JPH0625661A - 赤外可視波長上方変換材料 - Google Patents
赤外可視波長上方変換材料Info
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- JPH0625661A JPH0625661A JP18218892A JP18218892A JPH0625661A JP H0625661 A JPH0625661 A JP H0625661A JP 18218892 A JP18218892 A JP 18218892A JP 18218892 A JP18218892 A JP 18218892A JP H0625661 A JPH0625661 A JP H0625661A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】予備励起を必要とすることなく、しかも波長1.
5μm帯、0.98μm帯、0.8μm帯の赤外光に対して実用的
な変換効率、感度を有する赤外光検出素子に適用可能な
赤外可視波長上方変換材料を提供すること。 【構成】上記目的は、無機材料からなる赤外可視波長上
方変換材料において、少なくともエルビウム(Er)及びヨ
ウ素(I)の2種類の元素あるいはそれらの化合物を含む
ことを特徴とする赤外可視波長上方変換材料とすること
によって達成することができる。
5μm帯、0.98μm帯、0.8μm帯の赤外光に対して実用的
な変換効率、感度を有する赤外光検出素子に適用可能な
赤外可視波長上方変換材料を提供すること。 【構成】上記目的は、無機材料からなる赤外可視波長上
方変換材料において、少なくともエルビウム(Er)及びヨ
ウ素(I)の2種類の元素あるいはそれらの化合物を含む
ことを特徴とする赤外可視波長上方変換材料とすること
によって達成することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外光の照射により可視
域のスペクトル成分を含む再放射光を呈する赤外可視波
長上方変換材料に係り、特に、予備励起が不要でしかも
波長1.5μm帯、0.98μm帯、及び0.8μm帯の赤外光に対
して実用的な変換効率、感度を有する赤外光検出素子に
適用可能な赤外可視波長上方変換材料に関する。
域のスペクトル成分を含む再放射光を呈する赤外可視波
長上方変換材料に係り、特に、予備励起が不要でしかも
波長1.5μm帯、0.98μm帯、及び0.8μm帯の赤外光に対
して実用的な変換効率、感度を有する赤外光検出素子に
適用可能な赤外可視波長上方変換材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、赤外光を検出する素子に対する需
要が高まってきている。用途としては、レーザ、LD 、L
ED 等の発光素子のビーム位置検出やモード形状等のパ
ターン識別、さらには光ファイバーケーブルの破断点の
探索等がある。このような用途に適用可能なシステムと
しては、半導体ホト・ダイオードを用いた光パワーメー
タ等の純電気的なシステムと、ビジコン、イメージイン
テンシファイア、赤外励起蛍光体等を用いた視覚的に検
出可能なシステムとに大別することができる。
要が高まってきている。用途としては、レーザ、LD 、L
ED 等の発光素子のビーム位置検出やモード形状等のパ
ターン識別、さらには光ファイバーケーブルの破断点の
探索等がある。このような用途に適用可能なシステムと
しては、半導体ホト・ダイオードを用いた光パワーメー
タ等の純電気的なシステムと、ビジコン、イメージイン
テンシファイア、赤外励起蛍光体等を用いた視覚的に検
出可能なシステムとに大別することができる。
【0003】ところが、純電気的なシステムは高感度で
はあるが視覚的に検出できないという問題点があり、ま
た、ビジコン、イメージインテンシファイアは感度的に
も不十分であり、また、価格が高いという欠点がある。
そのため、視覚的に検出可能で変換効率、感度が比較的
高く、安価な赤外励起蛍光体等の赤外可視波長上方変換
材料を用いたシステムが有望視されている。
はあるが視覚的に検出できないという問題点があり、ま
た、ビジコン、イメージインテンシファイアは感度的に
も不十分であり、また、価格が高いという欠点がある。
そのため、視覚的に検出可能で変換効率、感度が比較的
高く、安価な赤外励起蛍光体等の赤外可視波長上方変換
材料を用いたシステムが有望視されている。
【0004】蛍光体は適宜の励起源によって励起され
る。励起された蛍光体から再放射される光には、その蛍
光体の種類によって種々の分光分布を持たせることがで
きる。従って、蛍光体は適宜の励起源と組み合わせるこ
とによって種々の応用分野に適用することができる。こ
のような蛍光体の中でも赤外励起蛍光体と呼ばれる材料
は赤外光を可視光に波長上方変換する蛍光体として知ら
れている。このように赤外光を光子エネルギーの格段に
大きな可視光に反ストークス的に波長変換するために
は、材料の特性と励起波長との関係を巧みに選択する必
要がある。
る。励起された蛍光体から再放射される光には、その蛍
光体の種類によって種々の分光分布を持たせることがで
きる。従って、蛍光体は適宜の励起源と組み合わせるこ
とによって種々の応用分野に適用することができる。こ
のような蛍光体の中でも赤外励起蛍光体と呼ばれる材料
は赤外光を可視光に波長上方変換する蛍光体として知ら
れている。このように赤外光を光子エネルギーの格段に
大きな可視光に反ストークス的に波長変換するために
は、材料の特性と励起波長との関係を巧みに選択する必
要がある。
【0005】従来の赤外可視波長上方変換材料として
は、QUANTEX 社の IR センサカードが良く知られてい
る。この IR センサカードは、これに赤外光が照射され
ると蛍光体の材料によって例えば赤色、青緑色等に発光
する。これらのセンサでは赤外光照射の前に(室内光で
も可能であるが)予備励起をする必要があり、この予備
励起のプロセスを経て初めて赤外光励起が可能になる。
ところが、この赤外光検出素子に赤外光を連続して照射
すると、可逆的ではあるが、変換効率が経時的に変化
し、可視光発光強度が徐々に低下するという問題を生じ
る。
は、QUANTEX 社の IR センサカードが良く知られてい
る。この IR センサカードは、これに赤外光が照射され
ると蛍光体の材料によって例えば赤色、青緑色等に発光
する。これらのセンサでは赤外光照射の前に(室内光で
も可能であるが)予備励起をする必要があり、この予備
励起のプロセスを経て初めて赤外光励起が可能になる。
ところが、この赤外光検出素子に赤外光を連続して照射
すると、可逆的ではあるが、変換効率が経時的に変化
し、可視光発光強度が徐々に低下するという問題を生じ
る。
【0006】一方、予備励起を必要としない赤外可視波
長上方変換材料も報告されている。その代表的な例とし
ては、YF3:Er,Yb、Y3OCl7:Er,Yb (H.Kuroda et al. J.P
hys.Soc.Jpn., Vol.33, No.1,1972,pp.125‐141)、NaLn
F4:Er,Yb(Ln:Y,Gd,La) (T.Kano et al. J.Electrochem.
Soc.,Vol.119, No.11,1972,pp.1561‐1564)、BaY2F8:E
r,Yb (Y.Mita et al. Appl.Phys.Lett.,Vol.23, No.4,1
973,pp.173‐175)、(PbF2‐GeO2):Er,Yb、(PbF2‐Ge
O2):Tm,Yb (F.Auzel et al.,J.Electrochem.Soc.,Vol.1
22, No.1,1975,pp.101‐107)等を挙げることができる。
これらの材料は量子計数作用すなわち希土類イオン(主
にEr3+イオン)の多光子励起を利用するものである。し
かし、これらの材料の赤外光に対する変換効率、感度は
低いものであった。
長上方変換材料も報告されている。その代表的な例とし
ては、YF3:Er,Yb、Y3OCl7:Er,Yb (H.Kuroda et al. J.P
hys.Soc.Jpn., Vol.33, No.1,1972,pp.125‐141)、NaLn
F4:Er,Yb(Ln:Y,Gd,La) (T.Kano et al. J.Electrochem.
Soc.,Vol.119, No.11,1972,pp.1561‐1564)、BaY2F8:E
r,Yb (Y.Mita et al. Appl.Phys.Lett.,Vol.23, No.4,1
973,pp.173‐175)、(PbF2‐GeO2):Er,Yb、(PbF2‐Ge
O2):Tm,Yb (F.Auzel et al.,J.Electrochem.Soc.,Vol.1
22, No.1,1975,pp.101‐107)等を挙げることができる。
これらの材料は量子計数作用すなわち希土類イオン(主
にEr3+イオン)の多光子励起を利用するものである。し
かし、これらの材料の赤外光に対する変換効率、感度は
低いものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来技術においては、赤外光照射の前に予備励起を必要と
すること、赤外光を連続照射すると可視光発光強度が徐
々に低下すること、また、予備励起を必要としないもの
では変換効率、感度が低いことなどの問題点があった。
来技術においては、赤外光照射の前に予備励起を必要と
すること、赤外光を連続照射すると可視光発光強度が徐
々に低下すること、また、予備励起を必要としないもの
では変換効率、感度が低いことなどの問題点があった。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の有してい
た課題を解決して、予備励起を必要とすることなく、し
かも波長1.5μm帯、0.98μm帯、0.8μm帯の赤外光に対
して実用的な変換効率、感度を有する赤外光検出素子に
適用可能な赤外可視波長上方変換材料を提供することに
ある。
た課題を解決して、予備励起を必要とすることなく、し
かも波長1.5μm帯、0.98μm帯、0.8μm帯の赤外光に対
して実用的な変換効率、感度を有する赤外光検出素子に
適用可能な赤外可視波長上方変換材料を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、無機材料か
らなる赤外可視波長上方変換材料において、少なくとも
エルビウム(Er)及びヨウ素(I)の2種類の元素あるいは
それらの化合物を含むことを特徴とする赤外可視波長上
方変換材料とすることによって達成することができる。
らなる赤外可視波長上方変換材料において、少なくとも
エルビウム(Er)及びヨウ素(I)の2種類の元素あるいは
それらの化合物を含むことを特徴とする赤外可視波長上
方変換材料とすることによって達成することができる。
【0010】
【作用】固体中における希土類イオンの発光特性は、希
土類イオン自身の濃度と希土類イオンを取り囲む母体と
に強く依存する。希土類イオンの多光子励起を利用する
母体材料として、従来はフッ化物、フッ化物と酸化物の
混合物、塩化物と酸化物の混合物が用いられていた。本
発明では、酸素、フッ素を含まないで、しかも希土類活
性イオン(Er3+)を大量にかつ均一に収容する新しい母体
を見出すことによって、従来のものよりも変換効率の高
い赤外可視波長上方変換材料が得られたものである。す
なわち、本発明の赤外可視波長上方変換材料は、発光中
心の役割を果す添加物質として少なくとも Er 、あるい
はそのヨウ化物を含み、母体材料としては少なくとも Y
と Cs と K の内の何れかまたは複数または全部のヨウ
化物、あるいはそれらの非酸化物を含むことを特徴とす
るものである。
土類イオン自身の濃度と希土類イオンを取り囲む母体と
に強く依存する。希土類イオンの多光子励起を利用する
母体材料として、従来はフッ化物、フッ化物と酸化物の
混合物、塩化物と酸化物の混合物が用いられていた。本
発明では、酸素、フッ素を含まないで、しかも希土類活
性イオン(Er3+)を大量にかつ均一に収容する新しい母体
を見出すことによって、従来のものよりも変換効率の高
い赤外可視波長上方変換材料が得られたものである。す
なわち、本発明の赤外可視波長上方変換材料は、発光中
心の役割を果す添加物質として少なくとも Er 、あるい
はそのヨウ化物を含み、母体材料としては少なくとも Y
と Cs と K の内の何れかまたは複数または全部のヨウ
化物、あるいはそれらの非酸化物を含むことを特徴とす
るものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明赤外可視波長上方変換材料につ
いて実施例によって具体的に説明する。
いて実施例によって具体的に説明する。
【0012】
【実施例1】本実施例は ErI3と YBr3と CsI とを 30 :
20 : 50 mol%の割合で含む赤外可視波長上方変換材料
の場合の例である。
20 : 50 mol%の割合で含む赤外可視波長上方変換材料
の場合の例である。
【0013】上記材料の作製手順は下記の通りである。
すなわち、まず、市販の粉末試薬 ErI3、 YBr3及び CsI
(何れも3N以上)を所定の組成に秤量した後、乳鉢で
粉砕すると同時に撹拌混合する。次に、この混合原料粉
末をグラッシーカーボン(glassy carbon)ルツボに入
れ、このルツボを650℃に保った電気炉に入れた後、電
気炉の温度を昇温させる。焼成温度は950℃とし、1時
間程度保持して原料を十分に反応させた後、5℃/分程
度の速度で徐々に降温させる。炉温が約650℃に到達し
た後試料を取り出して、作製を完了する。なお、焼成時
の炉内には常に N2 ガスあるいは Ar ガス等を流し、酸
素や水分の混入を防ぐ雰囲気とする。また、酸素や水分
との接触による原料の酸化を防止するため、試料の秤量
から調合、溶融、焼結までのすべての操作は N2 ガスあ
るいは Ar ガス中で行う。なお、使用するルツボとして
は、グラッシーカーボンの他に、石英、白金、金等のル
ツボを用いることができる。
すなわち、まず、市販の粉末試薬 ErI3、 YBr3及び CsI
(何れも3N以上)を所定の組成に秤量した後、乳鉢で
粉砕すると同時に撹拌混合する。次に、この混合原料粉
末をグラッシーカーボン(glassy carbon)ルツボに入
れ、このルツボを650℃に保った電気炉に入れた後、電
気炉の温度を昇温させる。焼成温度は950℃とし、1時
間程度保持して原料を十分に反応させた後、5℃/分程
度の速度で徐々に降温させる。炉温が約650℃に到達し
た後試料を取り出して、作製を完了する。なお、焼成時
の炉内には常に N2 ガスあるいは Ar ガス等を流し、酸
素や水分の混入を防ぐ雰囲気とする。また、酸素や水分
との接触による原料の酸化を防止するため、試料の秤量
から調合、溶融、焼結までのすべての操作は N2 ガスあ
るいは Ar ガス中で行う。なお、使用するルツボとして
は、グラッシーカーボンの他に、石英、白金、金等のル
ツボを用いることができる。
【0014】このようにして作製した赤外可視波長上方
変換材料を波長1.5μm帯の LD 光(5mW)で励起したとき
の発光スペクトルを図1に示す。発光ピーク波長は405
〜415nm、520〜550nm、650〜670nm、790〜830nmであ
る。このうち、520〜550nmの発光強度が最も強く、肉眼
では緑色として認識される。一方、市販品(トーキン
(株)製 IR Catcher‐MarkII)に用いられている赤外可視
波長上方変換材料(Er3+含有フッ化物)に同様に波長1.5
μm帯の LD 光を照射したときの発光スペクトルを図2
に示す。図2は図1に比べて縦軸を5倍に拡大してある
が、図1と図2の発光スペクトルを比較して、図1に示
す発光スペクトルで、405〜415nm、520〜550nmの発光ピ
ーク強度が増加し、650〜670nmの発光ピーク強度が若干
減少していることがわかる。これらの発光ピークの内、
人間が目視で明るいと感じる強さ(視感度)は波長555nm
における100に対して、520〜550nmでは約97.5、650〜67
0nmでは約6.5である。このことは、650〜670nmに比べて
520〜550nmでは人間の眼は15倍も高感度であることを意
味しており、単純に考えれば、520〜550nmの発光ピーク
強度が2倍に強くなった場合には650〜670nmの発光ピー
ク強度が1/30に低下しても同様の明るさと認識されるこ
とになる。従って、520〜550nmにおける発光ピーク強度
の増加は650〜670nmにおけるそれの減少を補ってなお余
りある。この結果から本実施例の赤外可視波長上方変換
材料は1.5μm帯から可視域への波長上方変換における変
換効率を従来材料と比べて著しく増大できることがわか
る。
変換材料を波長1.5μm帯の LD 光(5mW)で励起したとき
の発光スペクトルを図1に示す。発光ピーク波長は405
〜415nm、520〜550nm、650〜670nm、790〜830nmであ
る。このうち、520〜550nmの発光強度が最も強く、肉眼
では緑色として認識される。一方、市販品(トーキン
(株)製 IR Catcher‐MarkII)に用いられている赤外可視
波長上方変換材料(Er3+含有フッ化物)に同様に波長1.5
μm帯の LD 光を照射したときの発光スペクトルを図2
に示す。図2は図1に比べて縦軸を5倍に拡大してある
が、図1と図2の発光スペクトルを比較して、図1に示
す発光スペクトルで、405〜415nm、520〜550nmの発光ピ
ーク強度が増加し、650〜670nmの発光ピーク強度が若干
減少していることがわかる。これらの発光ピークの内、
人間が目視で明るいと感じる強さ(視感度)は波長555nm
における100に対して、520〜550nmでは約97.5、650〜67
0nmでは約6.5である。このことは、650〜670nmに比べて
520〜550nmでは人間の眼は15倍も高感度であることを意
味しており、単純に考えれば、520〜550nmの発光ピーク
強度が2倍に強くなった場合には650〜670nmの発光ピー
ク強度が1/30に低下しても同様の明るさと認識されるこ
とになる。従って、520〜550nmにおける発光ピーク強度
の増加は650〜670nmにおけるそれの減少を補ってなお余
りある。この結果から本実施例の赤外可視波長上方変換
材料は1.5μm帯から可視域への波長上方変換における変
換効率を従来材料と比べて著しく増大できることがわか
る。
【0015】図3はEr3+イオンの 4f 電子のエネルギー
準位を示した図で、図1及び図2の発光スペクトルにお
ける410nm、522nm、545nm、660nm及び800nmの各ピーク
は、それぞれ、Er3+イオンの 4f 電子の励起準位から基
底準位への輻射遷移、2H9/2→ 4I15/2、2H11/2→ 4I
15/2、4S3/2→ 4I15/2、4F9/2→ 4I15/2及び 4I9/2→4I
15/2による発光である。図1の発光スペクトルにおける
520〜550nmのピーク強度は図2の同ピーク強度に対して
約15倍程度に増大している。
準位を示した図で、図1及び図2の発光スペクトルにお
ける410nm、522nm、545nm、660nm及び800nmの各ピーク
は、それぞれ、Er3+イオンの 4f 電子の励起準位から基
底準位への輻射遷移、2H9/2→ 4I15/2、2H11/2→ 4I
15/2、4S3/2→ 4I15/2、4F9/2→ 4I15/2及び 4I9/2→4I
15/2による発光である。図1の発光スペクトルにおける
520〜550nmのピーク強度は図2の同ピーク強度に対して
約15倍程度に増大している。
【0016】1.5μm帯の赤外光照射による545nm発光過
程として考えられているメカニズムの一例を次に記す。
図3において、1.5μmの赤外光照射により、Er3+イオン
の 4f 電子の基底準位(4I15/2)から励起準位(4I13/2)へ
の遷移と、励起準位から基底準位への遷移(4I13/2→4I
15/2)が生じる。この時の遷移エネルギーが非輻射で他
の Er3+イオンに伝達され、Er3+イオンの励起準位(4I
13/2)から更に上の励起準位(4I9/2)に二段階励起され
る。そして、同様のエネルギー伝達により Er3+イオン
の励起準位(4I9/2)から更に上の励起準位(2H11/2)に三
段階励起される。そして、Er3+イオンの励起準位(2H
11/2)から非輻射で直下の準位(4S3/2)に緩和し、その準
位から基底準位への遷移(4S3/2→4I15/2)が545nmの発光
となる。
程として考えられているメカニズムの一例を次に記す。
図3において、1.5μmの赤外光照射により、Er3+イオン
の 4f 電子の基底準位(4I15/2)から励起準位(4I13/2)へ
の遷移と、励起準位から基底準位への遷移(4I13/2→4I
15/2)が生じる。この時の遷移エネルギーが非輻射で他
の Er3+イオンに伝達され、Er3+イオンの励起準位(4I
13/2)から更に上の励起準位(4I9/2)に二段階励起され
る。そして、同様のエネルギー伝達により Er3+イオン
の励起準位(4I9/2)から更に上の励起準位(2H11/2)に三
段階励起される。そして、Er3+イオンの励起準位(2H
11/2)から非輻射で直下の準位(4S3/2)に緩和し、その準
位から基底準位への遷移(4S3/2→4I15/2)が545nmの発光
となる。
【0017】本発明で導入したヨウ化物系材料は、従来
用いられていた酸化物やフッ化物系材料と比較して陽イ
オンと陰イオン(IまたはBr)との化学結合がかなり弱
く、そのため母体のフォノンエネルギーが非常に小さ
い。従って、励起された発光始準位から直下の準位への
非輻射遷移が起き難くなり、励起準位での寿命が長くな
ったため、従来材料と比べて545nmの緑色発光が強くな
ったものと考えられる。この観点から、従来の酸化物は
勿論のこと、フッ化物系材料よりも本発明材料の発光効
率が大きく上がったことが理解できる。
用いられていた酸化物やフッ化物系材料と比較して陽イ
オンと陰イオン(IまたはBr)との化学結合がかなり弱
く、そのため母体のフォノンエネルギーが非常に小さ
い。従って、励起された発光始準位から直下の準位への
非輻射遷移が起き難くなり、励起準位での寿命が長くな
ったため、従来材料と比べて545nmの緑色発光が強くな
ったものと考えられる。この観点から、従来の酸化物は
勿論のこと、フッ化物系材料よりも本発明材料の発光効
率が大きく上がったことが理解できる。
【0018】また、本実施例では材料作製を固相反応ま
たは液相反応で行った場合の例を示したが、真空蒸着
法、スパッタ蒸着法、化学的気相成長(CVD)法等の気相
反応により作製した場合にも同様の効果が得られる。
たは液相反応で行った場合の例を示したが、真空蒸着
法、スパッタ蒸着法、化学的気相成長(CVD)法等の気相
反応により作製した場合にも同様の効果が得られる。
【0019】
【実施例2】本実施例は、材料組成を ErI3:YI3:CsI
= 50:30:20 mol%とした場合の例である。
= 50:30:20 mol%とした場合の例である。
【0020】試料の作製は実施例1の場合と同様にして
行った。
行った。
【0021】得られた試料について1.5μmの LD 光(5m
W)で励起したときの発光スペクトルを図4に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図4の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対してそれぞれ約1.5倍、
2倍程度に増大している。
W)で励起したときの発光スペクトルを図4に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図4の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対してそれぞれ約1.5倍、
2倍程度に増大している。
【0022】
【実施例3】本実施例は、材料組成を ErI3:YI3 = 2
0:80 mol%とした場合の例である。
0:80 mol%とした場合の例である。
【0023】試料の作製は実施例1の場合と同様にして
行った。
行った。
【0024】得られた試料について1.5μmの LD 光(5m
W)で励起したときの発光スペクトルを図5に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図5の発
光スペクトルにおける520〜550nmのピーク強度は図2の
同ピーク強度に対して約2倍程度に増大している。
W)で励起したときの発光スペクトルを図5に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図5の発
光スペクトルにおける520〜550nmのピーク強度は図2の
同ピーク強度に対して約2倍程度に増大している。
【0025】
【実施例4】本実施例は、材料組成を ErI3:YI3:KBr
= 30:30:40 mol%とした場合の例である。
= 30:30:40 mol%とした場合の例である。
【0026】試料の作製は実施例1の場合と同様にして
行った。
行った。
【0027】得られた試料について1.5μmの LD 光(5m
W)で励起したときの発光スペクトルを図6に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図6の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対して約2倍程度に増大し
ている。
W)で励起したときの発光スペクトルを図6に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図6の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対して約2倍程度に増大し
ている。
【0028】
【実施例5】本実施例は、材料組成を ErI3:YI3:CsI
= 30:30:40 mol%とした場合の例である。
= 30:30:40 mol%とした場合の例である。
【0029】試料の作製は実施例1の場合と同様にして
行った。
行った。
【0030】得られた試料について1.5μmの LD 光(5m
W)で励起したときの発光スペクトルを図7に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図7の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対して約4倍程度に増大し
ている。
W)で励起したときの発光スペクトルを図7に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図7の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対して約4倍程度に増大し
ている。
【0031】
【実施例6】本実施例は、材料組成を ErI3:YI3 = 4
0:60 mol%とした場合の例である。
0:60 mol%とした場合の例である。
【0032】試料の作製は実施例1の場合と同様にして
行った。
行った。
【0033】得られた試料について1.5μmの LD 光(5m
W)で励起したときの発光スペクトルを図8に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図8の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対してそれぞれ約4倍、3.
5倍程度に増大している。
W)で励起したときの発光スペクトルを図8に示す。この
場合も実施例1の場合と同様の効果が得られ、図8の発
光スペクトルにおける520〜550nm、650〜670nmのピーク
強度は図2の同ピーク強度に対してそれぞれ約4倍、3.
5倍程度に増大している。
【0034】
【実施例7】上記実施例の原材料として用いた ErI3 を
1.5μmの LD 光(5mW)で励起したときの発光スペクトル
を図9に示す。この場合も実施例1の場合と同様の効果
が得られ、図9の発光スペクトルにおける520〜550nm、
650〜670nmのピーク強度は図2のピーク強度に対してそ
れぞれ約2.5倍程度に増大している。
1.5μmの LD 光(5mW)で励起したときの発光スペクトル
を図9に示す。この場合も実施例1の場合と同様の効果
が得られ、図9の発光スペクトルにおける520〜550nm、
650〜670nmのピーク強度は図2のピーク強度に対してそ
れぞれ約2.5倍程度に増大している。
【0035】
【発明の効果】以上述べてきたように、赤外可視波長上
方変換材料を本発明構成の材料とすることによって、従
来技術の有していた課題を解決して、予備励起を必要と
することなく、しかも波長1.5μm帯、0.98μm帯、0.8μ
m帯の赤外光に対して実用的な変換効率、感度を有する
赤外光検出素子に適用可能な赤外可視波長上方変換材料
を提供することができた。
方変換材料を本発明構成の材料とすることによって、従
来技術の有していた課題を解決して、予備励起を必要と
することなく、しかも波長1.5μm帯、0.98μm帯、0.8μ
m帯の赤外光に対して実用的な変換効率、感度を有する
赤外光検出素子に適用可能な赤外可視波長上方変換材料
を提供することができた。
【0036】また、本発明の材料は、赤外光の照射を連
続的に行っていても照射光から可視光への波長変換効率
及び可視光発光強度が長期にわたって安定であるという
利点もある。
続的に行っていても照射光から可視光への波長変換効率
及び可視光発光強度が長期にわたって安定であるという
利点もある。
【図1】実施例1の本発明赤外可視波長上方変換材料を
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
【図2】市販品(トーキン(株)製、IR Catcher‐MarkII)
に用いられている赤外可視波長上方変換材料に波長1.5
μm帯の LD 光を照射したときに得られた発光スペクト
ル。
に用いられている赤外可視波長上方変換材料に波長1.5
μm帯の LD 光を照射したときに得られた発光スペクト
ル。
【図3】図1に示した発光スペクトルを再放射光として
呈する赤外可視波長上方変換材料を波長1.5μm帯の LD
光により励起したときの発光過程を示す Er3+イオンの4
f 電子のエネルギー準位を示す図。
呈する赤外可視波長上方変換材料を波長1.5μm帯の LD
光により励起したときの発光過程を示す Er3+イオンの4
f 電子のエネルギー準位を示す図。
【図4】実施例2の本発明赤外可視波長上方変換材料を
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
【図5】実施例3の本発明赤外可視波長上方変換材料を
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
【図6】実施例4の本発明赤外可視波長上方変換材料を
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
【図7】実施例5の本発明赤外可視波長上方変換材料を
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
【図8】実施例6の本発明赤外可視波長上方変換材料を
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
【図9】実施例7の本発明赤外可視波長上方変換材料を
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
波長1.5μm帯の LD 光によって励起したときに得られた
発光スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋川 篤 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 沢登 成人 東京都千代田区神田須田町1丁目28番地 株式会社住田光学ガラス内 (72)発明者 永濱 忍 東京都千代田区神田須田町1丁目28番地 株式会社住田光学ガラス内
Claims (2)
- 【請求項1】無機材料からなる赤外可視波長上方変換材
料において、少なくともエルビウム(Er)及びヨウ素(I)
の2種類の元素あるいはそれらの化合物を含むことを特
徴とする赤外可視波長上方変換材料。 - 【請求項2】上記材料がさらにイットリウム(Y)または
セシウム(Cs)またはカリウム(K))の何れかの元素あるい
は上記それぞれの酸化物を除く何れかの化合物を含むこ
とを特徴とする請求項1記載の赤外可視波長上方変換材
料。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18218892A JPH0625661A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 赤外可視波長上方変換材料 |
| CA 2095666 CA2095666A1 (en) | 1992-05-08 | 1993-05-06 | Infrared-to-visible up-conversion material |
| EP19930303566 EP0569257B1 (en) | 1992-05-08 | 1993-05-07 | Infrared-to-visible up-conversion material, and infrared light identification elements comprising same |
| DE1993632056 DE69332056T2 (de) | 1992-05-08 | 1993-05-07 | Infrarot/sichtbar-aufwärts-Umwandlungsmaterial und Infrarotlicht-Erkennungselementen diese enthaltende |
| US08/329,683 US5541012A (en) | 1992-05-08 | 1994-10-26 | Infrared-to-visible up-conversion material |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18218892A JPH0625661A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 赤外可視波長上方変換材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0625661A true JPH0625661A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16113881
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18218892A Pending JPH0625661A (ja) | 1992-05-08 | 1992-07-09 | 赤外可視波長上方変換材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0625661A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6271309B1 (en) | 1999-07-30 | 2001-08-07 | 3M Innovative Properties Company | Curable compositions comprising the hydrosilation product of olefin-containing polymers and organosiloxane hydrides, cured compositions made therefrom, and methods of making same |
-
1992
- 1992-07-09 JP JP18218892A patent/JPH0625661A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6271309B1 (en) | 1999-07-30 | 2001-08-07 | 3M Innovative Properties Company | Curable compositions comprising the hydrosilation product of olefin-containing polymers and organosiloxane hydrides, cured compositions made therefrom, and methods of making same |
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