JPH06257606A - ターンバックル胴及びその製造方法 - Google Patents

ターンバックル胴及びその製造方法

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JPH06257606A
JPH06257606A JP8103193A JP8103193A JPH06257606A JP H06257606 A JPH06257606 A JP H06257606A JP 8103193 A JP8103193 A JP 8103193A JP 8103193 A JP8103193 A JP 8103193A JP H06257606 A JPH06257606 A JP H06257606A
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JP
Japan
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female screw
turnbuckle
handed
thickness
thread
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JP8103193A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Amao
勉 天尾
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AMAO SEISAKUSHO KK
Original Assignee
AMAO SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 長手方向に見て一様な断面形状とした管状体
とした胴部材1の両端の外側に、右ねじの雌ねじを切っ
た雌ねじ部材2と左ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材3
とをそれぞれ接合したターンバックル胴である。 【効果】 使用時には応力が全周的に均等に掛かる。し
たがって、肉厚を最小限にでき、経済的な設計ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターンバックル胴及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ターンバックルは、建築物・車両等にお
いて幅広く使用されている。ターンバックルは、1個の
ターンバックル胴と2個のターンバックルボルトとから
構成されている。ターンバックル胴としては、これまで
にもいろんな種類のものが製造されてきたが、種類ごと
に製造方法も異なっていた。従来のターンバックル胴の
種類と製造方法とを図6〜図11に基づいて説明する。
図6に示すターンバックル胴は、円筒状とした胴部材の
中央に開口部を設け、胴部材の左右に円形の頭部を形成
したものである。せん断加工によって中央にスリットを
あけ、スリットを広げて開口部を形成する。図7に示す
ものも図6のものと同じ製造方法で製作するが、左右の
頭部は六角形のナット形状に形成している。図8に示す
ものは、2分割形状に湾曲形成した2部材を長手方向に
対向させて合わせ、合わせ目を抵抗溶接で接合したもの
である。頭部は円形としている。図9のものは、間隔を
あけて配置した四角形の左右の頭部に対し、上下2枚の
平板を架け渡してアーク溶接又はガス溶接の隅肉溶接に
よって接合したものである。溶接箇所は合計16か所で
ある。図10のものは、パイプの両端部分をアプセット
(据え込み)加工し、円形の両頭部としたものである。
図11のものは、パイプの両端にインサートリングをそ
れぞれ挿入した後に、図10のものと同様の製造方法で
製作する。図10・11のものは、パイプの中央に穴を
あけている。
【0003】図6・7・8・10のものは、ともに両頭
部が中央部より小さくなっている。そして、成形した後
で両頭部にそれぞれ右ねじ・左ねじの雌ねじを切ってい
る。ターンバックル胴については、JISA5541、
米国連邦規格FF−T−791bなどで規格化してい
る。そじて、形状からの分類として、図6・7・8・9
に示すものを割枠式と称し、図10・11のものをパイ
プ式としている。寸法上からはねじの呼びとして分類
し、JISではM6・M8・M10・M12・M14・
M16・M18・M20・M22・M24・M27・M
30・M33を規格化している。米国連邦規格ではイン
チサイズで1/4インチから4インチまで21種類を規
格化している。
【0004】ターンバックルは各方面で使用されている
が、ここでは建築物での使用面に触れる。建築用として
使用する場合は、ターンバックル胴の左右にそれぞれボ
ルトをねじ込み、ボルトの先端にはそれぞれ羽子板を溶
接する。そして、はりと柱とが交差する角等にそれぞれ
取り付けたガセットプレートに、それぞれの羽子板をボ
ルトなどで取り付け、ターンバックル胴を回して両ボル
トに張力を与える。JISではボルトの軸部に与える張
力は49N/mmを目標としている。ターンバックル
胴を回すには、割枠式の場合は中央開口部に棒を差し込
んで回すか又は両頭部の六角形を利用してスパナなどで
回す。パイプ式の場合は、ターンバックル胴の中央にあ
けた穴に棒を差し込んで回す。
【0005】JISA5540の解説に、「筋かい設計
においては、筋かい軸部が降伏する以前に各接合要素が
破断しないことを前提としており、地震エネルギーの吸
収を筋かい軸部の塑性伸びに期待している。」「ターン
バックルボルト軸部(円筒部)を羽子板との溶接部など
の耐力は、ターンバックルボルト軸部の降伏耐力を十分
に上回るようになっている。」との記載がある。ターン
バックル胴に要求される強度性能としては、変形量が小
さくて強度が高いことにつきると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の各種ターンバッ
クル胴は、実際に使用してみていろいろな角度から検討
した結果、それぞれ次のような欠点を持っていることが
判明した。図6及び図7に示すものにおいては、せん断
加工によってスリットをあけ、スリットを広げて中央の
開口部を形成する。他の部分より開口部の四隅で伸びの
変形が進み、四隅の肉厚が小さくなる。使用時に過度の
応力が掛かったときには応力が四隅に集中することにな
るため、四隅の肉厚を大きくするしかない。結果的には
他の部分も必要以上に肉厚を大きくすることとなり、不
経済な製品になってしまう。また、構造的に見た場合、
図6〜図11のものは図9のものを除いて断面形状が長
手方向に見て一様でない。このため、上述したと同様に
開口部の四隅に応力が集中する。したがって、これらの
ものにおいても、他部分の肉厚も過大にするしかないこ
ととなる。また、図6・7・8・9の割枠式のものは、
中央に開口部を有し全周的に見て開いた箇所のある断面
となっている。このため、両頭部の雌ねじ部には全周的
に均等な応力が作用することなく、応力は局所に片寄っ
て掛かる。
【0007】図10のパイプ式のものにおいては、全周
的に閉じた断面であるため両頭部の雌ねじ部には全周的
に均等な応力が作用する。しかし、両頭部には雌ねじ加
工のための肉厚が必要であり、そのためにアプセット
(据え込み)加工を施して肉厚を付ける。しかし、加工
時には変形が長さ方向に生じがちとなって肉厚が大きく
なりにくい。そして、雌ねじの谷部において肉厚が最も
小さくなりこの部分に応力が集中する結果、この部分が
最も弱くなる。通常、雌ねじ加工部の長さとしては、ね
じの呼び径の0.8倍以上にする必要があるが、ターン
バックル胴の雌ねじ加工部は上述の理由でボルト直径よ
り遥かに長くするしかない。JISではボルト直径に対
するターンバックル胴の雌ねじ加工部の長さは、サイズ
によって多少異なるが割枠式・パイプ式とも約1.5倍
以上の値を規定している。米国連邦規格では図9に示す
ものについて規定し、その値はサイズによって異なる
が、JISよりも大きく1.5〜2倍以上としている。
【0008】図10のものの欠点をなくすために図11
のものが開発され実用化されている。図11のものにお
いては、インサートリングの雌ねじ加工部をボルト直径
とほぼ等しい長さにして欠点を解消している。しかし、
使用時に長手方向に荷重が掛かったとき、インサートリ
ングがアプセット加工部を外周方向へ広げるように作用
する。アプセット加工部が広がるのを防ぐには、パイプ
径を大きくしてアプセット角度を大きくとるか、パイプ
の肉厚を大きくするしかない。したがって、経済的に不
利な設計になってしまう。図6・7・8・10のものに
おいては、両頭部の雌ねじ部は成形加工後に穴あけ加工
・ねじ切り加工を施して形成する。しかし、これらの加
工を完全自動化することが難しいため、生産能率が著し
く劣ってしまう。
【0009】図8のものにおいては、湾曲部材の二つを
突き合わせ、両頭部にする部分を長手方向に抵抗溶接す
る際、加圧によって溶接部を長径とするだ円形状に変形
しやすい。このため、肉厚を必要以上に大きくして雌ね
じ加工時に全周が削れるようにする必要がある。肉厚を
余分に大きくした分だけ不経済な設計となってしまう。
また、サイズの大きいターンバックル胴の場合は、抵抗
溶接部の面積が大きくなり過ぎて大容量の溶接機を必要
とする。このため、実用化が難しい。図9のものにおい
ては、左右の頭部に対し上下2枚の平板をアーク又はガ
ス溶接で接合する。溶接部分が16か所と多く、溶接に
時間が掛かり過ぎる。また、ロボットなどによる自動溶
接化がしにくく、生産能率が著しく劣ってしまう。以上
のように、従来品はそれぞれいろいろな欠点を持ってい
る。本発明の発明者は、そのような欠点を一挙に解消さ
せるにはどうすればよいかと、長年にわたって研究・実
験を続けてきた結果、本発明を完成させることができ
た。本発明が解決しようとする課題は、使用時に掛かる
応力が全周的にできるだけ均等になるようにして肉厚も
できるだけ小さくて済むようにし、このため経済的な設
計ができ、しかも強度が大きくて変形もしにくいターン
バックル胴及びそのようなターンバックル胴を製作する
ための生産性の高い製作法を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、従来
のターンバックル胴の各種構造及びそれらの製造方法に
ついていろいろな角度から検討した。そして、使用時に
掛かる応力が全周的に均等になるようにして最小限の肉
厚にでき、経済的な設計にすることができるやり方はな
いものかとあれこれ考察した。強度が大きくて変形もし
にくい構造についても、探求を続けた。そして、形状・
構造としては断面形状が長手方向に見て一様な管状体が
最も適しているのではないかと考えた。更に、管状体の
両端に直接雌ねじ加工をするのでなく、右ねじ及び左ね
じの雌ねじを切った雌ねじ部材を完全自動化によって単
品として製作し、管状体の両端の外側にそれぞれ接合す
るようにすれば、高能率生産が可能になるはずだと考え
た。接合方法としては、局部に応力が集中することを防
ぐ上で摩擦圧接法が最適ではないかと考えた。以上のよ
うな考察を前提としていろいろと実験・検討を重ねた結
果、本発明を完成させることができた。
【0011】本発明に係るターンバックル胴は、次のよ
うなものである。すなわち、長手方向に見て一様な断面
形状とした管状体よりなる胴部材の両端の外側に、右ね
じの雌ねじを切った雌ねじ部材と左ねじの雌ねじを切っ
た雌ねじ部材とをそれぞれ接合したターンバックル胴で
ある。両雌ねじ部材は摩擦圧接法で接合する。そして、
右ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材及び左ねじの雌ねじ
を切った雌ねじ部材には、軸方向の平面を設けることが
望ましい。平面は両者に設けてもよいし、どちらか一方
に設けてもよい。設ける平面は一つであってもよいし、
二つ以上であってもよい。雌ねじ部材を六角のナット形
状に形成して軸方向の平面を形成するのが通常である
が、三角・四角等状にしてもよい。なお、ここで言う
「平面」とは、とにかく何等かの工具を使用して回転さ
せるときに役立つ面を意味する。ターンバックルの取付
け時にはターンバックル胴を回してボルトに張力を与え
る。張力の目標は49N/mmと小さいので、雌ねじ
部材の一方に回転を与える程度で済む。このため、雌ね
じ部材の少なくともどちらか一方に平面を設けるだけで
よい。
【0012】本発明に係るターンバックル胴の製造方法
は、次のようなものである。すなわち、長手方向に見て
一様な断面形状とした管状体よりなる胴部材を形成し、
他方右ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材と左ねじの雌ね
じを切った雌ねじ部材とをそれぞれ単品として成形加工
し、胴部材の両端の外側にそれらを摩擦圧接法によって
それぞれ接合する製造方法である。そして、右ねじの雌
ねじを切った雌ねじ部材や左ねじの雌ねじを切った雌ね
じ部材を単品として成形加工する際に、それらのうち少
なくともどちらか一方に軸方向の平面を形成することが
望ましい。なお、ここで言う「平面」の意味や平面の設
け方も前述のとおりである。
【0013】つぎに、本発明に係るターンバックル胴及
びその製造方法の詳細を図1と図2に基づいて説明す
る。図1には、細長い胴部材1の両端の外側に右ねじの
雌ねじを切った雌ねじ部材2と左ねじの雌ねじを切った
雌ねじ部材3とを摩擦圧接法で接合したターンバックル
胴を示している。胴部材1は、長手方向に見て一様な断
面形状とした管状体で構成している。その断面形状とし
ては、図2に示すような各種のものが採用できる。図2
(1)のように継ぎ目なしの円形としてもよい。(2)
のように、1か所を溶接で接合したものとしてもよい。
継目は連続接合でも断続接合でもよい。(3)のよう
に、対向部を単に突き合わせるだけにして溶接はしなく
てもよい。(4)のように、突合せ部にわずかな隙間を
あけておいてもよい。(5)のように、断面が半円の部
材を二つ対向させ真円状にしてもよい。(6)のよう
に、(5)のものにおいて対向部にわずかな隙間をあけ
てもよい。その他3つ割り状・4つ割り状等の部材を合
わせ、全体が真円状になるようにしてもよい。材質とし
ては炭素鋼などでよいが、特に高張力鋼がよい。成形方
法としては、(1)(2)(3)(4)のものは通常の
造管装置を用いて成形してもよい。(5)(6)のもの
は鋼板をプレスして成形してもよい。
【0014】雌ねじ部材2・3は冷間鍛造によって成形
加工してもよい。雌ねじ加工は完全自動化の専用機械を
用いて行ってもよい。ねじ加工部の長さとしては、ねじ
の呼び径の0.8倍以上にする必要がある。材質として
は炭素鋼など高張力鋼でもよいが、胴部材1の素材強度
にマッチングさせることが重要である。必要に応じ熱処
理を施してもよい。マッチングする強度区分に含まれる
市販ナットを選択して使用してもよい。
【0015】胴部材1の両端の外側には摩擦圧接法によ
って雌ねじ部材2・3を接合する。摩擦圧接法によった
場合、アンダーカットなどの溶接欠陥に基づく応力の局
部集中を防ぐことができるだけでなく、加熱と加圧を適
用し接合部の肉厚を膨らませて接合するため高能率の接
合ができる。ターンバックル胴の最大サイズM33又は
4インチでも、汎用の摩擦圧接機で十分に接合できる。
雌ねじ部材2・3の接合面に、管状体の肉厚と一致する
厚さの環状突起を管状体の肉厚に対向させて設けておく
ことが望ましい。このようにしておくと、効果的に接合
できるだけでなく、摩擦圧接中に両部材から反対向きで
円弧状のばりが均等に生じるため、ばり切削の必要のな
いことさえある。また、摩擦圧接法にはブレーキ式と慣
性式とがあるが、慣性式の方が短時間で済んで高能率と
なり、しかも生成するばりの量も少ない。このようにす
れば製作コストが更に低減する。
【0016】
【作用】本発明に係るターンバックル胴においては、長
手方向に見て一様な断面形状とした管状体よりなる胴部
材の両端の外側に雌ねじ部材をそれぞれ接合している。
このため、使用時にターンバックルボルトに応力が掛か
っても、胴部材又は両雌ねじ部材の局部に集中すること
なく分散して各部分の作用応力が均等になる。
【0017】
【実施例】図1と図3とに示すターンバックル胴をそれ
ぞれ製作した。図1のものは本発明法によって製作した
ものであり、図3のものは比較のために製作した比較品
である。また、同じく比較のためにパイプ式と割枠式の
市販品を購入したが、それらを図4及び図5に示す。図
1・3・5のものにおいては、雌ねじ部材のねじの呼び
サイズはM12である。図4のものにおいては、ねじの
呼びサイズは1/2インチである。
【0018】図1のものの胴部材1は、JISG344
5機械構造用炭素鋼鋼管STKM13A(降伏点216
N/mm以上、引張強さ373N/mm以上)を素
材にし、外径22.3mm、肉厚1.9mm、長さ18
2mmのもので製作した。雌ねじ部材2・3は、JIS
G3101一般構造用圧延鋼材SS400(降伏点24
5N/mm以上、引張強さ402N/mm以上)を
素材にした。そして、まず22φのコイルから六角形に
成形し、接合面の外周に幅2.3mm、深さ2mmの環
状の突起を設けた。つぎに、完全自動化の専用機で右ね
じ・左ねじの雌ねじを加工した。そして、ブレーキ式の
摩擦圧接機を使用して胴部材1を固定し、雌ねじ部材2
・3を回転させながら摩擦圧接をした。回転数は毎分3
000回、加圧力は摩擦発熱時は10kN、回転停止直
後のアプセット加圧時は20kNとした。接合時間は正
味約5秒、摩擦圧接時の寄り代は3mmとした。その
後、同じ摩擦圧接機上で被加工体を回転させながら外周
のばりを切削削除した。他方側についても同様のことを
した。図1に示すのが完成品である。
【0019】図3に示すものは次のようにして製作し
た。胴部材の素材としては、JISG3113自動車構
造用熱間圧延鋼板及び鋼帯SAPH400(降伏点25
5N/mm以上、引張強さ402N/mm以上)の
板厚2.3mm、幅30mm、長さ185mmの板材を
用意し、980kNのプレスで図3のような形状に成形
した。その後、それらの2枚を合わせ、図1の場合の雌
ねじ部材2・3と同じものを使って同様の条件で摩擦圧
接した。
【0020】図4に示すターンバックル胴は市販のパイ
プ式のものである。両頭部には強化のためインサートリ
ングを挿入してアプセット加工を施し、インサートリン
グに雌ねじ加工をしている。ねじはインチサイズであ
る。アプセット角度は8.3度と小さい。長手方向の引
っ張りに対し、インサートリングの外周のテーパーによ
って半径方向に大きい力が発生し、両端部分でパイプが
広がってインサートリングが抜け易い形状となってい
る。図5に示すものは市販の割枠式のものである。B−
B断面図で示す両肩部分の断面積が他の部分より小さく
なっていて、長手方向の引っ張りに対しては、この部分
に応力が集中する。図1・図3・図5に示すターンバッ
クル胴について、重さを測定した。また、JISA55
41を参考にし、長手方向の引張試験も行った。その結
果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】図4に示すターンバックル胴の重さを測定
した。また、米国連邦規格FF−T−791bを参考に
し、同様に長手方向の引張試験を行った。ターンバック
ル胴の規定がないので、スタブ(ボルト)の強度規格を
参考にした。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】図1に示す本発明法に係るものが最も軽
く、保証荷重21.0kNでJISの永久変形量0.5
%以下を満足するだけでなく、破断の有無を判定する4
5.4kNの荷重でも永久変形量が0.3%と十分に満
足する値となった。軽い上に丈夫であることが明らかに
なった。図3の比較例のものは、図1のものより強度の
高い素材を使用し、板厚を増加させたにもかかわらず、
保証荷重で永久変形量0.5%以下の条件を満足しなか
った。引張試験中に両肩の曲げ成形箇所に応力が集中す
るためである。図4に示す従来品のパイプ式のターンバ
ックル胴は、ねじがインチサイズであるため米国連邦規
格を適用して試験した。表1・表2から明らかなよう
に、規定が非常に緩い米国連邦規格をようやく満足して
いるにもかかわらず、図1のものと比べて重さが約1.
3倍と大きい。弱い上に不経済な設計・製作となってい
る。図5に示す割枠式の従来品はJISを満足している
が、重さが図1のものと比べて約1.7倍と大きい。不
経済な設計・製作となっている。
【0025】
【発明の効果】本発明に係るターンバックル胴において
は、胴部を管状体としたため各部分の作用応力が均等に
なる。したがって、長手方向の単純な引張応力だけを考
慮し、肉厚が最も小さくなるような経済設計ができる。
胴部材については、素材の降伏点と引張強さを基にし、
JISで規定している保証荷重(胴の長さの永久変形が
0.5%以内)と引張荷重(最小)から管状体の肉厚を
それぞれ計算し、どちらか大きい方の肉厚を採用すれば
よい。このようにして製作したターンバックル胴は、J
IS値の強度を十分に満足しているにもかかわらず、従
来品と比べて著しく軽く、素材節約の効果も著しい。ま
た、素材として高強度材料を使用することで高応力設計
もでき、肉厚を更に減少させ重量を軽くして素材節約を
一層進めることもできる。ターンバックル胴は建築物・
車両等において幅広く使用され使用個数が莫大であるた
め、軽量化の効果は省資源の面で大いに貢献する。
【0026】雌ねじ部材のねじ加工部についても、全周
的に均等な応力が作用するので通常のねじ加工長さ(ね
じ加工長さはねじの呼び径の0.8倍以上)を有する雌
ねじ部材を使用することができる。この雌ねじ部材は単
品として完全自動化によって低コストで製作することが
できる。また、胴部材の素材強度にマッチングするもの
を市販ナットから選択して使用することもでき、このよ
うにするとコスト低減が図れる。胴部材と雌ねじ部材の
接合は摩擦圧接法によっている。このため、アンダーカ
ットなどの溶接欠陥がなくなり、応力の局所集中を避け
ることができるだけでなく、加熱と加圧を適用する接合
であるため接合部の肉厚を大きくしながらの高能率接合
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るターンバックル胴の1例を示す正
面図及び側面図である。
【図2】本発明に係るターンバックル胴の各種断面形状
を示す断面図である。
【図3】比較品を示す正面図、側面図及びA−A断面図
である。
【図4】従来のターンバックルの1例を示す部分断面図
である。
【図5】従来のターンバックルの他例を示す正面図、A
−A断面図及びB−B断面図である。
【図6】従来のターンバックルの1例を示す一部を省略
した部分断面図である。
【図7】従来のターンバックルの別の例を示す一部を省
略した部分断面図である。
【図8】従来のターンバックルの更に別の例を示す一部
を省略した部分断面図である。
【図9】従来のターンバックルの更に別の例を示す一部
を省略した部分断面図である。
【図10】従来のターンバックルの更に別の例を示す一
部を省略した部分断面図である。
【図11】従来のターンバックルの更に別の例の要部を
示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 胴部材 2 雌ねじ部材 3 雌ねじ部材
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】JISA5540の解説に、「筋かい設計
においては、筋かい軸部が降伏する以前に各接合要素が
破断しないことを前提としており、地震エネルギーの吸
収を筋かい軸部の塑性伸びに期待している。」「ターン
バックルボルト軸部(円筒部)を羽子板との溶接部など
の耐力は、ターンバックルボルト軸部の降伏耐力を十分
に上回るようになっている。」との記載がある。ターン
バックル胴に要求される強度性能としては、変形量が小
さくて強度が高いことにつきると考えられる。また、最
近は建築物の壁の薄肉化傾向が強まり、狭いスペースの
中に組み込まれるターンバックル胴が要求されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】図8のものにおいては、湾曲部材の二つを
突き合わせ、両頭部にする部分を長手方向に抵抗溶接す
る際、加圧によって溶接部を長径とするだ円形状に変形
しやすい。このため、肉厚を必要以上に大きくして雌ね
じ加工時に全周が削れるようにする必要がある。肉厚を
余分に大きくした分だけ不経済な設計となってしまう。
また、サイズの大きいターンバックル胴の場合は、抵抗
溶接部の面積が大きくなり過ぎて大容量の溶接機を必要
とする。このため、実用化が難しい。図9のものにおい
ては、左右の頭部に対し上下2枚の平板をアーク又はガ
ス溶接で接合する。溶接部分が16か所と多く、溶接に
時間が掛かり過ぎる。また、ロボットなどによる自動溶
接化がしにくく、生産能率が著しく劣ってしまう。以上
のように、従来品はそれぞれいろいろな欠点を持ってい
る。本発明の発明者は、そのような欠点を一挙に解消さ
せるにはどうすればよいかと、長年にわたって研究・実
験を続けてきた結果、本発明を完成させることができ
た。本発明が解決しようとする課題は、使用時に掛かる
応力が全周的にできるだけ均等になるようにして肉厚も
できるだけ小さくて済むようにし、このため経済的な設
計ができ、しかも強度が大きくて変形もしにくく、取り
付けスペースが小さくて済むターンバックル胴及びその
ようなターンバックル胴を製作するための生産性の高い
製作法を提供する点にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】つぎに、本発明に係るターンバックル胴及
びその製造方法の詳細を図1と図2に基づいて説明す
る。図1には、細長い胴部材1の両端の外側に右ねじの
雌ねじを切った雌ねじ部材2と左ねじの雌ねじを切った
雌ねじ部材3とを摩擦圧接法で接合したターンバックル
胴を示している。胴部材1は、長手方向に見て一様な断
面形状とした管状体で構成している。その直径は、取り
付けスペースを小さくする観点からボルトの直径の2倍
以下が望ましい。断面形状としては、図2に示すような
各種のものが採用できる。図2(1)のように継目なし
の円形としてもよい。(2)のように、1か所を溶接で
接合したものとしてもよい。継目は連続接合でも断続接
合でもよい。(3)のように、対向部を単に突き合わせ
るだけにして溶接はしなくてもよい。(4)のように、
突合せ部にわずかな隙間をあけておいてもよい。(5)
のように、断面が半円の部材を二つ対向させて真円状に
してもよい。(6)のように、(5)のものにおいて対
向部にわずかな隙間をあけてもよい。その他3つ割り状
・4つ割り状等の部材を合わせ、全体が真円状になるよ
うにしてもよい。材質としては炭素鋼などでよいが、特
に高張力鋼がよい。成形方法としては、(1)(2)
(3)(4)のものは通常の造管装置を用いて成形して
もよい。(5)(6)のものは鋼板をプレスして成形し
てもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】雌ねじ部材のねじ加工部についても、全周
的に均等な応力が作用するので通常のねじ加工長さ(ね
じ加工長さはねじの呼び径の0.8倍以上)を有する雌
ねじ部材を使用することができる。この雌ねじ部材を単
品として完全自動化によって低コストで製作することが
できる。また、胴部材の素材強度にマッチングするもの
を市販ナットから選択して使用することもでき、このよ
うにするとコスト低減を図ることができる。胴部材と雌
ねじ部材の接合は摩擦圧接法によっている。このため、
アンダーカットなどの溶接欠陥がなくなり、応力の局所
集中を避けることができるだけでなく、加熱と加圧を適
用する接合であるため接合部の肉厚を大きくしながらの
高能率接合ができる。また、本発明に係るターンバック
ル胴は、建築物の壁の薄肉化傾向によって取り付けスペ
ースが小さい箇所への使用に最適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に見て一様な断面形状とした管
    状体よりなる胴部材の両端の外側に、右ねじの雌ねじを
    切った雌ねじ部材と左ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材
    とをそれぞれ接合したターンバックル胴。
  2. 【請求項2】 右ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材と左
    ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材のうち、少なくともど
    ちらか一方に軸方向の平面を設けたことを特徴とする、
    請求項1に記載のターンバックル胴。
  3. 【請求項3】 長手方向に見て一様な断面形状とした管
    状体よりなる胴部材を形成し、他方右ねじの雌ねじを切
    った雌ねじ部材と左ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材と
    をそれぞれ単品として成形加工し、胴部材の両端の外側
    にそれらを摩擦圧接法によってそれぞれ接合するターン
    バックル胴の製造方法。
  4. 【請求項4】 右ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材や左
    ねじの雌ねじを切った雌ねじ部材を単品として成形加工
    する際に、それらのうち少なくともどちらか一方に軸方
    向の平面を形成することを特徴とする、請求項3に記載
    のターンバックル胴の製造方法。
JP8103193A 1993-03-03 1993-03-03 ターンバックル胴及びその製造方法 Pending JPH06257606A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008524044A (ja) * 2004-12-20 2008-07-10 ビショップ イノヴェーション リミテッド 複合ステアリングラック
WO2015001822A1 (ja) * 2013-07-03 2015-01-08 オリンパス株式会社 超音波振動デバイス、超音波振動デバイスの製造方法および超音波医療装置
JP2020159091A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 矢作建設工業株式会社 ターンバックルブレース

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JPWO2015001822A1 (ja) * 2013-07-03 2017-02-23 オリンパス株式会社 超音波振動デバイス、超音波振動デバイスの製造方法および超音波医療装置
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