JPH06256668A - 硬化性組成物及び水路補修用硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物及び水路補修用硬化性組成物

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JPH06256668A
JPH06256668A JP18673793A JP18673793A JPH06256668A JP H06256668 A JPH06256668 A JP H06256668A JP 18673793 A JP18673793 A JP 18673793A JP 18673793 A JP18673793 A JP 18673793A JP H06256668 A JPH06256668 A JP H06256668A
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cement
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acrylic acid
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低温、高湿度雰囲気下においても、充分な強度
を有する成形体を与え、かつ湿潤面に吹き付けた場合で
も充分な強度で接着する硬化性組成物、及び厚み、温
度、湿度に関係なく施工でき、耐磨耗性、耐汚染性及び
施工性に優れる水路補修用硬化性組成物及び水路補修工
法を提供する。 【構成】○ポリマーディスパージョンと(メタ)アクリ
ル酸塩を固形分重量比で75:25〜10:90の割合
で含有し、かつ水硬性材料をも含有する硬化性組成物及
び水路補修用硬化性組成物。 ○ポリマーディスパージョン、水硬性材料及び(メタ)
アクリル酸塩を、ポリマーディスパージョンと(メタ)
アクリル酸塩が固形分重量比で75:25〜10:90
の割合となるよう混合しながら水路内面に塗布する水路
補修工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性組成物に関する
ものであり、該組成物は、埋設ブロック等の各種コンク
リート成形品、即時脱型現場打設構造物、法面保護材、
ダム越流部の補修材、コンクリートスラブ下部の断面修
復材、道路トンネル、鉄道トンネル等の各種トンネル構
造物の補修や橋梁補修等の各種成形材、充填材又は表面
被覆材等として利用され得るものである。又本発明は、
特にダム導水路、放水路、農工業用水路及び上下水道管
渠等の各種水路内面の補修に非常に有効な水路補修用硬
化性組成物及び水路補修工法に関するものであり、本発
明の組成物及び水路補修工法は、低温、多湿環境下にお
いても、短時間に大面積を補修及び保護することがで
き、土木、建設業界で広く利用され得るものである。
尚、本明細書においては、アクリル酸塩及び/又はメタ
クリル酸塩を(メタ)アクリル酸塩という。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】土木、
建設業界で広く使用されている硬化性組成物は、主にセ
メント、水、砂、砂利と若干の分散剤の混合物であり、
水硬性材料として用いられるセメントの水硬性により、
混合物全体が硬化するものである。硬化性組成物には、
曲げ強さ、接着強さ、不透水性を向上させるために、近
年では各種のポリマーを添加することが増えており、こ
の様な硬化性組成物は、ポリマーセメントコンクリー
ト、ポリマーセメントモルタル等と呼ばれている(以下
ポリマーセメントと称す)。ポリマーセメントで使用さ
れるポリマーは、ポリマーディスパージョン、ポリマー
水溶液、ポリマーの原料である液状モノマー又はモノマ
ーの水溶液、粉末状ポリマー等の種々の形態で添加する
ことができるが、多くの場合、高固形分低粘度液体であ
るポリマーディスパージョンとして添加される。この様
なポリマーセメントは、ポリマーセメント成形品、コン
クリート成形品の被覆材、コンクリート構造物の表面の
保護、コンクリート構造物の劣化部補修材、プレパック
ドコンクリート等といった成形品や新設・補修現場工事
等の種々の用途に使用されている。
【0003】ポリマーセメントは、通常気温10℃以上
の環境で用いられ、数時間で成膜し、約半日で硬化す
る。短時間で硬化させたい場合には凝結促進剤を添加し
たり、急硬性のセメントを用いる。しかし、ポリマーデ
ィスパージョンを添加しただけのポリマーセメントは、
気温が5℃程度の低温で、かつ湿度が90%を超える環
境下では、ポリマーが乾燥しないため成膜せず、又セメ
ントの硬化も低温のため少しずつしか進行せず、上記の
様な環境下において使用することは困難である。又、温
度が高い場合においても、表面に水が浮いてくるほどの
湿った下地や特に下向き面では、下地表面の過剰水分の
ために、ポリマーセメントが全く付着しなかったり、付
着してもその接着強さがわずかとなってしまう問題を有
する。
【0004】一方、低温でも極く短時間で硬化し、強度
と接着力に優れたポリマーセメントとして、アクリル酸
塩類を触媒と共にセメント、骨材に添加して硬化させる
組成物が知られている。しかし、該組成物は、可使時間
が数十秒以内と短い上、薄板成形品にしたり、コンクリ
ートに数mm厚みで塗布した場合、硬化物がポリマーセメ
ントとしての物性を十分発現できない場合があり、低温
環境下で優れた性能を持つ薄層硬化物をつくることは困
難であるといった問題を有する。
【0005】ところで、水路は、そこを流れる水中に混
合している土砂等の不純物や酸性成分等の有害成分又は
水流が高速である場合にはその水流自体によって、その
内壁に損傷を受け、又地盤沈下による管路の損傷等の外
圧によっても損傷を受ける。一般的に、供用中の水路
は、一定期間毎に点検を受け、水路の目的を阻害する損
傷であれば直ちに補修される。水路の表面損傷により、
水が流れにくくなった場合の補修工法としては、急結セ
メントを損傷部に擦り込んで表面を平滑に仕上げたり、
エポキシ樹脂を損傷部に充填する方法がある。特に損傷
が大きい場合には、セメントと砂及び必要に応じセメン
ト系急結剤を添加した吹付けモルタルを、法面やトンネ
ル覆工用の吹付け機で吹き付けたり、鉄板やFRP製パ
ネルやゴム板ををボルトで固定したりしている。水路が
開渠の場合には、ポリマーセメントを塗布する工法もあ
る。
【0006】水路補修における最大の問題は、補修後の
水の通過断面積の確保と補修環境である。即ち、補修後
に通過断面積が著しく縮小すると、必要な通過水量を確
保できなくなるので、厚く補修することは出来ない。又
通常、水路の補修は断水中に行なうが、断水期間が短
く、水路中の水を完全に除去できないことがほとんどで
あるため、多湿環境で短期間に行わなければならず、さ
らに、水量が少なくなる冬期の低温環境下に行われるこ
とがほとんどである。他方、水中の砂等により磨耗する
ことがなく、補修面に藻等が付着して水流を妨げること
のないよう、補修で使用する硬化性組成物の硬化物が、
耐磨耗性及び耐汚染性に優れることも要求される。急結
セメントを擦り込む補修工法は、もとの通路断面積を縮
小することなく表面を平滑に補修出来るが、接着耐久性
に乏しいため応急処置用としてしか使用できず、施工性
も満足なものでなく、さらに硬化物が耐磨耗性及び耐汚
染性に劣る。エポキシ樹脂を使用する補修工法は、エポ
キシ樹脂は非常に硬い硬化膜を与えるが、湿潤面に接着
し難いため、水路内で補修部分をガスバーナーで炙って
乾燥させて塗布しなければならず、作業効率が非常に悪
く、又硬化物は耐汚染性に劣るものである。近年、水中
硬化型のエポキシ樹脂も開発されているが、硬いパテ状
の材料を擦り込まなければならず、この方法も作業効率
が悪い。セメント急結剤を添加した吹付けモルタルを使
用し、モルタル吹付け機で吹き付ける補修工法は、大面
積を短時間で吹き付けることが出来るが、硬化物が耐久
性に乏しいため、工事が大がかりになる割にはすぐに再
補修が必要になるという欠点を有し、又薄く吹き付ける
事が出来ないため、必要量以上にモルタルを吹き付けて
しまい、水路断面積を縮小してしまう欠点も有し、又そ
の硬化物は耐磨耗性及び耐汚染性が充分なものでない。
ポリマーセメントを使用する工法は、湿潤面に接着し難
いため下地の乾燥が必要であり、水路が開渠であり、下
地にヒビ割れがなく、晴天が続くような場合にしか使用
できず、又、一度に厚く塗布することが出来ないため、
欠損部が大きい場合、材料がタレてしまい補修できな
い。又、硬化物は、耐磨耗性には優れるものの、耐汚染
性が充分なものではない。鉄板やFRPパネルをボルト
で固定する方法は、塗布する補修材に比べ表面が非常に
平滑に仕上がり、多少断面積が小さくなっても平滑さが
向上するため、補修後の水量確保の点で優れているが、
予め全ての板を適切な形状に成形しておく必要があり、
かつ水路内への搬入が煩雑であり、更にボルトが定着す
る水路躯体部分が劣化している場合、予めその部分を補
修しておく必要があり水路補修工法としては適していな
い。
【0007】本発明者らは、低温、高湿度雰囲気下にお
いても、充分な強度を有する成形体を与え、かつ湿潤面
に吹き付けた場合でも充分な強度で接着する硬化性組成
物、及び厚み、温度、湿度に関係なく施工でき、耐磨耗
性、耐汚染性及び施工性に優れる水路補修用硬化性組成
物及び水路補修工法を見い出すため鋭意検討を行ったの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するためには、水硬性材料及び特定の重量比のポ
リマーディスパージョンと(メタ)アクリル酸塩からな
る硬化性組成物及び該組成物を使用する工法が有効であ
ることを見出し本発明に到った。即ち、本発明は、ポリ
マーディスパージョンと(メタ)アクリル酸塩を固形分
重量比で75:25〜10:90の割合で含有し、かつ
水硬性材料をも含有することを特徴とする硬化性組成
物、ポリマーディスパージョンと(メタ)アクリル酸塩
を固形分重量比で75:25〜10:90の割合で含有
し、かつ水硬性材料をも含有することを特徴とする水路
補修用硬化性組成物、及びポリマーディスパージョン、
水硬性材料及び(メタ)アクリル酸塩を、ポリマーディ
スパージョンと(メタ)アクリル酸塩が固形分重量比で
75:25〜10:90の割合となるよう混合しながら
水路内面に塗布することを特徴とする水路補修工法に関
するものである。以下本発明を詳細に説明する。
【0009】○ポリマーディスパージョン 本発明で用いられるポリマーディパージョンとしては種
々のものがあるが、各種ポリマー粒子が乳化剤によって
水中に分散している水性エマルションが好ましい。ポリ
マーとしては、アクリル系ポリマー、スチレン−ブタジ
エンゴム系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル系ポリマ
ー、クロロプレン系ポリマー、及びこれらを構成する単
量体或いは他の単量体とのコポリマー等を挙げることが
でき、耐水性に優れる硬化物が得られるためアクリル系
ポリマー、スチレン−ブタジエンゴム系ポリマーを使用
することが好ましい。本発明では、これら以外のポリマ
ーでも十分使用できる。ポリマーディスパージョンのイ
オン性は、主に乳化剤のイオン性で決まる。本発明にお
いては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の何れの
乳化剤も使用できるが、あらかじめ(メタ)アクリル酸
塩と混和して用いる場合には、耐水性に優れた硬化物が
得られるためノニオン系又はカチオン系の乳化剤を使用
することが好ましい。乳化剤の添加量は、ポリマーの固
形分100重量部に対し0.01〜1重量部程度が好ま
しい。アニオン系の乳化剤としては、アルキル燐酸エス
テルのカリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル硫酸エステルのナトリウム塩等が挙げられる。ノニオ
ン系の乳化剤としては、ポリオキシエチレン系、ソルビ
タン脂肪酸エステル系等のいずれも使用することができ
る。ポリオキシエチレン系乳化剤の具体例としては、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェ
ノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル等が挙げられ、ソルビタン脂肪酸エステル系乳化
剤の具体例としては、ソルビタンモノステアレート、ソ
ルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート等
が挙げられる。カチオン系の乳化剤としては、脂肪族ダ
イアミン塩や第4級アンモニウム塩を使用することが好
ましく、具体的にはトリメチルオクタデシルアンモニウ
ムクロライド、トリメチルドデシルアンモニウムクロラ
イド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロライ
ド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ジステアリルアンモニウムクロライド、トリメチル
ステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。ま
たポリマーディスパージョンのpHはアルカリ性より弱
酸性のほうが(メタ)アクリル酸塩との相性がよく、硬
化物物性も向上する。またポリマーディスパージョンを
粉末にした再乳化形のポリマーも使用することができ、
あらかじめセメント、骨材に混和しておくことができる
ので便利である。
【0010】○(メタ)アクリル酸塩 本発明に用いられる(メタ)アクリル酸塩としては、
(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アルミニウム塩が好ましく、より好ましくは(メ
タ)アクリル酸のアルカリ土類金属塩である。具体的に
は、(メタ)アクリル酸のナトリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、ア
ルミニウム塩等が挙げられる。ナトリウム塩を用いる場
合には、3級アミン等の架橋剤を併用することが、硬化
直後の強度が向上するため好ましい。(メタ)アクリル
酸塩は、水溶液又は粉末として用いることができる。水
溶液として使用する場合、(メタ)アクリル酸塩水溶液
の濃度は10重量%以上で用いることが望ましく、上限
としては(メタ)アクリル酸塩が水溶液から析出しない
程度、すなわち飽和に近い濃度のものまで使用可能であ
る。(メタ)アクリル酸塩水溶液の濃度が10重量%に
満たない場合は、所要の(メタ)アクリル酸塩を使用し
ようとすると、本発明の組成物における水の量が過剰に
なり、硬化物の強度を低下させる恐れがある。粉末とし
て用いる場合、セメント、骨材等とあらかじめ混合して
おき、後でポリマーディスパージョンと混和して硬化さ
せることが好ましいが、(メタ)アクリル酸塩とポリマ
ーディスパージョンの固形分比率の管理に留意する必要
がある。すなわち、本発明の組成物は、ポリマーディス
パージョンと(メタ)アクリル酸塩を固形分重量比で7
5:25〜10:90の割合で含有している必要があ
り、好ましくは70:20〜40:60である。ポリマ
ーディスパージョンと(メタ)アクリル酸塩が固形分重
量比が75:25〜10:90を外れる場合は、本発明
の組成物を吹き付ける場合、硬化物と基材に充分な接着
強度が得られない。又、ポリマーディスパージョンと
(メタ)アクリル酸塩の固形分の総和は、水硬性材料に
対し3〜150重量%の範囲で用いることが好ましく、
より好ましくは5〜100重量%である。3重量%に満
たない場合は、硬化物の強度が低く、他方150重量%
を越える場合は、樹脂量が多くなり過ぎて硬化物の強度
が低下してしまい、好ましくない。
【0011】○触媒 本発明で用いられる(メタ)アクリル酸塩は、セメント
と反応して不溶性物質となるが、触媒を用いて重合反応
させると、より短時間で水に不溶性のポリマーとなる。
本発明の組成物による硬化物の初期強度を向上させるた
めには、(メタ)アクリル酸塩を十分に反応させること
が望ましく、本発明の組成物に少なくとも1種類以上の
触媒を添加することが好ましい。(メタ)アクリル酸塩
の重合を促進させるための触媒としては、水溶性の酸化
剤を触媒として用いることが好ましく、硬化物の初期強
度をより効果的に向上させるためには、更に触媒として
還元剤を併用したレドックス重合触媒とすることが好ま
しい。酸化剤としては、例えば過炭酸ソーダ,過ほう酸
ソーダ,過酸化ナトリウム,過酸化カルシウム,過酸化
バリウム等の過酸化物,過硫酸アンモニウム,過硫酸カ
リウム,過硫酸ナトリム等の過硫酸塩が賞用される。
尚、アンモニウム塩は多量に用いると臭気が無視できな
くなるので換気が必要である。還元剤としてはジエタノ
ールアミン,トリエタノールアミン,ヒドラジン,ヒド
ロキシルアミン,ジメチルアミノプロピオニトリル,ジ
メチルアミノエタノール,ジメチルアミノプロパノー
ル,ピペラジン,モルホリン等のアミン類,第一鉄塩,
亜硫酸塩,チオ硫酸塩,チオ尿素,エリソルビン酸ナト
リウム,ロンガリット等であり,2種類以上を併用する
こともできる。触媒の配合方法は、ポリマーディスパー
ジョン及び水硬性材料からなる混合物に酸化剤を配合
し、(メタ)アクリル酸塩からなる混合物に還元剤を配
合することが、安定性に優れるため好ましい。酸化剤と
還元剤の組合せや使用量は、使用する(メタ)アクリル
酸塩の種類、濃度及びpHなどにより考慮して選択すれ
ば良いが、好ましい使用量は通常(メタ)アクリル酸塩
に対し0.01〜5重量%の割合である。
【0012】○水硬性材料 本発明で用いられる水硬性材料としては、各種のセメン
ト、無水及び半水石膏、生石灰、亜鉛華やユージノール
等の歯科用セメントを使用することができる。それらの
中でも、セメントが好適であり、例えば、普通ポルトラ
ンドセメントを始め、早強セメント、フライアッシュセ
メント、高炉セメント、アルミナセメント、白色ポルト
ランドセメント、コロイドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメント等が挙げられる。低温多湿環境で用いる場合
には、普通ポルトランドセメント、早強セメント、コロ
イドセメント等を使用することが好ましい。又歯科用セ
メントは特に高強度が求められる場合に使用することが
好ましい。又水硬性材料の硬化調整剤として、各種硫酸
塩、硝酸塩、炭酸塩、ホウ砂又はホウ酸等の無機物、塩
化カルシウム、さらにクエン酸、トリポリリン酸、ピロ
リン酸、酒石酸又はグルコン酸等の有機酸、並びにこれ
らの塩の2種類以上が併用可能である。
【0013】○その他の併用材料 本発明の組成物には増量、補強或いは軽量化のために、
骨材として、硅砂等の砂、フライアッシュ、シリカヒュ
ーム、珪藻土、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ベ
ントナイト、パーライト、蛭石、高炉スラグ、石綿、パ
ルプ、炭素粉等の粉、セルロースポリマー、発泡スチロ
ール等の粉砕粉、ガラス繊維、鉱物繊維、炭素繊維等の
各種繊維質を用いることができる。尚、本発明の組成物
における望ましい水分量は、水硬性材料100重量部に
対して10〜100重量部である。
【0014】○使用方法 本発明の硬化性組成物はポリマーディスパージョン、
(メタ)アクリル酸塩、水硬性材料を必須成分とする混
合物であり、これらの3材を一度に混合して使用する方
法も、いずれか2材をまず混合した後残りの1材を混合
して使用する方法も可能である。ポリマーディスパージ
ョンと水硬性材料をあらかじめ混合する方法は、混合ス
ラリーの状態で可使時間が長いので好ましい。何れの方
法でも、(メタ)アクリル酸塩の重合触媒を併用する場
合は、3材が混合されてから硬化するまでの時間は数十
秒なので、スラリー吹付け機等を用いて混合物をすぐに
型枠へ吹き込んだり、コンクリート面へ吹き付けて硬化
させることが好ましい。
【0015】○水路補修工法 本発明の水路補修工法は、塗布する水路内面に、ポリマ
ーディスパージョン、水硬性材料及び(メタ)アクリル
酸塩を、ポリマーディスパージョンと(メタ)アクリル
酸塩が固形分重量比で75:25〜10:90の割合と
なるよう混合しながら塗布するものであり、ポリマーデ
ィスパージョンと(メタ)アクリル酸塩の固形分重量比
が管理されていれば混合の方法は特に限定されない。原
料の混合の組合せとしては、ポリマーディスパージョン
及び水硬性材料からなる混合物と(メタ)アクリル酸塩
からなる混合物を混合する方法、ポリマーディスパージ
ョン及び水硬性材料からなる混合物とポリマーディスパ
ージョン及び(メタ)アクリル酸塩からなる混合物を混
合する方法、水硬性材料からなる混合物とポリマーディ
スパージョン及び(メタ)アクリル酸塩からなる混合物
を混合する方法等が挙げられるが、特に本発明では、ポ
リマーディスパージョンと水硬性材料からなる混合物と
(メタ)アクリル酸塩からなる混合物を塗布すること
が、安定性に優れるため好ましい。塗装量は任意であ
り、塗装方法の具体例としては、例えば、ポリマーディ
スパージョン及び水硬性材料からなる混合物(以下A液
という)と(メタ)アクリル酸塩からなる混合物(以下
B液という)をガンで噴霧出来る程度のスラリーに調整
しておき、建築塗装用のカップガン2台を並べてそれぞ
れを噴霧し、2つの霧を混合しながら水路壁面へ噴霧塗
布する方法が挙げられる。又、A液をカップガンに投入
しておき、噴霧用エアー中にB液をミストとして混入さ
せ、ガン先でエアーがA液を噴霧する際にエアー中のB
液を混合させながら噴霧、塗布することもできる。さら
に、3重管構造のガンを使用し、1番中心の管に噴霧用
エアーを通し、中心より2番目の管にA液を通し、最外
管にB液を通して、ガンの先端でエアーによって2つの
混合物を混合しながら噴霧し、塗布することもできる。
ポリマーディスパージョンと(メタ)アクリル酸塩の固
形分重量比が管理されていれば、組成物は数分以内、処
方によっては数秒で硬化し、水路内壁にポリマーセメン
トモルタルによる水路躯体の保護層を形成させることが
出来る。
【0016】本発明の水路補修用硬化性組成物及び水路
補修工法は、低温多湿環境下でも短時間で硬化し、薄塗
りする場合に使用されるだけでなく、従来は困難ないし
不可能に近かった厚塗りの場合においても所望の厚みま
で連続的に重ね吹きすることができるので、凹凸差が小
さな部分では薄塗りし、凹凸差が大きな部分の凹部のみ
を厚薄塗りするといった方法によって、水路断面積をほ
とんど縮小することなく、各種の水路欠損部を補修する
ことができる。又、塗布直後に硬化するので、必要に応
じ上塗材を続けて塗布することもできる。又、本発明の
水路補修用硬化性組成物は、ポリマーを配合することに
よって躯体に強力に接着するので、長期間に渡り補修効
果が発揮される。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。尚、各例において、%は重量%を意
味する。 実施例1 ポリマーディスパージョンとして、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、スチ
レンを40対15対5対50の重量比でポリオキシエチ
レン系ノニオン乳化剤を用いて共重合させた、固形分が
50%であるアクリル系ポリマーディスパージョンを用
いた。このアクリル系ポリマーディスパージョン10重
量部、普通ポルトランドセメント100重量部、硅砂2
00重量部、過硫酸ナトリウム1重量部及び水20重量
部を混合し、スラリーAとした。また濃度20%のアク
リル酸マグネシウム水溶液40重量部、硅砂200重量
部、硅石粉10重量部、メチルセルロース0.5重量部
を混合し、スラリーBとした。気温5℃の環境下におい
て、スラリーA,Bをモルタル吹き付け用カップガン2
丁を用い、ガンを並べて噴霧し、噴霧されたモルタルを
気中で混合させながら、16cm×4cm×4cmの型枠内に
吹き込んだ。吹き込まれた混合物は数十秒で硬化し、す
ぐに脱型することができた。7日後の曲げ強さを、JI
S A1172「ポルマーセメントモルタルの試験方
法」に従い測定したところ、38kgf/cm2であった。
又、48時間水没させておいた30cm×30cmのコンク
リート板へ、気温5℃の環境下において、スラリーA,
Bを5mm厚みで吹付け、14日間湿潤養生した。硬化物
の接着強さを、JIS A6915「セメント厚吹付け
材の試験方法」に従い測定したところ、8.5kgf/cm2
であり、実用上十分な強度を発現していた。又、磨耗量
を、JIS K 7204「磨耗輪によるプラスチック
の磨耗試験方法」に従い測定したところ、11.4gで
あった。さらに、温度5±1℃、湿度90%以上に調整
した低温室内で、スラリーA及びBを48時間貯蔵した
後、同様にコンクリート板へ吹き付けたところ、垂れる
ことなく厚み30mm以上に吹き付けることができた。
材令14日での吹き付け材の接着強さは7.6kgf/cm2
であり十分な接着強度を発現していた。又、該硬化性組
成物を用い、水路内壁に吹きつけたところ、3日程度で
通水が可能であった。又、半年水没後の状態を目視で確
認したところ、藻の付着はほとんど見られなかった。
【0018】実施例2 実施例1のスラリーA及びBを使用して、3重管構造を
有し、中心にエアーが通り、その外側の2重管が断面積
を等しくし、先端にカップガンの先端ノズルキャップを
取り付けた構造のノズルを用い、中心より2番目の管に
スラリーAを、最外管にスラリーBを供給して噴霧した
以外は、実施例1と同様に試験した。型枠内に吹き込ま
れた混合物は数十秒で硬化した。得られた成形体の曲げ
強さは40kgf/cm2 で、吹き付け材の接着強さは9.1
kgf/cm2 であり、磨耗量は10.6gであった。
【0019】実施例3〜6 実施例1に用いたポリマーディスパージョンと30%ア
クリル酸マグネシウム水溶液を用い、ポリマーディスパ
ージョン及びアクリル酸マグネシウム水溶液の固形分の
総量をセメントに対して20%に固定し、表1に示すよ
うにポリマーディスパージョンとアクリル酸マグネシウ
ム水溶液の固形分の比率を変えて実施例1と同様に試験
を行った。その結果を表1に示す。又、これらの硬化性
組成物を用い、水路内壁に吹きつけたところ、3日程度
で通水が可能であった。又、半年水没後の状態を目視で
確認したところ、藻の付着はほとんど見られなかった。
【0020】
【表1】
【0021】実施例7〜11 実施例1で用いたポリマーデイスパージョンとアクリル
酸マグネシウム水溶液を用い、その固形分重量比を30
対70に固定し、ポリマーディスパージョン及びアクリ
ル酸マグネシウム水溶液中の固形分の総量のセメントに
対する重量%を変えて試験を行った。結果は表2の通り
であった。又、これらの硬化性組成物を用い、水路内壁
に吹きつけたところ、3日程度で通水が可能であった。
又、半年水没後の状態を目視で確認したところ、藻の付
着はほとんど見られなかった。
【0022】
【表2】
【0023】実施例12 実施例1において、ポリマーディスパージョンとしてカ
チオン系SBRラテックス(尾花屋産業(株)製、セメ
ンテックスC、固形分50%)を、又(メタ)アクリル
酸塩としてアクリル酸アルミニウムの30%水溶液を用
い、その他の材料は実施例1と同じものを使用し、ポリ
マーディスパージョンを10重量部、アクリル酸アルミ
ニウム水溶液30重量部を用い、実施例1と同じ方法で
試験を行った。得られた成形体の曲げ強さは50kgf/cm
2 、吹き付け材の接着強さは4.9kgf/cm2 であった。
【0024】比較例1及び2 実施例1に用いたポリマーディスパージョンとアクリル
酸マグネシウム水溶液を用い、ポリマーディスパージョ
ン及びアクリル酸マグネシウム水溶液中の固形分の総量
をセメントに対して25%に固定し、表3に示すように
ポリマーディスパージョンとアクリル酸マグネシウム水
溶液の固形分の比率を変えて実施例1と同様に試験を行
った。結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】比較例3 普通ポルトランドセメント:砂:水=1:2:0.5
(重量比)からなる普通セメントモルタルを用い、実施
例1と同様に磨耗量を測定したところ14.5gであっ
た。又、この普通セメントモルタルを用いて水路内壁に
吹きつけたところ、通水が可能になるためには1週間以
上の養生が必要であった。又、半年水没後の状態を目視
で確認したところ、藻が多く付着していた。
【0027】比較例3 普通ポルトランドセメント:砂:水=1:2:0.5
(重量比)からなり、セメントに対して実施例1と同様
のポリマーを固形分で15%配合したポリマーセメント
を用い、実施例1と同様に磨耗量を測定したところ6.
0gであった。又、このポリマーセメントを用いて水路
内壁に吹きつけたところ、通水が可能になるためには1
週間以上の養生が必要であった。又、半年水没後の状態
を目視で確認したところ、藻が多く付着していた。
【0028】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、低温、高湿度
雰囲気下においても、充分な強度を有する成形体を与
え、又低温、高湿度雰囲気下において湿潤面に吹き付け
た場合においても、充分な強度で接着した硬化物を与え
ることができる。さらに、(メタ)アクリル酸塩の重合
触媒を併用した場合は、組成物が数十秒で硬化するた
め、型枠等へ吹き込んだ場合、直ちに脱型でき、生産性
に優れ、さらに、跳ね返りやミストの発生がほとんど無
いので材料のロスが少ない。従ってこのような組成物
は、低温で速硬性を有するため、寒冷地のトンネル等の
補修においても、数mmから数cmの自由な厚みで補修壁を
構築することが可能となる。又、本発明の水路補修用硬
化性組成物及び水路補修工法によれば、低温、高湿度雰
囲気下においても、十分な強度及び接着力を有し、かつ
耐磨耗性及び耐汚染性に優れる硬化物で水路欠損部を補
修することができ、さらに(メタ)アクリル酸塩の重合
触媒を併用した場合は組成物が数十秒で硬化するため、
比較的欠損部が深くても短時間で覆工することができ、
短時間で大面積を補修することが出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマーディスパージョンと(メタ)アク
    リル酸塩を固形分重量比で75:25〜10:90の割
    合で含有し、かつ水硬性材料をも含有することを特徴と
    する硬化性組成物。
  2. 【請求項2】ポリマーディスパージョンと(メタ)アク
    リル酸塩を固形分重量比で75:25〜10:90の割
    合で含有し、かつ水硬性材料をも含有することを特徴と
    する水路補修用硬化性組成物。
  3. 【請求項3】ポリマーディスパージョン、水硬性材料及
    び(メタ)アクリル酸塩を、ポリマーディスパージョン
    と(メタ)アクリル酸塩が固形分重量比で75:25〜
    10:90の割合となるよう混合しながら水路内面に塗
    布することを特徴とする水路補修工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008037704A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Sho Bond Constr Co Ltd コンクリート水路補修工法

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