JPH06249021A - 始動時燃料噴射装置 - Google Patents

始動時燃料噴射装置

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JPH06249021A
JPH06249021A JP3546693A JP3546693A JPH06249021A JP H06249021 A JPH06249021 A JP H06249021A JP 3546693 A JP3546693 A JP 3546693A JP 3546693 A JP3546693 A JP 3546693A JP H06249021 A JPH06249021 A JP H06249021A
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JP
Japan
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internal combustion
combustion engine
fuel
injection
startability
Prior art date
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JP3546693A
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English (en)
Inventor
Shigeki Miyashita
茂樹 宮下
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関の始動時における燃料噴射
量及び噴射時期を制御する始動時燃料噴射装置に関し、
良好な始動性の確保と良好な排気エミッションの確保と
を両立することを目的とする。 【構成】 IGスイッチを基に内燃機関が始動時である
ことを検出したら(ステップ100)、その時点におけ
る冷却水温とバッテリ電圧とを読み込む(ステップ11
0、120)。冷却水温が高いほど、またバッテリ電圧
が高いほど内燃機関は始動し易い状態にあるとして設定
されたマップを参照して内燃機関の始動性を推定する
(ステップ130)。始動性が良いと推定された場合は
エミッション優先の噴射方式である同期噴射を選択し、
始動性が悪いと推定された場合は始動性優先の噴射方式
である非同期噴射を選択する(ステップ140〜16
0)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は始動時燃料噴射装置に係
り、特に電子制御式燃料噴射装置を備える内燃機関の始
動時における燃料噴射量及び噴射時期を制御する始動時
燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、内燃機関の電子制御化が進
み、電子制御式燃料噴射装置が広く普及している。かか
る電子制御式燃料噴射装置においては、内燃機関に供給
すべき燃料の量を運転状態に基づいてマイクロコンピュ
ータで演算し、燃費やドライバビリティ等を総合的に勘
案して最適とされる量の燃料が内燃機関に供給される。
【0003】ところで、電子制御式燃料噴射装置を用い
た場合は、内燃機関に供給する燃料の量を最適化するば
かりでなく、その噴射時期も任意に設定することが可能
となる。このため、燃料の噴射時期についても従来より
種々の提案がなされており、始動時においてクランク角
と無関係に燃料噴射を行う非同期噴射が広く採用される
に至っている。
【0004】この場合において燃料の非同期噴射とは、
内燃機関の全気筒に対してクランク角に無関係に一斉に
燃料の噴射を行う制御のことで、各気筒に対して一定の
クランク角で燃料の噴射を行う同期噴射に対する制御で
ある。燃料を同期噴射する場合、各気筒には噴射された
燃料がそのまま供給され、噴射量と実際に内燃機関に流
入する量とがほぼ一致して良好な空燃比を維持すること
ができる。
【0005】これに対して、燃料を非同期噴射する場合
は、噴射された燃料が吸気管内壁に付着する等の理由か
ら空燃比を精度良く制御することはできないが、同期噴
射による場合と異なり燃料噴射の前提として各気筒の状
態、すなわち正確なクランク角を検出する必要がない。
【0006】つまり、非同期噴射により燃料を供給する
場合は、内燃機関の始動が検出されると同時に燃料の噴
射を開始することが可能となり、同期噴射によるよりも
早期に初爆を得られることになる。このため、内燃機関
の始動時においては上記したように非同期噴射が広く採
用されている。
【0007】ところで、特開平3−225046号公報
は、内燃機関を非同期噴射によって始動すると共に、バ
ッテリ電圧の変動に応じて始動時の燃料噴射量を変更す
ることにより、良好な排気エミッションと良好な始動性
とを両立させ得る装置について開示している。
【0008】この装置は、スタータモータを用いて内燃
機関を始動する場合、スタータモータで多量の電力が消
費されることにより、バッテリ電圧がマイクロコンピュ
ータの作動電圧を下回る場合があることに着目したもの
である。つまり、かかる場合において、バッテリ電圧の
降下と共にマイクロコンピュータがダウンし、その度に
イニシャル処理が行われることを考慮したものである。
【0009】この場合、バッテリ電圧はスタータモータ
の負荷に伴って変動し、内燃機関を構成する何れかの気
筒が圧縮工程となった場合に大きく降下する。従って、
例えば4サイクル4気筒の内燃機関であればクランクシ
ャフトが2回転する間(各気筒で吸気・圧縮・爆発・排
気がそれぞれ一回実行される間)にバッテリ電圧は4回
降下・上昇を繰り返すことになる。
【0010】従って、バッテリ電圧がマイクロコンピュ
ータの作動電圧近傍で降下・上昇を繰り返した場合、ク
ランクシャフトが2回転する間にマイクロコンピュータ
は4回イニシャライズされることになる。更に、電子制
御式燃料噴射装置を構成するマイクロコンピュータは、
内燃機関が始動すると同時に燃料の噴射を開始するよう
に設定されているため、かかるイニシャライズが行われ
た場合、その度に内燃機関が始動したものとして燃料の
噴射を行う。
【0011】このため、始動時に非同期噴射によって燃
料の供給を行う内燃機関にあって何らの処置も講じない
場合は、バッテリ電圧の変動と共にクランクシャフトが
2回転する間に各気筒に4回の燃料噴射が行われること
となる。従って、かかる状況において内燃機関に供給さ
れる燃料の総量を適切な量にするためには、始動時にお
ける燃料噴射量を通常運転時の1/4にする必要があ
る。
【0012】しかしながら、バッテリ電圧の変動がマイ
クロコンピュータの作動に影響を与えない場合にまで燃
料噴射量を減量することは、内燃機関の始動性を不当に
悪化させることとなり好ましい状態とはいえない。
【0013】そこで、上記公報記載の装置はこれらの事
情に鑑み、マイクロコンピュータがイニシャライズされ
た際には、適当に減量設定された燃料を噴射し、バッテ
リ電圧が十分に確保されていることが検出された場合は
その設定量を増量している。従って、内燃機関の始動時
にマイクロコンピュータがダウンを繰り返す場合には適
当な量の燃料が分割により供給され、マイクロコンピュ
ータがダウンしない場合には適当な量の燃料が所定のタ
イミングで非同期噴射されることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うに燃料の非同期噴射は、同期噴射に比べて空燃比制御
の精度の点で劣っている。また、始動時に非同期噴射を
行った場合は、その後同期噴射による通常運転に移行す
る必要があり、非同期噴射による全気筒へ向けての燃料
供給直後に同期噴射による個別の燃料噴射が行われる気
筒では燃料が過剰となり、そうでない気筒では燃料が過
少となる。
【0015】つまり、非同期噴射により内燃機関を始動
する場合は、始動時における空燃比制御があいまいにな
ると共に、燃料噴射方式が切り換わる際には、各気筒に
供給される混合気の空燃比が大幅に理論空燃比から外れ
ることとなり、著しく排気エミッションが悪化する。
【0016】しかし、上記従来の装置は、内燃機関の始
動時において常に非同期噴射を行う構成である。従っ
て、例えば内燃機関が十分に暖まった状態で始動される
場合では、同期噴射で十分良好な始動性が確保できるに
もかかわらず非同期噴射による始動が行われ、不当に排
気エミッションが悪化されてしまうという問題を有して
いた。
【0017】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、内燃機関の状態を監視してその始動性を推定し、
始動性を高める必要がある場合には非同期噴射によっ
て、また始動性を高める必要がない場合は同期噴射によ
って内燃機関の始動時の燃料噴射を行うことにより上記
の課題を解決し得る始動時燃料噴射装置を提供すること
を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成し得る始動時燃料噴射手段の原理構成図を示す。同図
において、燃料噴射手段1は、同期噴射設定手段2で設
定された燃料噴射パターンと、非同期噴射設定手段3で
設定された燃料噴射パターンとを適宜切り換えて内燃機
関に燃料噴射を行う。
【0019】同期噴射設定手段2は、内燃機関の回転と
同期して、各気筒に対して常に同じクランク角で燃料を
噴射すべく燃料の同期噴射パターンを設定する。また、
非同期噴射設定手段3は、内燃機関の回転に同期せず、
クランク角とは無関係に全気筒に対して同時に燃料を噴
射すべく燃料の非同期噴射パターンを設定する。
【0020】始動性推定手段4は、内燃機関の始動性を
推定して、その推定結果を噴射方式選択手段5に供給す
る。噴射方式選択手段5は、始動性推定手段4により推
定された内燃機関の始動性が所定水準より悪い場合にだ
け、始動時の燃料噴射を非同期噴射設定手段3設定され
た噴射パターンで行うべく燃料噴射手段1の噴射方式を
切り換える。
【0021】
【作用】本発明に係る始動時燃料噴射装置において、内
燃機関が始動しにくい状態である場合、前記始動性推定
手段4の推定結果に基づいて、前記噴射方式選択手段5
は非同期噴射方式を選択する。このため、かかる場合に
は内燃機関の始動と共に、クランク角と無関係に前記燃
料噴射手段1から全気筒に対して燃料噴射が行われる。
この結果、内燃機関の始動直後から何れかの気筒が初爆
可能な状態となり、早期の始動が可能となる。
【0022】一方、内燃機関が始動し易い状態にある場
合は、前記始動性推定手段4の推定結果に基づいて前記
噴射方式選択手段5は、同期噴射方式を選択する。この
ため、内燃機関が始動された後クランク角の位置、すな
わち各気筒の状態が検出できるまでの間は、前記燃料噴
射手段1から内燃機関に向けて燃料が噴射されることは
なく、始動直後においてはいずれの気筒においても初爆
を得ることができない。
【0023】この反面、かかる場合には、内燃機関の始
動時に前記燃料噴射手段1から噴射された燃料は忠実に
内燃機関の各気筒に吸入されると共に、以後燃料噴射方
式を切り換える必要がない。この結果、内燃機関に供給
される混合気の空燃比を一貫して高精度に制御すること
が可能となる。
【0024】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である始動時燃料
噴射装置を備える内燃機関10及びその周辺装置の構成
を表す全体図を示す。尚、本実施例においては、4サイ
クル4気筒式の内燃機関を例に挙げて説明する。
【0025】同図中、吸気温センサ11は図示されない
エアクリーナの下流側に配設され、吸入空気の温度を検
出して吸気温信号を出力するセンサである。吸気温セン
サ11の下流には、運転者のアクセル操作に連動して開
閉するスロットルバルブ12の開度を検出するスロット
ルセンサ13が取り付けられている。
【0026】スロットルバルブ12の下流側には、サー
ジタンク14が設けられ、サージタンク14にはその内
圧を検出して吸気間圧力振動を出力する圧力センサ15
が取り付けられている。このサージタンク14は、イン
テークマニホールド16内を流通する吸入空気圧の脈動
を吸収するために設けられたタンクであり、その内圧は
インテークマニホールド16を流通する空気量に対応し
た値を示す。
【0027】インテークマニホールド16は、内燃機関
10の各気筒の燃焼室17に連通されている。そして、
これらの各インテークマニホールド16には、各気筒に
対応してインジェクタ9が設置されている。
【0028】また、内燃機関10の燃焼室17は、エキ
ゾーストマニホールド19を介して図示されない触媒コ
ンバータに連通されている。この触媒コンバータは、三
元触媒を充填してなる排気ガス浄化装置であり、内燃機
関10から排出される排気ガス中の未燃成分や酸化物を
浄化して、良好な排気エミッションの確保を可能ならし
めるために設置されるものである。
【0029】ところでこの三元触媒は、内燃機関から排
出される排気ガスが理論空燃比付近に制御されている場
合に、最も有効に排気ガスを浄化することができるとい
う特性を有している。従って、触媒コンバータを用いて
排気ガスの浄化を行う場合は、排気ガスの空燃比を高精
度に制御する必要がある。そこで、従来より空燃比の高
精度な制御が可能であるとして公知である空燃比フィー
ドバック制御を実行するため、エキゾーストマニホール
ド19には排気ガス中の残留酸素濃度を検出して空燃比
信号を出力する酸素センサ20が取り付けられている。
【0030】また、内燃機関10のエンジンブロックに
は、内燃機関10の冷却水温を検出して水温信号を出力
する水温センサ21が取り付けられている。更に、内燃
機関10の燃焼室17には、点火プラグ22の先端が突
出され、点火プラグ22にはディストリビュータ23が
接続されている。
【0031】このディストリビュータ23は、内燃機関
10の各気筒に設置された点火プラグ22に通電すべき
タイミング、すなわち内燃機関10の点火タイミングに
合わせて高電圧を発生するイグナイタ24から、その点
火信号の供給を受けている。そして、内燃機関10のク
ランクシャフト(図示せず)と連動して回動する中心軸
23aの動作に従って、供給された点火信号を各気筒に
分配している。
【0032】ところで、ディストリビュータ23には、
そのハウジング23aに固定されたピックアップと、内
燃機関10のクランクシャフト(図示せず)と連動して
回動する中心軸23bに固定されたシグナルロータとで
それぞれ構成される気筒判別信号25,26が設けられ
ている。これら気筒判別センサ25,26は、720°
CA毎に気筒判別信号(G1 ,G2 信号)を出力するセ
ンサで、G1 信号とG 2 信号とは360°CAだけ位相
がずれて出力されるように構成されている。
【0033】また、図2において符号27は車両に搭載
されたバッテリであり、内燃機関10の始動トルクを確
保するためのスタータモータ28等、車載の電装系に対
して必要な電力の供給を行う。ここでスタータモータ2
8は、内燃機関10が停止した状態からクランクシャフ
トを始動させて内燃機関10を始動させる。従って、ス
タータモータ28が作動する際(クランキング時)に
は、発電機であるオルタネータ(図示せず)は未だ十分
な発電能力を発揮することができない。
【0034】このため、内燃機関10がクランキングさ
れている間は、スタータモータ28はバッテリ27にと
って大きな負荷となり、バッテリ電圧はクランキング時
に一時的に降下する。イグニッションスイッチ(IGス
イッチ)29は、内燃機関10を始動可能な状態とする
スイッチである。従って、IGスイッチ29の出力信号
を監視することにより、内燃機関10が始動中であるか
停止中であるかを判別することが可能である。
【0035】電子制御装置(ECU)30は、本実施例
の要部であり、後述するプログラムを実行することによ
り、前記した燃料噴射手段1,始動性推定手段4及び噴
射方式選択手段5を実現する部材である。以下、その構
成について説明する。
【0036】ECU17は、中央処理装置(CPU)3
1,リードオンリメモリ(ROM)32,ランダムアク
セスメモリ(RAM)33及び入出力ポート(I/O)
34を中心とし、それらを共通バス35を介して接続す
ることで構成している。ここでI/O34は、アナログ
・ディジタル変換器(A/D変換器)や波形整形回路等
を内蔵しており、入力される信号を所望のディジタル信
号に変換してCPU35等に供給している。
【0037】本実施例のI/O34には、上記した吸気
温センサ11,スロットルセンサ13,圧力センサ1
5,酸素センサ20,水温センサ21,気筒判別センサ
25,26等の検出信号,バッテリ27のバッテリ電圧
信号,IGスイッチ29の状態信号等が供給されてい
る。そして、I/O34からは、図示されない駆動回路
を介してインジェクタ9の開閉弁を制御する燃料噴射信
号,イグナイタ24における高電圧発生タイミングを制
御する点火時期信号,スタータモータ28の作動・非作
動を制御する起動信号等が出力される。
【0038】この場合において、内燃機関10を構成す
る各気筒に対応して設置された複数のインジェクタ18
には、I/O34からそれぞれに燃料噴射信号が供給さ
れる。従って、各インジェクタ18は互い他のインジェ
クタ18と独立に燃料の噴射を行うことが可能であり、
燃料の噴射を全気筒同時に行うか、または各気筒順次行
うかはECU30の指示によって任意に設定することが
できる。
【0039】ROM32内には、本発明の特徴となる始
動時噴射方式判別ルーチンのプログラムを始めとして、
前記した同期噴射設定手段2を実現する同期噴射(エミ
ッション優先)ルーチンや前記した非同期噴射設定手段
3を実現する非同期噴射(始動性優先)ルーチンのプロ
グラム、及びそれらのルーチンに必要なマップ等が予め
格納されている。
【0040】以下、これらのルーチン処理の内容に沿っ
て、本実施例装置の動作について詳細に説明する。
【0041】図3は、本実施例装置の要部である始動時
噴射時期方式判別ルーチンの一例のフローチャートを示
す。この処理は、IGスイッチがオフからオンに切り替
わった際に一回だけ実行される処理である。すなわち、
この処理が起動するとステップ100において先ず内燃
機関10が始動時であるか否かをみる。
【0042】そして、前回の処理時においてオフであっ
たIGスイッチ29の状態信号が、今回の処理時におい
てオンとなっている場合には、内燃機関10が始動時で
あるとしてステップ110へ進み、上記以外の場合には
そのまま今回の処理を終了する。本ルーチンは、始動時
における内燃機関10の始動性を基に、噴射方式を選択
する処理であり、内燃機関10が始動時でなければ、実
行する意味がないからである。
【0043】ステップ100において始動時であると判
別された場合は、ステップ110へ進み水温センサ21
の検出値を基に冷却水温を検出する。内燃機関10が始
動し易い状態にあるか否かは、供給される燃料の気化性
や潤滑オイルの粘性等によって決まると共に、これらは
共に温度の関数として捕らえることから、冷却水温を基
に内燃機関の状態が始動性に与える影響の度合いを判断
する趣旨である。
【0044】このようにして冷却水温の検出を行った
ら、次にステップ120においてバッテリ電圧の検出を
行う。スタータモータ28が作動時に発揮するトルク
は、バッテリ27がスタータモータ27に供給し得る電
力に応じた値となり、その値の大小は、内燃機関10の
始動性の良し悪しに大きく影響するからである。
【0045】本実施例においては、内燃機関10の始動
性をこれら冷却水温とバッテリ電圧とで判断することと
しており、これらの検出が終了したらステップ130へ
進み、冷却水温とバッテリ電圧とを基に採用すべき燃料
噴射方式を予め定めたマップを参照して内燃機関10の
始動性を推定する。このようにして、上記ステップ11
0〜130は、前記した始動性推定手段4を実現してい
る。
【0046】この場合において、上記のマップは例えば
図4に示すように設定することができる。尚、図4に示
すマップは、冷却水温が高い場合は比較的バッテリ電圧
が低くても内燃機関10は良好な始動性を示し、冷却水
温低い場合は比較的バッテリ電圧が高くても始動性が悪
い場合があることを表したものである。
【0047】このようにしてマップから内燃機関10の
始動性を推定したら、ステップ140に進み、推定した
始動性に適した燃料の噴射方式を選択する。そして、内
燃機関10の始動性が良好であると推定されている場合
は、始動性に気を留める必要がないことから、ステップ
150へ進んで排気エミッション優先のパターンを選択
して(エミッション優先フラグを立てて)処理を終了す
る。
【0048】一方、内燃機関10が始動し難い状態であ
ることが推定された場合は、始動性を向上させ得る燃料
噴射パターンを選択すべきであることから、ステップ1
60へ進んで始動性優勢パターンのフラグを立てて処理
を終了する。このようにして、上記ステップ140〜1
60は前記した噴射方式選択手段5を実現する。
【0049】尚、本実施例においては、始動性優先フラ
グが立っている場合は、クランク角にかかわらず、全気
筒に設置されたインジェクタ18から同時に燃料噴射を
行う非同期噴射方式を、またエミッション優先フラグが
立っている場合は各気筒に対して決まったクランク角で
順次燃料噴射を行う同期噴射方式を採用して、それぞれ
の実効を図ることとしている。以下、これらの噴射方式
によるそれぞれの効果について説明する。
【0050】図5は、内燃機関10が始動し難い状態で
あることが推定された場合にECU30が実行する非同
期噴射ルーチンの一例のフローチャートを示す。同図に
示すようにこのルーチンが起動すると、先ずステップ2
00において始動性優先フラグが立っているか否かを見
る。
【0051】本ルーチンは、上記図3に示す噴射方式判
別ルーチンにおいて始動性優先フラグが立てられた場合
にのみ実行すべき処理だからである。従って、所定のフ
ラグが立っていなければそのまま今回の処理を終了す
る。そして、そのフラグが立っている場合にだけステッ
プ210へ進む。
【0052】ステップ210では、クランキングの開始
をした後、すなわちスタータモータ28の通電を開始し
た後所定時間が経過したか否かを判別する。実際に燃料
の噴射を開始する前にクランキングが確実に開始された
ことを確認する趣旨であり、本実施例においては20ms
〜30msの時間経過を待つこととしている。
【0053】そして、上記ステップ210において所定
の時間が経過したと判別された場合は、非同期噴射の実
行を開始する(ステップ220,230)。ここで、非
同期噴射とは、図6に示すように内燃機関の♯1〜♯4
気筒に対して同時に燃料を噴射する(同図(B))方式
のことであり、各気筒の状態を判別することなくクラン
キング開始と共に燃料噴射を開始できるという長所を有
している。
【0054】ところで、図6は内燃機関10が♯1気筒
の圧縮工程で停止した場合の始動パターンを示してい
る。同図に示すように、内燃機関が停止する場合、その
動作抵抗のため何れかの気筒が圧縮工程となった位置で
停止する。従って、例えば図6(C)に示す位置で気筒
判別信号G1 ,G2 が発せられると仮定すれば、クラン
キングが開始された後、クランクシャフトが約90°C
A回転した時点でクランク角を認識できることになる。
【0055】また、気筒判別信号G1 ,G2 が図6
(D)に示す時期に発せられるとすると、ECU30は
クランキング開始後、クランクシャフトが約270°C
A回転した時点でG1 信号を基にクランク角を認識でき
ることになる。つまり、本実施例のように2つの気筒判
別信号G1 ,G2 を用いる場合は、内燃機関10がいず
れの気筒の圧縮工程で停止したとしても、クランクシャ
フトが最大270°CA回転すれば、各気筒の工程(図
6(A))を認識することができる。
【0056】また図6(B)に示すように、非同期噴射
の場合はクランク角を認識することなくクランキングの
開始と共に燃料の噴射を開始する。従って、クランキン
グ開始後、クランクシャフトが270°CA回転する
と、いずれかの気筒(図6中、♯4気筒)が必ず吸気工
程を終了した状態となる。従って、クランクシャフトが
450°CA回転した時点では、必ず圧縮工程の終了し
た気筒が存在し、この時点で初爆を得ることができる。
【0057】しかしながら、図6中♯3気筒のように吸
気工程の途中からクランキングが開始される気筒におい
ては、クランキングが開始される時点ですでに空気が燃
焼室17内に供給されているため、その工程で十分な燃
料を吸い込むことはできない。従って、クランキング開
始後270°CAの時点では失火する可能性が強く、こ
の気筒に吸入された燃料は未燃状態のまま排気される漫
然性が高いという特性を有している。
【0058】尚、非同期噴射によって噴射する燃料の量
は、ROM32に格納される他のサブルーチンによって
算出される。本実施例においては図6に示すように、良
好な始動性を確保するため特に、クランキング開始後初
回の噴射量を増量し、以後、予め設定されたマップを冷
却水温や機関回転数等を基に参照して算出された量を噴
射量TAUとしている。
【0059】また、本実施例においては、全気筒に対し
て燃料を同時に噴射しつつ、各気筒に対する燃料噴射時
期の影響を抑制するため、クランキング中に供給すべき
燃料は、2回に分割して噴射する構成としている。従っ
て、図6において♯1及び♯4気筒には、それぞれ吸気
工程と爆発工程にTAU/2づつ、♯2及び♯3気筒に
ついては圧縮工程と排気工程にTAU/2づつ燃料が供
給される。
【0060】これに対して、上記図3に示すルーチンに
おいて内燃機関10が始動し易い状態であると推定され
た場合、ECU30は同期噴射方式による燃料の噴射を
行う。図7は、ECU30が実行する同期噴射ルーチン
の一例のフローチャートを示す。同図に示すようにこの
ルーチンが起動すると、先ずステップ300においてエ
ミッション優先フラグが立っているか否かを見る。
【0061】本ルーチンは、上記図3に示す噴射方式判
別ルーチンにおいてエミッション優先フラグが立てられ
た場合にのみ実行すべき処理だからである。従って、所
定のフラグが立っていなければそのまま今回の処理を終
了する。そして、そのフラグが立っている場合にだけス
テップ310へ進む。
【0062】ステップ310では、何れかの気筒判別信
号が入力されたか否かを判別する。内燃機関の回転と同
期して各気筒に順次燃料を噴射する同期噴射方式におい
ては、クランク角を認識することが前提となるからであ
る。そして、G1 またはG2の気筒判別信号が入力され
たら、気筒判別信号G1 ,G2 に対応する気筒に燃料を
噴射するためステップ320へ進む。
【0063】ステップ320では、その燃料噴射が当該
気筒について初回であるか否かを判別する。初回の燃料
噴射時においては、燃料の気化性が不十分であること等
を考慮して燃料を増量補正する必要があるからである。
【0064】そして、その燃料噴射が当該気筒に対して
始めて行われる場合は、ステップ330へ進み、他のサ
ブルーチンでマップ等を参照して算出されたTAUに所
定の初回増量を加えて所定の気筒に供給する。また、ス
テップ320において初回ではないと判別された場合
は、ステップ340へ進んで算出されたTAUを順次各
気筒に供給して今回の処理を終了する。
【0065】ところで、上記したように2種類の気筒判
別信号G1 ,G2 が用いられている場合は、クランクシ
ャフトが約90°CA、または約270°CA回転する
ことによりクランク角を認識することができる。この場
合、図8(C)に示すように90°CA回転時に認識で
きたとすると、その時点で燃料が対応する気筒(図8
中、♯4気筒)へ向けて噴射される。従って、この場合
は上記した非同期噴射の場合と同様にクランキング開始
後450°CA回転時に初爆が得られる状態が確保され
る。
【0066】一方、図8(E)に示すようにクランク角
を認識できるのが270°CAの時点であるとすると、
その時点で燃料の供給を受けた気筒(図8中、♯2気
筒)が圧縮工程を終了して初爆を得るまでには、クラン
クシャフトが630°CA回転しなければならない。
【0067】このように、燃料噴射を同期噴射により行
う場合は、非同期噴射による場合と異なり、クランキン
グ開始後族座に初爆が得られない場合が生じ、その始動
性の点では明らかに劣ることになる。特に、内燃機関1
0の環境温度が低く、クランキングが数回転しか期待で
きないような状況下では、かかる初爆の遅れは内燃機関
の始動性に重大な影響を与えることとなる。
【0068】更に、そのように環境温度が低い場合は、
クランキング時におけるスタータモータ28の電力消費
に起因してバッテリ電圧がECU30の作動電圧未満に
降下することが考えられるが、かかる場合には気筒判別
信号の入力を繰り返し確認することとなり、著しく始動
性が悪化する。
【0069】一方、内燃機関10が容易に始動できる状
態であれば、初爆の遅れが問題となることがなく、適切
なクランキングの後内燃機関10は良好に始動すること
になる。そして、この場合は、非同期噴射方式による場
合と異なり始動直後に未燃状態の燃料が排気されること
はなく、良好な排気エミッションの確保が可能となる。
【0070】更に、始動時から同期噴射を行っている場
合、内燃機関がアイドリング状態に達した後に燃料の噴
射方式を切り換える必要がなく、その噴射方式の切替え
に伴う空燃比乱れが発生しない。つまり、非同期噴射に
よって内燃機関を始動した場合は、始動直後において全
気筒にTAU/2づつの燃料が供給されていることに起
因して、同期噴射に切り換えた場合、気筒によってはT
AU/2だけ燃料が過剰になったり過少になったりする
場合が生じるのに対して、当初から同期噴射が行われて
いる場合はかかる燃料噴射量のバラツキが生じることが
なく、常に良好な空燃比を維持することができる。
【0071】また、同期噴射により内燃機関を始動する
場合、各気筒で吸気工程が実行される際に燃料を供給す
ることができるため、非同期噴射による場合に比べてイ
ンテークマニホールドに付着する燃料の量を抑制するこ
とができる。この結果、冷間始動時においてインテーク
マニホールド内壁に付着する燃料を補う意味で増量する
燃料を削減することができ、かかる増量補正に伴って多
量に排出されるHCやCO等を削減することができる。
【0072】また、同様の理由から、内燃機関10がア
クセルペダルを踏んだ状態で始動され、始動後にアクセ
ルペダルが戻されるような場合に、非同期噴射の場合は
多量の付着燃料が一気に気化することで空燃比が乱れる
のに対して、同期噴射が行われている場合は空燃比の乱
れが抑制される。
【0073】このように、同期噴射方式により燃料噴射
を行う場合、非同期噴射による場合に比べて始動性は劣
るものの、排気エミッションは画期的に向上することが
できる。そこで、本実施例においては、内燃機関10が
良好に始動できる状態にある場合に限り同期噴射方式に
よる始動を行うこととした。
【0074】この結果、本実施例装置を備える内燃機関
10においては、従来の始動時燃料噴射装置を備える内
燃機関と同等の始動性を確保したまま、排気エミッショ
ンが画期的に向上されることとなる。
【0075】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、内燃機関が
始動し難い状態であれば始動時の燃料噴射方式として非
同期噴射方式が選択されることとなり、従来の始動時燃
料噴射装置と同等の始動性が確保される。そして、内燃
機関が始動し易い状態である場合は、不要に始動性の向
上を図ることなく、始動時の燃料噴射方式として、良好
な排気エミッションの確保に適した同期噴射方式が採用
される。
【0076】従って、本発明に係る始動時燃料噴射装置
は、常に内燃機関を良好に始動できると共に、従来の始
動時燃料噴射装置と比べて始動時に排出される排気ガス
のエミッションを画期的に向上させることができるとい
う特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る始動時燃料噴射装置の原理図であ
る。
【図2】本発明に係る始動時燃料噴射装置の一実施例の
構成を表す全体図である。
【図3】本実施例装置が実行するルーチン処理の一例の
フローチャートである。
【図4】本実施例装置において内燃機関の始動性推定に
用いるマップの一例である。
【図5】本実施例装置が実行する非同期噴射ルーチンの
一例のフローチャートである。
【図6】非同期噴射による燃料噴射パターンを説明する
ためのタイムチャートである。
【図7】本実施例装置が実行する同期噴射ルーチンの一
例のフローチャートである。
【図8】同期噴射による燃料噴射パターンを説明するた
めのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 燃料噴射手段 2 同期噴射設定手段 3 非同期噴射設定手段 4 始動性推定手段 5 噴射方式選択手段 10 内燃機関 21 水温センサ 25,26 気筒判別信号 27 バッテリ 28 スタータモータ 30 電子制御装置(ECU)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転と同期して常に同じクラ
    ンク角で各気筒に燃料を噴射する同期噴射と、前記内燃
    機関の回転に同期せず、クランク角とは無関係に全気筒
    に対して同時に燃料を噴射する非同期噴射とを適宜切り
    換えて燃料噴射を行う燃料噴射手段を備える始動時燃料
    噴射装置において、 前記内燃機関の始動性を推定する始動性推定手段と、 該始動性推定手段により前記内燃機関の始動性が所定水
    準より悪いと推定された場合にだけ、始動時の燃料噴射
    を非同期噴射とする噴射方式選択手段とを備えることを
    特徴とする始動時燃料噴射装置。
JP3546693A 1993-02-24 1993-02-24 始動時燃料噴射装置 Pending JPH06249021A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6810860B2 (en) 2001-11-20 2004-11-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Starting fuel injection control device of internal combustion engine
US7305871B2 (en) 2005-03-24 2007-12-11 Fujitsu Ten Limited Cylinder discriminating device and method thereof, and engine ignition control device and method thereof
JP2012136963A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Mitsubishi Motors Corp 燃料噴射量制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7305871B2 (en) 2005-03-24 2007-12-11 Fujitsu Ten Limited Cylinder discriminating device and method thereof, and engine ignition control device and method thereof
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