JPH06248465A - 鉄損の低い一方向性珪素鋼板 - Google Patents
鉄損の低い一方向性珪素鋼板Info
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Abstract
板の鉄損を下げる。 【構成】 物性値(ヤング率と線膨張係数)が一定の条
件を満たす材料からなる皮膜を、鋼板厚さの1.5%以
下の膜厚で形成することにより、鋼板に対する張力を1
kg/mm2 以上かつ占積率を97%以上とする。 【効果】 従来の一方向性珪素鋼板よりも占積率が高く
かつ鉄損が低くなる。
Description
なる皮膜を形成させたことにより、鉄損が低減されかつ
占積率の高い一方向性珪素鋼板に関するものである。
1〕を主方位とする結晶組織を有し、磁気鉄芯材料とし
て多用されており、特にエネルギーロスを少なくするた
めに鉄損の少ない材料が求められている。ところで、鉄
および5%以下の珪素を含有する鉄合金は結晶磁気異方
性が大きいゆえ、外部張力を付与すると磁区の細分化が
起こり、鉄損の主要素である渦電流損失を低下させるこ
とができる。従って、5%以下の珪素を含有する一方向
性珪素鋼板の鉄損の低減には鋼板に張力を付与すること
が有効である。
の鋼板厚さに対し、皮膜厚さが大きくなるに従って増大
するが、厚膜化は占積率の低下をもたらす。従って、な
るべく薄い膜厚で鋼板への付与張力の大きい皮膜が求め
られている。
分離剤とが反応して生成するフォルステライトを主体と
する皮膜は、鋼板に与える張力が大きく、鉄損低減に効
果がある。
開示されたコロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコー
ティング液を焼き付けることによって、絶縁皮膜を形成
する方法は、鋼板に対して張力付与の効果が大きく、鉄
損低減に有効である。従って、仕上げ焼鈍工程で生じた
皮膜を残したうえで張力性の絶縁コーティングを施すこ
とが一般的な方向性電磁鋼板の製造方法となっている。
素鋼板においては、約1μm強の仕上げ焼鈍皮膜と約2
μmの絶縁皮膜が施されている。板厚0.23mmの場
合、占積率は約97%であり、これらの皮膜によって鋼
板に付与される張力は、1kg/mm-2程度である。発明者
らの検討によれば、一方向性珪素鋼板の鉄損値に対する
張力効果が飽和するのは1.5kg・mm-2程度である。絶
縁皮膜量を増やせばより張力を増大させることができる
が、占積率が悪化し設計磁束密度が上がることにより、
特に高磁場での鉄損はさほど下がらない。
は、少ない皮膜量で鋼板に高い張力を付与できる皮膜材
質を開発しなければならない。例えば、特開平2−24
3770号公報においては、ゾルゲル法による皮膜が鉄
損低減に有効であることが示されている。しかしながら
同公報においてはゾルゲル皮膜を形成するにあたって線
膨張係数の小さい材質を推奨しているが、SiO2 、ユ
ークリプタイト、スポジューメン以外についての具体的
皮膜材質についての記載がない。また、膜厚についての
記載もない。
いては、ゲル成分としてSiO2 ,アンチモン酸化物,
ジルコン酸化物,SiZrO4 ,Al2 O3 ,Fe2 O
3 ,TiO2 があげられているが、これらは鋼板への張
力を付与する皮膜成分としてではなく、その上に焼き付
けるべき絶縁皮膜と鋼板との密着性を確保するための皮
膜材質としてあげられている。また、特開昭61−24
6321号公報その他にドライコーティングにより炭化
物、硼化物、酸化物、珪化物皮膜を施す技術が開示され
ているが、膜厚と特性についての記載はない。
量で鋼板への付与張力の大きい皮膜を有する、従って鉄
損が低くかつ占積率の高い一方向性珪素鋼板を提供する
ことを目的とする。
鋼板厚みの1.5%以下であり、かつヤング率と線膨張
係数が一定の条件を満たす皮膜が施された、鉄損が低く
かつ占積率の高い一方向性珪素鋼板を要旨とする。ここ
で言う一定の条件とは、仕上げ焼鈍皮膜のない鋼板に対
してE(αFe−α)>0.024kg・mm-2・K-1、1μ
m程度の仕上げ焼鈍皮膜を有する鋼板に対してE(αFe
−α)>0.018kg・mm-2・K-1(Eは皮膜のヤング
率(kg・mm-2)、αFeおよびαはそれぞれ鋼板および皮
膜の線膨張率(K-1))にある。
への付与張力の大きさは、皮膜と下地金属の線膨張係数
差と皮膜形成温度とで決まるとされている。従って、皮
膜材質は線膨張係数の小さいものが良いとされている。
しかし、この考え方は厳密には正しくない。
ダルシリカと燐酸アルミニウムから作製した皮膜を比較
してみる。3%珪素鋼の線膨張係数の実測値は、約12
×10-6K-1、フォルステライトのそれは約11×10
-6K-1と報告されている(窯業協会誌,第70巻,p8
6,1962年)。コロイダルシリカと燐酸アルミニウ
ムから作製された皮膜の線膨張係数についての値は測定
例がないが、これをSiO2 −Al2 O3 −P2 O3 系
のガラスと仮定し、多成分系ガラスの熱膨張係数を計算
する方法(A.A.アッペン著,「ガラスの化学」,第
X章,日ソ通信社,1974年)を用いて推算すると約
6×10-6K-1となる。
0℃、コロイダルシリカと燐酸アルミニウムから作製さ
れた皮膜のそれを、推定軟化点の500℃にとると、後
者皮膜による張力は前者皮膜に対して3倍程度になるは
ずであるが、実測の皮膜張力は同程度である。従って皮
膜が下地に与える張力の大きさは、線膨張係数差、温度
差、皮膜厚だけで決定されるものではないと言える。
る下地への張力の決定因子は上記の他に皮膜のヤング率
があること、さらに、同張力σ(kg・mm-2)は近似的に
次式で表現されることを実験的に見い出した。 σ=E(αFe−α)ΔT(2d/D) …………………(1) ここで、ΔTは皮膜形成時と室温との温度差(K)、d
は皮膜厚、Dは下地鋼板厚さである。
3%珪素鋼板(板厚約0.18mm)を酸洗し、表面皮膜
を除去した。この鋼板にゾルゲル法により、Al
2 O3 ,TiO2 ,Y2 O3 ,ZrO2 ,SiO2 皮膜
を形成させた。表1に成膜条件を示す。
硝酸中に浸漬することにより皮膜を片面のみ除去し、有
機溶剤で保護樹脂膜を除去した後、鋼板の湾曲より皮膜
による張力を測定した。片面の皮膜を除去した後の試料
厚さは0.16mmであった。図1に張力の実測値を、
(1)式による計算値と比較して示す。計算に用いた皮
膜材料の線膨張係数およびヤング率(室温)は表2の値
を用いた。計算値の実測値への対応は良好であり、皮膜
によって鋼板に付与される張力が(1)式によって与え
られることがわかる。
わち皮膜厚を増大させずに大きな張力を得るためには、
E(αFe−α)の大きい材質からなる皮膜をなるべく高
い皮膜形成温度で形成させれば良いことになる。成膜可
能な温度の上限は珪素鋼の融点(約1400℃)である
から、占積率97%以上(d/D=0.015以下)を
満たし、かつ張力1.0kg・mm-2以上を確保するために
は、皮膜のヤング率と線膨張係数がE(αFe−α)>
0.024を満足する材質であれば良い。
036を満足する材質から皮膜を形成すれば、占積率9
8%以上(d/D≦0.010)かつ張力1.0kg・mm
-2以上を確保できる。
上げ焼鈍皮膜を有する場合には、仕上げ焼鈍皮膜によっ
て付与される張力が0.5kg・mm-2程度である。従っ
て、さらに0.5kg・mm-2の張力を加えるためにはE
(αFe−α)>0.018を満足する材質の絶縁皮膜を
施せば良い。この場合にも、さらに望ましくは、E(α
Fe−α)>0.036を満足する材質から皮膜を形成す
れば、占積率98%以上かつ合計の張力1.0kg・mm-2
以上を確保することができる。
に、Al2 O3 ,BeO,SiO2,SnO2 ,TiO
2 ,Y2 O3 ,MgO・Al2 O3 (スピネル),3A
l2O3 ・2SiO2 (ムライト),2MgO・2Al
2 O3 ・5SiO2 (コーディエライト),CaO・A
l2 O3 ・2SiO2 (アノーサイト),2CaO・A
l2 O3 ・SiO2 (ゲーレナイト),CaO・MgO
・2SiO2 (ディオプサイト)の酸化物および複合酸
化物があげられる。
(αFe−α)>0.024もしくは0.018を満足す
る材質であれば良い。これらの酸化物皮膜はゾルゲル法
により形成することができる。また、金属の炭化物、硼
化物、窒化物、珪化物等の非酸化物系セラミックスも、
表3に示したように一般にヤング率が高くかつ線膨張係
数もさほど大きくないため、一方向性珪素鋼板用の皮膜
材質としてふさわしい。
る一方向性珪素鋼板が、占積率を97%以上に保ったま
ま従来よりも低い鉄損値を示すことは、以下の実施例に
おいて示される。
て主にゾルゲル法を用いた例を述べるが、本発明は皮膜
形成手段については限定するものではない。
素鋼に対し、脱炭焼鈍を兼ねて珪素鋼表面にSiO2 を
含む酸化層を形成させた後、MgOを主とする焼鈍分離
剤を塗布し、最終仕上げ焼鈍を行った。このようにして
焼鈍した一方向性珪素鋼板表面にはフォルステライトを
主体とする1μm強の皮膜が存在する。この鋼板の表面
に、ゾルゲル法によりAl2 O3 ,SiO2 ,MgAl
2 O4 (スピネル),3Al2 O3 ・2SiO2 (ムラ
イト)の皮膜を900℃において形成させた。
ルミニウム、無水クロム酸からなるコーティング液を8
50℃で焼き付けて2μmの絶縁皮膜を施し比較材とし
た。得られた鋼板の特性を表4に示す。本発明材は従来
材よりも高い占積率でしかも低い鉄損値を示している。
素鋼に対し、脱炭焼鈍を兼ねて珪素鋼表面にSiO2 を
含む酸化層を形成させた後、MgOを主とする焼鈍分離
剤を塗布し、最終仕上げ焼鈍を行った。酸洗により仕上
げ焼鈍皮膜を除去した後、特開平4−131326号公
報に開示されている方法、すなわち、乾燥水素雰囲気中
での高温焼鈍により表面を鏡面化した(板厚0.22m
m)。
3 ,SiO2 ,MgAl2 O4 (スピネル),3Al2
O3 ・2SiO2 (ムライト)の皮膜を900℃におい
て形成させた。得られた鋼板の特性を表5に示す。本発
明による一方向性珪素鋼板が高い占積率で極めて低い鉄
損値を示すことがわかる。
素鋼に対し、脱炭焼鈍を兼ねて珪素鋼表面にSiO2 を
含む酸化層を形成させた後、MgOを主とする焼鈍分離
剤を塗布し、最終仕上げ焼鈍を行った。酸洗により仕上
げ焼鈍皮膜を除去した後、化学研磨により表面を鏡面化
した(板厚0.20mm)。
りWC,TiC,SiC,ZrC,TaC,AlN,A
l2 O3 ,ZrB2 ,TiB2 ,MoSi2 の皮膜を基
板温度500℃で1μm形成させた。得られた鋼板の特
性を表6に示す。本発明による一方向性珪素鋼板が高い
占積率で極めて低い鉄損値を示すことがわかる。
く鉄損値の低い方向性珪素鋼板を得ることができる。
よる計算値を比較した図表である。
Claims (6)
- 【請求項1】 鋼板表面に、E(αFe−α)>0.02
4kg・mm-2・K-1なる皮膜を、鋼板厚さの1.5%以下
の膜厚で形成させ、Si5%以下を含有した鉄損の低い
一方向性珪素鋼板。ここで、Eは皮膜のヤング率(kg・
mm-2)、αFeおよびαはそれぞれ鋼板および皮膜の線膨
張係数(K-1)である。 - 【請求項2】 鋼板表面に、E(αFe−α)>0.03
6kg・mm-2・K-1なる皮膜を、鋼板厚さの1.0%以下
の膜厚で形成させた請求項1記載の鉄損の低い一方向性
珪素鋼板。 - 【請求項3】 仕上げ焼鈍によって形成された皮膜の上
に、E(αFe−α)>0.018kg・mm-2・K-1なる皮
膜を、鋼板厚さの1%以下の膜厚で形成させ、Si5%
以下を含有した鉄損の低い一方向性珪素鋼板。ここで、
Eは皮膜のヤング率(kg・mm-2)、αFeおよびαはそれ
ぞれ鋼板および皮膜の線膨張係数(K-1)である。 - 【請求項4】 鋼板表面にE(αFe−α)>0.036
kg・mm-2・K-1なる皮膜を、鋼板厚さの0.5%以下の
膜厚で形成させた請求項3記載の鉄損の低い一方向性珪
素鋼板。 - 【請求項5】 皮膜材質がLi,Be,B,Mg,A
l,Si,Ca,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,N
i,Cu,Zn,Sr,Sn,Y,Zr,Nb,Mo,
Hf,Ta,Wの酸化物、炭化物、硼化物、窒化物、珪
化物のうち1種あるいは2種以上からなる請求項1ない
し4のいずれかに記載の鉄損の低い一方向性珪素鋼板。 - 【請求項6】 皮膜がゾルゲル法によって形成された請
求項1ないし5のいずれかに記載の鉄損の低い一方向性
珪素鋼板。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP3229893A JP2664323B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 鉄損の低い一方向性珪素鋼板 |
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Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06248465A true JPH06248465A (ja) | 1994-09-06 |
| JP2664323B2 JP2664323B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=12355051
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3229893A Expired - Lifetime JP2664323B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 鉄損の低い一方向性珪素鋼板 |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP2664323B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007162095A (ja) * | 2005-12-15 | 2007-06-28 | Jfe Steel Kk | フェライト被膜付き方向性電磁鋼板 |
| JP2014201806A (ja) * | 2013-04-08 | 2014-10-27 | 新日鐵住金株式会社 | 方向性電磁鋼板及びその製造方法 |
| JP2018066061A (ja) * | 2016-10-18 | 2018-04-26 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| KR101904308B1 (ko) * | 2016-12-22 | 2018-10-04 | 주식회사 포스코 | 방향성 전기강판용 절연피막 조성물 및 이를 이용한 절연피막 형성방법, 방향성 전기강판 및 방향성 전기강판의 제조 방법 |
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1993
- 1993-02-22 JP JP3229893A patent/JP2664323B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| JP2664323B2 (ja) | 1997-10-15 |
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