JPH06234989A - 熱間圧延用潤滑剤および熱間圧延用潤滑剤の供給方法 - Google Patents

熱間圧延用潤滑剤および熱間圧延用潤滑剤の供給方法

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JPH06234989A
JPH06234989A JP31533793A JP31533793A JPH06234989A JP H06234989 A JPH06234989 A JP H06234989A JP 31533793 A JP31533793 A JP 31533793A JP 31533793 A JP31533793 A JP 31533793A JP H06234989 A JPH06234989 A JP H06234989A
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清 西田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦係数を低下させることの無い水に、耐摩
耗性や耐焼付き性に優れた固体潤滑剤を均一に分散させ
て、安定した咬込み性と通板安定性を保ちながら、圧延
ロールや工具の摩耗や焼付きを低減する。 【構成】 平均粒径20μm以下の膨潤性を有する雲母
を1重量%以上10重量%未満の濃度で水に混合した液
体の中に、粉末状の固体潤滑剤を混合した熱間圧延用潤
滑剤。その中に樹脂を1重量%以上10重量%以下の濃
度で混合することによって、付着効率を高めることもで
きる。そして、材料が圧延機に咬込まれる前から供給を
開始し、材料が圧延機から完全に抜けてから潤滑剤の供
給を終了することによって、コイル全長にわたって焼付
き疵を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄板、厚板、条鋼、鋼
管などの鉄鋼材料(普通鋼、極低炭鋼、ステンレス鋼な
ど)に、熱間において圧延加工や穿孔加工などの塑性加
工を行うときに用いられる潤滑剤に関するものであり、
特に粉末状の固体潤滑剤を混合した熱間塑性加工用の潤
滑剤およびその供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間塑性加工を行うときに潤滑剤を用い
る目的は、主として、加工工具と熱間加工鋼材の摩擦面
で発生する焼付きを防止することと、加工工具の摩耗を
低減することである。摩耗は摩擦界面のせん断力による
表面の微小破壊(アブレージョン、プラウイングなど)
により進行するため、潤滑膜を部分的にでも摩擦界面に
形成すると摩耗は軽減される。従って、熱間塑性加工用
潤滑剤には、摩擦する材料の表面に働く摩擦せん断力を
軽減する機能が求められている。また、焼付きは、鋼材
の表面品質に大きな影響を及ぼすため、完全に防止され
ることが望まれている。この焼付きは、熱間鋼材を塑性
加工すると、表面積が増加することによって生成する新
生面と加工工具が接触して金属凝着を起こして発生する
と一般的に言われている。また、ステンレス鋼などの酸
化しにくい金属の場合は、表面のスケール層が薄いた
め、新生面が発生しない軽負荷の加工でもスケール層が
取り除かれて母材と加工工具が金属凝着を起こし焼付き
に至る。従って、熱間塑性加工用潤滑剤には、この新生
面や母材と加工工具の接触を防止する機能も求められて
いる。
【0003】従来、こうした目的で使用される熱間塑性
加工用潤滑剤としては、鉱油、合成エステル、極圧添加
剤などを1種類又は2種類以上混合した液体潤滑剤や、
グリースなどが知られている(桜井俊男監修「潤滑の物
理化学」、特開昭63−309590号公報など)。し
かしながら、熱間塑性加工工程では高温度に長時間さら
されるため、前記鉱油、合成エステルなどでは、摩擦面
内で焼失もしくは変質して、摩擦界面全体にわたって十
分な潤滑効果を発揮することが困難である。このような
苛酷な環境に耐え得る熱間塑性加工用の潤滑剤として、
前記鉱油、合成エステルなどのような液体潤滑剤および
グリースなどに、黒鉛、珪酸塩、BN、酸化鉄、二硫化
モリブデンなどのような粉末状の固体潤滑剤を混合した
ものが使用されるようになってきた(特開昭63−23
0796号公報、特開昭63−254195号公報)。
また、液体潤滑剤やグリース以外にも、珪酸塩などの溶
融無機化合物に黒鉛などの固体潤滑剤を混合した熱間潤
滑剤も知られている(特開昭55−161897号公
報)。
【0004】一方、熱間塑性加工を行うプロセスは連続
化されていないところが多いため、安定した生産を行う
ためには加工工具と加工鋼材との安定した咬込み性を維
持する必要がある。また、形鋼などの圧延ではある程度
の摩擦係数を維持しないと、製品寸法のバラツキが大き
くなる場合がある。そのため、咬込み時の摩擦係数や摩
擦界面における摩擦係数はできるだけ高く維持しながら
加工を施すことが好ましい。つまり、熱間塑性加工に使
用される潤滑剤は摩擦係数がある程度高くなければなら
ない。前述した液体潤滑剤をそのまま摩擦面もしくは加
工工具に吹き付けると、摩擦係数が低下し安定した生産
ができないため、ウォーターインジェクション方式によ
る供給方法を用いて、水に薄めて使用し、摩擦係数の低
下を最小限に抑え、かつ加工工具の摩耗や焼付きを防止
する機能を発揮させようとしている。グリースは水に薄
めることができないため、使用する熱間塑性加工温度域
において摩擦係数が高くなる固体潤滑剤を混合して、摩
擦係数を低下させないようにして使用されている。珪酸
塩の中に固体潤滑剤を混合した潤滑剤は、ほとんど流体
潤滑状態にあるため、ガラスの粘性抵抗を高めることに
より摩擦係数を高めている。
【0005】また、熱間圧延用潤滑剤の供給方法の観点
からのスリップの抑制方法として、材料がかみ込まれた
後で潤滑剤の供給を開始することで、咬込み時の摩擦係
数を無潤滑状態の摩擦係数にしてスリップを防止し、材
料が圧延機から抜ける前に潤滑剤の供給を止めて材料の
熱でロール表面に付着している潤滑剤を焼ききることに
よりロール表面を無潤滑状態にして、次の材料が咬込ま
れるときスリップが起きないように工夫して圧延してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来から用いられる鉱油、合成エステルの液体潤滑剤
又はそれらに固体粉末を混合した液体潤滑剤では、摩擦
係数の低下を防止するために、低い濃度に希釈されて摩
擦面に供給されるため、十分な耐摩耗効果や耐焼付き効
果を得ることができない。また、十分な耐摩耗効果や耐
焼付き効果を得るために濃度を高めると、摩擦係数が低
下して使用することができない。
【0007】一方、摩擦係数の低下を抑えるため、鉱油
や合成エステルの代わりに水を用いて、その中に優れた
耐摩耗効果や耐焼付き効果を有する粉末状の固体潤滑剤
を添加した潤滑剤を調整しようとすると、粉末状の固体
潤滑剤が水に均一に分散しないため、安定生産を行うプ
ロセスでは使用できない。また、こうした粉末の分散性
を高めるために樹脂のような界面活性剤を添加すると、
界面活性剤が摩擦係数を低下させる働きをおこし、水を
用いる利点が無くなる。珪酸塩に固体潤滑剤を混合した
潤滑剤は、十分な潤滑効果を発揮するものの、製品に潤
滑剤が付着し製品の表面品質を著しく悪くする。
【0008】一方、従来から使用されている鉱油、エス
テル、グリースなどの潤滑剤を使用する場合、咬込みス
リップを防止するため、咬込んだ後に潤滑剤の供給を開
始し圧延機から材料が抜ける前に潤滑剤の供給を終了さ
せて、ロール表面の潤滑剤を焼失させている。そのた
め、咬込み直後に無潤滑状態で圧延することになり、こ
のときに焼付きが発生しやすくなる。コイルトップで焼
付きが発生すると、それ以降に圧延される材料にも焼付
き(ロール肌荒れ)に起因した疵が多発し、表面品質が
非常に悪くなる。
【0009】本発明は、上述の欠点を解消することを目
的として、摩擦係数の低下を抑えるため、従来、分散媒
として用いられている鉱油や合成エステルの代わりに水
を用い、樹脂などの界面活性剤を使用しなくても、耐摩
耗効果および耐焼付き効果に優れた固体粉末(固体潤滑
剤)を均一に混合・分散できる潤滑剤を提供するもので
あり、また従来の潤滑剤およびその供給方法では困難で
あった圧延材料の咬込み及び尻抜け時に発生する焼付き
疵を完全に防止する潤滑剤の供給方法も提供するもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、平均粒径20μm以下の膨潤性を有する雲母を1重
量%以上10重量%以下の濃度で水に混合した液体の中
に、粉末状の固体潤滑剤を混合した熱間圧延潤滑剤であ
る。また、加工工具に本発明の潤滑剤を噴射して摩擦面
に供給する場合、必要に応じて、付着剤樹脂を添加した
熱間圧延潤滑剤を用いることもできる。また、本発明の
熱間圧延用潤滑剤を、圧延に際して供給する場合、圧延
材料の咬み込み前からロール又は摩擦界面に供給し、材
料が抜けた後に潤滑剤の供給を止めるものである。
【0011】従来から用いられている鉱油、合成エステ
ル、グリースなどの有機系潤滑剤を用いると、無潤滑又
は水潤滑時よりも摩擦係数の低下は免れない、そこで、
本発明者らは、摩擦係数の低下が発生しない水を、従来
から用いられている鉱油、合成エステル、グリースの代
わりに用いることを考えた。当然、水は鉱油や合成エス
テル、グリース等のようなものよりも、潤滑性能は格段
に劣ることは明らかである。そこで、近年鉱油や合成エ
ステル、グリースなどに混合して用いられるようになっ
てきた粉末状の固体潤滑剤に着目して、水によって安定
した加工を行うのに必要な摩擦係数を確保・維持しなが
ら、固体潤滑剤によって潤滑性能(耐摩耗効果、耐焼付
き効果など)を発揮させることを考えた。ところが、粘
度が高く固体潤滑剤の分散性に優れているグリースはさ
ておき、鉱油や合成エステルに比べて表面張力が大きい
水の中に粉末状の固体潤滑剤を混合すると、固体潤滑剤
は比重の関係で大半のものが水に浮上し又は沈降し、水
の中に均一に分散させることができない。また、鉱油や
合成エステルの中に粉末状の固体潤滑剤を分散させるに
は、ある種の界面活性剤を添加し、鉱油や合成エステル
との馴染み性を改善することができるが、水の中に分散
させるためには、従来からある樹脂系の界面活性剤で
は、世の中にある多くの優れた潤滑性能を有する固体潤
滑剤を自由に分散させることは困難である。そこで、本
発明者らは固体潤滑剤を水の中に均一に分散・保持する
ために別の微粒子を水の中に分散させておき、それらの
微粒子を用いて固体潤滑剤の浮力や沈降力を抑えること
を考え、水中に均一に微粒子として分散するものを探索
した結果、膨潤性を有する雲母粉末が適当であることを
発見した。
【0012】従来、雲母は潤滑物質の一つとしてよく知
られているものである(特公昭54−116566号公
報、特開昭55−71795号公報)。しかし、本発明
は、従来から知られているように雲母を潤滑剤として使
用するのではなく、雲母の微粒子を界面活性剤的なもの
として使用することにより、優れた耐摩耗性もしくは耐
焼付き性を有する固体潤滑剤を水の中に均一に分散させ
るために用いることに特徴を有する。従って、本発明
は、従来から知られている雲母をベースとした潤滑剤と
は思想が全く異なるものである。また同時に、摩擦係数
を低下させない水を用いることで、安定した加工を行う
のに必要な界面摩擦力(摩擦係数)を確保しつつ、耐摩
耗効果や耐焼付き効果を発揮する潤滑剤でもある。本発
明の熱間圧延潤滑剤は、従来からある水ベースの潤滑剤
に用いられている樹脂系の界面活性剤を使用していない
ため、摩擦係数の低下を招くこともない。
【0013】この効果は、膨潤性の雲母をある割合で水
に混合することにより発揮される。膨潤性を有する雲母
は水に混合されると、細かい微粒子になり水の中に均一
に分散する。但し、この特性は雲母粉末の粒径により大
きく異なり、平均粒径が20μmを越えると水に添加し
たときの雲母の微粒子化が進まず、雲母粉末が水に均一
に分散せずに沈澱する。平均粒径が20μm以下の雲母
粉末を水に分散すると、雲母粉末の微粒子化が進行し、
均一に水に分散し雲母溶液を形成する。この均一に分散
した雲母溶液の中に耐摩耗性や耐焼付き性に優れた固体
潤滑剤を混合すると、微粒子状に分散している雲母粉末
が、固体潤滑剤の浮力や重力(沈降力)を支えて、固体
潤滑剤の沈降や凝集、浮上を防止する。ただし、この効
果は雲母溶液の濃度に依存し、雲母溶液を作るときの雲
母の添加量が水に対する重量%で1wt%未満では、雲母
溶液に添加する固体潤滑剤の浮力や沈降力を支えること
ができない。また、雲母溶液を作るときの雲母の添加量
が水に対する重量%で10wt%を越えるとチキソトロピ
ー性を呈し、潤滑剤としての使用が困難になる。
【0014】一方、熱間加工に使用される潤滑剤の使用
方法は、多くの場合、摩擦界面に供給する場合と、加工
工具に供給する場合の2通りに大別される。このうち、
加工工具に潤滑剤を供給する場合には、加工工具と潤滑
剤の付着性が問題になる。加工工具と潤滑剤との付着性
が悪いと、加工工具による潤滑剤の摩擦界面への供給が
円滑に行われることが困難であるため、潤滑剤(本発明
では、雲母水分散液に混合した固体潤滑剤)本来の性能
(耐摩耗性や耐焼付き性)を十分に発揮することが難し
い。しかし、本発明の雲母水分散液に固体潤滑剤を混合
してなる熱間圧延潤滑剤に、付着剤樹脂を添加して付着
性を高めることができる。このときに用いられる付着剤
樹脂としては、スチレン/エチレン/ブタジエンブロッ
ク共重合物、ポリエチレン/ポリメチルメタクリレート
ブロック共重合物、無水マレイン酸グラフトポリプロピ
レン、スチレン/無水マレイン酸共重合物、エチレン/
グリシジルメタクリレート共重合物、メチルセルロー
ス、セルロース、でんぷん、さらに熱硬化型の樹脂等か
ら選ばれ、それらのうち、水溶性をもつものが良い。付
着剤樹脂を添加することにより、既に混合している固体
潤滑剤の優れた潤滑特性を損なってはならない。上記の
樹脂は、固体潤滑剤の性能を損なうことなく加工工具と
の付着性を確保するものである。しかも、膨潤性を有す
る雲母を分散してあるため、従来の水系潤滑剤に混合さ
れている樹脂系の界面活性剤のように摩擦係数を低下さ
せることもなく、付着性を確保することができる。
【0015】しかしながら、付着剤樹脂の添加量が10
wt%を越えると、付着剤樹脂により潤滑剤の流動性が悪
くなり、エンジニアリング上使用することが困難であ
る。また、付着剤樹脂の添加量が1wt%未満であると、
加工工具との付着性が不十分である。
【0016】本発明の熱間圧延用潤滑剤に混合される固
体粉末(固体潤滑剤)は、従来から知られる黒鉛、二硫
化モリブデン、二硫化タングステン、酸化ホウ素、マグ
ネタイト、リン酸カリウム、膨潤性を有しない雲母、炭
酸カルシウム、炭酸ナトリウムなどの無機化合物や、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエス
テル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリアレ
レート、ポリフェニレンスルフィド、ABS樹脂、エチ
レン−4フッ化エチレン共重合体、ジアリルフターレー
ト樹脂、フェノール樹脂、キトサン、ポリエチレングリ
コール等の有機化合物などがある。
【0017】本発明は摩擦係数の低下を引き起こさず、
耐摩耗性や耐焼付き性に優れた固体潤滑剤を安定して供
給できる潤滑剤を与えるものである。従って、その潤滑
剤を使用する目的が加工工具の摩耗低減にある場合は、
耐摩耗性に優れた固体潤滑剤(例えば、黒鉛や二硫化モ
リブデンなど)を用い、材料と工具の焼付きを防止する
目的で使用する場合は、耐焼付き性に優れた固体潤滑剤
(例えば、黒鉛や酸化ホウ素など)を混合すれば良い。
つまり、混合する固体潤滑剤は、目的に応じて適宜選定
すれば良い。
【0018】さらに、本発明の熱間圧延用潤滑剤は、上
述のように、潤滑剤自身の摩擦係数が高いため、咬込み
前から供給しても咬込みスリップを引き起こすことが無
い。本発明の潤滑剤の供給を開始するタイミングは、材
料が咬込まれる前にロールが1回転するだけの時間的余
裕があればよく、鉄鋼材料の熱間圧延プロセスのロール
の回転速度を考慮すると、材料がかみ込まれるほとんど
直前に供給を開始すればよい。潤滑剤の供給を止めるタ
イミングは、材料が抜けてからであればいつ供給を止め
てもよい。
【0019】
【実施例】
(実施例1)雲母粉末の粒径および添加量が、雲母粉末
の均一分散性や固体潤滑剤の分散性に及ぼす影響につい
て調査した。雲母粉末には膨潤性を有するものを用い、
分散性を調査するために固体潤滑剤には黒鉛を使用し
た。そして、表1に示すような粒径と添加量における雲
母の均一分散性や固体潤滑剤の分散保持性について調査
した。表1にはそのときの結果も合わせて記載した。
【0020】
【表1】
【0021】表1において、雲母粉末の添加量(wt%)
は水と雲母粉末の合計量を基準とし、固体潤滑剤は、
水、雲母粉末及び固体潤滑剤の合計量を基準として5wt
%添加した。また、表1において、水中への均一分散性
及び固体潤滑剤の分散保持性の各項目における○、△、
×については、雲母粉末又は雲母粉末及び固体潤滑剤を
水に混合して十分に撹拌した溶液をそのまま静置したと
きにおいて、○は24時間静置しても分離も沈澱も生じ
ず、水に対して雲母粉末等が均一な混合状態を呈してい
るもの、△は24時間静置後、若干液体中に濃淡が生じ
ているもののほとんど均一な混合状態を呈しているも
の、×は24時間以前に完全に沈澱を生じるものを意味
する。
【0022】(実施例2)樹脂の添加が加工工具への付
着性に及ぼす影響について調査した。膨潤性雲母には平
均粒径が6μmのものを使用し、それを水に水と雲母の
合計量を基準として(水+雲母2100)8wt%の濃度
になるように添加した。その中に、固体潤滑剤として黒
鉛を水、雲母及び黒鉛の合計量を基準として4wt%添加
した。こうして作成した潤滑剤に、付着剤樹脂(エポキ
シアクリレート)を水、雲母、黒鉛及び付着剤樹脂の合
計量を基準として3wt%添加したものと、添加しないも
のとで、加工工具への付着性に違いがあるかどうか調査
した。付着性を調べる方法として、SKD61の垂直面
に10秒間同じスプレーを用いて地面に平行に上記潤滑
剤を吹き付け、それを乾燥機にて十分乾燥した後、SK
D61に残存している潤滑剤の重量を測定することによ
り付着性を評価した。その結果、付着剤樹脂を添加した
ものは、該樹脂を添加しなかったものよりも、潤滑剤の
残存量が4.2倍も多く、付着性に優れていることが判
明した。また、0.4wt%、4wt%、10wt%と付着剤
樹脂の添加量を変化させた場合、0.4wt%の時のみ、
樹脂を添加しないものとの付着量の差が、ほとんどなか
った。
【0023】(実施例3)2円筒型熱間転がりすべり摩
擦試験機を用いて、本発明の潤滑剤の摩擦係数と摩耗量
を調査した。試験片の大きさは外径が80mmで厚さが1
0mmであった。相手片は、外径が165mmで厚みが15
mmであった。試験片は、SKD61を使用し、相手片に
はS45Cを使用した。そして、相手片を850℃、試
験片を500℃に加熱し、試験片速度を500rpm 、相
手片と試験片の速度差を試験片の速度の10%として、
潤滑剤を吹き付けながら、荷重を70kgf かけて摩擦さ
せ、試験片のトルクと摩耗量を測定した。潤滑剤には、
平均粒径8μmの雲母を7wt%の濃度で水に混合した雲
母溶液を作成し、この雲母溶液の中に、黒鉛(代表的
な固体潤滑剤)、酸化アルミニウム(一般的に固体潤
滑剤とは考えられていないもの)、固体潤滑剤を添加
してないもの3種類を用いた。その結果、摩擦係数は、
どの潤滑剤もほとんど変化せず、水潤滑時よりも1割程
度低下するにとどまった。また、摩耗量については図1
に示すように、本発明の潤滑剤が摩耗量が小さく固体潤
滑剤の性能を発揮することができる。
【0024】(実施例4)2Hiのラボ実験用圧延機を
用いて、従来の鉱油系潤滑油(0.5%エマルジョン)
(潤滑油A)と、黒鉛とKPO3 をグリース、黒鉛及び
KPO3 の合計量を基準として10wt%ずつ混合したグ
リース潤滑剤(B)と、平均粒径10μmの膨潤雲母粉
末を水に、水と、雲母の合計量を基準として5wt%混合
した水溶液に黒鉛粉末を水、雲母及び黒鉛の合計量を基
準とし5wt%混合した潤滑剤(C)と、水潤滑の4つの
潤滑条件で、咬込み限界圧下率を測定した。材料は厚さ
10mm、幅150mm、長さ250mmの普通鋼を使用し、
加熱炉で1000℃に15分間加熱保持後、圧延機にか
み込ませた。なお、ロール径、ロール材質、ロール回転
速度、ロール粗度はすべて一定の条件で圧延を行った。
その結果水潤滑条件の場合、圧下率が約50%まで咬込
み可能であった。これより高い圧下率では圧延機の荷重
容量が不足したため圧延できなかった。それに対して、
潤滑剤Aは圧下率20%程度でかみ込まなくなり、潤滑
剤Bは圧下率15%程度でかみ込まなくなった。しか
し、潤滑剤Cは約50%まで咬込み正常な圧延が可能で
あった。
【0025】(実施例5)薄板の熱間圧延プロセスにお
ける粗圧延機(ロール径:780mm、胴長1700mm)
の4Hi圧延機の入側からロール全面に、粘度130cS
t の鉱油ベースエステル添加剤入り潤滑油を0.5%エ
マルジョンにして供給した(潤滑剤D)場合と、実施例
4で使用した潤滑剤Cを供給した場合と、水潤滑の場合
とで、材料の咬込み状況を調査した。潤滑剤の供給は、
かみ込む前から供給した場合と、咬込み直後に供給した
場合の2通りの供給方法を実施した。その結果、通常の
パススケジュールに設定されている圧下率30%で圧延
しようとした場合、咬込み直後に供給した場合はどの潤
滑剤でも咬込みスリップは発生しなかったが、かみ込む
前に供給を開始した場合は、潤滑剤Dでは咬込みスリッ
プを引き起こし圧延できなかったが、潤滑剤Cでは咬込
みスリップを起こさず正常圧延ができた。
【0026】
【発明の効果】本発明潤滑剤を用いることにより、従来
の潤滑剤よりも、加工工具と熱間加工鋼材との摩耗や焼
付き、またそれにともなって発生する製品の疵を低減す
ることができる。また、本潤滑剤は、低粘度であるた
め、現在熱間加工プロセスで広く使用されているウォー
ターインジェクション方式の潤滑供給装置で供給するこ
とができるため、潤滑剤を使用する際に設備改造をする
必要がなく、低コストで簡単に本発明の効果を得ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3による2円筒型熱間転がりすべり摩擦
試験機における潤滑剤の耐摩耗性(摩耗量)を比較した
結果を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103:02 Z 9159−4H 103:06 F 9159−4H 107:32 103:06) D 9159−4H C10N 20:06 Z 8217−4H 30:04 8217−4H 30:06 30:08 40:24 Z 8217−4H (72)発明者 西田 清 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 杉浦 勉 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼材料の熱間塑性加工プロセスで用い
    られる潤滑剤において、平均粒径20μm以下の膨潤性
    を有する雲母をこの雲母と水の合計量を基準として1重
    量%以上10重量%未満の濃度で水に混合した液体の中
    に、粉末状の固体潤滑剤を混合してなる熱間圧延用潤滑
    剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の熱間圧延潤滑剤に付着剤樹脂
    を前記水、雲母及び付着剤樹脂の合計量を基準として1
    重量%以上10重量%以下の濃度で混合してなる熱間圧
    延用潤滑剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の熱間圧延用潤滑
    剤を、圧延材料の咬み込み前からロール又は摩擦界面に
    供給し、材料が抜けた後に潤滑剤の供給を止めることを
    特徴とする熱間圧延用潤滑剤の供給方法。
JP31533793A 1992-12-16 1993-12-15 熱間圧延用潤滑剤および熱間圧延用潤滑剤の供給方法 Expired - Fee Related JP2925449B2 (ja)

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