JPH06271919A - 溶融還元炉用の石炭、鉱石の前処理方法 - Google Patents

溶融還元炉用の石炭、鉱石の前処理方法

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JPH06271919A
JPH06271919A JP6223093A JP6223093A JPH06271919A JP H06271919 A JPH06271919 A JP H06271919A JP 6223093 A JP6223093 A JP 6223093A JP 6223093 A JP6223093 A JP 6223093A JP H06271919 A JPH06271919 A JP H06271919A
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JP
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coal
ore
furnace
heating
temperature
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JP6223093A
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Hiroyuki Katayama
裕之 片山
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 後続の溶融還元工程とあわせて製鉄における
石炭原単位を低減するための石炭、鉱石の前処理方法を
提供する。 【構成】 1mm以下の粉鉱石を500℃以上、900℃
以下に予熱する第1工程、および予熱された鉱石に5mm
以上が80wt%以上含まれている石炭を加えて横型炉で
最高900℃までの温度で加熱する第2工程からなる。
特に、鉱石予備還元率を高め、かつ生成チャーの消耗を
防ぐためには、第2工程の加熱を軸方向に突起物をつけ
た炉で行う、石炭を粒径によってわけて分割投入する、
炉内への空気侵入を制限する、チャーが1.5%以上の
揮発分を含んだ状態で処理を終わる。石灰石も同時に処
理するなどの対策をとり、処理後の生成混合物はそのま
ま溶融還元炉のスラグ面上1.5m以下の位置から装入
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鉱石と石炭から鉄を
製造する溶融還元法において、石炭原単位を低下するた
めの石炭と鉱石の前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、鉄鉱石からの製鉄は、コークスを
還元材として用いる高炉法による大量生産と、水素ある
いは炭化水素ガスを還元材とする直接還元法による比較
的小規模の生産が行われている。一方、高炉にとって代
わり得る新しい製鉄技術として溶融還元法が研究されて
いる。溶融還元法は大規模の製鉄を、高炉法のようにコ
ークス炉、焼結設備などを含む膨大な設備を必要とせ
ず、また、原料炭と呼ばれるコークス用の特殊な石炭に
依存せずに、フレキシブルに製造することを目標として
いるが、最近、地球環境の点からCO2 発生量を減少す
ることが重要な要求項目になっている。
【0003】CO2 発生量を減少するには、鉄鉱石の還
元材として水素あるいは炭化水素ガスを用いて水素によ
る還元の比率を高めることが考えられるが、現時点では
そのような還元材は一般炭に比べて高価である。すなわ
ち、高炉に代わり得る量産新製鉄法としては、一般炭を
用いて、いかにして石炭原単位を低下するかが重要な課
題と言える。
【0004】溶融還元法にはいくつかのタイプがある
が、石炭原単位低減を狙える可能性のあるものの1つ
に、溶融還元炉で雰囲気2次燃焼率; {(%CO2 )+(%H2 O)}/{(%CO)+(%CO2 )+(%H2
+(%H2 O)}×100(%) を高めることに着眼した方式がある。この方式ではガス
を上底吹きできる転炉状の容器に、多量のスラグを共存
させ、底吹きガスによって撹拌されるメタルと上吹き酸
素ジェットを遮断することによって、2次燃焼率のアッ
プと、鉄系ダストの発生抑制を可能にしている。
【0005】この方式での石炭原単位の最小となる操業
条件は、図1に示すように、物質、熱バランスで決まる
線Aと、固定炭素バランスで決まる線Bの交点として決
まることが分かった。用いる石炭の中の揮発分含有量が
低いと、交点の2次燃焼率の値は高くなり、その2次燃
焼率までは2次燃焼率が高くなるほど石炭原単位は低く
できる。
【0006】一方、石炭の揮発分含有量が高くなると、
交点の2次燃焼率が低くなり、その交点の2次燃焼率が
それ以上に高くなるとかえって石炭原単位は高くなる。
溶融還元炉で2次燃焼率を制御することは可能であるか
ら、石炭原単位を下げるには、線Aと線Bの交点の石炭
原単位の値を低くすることが必要である。図1は、鉱石
はFeOに予備還元され、石炭は揮発分30%の場合を
示す。
【0007】この交点の石炭原単位を下げるには、次の
ような方策がある。炉内に持ち込まれる水分を極力、
少なくすること。炉内に持ち込まれた水分は、炭材の固
定炭素と反応してC+H2 O=CO+H2 、固定炭素を
消耗し、図1の線Bを押し上げるので好ましくない。
石炭に含まれる揮発分が低いこと。石炭の揮発分含有量
が高いと同じく図1の線Bを押し上げる。鉱石、鉱石
などの原料が予熱されていること。予熱温度が高いほ
ど、図1の線Bが押し下げられる。鉱石の予備還元率
ができるだけ高いこと。
【0008】予備還元率が高いほど、図1の線の線Aお
よびBは押し下げられる。これをいかにして実施するか
であるが、従来技術によれば、鉱石の乾燥、予熱・予備
還元と、石炭の乾燥、予熱あるいは石炭乾留が別々に行
われて、処理されたものが溶融還元炉に送り込まれる。
その場合には予備処理に数多くの設備を要して、溶融還
元が高炉法にとって代わろうとする目的に反する。
【0009】また、鉱石予備還元のための還元ガスをど
のように得るかが問題である。鉱石予備還元のために、
系外から還元材を得ようとすればその費用および総合石
炭原単位の低減の目的に反し、一方、系内から得られる
ものとして、溶融還元炉の排ガスを利用しようとすれ
ば、2次燃焼率を上げることと、予備還元率を上げるこ
とは矛盾関係にあるため、総合的な石炭原単位低減は制
約される。
【0010】これらの問題を解決するために考えられた
方法がLW法である。これは、図2,図3に示すよう
に、石炭と鉱石を溶融還元炉からの排ガスで間接加熱し
て、石炭の乾留とそれによって発生したガスによって鉱
石を還元して、溶融還元炉に装入する。小規模実験が行
われて、その結果に基づく試算では石炭原単位を400
kg/t台まで下げられると報告されている。この方法では
石炭と鉱石が同時に常温から加熱されて、発生したガス
は高温側に流れ、高温に加熱された鉱石と接触して鉱石
の還元が進行する。これを可能にしているのが、間接加
熱であるが、この間接加熱がこの方法をスケールアップ
しようとする時に伝熱速度の点で最大の問題になる。ス
ケールアップしようとすると、加熱しようとする原料単
位重量あたりの伝熱量が小さくなるためである。
【0011】この処理をロータリーキルンのような比較
的大型の加熱法で実施しようとすれば、もし、通常のキ
ルン操業のように原料を同時に加熱すれば、石炭からの
揮発分が発生する温度では、鉱石は還元速度が小さいの
で、揮発分は鉱石予備還元に有効に利用できない。キル
ンの中で途中から石炭を加える方法があるが、通常の方
法では鉱石の予備還元促進に十分な効果が得られていな
い。
【0012】また、溶融還元工程の前処理という観点か
らは、石炭は、溶融還元炉の中で4mm以上程度でなけれ
ば、炉内上昇ガスによって飛散し、溶融還元炉の安定操
業のために必要な固定炭素量を確保するためには、石炭
原単位がそれだけ高くなってしまうという問題がある。
【0013】チャーの粒度を確保しつつ、乾留時に発生
するガスで効果率に鉱石の予備還元を行うという方法は
従来技術のなかに見いだせなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑
み、本発明は、石炭原単位を下げるための溶融還元の前
処理法としては、石炭の乾燥、予熱、乾留、鉱石の乾
燥、予熱、乾留発生ガスによる予備還元を、できるだけ
数が少なく、かつ簡単な装置で行い、予備処理の中間製
品として、予備還元鉱石とともに、サイズが細かくなり
すぎていない乾留チャーを歩留り高く得るための方法を
提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の通り
である。
【0016】(1)粒径1mm以下の粉鉱石を500℃以
上、900℃以下に予熱する第1工程、および予熱され
た粉鉱石に、粒径5mm以上の粒子が80wt%以上含まれ
ている石炭を加えて最高900℃までの温度範囲に加熱
する第2工程からなることを特徴とする溶融還元炉用の
石炭、鉱石の前処理方法。
【0017】(2)第1工程を、粉鉱石を上から下の方
向に動かしながらの加熱と、同じく粉鉱石を横方向に動
かしながらの加熱を組み合わせて行うことを特徴とする
(1)記載の溶融還元炉用の石炭、鉱石の前処理方法。
【0018】(3)第2工程を、石炭と予熱された粉鉱
石を横方向に移動させながら行うことを特徴とする
(1)記載の溶融還元炉用の石炭、鉱石の前処理方法。
【0019】(4)石炭と予熱された粉鉱石を同時に上
下方向に動かすことなく加熱することを特徴とする
(3)記載の方法。
【0020】(5)石炭と予熱された粉鉱石を炉の回転
運動によって撹拌しながら加熱することを特徴とする
(3)記載の方法。
【0021】(6)第2工程の加熱を軸方向に突起物を
設けた炉で行うことを特徴とする(5)記載の方法。
【0022】(7)石灰石を添加して加熱することを特
徴とする(1)記載の方法。
【0023】(8)添加する石炭を炉外で粒度別に3種
類以上に分け、粒径が大きいものの方が長時間粉鉱石と
接するように添加位置を設定して加熱することを特徴と
する(5)記載の方法。
【0024】(9)第2工程の加熱炉の原料排出側の空
気過剰率を1.05以下に保つことを特徴とする(1)
記載の方法。
【0025】(10)第2工程において、石炭から生成
したチャーが、平均として1.5wt%以上の揮発分を含
有した状態で処理を終わることを特徴とする(1)記載
の方法。
【0026】(11)第1工程の加熱に用いたガスで空
気を予熱して、その予熱空気でもって第2工程の燃焼加
熱を行い、加熱最高温度部の温度とCO/CO2 比の間
に次の関係が成り立つように温度調整することを特徴と
する(1)記載の方法。
【0027】 温度(℃)≧890+25(%CO2 /%CO) (12)得られた予備還元粉鉱石、石炭加熱による生成
チャー、あるいは、石灰石の混合物を、底吹きガスによ
って撹拌され酸素を上吹きされている溶融還元中の炉
に、そのスラグの上面より上方1.5m以下の位置から
該炉内に装入することを特徴とする(1)または(7)
記載の方法。
【0028】
【作用】以下、本発明の実施方法を詳細に説明する。
【0029】本発明を実施するのに用いられる装置の例
を図2および図3に示す。図2は縦型の鉱石予熱炉とロ
ータリーキルンのような横型回転炉を組み合わしたもの
で、図3においては縦型の鉱石予熱炉とグレートキルン
のような非回転の炉を組み合わせたもので、いずれも原
料はまず上から下の方向に動かしながら加熱され、つい
で横方向に動かしながら加熱されることが共通してい
る。これらの装置全体を通して、粉鉱石を500℃以
上、900℃以下に予熱する第1工程、予熱された鉱石
に、5mm以上が80wt%以上の石炭を加えて最高900
℃まで加熱する第2工程からなる処理が行われる。
【0030】図2においては、第2工程が石炭と粉鉱石
を横方向に移動させながら行われるが、その場合、石炭
と粉鉱石を炉の回転運動によって撹拌しながら加熱する
ことに特徴がある。一方、図3においても、第2工程が
石炭と粉鉱石を横方向に移動させながら行われるが、そ
の場合に石炭と粉鉱石を上下方向には動かさないで加熱
することに特徴がある。いずれも適正な条件で操業すれ
ば本発明の目的とする処理を効率的に実施することがで
きる。まず、図2の装置を用いる場合について操業方法
の詳細を述べる。
【0031】本発明の処理の対象とする鉄鉱石は1mm以
下の粉鉱石である。このような粉鉱石は存在量が多く安
価に入手できるばかりでなく、本発明においては、石炭
から生成するチャーの粒を大きく保つために必要であ
る。なぜならば、塊鉱石を用いると、鉱石が加熱・還元
の過程で割れて、鋭いエッジをもったものになる。これ
を炭材と一緒に長時間加熱すると、チャーが摩耗によっ
て粉化しやすいという問題があるからである。一般に粉
鉱石をロータリーキルンで加熱すると、リングを形成し
やすいことが問題とされているが本発明では、鉱石の加
熱温度をリングが形成しない900℃以下にしているの
でその問題は回避できる。
【0032】粉鉱石を500℃以上、900℃以下に予
熱してから石炭を加える理由は次の通りである。鉱石の
温度が500℃未満の温度で石炭を加えると、石炭から
発生した水素を含む還元性ガスと接しても鉱石が十分に
反応できないので鉱石還元に有効に利用できないので好
ましくない。一方、鉱石温度が900℃超で石炭を加え
ると、石炭の加熱速度が大きくなりすぎて、石炭の割れ
が進み、本発明が目的の1つにしている乾留チャーの粒
度を大きく保つことに反するので好ましくない。
【0033】このような温度まで鉱石を予熱するには、
例えば図2の装置のように、粉鉱石を上から下の方向に
動かしながら行う加熱と、鉱石を横方向に動かしながら
行う加熱の組み合わせによって行う。すなわち、粉鉱石
を、まず、邪魔板などを途中に設けて滞留時間を確保で
きるようにした炉に上から粉鉱石を供給して、第2炉か
ら供給される高温排ガスで加熱する。予熱された鉱石を
ロータリーキルンのような回転炉に入れて、後述の第2
工程として石炭を加える場所まで更に加熱を続ける。こ
の場合の加熱源は第2工程から供給される排ガスに空気
を吹き込んで更に燃焼を進めたものである。このように
加熱装置を2つに分けることによって、熱効率を高める
ことと、加熱後の鉱石温度を所定の条件に合わせること
を、最もコンパクトな装置で行うことができる。
【0034】第2工程では、該温度に予熱された鉱石
に、粒径5mm以上の粒子が80wt%以上含まれている石
炭を加えて最高900℃までの温度範囲に加熱して行わ
れる。この工程の目的の1つは、後続の溶融還元炉にお
いてスラグフォーミング抑制などに有効に効率よく用い
られるチャーを得ることである。したがって、粒度が小
さすぎる石炭を用いると本工程で生成チャーの粒径は小
さくなって、溶融還元炉に装入すると上昇ガス流によっ
てキャリーオーバーされる確率が高い。溶融還元炉でキ
ャリーオーバーされるものを、本発明によって前処理し
ても、本発明が目的とする全体としての石炭原単位低減
には結び付けることができない。
【0035】ただし、粒径の小さい石炭も本発明の処理
で、鉱石の予備還元率を高めること、また、生成した塊
状のチャーの表面酸化を抑制する間接効果があるので、
本発明で用いる石炭については粒径が5mm以上が80wt
%以上であることを必要条件とする。石炭の添加は、ロ
ータリーキルンでは途中投炭装置を用いると炉回転を続
けながら行うことができる。このように、粒度、密度が
異なる2つの原料を加熱するために第2工程では第2工
程を、石炭と粉鉱石を横方向に移動させながら行うこと
が必要である。
【0036】第2工程では加熱温度を上げるほど粉鉱石
の予備還元率は上げることができるが、温度が900℃
超では、固定炭素による還元が起こり始める。固定炭素
の還元では、この工程よりも後続の溶融還元炉の方が効
率的に行うことができるので、全体としての石炭原単位
を低くするには第2工程の最高加熱温度は900℃でな
ければならない。この条件は雰囲気による固定炭素の酸
化消耗防止、および粉鉱石によるリング生成防止も同時
に満足させている。
【0037】第2工程をロータリーキルンのような回転
炉で、石炭と粉鉱石を炉の回転運動によって撹拌しなが
ら加熱すると、熱供給の点では有利であり、また、生産
速度あたりの必要容積を他の方法よりも小さくできる。
しかし、ロータリーキルンで粒径、比重の異なる混合物
を加熱すると、粒子の分布が形成され、粒径が大きく比
重の小さい炭材が上の方に集まりやすい。炭材から発生
する還元性ガスを還元能が高い状態で鉱石と接触させる
のは、逆に、鉱石層の下に炭材が巻き込まれることが望
ましい。それを可能にする方法が、第2工程の加熱を軸
方向に突起物をつけた炉で行うことである。それによっ
て、炉回転に伴いころがりやすい炭材粒は移動が抑えら
れ、その上に粉鉱石が積み重なり、還元ガスの利用効率
が高められる状態が得られる。
【0038】本発明においては、石炭の乾留と、その時
に発生するガスによる鉱石の予備還元をマッチングさせ
ることが必要である。予備還元を進めるには、還元反応
熱の供給が必要であるから、第2工程を連続的に行う炉
としては長さに下限がある。一方、石炭の乾留の時間は
サイズ、温度によって決まるので、とくに、本発明を大
型化する場合には、石炭を一度に加えてしまうと乾留が
先行して起こり、それを十分に鉱石予備還元に利用でき
ない場合がある。そのための方策は、添加する石炭を炉
外で粒度別に3種類以上に分け、粒径が大きいものの方
が長時間粉鉱石と接しているように添加位置を設定する
ことである。
【0039】この方法によって、石炭からの還元性ガス
の発生が第2工程の全域を通して起こり、熱供給とマッ
チングさせることが可能になる。石炭の粒径が大きいも
のの方が長時間粉鉱石と接しているように添加位置を設
定した理由は、粒径が大きいものほど、揮発分の発生時
間が長いこと、比表面積が小さいので、長時間加熱雰囲
気にさらされても、酸化や摩耗によって消耗する比率が
小さくできるからである。なお、装入位置の数は、2箇
所では効果が小さいので3箇所以上にすることが必要で
ある。
【0040】以上のような方策を講じても、第2工程の
加熱炉の原料排出側から空気が多量に侵入すれば、予備
還元された鉱石の再酸化、およびチャーの固定炭素分の
燃焼が起こりやすくなる。これを抑制するための条件を
実験的に検討したところ、空気過剰率を1.05以下に
なるように、空気の侵入の抑制およびバーナーへの供給
空気を調整することが必要であることが分かった。ただ
し、空気過剰率は、第2工程の加熱に供給される、塊状
石炭以外の燃料を完全燃焼するに必要な空気中の酸素に
対する実際の供給空気(バーナーに供給されるものおよ
び、炉端から侵入する空気の和)中の酸素の比によって
定義される。
【0041】石炭はできるだけ揮発分が除去されている
ことが望ましい一方、揮発分が除去されて還元性ガス発
生が少なくなった状態で混合物の加熱を続けると、雰囲
気によって、予備還元された鉱石の再酸化、およびチャ
ーの固定炭素分の燃焼が起こりやすくなって、溶融還元
法全体を通しての石炭原単位を低下するという本発明の
目的に反する。
【0042】予備還元された鉱石の再酸化、チャーの固
定炭素分の燃焼を防止するための条件を実験的に検討し
た結果、第2工程終わりの生成チャーが、平均として
1.5wt%以上の揮発分を含有した状態で処理を終わる
ことが必要であることが分かった。したがって、第2工
程終わりの生成チャーが、平均として揮発分を1.5〜
5%の範囲になるように調整するのが、プロセス全体と
しての石炭原単位を低くするには最も有利である。
【0043】本発明においては第2工程の加熱を雰囲気
の酸化度を上げないで必要な温度にできるようにするこ
とが必要条件である。そのためには、燃焼用の空気とし
て常温のものを用いることは有利ではない。幸い本発明
においては、第1工程で鉱石の予熱に用いたガスの顕熱
があまっているので、これを空気に熱交換すれば200
℃以上の予熱空気を得ることができる。この予熱空気で
もって、第2工程の燃焼加熱を行い、加熱最高温度部の
温度とCO/CO2 比の間に次の関係が成り立つように
調整すると、予備還元を進めることおよび、再酸化を防
止することの両方を満足させることができることが分か
り、全体の石炭原単位を下げる上で有利である。 温度(℃)≧890+25(%CO2 /%CO)
【0044】溶融還元炉では、粉鉱石および炭材の夾雑
物として持ち込まれるSiO2 を主成分とするものを滓
化して、操業に都合の良いCaO/SiO2 が1.1〜
1.4のスラグをするために、150kg/t−メタル以上
という多量の石灰源を装入する必要がある。通常は、石
灰源としては、石灰石を炉外で1100℃以上に加熱し
て分解・生成させたCaOが溶融還元炉で加えられる
が、この場合にはその処理比が高く、溶融還元製鉄のコ
ストに及ぼす影響が無視できない。
【0045】そこで、本発明においては、全体としての
コストダウンのために、上記前処理工程に石灰石が加え
られる。加えられた石灰石は予熱されるが、900℃以
下の加熱であるために、熱分解はほとんど起こさない。
しかし、予熱に熱が利用できるので、本発明の炉内の熱
バランスの改善に役立つ。なお、920℃以上に加熱さ
れるとCO2 が発生してこれが、予備還元された粉鉱石
の再酸化やチャーの酸化などの悪影響を及ぼすが、本発
明の条件ではそのような問題は起こらない。
【0046】予熱された石灰石は溶融還元炉のなかで熱
分解するが、この発生ガスは溶融還元炉の雰囲気ガス温
度を低減して耐火物の損耗を小さくする効果がある。本
発明の方法では石灰石の予熱はできるだけ低位のエネル
ギーで行われることが望ましく、初期から粉鉱石と一緒
に加熱されることが望ましい。
【0047】以上、本発明を図2の装置を用いて行う場
合について述べたが、次の図3の装置を用いて行う場合
について、異なる点だけを述べる。図3の装置を用いて
行う場合には、石炭と粉鉱石は上下方向に動かすことな
く加熱される。この場合には、石炭から発生する還元性
ガスと鉱石の接触効率を高めることができ、また、ごく
表面部を除いて、還元された鉱石の再酸化、生成した石
炭チャーの酸化を抑制できるという特徴がある。しか
し、熱供給速度が小さくなるので生産性を大きくしにく
い欠点はある。水平方向に移動する鉄製のパレットを容
器として用いる場合には、第1工程で予熱された鉱石
と、新たに加える石炭が装入され、平均温度が最高90
0℃まで加熱された後、容器から排出される。その他の
条件は図2の装置を用いる場合とほぼ同じである。
【0048】以上のような方法によって、粉鉱石の予
熱、予備還元物、石炭加熱によって生成した塊状チャー
の混合物、更には石灰石を加えた場合には加熱石灰石を
含む混合物が得られた。この混合物をどのように溶融還
元して鉄を製造するかについて種々の検討を行った結
果、以下に述べる方法が最も実用的であることが分かっ
た。
【0049】すなわち溶融還元炉としては、底吹きガス
によって溶融物が撹拌され、酸素が上吹きされている炉
に、スラグを350kg/t−溶融メタル以上存在させた状
態でスラグの上方から装入する方法である。上から装入
する方法では粉鉱石が飛散することが懸念されたが、装
入する位置がスラグ面よりも上1.5m以下であれば、
装入する原料の乱れが小さく、粉鉱石の飛散率は2wt%
以内に抑えられることが分かった。
【0050】具体的には炉体の側壁に上記の条件を満足
する装入口を設け、予備処理された原料混合物を、少量
のガスで浮遊させながらあるいはスクリューフィーダー
で溶融還元炉のなかに装入する。この方法によれば、粉
や塊が混じった原料を分けることなく装入できるので熱
的にも有利である。
【0051】以上のような方法によって、本発明が目的
とする後続の溶融還元工程と併せて製鉄の石炭原単位を
下げるための前処理法として、石炭の乾燥、予熱、乾
留、鉱石の乾燥、予熱、乾留発生ガスによる予備還元
を、できるだけ数が少なく、かつ簡単な装置で行い、予
備処理の中間製品として、予備還元鉱石とともに、サイ
ズが細かくなりすぎていない乾留チャーを歩留り高く得
るということが実現される。
【0052】
【実施例】
〔実施例1〕図2の形式の装置を用いた。 (装置) 縦型の予熱炉;高さ15mで内部に50cmおきに棚が存
在し、上部から装入した原料が加熱されるにしたがって
順次下方に移動してゆく方式の炉。 横型回転炉;内径3.5m、長さ35mのロータリーキ
ルン。途中5mおきに石炭投入装置がつけられている。
内部の装入側から、12m,18m,24mの位置に高
さ15cm、回転軸方法に長さ1mの耐火物性の突起物が
つけられている。原料排出側には空気侵入防止のシール
装置がついている。原料排出側から、溶融還元炉の高温
排ガスと、予熱空気が加熱源として装入される。
【0053】(使用原料) 粉鉱石;成分Fe2 3 ;91.2%、SiO2 ;4.
8%、Al2 3 ;1.2%、水分;2.5% 粒度構成;0.5mm以下;75wt%、0.5〜1.0m
m;25wt% 石炭 ;成分;固定炭素分;56%、揮発分;32%、
灰分;12% 粒度構成;ふるい分によって次の4種類に分けた。
【0054】A;25mm以上、B;15〜25mm、C;
10〜15mm、D;5〜10mm 石灰石;CaCO3 ;97wt%、水分;2%、サイズ;
5〜25mm
【0055】(操業)粉鉱石およびその重量の10wt%
の石灰石を縦型予熱炉に装入して、横型回転炉の排ガス
(縦型炉への入り口においてCO;0.5%、温度;6
30℃)によって加熱して、平均520℃まで加熱す
る。いずれも水分はほとんどゼロになったが他の成分変
化は起こっていない。なお、縦型炉出口の排ガスはサイ
クロンで除塵後、温度320℃である。これで空気を2
10℃まで加熱して、この空気は横型回転炉に供給し
た。排ガスはCO;0.1%以下で、バグフィルターで
除塵して系外に排出した。
【0056】横型回転炉は、傾き;3/1000、回転
速度;1.5RPM で操業した。粉鉱石および石灰石の混
合物は横型回転炉に移され、原料装入端から10mのと
ころまでは石炭を添加することなく加熱されて、平均温
度を800℃まで上昇させた。装入端から9mの位置で
雰囲気に空気が吹き込まれ、CO;0.5%まで燃焼さ
せた。原料装入端から10m,15m,20m,25m
の位置から次のように石炭の装入を行った。10mの位
置;上記Aの石炭を粉鉱石の12wt%、15mの位置;
上記の石炭Bを鉱石の11wt%、20mの位置;上記の
石炭Cを鉱石の10wt%、25mの位置;上記の石炭D
を粉鉱石の7wt%。
【0057】原料の最高温度部の温度は885℃であ
り、リングの形成は見られなかった。横型回転炉に加熱
燃料として溶融還元炉の排ガス(CO;41%、C
2 ;32%、H2 ;7%、温度900℃)を供給し、
それを完全に燃焼するに必要な空気の90〜103%の
空気が4割を炉端からの侵入物として、残りを予熱空気
として加えた。炉内最高温度部の温度は1050℃であ
り、その場所の雰囲気CO/CO2 は0.2であった。
【0058】(生成物)予備還元鉱石としては、鉄のう
ちの85%がFeO、15%がFeのものが得られた。
チャーは、平均して、残留揮発分が1.9%のものが、
固定炭素分として収率93%で得られた。サイズは、5
mm以下が13wt%、5〜10mmが25%、10mm以上が
62wt%であった。石灰石は、CaCO3 が96%のも
のが収率98%で得られた。
【0059】(溶融還元炉での使用)溶融還元炉は窒素
底吹き、酸素上吹きの転炉型の炉でスラグは側壁に設け
た孔から連続的に排滓される。それによって決まるスラ
グ面より1.4mの位置に設けた原料供給口より予備還
元鉱石、石炭チャー、石灰石の混合物をスクリューフィ
ーダー方式で装入した。
【0060】また、上記の石炭Dを装入鉱石の3〜5wt
%、排ガス組成を見ながら装入した。溶融スラグは常に
350kg/t−溶融メタル以上、存在している状態で酸素
ガス供給し、酸素供給量と上記の追加石炭によって、溶
融メタルの温度を1390〜1450℃の範囲になるよ
うに、また、排ガス中のCO;37〜42%、CO2
30〜35%、になるように調整した。系全体として、
石炭原単位670kgで、溶銑(C;3.9%)を製造で
きた。 〔実施例2〕図3の形式の装置を用いた。 (装置) 縦型の予熱炉;実施例1と同じである。 横型加熱炉 ;幅1.8m、長さ1.5mの鉄製パレッ
トが水平方向に移動する。炉の長さは40mである。加
熱は炉の上面からバーナーによって行われる。パレット
の移動速度は60m/hである。
【0061】(使用原料)鉱石は実施例1と同じであ
る。石炭は組成は実施例1と同じであるが、粒度構成
は、27mm以上;22wt%、15〜25mm;25wt%、
10〜15mm;22wt%、5〜10mm;20wt%、5mm
以下;6wt%である。
【0062】(操業)予熱のための縦型炉については、
石灰石を加えなかったこと以外は実施例1と同じであ
る。予熱された鉱石に、石炭を鉱石1tに対しての40
0kgの割合で配合したものを鉄製パレットに入れ、最高
温度890℃まで加熱した。
【0063】(生成物)予備還元鉱石は平均として、鉄
のうちの79%がFeO、21%がFeのものが得られ
た。チャーは、平均して、残留揮発分が1.7%のもの
が、固定炭素分として収率98%で得られた。サイズ
は、5mm以下が10wt%、5mm〜10mmが25%、10
mm以上が75wt%であった。
【0064】(溶融還元炉での使用)実施例1と同じ方
法で使用し、系全体として、石炭原単位650kgで、溶
銑(C;3.9%)を製造できた。
【0065】
【発明の効果】本発明によって、現行高炉法に対する溶
融還元法の種々の特徴をいかしつつ、製鉄時の石炭原単
位の低減を通してCO2 発生量を低減することが可能に
なり、経済的および環境面から効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融還元炉における石炭原単位の決定機構の図
表を示す。
【図2】本発明を実施するのに用いる装置の説明図を示
す。
【図3】本発明を実施するのに用いる他の装置の説明図
を示す。
【符号の説明】
1:縦型予熱炉 11:スラグ 2:粉鉱石、石灰石 12:メタル 3:排ガス 13:石炭 4:熱交換器 14:予熱原料 5:高温ガス 16:横型回転炉 6:横型回転炉 7:溶融還元炉 10:排ガス

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径1mm以下の粉鉱石を500℃以上、
    900℃以下に予熱する第1工程、および予熱された粉
    鉱石に、粒径5mm以上の粒子が80wt%以上含まれてい
    る石炭を加えて最高900℃までの温度範囲に加熱する
    第2工程からなることを特徴とする溶融還元炉用の石
    炭、鉱石の前処理方法。
  2. 【請求項2】 第1工程を、粉鉱石を上から下の方向に
    動かしながらの加熱と、同じく粉鉱石を横方向に動かし
    ながらの加熱を組み合わせて行うことを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 第2工程を、石炭と予熱された粉鉱石を
    横方向に移動させながら行うことを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 石炭と予熱された粉鉱石を同時に上下方
    向に動かすことなく加熱することを特徴とする請求項3
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 石炭と予熱された粉鉱石を炉の回転運動
    によって撹拌しながら加熱することを特徴とする請求項
    3記載の方法。
  6. 【請求項6】 第2工程の加熱を軸方向に突起物を設け
    た炉で行うことを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 石灰石を添加して加熱することを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 添加する石炭を炉外で粒度別に3種類以
    上に分け、粒径が大きいものの方が長時間粉鉱石と接す
    るように添加位置を設定して加熱することを特徴とする
    請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 第2工程の加熱炉の原料排出側の空気過
    剰率を1.05以下に保つことを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 第2工程において、石炭から生成した
    チャーが、平均として1.5wt%以上の揮発分を含有し
    た状態で処理を終わることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 第1工程の加熱に用いたガスで空気を
    予熱して、その予熱空気でもって第2工程の燃焼加熱を
    行い、加熱最高温度部の温度とCO/CO2比の間に次
    の関係が成り立つように温度調整することを特徴とする
    請求項1記載の方法。 温度(℃)≧890+25(%CO2 /%CO)
  12. 【請求項12】 得られた予備還元粉鉱石、石炭加熱に
    よる生成チャー、あるいは、石灰石の混合物を、底吹き
    ガスによって撹拌され酸素を上吹きされている溶融還元
    中の炉に、そのスラグの上面より上方1.5m以下の位
    置から該炉内に装入することを特徴とする請求項1また
    は7記載の方法。
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