JPH06267931A - シリコン基板の多孔質化法 - Google Patents

シリコン基板の多孔質化法

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JPH06267931A
JPH06267931A JP5056111A JP5611193A JPH06267931A JP H06267931 A JPH06267931 A JP H06267931A JP 5056111 A JP5056111 A JP 5056111A JP 5611193 A JP5611193 A JP 5611193A JP H06267931 A JPH06267931 A JP H06267931A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶シリコン基板上に、微細な孔を有する
多孔質シリコンを深さ方向に対して均一に、また深さ方
向に対して制御良く形成する方法を提供する。 【構成】 シリコン基板上に高エネルギーイオンを照射
したあと、シリコン基板の表面層を陽極化成法を用い
て、多孔質シリコン層に変成する。 【効果】 得られた多孔質シリコン層は、材料の入射イ
オンビームによる照射欠陥を利用するので、イオンビー
ムの種類、エネルギー及び注入量を制御することによっ
て、所望の孔径の多孔質シリコンを形成することができ
る。更に孔径の深さ方向分布のない、極めて均一な多孔
質シリコン層を得ることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板の多孔質
化法に関する。更に詳しくは、多孔質シリコンの選択的
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶シリコン及び白金板をフッ酸を主
成分とする化成溶液中に入れ、単結晶シリコンを陽極
に、白金板を陰極に保ち、単結晶シリコンを陽極化成す
ると、陽極電流密度がある値以上の場合、鏡面状の電解
研磨が生じるが、それ以下では、多孔質シリコンが形成
されることが知られている。
【0003】一般に、フッ酸中に単結晶シリコンを浸漬
するとその表面は、水素原子で終端されることが知られ
ている。多孔質シリコンの形成のための陽極化成反応
は、この状態から始まり、その機構を図5に示す。ま
ず、電圧の印加によって、正孔がシリコン表面に到達す
ると、F- イオンがシリコン表面のSi−H結合を攻撃
し、Si−F結合が形成される(ステップ1)。次に結
合したF原子の極性の影響によって、もう一つの別のF
- イオンがSi−H結合を攻撃し、H2 分子を形成し、
電極への電子の注入を引き起こす(ステップ2及び
3)。Si−Fの集団による分極により、Si−Si結
合の電子密度が低くなることによりこの結合は弱くな
り、HFやH2 Oで攻撃され、表面から脱離する(ステ
ップ4及び5)。しかしながら残ったシリコン表面は依
然水素原子で終端されている。
【0004】ここで、シリコン原子が上記反応によっ
て、原子レベルでフラットなシリコン表面より脱離する
とすれば、原子サイズのくぼみが残る。この幾何学的な
変化は、表面の電荷分布の不均一を誘起し、このくぼん
だ領域に選択的に正孔が集中することになる。上記反応
の繰り返しによって、表面の凹凸が強調され、多数の空
孔が存在する多孔質シリコンが形成されることになる。
この反応は正孔が反応を制限しているので、電圧を印加
さえすれば、いくらでも多孔質シリコン層を厚くするこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の陽極化成法を利
用した多孔質シリコンの形成方法では、反応開始点とし
て基板表面に存在する転移等の結晶欠陥が関与している
が、結晶欠陥の分布は不均一でかつ分布密度も小さいた
め、孔径がより微細な多孔質層を均一に形成することが
難しく、また深さ方向の孔径にも分布が生じるという課
題があった。
【0006】かかる従来の課題を鑑み、単結晶シリコン
基板上に、微細な孔を有する多孔質シリコンを深さ方向
に対して均一に、また制御良く形成する方法を見出し本
発明に到った。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、シリコン基板に高エネルギーのイオンを注入し、前
記シリコン基板内の深さ方向に対して均一に欠陥を導入
したあと、陽極化成法により前記シリコン基板の表面層
に多孔質シリコン層を形成することを特徴とするシリコ
ン基板の多孔質化法が提供される。
【0008】つまり、高エネルギーイオンを注入するこ
とによって、シリコン基板にフレンケル欠陥が導入さ
れ、その欠陥を選択的に多孔質化させることによって、
多孔質シリコン層が形成される。
【0009】本発明に使用できるシリコン基板は、p型
或いはn型であってもよい。p型にするためには、予め
ホウ素等をドーピングした基板を使用することができ
る。n型にするためには、予めリン、砒素、アンチモン
等をドーピングした基板を使用することができる。
【0010】次に上記基板に高エネルギーのイオンを注
入する。ここで使用できるイオンとしては、リン、砒
素、アンチモン等が挙げられる。又注入条件は、注入さ
れるイオンの種類によっても相違するが、エネルギー1
〜30MeV、注入量1×10 13〜1×1016個/cm
2 であり、好ましくは、1〜11MeV、1×1014〜
1×1015個/cm2 である。この注入によって、シリ
コン基板内にフレンケル欠陥が導入される。
【0011】次に公知の方法である陽極化成法に基づい
て、シリコン基板の表面層を、多孔質シリコン層に変成
する。この陽極化成法は次のように行うことができる。
まず陽極に上記シリコン基板を接続する。次に、白金を
陰極として用い、電解溶液中に、両方の電極を浸す。こ
の時使用できる電解溶液としては、フッ酸、フッ酸とエ
チルアルコール、フッ酸とメチルアルコール等が使用で
きるが、フッ酸を使用することが好ましい。またフッ酸
溶液の組成をHF:H2 O=1:1(容積比)とするこ
とが更に好ましい。
【0012】次に陽極と陰極に、得ようとする多孔質シ
リコン層の層厚及び孔径によっても異なるが、電流密度
2〜200mA/cm2 で、1〜100分間電流を流す
ことによって、電気化学反応が生じ多孔質シリコン層が
形成される。この反応は正孔が反応を制御しているの
で、電圧をかけさえすればいくらでも層厚を厚くするこ
とができるが、微細な孔を制御良く均一に形成するに
は、層厚10μm以下、孔径10nm以下であることが
好ましい。
【0013】上記の欠陥導入に先立って、陽極化成法に
使用する電解溶液に耐性或いは溶解性の中間層を形成す
ることによって、更に精度良く均一な層厚の、多孔質シ
リコン層を形成することができる。まず、電解溶液とし
て例えばフッ酸を使用する場合、溶液に耐性の中間層は
次のように形成することができる。シリコン基板に炭素
イオンを1〜6MeV、1×1016〜1×1018個/c
m2 の条件で照射する。つぎにシリコン基板にアニール
処理を施し、シリコン基板中に炭化珪素からなる中間層
が形成される。またその処理は、1200〜1400
℃、2〜10時間、Ar等の不活性ガス雰囲気下で行う
ことができる。この炭化珪素からなる中間層は、フッ酸
に対して耐性を有するので、この中間層より上側のシリ
コン層のみを多孔質化することができ、層厚の制御を更
に精密に行うことが可能となる。
【0014】次に、電解溶液として例えばフッ酸を使用
する場合、溶液に溶解性の中間層は次のように形成する
ことができる。シリコン基板に酸素イオンを1〜5Me
V、1×1017〜1×1019個/cm2 の条件で照射す
る。つぎにシリコン基板にアニール処理を施し、シリコ
ン基板中に酸化珪素からなる中間層が形成される。また
その処理は、900〜1200℃、1〜5時間、Ar等
の不活性ガス雰囲気下で行うことができる。この酸化珪
素からなる中間層は、フッ酸に対して溶解性であり、多
孔質化する際にフッ酸に溶解するので、層厚の制御を更
に精密に行うことが可能となり、かつ多孔質層のみを基
板から分離することも可能となる。
【0015】
【作用】本発明の形成法によって、得られた多孔質シリ
コン層は、材料の入射イオンビームによって形成された
照射欠陥を利用している。つまり、イオンビームの種
類、エネルギー及び注入量をコントロールすることによ
って、所望の孔径の多孔質シリコンを形成することがで
きる。更に従来問題となっていた孔径の深さ方向の分布
のない、極めて均一な多孔質シリコン層が得られる。ま
た、イオン注入技術と熱処理を組み合わせて、基板の中
間層にフッ酸溶液に耐性あるいは溶解性の層を形成する
ことで、制御性良く所望の厚さの多孔質シリコン層を得
ることが可能となる。
【0016】
【実施例】以下に、図1、図2、図3及び図4に基づい
て本発明の実施例を示す。なお本発明は以下の材料、工
程及びその条件等に限定されるものではない。
【0017】実施例1 ホウ素をドーピングしたp型シリコン基板1上に、11
MeVのAsイオン2を2×1015個/cm2 で照射
し、欠陥を導入した(図1(a)参照)。次にシリコン
基板1の表面層を陽極化成法を用いて多孔質シリコン層
3に変成した(図1(b)参照)。
【0018】この陽極化成法は図4に示した方法で行っ
た。反応セル12中に、p型シリコン基板1からなる陽
極と、白金電極13からなる陰極を、HF:H2 O=
1:1(容積比)のフッ酸溶液14中に浸した。陽極と
陰極に電流密度20mA/cm 2 で、約3分間電流を流
すことによって電気化学反応が生じ、p型シリコン基板
1の表面層に厚さ2μmの多孔質シリコン層3が形成さ
れた。得られた多孔質シリコン層を、高分解能電子顕微
鏡観察及びX線2結晶法により調べたところ、深さ方向
に均一でかつ孔径が5nmの多孔質シリコン層が層厚2
μmで得られていることが確認できた。
【0019】実施例2 ホウ素をドーピングしたp型シリコン基板4上に、3M
eVの炭素イオン5を1×1018個/cm2 で照射した
(図2(a)参照)。次に電気炉で、1350℃、約3
時間、Arガス雰囲気中でアニール処理を施し、表面よ
り約5μm下層の領域に層厚1μmのSiC層6を形成
した(図2(b)参照)。
【0020】次に11MeVのAsイオン2を2×10
15個/cm2 で照射し、欠陥を導入した(図2(c)参
照)。次にシリコン基板1の表面層を陽極化成法を用い
て多孔質シリコン層7に変成した(図2(d)参照)。
【0021】この陽極化成法は図4に示した方法で行っ
た。反応セル12中に、p型シリコン基板4からなる陽
極と、白金電極13からなる陰極を、HF:H2 O=
1:1(容積比)のフッ酸溶液14中に浸した。陽極と
陰極に電流密度10mA/cm 2 で、約10分間電流を
流すことによって電気化学反応が生じ、p型シリコン基
板4の表面層に厚さ2μmの多孔質シリコン層7が形成
された。この時p型シリコン基板4の中間層に、フッ酸
に耐性のあるSiC層6が形成されているので、この層
よりも上層にのみ多孔質シリコン層が形成される。得ら
れた多孔質シリコン層を、高分解能電子顕微鏡観察及び
X線2結晶法により調べたところ、深さ方向に均一でか
つ孔径が6nmの多孔質シリコン層が層厚5μmで得ら
れていることが確認できた。
【0022】実施例3 ホウ素をドーピングしたp型シリコン基板8上に、2M
eVの酸素イオン9を1×1018個/cm2 で照射した
(図3(a)参照)。次に電気炉で、1100℃、約5
0分間、Arガス雰囲気中でアニール処理を施し、表面
より約5μm下層の領域に層厚1.5μmのSiO2 層
10を形成した(図3(b)参照)。
【0023】次に11MeVのAsイオン2を2×10
15個/cm2 で照射し、欠陥を導入した(図3(c)参
照)。次にシリコン基板1の表面層を陽極化成法を用い
て多孔質シリコン層7に変成した(図3(d)参照)。
【0024】この陽極化成法は図4に示した方法で行っ
た。反応セル12中に、p型シリコン基板8からなる陽
極と、白金電極13からなる陰極を、HF:H2 O=
1:1(容積比)のフッ酸溶液14中に浸した。陽極と
陰極に電流密度50mA/cm 2 で、約2分間電流を流
すことによって電気化学反応が生じ、p型シリコン基板
8の表面層に厚さ5μmの多孔質シリコン層12が形成
された。この時p型シリコン基板4の中間層に、フッ酸
に溶解性であるSiO2 層10が形成されているので、
この層はフッ酸との電気化学反応の際に溶解してしま
い、図3(d)に示したように、多孔質シリコン層のみ
がシリコン基板から分離されることとなる。得られた多
孔質シリコン層を、高分解能電子顕微鏡観察及びX線2
結晶法により調べたところ、深さ方向に均一でかつ孔径
が3nmの多孔質シリコン層が得られていることが確認
できた。
【0025】
【発明の効果】本発明によって得られた多孔質シリコン
層は、材料の入射イオンビームによる照射欠陥を利用し
ているので、イオンビームの種類、エネルギー及び入射
量を制御することによって、所望の孔径の多孔質シリコ
ン層を形成することができる。更に従来問題となってい
た孔径の深さ方向の分布のない、極めて均一な多孔質シ
リコン層を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質シリコン層の形成方法を示す概
略工程図である。
【図2】本発明の多孔質シリコン層の形成方法を示す概
略工程図である。
【図3】本発明の多孔質シリコン層の形成方法を示す概
略工程図である。
【図4】陽極化成法に使用する反応セルの概略説明図で
ある。
【図5】陽極化成法で多孔質シリコン層が形成される機
構の概略説明図である。
【符号の説明】
1 p型シリコン基板 2 Asイオン 3 多孔質シリコン層 4 p型シリコン基板 5 炭素イオン 6 SiC層 7 多孔質シリコン層 8 p型シリコン基板 9 酸素イオン 10 SiO2 層 11 多孔質シリコン層 12 陽極化成反応セル 13 白金電極 14 フッ酸溶液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板に高エネルギーのイオンを
    注入し、前記シリコン基板内の深さ方向に対して均一に
    欠陥を導入したあと、陽極化成法により前記シリコン基
    板の表面層に多孔質シリコン層を形成することを特徴と
    するシリコン基板の多孔質化法。
  2. 【請求項2】 高エネルギーのイオンの注入に先立っ
    て、炭素イオンをシリコン基板に注入し、アニール処理
    することによって前記シリコン基板の中間層に炭化層を
    形成することからなる請求項1記載のシリコン基板の多
    孔質化法。
  3. 【請求項3】 高エネルギーのイオンの注入に先立っ
    て、酸素イオンをシリコン基板に注入し、アニール処理
    することによって前記シリコン基板の中間層に酸化層を
    形成することからなる請求項1記載のシリコン基板の多
    孔質化法。
  4. 【請求項4】 酸化層をフッ酸で取り除くことにより多
    孔質シリコン層をシリコン基板から分離することからな
    る請求項3記載のシリコン基板の多孔質化法。
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WO2005107331A1 (en) * 2004-05-05 2005-11-10 National University Of Singapore Controlled particle size and wavelength emission from porous semiconductors using focused ion beams

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