JPH06238482A - 低水素系被覆アーク溶接棒 - Google Patents
低水素系被覆アーク溶接棒Info
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- JPH06238482A JPH06238482A JP2948193A JP2948193A JPH06238482A JP H06238482 A JPH06238482 A JP H06238482A JP 2948193 A JP2948193 A JP 2948193A JP 2948193 A JP2948193 A JP 2948193A JP H06238482 A JPH06238482 A JP H06238482A
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- Japan
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- welding
- leg length
- average particle
- graphite
- particle size
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、平均粒径を112〜212μm に
限定したグラファイトを使用することで、重力式1パス
溶接においても、大脚長が得られかつ等脚性が良好な被
覆アーク溶接棒を提供する。 【構成】 平均粒径が112〜212μm のグラファイ
ト0.1〜0.7%(重量%:以下同じ)、マグネシア
クリンカー3〜14%、マグネサイト3〜14%、金属
弗化物3〜12%を含有する被覆剤を、水ガラスを用い
て鋼心線に塗布してなることを特徴とする低水素系被覆
アーク溶接棒。
限定したグラファイトを使用することで、重力式1パス
溶接においても、大脚長が得られかつ等脚性が良好な被
覆アーク溶接棒を提供する。 【構成】 平均粒径が112〜212μm のグラファイ
ト0.1〜0.7%(重量%:以下同じ)、マグネシア
クリンカー3〜14%、マグネサイト3〜14%、金属
弗化物3〜12%を含有する被覆剤を、水ガラスを用い
て鋼心線に塗布してなることを特徴とする低水素系被覆
アーク溶接棒。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低水素系被覆アーク溶
接棒に関し、特に水平すみ肉溶接姿勢による重力式1パ
ス溶接で、大脚長が安定して得られかつ等脚性が良好な
被覆アーク溶接棒に関するものである。
接棒に関し、特に水平すみ肉溶接姿勢による重力式1パ
ス溶接で、大脚長が安定して得られかつ等脚性が良好な
被覆アーク溶接棒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マグネサイト−珪砂−蛍石を主成分とす
る490N/mm2 高張力鋼用低水素系被覆アーク溶接
棒(以下単に溶接棒と称す)は、炭酸石灰−蛍石を主成
分とする低水素系溶接棒に比べ、ビード形状が平滑でか
つアンダカットの発生が極めて少ないことから、船体構
造用鋼材の水平すみ肉姿勢による重力式1パス溶接に多
く用いられている。
る490N/mm2 高張力鋼用低水素系被覆アーク溶接
棒(以下単に溶接棒と称す)は、炭酸石灰−蛍石を主成
分とする低水素系溶接棒に比べ、ビード形状が平滑でか
つアンダカットの発生が極めて少ないことから、船体構
造用鋼材の水平すみ肉姿勢による重力式1パス溶接に多
く用いられている。
【0003】しかしながら近年、船舶が大型化されるに
従い使用される構造用鋼材は厚板化し、必然的に溶接棒
における溶接ビードも大脚長が要求され、かつ等脚性も
重要視されるようになってきている。ここで大脚長と
は、上脚長、下脚長共に8mm以上得られることをいい
(以下大脚長と言う)、等脚性とは上脚長と下脚長の比
率をいい、一般的には上脚長/下脚長が0.9以上であ
ることが望ましいとされる。以下の説明では等脚性ある
いは上脚長/下脚長で表す。
従い使用される構造用鋼材は厚板化し、必然的に溶接棒
における溶接ビードも大脚長が要求され、かつ等脚性も
重要視されるようになってきている。ここで大脚長と
は、上脚長、下脚長共に8mm以上得られることをいい
(以下大脚長と言う)、等脚性とは上脚長と下脚長の比
率をいい、一般的には上脚長/下脚長が0.9以上であ
ることが望ましいとされる。以下の説明では等脚性ある
いは上脚長/下脚長で表す。
【0004】このような状況下において、従来溶接棒を
用いて板厚30mm程度の厚鋼板に水平すみ肉姿勢によ
る重力式1パス溶接を行うと、下脚長が大きく上脚長が
小さいビード、すなわち不等脚となり、目標とする大脚
長が得られないという大きな欠点を持っている。また、
水平すみ肉用溶接棒において、良好な大脚長、等脚性を
得る方法としては、1パスを重力式溶接法で溶接を行っ
た後、上脚長の不足分を2パス目の手溶接により補足す
る、いわゆる2パス溶接が行われるが、極めて非能率的
な方法であることから能率向上をめざす業界では大きな
問題点となっている。
用いて板厚30mm程度の厚鋼板に水平すみ肉姿勢によ
る重力式1パス溶接を行うと、下脚長が大きく上脚長が
小さいビード、すなわち不等脚となり、目標とする大脚
長が得られないという大きな欠点を持っている。また、
水平すみ肉用溶接棒において、良好な大脚長、等脚性を
得る方法としては、1パスを重力式溶接法で溶接を行っ
た後、上脚長の不足分を2パス目の手溶接により補足す
る、いわゆる2パス溶接が行われるが、極めて非能率的
な方法であることから能率向上をめざす業界では大きな
問題点となっている。
【0005】また、最近では溶接能率向上を目的として
炭酸ガス溶接用フラックス入りワイヤを用いて厚板の溶
接を行った場合においても、下脚長の止端部がオーバラ
ップ状となり大脚長が得られず、等脚性を満足させ得な
い状況にある。さらに、従来技術として、特開昭49−
87544号公報および特開昭50−10741号公報
にはMgCO3 やSiO2 を主成分とする溶接棒におい
て、ビード形状を良好ならしめる方法が開示されている
が、本発明者等はこれらの実施例に基づいて棒径8mm
の溶接棒を試作し、大脚長および等脚性について調査し
たが、いずれも大脚長が得られず、かつ等脚性も期待し
た効果を得ることができなかった。
炭酸ガス溶接用フラックス入りワイヤを用いて厚板の溶
接を行った場合においても、下脚長の止端部がオーバラ
ップ状となり大脚長が得られず、等脚性を満足させ得な
い状況にある。さらに、従来技術として、特開昭49−
87544号公報および特開昭50−10741号公報
にはMgCO3 やSiO2 を主成分とする溶接棒におい
て、ビード形状を良好ならしめる方法が開示されている
が、本発明者等はこれらの実施例に基づいて棒径8mm
の溶接棒を試作し、大脚長および等脚性について調査し
たが、いずれも大脚長が得られず、かつ等脚性も期待し
た効果を得ることができなかった。
【0006】一方、これ等の問題点を改善するために本
発明者らは、マグネサイト−珪砂−蛍石を主成分とした
被覆剤組成に高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限す
ることによって大脚長、等脚性を改善できることがわか
り、鋭意研究をすすめてきたが、その後市場の要求がさ
らに厳しくなり、本技術では十分対応できなくなり、さ
らに大脚長かつ等脚性の安定化が望まれるようになって
きている。
発明者らは、マグネサイト−珪砂−蛍石を主成分とした
被覆剤組成に高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限す
ることによって大脚長、等脚性を改善できることがわか
り、鋭意研究をすすめてきたが、その後市場の要求がさ
らに厳しくなり、本技術では十分対応できなくなり、さ
らに大脚長かつ等脚性の安定化が望まれるようになって
きている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の太径溶
接棒においてなし得なかった、大脚長が安定して得られ
かつ等脚性が良好な溶接棒を提供することを目的とした
ものである。
接棒においてなし得なかった、大脚長が安定して得られ
かつ等脚性が良好な溶接棒を提供することを目的とした
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような状況から本
発明者らは、特に太径溶接棒の水平すみ肉溶接における
大脚長のビードが安定して得られかつ等脚性が良好な溶
接棒の開発について被覆剤組成及びグラファイトの平均
粒径の面から鋭意研究を進めてきた。その結果、使用す
るグラファイトの平均粒径を限定することにより、溶融
スラグの流動性が大幅に改善され、目標を達成できるこ
とがわかった。
発明者らは、特に太径溶接棒の水平すみ肉溶接における
大脚長のビードが安定して得られかつ等脚性が良好な溶
接棒の開発について被覆剤組成及びグラファイトの平均
粒径の面から鋭意研究を進めてきた。その結果、使用す
るグラファイトの平均粒径を限定することにより、溶融
スラグの流動性が大幅に改善され、目標を達成できるこ
とがわかった。
【0009】その状態の模式を図1及び図2に示す。図
1においてAは高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限
した溶接棒の溶融スラグの状態図で、1はスラグ、2は
溶融プールを示す図である。Bはグラファイトの平均粒
径を限定した溶接棒の溶融スラグの状態図で、1はスラ
グ、2は溶融プールを示す図である。
1においてAは高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限
した溶接棒の溶融スラグの状態図で、1はスラグ、2は
溶融プールを示す図である。Bはグラファイトの平均粒
径を限定した溶接棒の溶融スラグの状態図で、1はスラ
グ、2は溶融プールを示す図である。
【0010】図2Aは高炭素フェロマンガンの平均粒径
を制限した溶接棒のビード形状を示し、3はビード、4
は鋼板である。Bはグラファイトの平均粒径を限定した
溶接棒のビード形状で、3はビード、4は鋼板である。
図1では高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限した溶
接棒Aに比べて、グラファイトの平均粒径を限定した溶
接棒Bでは、溶融スラグ1が溶融プールを細長く流動
し、溶融プール2の位置がビード上部に形成されるた
め、図2のBに示すように従来溶接棒Aに比べて大脚長
および等脚性が安定して得られるものと推定される。
を制限した溶接棒のビード形状を示し、3はビード、4
は鋼板である。Bはグラファイトの平均粒径を限定した
溶接棒のビード形状で、3はビード、4は鋼板である。
図1では高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限した溶
接棒Aに比べて、グラファイトの平均粒径を限定した溶
接棒Bでは、溶融スラグ1が溶融プールを細長く流動
し、溶融プール2の位置がビード上部に形成されるた
め、図2のBに示すように従来溶接棒Aに比べて大脚長
および等脚性が安定して得られるものと推定される。
【0011】本発明者らは以上の結果及びその他被覆剤
組成の検討結果から、水平すみ肉溶接における溶接作業
性が良好で、すみ肉ビードの大脚長が安定して得られか
つ等脚性が良好な溶接棒を見出した。すなわち、本発明
の要旨とするところは平均粒径が112〜212μmの
グラファイト0.1〜0.7%、マグネシアクリンカー
3〜14%、マグネサイト3〜14%、金属弗化物3〜
12%を含有する被覆剤を、水ガラスを用いて鋼心線に
塗布してなることを特徴とする低水素系溶接棒にある。
組成の検討結果から、水平すみ肉溶接における溶接作業
性が良好で、すみ肉ビードの大脚長が安定して得られか
つ等脚性が良好な溶接棒を見出した。すなわち、本発明
の要旨とするところは平均粒径が112〜212μmの
グラファイト0.1〜0.7%、マグネシアクリンカー
3〜14%、マグネサイト3〜14%、金属弗化物3〜
12%を含有する被覆剤を、水ガラスを用いて鋼心線に
塗布してなることを特徴とする低水素系溶接棒にある。
【0012】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明溶接棒
の構成要件は次のような試験結果に基づくものである。
被覆剤の配合においてグラファイトの平均粒径を95〜
230μmの間で種々変化させて分割した。そして別途
準備した、ルチール12.9%、珪砂11.5%、蛍石
9.5%、二酸化マンガン3.5%、マグネシアクリン
カー10.4%、マグネサイト10.8%、フェロシリ
コン1.7%、鉄粉35.1%、中炭素フェロマンガン
1.3%、マイカ2.2%、弗化リチウム0.45%に
前記の平均粒径を分割したそれぞれのグラファイトを
0.65%添加して乾式混合を行い、珪酸ソーダ(47
ボーメ)2+珪酸カリ(38ボーメ)1の組合わせから
なる水ガラスを22%添加して湿式混合を行った後、
C;0.07%、Si;0.01%、Mn;0.52
%、P;0.012%、S;0.005%、N;0.0
13%、残部Feからなる直径8mm、長さ700mm
の鋼心線に被覆外径が12.9mmになるように通常の
押し出し式塗装機により塗装した。
の構成要件は次のような試験結果に基づくものである。
被覆剤の配合においてグラファイトの平均粒径を95〜
230μmの間で種々変化させて分割した。そして別途
準備した、ルチール12.9%、珪砂11.5%、蛍石
9.5%、二酸化マンガン3.5%、マグネシアクリン
カー10.4%、マグネサイト10.8%、フェロシリ
コン1.7%、鉄粉35.1%、中炭素フェロマンガン
1.3%、マイカ2.2%、弗化リチウム0.45%に
前記の平均粒径を分割したそれぞれのグラファイトを
0.65%添加して乾式混合を行い、珪酸ソーダ(47
ボーメ)2+珪酸カリ(38ボーメ)1の組合わせから
なる水ガラスを22%添加して湿式混合を行った後、
C;0.07%、Si;0.01%、Mn;0.52
%、P;0.012%、S;0.005%、N;0.0
13%、残部Feからなる直径8mm、長さ700mm
の鋼心線に被覆外径が12.9mmになるように通常の
押し出し式塗装機により塗装した。
【0013】さらに高炭素フェロマンガンの平均粒径を
制限した溶接棒と本発明とを比較するため、高炭素フェ
ロマンガンの平均粒径を制限した溶接棒を試作した。先
ず高炭素フェロマンガンの平均粒径50〜90μmの間
で種々変化させて分割し、別途準備した、二酸化マンガ
ン2.9%、ルチール9.7%、珪砂8.3%、蛍石
8.3%、マグネシアクリンカー10.2%、マグネサ
イト7.9%、マイカ1.3%、酸化ジルコン0.4
%、フェロシリコン1.4%、鉄粉36.4%、チタン
酸カリ0.4%、弗化リチウム0.4%、アルギン酸ソ
ーダ0.6%、中炭素フェロマンガン1.1%に、前記
の分割したそれぞれの高炭素フェロマンガンを10.7
%添加して乾式混合を行い、珪酸ソーダ(47ボーメ)
2+珪酸カリ(38ボーメ)1の組合わせからなる水ガ
ラスを22%添加して湿式混合を行った後、C;0.0
6%、Si;0.01%、Mn;0.51%、P;0.
011%、S;0.006%、N;0.0012%、残
部Feからなる直径8mm、長さ700mmの鋼心線に
被覆外径が約12.8mmになるように通常の押し出し
式塗装機により塗装した。
制限した溶接棒と本発明とを比較するため、高炭素フェ
ロマンガンの平均粒径を制限した溶接棒を試作した。先
ず高炭素フェロマンガンの平均粒径50〜90μmの間
で種々変化させて分割し、別途準備した、二酸化マンガ
ン2.9%、ルチール9.7%、珪砂8.3%、蛍石
8.3%、マグネシアクリンカー10.2%、マグネサ
イト7.9%、マイカ1.3%、酸化ジルコン0.4
%、フェロシリコン1.4%、鉄粉36.4%、チタン
酸カリ0.4%、弗化リチウム0.4%、アルギン酸ソ
ーダ0.6%、中炭素フェロマンガン1.1%に、前記
の分割したそれぞれの高炭素フェロマンガンを10.7
%添加して乾式混合を行い、珪酸ソーダ(47ボーメ)
2+珪酸カリ(38ボーメ)1の組合わせからなる水ガ
ラスを22%添加して湿式混合を行った後、C;0.0
6%、Si;0.01%、Mn;0.51%、P;0.
011%、S;0.006%、N;0.0012%、残
部Feからなる直径8mm、長さ700mmの鋼心線に
被覆外径が約12.8mmになるように通常の押し出し
式塗装機により塗装した。
【0014】両溶接棒共最高400℃で乾燥を行った。
得られたそれぞれの試作溶接棒を用いて寸法が板厚30
mm×幅100mm×長さ1000mmでジンクリッチ
プライマーが約20μmになるように塗布した490N
/mm2 級高張力鋼材をT型すみ肉溶接ができるように
組立て、溶接電流390A、運棒比(溶接ビードを消費
棒長で除した値を言う)は1.2倍で水平すみ肉重力式
1パス溶接を行った。
得られたそれぞれの試作溶接棒を用いて寸法が板厚30
mm×幅100mm×長さ1000mmでジンクリッチ
プライマーが約20μmになるように塗布した490N
/mm2 級高張力鋼材をT型すみ肉溶接ができるように
組立て、溶接電流390A、運棒比(溶接ビードを消費
棒長で除した値を言う)は1.2倍で水平すみ肉重力式
1パス溶接を行った。
【0015】その後、脚長ゲージを用いて上、下の脚長
を測定するとともに等脚性を算出し、さらにグラファイ
ト添加のものについてはビードから分析試料を採収して
〔C〕の化学分析を行った。尚、溶接金属の〔C〕量
は、0.13%以下であれば高温割れが起きないことを
別途確認している。
を測定するとともに等脚性を算出し、さらにグラファイ
ト添加のものについてはビードから分析試料を採収して
〔C〕の化学分析を行った。尚、溶接金属の〔C〕量
は、0.13%以下であれば高温割れが起きないことを
別途確認している。
【0016】その結果を表1、表2(表1のつづき)、
表3、表4(表3のつづき)に示す。表1、2はグラフ
ァイトの平均粒径を制限した本発明例及び比較例を示
し、表3、4は高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限
した溶接棒の適用例であるが、表1、2のグラファイト
を使用した本発明例と比較した場合、表1、2の本発明
例は等脚性が良好でかつ大脚長のビードが安定して得ら
れており、グラファイトの平均粒径が溶接ビードの等脚
性及び大脚長の安定性に大きく影響することを見出し
た。
表3、表4(表3のつづき)に示す。表1、2はグラフ
ァイトの平均粒径を制限した本発明例及び比較例を示
し、表3、4は高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限
した溶接棒の適用例であるが、表1、2のグラファイト
を使用した本発明例と比較した場合、表1、2の本発明
例は等脚性が良好でかつ大脚長のビードが安定して得ら
れており、グラファイトの平均粒径が溶接ビードの等脚
性及び大脚長の安定性に大きく影響することを見出し
た。
【0017】グラファイトの平均粒径を112〜212
μmとしたのは表1、2から明らかなように112〜2
12μmの範囲内であれば溶接作業性が良好で上脚長、
下脚長共に目標とする8mm以上が得られかつ等脚性が
0.9以上で優れていること、さらには溶接金属の
〔C〕量も高温割れを起こさない限界量0.13%以下
であることを根拠とするものである。
μmとしたのは表1、2から明らかなように112〜2
12μmの範囲内であれば溶接作業性が良好で上脚長、
下脚長共に目標とする8mm以上が得られかつ等脚性が
0.9以上で優れていること、さらには溶接金属の
〔C〕量も高温割れを起こさない限界量0.13%以下
であることを根拠とするものである。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】グラファイトの平均粒径が112μm未満
では粒径が小さ過ぎるため溶接金属の〔C〕量は0.1
3%以下であるが、スラグの流動性が過小で不等脚かつ
大脚長が得られない。平均粒径が212μmを超える場
合においては、大脚長が得られかつ等脚性も良好である
が、スラグの流動性が過大で棒先端にややからみ易くな
るので採用できない。
では粒径が小さ過ぎるため溶接金属の〔C〕量は0.1
3%以下であるが、スラグの流動性が過小で不等脚かつ
大脚長が得られない。平均粒径が212μmを超える場
合においては、大脚長が得られかつ等脚性も良好である
が、スラグの流動性が過大で棒先端にややからみ易くな
るので採用できない。
【0023】さらに前記グラファイトの平均粒径と添加
量の関係を詳細に調査するためにグラファイトの平均粒
径が112〜212μmのものを用い、配合比率を変化
させて通常用いられる低水素系被覆アーク溶接棒の被覆
組成となるように組合わせ、前記の鋼心線及び水ガラス
を用いて塗装し、最高温度400℃で乾燥を行い、前記
と同様の試験を行った結果、平均粒径を112〜212
μmに限定したグラファイトを0.1〜0.7%添加す
れば良好な結果が得られることを確認した。
量の関係を詳細に調査するためにグラファイトの平均粒
径が112〜212μmのものを用い、配合比率を変化
させて通常用いられる低水素系被覆アーク溶接棒の被覆
組成となるように組合わせ、前記の鋼心線及び水ガラス
を用いて塗装し、最高温度400℃で乾燥を行い、前記
と同様の試験を行った結果、平均粒径を112〜212
μmに限定したグラファイトを0.1〜0.7%添加す
れば良好な結果が得られることを確認した。
【0024】平均粒径を112〜212μmに限定した
グラファイトの添加が0.1%未満では目標とする流動
形態にならないため、大脚長が安定して得られず、かつ
等脚性を満足させることはできない。一方、前記グラフ
ァイトの添加が0.7%を超えると、アーク切れが発生
しやすくなるとともに溶接金属の〔C〕量の歩留りが多
くなり、耐高温割れ性が劣化する。
グラファイトの添加が0.1%未満では目標とする流動
形態にならないため、大脚長が安定して得られず、かつ
等脚性を満足させることはできない。一方、前記グラフ
ァイトの添加が0.7%を超えると、アーク切れが発生
しやすくなるとともに溶接金属の〔C〕量の歩留りが多
くなり、耐高温割れ性が劣化する。
【0025】マグネシアクリンカーは、スラグの塩基度
及びスラグの粘性を調整するために添加するものである
が、3%未満ではその効果が得られない。一方、14%
を超えて添加するとスラグの粘性が高くなりすぎてビー
ド形状を劣化させ、アークが不安定となる。マグネサイ
トは、アークの安定性に優れ、CO2 源として溶接金属
のシールド効果を発揮すると共にビード表面を滑らかに
する。3%未満では保護筒が形成されにくくピットも発
生しやすくなる。一方、14%を超えるとスラグが流れ
やすくなり、正常なビード形状が得られない。
及びスラグの粘性を調整するために添加するものである
が、3%未満ではその効果が得られない。一方、14%
を超えて添加するとスラグの粘性が高くなりすぎてビー
ド形状を劣化させ、アークが不安定となる。マグネサイ
トは、アークの安定性に優れ、CO2 源として溶接金属
のシールド効果を発揮すると共にビード表面を滑らかに
する。3%未満では保護筒が形成されにくくピットも発
生しやすくなる。一方、14%を超えるとスラグが流れ
やすくなり、正常なビード形状が得られない。
【0026】金属弗化物は3%未満の添加ではスラグの
流動性が劣化し、ビード形状が凸状となる。一方、12
%を超えると、被覆筒が浅くなり母材に短絡するので溶
接が困難となる。尚、上記の検討におけるグラファイト
の平均粒径はJIS Z 8801に準じて各粒径間の
重量比率を求めた後、次式を用いて算出した。
流動性が劣化し、ビード形状が凸状となる。一方、12
%を超えると、被覆筒が浅くなり母材に短絡するので溶
接が困難となる。尚、上記の検討におけるグラファイト
の平均粒径はJIS Z 8801に準じて各粒径間の
重量比率を求めた後、次式を用いて算出した。
【0027】平均粒径D(μm)=(W1×297+W
2×254+W3×180+W4×127+W5×90
+W6×68+W7×53+W8×22)/100 但し各数字は測定ふるい間の平均粒径を示し、W1〜W
8は下記の意味を有する。 W1:297 μm以上のwt% W2:297〜210μmのwt% W3:210〜149μmのwt% W4:149〜105μmのwt% W5:105〜 74μmのwt% W6: 74〜 62μmのwt% W7: 62〜 44μmのwt% W8: 44 μm未満のwt% また、前記被覆剤組成としてグラファイト、マグネシア
クリンカー、マグネサイト以外の被覆剤として金属弗化
物とは、蛍石、氷昌石、弗化バリウム、弗化アルミニウ
ム、弗化リチウム等を示す。本発明の他の被覆剤組成と
してはアーク安定剤としてルチール、チタン酸カリ、二
酸化マンガン、炭酸マンガン、脱酸剤及び合金剤として
はフェロシリコン、フェロマンガン、フェロチタン、ス
ラグ生成剤としては珪砂、石灰、ドロマイト、マイカ、
タルク等、溶着効率向上剤として鉄粉、水ガラスとして
は珪酸ソーダ、珪酸カリ等を用いる。
2×254+W3×180+W4×127+W5×90
+W6×68+W7×53+W8×22)/100 但し各数字は測定ふるい間の平均粒径を示し、W1〜W
8は下記の意味を有する。 W1:297 μm以上のwt% W2:297〜210μmのwt% W3:210〜149μmのwt% W4:149〜105μmのwt% W5:105〜 74μmのwt% W6: 74〜 62μmのwt% W7: 62〜 44μmのwt% W8: 44 μm未満のwt% また、前記被覆剤組成としてグラファイト、マグネシア
クリンカー、マグネサイト以外の被覆剤として金属弗化
物とは、蛍石、氷昌石、弗化バリウム、弗化アルミニウ
ム、弗化リチウム等を示す。本発明の他の被覆剤組成と
してはアーク安定剤としてルチール、チタン酸カリ、二
酸化マンガン、炭酸マンガン、脱酸剤及び合金剤として
はフェロシリコン、フェロマンガン、フェロチタン、ス
ラグ生成剤としては珪砂、石灰、ドロマイト、マイカ、
タルク等、溶着効率向上剤として鉄粉、水ガラスとして
は珪酸ソーダ、珪酸カリ等を用いる。
【0028】
【実施例】鋼心線径8.0mmのJIS G 3523
の1種1号に相当する心線に表5、表6(表5のつづ
き)、表7、表8(表7のつづき−1)に示す被覆剤の
組合せにより、被覆外径が約12.9mmになるように
して塗装し、最高温度400℃×60分の乾燥を実施し
た。得られたそれぞれの溶接棒を用い後述の溶接条件に
て溶接を行い、脚長、等脚性、スラグのからみ度合いを
含む一般的な溶接作業性及び溶接金属の〔C〕量を調査
した。その結果を表6、表9(表7のつづき−2)に示
す。
の1種1号に相当する心線に表5、表6(表5のつづ
き)、表7、表8(表7のつづき−1)に示す被覆剤の
組合せにより、被覆外径が約12.9mmになるように
して塗装し、最高温度400℃×60分の乾燥を実施し
た。得られたそれぞれの溶接棒を用い後述の溶接条件に
て溶接を行い、脚長、等脚性、スラグのからみ度合いを
含む一般的な溶接作業性及び溶接金属の〔C〕量を調査
した。その結果を表6、表9(表7のつづき−2)に示
す。
【0029】(溶接条件) 試験板;490N/mm2 級鋼張力鋼板(36t×10
0mmw×1000mml)無機ジンクリッチプライマ
20μm塗布 重力式溶接機;市販品 溶接姿勢;1パス水平すみ肉溶接 溶接電流;380〜400A 運棒比;1.2 尚、評価基準は大脚長においては上脚長、下脚長共に8
mmを超えるものについては良好○印、下廻るものにつ
いては不良×印とした。
0mmw×1000mml)無機ジンクリッチプライマ
20μm塗布 重力式溶接機;市販品 溶接姿勢;1パス水平すみ肉溶接 溶接電流;380〜400A 運棒比;1.2 尚、評価基準は大脚長においては上脚長、下脚長共に8
mmを超えるものについては良好○印、下廻るものにつ
いては不良×印とした。
【0030】等脚性については上脚長を下脚長で除した
値が0.95以上のものを良好○印、0.95を下廻っ
たものについては不良×印とした。スラグの流動性及び
一般の溶接作業性については従来棒と遜色のないものは
良好○印、劣るものを不良×印とした。溶接金属の
〔C〕量については0.13%以下のものを良好、0.
13%を超えるものについては不良とした。
値が0.95以上のものを良好○印、0.95を下廻っ
たものについては不良×印とした。スラグの流動性及び
一般の溶接作業性については従来棒と遜色のないものは
良好○印、劣るものを不良×印とした。溶接金属の
〔C〕量については0.13%以下のものを良好、0.
13%を超えるものについては不良とした。
【0031】表5、表6(表5のつづき)の高炭素フェ
ロマンガンの平均粒径を制限した溶接棒の適用例である
M1〜M2は、高炭素フェロマンガンの平均粒径及び添
加量が適正であっても等脚性が安定しない例である。表
7、表8(表7のつづき−1)、表9(表7のつづき−
2)に示される本発明例である溶接棒L1〜L12はグ
ラファイトの平均粒径及び添加量が適正であるため、大
脚長が安定して得られ、等脚性、溶接作業性が良好で溶
接金属の〔C〕が極めて良好な結果を示した。
ロマンガンの平均粒径を制限した溶接棒の適用例である
M1〜M2は、高炭素フェロマンガンの平均粒径及び添
加量が適正であっても等脚性が安定しない例である。表
7、表8(表7のつづき−1)、表9(表7のつづき−
2)に示される本発明例である溶接棒L1〜L12はグ
ラファイトの平均粒径及び添加量が適正であるため、大
脚長が安定して得られ、等脚性、溶接作業性が良好で溶
接金属の〔C〕が極めて良好な結果を示した。
【0032】比較例の溶接棒では、L13は、金属弗化
物の添加量が多過ぎるため被覆筒が浅くなり溶接棒が母
材に短絡して溶接が困難なため中断した。L14は、金
属弗化物の添加量が少な過ぎるためスラグの流動性が悪
く、溶接作業性が劣化した。L15は、マグネサイトの
添加量が多過ぎるためスラグの流動性が過大となり、ビ
ード形状が劣化した。
物の添加量が多過ぎるため被覆筒が浅くなり溶接棒が母
材に短絡して溶接が困難なため中断した。L14は、金
属弗化物の添加量が少な過ぎるためスラグの流動性が悪
く、溶接作業性が劣化した。L15は、マグネサイトの
添加量が多過ぎるためスラグの流動性が過大となり、ビ
ード形状が劣化した。
【0033】L16は、マグネサイトの添加量が少な過
ぎるため保護筒がもろくなり、溶接作業性が劣化した。
L17〜L18は、グラファイトの平均粒径が小さ過ぎ
るため溶接金属の〔C〕量は低めで良好であるが、スラ
グの流動性が過小で等脚性が劣化するとともに大脚長が
得られていない。
ぎるため保護筒がもろくなり、溶接作業性が劣化した。
L17〜L18は、グラファイトの平均粒径が小さ過ぎ
るため溶接金属の〔C〕量は低めで良好であるが、スラ
グの流動性が過小で等脚性が劣化するとともに大脚長が
得られていない。
【0034】L19〜L20は、グラファイトの添加量
が多過ぎるため大脚長が得られ等脚性は良好であるが、
スラグの流動性が過大で溶接棒先端にスラグがからみ、
溶接作業性が劣化した。L21は、グラファイトの添加
量が少な過ぎるためスラグの流動形態が不具合で等脚性
が劣化した。
が多過ぎるため大脚長が得られ等脚性は良好であるが、
スラグの流動性が過大で溶接棒先端にスラグがからみ、
溶接作業性が劣化した。L21は、グラファイトの添加
量が少な過ぎるためスラグの流動形態が不具合で等脚性
が劣化した。
【0035】L22は、マグネシアクリンカーの添加量
が多過ぎるためスラグの粘性が高くなり過ぎてビード形
状が劣化し、アークも不安定となった。L23〜L24
は、マグネシアクリンカーの添加量が少な過ぎるためス
ラグの粘性が調整されず、溶接作業性及び等脚性が劣化
した。L25〜L26は、グラファイトの平均粒径が大
き過ぎるため大脚長が得られ、等脚性は良好であるが、
スラグの流動性が過大で溶接棒先端にスラグがからみ、
溶接作業性が劣化した。
が多過ぎるためスラグの粘性が高くなり過ぎてビード形
状が劣化し、アークも不安定となった。L23〜L24
は、マグネシアクリンカーの添加量が少な過ぎるためス
ラグの粘性が調整されず、溶接作業性及び等脚性が劣化
した。L25〜L26は、グラファイトの平均粒径が大
き過ぎるため大脚長が得られ、等脚性は良好であるが、
スラグの流動性が過大で溶接棒先端にスラグがからみ、
溶接作業性が劣化した。
【0036】L27は、グラファイトを全く添加しない
例であるが、スラグの流動性が劣化するとともに等脚性
が劣化し、大脚長が得られなかった。
例であるが、スラグの流動性が劣化するとともに等脚性
が劣化し、大脚長が得られなかった。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の溶接棒によれば水
平すみ肉姿勢による重力式1パス溶接においても、従来
の低水素系溶接棒のように上脚長の不足分を補う必要が
なく、大脚長が安定して得られかつ等脚性が良好である
ため溶接能率向上、作業工数の大幅な低減が計れること
により産業上寄与するところ大である。
平すみ肉姿勢による重力式1パス溶接においても、従来
の低水素系溶接棒のように上脚長の不足分を補う必要が
なく、大脚長が安定して得られかつ等脚性が良好である
ため溶接能率向上、作業工数の大幅な低減が計れること
により産業上寄与するところ大である。
【図1】Aは高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限し
た溶接棒の溶融スラグの流動状態図、Bは本発明溶接棒
の溶融スラグの流動状態図である。
た溶接棒の溶融スラグの流動状態図、Bは本発明溶接棒
の溶融スラグの流動状態図である。
【図2】Aは高炭素フェロマンガンの平均粒径を制限し
た溶接棒で溶接したすみ肉ビード形状の断面図、Bは本
発明溶接棒で溶接したすみ肉ビード形状の断面図であ
る。
た溶接棒で溶接したすみ肉ビード形状の断面図、Bは本
発明溶接棒で溶接したすみ肉ビード形状の断面図であ
る。
1 溶融スラグ 2 溶融プール 3 すみ肉ビード 4 鋼板
Claims (1)
- 【請求項1】 平均粒径が112〜212μmのグラフ
ァイト0.1〜0.7%(重量%:以下同じ)、マグネ
シアクリンカー3〜14%、マグネサイト3〜14%、
金属弗化物3〜12%を含有する被覆剤を、水ガラスを
用いて鋼心線に塗布してなることを特徴とする低水素系
被覆アーク溶接棒。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2948193A JPH06238482A (ja) | 1993-02-18 | 1993-02-18 | 低水素系被覆アーク溶接棒 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2948193A JPH06238482A (ja) | 1993-02-18 | 1993-02-18 | 低水素系被覆アーク溶接棒 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06238482A true JPH06238482A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12277283
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2948193A Withdrawn JPH06238482A (ja) | 1993-02-18 | 1993-02-18 | 低水素系被覆アーク溶接棒 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06238482A (ja) |
-
1993
- 1993-02-18 JP JP2948193A patent/JPH06238482A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000509 |