JPH06256895A - 空気焼入冷間工具鋼 - Google Patents
空気焼入冷間工具鋼Info
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- JPH06256895A JPH06256895A JP17728591A JP17728591A JPH06256895A JP H06256895 A JPH06256895 A JP H06256895A JP 17728591 A JP17728591 A JP 17728591A JP 17728591 A JP17728591 A JP 17728591A JP H06256895 A JPH06256895 A JP H06256895A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 重量比にしてC;0.60〜0.85%、S
i;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜2.30
%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.85〜
1.50%、V;0.10%以下を含有し、残部がFe
および不純物元素からなる空気焼入冷間工具鋼。 【効果】 CおよびCr量を最適化して、炭化物量が低
減すると共に炭化物粒径が微細化し、彫刻性および冷間
ホビング性が改善した。また、Vを0.10%以下に規
制したので、焼入れ性が向上し、縞状炭化物の形成が防
止されて彫刻性が改善した。さらに、Mo;0.85〜
1.50%とし、Si;0.50〜1.50%としたの
で、焼入れ性が確保され必要な焼戻し軟化抵抗が付与さ
れ、800℃という低い焼入れによっても、焼戻し後に
HRC60以上の硬度が得られる。
i;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜2.30
%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.85〜
1.50%、V;0.10%以下を含有し、残部がFe
および不純物元素からなる空気焼入冷間工具鋼。 【効果】 CおよびCr量を最適化して、炭化物量が低
減すると共に炭化物粒径が微細化し、彫刻性および冷間
ホビング性が改善した。また、Vを0.10%以下に規
制したので、焼入れ性が向上し、縞状炭化物の形成が防
止されて彫刻性が改善した。さらに、Mo;0.85〜
1.50%とし、Si;0.50〜1.50%としたの
で、焼入れ性が確保され必要な焼戻し軟化抵抗が付与さ
れ、800℃という低い焼入れによっても、焼戻し後に
HRC60以上の硬度が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は洋食器の柄、メタルなど
に模様を形成する金型用材に最適な、冷間ホビング性、
彫刻性、焼入性に優れた空気焼入冷間工具鋼に関する。
なお、本発明において空気焼入冷間工具鋼とは、後述す
る真空焼入れにも適した鋼である。
に模様を形成する金型用材に最適な、冷間ホビング性、
彫刻性、焼入性に優れた空気焼入冷間工具鋼に関する。
なお、本発明において空気焼入冷間工具鋼とは、後述す
る真空焼入れにも適した鋼である。
【0002】
【従来の技術】従来、前記金型に模様を形成する方法と
しては冷間ホビング法と、彫刻による二つの方法が一般
に用いられている。冷間ホビング法は、焼入れ硬化した
母型を作製し、これに焼なまし状態の軟らかい金型を冷
間で押し付けて模様を金型に転写する(ホビング)方法
であり、彫刻はノミで模様を刻み込む方法であり、細か
い模様の金型を作るときには彫刻による方法が用いられ
る。
しては冷間ホビング法と、彫刻による二つの方法が一般
に用いられている。冷間ホビング法は、焼入れ硬化した
母型を作製し、これに焼なまし状態の軟らかい金型を冷
間で押し付けて模様を金型に転写する(ホビング)方法
であり、彫刻はノミで模様を刻み込む方法であり、細か
い模様の金型を作るときには彫刻による方法が用いられ
る。
【0003】また、冷間ホビングまたは彫刻により模様
を形成した金型の焼入れ硬化法としては、空気焼入れ法
が、水焼入れまたは油焼入れに比べて、焼割れ、焼入れ
歪および焼入れ硬さムラが少ないなどの利点を有してい
るため、一般に用いられている。最近、この空気焼入れ
法をさらに改善した方法として、ホビングや彫刻で形成
された細かい模様を害さない、真空焼入れ法が用いられ
ている。
を形成した金型の焼入れ硬化法としては、空気焼入れ法
が、水焼入れまたは油焼入れに比べて、焼割れ、焼入れ
歪および焼入れ硬さムラが少ないなどの利点を有してい
るため、一般に用いられている。最近、この空気焼入れ
法をさらに改善した方法として、ホビングや彫刻で形成
された細かい模様を害さない、真空焼入れ法が用いられ
ている。
【0004】従来、空気焼入れ、真空焼入れ用鋼として
は、SKD11が広く用いられているが、この鋼はCr
を約12%含有した高合金鋼であり、かつ、冷間ホビン
グ性が悪いため、深いホビングの場合には割れが発生す
るという欠点がある。この割れを避ける方法として、一
回当たりのホビング量を少なくし、何回もホビングする
ことがなされているが、作業が煩雑になるとともに母型
の損傷を早めるという問題があった。さらに、この鋼は
彫刻性が悪く、彫刻加工が困難であるという欠点をも有
している。
は、SKD11が広く用いられているが、この鋼はCr
を約12%含有した高合金鋼であり、かつ、冷間ホビン
グ性が悪いため、深いホビングの場合には割れが発生す
るという欠点がある。この割れを避ける方法として、一
回当たりのホビング量を少なくし、何回もホビングする
ことがなされているが、作業が煩雑になるとともに母型
の損傷を早めるという問題があった。さらに、この鋼は
彫刻性が悪く、彫刻加工が困難であるという欠点をも有
している。
【0005】前記のごときSKD11の空気焼入冷間工
具鋼としての問題点を解決すべく発明されたのが、特開
昭58−174548号公報の発明(以下先願鋼と記
す。)であって、重量比にしてC;0.65〜1.40
%、Si;0.60%以下、Mn;1.60〜8.00
%、Cr;1.60〜2.90%、Mo;0.20〜
0.80%と、W;0.45%以下、V;0.45%以
下のうち1種〜2種を含有し、残部Feならびに不純物
元素からなる空気焼入冷間工具鋼であって、従来鋼に比
べてCr量を低くするとともにV、W、さらに必要に応
じてNb、Ti、Zrを含有させ、炭化物の粒径を2μ
以下に微細化させたことにより、彫刻性を大幅に改善す
るとともに、冷間ホビング性を向上させたもので、従来
鋼に比べて、彫刻が容易であるとともに低い荷重で深い
ホビングを可能とした。さらに先願鋼はMn、Cr、M
oなどを適宜含有させたことにより焼入れ性を向上さ
せ、空気焼入れにより硬化させることができるものであ
る。
具鋼としての問題点を解決すべく発明されたのが、特開
昭58−174548号公報の発明(以下先願鋼と記
す。)であって、重量比にしてC;0.65〜1.40
%、Si;0.60%以下、Mn;1.60〜8.00
%、Cr;1.60〜2.90%、Mo;0.20〜
0.80%と、W;0.45%以下、V;0.45%以
下のうち1種〜2種を含有し、残部Feならびに不純物
元素からなる空気焼入冷間工具鋼であって、従来鋼に比
べてCr量を低くするとともにV、W、さらに必要に応
じてNb、Ti、Zrを含有させ、炭化物の粒径を2μ
以下に微細化させたことにより、彫刻性を大幅に改善す
るとともに、冷間ホビング性を向上させたもので、従来
鋼に比べて、彫刻が容易であるとともに低い荷重で深い
ホビングを可能とした。さらに先願鋼はMn、Cr、M
oなどを適宜含有させたことにより焼入れ性を向上さ
せ、空気焼入れにより硬化させることができるものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら空気焼入冷間工
具鋼においては、冷間ホビングまたは彫刻後の焼入れ焼
戻しにより、HRC60以上の硬度を必要とする。然る
に、従来鋼であるSKD11においては、焼入れ焼戻し
によりHRC60以上の硬度を得るためには、焼入れ温
度を1000〜1050℃という高温にしなければなら
ず、また前記先願鋼においても、かなり改善されたもの
の焼入れ温度は850℃以上にする必要がある。
具鋼においては、冷間ホビングまたは彫刻後の焼入れ焼
戻しにより、HRC60以上の硬度を必要とする。然る
に、従来鋼であるSKD11においては、焼入れ焼戻し
によりHRC60以上の硬度を得るためには、焼入れ温
度を1000〜1050℃という高温にしなければなら
ず、また前記先願鋼においても、かなり改善されたもの
の焼入れ温度は850℃以上にする必要がある。
【0007】そして、SKD11および先願鋼は、適切
な焼入れ温度から温度が低下すると、硬さに大きく影響
する。実際の焼入れ作業時においては、温度のばらつき
により温度が低下することがあり、その場合には硬さ不
良となる。また、冷間金型用の工具鋼として最もよく使
用されるSKS3の焼入れ温度が800〜850℃であ
るため、もし800℃の焼入れが可能となれば、同時に
熱処理でき、省エネルギー化という点でメリットが大き
い。
な焼入れ温度から温度が低下すると、硬さに大きく影響
する。実際の焼入れ作業時においては、温度のばらつき
により温度が低下することがあり、その場合には硬さ不
良となる。また、冷間金型用の工具鋼として最もよく使
用されるSKS3の焼入れ温度が800〜850℃であ
るため、もし800℃の焼入れが可能となれば、同時に
熱処理でき、省エネルギー化という点でメリットが大き
い。
【0008】一方、先願鋼により、冷間ホビング性およ
び彫刻性が改善されたが、近時はさらに冷間ホビング性
および彫刻性の優れた空気焼入冷間工具鋼の出現が要望
されていた。
び彫刻性が改善されたが、近時はさらに冷間ホビング性
および彫刻性の優れた空気焼入冷間工具鋼の出現が要望
されていた。
【0009】本発明は空気焼入冷間工具鋼の前記のごと
き問題点に鑑みてなされたものであって、800℃程度
の低い焼入れ温度での焼入れした場合においても熱処理
後にHRC60以上の硬度が得られ、さらに冷間ホビン
グ性および彫刻性に優れた空気焼入冷間工具鋼を提供す
ることを目的とする。
き問題点に鑑みてなされたものであって、800℃程度
の低い焼入れ温度での焼入れした場合においても熱処理
後にHRC60以上の硬度が得られ、さらに冷間ホビン
グ性および彫刻性に優れた空気焼入冷間工具鋼を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
め、発明者等は前記従来鋼の各元素が、焼入れ性、冷間
ホビング性および彫刻性に及ぼす影響について鋭意検討
を重ねた。その結果、CおよびCrが多いと炭化物の生
成量が多くかつ炭化物を粗大化し、冷間ホビング性およ
び彫刻性を阻害すること、およびVが多いと焼入れ性を
減じ縞状炭化物が形成されて彫刻性に悪い影響のあるこ
とを突き止めた。
め、発明者等は前記従来鋼の各元素が、焼入れ性、冷間
ホビング性および彫刻性に及ぼす影響について鋭意検討
を重ねた。その結果、CおよびCrが多いと炭化物の生
成量が多くかつ炭化物を粗大化し、冷間ホビング性およ
び彫刻性を阻害すること、およびVが多いと焼入れ性を
減じ縞状炭化物が形成されて彫刻性に悪い影響のあるこ
とを突き止めた。
【0011】しかし、先願鋼のC、Cr量の上限値に比
べ低く限定した場合には、前記知見に基づきVを低減し
ても必要とする焼入れ硬さが確保できない場合が生じ
る。そこで、Moを増量して必要な焼入れ性を確保し
た。この結果、彫刻性、冷間ホビング性は改善され、必
要な焼入れ性を得ることはできた。しかし、焼入れ温度
は低下することはできなかった。
べ低く限定した場合には、前記知見に基づきVを低減し
ても必要とする焼入れ硬さが確保できない場合が生じ
る。そこで、Moを増量して必要な焼入れ性を確保し
た。この結果、彫刻性、冷間ホビング性は改善され、必
要な焼入れ性を得ることはできた。しかし、焼入れ温度
は低下することはできなかった。
【0012】そこで、さらに研究を進めた結果、Cr量
が多いほど焼入れにより高い硬さは得られるが、最適焼
入れ温度が上昇し、低い焼入れ温度で必要な硬さを得ら
れなくなることを知見した。そして、Siは焼戻し軟化
抵抗を高める効果があり、本発明を完成するために重要
な効果が得られることを見出した。以上の知見を基にし
て彫刻性、冷間ホビング性、最適焼入れ温度の全てを考
慮しつつC、Si、Cr量の最適値を求めた結果、前記
課題を解決できる本発明を完成することができた。
が多いほど焼入れにより高い硬さは得られるが、最適焼
入れ温度が上昇し、低い焼入れ温度で必要な硬さを得ら
れなくなることを知見した。そして、Siは焼戻し軟化
抵抗を高める効果があり、本発明を完成するために重要
な効果が得られることを見出した。以上の知見を基にし
て彫刻性、冷間ホビング性、最適焼入れ温度の全てを考
慮しつつC、Si、Cr量の最適値を求めた結果、前記
課題を解決できる本発明を完成することができた。
【0013】本発明の空気焼入冷間工具鋼は、その第1
発明鋼として、重量比にしてC;0.60〜0.85
%、Si;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜
2.30%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.
85〜1.50%、V;0.10%以下を含有し、残部
がFeおよび不純物元素からなることを要旨とする。
発明鋼として、重量比にしてC;0.60〜0.85
%、Si;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜
2.30%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.
85〜1.50%、V;0.10%以下を含有し、残部
がFeおよび不純物元素からなることを要旨とする。
【0014】第2発明鋼は第1発明鋼にNb;0.30
%以下、Ti;0.30%以下、Zr;0.30%以下
のうち1種または2種以上を含有し、第1発明鋼の靱性
ならびに冷間ホビング性を改善したものである。第3発
明鋼は第1発明鋼にS;0.30%以下、Se;0.3
0%以下、Pb;0.30%以下、Te;0.20%以
下のうち1種または2種以上を含有し、第1発明鋼の彫
刻性を改善させたものである。
%以下、Ti;0.30%以下、Zr;0.30%以下
のうち1種または2種以上を含有し、第1発明鋼の靱性
ならびに冷間ホビング性を改善したものである。第3発
明鋼は第1発明鋼にS;0.30%以下、Se;0.3
0%以下、Pb;0.30%以下、Te;0.20%以
下のうち1種または2種以上を含有し、第1発明鋼の彫
刻性を改善させたものである。
【0015】第4発明鋼は第1発明鋼にNb;0.30
%以下、Ti;0.30%以下、Zr;0.30%以下
のうち1種または2種以上と、S;0.30%以下、S
e;0.30%以下、Pb;0.30%以下、Te;
0.20%以下のうち1種または2種以上を含有し、第
1発明鋼の靱性ならびに冷間ホビング性および彫刻性を
改善させたものである。
%以下、Ti;0.30%以下、Zr;0.30%以下
のうち1種または2種以上と、S;0.30%以下、S
e;0.30%以下、Pb;0.30%以下、Te;
0.20%以下のうち1種または2種以上を含有し、第
1発明鋼の靱性ならびに冷間ホビング性および彫刻性を
改善させたものである。
【0016】
【作用】本発明鋼では、先願鋼に比べC、Cr量の上限
を低く限定した結果、炭化物量が低減すると共に炭化物
粒径が微細化され、彫刻性および冷間ホビング性が改善
された。また、Vを0.10%以下に規制したので、焼
入れ性が向上し、縞状炭化物の形成が防止でき彫刻性が
改善された。
を低く限定した結果、炭化物量が低減すると共に炭化物
粒径が微細化され、彫刻性および冷間ホビング性が改善
された。また、Vを0.10%以下に規制したので、焼
入れ性が向上し、縞状炭化物の形成が防止でき彫刻性が
改善された。
【0017】さらに、Mo;0.85〜1.50%とし
たので、必要な焼入れ性が確保され、その上Si;0.
50〜1.50%としたので、焼戻し軟化抵抗が向上し
前記C、Cr量の上限値の低減とMoの増量による複合
効果によって、焼入れ温度を800℃とした場合でも焼
戻し後に、HRC60以上の硬度を得ることができた。
たので、必要な焼入れ性が確保され、その上Si;0.
50〜1.50%としたので、焼戻し軟化抵抗が向上し
前記C、Cr量の上限値の低減とMoの増量による複合
効果によって、焼入れ温度を800℃とした場合でも焼
戻し後に、HRC60以上の硬度を得ることができた。
【0018】以下に本発明鋼の成分限定理由について説
明する。Cは冷間工具鋼として必要な硬さを得ると同時
に、炭化物を形成して耐摩耗性を向上させる元素であ
り、この効果を得るためには0.60%以上含有が必要
である。しかし、C量が多くなると彫刻性や冷間ホビン
グ性が害されるのでその上限を0.85%とした。
明する。Cは冷間工具鋼として必要な硬さを得ると同時
に、炭化物を形成して耐摩耗性を向上させる元素であ
り、この効果を得るためには0.60%以上含有が必要
である。しかし、C量が多くなると彫刻性や冷間ホビン
グ性が害されるのでその上限を0.85%とした。
【0019】Siは200℃前後における焼もどし軟化
抵抗性を付与し、焼もどし脆性温度を高温側に遅らせる
ために必要な元素であり、この効果を得るためには0.
50%以上含有させることが必要である。しかし、多量
に含有すると基地に固溶して、冷間ホビング性を阻害
し、彫刻性も悪くなるので、上限を1.50%とした。
抵抗性を付与し、焼もどし脆性温度を高温側に遅らせる
ために必要な元素であり、この効果を得るためには0.
50%以上含有させることが必要である。しかし、多量
に含有すると基地に固溶して、冷間ホビング性を阻害
し、彫刻性も悪くなるので、上限を1.50%とした。
【0020】Mnは焼入れ性を高めるために必要な元素
であり、この目的を得るには1.70%以上含有する必
要がある。しかし,多量に含有すると固溶強化が過大と
なり、彫刻性および冷間ホビング性を害するのでその上
限を2.30%とした。
であり、この目的を得るには1.70%以上含有する必
要がある。しかし,多量に含有すると固溶強化が過大と
なり、彫刻性および冷間ホビング性を害するのでその上
限を2.30%とした。
【0021】Crは炭化物を形成して耐摩耗性を向上さ
せると同時に、素地に固溶して、焼入れ性を向上させる
元素であり、この効果を得るためには0.70%以上含
有させる必要がある。しかし、多量に含有すると炭化物
が増加すると同時に、粗大化し、冷間ホビング性および
彫刻性を著しく害するとともに、最適焼入れ温度が上昇
し、800℃での焼入れではHRC60以上の硬さを得
ることが困難となるので、上限を2.00%とした。
せると同時に、素地に固溶して、焼入れ性を向上させる
元素であり、この効果を得るためには0.70%以上含
有させる必要がある。しかし、多量に含有すると炭化物
が増加すると同時に、粗大化し、冷間ホビング性および
彫刻性を著しく害するとともに、最適焼入れ温度が上昇
し、800℃での焼入れではHRC60以上の硬さを得
ることが困難となるので、上限を2.00%とした。
【0022】Moは焼入れ性の向上に大きな効果を与え
る他に靱性を向上し耐摩耗性を高める作用を有し、本発
明においては重要な元素である。前記効果を得るために
は、0.85%以上の含有が必要である。しかし含有量
が多過ぎると、熱間加工性が低下するので、その上限を
1.50%とした。
る他に靱性を向上し耐摩耗性を高める作用を有し、本発
明においては重要な元素である。前記効果を得るために
は、0.85%以上の含有が必要である。しかし含有量
が多過ぎると、熱間加工性が低下するので、その上限を
1.50%とした。
【0023】Vは耐摩耗性、靱性および冷間ホビング性
を高める元素であるが、本発明の場合これら効果は他の
元素の含有で充分に得られている。また、積極添加する
と、焼入れ性が低下し、熱処理後にHRC60以上の硬
さを確保することが困難になるとともに、炭化物が縞状
になり彫刻性を害するので、その上限を0.10%とし
た。
を高める元素であるが、本発明の場合これら効果は他の
元素の含有で充分に得られている。また、積極添加する
と、焼入れ性が低下し、熱処理後にHRC60以上の硬
さを確保することが困難になるとともに、炭化物が縞状
になり彫刻性を害するので、その上限を0.10%とし
た。
【0024】Nb、TiおよびZrは炭化物を微細にし
て、靱性の向上ならびに冷間ホビング性を向上させる効
果を有し、本発明の冷間ホビング性をより一層向上させ
るものである。しかし、含有量が多過ぎても、それに見
合った効果が得られないので、その上限をそれぞれ0.
30%とした。
て、靱性の向上ならびに冷間ホビング性を向上させる効
果を有し、本発明の冷間ホビング性をより一層向上させ
るものである。しかし、含有量が多過ぎても、それに見
合った効果が得られないので、その上限をそれぞれ0.
30%とした。
【0025】S、Se、PbおよびTeは被削性を向上
し、彫刻性を改善させるために添加する元素であり、特
に優れた彫刻性が要求されるときには、これら元素の添
加が有効である。しかし、添加量が多過ぎると靱性など
金型に要求される一般特性が害されるので、上限をS、
Se、Pbについてはそれぞれ0.30%とし、Teに
ついては0.20%とした。
し、彫刻性を改善させるために添加する元素であり、特
に優れた彫刻性が要求されるときには、これら元素の添
加が有効である。しかし、添加量が多過ぎると靱性など
金型に要求される一般特性が害されるので、上限をS、
Se、Pbについてはそれぞれ0.30%とし、Teに
ついては0.20%とした。
【0026】
【実施例】次に本発明の特徴を従来鋼、比較鋼と比べ、
実施例でもって明らかにする。表1はこれらの供試鋼の
化学成分を示すものである。表1においてA〜K鋼は本
発明鋼で、A〜C鋼は第1発明鋼、D〜F鋼は第2発明
鋼、G〜I鋼は第3発明鋼、J〜K鋼は第4発明鋼であ
る。
実施例でもって明らかにする。表1はこれらの供試鋼の
化学成分を示すものである。表1においてA〜K鋼は本
発明鋼で、A〜C鋼は第1発明鋼、D〜F鋼は第2発明
鋼、G〜I鋼は第3発明鋼、J〜K鋼は第4発明鋼であ
る。
【0027】また、L〜R鋼は比較鋼であって、L鋼は
C含有量が高い比較鋼、M鋼はSi含有量が高い比較
鋼、N鋼はMn含有量が低い比較鋼、O鋼はMn含有量
が高い比較鋼、P鋼はCr含有量が高い比較鋼、Q鋼は
Mo含有量の低い比較鋼、R鋼はV含有量が高い比較鋼
である。なお、S鋼はSKD11に相当する従来鋼であ
る。
C含有量が高い比較鋼、M鋼はSi含有量が高い比較
鋼、N鋼はMn含有量が低い比較鋼、O鋼はMn含有量
が高い比較鋼、P鋼はCr含有量が高い比較鋼、Q鋼は
Mo含有量の低い比較鋼、R鋼はV含有量が高い比較鋼
である。なお、S鋼はSKD11に相当する従来鋼であ
る。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例1)先ずこれらの供試鋼の彫刻性
について調べた。彫刻性は炭化物の大きさと分布状態に
関係するので、焼なまし状態における硬さと共に炭化物
の平均粒径と最大粒径について測定し表2に示した。ま
た、彫刻性は旋盤、フライス盤等の通常行われる切削性
では評価できないので、直径5mmで先端が鉛筆状に尖
ったカッタを用い、切込み深さを0.1、0.15およ
び0.2mmの3条件とし、カッタを回転させながら被
試験材を一定速度で連続的に移動させたとき、カッタ先
が摩耗して寿命になるまでの移動距離を求めた。そし
て、各切込み深さで実験し得られた測定値の平均値を表
2に併せて示した。なお、工具寿命は従来鋼であるS鋼
を100とした指数で表した。
について調べた。彫刻性は炭化物の大きさと分布状態に
関係するので、焼なまし状態における硬さと共に炭化物
の平均粒径と最大粒径について測定し表2に示した。ま
た、彫刻性は旋盤、フライス盤等の通常行われる切削性
では評価できないので、直径5mmで先端が鉛筆状に尖
ったカッタを用い、切込み深さを0.1、0.15およ
び0.2mmの3条件とし、カッタを回転させながら被
試験材を一定速度で連続的に移動させたとき、カッタ先
が摩耗して寿命になるまでの移動距離を求めた。そし
て、各切込み深さで実験し得られた測定値の平均値を表
2に併せて示した。なお、工具寿命は従来鋼であるS鋼
を100とした指数で表した。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、C、Si、Mn
またはCr含有量の高かった比較鋼であるL鋼、M鋼、
O鋼およびP鋼の彫刻性を本発明鋼と比較すると、焼な
まし状態の硬さがほぼ同一であるにもかかわらず、炭化
物の平均粒径が0.9〜1.2μm、最大粒径が2.0
〜3.7μmと粗大化しており、その結果工具寿命も指
数が140〜180と彫刻性の点において、従来鋼であ
るS鋼と比較すれば改善されているが、本発明鋼に比べ
て劣っている。
またはCr含有量の高かった比較鋼であるL鋼、M鋼、
O鋼およびP鋼の彫刻性を本発明鋼と比較すると、焼な
まし状態の硬さがほぼ同一であるにもかかわらず、炭化
物の平均粒径が0.9〜1.2μm、最大粒径が2.0
〜3.7μmと粗大化しており、その結果工具寿命も指
数が140〜180と彫刻性の点において、従来鋼であ
るS鋼と比較すれば改善されているが、本発明鋼に比べ
て劣っている。
【0032】これに対して、本発明鋼であるA〜K鋼
は、炭化物の平均粒径が0.4〜0.7μmであり、最
大粒径が0.8〜1.6μmと炭化物が微細化してお
り、これに伴って工具寿命が230〜320と従来鋼に
比べ大幅に改善され、彫刻性の点において極めて優れた
結果が得られることが判明し、本発明の効果が確認でき
た。
は、炭化物の平均粒径が0.4〜0.7μmであり、最
大粒径が0.8〜1.6μmと炭化物が微細化してお
り、これに伴って工具寿命が230〜320と従来鋼に
比べ大幅に改善され、彫刻性の点において極めて優れた
結果が得られることが判明し、本発明の効果が確認でき
た。
【0033】本発明鋼が従来鋼および比較鋼に比べてこ
のように長い工具寿命を有するのは、炭化物の大きさを
最大で1.6μmと非常に微細化し、かつ均一に分布さ
せたためである。すなわち、本発明鋼のように微細で、
均一な炭化物を有している鋼の彫刻性が優れているの
は、彫刻加工に際して、刃先が針状のカッタを用いて行
うためであり、彫刻性が炭化物の分布状態に大きく影響
を受けるためである。これに対して、従来鋼や比較鋼で
は炭化物の径が大きいためカッタの刃先が炭化物に当た
って早期に摩耗することにより、彫刻性が著しく害され
るためである。
のように長い工具寿命を有するのは、炭化物の大きさを
最大で1.6μmと非常に微細化し、かつ均一に分布さ
せたためである。すなわち、本発明鋼のように微細で、
均一な炭化物を有している鋼の彫刻性が優れているの
は、彫刻加工に際して、刃先が針状のカッタを用いて行
うためであり、彫刻性が炭化物の分布状態に大きく影響
を受けるためである。これに対して、従来鋼や比較鋼で
は炭化物の径が大きいためカッタの刃先が炭化物に当た
って早期に摩耗することにより、彫刻性が著しく害され
るためである。
【0034】特に、本発明鋼の中でも、S、Se、Pb
またはTeの快削元素を含有したG〜K鋼は、それらを
含有していない鋼に比べてより優れた彫刻性を有してい
ることがわかる。
またはTeの快削元素を含有したG〜K鋼は、それらを
含有していない鋼に比べてより優れた彫刻性を有してい
ることがわかる。
【0035】(実施例2)続いて供試鋼の冷間ホビング
性について評価した。冷間ホビング性は焼なまし状態の
軟らかい供試鋼に、硬さHRC60に焼入れ、焼戻しし
た5×20mm断面の母型(ホブ)を冷間で圧入し、圧
入深さと圧入周辺の割れの有無とその大小を調べて、冷
間ホビング性を評価した。得られた結果は、表3に示し
た。なお、圧入深さは従来鋼であるS鋼を100とした
指数で表した。
性について評価した。冷間ホビング性は焼なまし状態の
軟らかい供試鋼に、硬さHRC60に焼入れ、焼戻しし
た5×20mm断面の母型(ホブ)を冷間で圧入し、圧
入深さと圧入周辺の割れの有無とその大小を調べて、冷
間ホビング性を評価した。得られた結果は、表3に示し
た。なお、圧入深さは従来鋼であるS鋼を100とした
指数で表した。
【0036】
【表3】
【0037】表3から明らかなように、C、Si、Mn
またはCr含有量の高かった比較鋼であるL鋼、M鋼、
O鋼およびP鋼の評価結果を本発明鋼と比較すると、圧
入深さ比が荷重25トンで135〜151であって、従
来鋼と比較して改善されているものの、本発明鋼と比べ
ると劣っているとともに、荷重を増加し、40トンで評
価した場合に、L、M、O、P鋼の全てについて割れが
観察された。
またはCr含有量の高かった比較鋼であるL鋼、M鋼、
O鋼およびP鋼の評価結果を本発明鋼と比較すると、圧
入深さ比が荷重25トンで135〜151であって、従
来鋼と比較して改善されているものの、本発明鋼と比べ
ると劣っているとともに、荷重を増加し、40トンで評
価した場合に、L、M、O、P鋼の全てについて割れが
観察された。
【0038】なお、従来鋼Sについて、25トン荷重に
よるホビングにおいて小さい割れが発生しているが、こ
れは肉眼で見つけることができず、顕微鏡で観察すると
炭化物自体に、そして炭化物の素地の境界に沿って無数
の微小クラックが発生しており、これがつながりあって
割れに発展していることがわかった。そして、荷重30
トンとした場合には、この割れが発展して肉眼で観察さ
れるまで拡大していた。さらに40トンまで荷重を増加
して試験すると、もはや工具鋼として全く役立たないと
すぐにわかる程度に割れが拡大していた。
よるホビングにおいて小さい割れが発生しているが、こ
れは肉眼で見つけることができず、顕微鏡で観察すると
炭化物自体に、そして炭化物の素地の境界に沿って無数
の微小クラックが発生しており、これがつながりあって
割れに発展していることがわかった。そして、荷重30
トンとした場合には、この割れが発展して肉眼で観察さ
れるまで拡大していた。さらに40トンまで荷重を増加
して試験すると、もはや工具鋼として全く役立たないと
すぐにわかる程度に割れが拡大していた。
【0039】これに対して、本発明鋼であるA〜K鋼
は、荷重25トンにおける圧入深さ比が160〜173
と優れていた。このことは本発明鋼は小さい荷重でホビ
ング加工を行うことができるものであり、母型の損傷が
少ないという効果を有する。また、荷重を40トンまで
増加した極めて厳しい条件の試験後においても圧入周辺
の割れが全く観察されず、さらに深いホビング加工が可
能であることを示した。その結果、本発明鋼は冷間ホビ
ング性の点において極めて優れた結果が得られることが
判明し、本発明の効果が確認できた。
は、荷重25トンにおける圧入深さ比が160〜173
と優れていた。このことは本発明鋼は小さい荷重でホビ
ング加工を行うことができるものであり、母型の損傷が
少ないという効果を有する。また、荷重を40トンまで
増加した極めて厳しい条件の試験後においても圧入周辺
の割れが全く観察されず、さらに深いホビング加工が可
能であることを示した。その結果、本発明鋼は冷間ホビ
ング性の点において極めて優れた結果が得られることが
判明し、本発明の効果が確認できた。
【0040】(実施例3)最後にこれら供試鋼の焼入れ
性について評価した。焼入れ性は、供試鋼を800℃で
30分間保持し、800℃から250℃までを90分間
で冷却した(普通の大きさの金型を空気焼入れした場合
に相当)後、200℃で60分間焼もどしした時の硬
さ、および850℃で同様の処理をした時の硬さにより
評価した。得られた結果は表4に示した。
性について評価した。焼入れ性は、供試鋼を800℃で
30分間保持し、800℃から250℃までを90分間
で冷却した(普通の大きさの金型を空気焼入れした場合
に相当)後、200℃で60分間焼もどしした時の硬
さ、および850℃で同様の処理をした時の硬さにより
評価した。得られた結果は表4に示した。
【0041】
【表4】
【0042】表4から明らかなように、C含有量の高い
比較鋼L、Mn含有量の低い比較鋼N、Mo含有量の低
い比較鋼Q、V含有量の高い比較鋼Rは、焼入れ温度が
800、850℃のどちらの場合にもHRC60以上の
硬度が得られず、焼入れ性が明らかに劣っている。ま
た、Cr含有量の高い比較鋼Pは充分な焼入れ性を有し
ているが、Cr過剰添加によって最適焼入れ温度が上昇
し、焼入れ温度が850℃の場合には必要な硬さが得ら
れるが、800℃ではHRC60以上の硬さが得られな
くなる。一方、従来鋼であるS鋼(SKD11)は本来
1000℃程度の温度で熱処理する鋼であるのに、80
0ないし850℃の温度で処理しているため、著しく硬
さが劣るものである。
比較鋼L、Mn含有量の低い比較鋼N、Mo含有量の低
い比較鋼Q、V含有量の高い比較鋼Rは、焼入れ温度が
800、850℃のどちらの場合にもHRC60以上の
硬度が得られず、焼入れ性が明らかに劣っている。ま
た、Cr含有量の高い比較鋼Pは充分な焼入れ性を有し
ているが、Cr過剰添加によって最適焼入れ温度が上昇
し、焼入れ温度が850℃の場合には必要な硬さが得ら
れるが、800℃ではHRC60以上の硬さが得られな
くなる。一方、従来鋼であるS鋼(SKD11)は本来
1000℃程度の温度で熱処理する鋼であるのに、80
0ないし850℃の温度で処理しているため、著しく硬
さが劣るものである。
【0043】これに対して本発明鋼は800℃という低
い温度で焼入れした場合においても、硬度がHRC6
0.4〜61.8となって、充分な硬さを確保すること
ができる。また、焼入れ温度を850℃とした場合でも
同様にHRC60以上の硬さが得られるので、実際の焼
入れ温度のばらつきによる影響が少なく、硬さのばらつ
きの少ない金型を得ることができ、硬さ不良発生を抑え
ることができる。
い温度で焼入れした場合においても、硬度がHRC6
0.4〜61.8となって、充分な硬さを確保すること
ができる。また、焼入れ温度を850℃とした場合でも
同様にHRC60以上の硬さが得られるので、実際の焼
入れ温度のばらつきによる影響が少なく、硬さのばらつ
きの少ない金型を得ることができ、硬さ不良発生を抑え
ることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の空気焼入冷間工具鋼は以上説明
したように、C;0.60〜0.85%とし、Cr;
0.70〜2.00%と先願鋼に比べて上限を低く限定
したので、炭化物量を低減すると共に炭化物粒径が微細
化し、その結果彫刻性および冷間ホビング性が改善され
た。また、C、Crの上限値を厳しく限定したことによ
る焼入れ性の低下については、Vを0.10%以下に規
制し、さらに、Moを0.85〜1.50%と増量する
ことによって克服し、さらに前記C、Crの上限の限定
と、Si;0.50〜1.50%と増量した結果、80
0℃という低い温度からの焼入れ焼戻しによっても、H
RC60以上の硬度を得ることが可能となった。その結
果、従来鋼に比べて彫刻時の工具寿命が向上するととも
に低い荷重で冷間ホビングができ、かつ熱処理後の硬さ
不良を防止することができるものであり、洋食器の柄、
メタルなどに模様を形成する金型として、またその他の
抜き型、曲げ型、絞り型等の冷間工具として広く使用し
得るもので産業上寄与するところ極めて大である。
したように、C;0.60〜0.85%とし、Cr;
0.70〜2.00%と先願鋼に比べて上限を低く限定
したので、炭化物量を低減すると共に炭化物粒径が微細
化し、その結果彫刻性および冷間ホビング性が改善され
た。また、C、Crの上限値を厳しく限定したことによ
る焼入れ性の低下については、Vを0.10%以下に規
制し、さらに、Moを0.85〜1.50%と増量する
ことによって克服し、さらに前記C、Crの上限の限定
と、Si;0.50〜1.50%と増量した結果、80
0℃という低い温度からの焼入れ焼戻しによっても、H
RC60以上の硬度を得ることが可能となった。その結
果、従来鋼に比べて彫刻時の工具寿命が向上するととも
に低い荷重で冷間ホビングができ、かつ熱処理後の硬さ
不良を防止することができるものであり、洋食器の柄、
メタルなどに模様を形成する金型として、またその他の
抜き型、曲げ型、絞り型等の冷間工具として広く使用し
得るもので産業上寄与するところ極めて大である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】前記のごときSKD11の空気焼入冷間工
具鋼としての問題点を解決すべく発明されたのが、特開
昭58−174548号公報の発明(以下先願鋼と記
す。)であって、重量比にしてC;0.65〜1.40
%、Si;0.60%以下、Mn;1.60〜3.00
%、Cr;1.60〜2.90%、Mo;0.20〜
0.80%と、W;0.45%以下、V;0.45%以
下のうち1種〜2種を含有し、残部Feならびに不純物
元素からなる空気焼入冷間工具鋼であって、従来鋼に比
べてCr量を低くするとともにV、W、さらに必要に応
じてNb、Ti、Zrを含有させ、炭化物の粒径を2μ
以下に微細化させたことにより、彫刻性を大幅に改善す
るとともに、冷間ホビング性を向上させたもので、従来
鋼に比べて、彫刻が容易であるとともに低い荷重で深い
ホビングを可能とした。さらに先願鋼はMn、Cr、M
oなどを適宜含有させたことにより焼入れ性を向上さ
せ、空気焼入れにより硬化させることができるものであ
る。
具鋼としての問題点を解決すべく発明されたのが、特開
昭58−174548号公報の発明(以下先願鋼と記
す。)であって、重量比にしてC;0.65〜1.40
%、Si;0.60%以下、Mn;1.60〜3.00
%、Cr;1.60〜2.90%、Mo;0.20〜
0.80%と、W;0.45%以下、V;0.45%以
下のうち1種〜2種を含有し、残部Feならびに不純物
元素からなる空気焼入冷間工具鋼であって、従来鋼に比
べてCr量を低くするとともにV、W、さらに必要に応
じてNb、Ti、Zrを含有させ、炭化物の粒径を2μ
以下に微細化させたことにより、彫刻性を大幅に改善す
るとともに、冷間ホビング性を向上させたもので、従来
鋼に比べて、彫刻が容易であるとともに低い荷重で深い
ホビングを可能とした。さらに先願鋼はMn、Cr、M
oなどを適宜含有させたことにより焼入れ性を向上さ
せ、空気焼入れにより硬化させることができるものであ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比にしてC;0.60〜0.85
%、Si;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜
2.30%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.
85〜1.50%、V;0.10%以下を含有し、残部
がFeおよび不純物元素からなることを特徴とする空気
焼入冷間工具鋼。 - 【請求項2】 重量比にしてC;0.60〜0.85
%、Si;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜
2.30%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.
85〜1.50%、V;0.10%以下を含有し、さら
にNb;0.30%以下、Ti;0.30%以下、Z
r;0.30%以下のうち1種または2種以上を含有
し、残部がFeおよび不純物元素からなることを特徴と
する空気焼入冷間工具鋼。 - 【請求項3】 重量比にしてC;0.60〜0.85
%、Si;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜
2.30%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.
85〜1.50%、V;0.10%以下を含有し、さら
にS;0.30%以下、Se;0.30%以下、Pb;
0.30%以下、Te;0.20%以下のうち1種また
は2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物元素から
なることを特徴とする空気焼入冷間工具鋼。 - 【請求項4】 重量比にしてC;0.60〜0.85
%、Si;0.50〜1.50%、Mn;1.70〜
2.30%、Cr;0.70〜2.00%、Mo;0.
85〜1.50%、V;0.10%以下を含有し、さら
にNb;0.30%以下、Ti;0.30%以下、Z
r;0.30%以下のうち1種または2種以上と、S;
0.30%以下、Se;0.30%以下、Pb;0.3
0%以下、Te;0.20%以下のうち1種または2種
以上を含有し、残部がFeおよび不純物元素からなるこ
とを特徴とする空気焼入冷間工具鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17728591A JPH06256895A (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 空気焼入冷間工具鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17728591A JPH06256895A (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 空気焼入冷間工具鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06256895A true JPH06256895A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=16028358
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17728591A Pending JPH06256895A (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 空気焼入冷間工具鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06256895A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3831966A1 (en) | 2019-12-03 | 2021-06-09 | Daido Steel Co., Ltd. | Steel for mold, and mold |
| KR20210069584A (ko) | 2019-12-03 | 2021-06-11 | 다이도 토쿠슈코 카부시키가이샤 | 금형용 강 및 금형 |
-
1991
- 1991-06-21 JP JP17728591A patent/JPH06256895A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3831966A1 (en) | 2019-12-03 | 2021-06-09 | Daido Steel Co., Ltd. | Steel for mold, and mold |
| KR20210069584A (ko) | 2019-12-03 | 2021-06-11 | 다이도 토쿠슈코 카부시키가이샤 | 금형용 강 및 금형 |
| US11535917B2 (en) | 2019-12-03 | 2022-12-27 | Daido Steel Co., Ltd. | Steel for mold, and mold |
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