JPH06243518A - 記録再生装置 - Google Patents

記録再生装置

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JPH06243518A
JPH06243518A JP2567593A JP2567593A JPH06243518A JP H06243518 A JPH06243518 A JP H06243518A JP 2567593 A JP2567593 A JP 2567593A JP 2567593 A JP2567593 A JP 2567593A JP H06243518 A JPH06243518 A JP H06243518A
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voltage
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probe
reproducing apparatus
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JP2567593A
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English (en)
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清 ▲瀧▼本
Kiyoshi Takimoto
Isaaki Kawade
一佐哲 河出
Etsuro Kishi
悦朗 貴志
Kyoji Yano
亨治 矢野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】走査型トンネル顕微鏡の原理を利用して記録媒
体に対して情報の記録/再生を行なう記録再生装置にお
いて、媒体の損傷のおそれなく、かつ高速での記録/再
生を安定して行なえるようにする。 【構成】記録媒体12として、下地電極121上に記録層122
と半導体層13とが順次積層されたものを使用する。半導
体層13とプローブ11の間の距離の制御は、両者間に電圧
を印加したときのトンネル電流値に基づいて行なう。情
報の再生は、距離の制御用の電圧とは異なる電圧を印加
し、トンネル電流値を検出して行なう。情報の記録は、
スイッチ16を開放して半導体層13を電気的に浮いた状態
とし、プローブ11と下地電極121の間に記録信号に応じ
た電圧を印加して行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体に対して情報
の記録および/または再生を行なう記録再生装置に関
し、特に走査型トンネル顕微鏡技術を用いた記録再生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報記憶素子ないし情報記憶装置いわゆ
るメモリは、コンピュータおよびその関連機器の中核を
なすものであるのみならず、ビデオディスク、ディジタ
ルオーディオディスクなどに見られるように、映像機
器、音響機器の中でも重要な地位を占めている。従来、
磁性体や半導体を素材とした磁気メモリや半導体メモリ
が主流であったが、レーザ技術の発展に伴い、有機色素
やフォトポリマーなどの有機薄膜を用いた光メモリが登
場してきている。光メモリは、安価で高記録密度の記録
媒体である。
【0003】現在、これらのメモリをさらに高密度で大
容量にするために、単位メモリビットの微細化に向けて
の技術開発が進められている。また、これら従来のメモ
リとは全く異なる原理に基づくメモリの提案もなされて
いる。例えば、個々の有機分子に論理素子やメモリ素子
としての機能を持たせた分子電子デバイスの概念もその
ひとつである。この分子電子デバイスは、単位メモリビ
ットの微細化を極限にまで押し進めたものであるが、こ
れまで、個々の分子(すなわち個々のメモリビット)に
どのようにアクセスするかが問題とされてきた。
【0004】一方、走査型トンネル顕微鏡(Scanning T
unneling Microscope、以下、 STMと略す。)が開発
され[G. ビニッヒ(G. Binnig)ら、Phys. Rev. Let
t.,49, 57(1982)]、単結晶あるいは非晶質などを問わ
ず、導体表面の実空間像を原子オーダーの高い分解能で
測定できるようなった。さらにSTMは、試料に対して
電流による損傷を与えることなく低電力で観測でき、大
気中でも動作するという利点も有し、広範囲な応用が期
待されている。
【0005】STMは、金属の探針(プローブ電極)と
試料である導体表面との間に電圧を印加して両者を1n
m程度の距離まで近付けると、両者間にトンネル電流が
流れることを利用している。この電流は両者の距離の変
化に対して、敏感(指数関数的に応答)である。また、
トンネル電流を一定に保つように両者間の距離を制御し
ながらプローブによって導体表面を走査することによ
り、距離制御のための信号から導体の表面形状を求める
ことができる。このとき、面内方向の分解能は、0.1
nmに達する。最近では、導体表面に吸着した希ガス原
子あるいは有機分子の原子像あるいは分子像観察すら可
能であることが報告されている。これらの結果は、ST
Mがプローブ先端の電子雲と試料表面の電子雲との相互
作用に関する情報を検出しているためであると解釈され
ている。
【0006】すなわち、STMを利用すれば個々の分子
にアクセスすることが可能となる。また、原子レベルで
の高密度記録が可能となる。STMの原理を用いた記録
再生方法の一例として、粒子線(電子線やイオン線)あ
るいは高エネルギー電磁波(X線など)、可視・紫外光
などエネルギー線を用いて適当な記録層の表面状態を変
化させて記録を行ない、STMによって記録された情報
の再生を行なう方法が提案されている。また、他の一例
として、電圧印加によって電気伝導度の異なる状態間を
遷移する材料を記録媒体として用い、STMによって記
録および再生を行なう方法が提案されている。後者の例
の記録媒体として、例えば、π電子共役系を豊富に含む
有機化合物やカルコゲン化合物が挙げられる(特開昭6
3−161552および特開昭63−161553号の
各公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】メモリにおいては、一
般に、記録および再生の速度が大きいことも重要であ
る。大容量メモリでは、高速記録、高速再生を達成でき
ることが望ましい。STMの原理を用いた記録装置ある
いは再生装置において高速の記録または再生を行なうに
は、記録媒体表面上でのSTM動作自体の速度を高める
必要がある。STM動作の速度を高めるためには、ST
M動作において一定値に保つように制御されるトンネル
電流の設定値を比較的大きな値とすることが有効であ
る。
【0008】ところが、電圧印加によって電気伝導度の
異なる状態へ遷移する材料からなる記録媒体を用いた場
合、STM動作を高速で行なうためにトンネル電流の設
定値を大きくすると、電気伝導度が小さい状態での媒体
表面とプローブとの間隔が極めて小さくなり、媒体表面
にわずかな起伏があったとしても、プローブ走査によっ
て媒体表面に損傷を与えるおそれが生じる。そこで、媒
体とプローブとの間に印加されるバイアス電圧を高く
し、トンネル電流値を高く保持したままプローブと媒体
表面との距離を大きくすることが考えられる。しかし、
バイアス電圧は、媒体の状態変化のしきい値によって制
限される。すなわち、バイアス電圧を高くしすぎると、
記録媒体の状態変化が起きて情報が破壊され、再生を行
なうことができなくなる。また、バイアス電圧が高くな
ると、電流の性質がトンネル電流から電界放射電流へと
移行する。電界放射電流の大きさは、プローブの表面状
態の影響を強く受けるため、プローブと媒体表面間の距
離の高速制御を行なうことが難しくなる。
【0009】プローブと記録媒体間に印加されるバイア
ス電圧が低い場合であっても、プローブと媒体間の距離
を比較的大きく保ったまま高いトンネル電流値を得るに
は、媒体表面を導体層で覆いこの導体層とプローブとの
間にバイアス電圧が印加して、流れるトンネル電流値に
より導体層表面とプローブとの距離の制御が行なわれる
ようにすることができる。しかし、この状態では記録媒
体の一部に状態遷移を起こさせたとしても、その状態変
化の有無を読み出すことが困難になるという問題点があ
る。
【0010】本発明の目的は、STMの原理を利用して
記録媒体に情報の記録を行なう、または記録媒体から情
報の再生を行なう記録再生装置において、媒体の損傷の
おそれなく高速での記録、または再生を安定して行なう
ことのできる記録再生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の記録再生装置
は、記録層を有する記録媒体とプローブとを対向させな
がら前記記録媒体に対し情報の記録および/または再生
を行なう記録再生装置において、前記記録層の表面に半
導体層が設けられた記録媒体を使用し、前記半導体層と
前記プローブとの間に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記半導体層と前記プローブとの間の電流を検出する電
流検出手段と、前記半導体層と前記電圧印加手段との間
を電気的に開放するためのスイッチ手段と、前記電流検
出手段で検出される電流値に応じ、前記半導体層と前記
プローブとの間隔を制御する制御手段とを有し、前記ス
イッチ手段を閉とした状態で前記電圧印加手段により電
圧を前記半導体層と前記プローブとの間に印加して前記
制御手段により前記間隔を制御する。
【0012】
【作用】本発明の記録再生装置では、記録層の上に半導
体層が設けられた記録媒体を使用し、さらに電圧印加手
段と半導体層とをスイッチ手段を介して接続しているの
で、スイッチ手段の開閉や電圧印加手段により半導体層
とプローブとの間に印加される電圧などを適宜制御する
ことにより、記録媒体とプローブとの間隔の制御、情報
の記録あるいは再生を以下に述べるように高速かつ安定
して行なえるようになる。
【0013】図1は、本発明にかかる記録再生装置の代
表的な構成例における要部の構成を示す図である。この
記録再生装置において、記録媒体12は、下地電極12
1に上に記録層122と半導体層13とがこの順に積層
された構成である。そして、半導体層13に対向するよ
うに、プローブ11が設けられている。プローブ11の
先端と半導体層13との間隔は、トンネル電流が流れる
程度のものとなっている。半導体層13とプローブ11
との間にバイアス電圧を印加するための電圧印加回路1
4が設けられ、この電圧印加回路14と半導体層13と
は、スイッチ16を介して接続されている。図1に示し
た例では、スイッチ16を閉じた状態で下地電極121
と半導体層13との間は短絡されているが、所望に応じ
て、下地電極121と半導体層13の間にも適当な大き
さの電圧が印加されるようにしてもよい。
【0014】まず、この記録再生装置におけるプローブ
11と記録媒体12との間隔の制御について説明する。
スイッチ16を閉じた状態で電圧印加回路14によりバ
イアス電圧を半導体層13とプローブ11との間に印加
し、このときのトンネル電流の値が一定となるように帰
還制御を行なうことにより、間隔を一定に保つことがで
きる。バイアス電圧値を適切な値とした場合には、半導
体層13とプローブ11との間隔が比較的大きい場合で
も、比較的大きなトンネル電流が流れるようになる。こ
の状態では、記録層122の状態によらず、半導体層1
3とプローブ11先端との間隔のみに応じてトンネル電
流が流れている。このようなバイアス電圧は、例えば、
プローブ11のフェルミ準位が半導体層13の伝導帯内
に位置するようなものである。したがって、このような
バイアス電圧を印加することによって、間隔を比較的大
きく保ったまま、間隔の制御を高速かつ安定して行なえ
る。また、記録媒体とプローブとが衝突するようなおそ
れもなくなる。
【0015】次に、記録媒体12に記録された情報の再
生について説明する。スイッチ16を閉じた状態で、電
圧印加回路14によって、プローブ11と半導体層13
との間にバイアス電圧を印加する。このバイアス電圧の
大きさは、間隔の制御を行なう場合と異なるものとす
る。具体的には、このバイアス電圧を印加することによ
り、プローブ11(を構成する材料)のフェルミ準位が
半導体層13(を構成する材料)の禁制帯(バンドギャ
ップ)内に位置するようなものとする。このようなバイ
アス電圧を設定することにより、プローブ11の先端の
電子雲と記録層122の電子雲との相互作用に起因する
トンネル電流が流れるようになる。このトンネル電流を
適当な電流検出手段によって検出することにより、記録
媒体12に記録された情報を再生することができる。こ
のとき、下地電極121と半導体層13の間にも適当な
電圧を印加し、記録層122にこの電圧が印加されてい
るようにしてもよい。
【0016】また、スイッチ16を開放した状態でも情
報の再生を行なうことができる。この場合には、下地電
極121を介して記録層122に電圧を印加し、プロー
ブ11のフェルミ準位が半導体層13の禁制帯内に位置
するような電圧分配がなされるようにすればよい。その
結果、プローブ11の先端の電子雲と記録層122の電
子雲とが相互作用するようになり、情報の再生を行なう
ことができるようになる。
【0017】次に、記録媒体12への情報の記録につい
て説明する。情報の記録を行なう場合には、スイッチ1
6を開放して半導体層13が電気的に浮遊状態(フロー
ト状態)となるようにする。そして、下地電極121を
介して記録層13に状態遷移のしきい値以上の電圧を印
加する。このとき、半導体層122は高い誘電率の誘電
体とみなすことができ、プローブ11と下地電極121
との間に印加された電圧は、半導体層13、記録層12
2、およびこれらの間の隙間に、これらの誘電率と電極
の配置とによって決まる静電容量に応じて分配される。
記録層122に実質的に印加される電圧が状態遷移のし
きい値を越えたとき、記録層122の状態が遷移し、記
録が行なわれる。この場合、半導体層13の実質的な誘
電率が高いほど半導体層13の両端の電圧が低くなり、
記録層122に効率よく電圧を印加できるようになる。
【0018】本発明のような記録再生装置では、ノイズ
などの影響を避けるため、記録媒体とプローブとの間隔
の制御のための制御系の遮断周波数は、比較的低い値と
される。そこで、トンネル電流の検出は、この遮断周波
数より高い周波数でのサンプリングによって行なうこと
ができる。さらに、本発明では、情報の再生のためと、
距離の制御のためとに、それぞれ異なる大きさのバイア
ス電圧をプローブと半導体層との間に印加している。そ
こで、前記遮断周波数よりも高い周波数であってこれら
2種類の電圧間を変化する振動電圧をプローブと半導体
層との間に印加するようにしてもよい。この場合、情報
の再生のための電流の検出は、上記振動電圧の所定の位
相点でサンプリングしながら行なわれる。
【0019】本発明において使用する記録媒体として
は、電流によって記録層での記録状態が検出されるもの
であれば、いかなる媒体であってもよい。一例として、
電圧印加によってその導電状態が変化し、かつ係る導電
状態が電圧を印加しない状態で保持される記録層を有す
るものが挙げられる。このような記録媒体の中で、特に
好適な媒体としては、特開昭63−161552号およ
び特開昭63−161553号公報に開示された、π電
子共役系を豊富に含む有機材料からなる記録層を有する
ものが挙げられる。さらに好ましくは、ラングミュア−
ブロジェット法(LB法)によって形成された前記有機
材料の単分子累積膜からなる記録層を有するものが挙げ
られる。
【0020】図2に示すように、基板40の上にこのよ
うな単分子累積膜43を2つの金属電極41,42で挟
持した構成のMIM(金属−絶縁体−金属)型構造素子
を形成すると、その電流電圧特性は、図3に示したもの
のようになる。図3に示したものでは、電圧上昇時と下
降時とで経路が異なっているが、この経路の相違はしき
い値以上の電圧を印加したことによる状態遷移によるも
のである(特開昭63−96956号公報参照)。しき
い値以上の電圧を印加しない限り、2つの状態間の遷移
は起こらず、これら2つの状態のそれぞれでの電流電圧
特性は図4に示したもののようになる。すなわち、2つ
の状態(ON状態すなわち高電導度状態とOFF状態す
なわち低電導度状態)は、しきい値を越える電圧印加で
相互に遷移し、かつ、それぞれの状態はしきい値電圧以
下で保持される。これらの特性は、単分子累積膜が0.
数nm〜数百nmの膜厚のときに発現しているが、後述
する実施例における記録媒体としては、特開昭63−1
61552号および特開昭63−161553号公報に
開示されたように、記録層の膜厚が0.数nm〜50n
mのものが好ましく、1nm〜20nmにものがさらに
好ましい。
【0021】半導体層としては、記録層上に形成可能で
あって、フェルミ準位付近に禁制帯を有するものであれ
ば、いかなるものでもよい。記録層が有機材料からなる
場合には、層間の整合性から半導体層も有機材料で構成
されることが好ましく、例えば、いわゆる導電性高分子
を用いることが好ましい。このような導電性高分子とし
ては、例えば、ポリ(p-フェニレン)、ポリ(チオフェン-
2,5-ジイル)、ポリ(ピリジン-2,5-ジイル)、ポリ(2,2'-
ビピリジン-5,5-ジイル)、ポリ(ピリジン-5,2-ジイル-
チオフェン-2,5-ジイル)、ポリアニリンなどが挙げられ
る。特に、ポリ(ピリジン-2,5-ジイル)、ポリ(2,2'-ビ
ピリジン-5,5-ジイル)、ポリ(ピリジン-5,2-ジイル-チ
オフェン-2,5-ジイル)、ポリアニリンは、溶媒に可溶で
あって、LB法による半導体層の作成が可能となる。
【0022】下地電極に使用される電極材料は、高い導
電性を有するものであればよく、例えば、Au,Pt,A
g,Pd,Al,In,Sn,Pb,Wなどの金属やこれらの
合金、さらにはグラファイトやシリサイド、またさらに
は、ITO(In23+SnO2)などの導電性酸化物を
はじめとして数多くの材料が挙げられる。このような材
料を用いた際の電極形成方法としては、従来から公知の
薄膜技術で十分である。なお、基板上に下地電極を直接
形成し、さらにこの下地電極上にLB法で記録層を設け
る場合には、記録層形成に際して下地電極表面に絶縁性
の酸化物が形成されないようにするため、下地電極の電
極材料として、例えば、貴金属、あるいはITOなどの
酸化物導電体を用いることが好ましい。
【0023】プローブに使用される材料は、導電性を有
していればどのようなものも使用することができるが、
記録、再生、消去の分解能を向上させるため、プローブ
の先端はできるだけ尖らせることが好ましい。例えば、
SiO2基板上にSiをフォーカスト・イオンビームで
打ち込み、このSi上に選択的にSiを結晶成長させて
先端の鋭利なピラミッド状の結晶を形成した後、Auを
蒸着して導電性処理を行なったものをプローブとして用
いることができる。しかしながら、プローブの形状、形
成方法、処理方法は何らこれに限定されるものではな
い。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0025】[第1の実施例]図5は、本発明の第1の
実施例の記録再生装置の構成を示すブロック図である。
この記録再生装置では、下地電極121の上に記録層1
22および半導体層13を順次積層した構成の記録媒体
12が設けられており、半導体層13に対向するように
して、先端の尖ったプローブ11が設けられている。プ
ローブ11の先端と半導体層12との間隔は、トンネル
電流がこの間隔を流れるように、ごく狭いものとなって
いる。プローブ11には、プローブ11の先端をx方向
およびy方向(半導体層13の面内方向)に微小量移動
させるためのxy方向微動装置と、プローブ11の先端
をz方向(半導体層13の表面に垂直な方向)に微小量
移動させるためのz方向微動装置27が取り付けられて
いる。これら各微動装置27,30は、公知の圧電アク
チュエータなどによって構成されている。
【0026】半導体層13および下地電極121に電圧
を印加するための電圧印加回路14が設けられており、
半導体層13と電圧印加回路14の間には、スイッチ1
6が設けられている。ここでは、スイッチ16が閉じて
いる場合には半導体層13と下地電極121とが同電位
になるように、スイッチ16と下地電極121とは電圧
印加回路14に対し共通接続されている。スイッチ16
としては、高速でスイッチングの行なえる半導体スイッ
チ素子を使用することができる。スイッチ16の開閉と
電圧印加回路14の動作は、マイクロコンピュータ32
によって制御されるようになっている。マイクロコンピ
ュータ32は、この記録再生装置全体の動作を制御する
ためのものであり、記録すべき情報が外部から情報入力
として入力する。
【0027】プローブ11と半導体層13との間を流れ
る電流を検出するための電流検出回路17が、プローブ
11に接続されている。電流検出回路17の出力は、2
個のサンプル/ホールド回路21,22にそれぞれ入力
する。これらサンプル/ホールド回路21,22のサン
プル/ホールド動作は、マイクロコンピュータ32から
の指令により、それぞれ異なるタイミングで行なわれる
ようになっている。一方のサンプル/ホールド回路21
の出力は、ローパスフィルタ23を介して、比較器(コ
ンパレータ)25に入力する。比較器25の出力は、ホ
ールド回路31を介してz方向駆動回路26に入力す
る。比較器25はローパスフィルタ23の出力と所定の
基準電圧とを比較するものであり、ホールド回路31は
マイクロコンピュータ32からの指示によって、情報の
記録時に比較器25の出力を保持(ホールド)するため
のものである。また、z方向駆動回路26はz方向微動
装置27を比較器25の出力に応じて駆動するためのも
のである。
【0028】他方のサンプル/ホールド回路22の出力
は、バンドパスフィルタ24に入力し、バンドパスフィ
ルタ24の出力は再生信号としてマイクロコンピュータ
32に入力する。さらに、プローブ11の先端のxy方
向の動きを制御するためのxy方向制御回路28が設け
られている。xy方向制御回路28は、マイクロコンピ
ュータ32からの信号に基づいて制御信号を生成するよ
うに構成されており、この制御信号はxy方向駆動装置
29に入力する。xy方向駆動装置29は、制御信号に
応じてxy方向微動装置30を駆動するためのものであ
る。
【0029】ここで、記録媒体12について説明する。
この記録媒体12は、記録用の電圧を印加することによ
り記録層122が電気伝導度の高い状態と低い状態との
間を遷移するものであり、電圧印加を中止しても遷移し
たのちの状態を保持するものである。本実施例では、以
下に示すような手順で記録媒体12を作成した。
【0030】光学研磨されたガラス基板を使用し、この
ガラス基板を洗浄したのち、下引き層としてCrを真空
蒸着法によって厚さ5nm堆積し、さらに真空蒸着法に
よってAuを厚さ40nm堆積して下地電極121を形
成した。
【0031】次に、ポリイミド単分子累積膜をこの下地
電極121上に形成した。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】 上記の式(1)で示すポリアミック酸(分子量約20万)
をN,N-ジメチルアセトアミド溶媒に溶解させた後(単
量体換算濃度1×10-3mol/l)、別途調製した
N,N-ジメチルヘキサデシルアミンのN,N-ジメチルア
セトアミド溶媒による濃度1×10-3mol/lの溶液
とを1:2(容量比)に混合して、式(2)に示すポリア
ミック酸ヘキサデシルアミン塩溶液を調製した。この溶
液を温度20℃の純水からなる水相上に展開して溶媒を
除去し、単分子膜を形成した。そののち、単分子膜の表
面圧を一定に保ちながら、下地電極121までが形成さ
れた前記基板を水面を横切る方向に速度5mm/分で静
かに浸漬したのち、速度5mm/分で静かに引き上げて
2層のY型単分子累積膜を形成した。この操作を6回繰
り返すことにより、12層の単分子層からなる単分子累
積層とした。次に、この基板を300℃で10分間熱処
理し、ポリアミック酸ヘキサデシルアミン塩をイミド化
し((3)式)、ポリイミド単分子累積膜として、記録層
122を形成した。
【0034】
【化3】 次に、記録層122の上に、半導体層13として、式
(4)に示すポリアニリン単分子累積膜を形成した。
【0035】
【化4】 すなわち、式(4)に示すポリアニリンをN-メチルピロリ
ドン溶媒に溶解させたのち(単量体換算濃度1×10-3
mol/l)、別途調製したベヘン酸のN-メチルピロ
リドン溶媒による濃度1×10-3mol/lと1:1
(容量比)で混合して展開溶液を調製した。この溶液を
温度20℃の純水からなる水相上に展開して溶媒を除去
し、単分子膜を形成した。そののち、単分子膜の表面圧
を30mN/mにまで高め、表面圧を一定に保ちなが
ら、記録層122までが形成された前記基板を水面を横
切る方向に速度5mm/分で静かに浸漬したのち、速度
5mm/分で静かに引き上げて2層のY型単分子累積膜
を形成した。この操作を3回繰り返すことにより、6層
の単分子層からなる単分子累積層とした。そして、この
基板に対して真空中で80℃、10分間の熱処理を行な
い、ベヘン酸を除去した。そののち、この基板を塩化水
素ガス中に10分間曝し、さらに大気中で80℃、10
分間の熱処理を行なった。これらの操作により、塩素が
ポリアニリン単分子累積膜中にドープされ、この累積膜
が導電性を有するようになる。
【0036】次に、プローブ11の製造手順について説
明する。まず、SiO2基板上にSiをフォーカスト・
イオンビームで打ち込み、このSi上に選択的にSiを
結晶成長させて先端の鋭利なピラミッド状の結晶を形成
した。その後、Auを蒸着して導電性処理を行ない、プ
ローブ11として完成させた。
【0037】次に、この記録再生装置の動作について説
明する。
【0038】まず、プローブ11の先端と半導体層13
との間隔の制御について説明する。後述するように、こ
の装置では、スイッチ16が開放されたり、間隔の制御
用以外の電圧が半導体層13に印加されたりするが、一
方のサンプル/ホールド回路21でサンプリングが行な
われるのは、スイッチ16が閉じ、かつ間隔の制御用の
電圧が半導体層13に印加されたときとする。このサン
プリングは、ローパスフィルタ23の遮断周波数よりも
十分高い周波数で繰り返される。一方のサンプル/ホー
ルド回路21の出力は、ローパスフィルタ23で処理さ
れてして雑音成分を除去され、比較器25において基準
値と比較される。この基準値は、プローブ11と半導体
層13の間隔の基準となる所定のトンネル電流値(例え
ば10nA)を表わすものである。比較器25の出力で
ある差信号を補償するようにすなわちトンネル電流値が
一定になるように、z方向駆動回路26はz方向微動装
置27を駆動する。これよって、プローブ11の先端と
半導体層13との距離が帰還制御され、この距離が一定
に保たれる。ここでホールド回路31が挿入されている
のは、後述するように記録時において間隔の制御用のバ
イアス電圧とは大きく異なる電圧が長時間(ローパスフ
ィルタ23の遮断周波数に比べ無視できない時間)にわ
たって印加されるので、この影響が間隔の制御系に及ば
ないようにするためである。
【0039】次に記録、再生、消去の具体的な方法につ
いて述ベる。
【0040】電圧印加回路14により、プローブ11に
対し−1.0Vになるように半導体層13にバイアス電
圧を印加し、プローブ11の先端と半導体層13とを接
近させ、両者間を流れるトンネル電流が一定値10nA
を保持するように制御した。この状態でプローブ11を
図6(b)に示したx方向制御信号にしたがって半導体層
13表面上でx方向に移動させながら、図6(a)に示し
たデータ列の記録を以下に述ベる方法で行なった。ここ
では記録位置1〜6は、記録媒体12においてx方向に
連続して配置されたメモリビットであるとする。また、
2値データのち"1"を書き込むことを記録とし、"0"を
書き込むことを消去とする。記録媒体12は、初期状態
で、記録位置1〜6が"0"になっているものとする。な
お、データ"1"は、記録層122の高電導度状態に対応
し、"0"は低電導度状態に対応するものとする。また、
スイッチ16は、その駆動信号が"開"のとき、開放され
るのものとする。
【0041】データが書き込まれない位置(記録位置
1,3,6)に対応する位置では、電圧印加回路14は一
定電圧を出力し、スイッチ16は閉じられており(図6
(e))、半導体層13にはバイアス電圧が印加されてい
る(図6(f))。したがって、半導体層13と下地電極
121は同電位であり、記録層122には電圧が印加さ
れていない。また同時に、一方のサンブル/ホールド回
路21を上記帰還制御の遮断周波数より十分高い周波数
のタイミングで駆動し(図6(d))、電流検出回路17
の出力をサンブリングして帰還制御を行なっている。こ
れにより、記録位置1,3,6では、記録媒体12の状態
変化は起こらない。
【0042】データを書き込むべき位置(記録位置2,
4,5)では、その位置にプローブ11を移動しトンネ
ル電流を一定に制御した後、図6(c)に示した駆動信号
に従ってホールド回路31を駆動し、比較器25の出力
をホールドする。これにより、プローブ11のz方向の
位置がホールドされる。これとともに、一方のサンプル
/ホールド回路21によるトンネル電流のサンブリング
を中止し(図6(d))、電圧印加回路14の出力を0V
に戻し(図6(g))、スイッチ16を開いて(図6
(e))、半導体層13をフロート状態にする。その直
後、電圧印加回路14により図6(g)に示すようなパル
ス電圧を発生し、このパルス電圧を下地電極121とプ
ローブ11の間に印加する。このとき、半導体層13は
誘電体として作用するので、記録層122にこのパルス
電圧に対応した電圧が印加される。その結果、記録層1
22の状態遷移(高電導度状態への遷移)が起こり、情
報の記録が行なわれる。この記録の際に印加するパルス
電圧の波形の詳細を図7に示す。そののち、再びスイッ
チ16を閉じ(図6(e))、電圧印加回路14によって
記録を行なわない記録位置での前記一定電圧を半導体層
13に印加し(図6(g))、一方のサンプル/ホールド
回路21でのサンプリングを開始し(図6(d))、ホー
ルド回路31のホールド状態を解除する(図6(c))。
これにより、プローブ11と半導体層13との間隔の帰
還制御が再開する。以上のような手順で記録を行なっ
た。前記パルス電圧を印加した記録位置(記録位置2,
4,5)での記録層122の状態が高電導度の状態に遷
移したことは、以下に述べる再生手順によって確認され
た。
【0043】次に、再生手順について説明する。プロー
ブ11の先端と半導体層13表面との間隔を接近させ、
両者間を流れるトンネル電流を一定に保持するようにz
方向微動装置27を帰還制御する。スイッチ16を閉じ
たままの状態として、電圧印加回路14から、図8(a)
に示すような振動電圧(−1.0Vと−0.1Vとの間を
正弦関数状に振動する電圧)を半導体層13に印加し、
半導体層13をプローブ11に対してこの振動電圧によ
りバイアスする。各サンプル/ホールド回路21,22
へのタイミング信号は、この振動電圧に同期している。
すなわち、一方のサンプル/ホールド回路21でのサン
プリングは、図8(b)に示されるように、上記振動電圧
の山の部分(振動電圧が−1.0Vとなるタイミング)
で行なわれ、他方のサンプル/ホールド回路22でのサ
ンプリングは、図8(c)に示されるように上記振動電圧
の谷の部分(振動電圧が−0.1Vとなるタイミング)
で行なわれる。ここで−1.0Vは間隔の制御のための
電圧であり、−0.1Vは情報の再生用すなわちプロー
ブ11のフェルミ準位を半導体層13の禁制帯内に位置
させるための電圧である。
【0044】これにより、一方のサンプル/ホールド回
路21による電流検出回路17の出力のサンプリングに
基づいて、上記手順による帰還制御が行なわれる。ま
た、一方および他方のサンプル/ホールド回路21,2
2のサンプリングが交互に行なわれ、かつサンプリング
間隔が十分に小さいから、他方のサンプル/ホールド回
路22でのサンプリングが行なわれるとき、プローブ1
1の先端と半導体層13の間隔は常に一定である。この
ため、他方のサンプル/ホールド回路22の出力は、記
録層122の状態を反映したものとなる。すなわち、高
電導度に遷移した位置では−0.1Vのバイアス点での
電流値が低電導度の位置に比べ増大する。このサンプル
/ホールド回路22の出力をバンドパスフィルタ24に
入力して所定の周波数成分のみを抽出することにより、
前記電流値の増大分が検出されて記録データの再生が行
なわれる。再生されたデータを2値化して再生データ列
とする。この再生データ列は、再生信号としてマイクロ
コンピュータ32に入力する。
【0045】ここで、前述の記録を行なった記録位置1
〜6から情報の再生を順次行ない、かつ記録位置4に対
して消去を行なった場合の動作について、図9を用いて
説明する。
【0046】図9(a)に示したx方向制御信号によっ
て、記録位置1から記録位置6に向かって、プローブ1
1の先端の位置を一定の速度で移動させた。このとき
(後述する消去動作を行なうときを除く)、スイッチ1
6は閉じた状態にあり(図9(c))、ホールド回路31
はホールド状態にはない(図9(b))。電圧印加回路1
4は、プローブ11の移動に伴って、図9(d)に示すよ
うな振動電圧を生成し、この振動電圧は半導体層12に
印加された。また、図8で説明したのと同様に、各サン
プル/ホールド回路21,22にタイミング信号が加え
られた(図9(e),(f))。その結果、上述の場合と同様
に、プローブ11の先端と半導体層12との間隔が帰還
制御によって一定に保たれた。そして図9(h)に示され
るような再生データ列が得られ、上記の記録が完全に行
なわれたことが確かめられた。
【0047】次に、再生を行ないながら任意のデータを
消去することについて説明する。ここでは、上記の再生
過程において記録位置4のデータを消去した場合につい
て取り上げる。
【0048】前述した再生手順にしたがって再生を行な
い、x方向制御信号(図9(a))によってプローブ11
を記録位置4に位置付けた。そして図9の範囲Aの期間
において、記録位置4が高電導度の状態(データ"1"が
記録されている)にあることを確認した(図9(h))。
【0049】その後、図9の範囲Bの期間において、記
録時の手順にしたがい、ホールド回路31をホールド状
態にし(図9(b))、プローブ11の位置をホールドし
た。また、各サンプル/ホールド回路21,22へのタ
イミング信号の供給を停止し、トンネル電流値のサンプ
リングを中止する(図9(e),(f))。その後電圧印加回
路14の出力を0Vに戻し(図9(g))、スイッチ16
を開いて(図9(c))、半導体層13を電気的にフロー
トした(図9(d))。続いて、電圧印加回路14により
図9(g)に示したバルス電圧を下地電極121とプロー
ブ11の間に印加した。この下向き三角形状のパルス電
圧は、情報の消去すなわち記録層122を高電導度状態
から低電導度状態に遷移させるためのものである。この
消去の際に印加するパルス電圧の波形の詳細が、図10
に示されている。次に、電圧印加回路14の出力を再生
時の電圧波形に戻し(図9(g))、スイッチ16を閉じ
て(図9(c))、半導体層13をプローブ11に対して
バイアスする(図9(d))。そして、各サンプル/ホー
ルド回路21,22へのタイミング信号の供給を開始し
て電流のサンプリングを再開し(図9(e),(f))、ホー
ルド回路31のホールド状態を解除する(図9(b))。
以上の手順にしたがい記録位置4の消去を行なった。
【0050】この直後、図9の範囲Cの期間において、
上記再生手順にしたがい記録位置4からの情報の再生を
行なった。その結果、図9(h)の再生データ列から、こ
の記録位置4のデータが消去されたことを確認した。
【0051】ここでは再生を行ないながら情報の消去を
行なったが、同様の手順により再生を行ないながらデー
タ"1"の書き込みすなわち記録を行なうことができる。
【0052】[第2の実施例]次に、本発明の第2の実
施例について説明する。図11は、この第2の実施例の
記録再生装置の構成を示すブロック図である。この記録
再生装置が図5に示した第1の実施例の装置と異なると
ころは、半導体層13にバイアス電圧を印加するための
バイアス電圧印加回路14aと下地電極121の電圧を
印加するための電圧印加回路15が別々に設けられ、半
導体層13の電位と下地電極121の電位とを独立に制
御できるようにされていることである。したがって、下
地電極121には電圧印加回路15が接続され、半導体
層13にはスイッチ16を介してバイアス電圧印加回路
14aが接続されている。これらバイアス電圧印加回路
14a、電圧印加回路15、スイッチ16は、いずれも
マイクロコンピュータ32によって動作が制御される。
また、スイッチ16と下地電極121とは、接続されて
いない。
【0053】次に、この実施例の記録再生装置の動作を
説明する。ここでは、第1の実施例と同様に、記録層1
22を高電導度状態に遷移させることを記録、低電導度
状態に遷移させることを消去とする。また、プローブ1
1の先端と半導体層13との間隔の制御は、第1の実施
例の場合と同様に、一方のサンプル/ホールド回路21
でサンプリングされたトンネル電流値による帰還制御に
よって行なわれる。
【0054】まず、スイッチ16を閉じた状態で、バイ
アス電圧印加回路14aの出力を0Vとし、電圧印加手
段15によって図10に示す電圧パルスを下地電極12
1に印加した。これにより、記録層121全体に上記電
圧パルスが印加されることとなって、記録層121全体
が低電導度状態(データ"0")となって、初期化(全体
を消去すること)が行なわれたことになる。
【0055】まず、この記録媒体12に記録を行なう場
合について説明する。
【0056】バイアス電圧印加回路14aにより、プロ
ーブ11に対し−1.0Vになるように半導体層13に
バイアス電圧を印加し、両者を接近させ、両者間を流れ
るトンネル電流が一定値10nAを維持するように制御
した。この状態でプローブ11を図12(b)に示したx
方向制御信号にしたがって半導体層13表面上でx方向
に移動させながら図12(a)に示したデータ列の記録を
以下に述ベる方法で行なった。
【0057】データが書き込まれない位置(記録位置
1,3,6)では、バイアス電圧印加回路14aは一定電
圧を出力し、スイッチ16は閉じられており(図12
(e))、半導体層13はバイアスされている(図12
(f))。このとき、電圧印加回路15はバイアス電圧印
加回路14aの出力に等しい電圧を出力し(図12
(g))、記録層122に電圧が印加されないようにして
いる。同時に一方のサンブル/ホールド回路21を帰還
制御の遮断周波数すなわちローパスフィルタ23の遮断
周波数より十分高い周波数のタイミングで駆動し(図1
2(d))、上述した帰還制御を行なっている。
【0058】データを書き込むべき位置(記録位置2,
4,5)では、その位置にプローブ11を移動しトンネ
ル電流が一定になるように制御した後、図12(c)に示
した駆動信号にしたがいホールド回路31をホールド状
態とし、プローブ11のz方向の位置をホールドする。
その後、トンネル電流のサンプリングを中止し(図12
(d))、スイッチ16を開いて(図12(e))、半導体層
13をフロートと状態とする。同時に電圧印加回路15
の出力を0Vにして、記録層122に電圧が印加されな
いようにする(図12(g))。さらにこれに続けて電圧
印加回路15により図12(g)に示すようにパルス電圧
を下地電極121に印加する。このときは、スイッチ1
6が開放されていることにより半導体層13は誘電体層
として働くので、プローブ11の先端位置に対応する部
分の記録層122のみに上記のパルス電圧が印加される
ことになる。記録の際に印加するパルス電圧の波形の詳
細は、図7に示した通りものである。そののち、再び電
圧印加回路15によって、記録を行なわない記録位置で
の前記一定電圧を下地電極121に印加し(図12
(g))、スイッチ16を閉じ(図12(e))、一方のサン
プル/ホールド回路21でのサンプリングを開始し(図
12(d))、ホールド回路31のホールド状態を解除す
る(図12(c))。これにより、プローブ11と半導体
層13との間隔の帰還制御が再開する。以上のような手
順で記録を行なった。前記パルス電圧を印加した位置
(記録位置2,4,5)での記録層122の状態が高電導
度の状態に遷移したことを以下の再生手順で確認した。
【0059】プローブ11の先端と半導体層13表面と
の間隔を接近させ、両者間を流れるトンネル電流を一定
に維持するようにz方向微動装置27を帰還制御する。
この際、スイッチ16は閉じたままとし(図13
(b))、バイアス電圧印加回路14aから振動電圧を出
力し半導体層13をプローブ11に対してバイアスする
(図13(d))。さらに電圧印加回路15によって、バ
イアス電圧印加回路14aから出力される振動電圧と同
じ振動電圧を同相で下地基板121に印加し(図13
(g))、記録層122には常に電圧が印加されないよう
にする。この振動電圧は、上述の第1の実施例で図8を
用いて説明したものと同様とする。そして、各サンプル
/ホールド回路21,22にタイミング信号を供給した
(図13(e),(f))。帰還制御のためのトンネル電流検
出は、一方のサンプル/ホールド回路21による図8
(b)に示すタイミング(−1.0Vのバイアス点)でのサ
ンブリングにより行ない、再生信号の検出は、他方のサ
ンブル/ホールド回路22による図8(c)示すタイミン
グ(−0.1Vのバイアス点)でのサンプリングによっ
て行なった。これによって、プローブ11の先端と半導
体層13との間隔は、バイアス電圧−1.0Vでトンネ
ル電流を一定に保つという条件で制御され、同時に、こ
の制御された間隔のまま−0.1Vのバイアス点で記録
層122の状態が検出される。高電導度に遷移した位置
では、−0.1Vのバイアス点での電流値が低電導度の
位置に比ベ増大するので、この増大分を検出することに
より記録データが再生される。プローブ11をx軸方向
に移動させながら記録位置1〜6で上記の手順を適用し
たところ、図13(h)に示した再生データ列が得られ、
図12(a)に示したデータ列が再生された。
【0060】次に、再生を行ないながら任意のデータを
消去することについて説明する。上述の再生過程におい
て、記録位置4については、再生を行なうとともに記録
の消去を行なった。
【0061】まず、図13の範囲Aの期間において、上
記の再生手順にしたがって記録位置4からの再生を行な
い、この記録位置にデータ"1"が書き込まれているこ
と、すなわち高電導度状態となっていることを確かめ
た。
【0062】続いて、図13の範囲Bの期間において、
記録時の手順にしたがい、ホールド回路31をホールド
状態としてプローブ11のz方向の位置をホールドし
(図13(b))、電流のサンプリングを中止する(図1
3(e),(f))。さらにスイッチ16を開いて(図13
(c))、半導体層13を電気的にフロート状態した(図
13(d))。同時に電圧印加回路15の出力を0Vにし
た(図13(g))。続いて、電圧印加回路15により、
図13(g)に示したパルス電圧を下地電極121に印加
する。この消去の際に印加するパルス電圧の波形の詳細
は、図10に示した通りのものである。そして、電圧印
加回路15の出力を再生時の電圧波形に戻し(図13
(g))、スイッチ16を閉じて(図13(c))半導体層1
3をプローブ11に対してバイアスし(図13(d))、
電流のサンプリングを再開し(図13(e),(f))、ホー
ルド回路31のホールド状態を解除する(図13
(b))。以上の手順にしたがい、記録位置4の消去すな
わち高電導度状態から低電導度状態への遷移を行なっ
た。
【0063】この直後の再生信号から、記録位置4のデ
ータが消去されたことを確認した(図13の範囲Cの期
間)。このように、記録層122の高電導度状態を検出
することによって再生を行なうことができ、同時に任意
のデータの消去を行なえることが確認出来た。
【0064】さらにまた、バイアス電圧印加回路14a
の出力を0Vとし、図10に示したバルス電圧を電圧印
加回路15により下地電極121と半導体層13との間
に印加することにより、記録層122全体を低電導度の
状態に遷移させ、すべてのデータの消去を行なうことが
できた。
【0065】[第3の実施例]次に、本発明の第3の実
施例について説明する。この第3の実施例は、上記の第
2の実施例において記録層の高電導度/低電導度状態と
記録/再生との関係を逆転させたものである。すなわち
第2の実施例では、記録層122を高電導度状態に遷移
させることが記録、低電導度状態に遷移させることが消
去であったが、この第3の実施例では、記録層122を
高電導度状態から低電導度状態に遷移させることが記録
(データ"1")であり、低電導度状態から高電導度状態
に遷移させることが消去(データ"0")である。したが
って、初期状態では、記録層122の全体が高電導度状
態となっている。この記録媒体12の初期化は、スイッ
チ16を閉じた状態でバイアス電圧印加回路14aの出
力を0Vとし、電圧印加回路15によって図7に示した
ようなパルス電圧を下地電極121に印加することによ
って行なわれる。
【0066】記録を行なう場合のタイミングチャートが
図14に示されている。この実施例の場合、第2の実施
例での記録を比べ、記録を行なうタイミングで電圧印加
回路15によって下地電極121に印加されるパルス電
圧の波形が異なっており、図10に示されたようなパル
ス電圧が印加されている。すなわち、高電導度状態から
低電導度状態に遷移させるためのパルスが記録データ列
に応じて印加されている。
【0067】再生を行ない、さらに再生を行ないつつ消
去を行なう場合のタイミングチャートが図15に示され
ている。再生の手順は、第2の実施例の場合とほぼ同様
であるが、記録層122の高電導度状態(トンネル電流
が相対的に大きい状態)を検出して再生信号を"0"と
し、低電導度状態(トンネル電流が相対的に小さい状
態)を検出して再生信号を"1"とする点で相違する。ま
た、消去を行なうタイミングで電圧印加回路15から下
地電極122に加えられるパルス電圧は、図7に示すも
の、すなわち低電導度状態から高電導度状態に遷移させ
るためのパルスである。
【0068】さらにその後、バイアス電圧印加回路14
aの出力を0Vとし、図7に示したパルス電圧を電圧印
加回路15により下地電極121と半導体層13との間
に印加することにより、記録されたすべてのデータの消
去を行なうことができた。
【0069】以上説明した実施例では、記録層および半
導体層の形成にLB法を用いているが、本発明はこれに
限られるものではない。極めて薄くかつ均一な膜を成膜
できる方法であれば、記録層あるいは半導体層の形成に
使用することができる。このような方法としては、例え
ば、分子線エピタキシ(MBE)法やCVD法などの真
空成膜法が挙げられる。また、記録層として使用可能な
材料も、上述したポリイミド系有機材料の他、π電子共
役系を含む他の材料が適用可能であり、さらに、電圧印
加によって導電状態が変化する材料であれば、例えばカ
ルコゲン化合物などの無機材料も適用可能である。半導
体層としも、上記の塩素をドープされたポリアニリン単
分子累積膜のほか、他の導電性高分子や有機半導体、有
機導電体、さらには無機半導体なども使用可能である。
【0070】なお本発明は、記録媒体の基板材料やその
形状、その表面形状について、なんら限定するものでは
ない。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、記録層の
上に半導体層が設けられた記録媒体を使用し、さらに電
圧印加手段と半導体層とをスイッチ手段を介して接続す
ることにより、スイッチ手段の開閉や電圧印加手段によ
り半導体層とプローブとの間に印加される電圧などを適
宜制御することによって、記録媒体とプローブとの間隔
の制御、情報の記録あるいは再生を高速かつ安定して行
なえるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録再生装置の代表的な構成例におけ
る要部の構成を示す図である。
【図2】記録層の動作原理を説明するためのMIM型構
造素子の構成を示す斜視図である。
【図3】図2の構造素子の電流電圧特性を示すグラフで
ある。
【図4】図2の素子で得られるメモリ効果を説明するた
めの電流電圧特性図である。
【図5】本発明の第1の実施例の記録再生装置の構成を
示すブロック図である。
【図6】図5の記録再生装置の記録時におけるタイミン
グチャートである。
【図7】記録層を高電導度の状態に遷移させるパルス電
圧波形を示す図である。
【図8】図5の記録再生装置の再生時におけるバイアス
波形および電流検出のタイミングを示す波形図である。
【図9】図5の記録再生装置の再生時および消去時にお
けるタイミングチャートである。
【図10】記録層を低電導度の状態に遷移させるパルス
電圧波形を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例の記録再生装置の構成
を示すブロック図である。
【図12】第2の実施例の記録再生装置の記録時におけ
るタイミングチャートである。
【図13】第2の実施例の記録再生装置の再生時および
消去時におけるタイミングチャートである。
【図14】第3の実施例の記録時におけるタイミングチ
ャートである。
【図15】第3の実施例の再生時および消去時における
タイミングチャートである。
【符号の説明】
11 プローブ 12 記録媒体 13 半導体層 14,15 電圧印加回路 14a バイアス電圧印加回路 16 スイッチ 17 電流検出回路 21,22 サンプル/ホールド回路 23 ローパスフィルタ 24 バンドパスフィルタ 25 比較器 26 z方向駆動回路 27 z方向微動装置 28 xy方向制御回路 29 xy方向駆動回路 30 xy方向微動装置 31 ホールド回路 32 マイクロコンピュータ 40 基板 41,42 金属電極 43 単分子累積膜 121 下地電極 122 記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 亨治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録層を有する記録媒体とプローブとを
    対向させながら前記記録媒体に対し情報の記録および/
    または再生を行なう記録再生装置において、 前記記録層の表面に半導体層が設けられた記録媒体を使
    用し、 前記半導体層と前記プローブとの間に電圧を印加する電
    圧印加手段と、 前記半導体層と前記プローブとの間の電流を検出する電
    流検出手段と、 前記半導体層と前記電圧印加手段との間を電気的に開放
    するためのスイッチ手段と、 前記電流検出手段で検出される電流値に応じ、前記半導
    体層と前記プローブとの間隔を制御する制御手段とを有
    し、 前記スイッチ手段を閉とした状態で前記電圧印加手段に
    より電圧を前記半導体層と前記プローブとの間に印加し
    て前記制御手段により前記間隔を制御することを特徴と
    する記録再生装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧印加手段は前記半導体層に電圧
    を印加するものであるとともに少なくとも情報の記録時
    には前記記録層に対して電圧を印加するものであり、前
    記記録媒体に対して情報の記録を行なうときには前記ス
    イッチ手段を開として前記半導体層を電気的に浮遊させ
    る請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記電流検出手段で検出される電流値に
    応じて情報の再生が行なわれる請求項1または2に記載
    の記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体層と前記プローブとの間の電
    流がトンネル電流である請求項1ないし3いずれか1項
    に記載の記録再生装置。
  5. 【請求項5】 前記記録層と前記半導体層との間に電圧
    を印加する手段を具備する請求項1に記載の記録再生装
    置。
  6. 【請求項6】 前記電流検出手段が、前記制御手段の遮
    断周波数より高い周波数で前記半導体層と前記プローブ
    間の電流のサンプリングを行なうものである請求項1に
    記載の再生装置。
  7. 【請求項7】 前記電圧印加手段は前記制御手段の遮断
    周波数より高い周波数の振動電圧を前記半導体層と前記
    プローブとの間に印加するものであり、前記電流検出手
    段は前記振動電圧の所定の位相点で電流のサンプリング
    を行なうものである請求項6に記載の再生装置。
  8. 【請求項8】 情報の記録が電圧を印加したことによる
    前記記録媒体の電気特性の変化によって行なわれる請求
    項2に記載の記録再生装置。
  9. 【請求項9】 前記電流検出手段で検出される電流値か
    ら前記記録媒体の電気特性を検出して情報の再生を行な
    う請求項3に記載の再生装置。
  10. 【請求項10】 情報の再生のために前記半導体層と前
    記プローブとの間に印加される電圧が前記半導体層と前
    記プローブ層との間隔を制御するために印加される電圧
    と異なり、前記情報の再生と前記間隔の制御とが実質的
    に交互に行なわれる請求項3に記載の記録再生装置。
  11. 【請求項11】 情報の再生のために前記半導体層と前
    記プローブとの間に印加される電圧が、前記プローブを
    構成する材料のフェルミ準位を前記半導体層を構成する
    材料の禁制帯内に位置させるものである請求項10に記
    載の再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100438832B1 (ko) * 2001-11-23 2004-07-05 삼성전자주식회사 반도체 탐침을 이용한 정보 저장 장치
KR100648041B1 (ko) * 2005-07-14 2006-11-23 전자부품연구원 주사 탐침 현미경을 이용한 정보저장장치

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