JPH06265367A - 船舶の慣性航法装置 - Google Patents

船舶の慣性航法装置

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JPH06265367A
JPH06265367A JP5245093A JP5245093A JPH06265367A JP H06265367 A JPH06265367 A JP H06265367A JP 5245093 A JP5245093 A JP 5245093A JP 5245093 A JP5245093 A JP 5245093A JP H06265367 A JPH06265367 A JP H06265367A
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acceleration
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equation
ship
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JP5245093A
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Takashi Morimoto
隆 森本
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YOKOGAWA NABITETSUKU KK
Original Assignee
YOKOGAWA NABITETSUKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 船舶の慣性航法装置における初期アライメン
トおよびキャリブレーションを高精度かつ短時間で行う
ことができるようにする。 【構成】 速度比較値が零である初期アライメントおよ
びキャリブレーション時に、時系列に得られた加速度測
定データからそのデータに含まれる動揺外乱加速度を推
定し、その推定値により加速度測定データを補正し、そ
れを積分してカルマンフィルタの入力とする。 【効果】 ジャイロ誤差およひ加速度計誤差による速度
誤差を短時間に抽出でき、初期姿勢および方位を高精度
かつ極めて短い時間内に決定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は船舶の姿勢、方位、速度
および位置の検出に利用する。特に、これらの検出値を
出力するストラップダウン方式の慣性航法装置に関す
る。さらに詳しくは、このような慣性航法装置の初期姿
勢および方位の決定に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の慣性航法装置の一例を示す
ブロック構成図である。この慣性航法装置は、IMU部
11と、入出力回路12、加速度計誤差補正計算部2
1、ジャイロ誤差補正計算部22、加速度座標変換計算
部23、座標変換行列計算部24、修正量計算部25、
速度位置計算部26、姿勢方位計算部27、減算回路2
8、29およびカルマンフィルタ部30からなるコンピ
ュータ部と、入出力回路41と、入出力データ表示装置
42とを備える。カルマンフィルタ部30は、出力誤差
推定計算部31とIMU誤差推定計算部32とを備え
る。
【0003】ここで、この従来例の動作を説明する前
に、この装置で用いる座標について図3を参照して説明
する。慣性航法装置で用いられる座標には、船体座標と
航法座標(または航法計算座標)とがある。船体座標
は、ロール、ピッチおよびヨーの各軸成分により、 (bx ,by ,bz ) と表される座標であり、船体中心を原点とする。これに
対して航法座標はn座標とも呼ばれ、北、東および高さ
方向の各成分により、 (xN ,yE ,zD ) と表される座標である。航法座標もまた船体中心を原点
とするが、その船上の点の座標は船の移動に伴って移動
する。ロール軸のまわりの回転角をロール角φ、ピッチ
軸まわりの回転角をピッチ角θ、船の向きを方位角ψと
いう。方位角ψは北向きのときψ=0、東向きのときψ
=90°である。
【0004】次に、従来例の各部の動作について、表
1、表2に示す記号を用いて説明する。
【表1】
【表2】
【0005】IMU部11は加速度計とジャイロとによ
り構成され、加速度計は船の運動加速度を計測して加速
度ベクトルを出力し、ジャイロは船の運動角速度を計測
して回転角速度ベクトルを出力する。ストラップダウン
方式では、このIMU部11が直接に船体基準軸に取り
つけられる。取り付け位置は可能な限り船体重心の近く
に設定される。
【0006】加速度計の出力する加速度ベクトルは、ロ
ール軸、ピッチ軸およびヨー軸の各方向の加速度Abx
bxおよびAbzを要素とする船体座標で表現され、船の
推進加速度ベクトル、加速度誤差ベクトルおよび動揺加
速度ベクトルに対して次の関係がある。
【数1】 右辺第3項の動揺加速度ベクトルは初期アライメント中
に外乱加速度となり、姿勢決定時間および決定精度に大
きな影響を及ぼす。初期アライメントとは、加速度計出
力の水平成分を用いて初期の姿勢および方位角をできる
だけ正確に決定することをいう。この初期アライメント
のときに、ジャイロおよび加速度計のそれぞれの誤差の
一部についても補正する。これをキャリブレーションと
いう。
【0007】ジャイロの出力する回転角速度ベクトルも
また船体座標で表現され、船体軸ロール角速度Wbx、船
体軸ピッチ角速度Wby、船体軸ヨー角速度Wbzを要素と
する。回転角速度ベクトルは旋回角速度ベクトル、ジャ
イロ誤差ベクトルおよび動揺角速度ベクトルに対して次
の関係がある。
【数2】
【0008】加速度計およびジャイロの出力は、入出力
回路12を介して、それぞれ加速度計誤差補正計算部2
1およびジャイロ誤差補正計算部22に入力される。こ
れらの計算部21、22は、各誤差の一部を次の補正式
により補正する。
【数3】 この二つの数式において、右辺第1項は船の推進加速度
ベクトルおよび旋回角度ベクトルであり、次の式で表さ
れる。
【数4】 また、右辺第2項は船の動揺加速度ベクトルおよび角速
度ベクトルであり、次の式で表される。
【数5】 そして、右辺第3項は加速度計誤差ベクトルおよびジャ
イロ誤差ベクトルであり、次の式で表される。
【数6】 右辺最終項はIMU誤差推定計算部32から出力された
加速度計誤差推定出力およびジャイロ誤差推定出力であ
り、次の式で表されるベクトルである。
【数7】
【0009】加速度座標変換計算部23は、加速度計誤
差補正計算部21の出力を船体座標から航法座標である
n座標へ次式により変換する。
【数8】
【0010】座標変換行列計算部24は、加速度座標変
換計算部23での座標変換に使用する座標変換行列を次
式により計算する。
【数9】 座標変換行列は次のように表される。
【数10】 また、数9の式において、d/dtは微分を表し、右辺
のオーバーラインで示した記号は船体座標のn座標に対
する相対回転角速度ベクトルの歪対称行列表現である。
相対回転角速度ベクトルは次の式により求められる。
【数11】 したがって、その歪対称行列表現は次のようになる。
【数12】
【0011】数11の第1式において、右辺の最初の4
つの記号で表される項はジャイロの出力である。よく知
られているように、ジャイロは船の運動角速度(旋回角
速度+動揺角速度)のみならず、絶対静止座標に対する
すべての角速度を計測する。具体的には、地球の自転角
速度、船が丸い地球の周辺を移動する移動角速度すなわ
ち緯度および経度の変化率、などについても計測する。
しかし、航法計算や船の姿勢および方位は地球に対する
運動と姿勢角および方位角とから表現されるので、ジャ
イロ出力から地球の自転角速度と移動角速度とを差し引
いて補正する必要がある。この補正が行われたものが数
11の第1式である。この式において、最終項はジャイ
ロ誤差や加速度計誤差による姿勢角度誤差および方位角
誤差の修正量であり、次の式で表される。
【数13】 右辺は修正量計算部25により計算される。また、減算
項は地球の自転角速度と船の移動角速度とに関する量で
あり、速度位置計算部26により、次のように計算され
る。
【数14】
【0012】速度位置計算部26はまた、数14に示し
た式における速度および緯度経度について、加速度座標
変換計算部23の出力に基づいて以下の計算により求め
る。
【数15】 船の場合には高度方向は関係ないが、水平方向と相関が
あるため、計算だけは次のように実行する。
【数16】
【0013】数16の二つの式におけるそれぞれ最終項
は高度方向の誤差の水平方向への影響をできるだけ小さ
くするための高度方向誤差修正量であり、修正量計算部
25により次のように計算される。
【数17】 修正量計算部25はまた、水平方向速度誤差の修正量、
すなわち数15の第1式における最終項についても計算
する。
【0014】このような計算により、速度位置計算部2
6の出力には、数15の第2式で表される速度ベクトル
と、同じく第3式および第4式で表される位置ベクトル
とが得られる。位置ベクトルは次のように表される。
【数18】 得られた速度ベクトルおよび位置ベクトルは、入出力回
路41を介して入出力データ表示装置42に出力され
る。
【0015】なお、数15では、次の式で表される重力
加速度ベクトルのn座標表現を用いた。
【数19】 また、数14で用いた緯度方向および経度方向の地球半
径は、赤道面での地球半径aを用いて次のように表され
る。
【数20】 さらに、数15では次の式で行列表現される値を用い
た。
【数21】
【0016】一方、姿勢方位計算部27は、座標変換行
列計算部24の出力した座標変換行列から姿勢角(φ,
θ)と方位角ψとを計算し、入出力回路41を介して入
出力データ表示装置42に出力する。姿勢角および方位
角は、座標変換行列の要素を用いて、次のように計算さ
れる。
【数22】
【0017】速度位置計算部26により得られた速度ベ
クトルおよび位置ベクトルは、コンピュータ部から出力
されるだけでなく、コンピュータ部内の減算回路28、
29に入力される。減算回路28、29にはさらに、入
出力回路41を介してそれぞれ外部基準速度および外部
基準位置が入力される。減算回路28、29は、これら
を比較し、その差を出力誤差推定計算部31およびIM
U誤差推定計算部32の双方に入力する。
【0018】初期アライメント中は、次式で表される外
部基準速度および外部基準位置が入力される。
【数23】 また、初期アライメント中は、数15の第1式が次式と
なる。
【数24】
【0019】数24における水平方向速度誤差の修正量
は、修正量計算部7において、次の式により計算され
る。
【数25】 すなわち、数25の第2式の右辺により修正量ベクトル
の二つの要素を求め、数17により求めたもう一つの要
素を組み合わせて水平方向速度誤差の修正量を得る。
【0020】数14のUλ、UΛの式および数25の第
2式において、
【数26】 であり、
【数27】 である。
【0021】また、数25第2式の係数は2行14列の
行列で表される最適制御ゲインであり、次の評価関数を
最小にするように決められる。
【数28】 このJを最小にするということは、区間〔0≦t≦T〕
で使われる修正量と、そのときの誤差の累積とを最小に
することを意味する。すなわち、エネルギ最小化制御で
ある。
【0022】数27に示した二つの行列は、速度誤差、
姿勢角誤差、方位角誤差およびそれらの累積値の推定値
であり、出力誤差推定計算部31から修正量計算部25
に供給される。これらの二つの行列には次の関係があ
る。
【数29】
【0023】修正量計算部25はまた、次式により姿勢
角誤差および方位角誤差の修正量を求める。
【数30】 右辺3番目の記号は数26に示したものと同一であり、
2番目の記号は数28の評価関数を最小にするように決
められた最適制御ゲインを表す。この場合の最適制御ゲ
インは3行14列の行列で表される。
【0024】カルマンフィルタ部30は、出力誤差推定
計算部31により速度誤差、位置誤差、姿勢角誤差、方
位角誤差を推定し、IMU誤差推定計算部32によりジ
ャイロ誤差、加速度誤差を推定する。この推定のための
モデルは次式で与えられる。
【数31】
【0025】カルマンフィルタ部30はさらに、外部基
準速度誤差および潮流の速度について次のようにモデル
化して推定する。
【数32】
【0026】カルマンフィルタ部30の動作は次式で与
えられる。
【数33】
【0027】カルマンフィルタ部30に入力される観測
データは、初期アライメントと航行中のアライメント時
とで異なる。また、航行中のアライメント時でも、外部
基準速度観測時、外部基準位置観測時、あるいは外部基
準速度観測と外部基準位置観測との併用時で異なってく
る。
【0028】外部基準速度観測時の入力観測データは次
のようなる。
【数34】 したがって、次式となる。
【数35】
【0029】外部基準位置観測時には次のようになる。
【数36】 したがって、次式となる。
【数37】 初期アライメント時には観測データが速度データのみと
なるので、外部基準位置観測は行わない。
【0030】外部基準速度観測と外部基準位置観測との
併用時の入力観測データは次のようになる。
【数38】 初期アライメント時には、この併用観測は行わない。す
なわち、初期アライメント時は速度観測のみとなる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のスト
ラップダウン方式慣性航法装置では、初期アライメント
およびキャリブレーション時に、カルマンフィルタ入力
となる観測データが速度データ(VN ,VE )のみとな
り、しかも外部基準速度VNr、VErは零である。船は停
止しているので
【数39】 であり、動揺速度VdN、VdEがあるだけである。すなわ
ち、
【数40】 となる。
【0032】ここで、初期アライメントおよびキャリブ
レーションの目的は、ジャイロ誤差および加速度計誤差
による姿勢誤差および方位誤差を推定し、これらの誤差
の修正量を計算して座標変換行列計算部の入力とするこ
とにある。
【0033】姿勢誤差および方位誤差を推定するために
は、当然、その原因となるジャイロ誤差および加速度計
誤差についても推定することになる。観測データとして
姿勢誤差および方位誤差が直接測定できるならこの推定
は簡単であるが、実際には、数40に示したように速度
データが観測データとなる。すなわち、ジャイロ誤差お
よび加速度計誤差による速度誤差ΔVN 、ΔVE を正し
く測定できるわけではなく、動揺外乱としての動揺速度
dN、VdEが余計に測定されてしまう。これらは速度誤
差ΔVN 、ΔVE の信号に対してノイズ外乱となり、速
度誤差ΔVN 、ΔVE 、姿勢角誤差、方位角誤差、加速
度計誤差およびジャイロ誤差のそれぞれの推定精度を低
下させる要因とする。また、推定完了までに要する時間
(これを「整定時間」という)を長くする要因ともな
る。
【0034】この整定時間について説明すると、従来の
ストラップダウン方式慣性航法装置では、動揺外乱の影
響をできるだけ小さく抑えるために約4時間を費やして
いる。これは、船が緊急時に出航するときに大きな問題
となる。
【0035】ここで、姿勢角誤差および方位角誤差と整
定時間との関係について説明する。
【0036】整定時間後の姿勢角誤差および方位角誤差
は次式で表される。
【数41】 ここで、
【数42】 であり、
【数43】 である。
【0037】例えばεN s.s およびεE s.s の精度仕様
を最大0.02°、εD s.s の精度仕様を0.07°と
する。この仕様を満足する値を数41から逆算すると、
【数44】 となるようなローパスフィルタを設ける必要がある。
【0038】ここで、ローパスフルタの前段における外
乱その他の振幅と周期を次のように設定する。
【数45】 ここに示した数値は船で推定される簡易化したモデルの
場合のデータである。
【0039】したがって、上述した仕様を満足するに
は、1gを3×10-4gまでおとすローパスフィルタ
と、1°/secを0.01°/hまでおとすローパス
フィルタとを設定する必要がある。ここで、G(s)を
次のような一次遅れ系のローパスフィルタとする。
【数46】 s=jωを代入してゲイン|G(jω)|を計算する
と、
【数47】 となる。ここで、Tc ω≫1のようにTc を設定する
と、
【数48】 となる。ω=ωdN=ωdE=fdE=0.6rad/sec
とすると、
【数49】 となる。ここで、Tc =5555secとすると、
【数50】 となる。振幅が1gの外乱は、この時定数のフィルタを
通ると、1/3333、すなわち3×10-4gとなり、
数44の第1式および第2式を満足する。しかし、フィ
ルタの時定数が5555秒であり、整定するのに約6時
間もかかることになる。
【0040】ここでは仮定したデータと単純な一次のロ
ーパスフィルタを用いた場合について説明したが、実用
的には、より短い時間で初期アライメントおよびキャリ
ブレーションを行うことができる。しかし、それでも約
4時間程度の時間が必要となる。
【0041】本発明は、このような課題を解決し、初期
アライメントおよびキャリブレーションを高精度かつ短
時間に行うことのできる船舶の慣性航法装置を提供する
ことを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明の船舶の慣性航法
装置は、船体基準軸に取り付けられた加速度計およびジ
ャイロからなるIMU部と、加速度計が出力した船体座
標における加速度を航法座標における加速度に変換する
第一の演算手段と、この航法座標における加速度を積分
してその船の速度および位置を求める第二の演算手段
と、ジャイロが出力した船の回転角速度から船体座標と
航法座標との間の変換規則を求める第三の演算手段と、
この第三の演算手段の出力によりその船の姿勢および方
位を求める第四の演算手段と、第二の演算手段により求
められた速度および位置と外部から入力された速度比較
値および位置比較値との差に基づいて第二および第三の
演算手段のそれぞれの演算の修正量を求める第一の補正
手段と、第二の演算手段により求められた速度および位
置と外部から入力された速度比較値および位置比較値と
の差に基づいて加速度計およびジャイロのそれぞれの出
力誤差を補正する第二の補正手段とを備えた船舶の慣性
航法装置において、速度比較値が零である初期設定時
に、第一の演算手段からの時系列の出力に基づいてその
出力に含まれる動揺外乱加速度を推定する第五の演算手
段と、この動揺外乱加速度の推定値により第一の演算手
段の出力を補正する第六の演算手段と、この第六の演算
手段の出力を積分し、初期設定時の速度誤差として第一
および第二の補正手段に供給する第七の演算手段とを備
えたことを特徴とする。
【0043】
【作用】初期アライメントおよびキャリブレーションを
行うとき、加速度計の出力から航法座標上の加速度(北
向き成分AN および東向き成分AE )を求め、時系列に
得られる加速度の測定データから動揺外乱加速度モデル
の係数パラメータを推定し、この係数パラメータを用い
てその測定データに含まれる動揺外乱加速度(北向き成
分AdNおよび東向き成分AdE)を推定する。この動揺外
乱加速度の推定値により測定データをフィードフォワー
ド補正する。これにより動揺外乱加速度成分を実質的に
含まない加速度データが得られる。これを積分し、カル
マンフィルタの入力とする。
【0044】このようにして、初期アライメントおよび
キャリブレーション時に、SN比の良好な速度データが
カルマンフィルタの入力となり、ジャイロ誤差および加
速度計誤差による速度誤差(北向き成分ΔVN 、東向き
成分ΔVE )を正確かつ短時間に抽出でき、初期姿勢お
よび方位を高い精度かつ極めて短い時間で決定すること
ができる。
【0045】
【実施例】図1は本発明実施例の慣性航法装置を示すブ
ロック構成図である。この装置は、船体基準軸に取り付
けられた加速度計およびジャイロからなるIMU部11
を備え、その出力が入出力回路12を介してコンピュー
タ部に供給される。コンピュータ部は、IMU部11の
出力に基づいて船舶の速度、位置、姿勢および方位を求
め、入出力回路41を介して入出力データ表示装置42
に表示する。また、外部から入力された速度比較値およ
び位置比較値が入出力回路41を介してコンピュータ部
に入力される。
【0046】コンピュータ部には、加速度計が出力した
船体座標における加速度を航法座標における加速度に変
換する第一の演算手段として加速度座標変換計算部23
を備え、この航法座標における加速度を積分してその船
の速度および位置を求める第二の演算手段として速度位
置計算部26を備え、ジャイロが出力した船の回転角速
度から船体座標と航法座標との間の変換規則を求める第
三の演算手段として座標変換行列計算部24を備え、こ
の座標変換行列計算部24の出力によりその船の姿勢お
よび方位を求める第四の演算手段として姿勢方位計算部
27を備え、速度位置計算部26により求められた速度
および位置と外部から入力された速度比較値および位置
比較値との差に基づいて速度位置計算部26および座標
変換行列計算部24のそれぞれの演算の修正量を求める
第一の補正手段として出力誤差推定計算部31および修
正量計算部25を備え、速度位置計算部26により求め
られた速度および位置と外部から入力された速度比較値
および位置比較値との差に基づいて加速度計およびジャ
イロのそれぞれの出力誤差を補正する第二の補正手段と
してIMU誤差推定計算部32、加速度計誤差補正計算
部21およびジャイロ誤差補正計算部22を備える。ま
た、コンピュータ部には、速度位置計算部26により求
められた速度および位置と外部から入力された速度比較
値および位置比較値との差を求めるため、それぞれ減算
回路28、29を備える。出力誤差推定計算部31およ
びIMU誤差推定計算部32はカルマンフィルタ部30
を構成する。
【0047】ここで本実施例の特徴とするところは、コ
ンピュータ部にさらに、速度比較値が零である初期設定
時に、加速度座標変換計算部23からの時系列の出力に
基づいてその出力に含まれる動揺外乱加速度を推定する
第五の演算手段として動揺外乱加速度同定計算部33を
備え、この動揺外乱加速度の推定値により加速度座標変
換計算部23の出力を補正する第六の演算手段としてフ
ィードフォワード補正計算部34を備え、このフィード
フォワード補正計算部34の出力を積分し、その積分値
を初期設定時の速度誤差として出力誤差推定計算部31
およびIMU誤差推定計算部32にそれぞれ供給する第
七の演算手段として速度計算部35を備えたことにあ
る。
【0048】本実施例の動作について、図2に示した従
来例と異なる動作のみを説明する。本実施例が従来例と
異なるのは初期アライメントおよびキャリブレーション
中の動作のみであり、動揺外乱加速度同定計算部33、
フィードフォワード補正計算部34および速度計算部3
5はこのときだけ動作する。
【0049】図2に示した従来例では、数40に示した
ように、ジャイロおよび加速度計の誤差による速度誤差
ΔVN 、ΔVE (北向き成分、東向き成分)を観測デー
タとしての速度VN 、VE から取り出しているため、動
揺外乱による動揺速度VdN、VdE分だけSN比が低下し
てしまう。
【0050】速度は、次式に示すように、加速度計によ
り得られた加速度ベクトルを船体座標から航法座標に座
標変換して積分することにより求められる。
【数51】 初期アライメント中なので、数51における第二式に
は、船の移動速度によるコリオリの項は含まれない。
【0051】数51の第二式から、観測データとしての
速度VN 、VE が次のように求められる。
【数52】
【0052】初期アライメント中であることから、
【数53】 とすると、
【数54】 となる。数54において速度VN 、VE が観測データで
あるが、本実施例では、動揺速度VdN、VdEの値を可能
な限り小さくするため、航法座標における動揺加速度ベ
クトルを推定し、フィードフォワード補正する。この推
定は動揺外乱加速度同定計算部33で行われる。
【0053】動揺加速度ベクトルは、
【数55】 で表され、
【数56】 である。ここで、初期アライメントおよびキャリブレー
ション中は、IMU部11、入出力回路12、座標変換
行列計算部24、加速度座標変換計算部23、動揺外乱
加速度同定計算部33の順序で処理が行われ、外乱加速
度同定中はこのサイクルで動作し続ける。この間は
【数57】 となり、数56は次式のように簡略化される。
【数58】
【0054】数58より、加速度AN 、AE は、
【数59】 となる。
【0055】加速度誤差ΔAN 、ΔAE の大きさは10
-5g〜10-4g程度であり、動揺加速度AdN、AdNの大
きさは0.1g〜1g程度である。したがって、
【数60】 となる。これらの加速度成分が動揺外乱加速度同定計算
部33の入力となる。
【0056】動揺外乱加速度同定計算部33では、加速
度AN 、AE の測定データにより動揺加速度AdN、AdN
を推定する。
【0057】この推定について説明する。今、加速度A
N 、AE の測定データを次のように定義する。
【数61】 そして、この測定データを次式のようなARMA(自己
回帰移動平均)モデルで近似する。
【数62】 この式の示す意味は、現在の二つの測定データ、すなわ
ち北向き成分のデータと東向き成分のデータとが、現在
からnステップ前までの北向き成分のデータの重み付け
和と、東向き成分のデータの重み付け和とで表現できる
ことを示している。このときの重み係数は未知の定数で
あり、動揺外乱加速度同定計算部33では、この重み係
数を時系列の測定データから推定する。
【0058】ここで、数62を次のように書き換える。
【数63】
【0059】数63では、求めるべき2n個の未知パラ
メータ(重み係数)に対して、式が二つしかない。そこ
で、式を増やすため、R=R1 、R2 、…Rm として各
々に対して数63を適用し、
【数64】 とする。これをまとめて次のように書き換える。
【数65】 数65の重み係数ベクトルを推定すれば、その推定値を
用いて加速度についての測定データの推定値を求めるこ
とができ、動揺加速度AdN、AdNの推定値を求めること
ができる。
【0060】推定の方法には最小2乗法、カルマンフィ
ルタ法、最尤推定法などがあるが、ここではバッチ処理
タイプの最小2乗法を用いた場合について説明する。こ
の場合には、重み係数ベクトルの推定値が、
【数66】 により求められる。左辺の記号は、時刻tR1〜tRm間の
測定データにより求めた推定値を表す。この推定値によ
り、動揺加速度AdN、AdNのそれぞれの推定値が、
【数67】 で近似的に推定される。この推定値がフィードフォワー
ド補正計算部34の入力となる。
【0061】フィードフォワード補正計算部34は、次
式の計算により、入力された推定値で水平方向の加速度
をフィードフォワード補正する。
【数68】 補正された加速度データは速度計算部35に入力され
る。
【0062】速度計算部35は、補正された加速度デー
タを次の式により計算し、カルマンフィルタ部30の入
力を求める。
【数69】
【0063】ここで、推定が完全に行われれば、
【数70】 となり、
【数71】 となる。このとき、速度についての観測データy1 、y
2 は、
【数72】 となり、速度誤差が、ジャイロ誤差と加速度計誤差とに
よるものだけとなる。ここで、
【数73】 である。
【0064】したがって、カルマンフィルタ部30で
は、動揺加速度AdN、AdEにまったく影響を受けずに加
速度計誤差およびジャイロ誤差、そして姿勢誤差、方位
誤差、および速度誤差を推定することができる。
【0065】図4ないし図8に本実施例の動作フローを
示し、図9に方位角誤差整定の時間応答を本実施例と従
来例とについて示す。図9から、初期アライメントおよ
びキャリブレーション時間が従来の4時間から30分以
下と大幅に短縮され、アライメントおよびキャリブレー
ションの精度も大幅に改善されることがわかる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の船舶の慣
性航法装置は、動揺外乱加速度を推定してフィードフォ
ワード補正を行うことにより、動揺外乱の影響を短時間
に除去することができる。このため、初期アライメント
およびキャリブレーションの時間を短縮でき、高精度に
姿勢および方位を決定できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の慣性航法装置を示すブロック構
成図。
【図2】従来の船舶用慣性航法装置の例を示すブロック
構成図。
【図3】慣性航法装置で用いられる座標を示す図。
【図4】実施例装置の動作フローの一部を示す図。
【図5】実施例装置の動作フローの一部を示す図。
【図6】実施例装置の動作フローの一部を示す図。
【図7】実施例装置の動作フローの一部を示す図。
【図8】実施例装置の動作フローの一部を示す図。
【図9】方位角誤差整定の時間応答を示す図。
【符号の説明】
11 IMU部 12、41 入出力回路 21 加速度計誤差補正計算部 22 ジャイロ誤差補正計算部 23 加速度座標変換計算部 24 座標変換行列計算部 25 修正量計算部 26 速度位置計算部 27 姿勢方位計算部 28、29 減算回路 30 カルマンフィルタ部 31 出力誤差推定計算部 32 IMU誤差推定計算部 33 動揺外乱加速度同定計算部 34 フィードフォワード補正計算部 35 速度計算部 42 入出力データ表示装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体基準軸に取り付けられた加速度計お
    よびジャイロからなるIMU部(11)と、 上記加速度計が出力した船体座標における加速度を航法
    座標における加速度に変換する第一の演算手段(23)
    と、 この航法座標における加速度を積分してその船の速度お
    よび位置を求める第二の演算手段(26)と、 上記ジャイロが出力した船の回転角速度から船体座標と
    航法座標との間の変換規則を求める第三の演算手段(2
    4)と、 この第三の演算手段の出力によりその船の姿勢および方
    位を求める第四の演算手段(27)と、 上記第二の演算手段により求められた速度および位置と
    外部から入力された速度比較値および位置比較値との差
    に基づいて上記第二および上記第三の演算手段のそれぞ
    れの演算の修正量を求める第一の補正手段(31、2
    5)と、 上記第二の演算手段により求められた速度および位置と
    外部から入力された速度比較値および位置比較値との差
    に基づいて上記加速度計および上記ジャイロのそれぞれ
    の出力誤差を補正する第二の補正手段(32、21、2
    2)とを備えた船舶の慣性航法装置において、 速度比較値が零である初期設定時に、上記第一の演算手
    段からの時系列の出力に基づいてその出力に含まれる動
    揺外乱加速度を推定する第五の演算手段(33)と、 この動揺外乱加速度の推定値により上記第一の演算手段
    の出力を補正する第六の演算手段(34)と、 この第六の演算手段の出力を積分し、初期設定時の速度
    誤差として上記第一および上記第二の補正手段にそれぞ
    れ供給する第七の演算手段(35)とを備えたことを特
    徴とする船舶の慣性航法装置。
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