(例え
ば樹脂塗装鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)を使用すること
が行われており,また,水槽などでは犠牲陽極による防
食対策が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】防食被膜をもつ鋼材料
を給水管路材料に使用した場合でも,完全且つ永久的に
防食機能を果たすことは困難である。
【0008】例えば溶融亜鉛めっき鋼板を用いた場合で
も,弁体等の他の金属部材と接合する部分ではイオン化
電位の差から腐食を促進することがあるし,隙間腐食も
完全には防止できない。そして,亜鉛が溶出して母材の
鋼が露出した部分が生ずると腐食を促進する場合もあ
る。また,溶接や螺合,さらには加工によって,管の内
面の亜鉛めっき層が破壊されることもある。
【0009】溶融亜鉛めっき鋼板の表面にさらに樹脂コ
ーテングを施した材料でも,使用環境によっては樹脂が
分解したり,膨潤や割れを発生させたりすることがあ
り,この場合も同様な問題がある。
【0010】犠牲陽極を用いる防食法は温水器等の貯水
槽に対しては一般化しているが,一般の給水管路系に適
用することは,水流が存在することや電極の設置事態が
困難であることなどから,無理がある。
【0011】本発明は,給水管路に生ずる鋼の腐食を,
その腐食原因を除去することによって簡便に防止しよう
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,鋼管製
の給水管路を備えた建物において,該給水管路に供給す
る前の水に窒素ガスをバブリングさせることを特徴とす
る給水管の防食法を提供する。窒素ガスのバブリング
は,給水管路の上流側に設置された受水槽内で行うのが
好都合である。また窒素ガスは,中空糸膜を用いて空気
から分離されたもので十分である。
【0013】本発明はまた,受水槽から鋼製給水管を経
て建物内の各所に給水するようにした建物の給水設備に
おいて,該受水槽を大気と遮断された閉鎖容器に構成し
たうえ,この受水槽の水面下に窒素ガス源に接続された
ポーラスチューブを設置し,受水槽内空間から大気圧雰
囲気に通ずる排ガス管路を設けたことを特徴とする給水
管の防食装置を提供する。
【0014】
【作用】給水管路の鋼の腐食は水と酸素の共存によって
生ずる。その腐食理論は学術的に研究されているが,モ
デル的に言えば,水中には水の一部が解離して水素イオ
ンH+と水酸化イオンOH-が存在するが, 鉄の一部が陽
イオンとなって溶出し,鉄母材は陰に帯電して水素イオ
ンと結合し,鉄の表面は水素被膜で覆われた状態とな
る。一方, 溶出した第一鉄イオン (Fe2+ ) はOH-
結合して水酸化第一鉄Fe(OH)2を形成し, 鉄の表面上
に安定して存在するようになる。
【0015】この水素被膜および水酸化第一鉄被膜で覆
われた一種の平衡状態にあれば,腐食の進行はほぼ停止
するが,ここに酸素が共存すると,鉄表面の水素が酸素
と反応して結合して該平衡が崩れ, また水酸第一鉄も酸
素と次式のように反応して水酸化第二鉄となって沈澱し
てしまうので,鉄のイオンの溶出が始まり,腐食が進行
することになる。
【0016】 4Fe(OH)2+O2+2H2O=4Fe(OH)3
【0017】一般の淡水では,溶存ガスの種類や量,p
H値,温度,流速,水質などの変化要因によって,腐食
度は様々な挙動を示すが,水中に酸素が共存していると
鋼の腐食が促進することは疑いのないところであり,こ
れは亜鉛被膜を有する鋼の場合にも言える。
【0018】大気圧下におかれた水は,空気,酸素およ
び窒素を溶存するが,これらの溶解度は温度依存性があ
り,温度が低いほど溶存量は多くなる。例えば20℃で
あれば,大気圧下において空気は約23ppm,窒素は
約15ppm,酸素は9ppm溶解するとされている。
窒素と酸素の溶解度は空気中の窒素分圧と酸素分圧に関
係している。
【0019】本発明に従って,水中に窒素ガスをバブリ
ングさせて窒素ガス気泡を多数導入すると,水と窒素ガ
ス気泡と接する界面では,酸素分圧が実質的にゼロ若し
くは極めて低い気相と水が接することになるので,水中
の溶存酸素は気相に移行する現象が生ずる。このため,
水中に窒素ガス気泡を連続的に多数発生させ続け且つこ
の気泡を連続的に除去し続ければ,水中の溶存酸素はほ
ぼ完全に気泡中に移行し,水中の溶存酸素量を低減させ
ることができる。
【0020】給水管路に供給される前の水中に窒素ガス
気泡を導入して溶存酸素量を低減させると,給水管路の
鋼の腐食の進行が防止される。中空糸膜を利用した窒素
発生装置を用いれば,空気を原料として窒素ガスを連続
的に供給できる。
【0021】
【実施例】図1は,中層建物の代表的な給水経路を示し
たものである。建物の地階に受水槽1が設置される。こ
の受水槽1には市水管2から止水栓3および量水器4を
経て市水が供給される。受水槽1に受入れられた水はポ
ンプ5によって,高置タンク6に揚水され,この高置タ
ンク6から各階の給水位置に送水される。
【0022】かような建物の給水経路において,本発明
では受水槽1の水中に多数の窒素ガス気泡を連続的に導
入する。その詳細は後に示すが,図1において,7は空
気を原料とする窒素ガス発生装置を示し,この窒素ガス
発生手段7で得られた窒素ガスを受水槽1および高置タ
ンク6の水面下の位置にガス放出手段8を介して導入す
る。
【0023】図2は,中間タンク9を用いた高層建物に
おける給水経路の例を示しており,図2Aでは受水槽1
から高置タンク6と中間タンク9にそれぞれポンプ5と
5’によって揚水し,高置タンク6からは上層階ゾーン
に,中間タンク9からは下層階ゾーンに給水する例を示
す。
【0024】図2Bでは受水槽1からポンプ5によって
中間タンク9に揚水し,この中間タンク9から一部の水
をポンプ5”によって高置タンク6に揚水する例を,ま
た図2Cでは受水槽1からポンプ5によって高置タンク
6に揚水したうえ,この高置タンク6から中間タンク9
に一部の水を落水させる例を示しており,いずれも,高
置タンク6からは上層階ゾーンに,中間タンク9からは
下層階ゾーンに給水する点では図2Aと変わりはない。
【0025】図2のいずれの例でも,受水槽1,中間タ
ンク9および高置タンク6の水中に窒素ガス気泡を導入
する点では図1と同様である。
【0026】図3は,減圧弁10を設けた高層建物にお
ける給水経路の例を示している。図3Aでは落水主管に
減圧弁10を,Bでは下層の各階の分岐管に減圧弁10
を,そしてCでは下層のグループに減圧弁10を設けた
例を表しており,いずれも,これら減圧弁10の作動に
よって高置タンク6への揚水圧を緩和する。このような
給水管路においても,本発明においては前記同様に受水
槽1および高置タンク6の水中に窒素ガス気泡を導入す
る。
【0027】図4と5は,受水槽1の水中に窒素ガス気
泡を導入する本発明例を示したものである。受水槽1
は,蓋体12を取付けることによって閉鎖容器に構成さ
れている。13は受水槽への水受入口,14は受水槽か
らの水送出口である。この水受入口13から水送出口1
4に至るまで槽内を水が一方向性にジグザグ状に流れる
ように槽内に仕切壁15が設けてある。この仕切壁15
は,図5の平面に示したように,前壁または後壁との間
に互い違いに所定の隙間をあけて多数枚並設してあり,
これにより,図示の矢印の方向に水がジグザグ状に流れ
る。
【0028】このようにして,受水槽1内に一方向性の
水の通路を形成したうえ,この通路を横切るように通路
底部にポーラスチューブ16を配置する。そして,この
ポーラスチューブ16を槽外に設けた窒素ガス発生装置
17に連結する。
【0029】図示の例では,該水路における水の流れが
反転する位置の槽底部に複数のポーラスチューブ16を
配置し,各ポーラスチューブ16を一台の窒素ガス発生
装置17にガス管18を用いて接続してある。これによ
り,窒素ガス発生装置17を駆動することにより各ポー
ラスチューブ16の細孔から窒素ガスが噴出し,水中で
微細な窒素ガス気泡を形成する。
【0030】したがって,水受入口15から水送出口1
4に至るまでの間に,槽内水は複数回窒素ガス気泡と接
触する機会を与えられ,水中に溶存している酸素はその
分圧差から窒素ガス気泡中に移行し,水送出口14を出
る時点では溶存酸素は殆んど存在しなくなる。
【0031】一方,水中を上昇する過程で酸素ガスを吸
収したガス気泡は,水面上の槽内空間19から排気ガス
管路20を経て,系外に放出される。この排ガス管路2
0は逆止弁21を介して大気に連通している。逆止弁2
1は,装置休止中に受水槽1内に大気が侵入するのを防
止する。
【0032】受水槽1内への受水量が送水量を超えた場
合のオーバーフローを取り出すために,オーバーフロー
管23が取付けられるが,本発明設備ではこのオーバー
フロー管23に溢水槽24が取付けられている。
【0033】溢水槽24は閉鎖容器からなり,溢水口2
5を所定レベルの高さに設置することにより,この溢水
槽24内に水が貯留するようにすると共に,オーバーフ
ロー管23と溢水口25とが水面上の空間を通じて連通
しないように,水封板26が取付けてある。また,この
溢水槽24に窒素ガス発生装置17からガス配管27が
接続されており,溢水槽24内にも窒素ガスが導入され
る。28は給水管を示しており,受水槽1からのオーバ
ーフローが無いときでも溢水槽24内に常時水が貯留す
るように制御弁29によって給水される。
【0034】この構成により,受水槽1内にオーバーフ
ロー管23を通じて大気が侵入することが防止される。
この結果,受水槽1内の水に酸素が溶存することが防止
される。また,槽1内で発生した窒素・酸素の混合ガス
もオーバーフロー管を経て外部に漏出することが防止さ
れる。
【0035】図6は,受水槽1内の底部に配置するポー
ラスチューブ16の詳細を示したものである。多孔質の
セラミツクス管30の一方の端を閉鎖部材31で塞ぎ,
他方の端をガスヘッダー32で塞いである。閉鎖部材3
1とガスヘッダー32はフレーム33によって互いに固
定されている。ガスヘッダー32に設けられたガス供給
口34から窒素ガスが導入されると,セラミツクス管3
0の多孔質壁を通過して周面から全体的に窒素ガスが噴
出する。
【0036】図7は,本発明で使用するガス発生装置1
7の詳細を示したものである。多数本の中空糸膜35が
一方の端をガス供給ヘッダー36に,他方の端をガス排
出ヘッダー37に開口して容器38内に配置される。ま
た,中空糸膜35の群のほぼ全長は仕切板39と40で
囲われる内部空間に露出しており,この内部空間は排ガ
ス管路41に通じている。
【0037】供給ヘッダー36に圧縮空気を導入し,中
空糸膜35内に送り込まれると,透過速度の速い酸素ガ
スやCO2ガスがこの中空糸膜35を選択的に透過し,
透過速度の遅い窒素ガスは透過しないで排出ヘッダー3
7側に流れる。中空糸膜35は各種のものが開発されて
いるが,ポリオレフイン系の多孔質中空糸にシリコン系
ポリマーを積層した複合膜が市場で入手可能であり,こ
れを用いれば空気から酸素富化ガスと窒素ガスを分離で
きる。
【0038】分離された窒素ガスは前述のように受水槽
1さらには高置タンク6や中間タンク9の底部に設けら
れたポーラスチューブ16,更には溢水槽24に圧送さ
れ,水中の溶存酸素除去のために使用され,他方の酸素
富化ガスは室内空気の酸素濃度を高めるために空気調和
器に導入され,場合によって貯蔵して室内放出用または
その他の用途に使用される。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
既設建物の給水管路の腐食という極めて厄介なトラブル
を回避または減少させるのに大きな効果を発揮する。特
に無害な窒素ガスによって,しかも簡単な設備によって
給水管路の防食が達成されたことは,安全性の面でも経
済的な面でも有利であり,一たん施設された後の建物内
の給水管路の延命を図る上で多大の貢献をなし得るもの
である。
【0040】かような本発明の効果は,防食被膜を施し
た鋼管や鋼板を使用した給水管路に対しても発揮され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給水管路の防食法を説明するための給
水系統を示す図である。
【図2】本発明の防食法を説明するための高層建物の給
水系統を示す図である。
【図3】本発明の防食法を説明するための高層建物の給
水系統を示す図である。
【図4】本発明に従う防食を実施する受水槽の例を示す
略断面図である。
【図5】図4の受水槽の内部を平面的に見た図である。
【図6】本発明で使用するポーラスチューブの例を示す
略断面図である。
【図7】本発明で使用する窒素ガス発生装置の例を示す
略断面図である。
【符号の説明】
1 受水槽 5 揚水ポンプ 6 高置タンク 13 水受入口 14 水送出口 15 仕切壁 16 ポーラスチューブ 17 窒素ガス発生装置 18 ガス管 20 排ガス管路 24 溢水槽 30 多孔質セラミツクス管 35 中空糸膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管製の給水管路を備えた建物におい
    て,該給水管路に供給する前の水に窒素ガスをバブリン
    グさせることを特徴とする給水管の防食法。
  2. 【請求項2】 窒素ガスのバブリングは,給水管路の上
    流側に設置された受水槽内で行う請求項1に記載の給水
    管路の防食法。
  3. 【請求項3】 窒素ガスは,中空糸膜を用いて空気から
    分離されたものである請求項1または2に記載の給水管
    路の防食法。
  4. 【請求項4】 受水槽から鋼製給水管を経て建物内の各
    所に給水するようにした建物の給水設備において,該受
    水槽を大気と遮断された閉鎖容器に構成したうえ,この
    受水槽の水面下に,窒素ガス源に接続されたポーラスチ
    ューブを設置し,受水槽内空間から大気圧雰囲気に通ず
    る排ガス管路を設けたことを特徴とする給水管路の防食
    装置。
  5. 【請求項5】 受水槽は,この受水槽への水受入口と受
    水槽からの水送出口との間で一方向性の水路が形成され
    るように,その内部に仕切壁が設けられており,ポーラ
    スチューブは該水路を横切るように配置されている請求
    項4に記載の防食装置。
  6. 【請求項6】 受水槽は,水封された溢水口を備えてお
    り,この水封部に窒素ガスが封入される請求項4または
    5に記載の防食装置。
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