JPH06247176A - 差動制限トルク制御装置 - Google Patents

差動制限トルク制御装置

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Publication number
JPH06247176A
JPH06247176A JP3333993A JP3333993A JPH06247176A JP H06247176 A JPH06247176 A JP H06247176A JP 3333993 A JP3333993 A JP 3333993A JP 3333993 A JP3333993 A JP 3333993A JP H06247176 A JPH06247176 A JP H06247176A
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JP
Japan
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differential limiting
abs
limiting torque
control
output
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JP3333993A
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English (en)
Inventor
Koichi Shimizu
弘一 清水
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ABS作動情報に基づいて左右駆動輪間に付
与する差動制限トルクを電子制御する差動制限トルク制
御装置において、サイドブレーキ操作を行なわないでの
ABS作動時の制御干渉防止と、サイドブレーキを引い
てのスピンターン時のコーナ出口加速性確保との両立を
図ること。 【構成】 ABS作動指令信号の出力時で、且つ、サイ
ドブレーキ操作があった時には、ABS作動指令信号の
出力にかかわらず差動制限トルクを弱めるABS連携制
御を実行せず、ABS作動時よりも大きい差動制限トル
ク制御を行なうスピンターン対応差動制限制御手段hを
設けた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ABS作動情報に基づ
いて左右駆動輪間に付与する差動制限トルクを電子制御
する差動制限トルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ABS作動情報に基づいて左右駆
動輪間に付与する差動制限トルクを電子制御する差動制
限トルク制御装置としては、例えば、特開昭62−11
0530号公報に記載のものが知られている。
【0003】上記従来出典には、差動制限トルク制御装
置とアンチスキッドブレーキ制御システムとが共に搭載
された車両において、差動制限トルク制御とアンチスキ
ッドブレーキ制御が同時に行なわれる時は、制御干渉に
よりアンチスキッドブレーキ制御性能が低下し、車両挙
動を不安定にするのを防止する目的で、差動制限トルク
を解除する制御技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の差動制限トルク制御装置にあっては、アンチスキッ
ドブレーキ制御の作動時には常にABS連携制御として
差動制限トルクを解除する制御が行なわれるため、サイ
ドブレーキを引いて後輪を一瞬ロックさせてのスピンタ
ーンを行なった後、アクセルを踏み込んでもABS連携
制御により差動制限トルクが解除されたままとなること
で、コーナ出口からの加速性に劣ってしまうという問題
があった。
【0005】つまり、スピンターンをする場合、サイド
ブレーキを引き、後輪を一瞬ロックさせると、後輪ロッ
クの検出に基づいてアンチスキッドブレーキ制御システ
ムからABS作動指令信号が出力され、このABS作動
指令信号を入力した差動制限トルク制御装置側ではAB
S連携制御を開始し、ABS作動指令信号の出力停止に
よりABS連携制御を終了する。
【0006】一方、アンチスキッドブレーキ制御システ
ムからのABS作動指令信号は、ABSモータの駆動中
はABS:ONとし、ABSモータが非駆動となってA
BS:OFFとするシステムである。これに対し、実際
の車輪ロックが解消していてもブレーキアクチュエータ
のリザーバータンクに溜っている油をマスタシリンダ側
に戻すため、しばらくの間、ABSモータを回し続け
る。このため、車輪ロックが解消しても1sec 〜2sec
の間は、差動制限トルクを解除するABS連携制御が続
けられることになる。
【0007】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、ABS作動情報に基づいて左右駆動輪間
に付与する差動制限トルクを電子制御する差動制限トル
ク制御装置において、サイドブレーキ操作を行なわない
でのABS作動時の制御干渉防止と、サイドブレーキを
引いてのスピンターン時のコーナ出口加速性確保との両
立を図ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の差動制限トルク制御装置では、ABS作動指令
信号の出力時で、且つ、サイドブレーキ操作があった時
には、ABS作動指令信号の出力にかかわらず差動制限
トルクを弱めるABS連携制御を実行せず、ABS作動
時よりも大きい差動制限トルク制御を行なう手段とし
た。
【0009】すなわち、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、駆動輪である左右後輪間に設けられ、外部からの
制御指令に応じた差動制限トルクを付与する差動制限ト
ルク付与手段aと、システム作動時にABS作動指令信
号を出力するアンチスキッドブレーキ制御システムb
と、サイドブレーキ操作を検出するサイドブレーキ操作
検出手段cと、ABS作動指令信号が出力されているか
どうかを判断するABS作動指令時判断手段eと、サイ
ドブレーキ操作検出信号によりサイドブレーキの操作時
かどうかを判断するサイドブレーキ操作時判断手段f
と、ABS作動指令信号の出力時で、且つ、サイドブレ
ーキ非操作時には、ゼロもしくは低い差動制限トルクを
得る制御指令を前記差動制限トルク付与手段aに出力す
るABS連携差動制限制御手段gと、ABS作動指令信
号の出力時で、且つ、サイドブレーキ操作があった時に
は、ABS作動指令信号の出力にかかわらず前記ABS
連携制御を実行せず、前記ABS連携差動制限制御手段
gから出力される値よりも大きい差動制限トルクを得る
制御指令を前記差動制限トルク付与手段aに出力するス
ピンターン対応差動制限制御手段hとを備えている。
【0010】なお、スピンターン対応差動制限制御手段
hは、アクセル操作を検出するアクセル操作検出手段d
からのアクセル開度に応じた差動制限トルクを得る制御
指令を差動制限トルク付与手段aに出力する手段として
も良い。
【0011】
【作用】走行時には、ABS作動指令時判断手段eにお
いて、後輪の制動ロック傾向である場合にシステムを作
動させるアンチスキッドブレーキ制御システムbからA
BS作動指令信号が出力されているかどうかが判断さ
れ、また、サイドブレーキ操作時判断手段fにおいて、
サイドブレーキ操作を検出するサイドブレーキ操作検出
手段cからのサイドブレーキ操作検出信号によりサイド
ブレーキの操作時かどうかが判断される。
【0012】そして、例えば、フットブレーキの急踏み
操作時や低μ路での制動時などであって、アンチスキッ
ドブレーキ制御システムbからABS作動指令信号の出
力時で、且つ、サイドブレーキ非操作時には、ABS連
携差動制限制御手段gにおいて、ゼロもしくは低い差動
制限トルクを得る制御指令が、左右後輪に差動制限トル
クを付与する差動制限トルク付与手段aに出力される。
【0013】一方、サイドブレーキを引いて後輪を一瞬
ロックさせてのスピンターン時であって、アンチスキッ
ドブレーキ制御システムbからABS作動指令信号の出
力時で、且つ、サイドブレーキ操作があったことの検出
時には、スピンターン対応差動制限制御手段hにおい
て、ABS作動指令信号の出力にかかわらず前記ABS
連携制御を実行せず、ABS連携差動制限制御手段gか
ら出力される値よりも大きい差動制限トルクを得る制御
指令が、差動制限トルク付与手段aに出力される。
【0014】したがって、サイドブレーキ操作を行なわ
ないでのABS作動時には、差動制限トルクを弱めるA
BS連携制御により、ABS制御優先による制御干渉の
防止が図られる。また、サイドブレーキを引いてのスピ
ンターン時には、ABS作動にかかわらずABS連携制
御を実行せず、前記ABS連携差動制限制御手段から出
力される値よりも大きい差動制限トルクを得る制御が行
なわれることでコーナ出口からの加速性確保が図られ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0016】まず、構成を説明する。
【0017】図2は本発明実施例の差動制限トルク制御
装置が適用された後輪駆動車の全体システム図である。
【0018】図2において、1はエンジン、2はトラン
スミッション、3はプロペラシャフト、4は電制リミテ
ッドスリップディファレンシャル(以下、電制LSDと
略称する)、5,6は後輪、7,8は前輪である。
【0019】前記電制LSD4には、油圧ユニット9か
ら付与されるクラッチ制御圧に応じて左右後輪5,6間
に差動制限トルクを発生させる差動制限クラッチ10が
内蔵されている。
【0020】前記油圧ユニット9は、油圧源11とCS
D制御バルブ12とを有して構成されている。尚、油圧
ユニット9及び差動制限クラッチ10は、差動制限トル
ク付与手段aに相当する。
【0021】前記CSD制御バルブ12は、CSDコン
トローラ13からの制御電流ICSDにより制御作動を
し、差動制限クラッチ10へのクラッチ制御圧を作り出
す。
【0022】前記CSDコントローラ13には、左前輪
回転センサ14からの左前輪回転数NFLと、右前輪回転
センサ15からの右前輪回転数NFRと、左後輪回転セン
サ16からの左後輪回転数NRLと、右後輪回転センサ1
7からの右後輪回転数NRRと、横加速度センサ18から
の横加速度YG と、前後加速度センサ19からの前後加
速度XG と、アクセル開度センサ20(アクセル操作検
出手段dに相当)からのアクセル開度ACCと、サイドブ
レーキスイッチ21(サイドブレーキ操作検出手段cに
相当)からのスイッチ信号BSと、ABSコントローラ2
2(アンチスキッドブレーキ制御システムbに相当)か
らのABS作動指令信号ASなどが入力される。
【0023】次に、作用を説明する。
【0024】[差動制限トルク制御作動処理]図3はC
SDコントローラ13で10msecの制御周期で行なわれる
差動制限トルク制御作動処理の流れを示すフローチャー
トであり、以下、各ステップについて説明する。
【0025】ステップ30では、左前輪回転数NFLと右
前輪回転数NFRと左後輪回転数NRLと右後輪回転数NRR
と横加速度YG とアクセル開度ACCとスイッチ信号BSと
ABS作動指令信号ASが読み込まれる。
【0026】ステップ31では、各車輪回転数NFL,N
FR,NRL,NRRがそれぞれ左前輪速VFL,右前輪速VF
R,左後輪速VRL,右後輪速VRRとされる。そして、左
前輪速VFLと右前輪速VFRのうち小さいほうが車体速V
F とされ、左後輪速VRLと右後輪速VRRとの差の絶対値
が左右後輪速差ΔVR とされ、アクセル開度ACCの時間
微分値がアクセル踏み込み速度AC'とされる。
【0027】ステップ32では、通常差動制限トルクT
LSD が、横加速度感応トルクTYGとアクセル開度感応ト
ルクTA とアクセル踏み込み速度感応トルクTA'とイニ
シャルトルクTI との総和により演算される。
【0028】横加速度感応トルクTYGは、図4に示すよ
うに、横加速度YG がYGO以下の低横加速度域ではトル
クゼロとされ、YG ≧YGOの領域で横加速度YG の大き
さに比例するトルクとして与えられる。
【0029】アクセル開度感応トルクTA は、図5(イ)
に示すように、アクセル開度ACCがACCO 以下の低アク
セル開度域ではトルクゼロとされ、ACC≧ACCO の領域
では比例ゲインKA によりアクセル開度ACCの大きさに
比例するトルクとして与えられる。この比例ゲインKA
は、図5(ロ) に示すように、横加速度YG がYG1以下の
時は一定ゲインで与え、YG ≧YG1の領域では横加速度
YG の大きさに比例するゲインとして与えられる。
【0030】アクセル踏み込み速度感応トルクTA'は、
図6(イ) に示すように、アクセル踏み込み速度AC'がA
C'O 以下の低アクセル踏み込み速度域ではトルクゼロと
され、AC'≧AC'O の領域では比例ゲインKA'によりア
クセル踏み込み速度AC'の大きさに比例するトルクとし
て与えられる。この比例ゲインKA'は、図6(ロ) に示す
ように、横加速度YG がYG2以下の時はゼロゲインで与
え、YG ≧YG2の領域では横加速度YG の大きさに比例
するゲインとして与えられる。
【0031】イニシャルトルクTI は、図7に示すよう
に、横加速度YG が0.4 G以下の低横加速度域では一定
トルク(例えば、2kg・m )で与え、横加速度YG が0.4
Gを超えると横加速度YG が大きくなるにしたがって減
少するトルクとして与えられる。
【0032】ステップ33では、ABS差動制限トルク
TABS が左右後輪速差ΔVR と車体速VF により演算さ
れる。
【0033】このABS差動制限トルクTABS は、図8
(イ) に示すように、左右後輪速差ΔVR がΔVROまでの
領域では左右後輪速差ΔVR の大きさに比例するトルク
として与えられ、ΔVR ≧ΔVROの領域では左右後輪速
差ΔVR にかかわらず最大差動制限トルクTABSmaxの一
定トルクとして与えられる。この最大差動制限トルクT
ABSmaxは、図8(ロ) に示すように、車体速VF がVFO
(例えば、80km/h)以下の時は一定トルクで与え、V
F ≧VFOとなると車体速VF の上昇にしたがって低下す
るトルクで与えられる。
【0034】ステップ34では、ABS作動指令信号AS
の出力中であるかどうかが判断される(ABS作動指令
時判断手段eに相当)。
【0035】ステップ35では、サイドブレーキスイッ
チ21からスイッチ信号BSが出力中であるかどうかが判
断される(サイドブレーキ操作時判断手段fに相当)。
【0036】ステップ36では、ステップ34でABS
作動指令信号ASの非出力時であると判断された時、目標
差動制限トルクT* がステップ32で演算された通常差
動制限トルクTLSD に設定される。
【0037】ステップ37では、ステップ34でABS
作動指令信号ASの出力時で、且つ、ステップ35でスイ
ッチ信号BSの非出力時であると判断された時、目標差動
制限トルクT* がステップ33で演算されたABS差動
制限トルクTABS に設定される。
【0038】ステップ38では、ステップ34でABS
作動指令信号ASの出力時で、且つ、ステップ35でスイ
ッチ信号BSの出力時であると判断された時、所定時間だ
け通常差動制限トルクTLSD が得られる制御指令が出力
される。
【0039】ここで、所定時間とは、スピンターンモー
ドでABS作動指令信号ASの出力が停止するのに十分な
数秒間をいう。
【0040】ステップ39では、ステップ36またはス
テップ38で演算された目標差動制限トルクT* が得ら
れる制御指令が出力される。
【0041】ここで、ステップ34,ステップ35,ス
テップ37及びステップ39は、ABS連携差動制限制
御手段gに相当し、ステップ34,ステップ35及びス
テップ38は、スピンターン対応差動制限制御手段hに
相当する。
【0042】[ABS作動指令信号の非出力時]ABS
作動指令信号ASが出力されない旋回走行時などには、図
3のフローチャートで、ステップ30→ステップ31→
ステップ32→ステップ33→ステップ34→ステップ
36→ステップ39へと進む流れとなり、ステップ36
では、目標差動制限トルクT* がステップ32で演算さ
れた通常差動制限トルクTLSD に設定され、ステップ3
9では、この目標差動制限トルクT* が得られる制御指
令が出力される。
【0043】したがって、横加速度感応トルクTYGとア
クセル開度感応トルクTA とアクセル踏み込み速度感応
トルクTA'とイニシャルトルクTI の設定により、定常
旋回時における旋回初期アンダーステアの防止や、加速
旋回時における旋回加速性とアクセルコントロール性の
両立や、低μ路での発進時や加速時における安定性の確
保などが図られる。
【0044】[ABS作動指令信号の出力時で、且つ、
スイッチ信号の非出力時]フットブレーキを用いての急
制動時や低μ路制動時などで、ABS作動指令信号ASの
出力時で、且つ、スイッチ信号BSの非出力時には、図3
のフローチャートで、ステップ30→ステップ31→ス
テップ32→ステップ33→ステップ34→ステップ3
5→ステップ37→ステップ39へと進む流れとなり、
ステップ37では、目標差動制限トルクT* がステップ
33で演算されたABS差動制限トルクTABS に設定さ
れ、ステップ39では、この目標差動制限トルクT*
得られる制御指令が出力される。
【0045】したがって、ABS連携制御としてABS
差動制限トルクTABS が図8に示すように与えられるこ
とで、下記の効果が発揮される。
【0046】(1) このABS差動制限トルクTABS は、
通常差動制限トルクTLSD よりも低いトルクで与えられ
るため、後輪のイナーシャ(慣性)がみかけ上小さくな
り、ABS制御の成立により、車両挙動を安定させるこ
とができる。
【0047】(2) 左右後輪速差ΔVR の大きさに比例す
るトルクとして与えられるため、雪路などの低μ路旋回
制動時の回頭性向上とスプリットμ路での制動性能向上
を図ることができる。
【0048】(3) 最大差動制限トルクTABSmaxを、車体
速VF により変化させるようにしているため、ドライバ
ーの修正操舵能力の大きな低速域での制動距離短縮とド
ライバーの修正操舵能力の小さな高速域での制動安定性
の向上とをうまく両立させることができる。
【0049】[ABS作動指令信号の出力時で、且つ、
スイッチ信号の出力時]サイドブレーキを用いてのスピ
ンターン時で、ABS作動指令信号ASの出力時で、且
つ、スイッチ信号BSの出力時には、図3のフローチャー
トで、ステップ30→ステップ31→ステップ32→ス
テップ33→ステップ34→ステップ35→ステップ3
8へと進む流れとなり、ステップ38では、所定時間だ
け通常差動制限トルクTLSD が得られる制御指令が出力
される。
【0050】ここで、スピンターンについて説明する
と、図9に示すように、タイトコーナへの進入時、ま
ず、フットブレーキを踏み込んで車両を減速させ、ある
程度の車両減速が出た後、サイドブレーキを引き駆動輪
である左右後輪5,6に大きな制動力を与える。これに
より、左右後輪5,6は一瞬ロックし、サイドフォース
を失って旋回外方へスライドする。このサイドブレーキ
を用いた旋回操作をスピンターン操作といい、スピンタ
ーンが開始されると、ドライバーの意図する旋回量をコ
ントロールするようにサイドブレーキを戻し、このサイ
ドブレーキの戻し操作とほぼ同時にアクセルを踏み込み
コーナ出口を加速して抜ける。このスピンターンを行な
う一連の動作をタイムチャートにあらわすと、図10に
示すようになる。
【0051】この図10において明らかなように、スピ
ンターンは左右後輪5,6のロックを積極的に利用する
ものであるため、アンチスキッドブレーキ制御システム
を搭載した車両では、ABSが作動しABS作動指令信
号ASが出力される。
【0052】このABS作動指令信号ASの出力に基づい
て上記ABS連携制御をそのまま実行した場合、図10
の最下部の1点鎖線での差動制限トルク特性に示すよう
に、ABS作動指令信号ASの出力中は差動制限トルクの
レベルが低くなり、コーナ出口からのトラクション性能
に劣ることになると共に、ABS作動指令信号ASが非出
力となる瞬間、差動制限トルクが急上昇し、車両挙動を
不安定にさせる。
【0053】これに対し、上記のように、ABS作動指
令信号ASの出力時で、且つ、スイッチ信号BSの出力時に
は、サイドブレーキを引いてのスピンターンモードと判
断し、ABS作動にかかわらずABS連携制御を実行せ
ず、所定時間だけ通常差動制限トルクTLSD が得られる
制御が行なわれることで、コーナ出口からのトラクショ
ン性能が向上し、加速性の確保が図られる。
【0054】次に、効果を説明する。
【0055】(1)ABS作動情報に基づいて左右後輪
5,6間に付与する差動制限トルクを電子制御する差動
制限トルク制御装置において、ABS作動指令信号ASの
出力時で、且つ、サイドブレーキ操作があった時には、
ABS作動指令信号ASの出力にかかわらず差動制限トル
クを弱めるABS連携制御を実行せず、横加速度感応ト
ルクTYGとアクセル開度感応トルクTA とアクセル踏み
込み速度感応トルクTA'とイニシャルトルクTI との総
和による差動制限トルク制御を行なう装置としたため、
サイドブレーキ操作を行なわないでのABS作動時の制
御干渉防止と、サイドブレーキを引いてのスピンターン
時のコーナ出口加速性確保との両立を図ることができ
る。
【0056】(2)通常差動制限トルクTLSD を、横加
速度感応トルクTYGとアクセル開度感応トルクTA とア
クセル踏み込み速度感応トルクTA'とイニシャルトルク
TI との総和により演算する装置とし、この通常差動制
限トルクTLSD をそのままスピンターン対応制御として
流用したため、アクセル操作量に応じたスピンターン対
応制御則を別に設定する必要がなく、差動制限制御則の
簡略化を図ることができる。
【0057】(3)ABS差動制限トルクTABS を左右
後輪速差ΔVR と車体速VF により与えるABS連携制
御を行なう装置としたため、雪路などの低μ路旋回制動
時の回頭性向上とスプリットμ路での制動性能向上を図
ることができるし、ドライバーの修正操舵能力の大きな
低速域での制動距離短縮とドライバーの修正操舵能力の
小さな高速域での制動安定性の向上とをうまく両立させ
ることができる。
【0058】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0059】例えば、実施例では、油圧式の多板クラッ
チにより差動制限トルクを付与する例を示したが、外部
からの制御指令により可変に差動制限トルクを制御でき
るものであれば電磁クラッチなどであっても良い。
【0060】実施例では、通常差動制限トルクTLSD を
そのままスピンターン対応制御として流用する例を示し
たが、通常差動制限トルクが例えば左右駆動輪速差のみ
により与えられるような場合には、アクセル開度などに
応じたスピンターン対応制御則を別途設定してもよい。
【0061】実施例では、ABS連携制御としてABS
作動時に差動制限トルクを弱める制御例を示したが、A
BS作動時に差動制限トルクを解除するABS連携制御
を行なうものであってもよい。
【0062】実施例では、スピンターンモードの検出
時、ABS作動が終了するのに十分な時間だけスピンタ
ーン対応制御を行なう例を示したが、スピンターンモー
ドの検出時、スピンターンフラグを立て、ABS作動が
終了した時点でスピンターンフラグを降ろすスピンター
ン対応制御としてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、ABS作動情報に基づいて左右駆動輪間に付与する
差動制限トルクを電子制御する差動制限トルク制御装置
において、ABS作動指令信号の出力時で、且つ、サイ
ドブレーキ操作があった時には、ABS作動指令信号の
出力にかかわらず差動制限トルクを弱めるABS連携制
御を実行せず、ABS作動時よりも大きい差動制限トル
ク制御を行なう装置としたため、サイドブレーキ操作を
行なわないでのABS作動時の制御干渉防止と、サイド
ブレーキを引いてのスピンターン時のコーナ出口加速性
確保との両立を図ることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限トルク制御装置を示すクレー
ム対応図である。
【図2】実施例の差動制限トルク制御装置が適用された
後輪駆動車の全体システム図である。
【図3】実施例装置のCSDコントローラで行なわれる
差動制限トルク制御作動処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図4】実施例装置での横加速度感応トルク特性図であ
る。
【図5】図5(イ) は実施例装置でのアクセル開度感応ト
ルク特性図であり、図5(ロ) はアクセル開度感応トルク
の比例ゲイン特性図である。
【図6】図6(イ) は実施例装置でのアクセル踏み込み速
度感応トルク特性図であり、図6(ロ) はアクセル踏み込
み速度感応トルクの比例ゲイン特性図である。
【図7】実施例装置でのイニシャルトルク特性図であ
る。
【図8】図8(イ) は実施例装置でのABS差動制限トル
ク特性図であり、図8(ロ) は最大差動制限トルク特性図
である。
【図9】スピンターン時のブレーキ及びアクセル操作状
況を示す作用説明図である。
【図10】スピンターン時の車輪速,前後加速度,横加
速度,アクセル開度,サイドブレーキ,ABS作動指令
信号,差動制限トルクの各変化を示すタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
a 差動制限トルク付与手段 b アンチスキッドブレーキ制御システム c サイドブレーキ操作検出手段 d アクセル操作検出手段 e ABS作動指令時判断手段 f サイドブレーキ操作時判断手段 g ABS連携差動制限制御手段 h スピンターン対応差動制限制御手段
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪である左右後輪間に設けられ、外
    部からの制御指令に応じた差動制限トルクを付与する差
    動制限トルク付与手段と、 システム作動時にABS作動指令信号を出力するアンチ
    スキッドブレーキ制御システムと、 サイドブレーキ操作を検出するサイドブレーキ操作検出
    手段と、 ABS作動指令信号が出力されているかどうかを判断す
    るABS作動指令時判断手段と、 サイドブレーキ操作検出信号によりサイドブレーキの操
    作時かどうかを判断するサイドブレーキ操作時判断手段
    と、 ABS作動指令信号の出力時で、且つ、サイドブレーキ
    非操作時には、ゼロもしくは低い差動制限トルクを得る
    制御指令を前記差動制限トルク付与手段に出力するAB
    S連携差動制限制御手段と、 ABS作動指令信号の出力時で、且つ、サイドブレーキ
    操作があった時には、ABS作動指令信号の出力にかか
    わらず前記ABS連携制御を実行せず、前記ABS連携
    差動制限制御手段から出力される値よりも大きい差動制
    限トルクを得る制御指令を前記差動制限トルク付与手段
    に出力するスピンターン対応差動制限制御手段と、 を備えていることを特徴とする差動制限トルク制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の差動制限トルク制御装置
    において、 前記スピンターン対応差動制限制御手段を、アクセル操
    作を検出するアクセル操作検出手段からのアクセル開度
    に応じた差動制限トルクを得る制御指令を前記差動制限
    トルク付与手段に出力する手段としたことを特徴とする
    差動制限トルク制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017037080A1 (de) * 2015-09-01 2017-03-09 Ford Global Technologies, Llc Verfahren zum betreiben einer kraftfahrzeugbremsanlage mit einer elektro-hydraulischen betriebsbremse und einer mechanischen feststellbremse

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017037080A1 (de) * 2015-09-01 2017-03-09 Ford Global Technologies, Llc Verfahren zum betreiben einer kraftfahrzeugbremsanlage mit einer elektro-hydraulischen betriebsbremse und einer mechanischen feststellbremse
US10442414B2 (en) 2015-09-01 2019-10-15 Ford Global Technologies, Llc Method for operating a motor-vehicle braking system

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