JPH06240185A - 歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶縁皮膜の形成 - Google Patents
歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶縁皮膜の形成Info
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- JPH06240185A JPH06240185A JP5028122A JP2812293A JPH06240185A JP H06240185 A JPH06240185 A JP H06240185A JP 5028122 A JP5028122 A JP 5028122A JP 2812293 A JP2812293 A JP 2812293A JP H06240185 A JPH06240185 A JP H06240185A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 打抜性、耐熱性、密着性、耐食性、耐油性、
耐フロンガス性、溶接性、耐スティッキング性、歪取焼
鈍後の耐置錆性などの各種の特性を備え、歪取焼鈍を行
っても磁気特性が劣化しない電気絶縁皮膜の形成。 【構成】 クロム酸水溶液と、エマルジョン型有機樹脂
と、有機還元剤とを混合して成る処理液の塗布と焼付に
より電気絶縁皮膜の形成。クロム酸水溶液が、クロム酸
(CrO3)以外に、易溶性水酸化アルミニウム、所望に
より2価金属の酸化物、水酸化物および炭酸塩の1種ま
たは2種以上、ホウ酸(H3BO3) 、ならびにSb化合物
を、Me2+/Al3+のモル比が7.0 以下、(Al3+ + Me2+) /
CrO3のモル比が 0.2〜0.5 、H3BO3/CrO3のモル比が 0.1
〜1.5 、Sb/CrO3 のモル比が0.01〜0.5 となる量で含有
する。
耐フロンガス性、溶接性、耐スティッキング性、歪取焼
鈍後の耐置錆性などの各種の特性を備え、歪取焼鈍を行
っても磁気特性が劣化しない電気絶縁皮膜の形成。 【構成】 クロム酸水溶液と、エマルジョン型有機樹脂
と、有機還元剤とを混合して成る処理液の塗布と焼付に
より電気絶縁皮膜の形成。クロム酸水溶液が、クロム酸
(CrO3)以外に、易溶性水酸化アルミニウム、所望に
より2価金属の酸化物、水酸化物および炭酸塩の1種ま
たは2種以上、ホウ酸(H3BO3) 、ならびにSb化合物
を、Me2+/Al3+のモル比が7.0 以下、(Al3+ + Me2+) /
CrO3のモル比が 0.2〜0.5 、H3BO3/CrO3のモル比が 0.1
〜1.5 、Sb/CrO3 のモル比が0.01〜0.5 となる量で含有
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板、特に電磁鋼板
に対して、歪取焼鈍時における酸化、窒化等に起因する
磁気特性、特に低磁場磁気特性の劣化を防止する効果を
持つ、磁気特性に優れた電気絶縁皮膜を形成する方法に
関する。
に対して、歪取焼鈍時における酸化、窒化等に起因する
磁気特性、特に低磁場磁気特性の劣化を防止する効果を
持つ、磁気特性に優れた電気絶縁皮膜を形成する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電磁鋼板の表面には、渦電流によ
る鉄損を減ずるために電気絶縁皮膜が施されている。電
気絶縁皮膜を施した電磁鋼板は、所定の形状に打抜か
れ、場合によっては歪取焼鈍を施され、積層して端部を
TIG 溶接する等の加工工程を経て、鉄芯などとして用い
られる。
る鉄損を減ずるために電気絶縁皮膜が施されている。電
気絶縁皮膜を施した電磁鋼板は、所定の形状に打抜か
れ、場合によっては歪取焼鈍を施され、積層して端部を
TIG 溶接する等の加工工程を経て、鉄芯などとして用い
られる。
【0003】この電気絶縁皮膜には、電気絶縁性の他
に、打抜性、耐熱性、密着性、耐食性、耐油性、耐フロ
ンガス性、溶接性、スキュー性、自動かしめ性、高い占
積率、歪取焼鈍後の耐置錆性などの各種の特性が要求さ
れる。
に、打抜性、耐熱性、密着性、耐食性、耐油性、耐フロ
ンガス性、溶接性、スキュー性、自動かしめ性、高い占
積率、歪取焼鈍後の耐置錆性などの各種の特性が要求さ
れる。
【0004】電磁鋼板に対する電気絶縁皮膜の形成方法
としては、特公昭50−15013 号公報に、2価金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩をクロム酸水溶液に対して飽和な
いし過飽和の状態に溶解させた溶液を使用する方法が提
案されている。
としては、特公昭50−15013 号公報に、2価金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩をクロム酸水溶液に対して飽和な
いし過飽和の状態に溶解させた溶液を使用する方法が提
案されている。
【0005】特開昭59−205708号公報には、2価金属に
易溶性水酸化アルミニウム、塩基性炭酸アルミニウム等
のアルミニウム化合物を添加したクロム酸水溶液と樹脂
エマルジョンによる絶縁皮膜の形成方法が提案されてい
る。
易溶性水酸化アルミニウム、塩基性炭酸アルミニウム等
のアルミニウム化合物を添加したクロム酸水溶液と樹脂
エマルジョンによる絶縁皮膜の形成方法が提案されてい
る。
【0006】特開平3−36284 号には、クロム酸以外
に、遊離クロム酸と中和反応して溶解する易溶性アルミ
ニウム化合物とホウ酸とを含有し、さらに任意に2価金
属化合物を含有するクロム酸水溶液を、エマルジョン型
有機樹脂と有機還元剤と混合した処理液を用いた、歪取
焼鈍後の耐置錆性に優れた電気絶縁皮膜の形成方法が提
案されている。
に、遊離クロム酸と中和反応して溶解する易溶性アルミ
ニウム化合物とホウ酸とを含有し、さらに任意に2価金
属化合物を含有するクロム酸水溶液を、エマルジョン型
有機樹脂と有機還元剤と混合した処理液を用いた、歪取
焼鈍後の耐置錆性に優れた電気絶縁皮膜の形成方法が提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
電気絶縁皮膜は、歪取焼鈍後に磁気特性が予想された値
より悪くなることがしばしば経験されてきた。歪取焼鈍
は主として磁気特性の改善を目的として実施されるにも
かかわらず、予想したような磁気特性の改善が得られな
いのである。
電気絶縁皮膜は、歪取焼鈍後に磁気特性が予想された値
より悪くなることがしばしば経験されてきた。歪取焼鈍
は主として磁気特性の改善を目的として実施されるにも
かかわらず、予想したような磁気特性の改善が得られな
いのである。
【0008】磁気特性は、電磁鋼板の最重要な特性の1
つであるので、歪取焼鈍時の磁気特性の劣化防止が強く
求められている。本発明の目的は、皮膜形成後に歪取焼
鈍を行っても磁気特性が劣化しない電気絶縁皮膜を形成
することのできる処理液およびかかる電気絶縁皮膜の形
成方法を提供することである。
つであるので、歪取焼鈍時の磁気特性の劣化防止が強く
求められている。本発明の目的は、皮膜形成後に歪取焼
鈍を行っても磁気特性が劣化しない電気絶縁皮膜を形成
することのできる処理液およびかかる電気絶縁皮膜の形
成方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電磁鋼板
上に形成した電気絶縁皮膜の歪取焼鈍時に磁気特性が劣
化する原因について解析した結果、皮膜表面の酸化また
は窒化が原因であることを究明した。歪取焼鈍は、通
常、鋼板表面を酸化させない雰囲気で行うこととなって
いる。雰囲気ガスは、アンモニア分解ガスや一酸化炭素
など、鉄芯加工メーカーにより様々である。しかし、い
ずれの雰囲気であっても、高露点ガスやアンモニア生ガ
スの流入が時に起こることが避けられず、これが原因で
酸化や窒化が生ずるものと考えられる。そこで、このよ
うな劣悪な雰囲気でも鋼板表面の酸化や窒化が起こらな
い電気絶縁皮膜が必要となる。
上に形成した電気絶縁皮膜の歪取焼鈍時に磁気特性が劣
化する原因について解析した結果、皮膜表面の酸化また
は窒化が原因であることを究明した。歪取焼鈍は、通
常、鋼板表面を酸化させない雰囲気で行うこととなって
いる。雰囲気ガスは、アンモニア分解ガスや一酸化炭素
など、鉄芯加工メーカーにより様々である。しかし、い
ずれの雰囲気であっても、高露点ガスやアンモニア生ガ
スの流入が時に起こることが避けられず、これが原因で
酸化や窒化が生ずるものと考えられる。そこで、このよ
うな劣悪な雰囲気でも鋼板表面の酸化や窒化が起こらな
い電気絶縁皮膜が必要となる。
【0010】本発明者らは、前述した特開平3−36284
号に記載の処理液にさらにアンチモン化合物を含有させ
て用いると、電気絶縁皮膜の歪取焼鈍時の磁気特性の劣
化が防止されることを見出し、本発明に至った。
号に記載の処理液にさらにアンチモン化合物を含有させ
て用いると、電気絶縁皮膜の歪取焼鈍時の磁気特性の劣
化が防止されることを見出し、本発明に至った。
【0011】ここに、本発明は、クロム酸水溶液と、エ
マルジョン型有機樹脂と、有機還元剤とを混合してなる
処理液であって、前記クロム酸水溶液が、クロム酸(CrO
3)以外にさらも、遊離クロム酸と中和反応して溶解す
る易溶性アルミニウム化合物、所望により2価金属の
酸化物、水酸化物および炭酸塩よりなる群から選ばれた
1種または2種以上の2価金属化合物、ホウ酸(H3B
O3) 、ならびにアンチモン化合物を、Me2+/Al3+のモ
ル比が7.0 以下 (ただし、Me2+とは前記2価金属のイオ
ンを意味し、この比が0の場合はクロム酸水溶液中に2
価金属化合物は存在しない) 、 (Al3++ Me2+) /CrO3の
モル比が 0.2〜0.5 、H3BO3/CrO3のモル比が 0.1〜1.5
、Sb/CrO3 のモル比が0.01〜0.5 となる量で含有する
ことを特徴とする、電気絶縁皮膜形成用処理液を要旨と
する。
マルジョン型有機樹脂と、有機還元剤とを混合してなる
処理液であって、前記クロム酸水溶液が、クロム酸(CrO
3)以外にさらも、遊離クロム酸と中和反応して溶解す
る易溶性アルミニウム化合物、所望により2価金属の
酸化物、水酸化物および炭酸塩よりなる群から選ばれた
1種または2種以上の2価金属化合物、ホウ酸(H3B
O3) 、ならびにアンチモン化合物を、Me2+/Al3+のモ
ル比が7.0 以下 (ただし、Me2+とは前記2価金属のイオ
ンを意味し、この比が0の場合はクロム酸水溶液中に2
価金属化合物は存在しない) 、 (Al3++ Me2+) /CrO3の
モル比が 0.2〜0.5 、H3BO3/CrO3のモル比が 0.1〜1.5
、Sb/CrO3 のモル比が0.01〜0.5 となる量で含有する
ことを特徴とする、電気絶縁皮膜形成用処理液を要旨と
する。
【0012】この処理液を金属板表面に被着させ、焼付
けることにより、歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶
縁皮膜を形成することができる。
けることにより、歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶
縁皮膜を形成することができる。
【0013】本発明の処理液は、電磁鋼板のみならず、
任意の金属板上に適用して、その表面に電気絶縁皮膜を
形成することができる。電磁鋼板以外の金属板の例とし
て、例えば、Cr−Ni基合金板などがある。しかし、電気
絶縁皮膜は最も普通には電磁鋼板上に形成されるので、
以下でも電磁鋼板上への電気絶縁皮膜の形成を例にとっ
て説明する。なお、電磁鋼板とは、珪素鋼板と低炭素鋼
板の両者を含む意味である。
任意の金属板上に適用して、その表面に電気絶縁皮膜を
形成することができる。電磁鋼板以外の金属板の例とし
て、例えば、Cr−Ni基合金板などがある。しかし、電気
絶縁皮膜は最も普通には電磁鋼板上に形成されるので、
以下でも電磁鋼板上への電気絶縁皮膜の形成を例にとっ
て説明する。なお、電磁鋼板とは、珪素鋼板と低炭素鋼
板の両者を含む意味である。
【0014】本発明で用いる易溶性アルミニウム化合物
(代表的には易溶性水酸化アルミニウム) とは、特開昭
50−153799号公報および同59−205780号公報に開示され
ているものであって、少なくとも一方がアルミニウム化
合物である酸性物質と塩基性物質を中和反応させ、析出
する水酸化アルミニウムを直ちに分離および水洗して、
使用原料に由来する不純物としてのアルカリ金属カチオ
ンおよび無機アニオンを除去して得られた、CO2 基ある
いはSO2 基で架橋された水酸化アルミニウムの総称であ
る。この易溶性アルミニウム化合物は、クロム酸水溶液
中では、遊離クロム酸との中和反応により水溶液中に容
易に溶解する。
(代表的には易溶性水酸化アルミニウム) とは、特開昭
50−153799号公報および同59−205780号公報に開示され
ているものであって、少なくとも一方がアルミニウム化
合物である酸性物質と塩基性物質を中和反応させ、析出
する水酸化アルミニウムを直ちに分離および水洗して、
使用原料に由来する不純物としてのアルカリ金属カチオ
ンおよび無機アニオンを除去して得られた、CO2 基ある
いはSO2 基で架橋された水酸化アルミニウムの総称であ
る。この易溶性アルミニウム化合物は、クロム酸水溶液
中では、遊離クロム酸との中和反応により水溶液中に容
易に溶解する。
【0015】本発明で用いる2価金属化合物 (Me2+化合
物) は、例えばZnO 、Mg0 、CaO 等の酸化物;Zn(O
H)2 、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 等の水酸化物;ZnCO3 、MgCO
3 、CaCO3 等の炭酸塩よりなる群から選ばれ、1種もし
くは2種以上を使用することができる。これらの2価金
属化合物は水不溶性であるが、クロム酸水溶液中ではク
ロム酸塩として溶解するので、その粒径などは特に制限
されない。
物) は、例えばZnO 、Mg0 、CaO 等の酸化物;Zn(O
H)2 、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 等の水酸化物;ZnCO3 、MgCO
3 、CaCO3 等の炭酸塩よりなる群から選ばれ、1種もし
くは2種以上を使用することができる。これらの2価金
属化合物は水不溶性であるが、クロム酸水溶液中ではク
ロム酸塩として溶解するので、その粒径などは特に制限
されない。
【0016】本発明で用いるアンチモン化合物は、クロ
ム酸水溶液中に溶解ないし安定に分散するものであれば
特に限定されない。このようなアンチモン化合物の例と
して、酒石酸アンチモニルカリウム、酸化アンチモンゾ
ル(Sb2O5のゾル) 、SbO3ゾルなどがある。
ム酸水溶液中に溶解ないし安定に分散するものであれば
特に限定されない。このようなアンチモン化合物の例と
して、酒石酸アンチモニルカリウム、酸化アンチモンゾ
ル(Sb2O5のゾル) 、SbO3ゾルなどがある。
【0017】
【作用】本発明において、各構成要件を上述のように限
定した理由を説明する。クロム酸水溶液 クロム酸がCr3+まで還元されると造膜する (クロメート
皮膜と呼ばれる皮膜を形成する) 性質を利用して、本発
明の電気絶縁皮膜が形成される。クロム酸水溶液は無水
クロム酸 (CrO3) を水に溶解することにより形成でき
る。クロム酸水溶液の濃度は特に制限されないが、通常
は、無水クロム酸100 重量部に対して水が700 〜1000重
量部程度の濃度が好ましい。
定した理由を説明する。クロム酸水溶液 クロム酸がCr3+まで還元されると造膜する (クロメート
皮膜と呼ばれる皮膜を形成する) 性質を利用して、本発
明の電気絶縁皮膜が形成される。クロム酸水溶液は無水
クロム酸 (CrO3) を水に溶解することにより形成でき
る。クロム酸水溶液の濃度は特に制限されないが、通常
は、無水クロム酸100 重量部に対して水が700 〜1000重
量部程度の濃度が好ましい。
【0018】Me2+/Al3+のモル比: 0〜7.0 2価金属化合物は、皮膜の電気絶縁性を改善する効果が
あるので、所望により処理液中に存在させることができ
る。しかし、2価金属化合物の量が多くなって、Me2+/
Al3+のモル比が7.0 を超えるようになると、得られた皮
膜を歪取焼鈍した後の耐置錆性が劣化する。置錆が発生
すると、皮膜の電気絶縁性が著しく低下するので、歪取
焼鈍後の耐置錆性は電気絶縁皮膜にとって必要な特性で
ある。その意味では2価金属化合物の量 (Me2+) が極力
少ないほうが好ましい。
あるので、所望により処理液中に存在させることができ
る。しかし、2価金属化合物の量が多くなって、Me2+/
Al3+のモル比が7.0 を超えるようになると、得られた皮
膜を歪取焼鈍した後の耐置錆性が劣化する。置錆が発生
すると、皮膜の電気絶縁性が著しく低下するので、歪取
焼鈍後の耐置錆性は電気絶縁皮膜にとって必要な特性で
ある。その意味では2価金属化合物の量 (Me2+) が極力
少ないほうが好ましい。
【0019】(Al3++Me2+) /CrO3のモル比: 0.2〜0.5 易溶性アルミニウム化合物は、歪取焼鈍後の耐置錆性改
善の目的でクロム酸水溶液中に存在させる。 (Al3++Me
2+) /CrO3のモル比 [Me2+=0の場合にはAl3+/CrO3の
モル比] が0.2 未満であるか、0.5 を超えると、易溶性
アルミニウム化合物が析出し易くなるため、得られる処
理液の安定性が悪くなる。その結果、塗装機でのノズル
詰まりを起こしたり、打抜性にも悪影響を及ぼすため、
上記モル比を 0.2〜0.5 の範囲とする。
善の目的でクロム酸水溶液中に存在させる。 (Al3++Me
2+) /CrO3のモル比 [Me2+=0の場合にはAl3+/CrO3の
モル比] が0.2 未満であるか、0.5 を超えると、易溶性
アルミニウム化合物が析出し易くなるため、得られる処
理液の安定性が悪くなる。その結果、塗装機でのノズル
詰まりを起こしたり、打抜性にも悪影響を及ぼすため、
上記モル比を 0.2〜0.5 の範囲とする。
【0020】H3BO3 /CrO3のモル比: 0.1〜1.5 ホウ酸は、電気絶縁皮膜の歪取焼鈍後の耐置錆性を改善
し、焼付を防止するためにクロム酸水溶液中に存在させ
る。H3BO3 /CrO3のモル比が0.1 未満では、歪取焼鈍後
の耐置錆性改善の効果が認められず、1.5 を越えるとホ
ウ酸が未溶解となり、皮膜の密着性が低下する。
し、焼付を防止するためにクロム酸水溶液中に存在させ
る。H3BO3 /CrO3のモル比が0.1 未満では、歪取焼鈍後
の耐置錆性改善の効果が認められず、1.5 を越えるとホ
ウ酸が未溶解となり、皮膜の密着性が低下する。
【0021】Sb/CrO3のモル比:0.01〜0.5 アンチモン化合物は、形成された電気絶縁皮膜の歪取焼
鈍時の酸化や窒化の防止に有効であり、それにより歪取
焼鈍中の磁気特性の劣化が確実に防止される。アンチモ
ン化合物の添加量が、Sb/CrO3のモル比で0.01未満で
は、歪取焼鈍時の酸化や窒化を防止する効果が不十分で
あり、このモル比が0.5 を超えると、処理液の安定性が
損なわれ、液が分離して、塗布作業ができなくなる。
鈍時の酸化や窒化の防止に有効であり、それにより歪取
焼鈍中の磁気特性の劣化が確実に防止される。アンチモ
ン化合物の添加量が、Sb/CrO3のモル比で0.01未満で
は、歪取焼鈍時の酸化や窒化を防止する効果が不十分で
あり、このモル比が0.5 を超えると、処理液の安定性が
損なわれ、液が分離して、塗布作業ができなくなる。
【0022】クロム酸以外に、易溶性アルミニウム化
合物、任意成分の2価金属化合物、ホウ酸(H3BO3)
、ならびにアンチモン化合物を含有するクロム酸水
溶液を、有機還元剤およびエマルジョン型樹脂と混合す
ると、本発明で絶縁皮膜の形成に用いる処理液が調製さ
れる。
合物、任意成分の2価金属化合物、ホウ酸(H3BO3)
、ならびにアンチモン化合物を含有するクロム酸水
溶液を、有機還元剤およびエマルジョン型樹脂と混合す
ると、本発明で絶縁皮膜の形成に用いる処理液が調製さ
れる。
【0023】有機還元剤:クロム酸をCr3+まで還元して
造膜させるためにクロム酸に対する還元剤が必要であ
る。無機還元剤は液安定性を損ない皮膜中に残存するた
め、有機還元剤を使用する。好適な還元剤としては、多
価カルボン酸類 (マレイン酸、コハク酸、アジピン酸
等) 、多価アルコール類 (エチレングリコール、グリセ
リン、ポリエチレングリコール等) 、オキシカルボン酸
類 (例、リンゴ酸、酒石酸等) 、アミン類 (モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等) が例示できる。
造膜させるためにクロム酸に対する還元剤が必要であ
る。無機還元剤は液安定性を損ない皮膜中に残存するた
め、有機還元剤を使用する。好適な還元剤としては、多
価カルボン酸類 (マレイン酸、コハク酸、アジピン酸
等) 、多価アルコール類 (エチレングリコール、グリセ
リン、ポリエチレングリコール等) 、オキシカルボン酸
類 (例、リンゴ酸、酒石酸等) 、アミン類 (モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等) が例示できる。
【0024】処理液への有機還元剤の配合量は、還元に
十分な量であれば制限されないが、好ましくは処理液中
の無水クロム酸(CrO3) 100重量部に対して10〜100 重量
部である。10重量部未満では一般に還元が十分に起こら
ず、打抜金型に悪影響を及ぼす上、6価クロムが残留す
ると有毒であり実用とならない。一方、還元剤の量が10
0 重量部を超えると、打抜性が劣化する。
十分な量であれば制限されないが、好ましくは処理液中
の無水クロム酸(CrO3) 100重量部に対して10〜100 重量
部である。10重量部未満では一般に還元が十分に起こら
ず、打抜金型に悪影響を及ぼす上、6価クロムが残留す
ると有毒であり実用とならない。一方、還元剤の量が10
0 重量部を超えると、打抜性が劣化する。
【0025】有機樹脂 本発明の処理液には、打抜性の改善のため適量の有機樹
脂が添加される。水溶液として使用するために、樹脂と
してはエマルジョン型のものを用いる。適当なエマルジ
ョン型樹脂の例としては、アクリル樹脂およびその共重
合物、酢酸ビニル樹脂およびその共重合物、スチレン樹
脂およびその共重合物、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、
フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリビニルエーテル−マレイン酸共重合
物、ポリヒドロキシルエチルセルロース等の1種または
2種以上を使用できるが、これらに限定されるものでは
ない。
脂が添加される。水溶液として使用するために、樹脂と
してはエマルジョン型のものを用いる。適当なエマルジ
ョン型樹脂の例としては、アクリル樹脂およびその共重
合物、酢酸ビニル樹脂およびその共重合物、スチレン樹
脂およびその共重合物、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、
フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリビニルエーテル−マレイン酸共重合
物、ポリヒドロキシルエチルセルロース等の1種または
2種以上を使用できるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0026】これらの中で好ましいものは、エマルジョ
ン型の酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、
あるいはこれらの共重合体である。
ン型の酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、
あるいはこれらの共重合体である。
【0027】例えば、アクリル樹脂としては大日本イン
キ化学 (株) 製ボンコート3515 (商品名) 、ボンコート
EC-818 (商品名) 、或いは日本触媒化学 (株) 製のアク
リセット210E (商品名) 等がある。アクリル−スチレン
樹脂としては大日本インキ化学 (株) 製ボンコートS410
(商品名) 、ボンコートEC710(商品名) あるいは、日本
触媒化学 (株) 製アセリセット250E (商品名) 等があ
る。酢酸ビニル樹脂として大日本インキ化学(株)製、ボ
ンコート9301 (商品名) 等がある。
キ化学 (株) 製ボンコート3515 (商品名) 、ボンコート
EC-818 (商品名) 、或いは日本触媒化学 (株) 製のアク
リセット210E (商品名) 等がある。アクリル−スチレン
樹脂としては大日本インキ化学 (株) 製ボンコートS410
(商品名) 、ボンコートEC710(商品名) あるいは、日本
触媒化学 (株) 製アセリセット250E (商品名) 等があ
る。酢酸ビニル樹脂として大日本インキ化学(株)製、ボ
ンコート9301 (商品名) 等がある。
【0028】有機樹脂の配合量は特に制限されないが、
通常は無水クロム酸(CrO3) 100重量部に対し10〜100 重
量部である。
通常は無水クロム酸(CrO3) 100重量部に対し10〜100 重
量部である。
【0029】処理方法 前述した成分を含有する処理液は、公知の任意の方法
(例えば、ロールコーター等による塗布、スプレー法、
浸漬法等) により、電磁鋼板の表面に均一に被着させた
後、 150〜400 ℃ (好ましくは 250〜350 ℃) のオーブ
ンにて短時間焼付け (通例20秒〜2分程度) すると、鋼
板上に電気絶縁皮膜が形成される。
(例えば、ロールコーター等による塗布、スプレー法、
浸漬法等) により、電磁鋼板の表面に均一に被着させた
後、 150〜400 ℃ (好ましくは 250〜350 ℃) のオーブ
ンにて短時間焼付け (通例20秒〜2分程度) すると、鋼
板上に電気絶縁皮膜が形成される。
【0030】一般に、本発明の方法により形成される電
気絶縁皮膜の厚みは 0.1〜2μmとすることが好まし
い。2μmを超えると、皮膜の密着性が低下し、0.1 μ
m未満では均一に塗装することが困難である。
気絶縁皮膜の厚みは 0.1〜2μmとすることが好まし
い。2μmを超えると、皮膜の密着性が低下し、0.1 μ
m未満では均一に塗装することが困難である。
【0031】本発明の方法により表面に電気絶縁皮膜が
形成された電磁鋼板は、そのままでは打抜加工等に起因
する歪みにより所定の磁気特性が発現できないことが多
いので、通常はさらに歪取焼鈍を行って、その磁気特性
の改善を図る。歪取焼鈍は、非酸化性雰囲気 (例、窒素
ガス、アンモニア分解ガス、一酸化炭素、アルゴンな
ど) 中で、650 〜800 ℃×1〜2時間加熱した後、徐冷
することにより行うことができる。雰囲気ガスの露点は
一般に−20℃以下であるのが好ましい。
形成された電磁鋼板は、そのままでは打抜加工等に起因
する歪みにより所定の磁気特性が発現できないことが多
いので、通常はさらに歪取焼鈍を行って、その磁気特性
の改善を図る。歪取焼鈍は、非酸化性雰囲気 (例、窒素
ガス、アンモニア分解ガス、一酸化炭素、アルゴンな
ど) 中で、650 〜800 ℃×1〜2時間加熱した後、徐冷
することにより行うことができる。雰囲気ガスの露点は
一般に−20℃以下であるのが好ましい。
【0032】本発明の方法により形成された電気絶縁皮
膜は、歪取焼鈍中に例えば生アンモニアガスや高露点の
ガスが混入しても、皮膜中に含まれるアンチモンが皮膜
表面の酸化や窒化を防止するため、歪取焼鈍により磁気
特性を予定された値まで向上させることができる。
膜は、歪取焼鈍中に例えば生アンモニアガスや高露点の
ガスが混入しても、皮膜中に含まれるアンチモンが皮膜
表面の酸化や窒化を防止するため、歪取焼鈍により磁気
特性を予定された値まで向上させることができる。
【0033】
【実施例】実施例1 無水クロム酸100 重量部に対し、易溶性水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、H3BO3 および酸化アンチモ
ンゾル(Sb2O4ゾル) を、 (Mg2++ Al3+)/CrO3モル比=0.
4 、 H3BO3/CrO3モル比=0.4 、Mg2+/Al3+モル比=0
または1.0 、Sb/CrO3モル比=0〜1.0 となる量でそれ
ぞれ配合し、さらにエマルジョン型アクリル−スチレン
樹脂 (ボンコートS410) を固形分として15重量部、還元
剤のエチレングリコールを20重量部、純水 (イオン交換
水) 500 重量部を混合して、電気絶縁皮膜形成用の処理
液を調製した。
ウム、水酸化マグネシウム、H3BO3 および酸化アンチモ
ンゾル(Sb2O4ゾル) を、 (Mg2++ Al3+)/CrO3モル比=0.
4 、 H3BO3/CrO3モル比=0.4 、Mg2+/Al3+モル比=0
または1.0 、Sb/CrO3モル比=0〜1.0 となる量でそれ
ぞれ配合し、さらにエマルジョン型アクリル−スチレン
樹脂 (ボンコートS410) を固形分として15重量部、還元
剤のエチレングリコールを20重量部、純水 (イオン交換
水) 500 重量部を混合して、電気絶縁皮膜形成用の処理
液を調製した。
【0034】本例で用いた易溶性水酸化アルミニウム
は、炭酸ナトリウム水溶液に硫酸アルミニウム水溶液を
添加・攪拌し、析出したスラリー状の水酸化アルミニウ
ムを水洗後、脱水することにより得たもので、Al2O3 8.
20%を含有する、CO2 基で架橋された水酸化アルミニウ
ムであった。
は、炭酸ナトリウム水溶液に硫酸アルミニウム水溶液を
添加・攪拌し、析出したスラリー状の水酸化アルミニウ
ムを水洗後、脱水することにより得たもので、Al2O3 8.
20%を含有する、CO2 基で架橋された水酸化アルミニウ
ムであった。
【0035】この処理液をロールコーターにより 0.5%
Si含有硅素鋼板 (板厚 0.5mm) の両面に塗布し、280 ℃
のオーブンで1分間焼付けて、電気絶縁皮膜を形成し
た。焼付後の皮膜厚みは0.5 μmであった。この電気絶
縁皮膜を備えた硅素鋼板について、歪取焼鈍の前、前後
両方、或いは歪取焼鈍後に、下記の各種評価試験を行っ
た。歪取焼鈍は、磁気特性試験を除いて、100%N2中、75
0 ℃×2時間の条件で行った。磁気特性の測定は、各表
示雰囲気下750 ℃×2時間の歪取焼鈍の後に行った。結
果を表1にまとめて示す。
Si含有硅素鋼板 (板厚 0.5mm) の両面に塗布し、280 ℃
のオーブンで1分間焼付けて、電気絶縁皮膜を形成し
た。焼付後の皮膜厚みは0.5 μmであった。この電気絶
縁皮膜を備えた硅素鋼板について、歪取焼鈍の前、前後
両方、或いは歪取焼鈍後に、下記の各種評価試験を行っ
た。歪取焼鈍は、磁気特性試験を除いて、100%N2中、75
0 ℃×2時間の条件で行った。磁気特性の測定は、各表
示雰囲気下750 ℃×2時間の歪取焼鈍の後に行った。結
果を表1にまとめて示す。
【0036】[評価試験方法] 層間絶縁抵抗: JIS C2550(1986)により測定; 密着性:試験片を所定の直径で 180°折り曲げ、外側の
絶縁皮膜がセロファンテープにより剥離しない最小折り
曲げ径(mm); 耐食性:塩水噴霧試験 (35℃、20時間) 後の錆発生状
況; ◎:錆発生なし ○:錆発生面積率30%未満 △:錆発生面積率30%以上 ×:全面錆発生 耐置錆性:焼鈍した試験片2枚を重ね合せ、30℃、相対
湿度80%の恒温・恒湿器中に1500時間保持した後の合せ
面に発生した錆の面積率 (%) ◎:0〜10% ○: 〜20% △: 〜30% ×:30%超 耐スティッキング性:未焼鈍の試験片2枚を重ねて0.5
kg/cm2の荷重をかけ、100%N2中、750 ℃×2時間焼鈍後
の皮膜間の融着性; ◎:全く融着なし △:わずかに融着 × 全面融着 耐フロン性: 120 のフロンR-22中に100 時間浸漬後の
重量増減 ◎:0.05 g/m2 以下 ×: 〃 以上 耐油性: 120℃の2号絶縁油中に72時間浸漬後の重量増
減 ◎:0.05 g/m2 以下 ×: 〃 以上 打抜き性: 打抜き条件−金型材質 : SKD-11 クリアランス : 8% かみ合せ : 0.5 mm ストローク数 : 350 spm 打抜き油 : 灯油 形 状 : 17 mm×17 mm 評価方法−いずれかの面のカエリ高さが50μm に達した
時の打抜き回数 ◎: 200万回以上 ○: 150〜200 万回数 △: 100〜150 〃 ×: 100万回未満 液安定性: ◎:通常のロールコーター塗装機により
支障なく塗装可能 ×:塗装中に液が分離凝集して塗装不能 磁気特性:JIS C 2550 (1986) により測定。B1は磁化力
100 A/mのときの磁束密度 (テスラ) を示す。
絶縁皮膜がセロファンテープにより剥離しない最小折り
曲げ径(mm); 耐食性:塩水噴霧試験 (35℃、20時間) 後の錆発生状
況; ◎:錆発生なし ○:錆発生面積率30%未満 △:錆発生面積率30%以上 ×:全面錆発生 耐置錆性:焼鈍した試験片2枚を重ね合せ、30℃、相対
湿度80%の恒温・恒湿器中に1500時間保持した後の合せ
面に発生した錆の面積率 (%) ◎:0〜10% ○: 〜20% △: 〜30% ×:30%超 耐スティッキング性:未焼鈍の試験片2枚を重ねて0.5
kg/cm2の荷重をかけ、100%N2中、750 ℃×2時間焼鈍後
の皮膜間の融着性; ◎:全く融着なし △:わずかに融着 × 全面融着 耐フロン性: 120 のフロンR-22中に100 時間浸漬後の
重量増減 ◎:0.05 g/m2 以下 ×: 〃 以上 耐油性: 120℃の2号絶縁油中に72時間浸漬後の重量増
減 ◎:0.05 g/m2 以下 ×: 〃 以上 打抜き性: 打抜き条件−金型材質 : SKD-11 クリアランス : 8% かみ合せ : 0.5 mm ストローク数 : 350 spm 打抜き油 : 灯油 形 状 : 17 mm×17 mm 評価方法−いずれかの面のカエリ高さが50μm に達した
時の打抜き回数 ◎: 200万回以上 ○: 150〜200 万回数 △: 100〜150 〃 ×: 100万回未満 液安定性: ◎:通常のロールコーター塗装機により
支障なく塗装可能 ×:塗装中に液が分離凝集して塗装不能 磁気特性:JIS C 2550 (1986) により測定。B1は磁化力
100 A/mのときの磁束密度 (テスラ) を示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示したように、クロム酸水溶液中に
アンチモン化合物を添加しなかった試験No.1では、10%
酸素を含有する窒素雰囲気中で歪取焼鈍した時の磁気特
性が著しく劣化した。この劣化は、絶縁皮膜の酸化によ
るものと考えられる。しかし、アンチモン化合物の配合
量がSb/クロム酸モル比で0.5 を超えると、処理液の安
定性が悪化して、塗装が不可能となった。
アンチモン化合物を添加しなかった試験No.1では、10%
酸素を含有する窒素雰囲気中で歪取焼鈍した時の磁気特
性が著しく劣化した。この劣化は、絶縁皮膜の酸化によ
るものと考えられる。しかし、アンチモン化合物の配合
量がSb/クロム酸モル比で0.5 を超えると、処理液の安
定性が悪化して、塗装が不可能となった。
【0039】実施例2 無水クロム酸100 重量部に対し、実施例1と同じ易溶性
水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、H3BO3 、およ
び酸化アンチモンゾルを、Ca2+/Al3+モル比=0.5 、
(Ca2++ Al3+)/CrO3モル比= 0.1〜0.7 、H3BO3/CrO3モ
ル比=0.3 、Sb/CrO3モル比=0.3 となる量それぞれ配
合し、さらにエマルジョン型アクリル樹脂(ボンコート3
515) を固形分として15重量部、還元剤のエチレングリ
コール20重量部、純水 (イオン交換水) 500 重量部を混
合して、電気絶縁皮膜形成用の処理液を調製した。
水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、H3BO3 、およ
び酸化アンチモンゾルを、Ca2+/Al3+モル比=0.5 、
(Ca2++ Al3+)/CrO3モル比= 0.1〜0.7 、H3BO3/CrO3モ
ル比=0.3 、Sb/CrO3モル比=0.3 となる量それぞれ配
合し、さらにエマルジョン型アクリル樹脂(ボンコート3
515) を固形分として15重量部、還元剤のエチレングリ
コール20重量部、純水 (イオン交換水) 500 重量部を混
合して、電気絶縁皮膜形成用の処理液を調製した。
【0040】この処理液をロールコーターにより0.5 %
Si電磁鋼板 (板厚0.5mm)の表面に塗布し350 ℃×1分間
で焼付けて絶縁皮膜を形成した。焼付後の皮膜厚みは0.
2 μmであった。得られた塗膜焼付鋼板の特性評価試験
を実施例1と同様にして行った結果を表2に示す。
Si電磁鋼板 (板厚0.5mm)の表面に塗布し350 ℃×1分間
で焼付けて絶縁皮膜を形成した。焼付後の皮膜厚みは0.
2 μmであった。得られた塗膜焼付鋼板の特性評価試験
を実施例1と同様にして行った結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2に示すように、本発明に従って適量の
アンチモン化合物をクロム酸水溶液に配合した場合に
は、 (Ca2++ Al3+)/CrO3モル比を変動させても、10%酸
素を含有する窒素雰囲気中での焼鈍中の磁気特性の著し
い劣化は起こらなかった。しかし、このモル比が 0.5を
超えると、打ち抜き性と液安定性が悪化した。一方、こ
のモル比が0.2 未満では、さらに耐スティッキング性や
耐置錆性も悪化した。
アンチモン化合物をクロム酸水溶液に配合した場合に
は、 (Ca2++ Al3+)/CrO3モル比を変動させても、10%酸
素を含有する窒素雰囲気中での焼鈍中の磁気特性の著し
い劣化は起こらなかった。しかし、このモル比が 0.5を
超えると、打ち抜き性と液安定性が悪化した。一方、こ
のモル比が0.2 未満では、さらに耐スティッキング性や
耐置錆性も悪化した。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法により形成された皮膜は、
電気絶縁皮膜に要求される打抜性、耐熱性、密着性、耐
食性、耐油性、耐フロンガス性、溶接性、耐スティッキ
ング性、歪取焼鈍後の耐置錆性などの各種の特性を備
え、歪取焼鈍後において高い層間絶縁性を有すると共
に、歪取焼鈍時の酸化や窒化による磁気特性劣化も防止
できる。
電気絶縁皮膜に要求される打抜性、耐熱性、密着性、耐
食性、耐油性、耐フロンガス性、溶接性、耐スティッキ
ング性、歪取焼鈍後の耐置錆性などの各種の特性を備
え、歪取焼鈍後において高い層間絶縁性を有すると共
に、歪取焼鈍時の酸化や窒化による磁気特性劣化も防止
できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 クロム酸水溶液と、エマルジョン型有機
樹脂と、有機還元剤とを混合してなる処理液であって、
前記クロム酸水溶液が、クロム酸(CrO3)に加えてさら
に、遊離クロム酸と中和反応して溶解する易溶性アルミ
ニウム化合物、ホウ酸(H3BO3) 、およびアンチモン化合
物を、Al3+/CrO3のモル比が 0.2〜0.5、H3BO3/CrO3の
モル比が 0.1〜1.5 、Sb/CrO3 のモル比が0.01〜0.5 と
なる量で含有することを特徴とする、電気絶縁皮膜形成
用処理液。 - 【請求項2】 クロム酸水溶液と、エマルジョン型有機
樹脂と、有機還元剤とを混合してなる処理液であって、
前記クロム酸水溶液が、クロム酸(CrO3)に加えてさら
に、遊離クロム酸と中和反応して溶解する易溶性アルミ
ニウム化合物、2価金属の酸化物、水酸化物および炭酸
塩よりなる群から選ばれた1種または2種以上の化合
物、ホウ酸(H3BO3) 、ならびにアンチモン化合物を、Me
2+/Al3+のモル比が7.0 以下 (ただし、Me2+とは前記2
価金属のイオンを意味する) 、 (Al3++ Me2+)/CrO3のモ
ル比が 0.2〜0.5 、H3BO3/CrO3のモル比が 0.1〜1.5 、
Sb/CrO3 のモル比が0.01〜0.5 となる量で含有すること
を特徴とする、電気絶縁皮膜形成用処理液。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の処理液を金属板
表面に被着させ、焼付けることからなる、歪取焼鈍後の
磁気特性に優れた電気絶縁皮膜の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5028122A JPH06240185A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶縁皮膜の形成 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5028122A JPH06240185A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶縁皮膜の形成 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06240185A true JPH06240185A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12239998
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5028122A Withdrawn JPH06240185A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶縁皮膜の形成 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06240185A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011052195A (ja) * | 2009-09-02 | 2011-03-17 | Sardonyx:Kk | 水滴抑制及び吸収乾燥する塗料及び塗膜 |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP5028122A patent/JPH06240185A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011052195A (ja) * | 2009-09-02 | 2011-03-17 | Sardonyx:Kk | 水滴抑制及び吸収乾燥する塗料及び塗膜 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000509 |