JPH06268279A - ヘテロ接合ホール素子 - Google Patents
ヘテロ接合ホール素子Info
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- JPH06268279A JPH06268279A JP5052514A JP5251493A JPH06268279A JP H06268279 A JPH06268279 A JP H06268279A JP 5052514 A JP5052514 A JP 5052514A JP 5251493 A JP5251493 A JP 5251493A JP H06268279 A JPH06268279 A JP H06268279A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ヘテロ接合ホール素子の高感度化を簡便な方
法で達成する。 【構成】 ヘテロ界面での半導体感磁部層のキャリア濃
度を感磁部層内部より増加させる。 【効果】 感磁部層の電子移動度が向上し、簡便に高感
度ヘテロ接合ホール素子が得られる。
法で達成する。 【構成】 ヘテロ界面での半導体感磁部層のキャリア濃
度を感磁部層内部より増加させる。 【効果】 感磁部層の電子移動度が向上し、簡便に高感
度ヘテロ接合ホール素子が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】ヒ化ガリウム(GaAs)とヒ化
アルミニウム・ガリウム(AlGaAs)、或はまたG
aInAsとInPなどから成る半導体異種接合(ヘテ
ロ接合)を具 備してなるヘテロ接合ホール素子に係わ
り、特にその素子の母体材料となる結晶 層の電子移動
度を向上させ、もってホール素子の感度を上昇させる方
法に関する。
アルミニウム・ガリウム(AlGaAs)、或はまたG
aInAsとInPなどから成る半導体異種接合(ヘテ
ロ接合)を具 備してなるヘテロ接合ホール素子に係わ
り、特にその素子の母体材料となる結晶 層の電子移動
度を向上させ、もってホール素子の感度を上昇させる方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁界を検知し、その強度に応じて電気信
号を発生する、いわゆる磁電変換素子の一つとしてホー
ル(Hall)素子が知られている。このホール素子は
磁場を印加した際に、ホール素子を構成する半導体内の
電子の運動によって発生するホール(Hall)電圧を
被検知量とする一種の磁気センサーであり、回転、位置
検出センサー等として産業界の広範囲に亘り利用されて
いる。
号を発生する、いわゆる磁電変換素子の一つとしてホー
ル(Hall)素子が知られている。このホール素子は
磁場を印加した際に、ホール素子を構成する半導体内の
電子の運動によって発生するホール(Hall)電圧を
被検知量とする一種の磁気センサーであり、回転、位置
検出センサー等として産業界の広範囲に亘り利用されて
いる。
【0003】ホール素子用の半導体材料としてはシリコ
ン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの元素半導体の
他、アンチモン化インジウム(InSb)、ヒ化インジ
ウム(InAs)やヒ化ガリウム(GaAs)等の元素
周期律表の第 族に属する元素と同じく第V族に属する
二つの元素を化合させてなる III−V族2元化合物半導
体も使用される。
ン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの元素半導体の
他、アンチモン化インジウム(InSb)、ヒ化インジ
ウム(InAs)やヒ化ガリウム(GaAs)等の元素
周期律表の第 族に属する元素と同じく第V族に属する
二つの元素を化合させてなる III−V族2元化合物半導
体も使用される。
【0004】しかし、従来の化合物半導体からなるホー
ル素子を見れば、用いる半導体の物性に依ってホール素
子の特性上に一長一短が存在する。例えば、GaAsか
ら成るホール素子はGaAs半導体のバンドギャップが
比較的大きい事により素子特性の温度変化は少ないもの
の、逆に電子移動度が多少低いため積感度はInSbか
ら成るホール素子に比較して低いという欠点がある。一
方、InSbホール素子はInSb半導体のバンドギャ
ップが低いため特性の温度変化は大きいが、高い積感度
が得られる利点を有している。
ル素子を見れば、用いる半導体の物性に依ってホール素
子の特性上に一長一短が存在する。例えば、GaAsか
ら成るホール素子はGaAs半導体のバンドギャップが
比較的大きい事により素子特性の温度変化は少ないもの
の、逆に電子移動度が多少低いため積感度はInSbか
ら成るホール素子に比較して低いという欠点がある。一
方、InSbホール素子はInSb半導体のバンドギャ
ップが低いため特性の温度変化は大きいが、高い積感度
が得られる利点を有している。
【0005】最近では、自動車エンジンの精密な回転制
御等、高温環境下に於ける精密センシング技術の必要性
が高まり、高いホール電圧を出力する能力を有し、且つ
温度による素子特性の変化を低く抑制した新たな高性能
ホール素子が要望されるに至っている。ここで、ホール
電圧は半導体材料のホール(Hall)係数に依存し、
ホール係数が大きい程ホール電圧の出力能力は高い。ま
た、このホール係数は半導体材料の移動度に比例して増
加する。従って、高いホール出力電圧を得るには、即ち
高感度なホール素子を得るには高い電子移動度を発現す
る半導体材料を使用する必要がある。
御等、高温環境下に於ける精密センシング技術の必要性
が高まり、高いホール電圧を出力する能力を有し、且つ
温度による素子特性の変化を低く抑制した新たな高性能
ホール素子が要望されるに至っている。ここで、ホール
電圧は半導体材料のホール(Hall)係数に依存し、
ホール係数が大きい程ホール電圧の出力能力は高い。ま
た、このホール係数は半導体材料の移動度に比例して増
加する。従って、高いホール出力電圧を得るには、即ち
高感度なホール素子を得るには高い電子移動度を発現す
る半導体材料を使用する必要がある。
【0006】このため、産業界からの高性能ホール素子
の要望と相まって半導体材料の物性面からの検討も進
み、極く最近では従来と同様の III−V族化合物半導体
でも三種類の元素を混合させてなるヒ化ガリウム・イン
ジウム(GaInAs)三元混晶とリン化インジウム
(InP)から構成されるヘテロ接合を具備した材料を
高感度ホール素子の材料として応用する試みもなされて
いる(奥山 忍他、1992年秋季第53回応用物理学
会学術講演会予稿集No.3(応用物理学会発行)、1
6a−SZC−16、1078頁)。この新たなGaI
nAsホール素子は特性の温度変化も比較的小さく、且
つまた室温での電子移動度が極めて高いために優れた積
感度を有する。以下、ヘテロ接合ホール素子の一例とし
てこのGaInAsヘテロ接合ホール素子を挙げ、本発
明に説明を加える。
の要望と相まって半導体材料の物性面からの検討も進
み、極く最近では従来と同様の III−V族化合物半導体
でも三種類の元素を混合させてなるヒ化ガリウム・イン
ジウム(GaInAs)三元混晶とリン化インジウム
(InP)から構成されるヘテロ接合を具備した材料を
高感度ホール素子の材料として応用する試みもなされて
いる(奥山 忍他、1992年秋季第53回応用物理学
会学術講演会予稿集No.3(応用物理学会発行)、1
6a−SZC−16、1078頁)。この新たなGaI
nAsホール素子は特性の温度変化も比較的小さく、且
つまた室温での電子移動度が極めて高いために優れた積
感度を有する。以下、ヘテロ接合ホール素子の一例とし
てこのGaInAsヘテロ接合ホール素子を挙げ、本発
明に説明を加える。
【0007】この様なGaInAsホール素子は、通常
Feを適量、添加してなる高抵抗の半絶縁性InP単結
晶基板上に成長させたGaX In1-X As(x は混晶比
(組成比)を表す。)膜を感磁部として構成される。し
かしながら、単にGaX In1-X As膜をFe添加In
P単結晶基板上に堆積させただけではこのGaX In
1-X As膜に高移動度が安定的に付与されるとは限らな
い。それは主に、基板として利用する高抵抗InP単結
晶中に含有されるFe不純物が、当該InP単結晶上に
所望のGaX In1-X As膜をエピタキシャル成長させ
るべく或る高温の成長環境下に曝した際に、InP単結
晶基板側より成長しつつあるGaX In1- X As膜の内
部へ熱拡散することに起因している。即ち、Fe不純物
がいわゆる電子トラップ(trap)として働き、電子の移
動を妨げるために移動度の向上を阻害するからである。
これを防止する目的で通常は、高抵抗の例えば、InP
層をバッファ(buffer)層(緩衝層)としてGaX In
1-X As感磁部膜とInP基板との中間に挿入し、In
P基板結晶中の不純物なり或はまた結晶欠陥なりの感磁
部層への伝幡を低減し、電子移動度を上昇させる試みも
なされている。
Feを適量、添加してなる高抵抗の半絶縁性InP単結
晶基板上に成長させたGaX In1-X As(x は混晶比
(組成比)を表す。)膜を感磁部として構成される。し
かしながら、単にGaX In1-X As膜をFe添加In
P単結晶基板上に堆積させただけではこのGaX In
1-X As膜に高移動度が安定的に付与されるとは限らな
い。それは主に、基板として利用する高抵抗InP単結
晶中に含有されるFe不純物が、当該InP単結晶上に
所望のGaX In1-X As膜をエピタキシャル成長させ
るべく或る高温の成長環境下に曝した際に、InP単結
晶基板側より成長しつつあるGaX In1- X As膜の内
部へ熱拡散することに起因している。即ち、Fe不純物
がいわゆる電子トラップ(trap)として働き、電子の移
動を妨げるために移動度の向上を阻害するからである。
これを防止する目的で通常は、高抵抗の例えば、InP
層をバッファ(buffer)層(緩衝層)としてGaX In
1-X As感磁部膜とInP基板との中間に挿入し、In
P基板結晶中の不純物なり或はまた結晶欠陥なりの感磁
部層への伝幡を低減し、電子移動度を上昇させる試みも
なされている。
【0008】しかし、この様なInP結晶からなるバッ
ファ層を高抵抗のInP結晶上に設けても、安定的にG
aX In1-X As感磁部層の電子移動度を向上させるに
至っていないのが現状である。GaInAs感磁部層に
高移動度特性を安定的に付与するには、例えば基板とし
て使用するFe添加半絶縁性InP単結晶内のFe濃度
を或る範囲に規定し、その条件を満たす基板のみを使用
することも考えられ、且つまたフレームレス(flameles
s )原子吸光分光分析法や高周波誘導アルゴンプラズマ
分光分析法などの微量定量分析手法によるFe不純物の
定量分析結果を基に、所望のFe濃度を有するInP半
絶縁性基板を適宣選択すれば良いが、基板結晶中のFe
不純物の分析や基板結晶の選択分別の操作のための工程
を付与しなければなず、工程の複雑さを伴うのも事実で
ある。
ファ層を高抵抗のInP結晶上に設けても、安定的にG
aX In1-X As感磁部層の電子移動度を向上させるに
至っていないのが現状である。GaInAs感磁部層に
高移動度特性を安定的に付与するには、例えば基板とし
て使用するFe添加半絶縁性InP単結晶内のFe濃度
を或る範囲に規定し、その条件を満たす基板のみを使用
することも考えられ、且つまたフレームレス(flameles
s )原子吸光分光分析法や高周波誘導アルゴンプラズマ
分光分析法などの微量定量分析手法によるFe不純物の
定量分析結果を基に、所望のFe濃度を有するInP半
絶縁性基板を適宣選択すれば良いが、基板結晶中のFe
不純物の分析や基板結晶の選択分別の操作のための工程
を付与しなければなず、工程の複雑さを伴うのも事実で
ある。
【0009】一方、半絶縁性InP結晶基板中に添加さ
れてなるFe不純物の量に対応して、InP結晶層をバ
ッファ層として利用する場合にあってはこのFe濃度の
大小に応じてバッファ層の膜厚を適宣増減させれば良い
と考えられる。しかし、これまた煩雑な操作であり、G
aInAs感磁部層の電子移動度の低下の防止を目的と
して、当該GaInAs結晶層へのInP基板側から拡
散してくるFe不純物の混入量を一定にせんがために、
InP基板結晶毎にバッファ層の層厚を変化させるのは
容易なことではなく、GaInAsホール素子の高感度
化のためにGaInAs感磁部層が具備すべき電子移動
度を基準にした良品収率から判断しても、安定して良品
収率を上昇させ得る方法とはなり得ていないのが現状で
ある。
れてなるFe不純物の量に対応して、InP結晶層をバ
ッファ層として利用する場合にあってはこのFe濃度の
大小に応じてバッファ層の膜厚を適宣増減させれば良い
と考えられる。しかし、これまた煩雑な操作であり、G
aInAs感磁部層の電子移動度の低下の防止を目的と
して、当該GaInAs結晶層へのInP基板側から拡
散してくるFe不純物の混入量を一定にせんがために、
InP基板結晶毎にバッファ層の層厚を変化させるのは
容易なことではなく、GaInAsホール素子の高感度
化のためにGaInAs感磁部層が具備すべき電子移動
度を基準にした良品収率から判断しても、安定して良品
収率を上昇させ得る方法とはなり得ていないのが現状で
ある。
【0010】係る事態を克服し、GaInAs感磁部層
の電子移動度を向上させるべく、GaInAs感磁部結
晶層の電子移動度に強く影響を与える因子につき鋭意検
討を加えた結果、当該電子移動度はヘテロ接合界面近傍
のキャリア濃度の分布に極めて大きく左右されることを
見出し、本発明に至ったものである。
の電子移動度を向上させるべく、GaInAs感磁部結
晶層の電子移動度に強く影響を与える因子につき鋭意検
討を加えた結果、当該電子移動度はヘテロ接合界面近傍
のキャリア濃度の分布に極めて大きく左右されることを
見出し、本発明に至ったものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】煩雑な操作や工程を伴
わずに、ヘテロ接合ホール素子の母体材料となるヘテロ
接合結晶層の高移動度化を達成する新たな手法を提供す
る。
わずに、ヘテロ接合ホール素子の母体材料となるヘテロ
接合結晶層の高移動度化を達成する新たな手法を提供す
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】バンドギャップを異にす
る半導体材料から成るヘテロ接合材料に於いて、バンド
ギャップの小さい半導体材料のキャリア濃度をバンドギ
ャップの大きい半導体層のそれよりも大きくし、且つバ
ンドギャップの小さい結晶層のキャリア濃度をヘテロ界
面でその内部のキャリア濃度に比較し高く設定すること
により、ヘテロ接合材料に高い電子移動度を付与するこ
とができる。
る半導体材料から成るヘテロ接合材料に於いて、バンド
ギャップの小さい半導体材料のキャリア濃度をバンドギ
ャップの大きい半導体層のそれよりも大きくし、且つバ
ンドギャップの小さい結晶層のキャリア濃度をヘテロ界
面でその内部のキャリア濃度に比較し高く設定すること
により、ヘテロ接合材料に高い電子移動度を付与するこ
とができる。
【0013】以下、上述と同じくGaInAs/InP
ヘテロ接合ホール素子を例にしてより詳細に説明する。
通常、GaInAs/InPヘテロ接合ホール素子の形
成に当たっては、半絶縁性を有する高抵抗のInP単結
晶基板が使用される。実用上は比抵抗が106 Ω・cm
以上のInP単結晶を基板を用いるのが一般的であり、
これらの結晶は液体封止チョクラルスキー(Liquid Enc
apsulated Czochralski;LEC)法や、最近ではVB
(Vertical Bridgman)法と称される垂直ブリッジマン
法等により容易に製作できる。また、Fe添加InP単
結晶中のFe不純物が結晶層の電子移動度等の電気的特
性に与える悪影響が懸念される場合にあっては、InP
単結晶を塩酸等により溶解し、純水などで定溶とし原子
吸光分光分析法や高周波誘導アルゴンプラズマ分光分析
法などの湿式機器分析法、或は2次イオン質量分析法な
ど固体機器分析法等によりFe不純物の濃度を定量分析
し、所望のFe濃度を有する結晶を選択すれば事足り
る。従って、本発明に係わるGaInAs/GaInA
sホール素子の実現に必要な、Fe濃度がある程度の範
囲にあるInP基板結晶の入手に支障を来す恐れはな
い。
ヘテロ接合ホール素子を例にしてより詳細に説明する。
通常、GaInAs/InPヘテロ接合ホール素子の形
成に当たっては、半絶縁性を有する高抵抗のInP単結
晶基板が使用される。実用上は比抵抗が106 Ω・cm
以上のInP単結晶を基板を用いるのが一般的であり、
これらの結晶は液体封止チョクラルスキー(Liquid Enc
apsulated Czochralski;LEC)法や、最近ではVB
(Vertical Bridgman)法と称される垂直ブリッジマン
法等により容易に製作できる。また、Fe添加InP単
結晶中のFe不純物が結晶層の電子移動度等の電気的特
性に与える悪影響が懸念される場合にあっては、InP
単結晶を塩酸等により溶解し、純水などで定溶とし原子
吸光分光分析法や高周波誘導アルゴンプラズマ分光分析
法などの湿式機器分析法、或は2次イオン質量分析法な
ど固体機器分析法等によりFe不純物の濃度を定量分析
し、所望のFe濃度を有する結晶を選択すれば事足り
る。従って、本発明に係わるGaInAs/GaInA
sホール素子の実現に必要な、Fe濃度がある程度の範
囲にあるInP基板結晶の入手に支障を来す恐れはな
い。
【0014】このInP単結晶基板上にInP層とn形
GaX In1-X As層とを堆積しヘテロ接合を形成する
が、これらのエピタキシャル層の積層順序に制限はな
く、InP単結晶基板上に先ずInP層を成長させ、然
る後GaInAsを堆積させても良く、これとは逆の順
序で堆積させても差し支えはない。しかし、通常は感磁
部とするGaInAs層の電子移動度を少なからず向上
させるために、InP単結晶基板からのFe不純物のG
aInAsエピタキシャル成長層への拡散の抑制などを
期して、先ずInP単結晶基板上にInPをバッファ
(buffer)層として堆積するのが一般的である。このバ
ッファ層を設けることにより結晶欠陥等のエピタキシャ
ル成長層への伝幡を抑制するなどの効果を生じるため、
GaInAs層の電子移動度をいたずらに低下させずに
GaInAsホール素子の高感度特性を保持できるなど
の利点を招く。
GaX In1-X As層とを堆積しヘテロ接合を形成する
が、これらのエピタキシャル層の積層順序に制限はな
く、InP単結晶基板上に先ずInP層を成長させ、然
る後GaInAsを堆積させても良く、これとは逆の順
序で堆積させても差し支えはない。しかし、通常は感磁
部とするGaInAs層の電子移動度を少なからず向上
させるために、InP単結晶基板からのFe不純物のG
aInAsエピタキシャル成長層への拡散の抑制などを
期して、先ずInP単結晶基板上にInPをバッファ
(buffer)層として堆積するのが一般的である。このバ
ッファ層を設けることにより結晶欠陥等のエピタキシャ
ル成長層への伝幡を抑制するなどの効果を生じるため、
GaInAs層の電子移動度をいたずらに低下させずに
GaInAsホール素子の高感度特性を保持できるなど
の利点を招く。
【0015】上記のInPバッファ層並びにGaInA
s層の成長方法には、特に制限はなく、液相エピタキシ
ャル成長法(Liquid Phase Epitaxial;LPE法)、分
子線エピタキシャル成長法(Molecular Beam Eptaxial
;MBE法)や有機金属熱分解気相成長法、いわゆる
MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxial;M
OCVD法とかOMVPE法とも呼ばれる場合もあ
る。)、或はまたMOVPEとMBE双方の複合させた
MO・MBE法などが適用できると考えられる。しか
し、現状では蒸気圧が比較的高いリン(P)を含むIn
P等の半導体薄膜の成長にはMBE法よりも化学量論的
な組成制御性の観点からもっぱらMOVPE法が多用さ
れており、特にInの出発原料として結合価が1価のシ
クロペンタジエニルインジウム(C5 H5 In)を使用
するMOVPE法では、従来困難とされていた常圧(大
気圧)下に於いても高品位のInP並びにGaInAs
などを得ることができる。また、InP層をMOVPE
法で成長させ、Pを含まないGaXIn1-X As層はM
BE法で成長させるなど層毎に成長方法を異にしても支
障は無く、一つの成長法で当該ヘテロ接合を形成する各
層を設ける必要はなく、層毎に成長方法を異にしても良
いのは勿論である。
s層の成長方法には、特に制限はなく、液相エピタキシ
ャル成長法(Liquid Phase Epitaxial;LPE法)、分
子線エピタキシャル成長法(Molecular Beam Eptaxial
;MBE法)や有機金属熱分解気相成長法、いわゆる
MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxial;M
OCVD法とかOMVPE法とも呼ばれる場合もあ
る。)、或はまたMOVPEとMBE双方の複合させた
MO・MBE法などが適用できると考えられる。しか
し、現状では蒸気圧が比較的高いリン(P)を含むIn
P等の半導体薄膜の成長にはMBE法よりも化学量論的
な組成制御性の観点からもっぱらMOVPE法が多用さ
れており、特にInの出発原料として結合価が1価のシ
クロペンタジエニルインジウム(C5 H5 In)を使用
するMOVPE法では、従来困難とされていた常圧(大
気圧)下に於いても高品位のInP並びにGaInAs
などを得ることができる。また、InP層をMOVPE
法で成長させ、Pを含まないGaXIn1-X As層はM
BE法で成長させるなど層毎に成長方法を異にしても支
障は無く、一つの成長法で当該ヘテロ接合を形成する各
層を設ける必要はなく、層毎に成長方法を異にしても良
いのは勿論である。
【0016】また、前記GaX In1-X Asの混晶比x
については、0.37≦x≦0.57とするのが望まし
い。何故ならばInPに格子整合するGaX In1-X A
sの混晶比x=0.47 から混晶比がずれるに伴い、Ga
X In1-X AsとInPとの格子定数の差、即ち格子不
整合度も顕著となり、多量の結晶欠陥等を誘発し結晶性
の低下を招くばかりか電子移動度の低下等の電気的特性
をも悪化させ、ホール素子の特性上積感度の改善に多大
な支障を来すからである。
については、0.37≦x≦0.57とするのが望まし
い。何故ならばInPに格子整合するGaX In1-X A
sの混晶比x=0.47 から混晶比がずれるに伴い、Ga
X In1-X AsとInPとの格子定数の差、即ち格子不
整合度も顕著となり、多量の結晶欠陥等を誘発し結晶性
の低下を招くばかりか電子移動度の低下等の電気的特性
をも悪化させ、ホール素子の特性上積感度の改善に多大
な支障を来すからである。
【0017】更に、上記の感磁部層となるn形GaX I
n1-X As結晶層は、InP結晶層とのヘテロ界面に向
かう深さ方向にキャリア濃度を上昇させる。この様なキ
ャリア濃度の分布を形成するのは比較的容易で、例えば
InP結晶の成長後に当該GaX In1-X As結晶層を
成長するに当りn形のドーパントとなる硫黄(元素記号
S)やシリコン(元素記号Si)などを含有してなるド
ーピングガスの成長系への添加量を、ドーピングガスの
流量を時間的に変化せしめることにより達成し得る。
n1-X As結晶層は、InP結晶層とのヘテロ界面に向
かう深さ方向にキャリア濃度を上昇させる。この様なキ
ャリア濃度の分布を形成するのは比較的容易で、例えば
InP結晶の成長後に当該GaX In1-X As結晶層を
成長するに当りn形のドーパントとなる硫黄(元素記号
S)やシリコン(元素記号Si)などを含有してなるド
ーピングガスの成長系への添加量を、ドーピングガスの
流量を時間的に変化せしめることにより達成し得る。
【0018】また、上記のドーピングガスの成長系への
添加流量は変化させずに、GaX In1-X As結晶層の
成長の初期にGaやInの III族元素を含む原料ガスの
供給量に対するV族元素であるAsを含む原料ガスの供
給量の比率、いわゆるV/III 比を漸次変化させてもキ
ャリア濃度分布を保有させることができる。具体的には
例えばGa源として使用するトリメチルガリム(trimet
yl gallium:(CH3)3 Ga)とIn源とするC5 H5
Inの供給量の総計に対するアルシン(AsH3 )の
供給比率を適宣変化させれば良い。このV/III 比を高
比率側から低比率側へと変化させるか、或は逆に低比率
側から高比率側に変化させるかは、アンドープ(無添
加)状態でのバックグランドの成長層の伝導形、キャリ
ア濃度、ドーピング時のドーピング効率等の種々の因子
を勘案して決定すれば良い。更にドーピングを施さない
アンドープ状態でGaInAs結晶層が既に適当な電子
濃度を保有している場合にあっては、何もドーピング操
作を実施せずにV/III 比を適宣変化させキャリア濃度
に分布を持たせることも可能である。
添加流量は変化させずに、GaX In1-X As結晶層の
成長の初期にGaやInの III族元素を含む原料ガスの
供給量に対するV族元素であるAsを含む原料ガスの供
給量の比率、いわゆるV/III 比を漸次変化させてもキ
ャリア濃度分布を保有させることができる。具体的には
例えばGa源として使用するトリメチルガリム(trimet
yl gallium:(CH3)3 Ga)とIn源とするC5 H5
Inの供給量の総計に対するアルシン(AsH3 )の
供給比率を適宣変化させれば良い。このV/III 比を高
比率側から低比率側へと変化させるか、或は逆に低比率
側から高比率側に変化させるかは、アンドープ(無添
加)状態でのバックグランドの成長層の伝導形、キャリ
ア濃度、ドーピング時のドーピング効率等の種々の因子
を勘案して決定すれば良い。更にドーピングを施さない
アンドープ状態でGaInAs結晶層が既に適当な電子
濃度を保有している場合にあっては、何もドーピング操
作を実施せずにV/III 比を適宣変化させキャリア濃度
に分布を持たせることも可能である。
【0019】また、GaX In1-X As結晶層とInP
結晶層との界面に於けるキャリア濃度は、基本的にはG
aX In1-X As結晶層の表面のそれを上回っていれば
良いが、表面でのキャリア濃度の2倍から20倍程度に
増加させると電子移動度の顕著な向上が果たせる。
結晶層との界面に於けるキャリア濃度は、基本的にはG
aX In1-X As結晶層の表面のそれを上回っていれば
良いが、表面でのキャリア濃度の2倍から20倍程度に
増加させると電子移動度の顕著な向上が果たせる。
【0020】次に、本発明に係わる上記GaX In1-X
As層の膜厚については特段の制限はない。但し、ホー
ル素子の実際の製作に当たっては素子間を電気的に絶縁
するため、メサエッチングと称する特定領域の結晶層を
除去するための工程が一般的に採用されるが、この際素
子間絶縁のためにメサエッチングにより除去すべき導電
性を呈する層の膜厚、とりもなおさずエピタキシャル成
長層の全体的な厚みが増すと必然的にメサエッチングに
要する時間の増大を伴い、結晶方位に因るエッチング量
並びにエッチング形状に顕著な差異を生じさせる。この
ことがしいては、ホール素子の重要な特性の一つである
不平衡率の増大をもたらし、素子特性の高品位化を妨げ
ると共に良品素子収率の低下を招く。従って、本発明に
記すヘテロ構造を構成するにあたっては、その構成要素
であるGaX In1-X As層やInP層のの合計の膜厚
をおおよそ5μmより薄く設定すると好結果が得られ
る。
As層の膜厚については特段の制限はない。但し、ホー
ル素子の実際の製作に当たっては素子間を電気的に絶縁
するため、メサエッチングと称する特定領域の結晶層を
除去するための工程が一般的に採用されるが、この際素
子間絶縁のためにメサエッチングにより除去すべき導電
性を呈する層の膜厚、とりもなおさずエピタキシャル成
長層の全体的な厚みが増すと必然的にメサエッチングに
要する時間の増大を伴い、結晶方位に因るエッチング量
並びにエッチング形状に顕著な差異を生じさせる。この
ことがしいては、ホール素子の重要な特性の一つである
不平衡率の増大をもたらし、素子特性の高品位化を妨げ
ると共に良品素子収率の低下を招く。従って、本発明に
記すヘテロ構造を構成するにあたっては、その構成要素
であるGaX In1-X As層やInP層のの合計の膜厚
をおおよそ5μmより薄く設定すると好結果が得られ
る。
【0021】上述の如く、InP単結晶基板上に成長さ
せたGaInAs感磁部層及びInPバッファ層から構
成されてなるヘテロ接合エピタキシャルウエハを母体材
料とし、GaInAsホール素子を製作した。この製作
に当たっては公知のフォトリソグラフィ技術、エッチン
グ技術等の加工技術を駆使し、先ずホール素子としての
機能を発揮するGaInAs感磁部層並びにInP層に
いわゆるメサ(mesa)エッチングを施し、当該素子
機能領域をメサ状に加工する。このメサ構造を得る方法
につきここで説明を加えるに、先ず当該母体材料の最表
面であるGaXIn1 -xAs層の表面に一般的なフォト
レジスト材を塗布し、その後、通常のフォトリソグラフ
ィー技術により入力用並びに出力用電極の形成領域のみ
の該レジスト材を残存させ、それ以外の領域にあるレジ
スト材は剥離除去する。然る後、無機酸を用いてGaI
nAs感磁部層及びInPバッファ層をエッチングによ
り除去する。このエッチングにより電極形成部及び感磁
部領域はそれらの領域を垂直方向の断面から見れば台形
状、いわゆるメサ形状か、結晶の軸方向に依っては逆台
形状いわゆる逆メサ状の台地(メサ)として残存する。
このメサエッチングにより電極形成部並びに感磁部領域
からなる素子機能部の電気的絶縁性を確保できる。しか
し、当該メサエッチングについては成長層の全厚が5μ
mを超えると上記の如く結晶軸(結晶方位)に基づくエ
ッチング形状の差異が顕著となり、これにより、ホール
素子の特性の一つである不平衡電圧の増加を招き、もっ
て不平衡率の悪化をもたらす。よって、前述の様に当該
ホール素子の製作に供するエピタキシャル成長層の全体
の膜厚は、概ね5μm以下に設定した方が不平衡率を増
大させないという点で好都合である。
せたGaInAs感磁部層及びInPバッファ層から構
成されてなるヘテロ接合エピタキシャルウエハを母体材
料とし、GaInAsホール素子を製作した。この製作
に当たっては公知のフォトリソグラフィ技術、エッチン
グ技術等の加工技術を駆使し、先ずホール素子としての
機能を発揮するGaInAs感磁部層並びにInP層に
いわゆるメサ(mesa)エッチングを施し、当該素子
機能領域をメサ状に加工する。このメサ構造を得る方法
につきここで説明を加えるに、先ず当該母体材料の最表
面であるGaXIn1 -xAs層の表面に一般的なフォト
レジスト材を塗布し、その後、通常のフォトリソグラフ
ィー技術により入力用並びに出力用電極の形成領域のみ
の該レジスト材を残存させ、それ以外の領域にあるレジ
スト材は剥離除去する。然る後、無機酸を用いてGaI
nAs感磁部層及びInPバッファ層をエッチングによ
り除去する。このエッチングにより電極形成部及び感磁
部領域はそれらの領域を垂直方向の断面から見れば台形
状、いわゆるメサ形状か、結晶の軸方向に依っては逆台
形状いわゆる逆メサ状の台地(メサ)として残存する。
このメサエッチングにより電極形成部並びに感磁部領域
からなる素子機能部の電気的絶縁性を確保できる。しか
し、当該メサエッチングについては成長層の全厚が5μ
mを超えると上記の如く結晶軸(結晶方位)に基づくエ
ッチング形状の差異が顕著となり、これにより、ホール
素子の特性の一つである不平衡電圧の増加を招き、もっ
て不平衡率の悪化をもたらす。よって、前述の様に当該
ホール素子の製作に供するエピタキシャル成長層の全体
の膜厚は、概ね5μm以下に設定した方が不平衡率を増
大させないという点で好都合である。
【0022】メサエッチングを施した後、入力用並びに
出力用電極を形成する。この形成に当たってはメサエッ
チイングされたウエハの表面全体に一般のフォトレジス
ト材を塗布する。然る後、電極を形成すべき領域を公知
のフォトリソグラフィー法によりパターニング(patter
ning)して入・出力電極を形成する領域に在るフォトレ
ジスト材のみを剥離除去し、直下に存在するGaInA
s感磁部層表面を露出させる。
出力用電極を形成する。この形成に当たってはメサエッ
チイングされたウエハの表面全体に一般のフォトレジス
ト材を塗布する。然る後、電極を形成すべき領域を公知
のフォトリソグラフィー法によりパターニング(patter
ning)して入・出力電極を形成する領域に在るフォトレ
ジスト材のみを剥離除去し、直下に存在するGaInA
s感磁部層表面を露出させる。
【0023】次に電極材料となす金(Au)・ゲルマニ
ウム(Ge)合金を当該加工を施したレジスト材上に真
空蒸着する。ここでは電極材料としてAu・Ge合金を
使用したが、電極材料としては別段これに限定されるこ
とはなく、他の金属材料であっても勿論差し支えはな
い。更に、レジスト材を剥離するのと併行していわゆる
リフトオフ(lift off)法を利用して、当該レジスト材
上に被着された素子製作上不要の合金膜を除去する。ち
なみに電極の形状は長方形や多角形、円形でも、或はま
た楕円形などであっても支障はない。
ウム(Ge)合金を当該加工を施したレジスト材上に真
空蒸着する。ここでは電極材料としてAu・Ge合金を
使用したが、電極材料としては別段これに限定されるこ
とはなく、他の金属材料であっても勿論差し支えはな
い。更に、レジスト材を剥離するのと併行していわゆる
リフトオフ(lift off)法を利用して、当該レジスト材
上に被着された素子製作上不要の合金膜を除去する。ち
なみに電極の形状は長方形や多角形、円形でも、或はま
た楕円形などであっても支障はない。
【0024】次に公知のプラズマCVD法により絶縁性
を有する二酸化珪素(SiO2 )を堆積させ、ウエハ表
面を被覆する。本発明では一般的なSiO2 を絶縁被覆
膜として採用したが、他の絶縁性を有する膜、例えば窒
化珪素(SiN)などであっても良い。次に、上記の如
く製作されたSiO2 絶縁膜を一般的なレジスト材で被
覆する。然る後、電極部と個々の素子に分離する、いわ
ゆるダイシング(dicing)のために必要なダイシングラ
インを形成するための位置に相当する部分のレジスト材
を、公知のフォトリソグラフィー技術によるパターニン
グ法を利用して除去し、直下のSiO2 絶縁膜を露出さ
せる。更に、露出したSiO2 絶縁膜をフッ化水素酸
(化学式HF)に浸し、当該部分のSiO2 絶縁膜を溶
解し除去する。これにより入・出力電極の表面とダイシ
ング ラインの形成部にあってはGaInAs層表面を
露出させる。
を有する二酸化珪素(SiO2 )を堆積させ、ウエハ表
面を被覆する。本発明では一般的なSiO2 を絶縁被覆
膜として採用したが、他の絶縁性を有する膜、例えば窒
化珪素(SiN)などであっても良い。次に、上記の如
く製作されたSiO2 絶縁膜を一般的なレジスト材で被
覆する。然る後、電極部と個々の素子に分離する、いわ
ゆるダイシング(dicing)のために必要なダイシングラ
インを形成するための位置に相当する部分のレジスト材
を、公知のフォトリソグラフィー技術によるパターニン
グ法を利用して除去し、直下のSiO2 絶縁膜を露出さ
せる。更に、露出したSiO2 絶縁膜をフッ化水素酸
(化学式HF)に浸し、当該部分のSiO2 絶縁膜を溶
解し除去する。これにより入・出力電極の表面とダイシ
ング ラインの形成部にあってはGaInAs層表面を
露出させる。
【0025】実際に個々の素子に分離するにあっては、
ダイシング ラインに相当する部分に露出しているGa
InAs層を、適当な無機酸を利用しエッチング除去す
れば良い。然る後、GaInAs層の直下にあるInP
層を無機酸により除去する。通常は、更にエッチングを
進行させInP単結晶基板の表層部の一部迄除去する。
この様にするのはダイシングに使用するスクライバー
(sucriber)やブレード(brade )などが、素子の分離
の際にエピタキシャル成長層やヘテロ界面に機械的な損
傷を与えるのを予め低減するためである。
ダイシング ラインに相当する部分に露出しているGa
InAs層を、適当な無機酸を利用しエッチング除去す
れば良い。然る後、GaInAs層の直下にあるInP
層を無機酸により除去する。通常は、更にエッチングを
進行させInP単結晶基板の表層部の一部迄除去する。
この様にするのはダイシングに使用するスクライバー
(sucriber)やブレード(brade )などが、素子の分離
の際にエピタキシャル成長層やヘテロ界面に機械的な損
傷を与えるのを予め低減するためである。
【0026】本発明に係る新たなGaInAsホール素
子の電気的主要特性、特に積感度につき従来のGaIn
Asホール素子のそれらと比較した。ここで言う従来の
ホール素子とはGaInAs感磁部層内のキャリア濃度
プロファイルが、同層の表面側よりInP結晶層のヘテ
ロ界面に至る迄ほぼ平坦であり、ヘテロ界面で特にキャ
リア濃度に変化を持たせていないウエハからなるホール
素子を指す。但し、従来例と言えどもキャリア濃度の深
さ方向の分布を異にするのみで、その他の結晶層の厚さ
等の構成要素は同一である。双方を比較結果した結果、
ホール素子の優劣を決定付ける重要な特性である積感度
に関し顕著な差異が認められ、本発明に因る新規なGa
InAsホール素子に於いては格段の積感度の向上が果
たされた。この原因を従来例との材料面からの比較検討
により探るに、高い電子移動度を発現させんがためにG
aInAs/InPヘテロ界面近傍に於てキャリア濃度
に分布を保有させたために因るものと判断される。
子の電気的主要特性、特に積感度につき従来のGaIn
Asホール素子のそれらと比較した。ここで言う従来の
ホール素子とはGaInAs感磁部層内のキャリア濃度
プロファイルが、同層の表面側よりInP結晶層のヘテ
ロ界面に至る迄ほぼ平坦であり、ヘテロ界面で特にキャ
リア濃度に変化を持たせていないウエハからなるホール
素子を指す。但し、従来例と言えどもキャリア濃度の深
さ方向の分布を異にするのみで、その他の結晶層の厚さ
等の構成要素は同一である。双方を比較結果した結果、
ホール素子の優劣を決定付ける重要な特性である積感度
に関し顕著な差異が認められ、本発明に因る新規なGa
InAsホール素子に於いては格段の積感度の向上が果
たされた。この原因を従来例との材料面からの比較検討
により探るに、高い電子移動度を発現させんがためにG
aInAs/InPヘテロ界面近傍に於てキャリア濃度
に分布を保有させたために因るものと判断される。
【0027】
【作用】GaInAs感磁部層内のキャリア濃度に分布
を付けることにより、当該感磁部層の電子移動度を向上
させる作用を有し、もって簡便な高感度のGaInAs
ホール素子を提供する。
を付けることにより、当該感磁部層の電子移動度を向上
させる作用を有し、もって簡便な高感度のGaInAs
ホール素子を提供する。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例をGaInAs/In
Pヘテロ接合ホール素子を例にして具体的に説明する。
図1は本発明に係わるGaInAs/InPヘテロ構造
ホール素子の模式的な平面図の一例を示す。また、図2
は図1に掲げるホール素子の破線A−A’に沿う垂直方
向の断面模式図である。当該ヘテロ接合を形成するにあ
たっては、基板として鉄(Fe)を添加してなる面方位
が(100)の半絶縁性のInP単結晶(101)を使
用した。該InP単結晶の(101)厚さは約350μ
mであった。図1で(102)は結晶基板(101)上
にC5 H5 InをIn源とする常圧(大気圧)のMOC
VD法で成長させた、膜厚が約100nmの無添加(ア
ンドープ)InPエピタキシャル結晶層である。バッフ
ァ層とするInP層(102)は温度610℃にて成長
させた。更に、InPバッファ層(102)上に、混晶
比が0.47で、約400nmの膜厚を有するn形のG
a0.47In0.53Asエピタキシャル層(103)を上記
の常圧MOCVD成長法を利用して設けた。この感磁部
層となるGa0.47In0.53Asエピタキシャル層(10
3)の成長温度もInP層(102)と同じく610℃
であり上記のInP層(102)及びn形GaInAs
層(103)のキャリア濃度は各々、2×1015cm-3
及び2×1016cm-3であった。尚、このGaInAs
層(103)のキャリア濃度は、周期律表の第VI族に属
する硫黄(S)を故意に添加する、いわゆるドーピング
により達成したもので、且つInP層(102)と当該
GaInAs層(103)とのヘテロ界面近傍でのGa
InAs層(103)のキャリア濃度は、上記の表面で
のキャリア濃度である2×1016cm-3の4倍にあたる
8×1016cm-3となる様にドーピング量を変化させ
た。GaInAs層(103)の表面側からInP層
(102)とのヘテロ界面を経てInP単結晶基板(1
01)に至る係るキャリア濃度の分布を、図3に従来例
のそれと対比させて示す。
Pヘテロ接合ホール素子を例にして具体的に説明する。
図1は本発明に係わるGaInAs/InPヘテロ構造
ホール素子の模式的な平面図の一例を示す。また、図2
は図1に掲げるホール素子の破線A−A’に沿う垂直方
向の断面模式図である。当該ヘテロ接合を形成するにあ
たっては、基板として鉄(Fe)を添加してなる面方位
が(100)の半絶縁性のInP単結晶(101)を使
用した。該InP単結晶の(101)厚さは約350μ
mであった。図1で(102)は結晶基板(101)上
にC5 H5 InをIn源とする常圧(大気圧)のMOC
VD法で成長させた、膜厚が約100nmの無添加(ア
ンドープ)InPエピタキシャル結晶層である。バッフ
ァ層とするInP層(102)は温度610℃にて成長
させた。更に、InPバッファ層(102)上に、混晶
比が0.47で、約400nmの膜厚を有するn形のG
a0.47In0.53Asエピタキシャル層(103)を上記
の常圧MOCVD成長法を利用して設けた。この感磁部
層となるGa0.47In0.53Asエピタキシャル層(10
3)の成長温度もInP層(102)と同じく610℃
であり上記のInP層(102)及びn形GaInAs
層(103)のキャリア濃度は各々、2×1015cm-3
及び2×1016cm-3であった。尚、このGaInAs
層(103)のキャリア濃度は、周期律表の第VI族に属
する硫黄(S)を故意に添加する、いわゆるドーピング
により達成したもので、且つInP層(102)と当該
GaInAs層(103)とのヘテロ界面近傍でのGa
InAs層(103)のキャリア濃度は、上記の表面で
のキャリア濃度である2×1016cm-3の4倍にあたる
8×1016cm-3となる様にドーピング量を変化させ
た。GaInAs層(103)の表面側からInP層
(102)とのヘテロ界面を経てInP単結晶基板(1
01)に至る係るキャリア濃度の分布を、図3に従来例
のそれと対比させて示す。
【0029】この様なキャリア濃度の分布を持つウエハ
の電子移動度は、室温に於いて11、000cm2 /V
・sであった。一方、従来例の平坦なキャリア濃度プロ
ファイルを有するウエハのそれは約8,000cm2 /
V ・s であった。
の電子移動度は、室温に於いて11、000cm2 /V
・sであった。一方、従来例の平坦なキャリア濃度プロ
ファイルを有するウエハのそれは約8,000cm2 /
V ・s であった。
【0030】この様な構造のウエハを公知のフォトリソ
グラフィー法並びにエッチング法を駆使して、先ずホー
ル素子の機能を発揮する素子機能部領域を台形状に残存
させるメサエッチングを施し、感磁部等を含むメサ領域
(104)を形成した。然る後、フォトレジスト材でウ
エハ表面を覆い、パターニング、レジスト剥離、リフト
オフ等の工程を経て、入力用並びに出力用電極となるG
eを13wt%含有してなるAu・Ge合金を、約600
nmの厚さに真空蒸着してオーミック性入・出力電極
(105)を形成した。これらの電極(105)の形状
は全て同一で、平面は長辺が約200μmで短辺が約7
0μmの長方形となっている。
グラフィー法並びにエッチング法を駆使して、先ずホー
ル素子の機能を発揮する素子機能部領域を台形状に残存
させるメサエッチングを施し、感磁部等を含むメサ領域
(104)を形成した。然る後、フォトレジスト材でウ
エハ表面を覆い、パターニング、レジスト剥離、リフト
オフ等の工程を経て、入力用並びに出力用電極となるG
eを13wt%含有してなるAu・Ge合金を、約600
nmの厚さに真空蒸着してオーミック性入・出力電極
(105)を形成した。これらの電極(105)の形状
は全て同一で、平面は長辺が約200μmで短辺が約7
0μmの長方形となっている。
【0031】更にウエハ全面を一旦プラズマCVD法に
よるSiO2 絶縁膜(106)で被覆した。SiO2 膜
(106)の厚さは約300nmとした。次に当該絶縁
膜(106)上にフォトレジスト材を塗布し、フォトリ
ソグラフィー、パターニング各工程等を経て入・出力用
電極(105)の表面を露出させた。個々のホール素子
に分離するためのダイシングライン(107)を形成し
た。然る後、ダイシングライン(107)に沿ってスク
ライブを施し、個々の素子(チップ)に分離した。この
チップ化に際しては、InP単結晶基板(101)の裏
面の一部をエッチング除去することにより当該基板の厚
さを初期厚さ350μmから約130μmの厚さとし、
スクライブを容易ならしめた。
よるSiO2 絶縁膜(106)で被覆した。SiO2 膜
(106)の厚さは約300nmとした。次に当該絶縁
膜(106)上にフォトレジスト材を塗布し、フォトリ
ソグラフィー、パターニング各工程等を経て入・出力用
電極(105)の表面を露出させた。個々のホール素子
に分離するためのダイシングライン(107)を形成し
た。然る後、ダイシングライン(107)に沿ってスク
ライブを施し、個々の素子(チップ)に分離した。この
チップ化に際しては、InP単結晶基板(101)の裏
面の一部をエッチング除去することにより当該基板の厚
さを初期厚さ350μmから約130μmの厚さとし、
スクライブを容易ならしめた。
【0032】スクライビングによるチップ化後、チップ
を極く一般的な金属フレームにマウント(mount )し、
超音波ボンデング法によりリード線の一端をパッド電極
にボンデングし、リード線の他端を金属フレームに付随
してなるリード端子に結線した。然る結線操作の後、当
該ホール素子をエポキシ樹脂で囲繞しモールドした。
を極く一般的な金属フレームにマウント(mount )し、
超音波ボンデング法によりリード線の一端をパッド電極
にボンデングし、リード線の他端を金属フレームに付随
してなるリード端子に結線した。然る結線操作の後、当
該ホール素子をエポキシ樹脂で囲繞しモールドした。
【0033】上述の如く作成したホール素子を電気的な
特性評価した。特性上の比較を行うため従来のGaIn
Asホール素子の特性も評価した。ここで、従来のホー
ル素子とはウエハの積層構造は同一であって、キャリア
濃度の分布がヘテロ界面方向に分布を呈しない、ほぼ平
坦なプロファイルを有しているウエハからなるGaIn
Asホール素子を言う。特性を比較した結果の中で、特
にホール素子の感度に関して本発明のホール素子と従来
のホール素子とでは、顕著な差異が認められた。本発明
に基づくホール素子にあっては、得られる感度は従来の
ホール素子に比し約20%程上昇していた。この上昇率
は、電子移動度の増加と極めて良い一致を示し、本発明
がホール素子の母体材料の電子移動度を向上させ、しい
てはホール素子の感度を上昇させる結果をもたらしてい
ることが確認された。尚、上述の実施例に於いてはGa
InAs/InPヘテロ接合ホール素子を例にしてその
効果を示したが、この様な効果はGaAs/AlGaA
s、GaInAs/AlInAsヘテロ接合ホール素子
についても発揮し得る。
特性評価した。特性上の比較を行うため従来のGaIn
Asホール素子の特性も評価した。ここで、従来のホー
ル素子とはウエハの積層構造は同一であって、キャリア
濃度の分布がヘテロ界面方向に分布を呈しない、ほぼ平
坦なプロファイルを有しているウエハからなるGaIn
Asホール素子を言う。特性を比較した結果の中で、特
にホール素子の感度に関して本発明のホール素子と従来
のホール素子とでは、顕著な差異が認められた。本発明
に基づくホール素子にあっては、得られる感度は従来の
ホール素子に比し約20%程上昇していた。この上昇率
は、電子移動度の増加と極めて良い一致を示し、本発明
がホール素子の母体材料の電子移動度を向上させ、しい
てはホール素子の感度を上昇させる結果をもたらしてい
ることが確認された。尚、上述の実施例に於いてはGa
InAs/InPヘテロ接合ホール素子を例にしてその
効果を示したが、この様な効果はGaAs/AlGaA
s、GaInAs/AlInAsヘテロ接合ホール素子
についても発揮し得る。
【0034】
【発明の効果】ヘテロ接合を構成する半導体感磁部層の
キャリア濃度の分布に新たな制限を加えることにより、
当該感磁部層の電子移動度の向上を果たせ、もって簡便
にヘテロ接合ホール素子の高感度化を達成できる効果を
もたらす。
キャリア濃度の分布に新たな制限を加えることにより、
当該感磁部層の電子移動度の向上を果たせ、もって簡便
にヘテロ接合ホール素子の高感度化を達成できる効果を
もたらす。
【図1】本発明に係わるGaInAsホール素子の平面
の概略図である。
の概略図である。
【図2】図1に掲げる平面模式図の破線A−A’に沿う
断面の模式図である。
断面の模式図である。
【図3】本発明並びに従来例のGaInAsホール素子
の母体材料のキャリア濃度の深さ方向の分布を示す図で
ある。
の母体材料のキャリア濃度の深さ方向の分布を示す図で
ある。
(101) InP半絶縁性単結晶基板 (102) アンドープInPバッファ層 (103) 混晶比0.47のGa0.47In0.53As感
磁部層 (104) メサ状に加工された素子機能部領域 (105) オーミック性入力・出力電極 (106) SiO2 絶縁膜 (107) ダイシングライン
磁部層 (104) メサ状に加工された素子機能部領域 (105) オーミック性入力・出力電極 (106) SiO2 絶縁膜 (107) ダイシングライン
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体単結晶基板上に第一の半導体結晶
層と第一の半導体層よりも大きなバンドギャップを有
し、且つ第一の半導体層より低いキャリア濃度を有する
第二の半導体結晶層からなるヘテロ接合を具備し、当該
ヘテロ界面近傍で該第一の半導体層のキャリア濃度を他
の部分よりも高くしたことを特徴とするヘテロ接合ホー
ル素子。 - 【請求項2】 上記第一の半導体結晶層がヒ化ガリウム
・インジウム(GaInAs)結晶層であり、上記第二
の半導体結晶層がリン化インジウム(InP)結晶層で
あることをを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合ホ
ール素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05251493A JP3289371B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | ヘテロ接合ホール素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05251493A JP3289371B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | ヘテロ接合ホール素子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06268279A true JPH06268279A (ja) | 1994-09-22 |
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|---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-03-12 JP JP05251493A patent/JP3289371B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN120142880A (zh) * | 2023-12-11 | 2025-06-13 | 苏州晶湛半导体有限公司 | 半导体电学特性的测试方法和半导体电学特性的测试装置 |
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