JPH0627371Y2 - 無機質成形体補強用不織布および無機質成形体 - Google Patents

無機質成形体補強用不織布および無機質成形体

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JPH0627371Y2
JPH0627371Y2 JP1988105082U JP10508288U JPH0627371Y2 JP H0627371 Y2 JPH0627371 Y2 JP H0627371Y2 JP 1988105082 U JP1988105082 U JP 1988105082U JP 10508288 U JP10508288 U JP 10508288U JP H0627371 Y2 JPH0627371 Y2 JP H0627371Y2
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實 松下
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Kurashiki Textile Manufacturing Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は無機質成形体補強用不織布、および、当該不織
布によって補強された無機質成形体に関し、詳しくは、
混練したセメントスラリーや石膏スラリーのマトリック
ス、もしくは、両者の混合マトリックスを硬化させるこ
とによって製造される無機質成形体の表面に、補強用部
材として接合される不織布と、当該不織布によって補強
された無機質成形体に関する。
〔従来の技術〕
近年、建築物構造の高層化と共に、外壁の施工法も工期
の短縮や工法の簡略化を目的として湿式工法から乾式工
法に変わりつつある。この乾式工法の普及に伴って、安
価で耐水性に優れ、かつ、施工法の良好な外壁材の提供
が望まれている。
従来、建築用パネルとして、石膏ボードが多量に、か
つ、多岐に亘って使用されているが、その用途は殆ど下
地板に限られ、内装材、例えば壁材や間仕切材として使
用されることは稀であり、また、耐水性ならびに強度の
不足に起因して外壁材としての使用は実質上不可能であ
った。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上記のような無機質成形体は、これ迄、その
表面にボード原紙等の表装材を接着することによって壁
層材として使用されて来たが、ボード原紙は耐水性を付
与することがむづかしく、水回りの建築材料や外壁とし
ての使用は不可能であった。また、ボード原紙には、紙
の層膜剥離という強度上の問題点が付随しているため、
層間剥離が余り問題にならない塗装壁面や壁紙以外の分
野に使用することは困難であった。
ボード原紙に認められる上記制約を解消するため、ボー
ド原紙の代わりに短繊維の不規則接合体からなる不織布
を使用することが試みられているが、親水性の不足に起
因して、混練されたセメントスラリーや石膏のスラリー
のマトリックスを、不織布を構成する短繊維の立体格子
状空隙内に滲出させることが困難なため、表装材との接
合強度を向上せしめた無機質成形体の製造には大きな制
約が付随していた。
一方、近年、建築構造物の表装材として使用されている
軽量発泡コンクリート(ALC)等のセメント系成形体
は、吸水性が高く、下地処理をも含めた外装仕上げを施
すことによってのみ外装材として使用可能であり、更
に、製造工程や運搬途上、あるいは、施工時に損傷され
易く、また、施工後、僅かな衝撃荷重の作用によっても
破損するという難点も指摘されている。加うるに、上記
セメント系成形体には、他の構造体との接着、あるい
は、複合化が困難であるという施工上の制約も付随して
いる。
また、従来、骨材は透過しないがペーストは透過する網
または不織布を無機質成形体の表層に使用したものが特
開昭50−96617号公報(以下、前者という)で提
案され、さらに、不織布中に親水性樹脂を含む接着剤を
含浸させたものが特開昭58−60682号公報(以
下、後者という)で提案されているが、前者のものは、
不織布を予めバインダーで接合しておらず、かつ、後者
は、不織布を構成する繊維とバインダーの配合割合及び
バインダー中の親水性樹脂の配合割合が明示されておら
ず、しかも、バインダーで接合した際の空隙の範囲を明
示していないもので、これでは、無機質材を不織布に均
一に滲出させることができず、表装材や外壁材としての
十分な強度等を具備させることができない欠点があっ
た。
本考案は、従来技術の上記欠点に鑑みてこれを解決する
ために提案されたもので、その目的とするところは、無
機質成形体の表装材として好適な無機質材の滲出し性、
接合性、耐水性、耐アルカリ性ならびに耐衝撃性に優れ
た補強用不織布および当該不織布によって補強された無
機質成形体を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本考案は、混練したセメント
スラリー、あるいは、石膏スラリーのマトリックス、も
しくは、両者の混合マトリックスを型枠に流し込み、連
続的に無機質成形体を製造する際に、流し込みに先立っ
て前記型枠の内面に張設される、上記マトリックスと一
体となり、かつ、型枠へのマトリックスの付着がないよ
うにコントロールするための不織布であって、上記不織
布は、構成繊維とバインダーとを重量比55/45〜6
5/35の割合で配合し、かつ、構成繊維を予めバイン
ダーにより立体格子状に接合しており、その接合状態に
おける繊維相互間に30μm乃至400μmの滲出し空隙を
形成していると共に、上記バインダーにはバインダー主
剤の100重量部に対して10乃至30重量部の親水性樹脂を
配合してあることを特徴とする無機質成形体補強用不織
布を提供するものである。
また、本考案は、構成繊維とバインダーとを重量比55
/45〜65/35の割合で配合し、かつ、バインダー
主剤の100重量部に対して10乃至30重量部の親水性樹脂
を配合してあるバインダーにより、予め、構成繊維を、
繊維相互間に30μm乃至400μmの滲出し空隙を形成し
た状態で立体格子状に接合した不織布を、型枠内面に張
設し、該型枠内に、混練したセメントスラリー、あるい
は、石膏スラリーのマトリックス、もしくは、両者の混
合マトリックスを型枠に流し込み、前記不織布を前記ス
ラリーの硬化体との間に、スラリーの均一な滲出しによ
る強固な接合構造を形成せしめた後、型枠内から取り出
してなることを特徴とする無機質成形体を提供するもの
である。
[作用] 本考案の構成により、バインダーの結合力と無機質材の
結合力との両方の結合力で不織布の構成繊維相互間を強
固に結合させている。
特に、本考案は、「構成繊維とバインダーとを重量比5
5/45〜65/35の割合で配合し」、かつ、バイン
ダーの中に「親水性樹脂」をバインダー主剤の100重量
部に対して10乃至30重量部の割合で配合し、このバイン
ダーで、予め、構成繊維を、繊維相互間に30μm乃至40
0μmの滲出し空隙を形成した状態で立体格子状に接合
したもので、これにより、不織布の繊維相互間の結合力
を向上させ、無機質材のスラリーの滲出し量を過不足な
く均一で適性なものとし、しかも、無機質材と不織布と
の親和性及び結合力を向上させ、無機質材と不織布との
結合力を一層強固なものとすることができる。
〔実施例〕
本考案におけるセメントスラリーのマトリックスとは、
加水混練した未硬化のコンクリートまたはモルタルを意
味し、また、石膏スラリーのマトリックスとは、α半水
石膏またはβ半水石膏の加水混練体で、常温でもそのま
まの状態で硬化反応が生起するものを意味する。セメン
トとしては、通常10μm程度の粒径を有するものが使用
され、一方石膏としては、排煙脱硫石膏やリン酸石膏等
の副生石膏のほか、一般に半水石膏と呼称される天然石
膏も使用可能であり、その粒径は10μm乃至200μmの
ものが好適である。
上記セメントスラリーや石膏スラリーのマトリックス、
あるいは、両者の混合マトリックスの補強部材として使
用される不織布は、第1図に示すように繊維(1)を常
法に従って図示しないカーディングマシンに供給し、個
々の繊維をフリース状に成層した後、これらの繊維を適
量のバインダーで一体構造に接合することによって不規
則な接合形態を具えた多孔質の繊維構造体に形成されて
いる。上記繊維(1)(1)…の不規則接合によって形
成された不織布(2)は、第2図に拡大して図示するよ
うに、立体格子状に接合された繊維(1)(1)…相互
間に、30μm乃至400μmの無機質成分〔セメント粒子
または石膏粒子(3)〕の滲出し空隙(4)を形成して
いる。
型枠(5)への無機質成分(3)の滲出し量は、不織布
(2)を構成する繊維(1)(1)…間に形成された前
記空隙(4)の大きさに影響される。空隙(4)内への
無機質成分(3)の滲出し量が多過ぎると、型枠(5)
が汚れ、無機質成形体(6)の連続生産が不可能にな
る。特に、無機質成分(3)として凝集し易い石膏を使
用した場合には、型枠(5)に付着した石膏成分の凝集
成長が急激に進行し成形工程の安定性を低下させる。
一方、空隙(4)内への無機質成分(3)の滲出し量が
不足すると、無機質成成形体(6)とその補強用材料と
して型枠(5)の内面に張設された前記不織布(2)と
の接合強度が大幅に低下してしまう。
このような障害を回避するため、前記繊維(1)(1)
…相互間に形成される滲出し空隙(4)(4)…の大き
さを30μm乃至400μmの範囲に設定すると共に、0.8乃
至2.0デニールの単繊維デニールを具えた疎水性繊維
(1)が、不織布(2)の全重量中少なくとも40重量部
を占めるように不織布の製造に際し、カーディング工程
における繊維配合比率と接着工程におけるバインダーの
付与量を調節することが望ましい。
また、不織布(2)を構成する繊維(1)(1)…とし
ては、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
チレン繊維、塩化ビニル系繊維、ガラス繊維等の疎水性
繊維のほか、親水性繊維を使用することができるが、ア
リカリ性のスラリーマトリックスから無機質成形体
(6)を製造する場合には、ポリプロピレン繊維を選択
使用することが望ましい。
スラリーマトリックスの状態によって上記繊維(1)
(1)…の含有率を不織布(2)の全重量の70重量部以
上に設定する必要がある場合には、適量の浸透剤を添加
する必要がある。浸透剤としては、ジアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム塩が特に有効である。このジアルキル
スルホコハク酸ナトリウム塩は、表面張力低下作用を持
った界面活性剤として低濃度でも優れた浸透性を発揮す
る。
また、上記繊維(1)(1)…のカット長は、カーディ
ング作用を向上させ、かつ、不織布(2)中の繊維密度
変更の自由度を確保するため、短か目(例えば55mm以
下)に設定することが望ましいが、ビニロン長繊維を用
いても実施可能である。
本考案においては、無機質成形体(6)と上記不織布
(2)との濡れを均一に、かつ、両者の間に強固な接着
構造を形成する目的で、繊維(1)(1)…に付与され
るバインダー(8)には、その全重量を基準にして10乃
至30重量部の親水性樹脂(7)が配合されている。この
親水性樹脂(7)は、不織布(2)の滲出し空隙(4)
内への無機質成分(3)の均一な滲出しを促進し、不織
布(2)を構成する疎水性繊維(1)(1)…と、セメ
ントスラリーや石膏スラリーのマトリックス、もしく
は、両者の混合マトリックス(3)(3)…とを強固に
接合する。
親水性樹脂(7)としては、ポリビニルアルコールある
いは、メチルセルローズが使用される。
ポリビニルアルコールを使用する場合について説明する
と、合成ゴムラテックスまたはアクリル系樹脂を主成分
とする接着剤を用意し、その中に親水性樹脂(7)とし
てポリビニルアルコール10乃至30重量部を配合すること
によって、耐水性と防カビ性ならびに耐油性に優れた濡
れ性の高いバインダー(8)が形成される。このバイン
ダー(8)の内、鹸化度(ケン化度)の高いものは、特
に耐水性が良好であるため、不織布(2)によって補強
された無機質成形体(6)は、表面材として望ましい化
学的安定性と物理的強度を具備することができる。
一方、メチルセルローズは、従来よりセメントモルタル
や石膏プラスターのクラック防止剤として使用されてい
るが、バインダー(8)中に重量基準で10乃至30パーセ
ント配合することによって、不織布(2)とセメントス
ラリーや石膏スラリーのマトリックス(3)との濡れ性
が向上し、クラック防止性のみならず、疎水性繊維
(1)(1)…と無機質成形体(6)との接合強度の向
上に対しても顕著な効果を発揮する。
以下、実施例の記載に基づき本考案の具体例を説明す
る。
実施例1 第1図に示すように幅60cm、厚さ4cmの帯状体からなる
コンベアー状の型枠(5)を準備し、その底面に40g/m2
の製品目付を有する乾式不織布(2)を貼付けた。一
方、混練した発泡セメントのスラリーマトリックス
(3)を用意し、その中に補強繊維として8mmに定長カ
ットされたビニロン繊維1.0重量部を配合した後、上記
型枠(5)内にスラリーマトリックスを注入し、硬化前
にその上面に前記同様の乾式不織布(2)を被着し、60
℃で48時間乾燥することによって、不織布(2)で補強
された無機質成形体(6)を製造した。この無機質成形
体の一部分を第2図に拡大状態で図示し、またその特性
値の測定結果を下記第1表に示す。
実施例2 幅60cm、厚さ6cmのベルトコンベアー状の型枠(5)を
準備し、その底面に下記第2表に特性を示す乾式不織布
(2)を貼付けた。一方、混練した発泡β半水石膏スラ
リーのマトリックス(3)を用意し、その中に補強繊維
として1/2インチに定長カットされたEガラスチョップ
ドストランド1重量部を配合した後、型枠(5)内に上
記スラリーマトリックスを注入し、硬化前のその上面に
前記同様の乾式不織布(2)を被着し、120℃で96時間
乾燥することによって、不織布(2)で補強された無機
質成形体(6)を製造した。この無機質成形体(6)の
特性値の測定結果を下記第2表に示す。
実施例3 幅60cm、厚さ4cmのベルトコンベアー状の型枠(5)を
準備し、その底面に下記第3表に特性を示す乾式不織布
(2)を貼付けた。一方、混練した発泡セメントモルタ
ル49.5重量部と、発泡β型半水石膏49.5重量部からなる
混合型無機質スラリーのマトリックス(3)を用意し、
その中に補強繊維として8mmに定長カットされたビニロ
ン繊維1重量部を配合した後、上記混合スラリーのマト
リックスを型枠(5)内に注入し、硬化前にその上面に
前記同様の乾式不織布(2)を被着し、120℃で48時間
乾燥することによって、乾式不織布(2)で補強された
無機質成形体(6)を製造した。この無機質成形体
(6)の特性値の測定結果を下記第3表に示す。
なお、上記実施例は、短か目(55mm以下)のカット長の
繊維を用いた場合について説明したが、ビニロン長繊維
を用いても実施可能であり、また、親水性繊維(例えば
ビニロン・ナイロン)100%を用いても実施可能であ
る。
〔考案の効果〕 以上の説明から理解されるように、本考案によれば、補
強用不織布内に形成された多数の空隙が、混練したセメ
ントスラリーマトリックスや石膏スラリーマトリック
ス、あるいは、両者の混合マトリックスに対して均一な
滲出しを保証する立体格子状もしくはキャピラリ状の流
路として機能し、不織布と無機質成形体とを強固に接合
する。このため、外壁材としても使用可能な、耐水性、
耐アルカリ性、ならびに耐衝撃性に優れた無機質成形体
が安価に製造される。本考案に係る無機質成形体は、上
記の如き特性を具えているから、建築構造物等に使用し
た場合、各種の仕上工法の適用が可能であり、従来品に
比較して用途の拡大が容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る無機質成形体の略示縦断面図、第
2図はその部分拡大図である。 (1)……繊維、(2)……不織布、 (3)……無機質成分、(4)……滲出し空隙、 (5)……型枠、(6)……無機質成形品、 (7)……親水性樹脂、(8)……バインダー。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】混練したセメントスラリー、あるいは、石
    膏スラリーのマトリックス、もしくは、両者の混合マト
    リックスを型枠に流し込み、連続的に無機質成形体を製
    造する際に、流し込みに先立って前記型枠の内面に張設
    される、上記マトリックスと一体となり、かつ、型枠へ
    のマトリックスの付着がないようにコントロールするた
    めの不織布であって、 上記不織布は、構成繊維とバインダーとを重量比55/
    45〜65/35の割合で配合し、かつ、構成繊維を予
    めバインダーにより立体格子状に接合しており、その接
    合状態における繊維相互間に30μm乃至400μmの滲出
    し空隙を形成していると共に、上記バインダーにはバイ
    ンダー主剤の100重量部に対して10乃至30重量部の親水
    性樹脂を配合してあることを特徴とする無機質成形体補
    強用不織布。
  2. 【請求項2】構成繊維とバインダーとを重量比55/4
    5〜65/35の割合で配合し、かつ、バインダー主剤
    の100重量部に対して10乃至30重量部の親水性樹脂を配
    合してあるバインダーにより、予め、構成繊維を、繊維
    相互間に30μm乃至400μmの滲出し空隙を形成した状
    態で立体格子状に接合した不織布を、 型枠内面に張設し、該型枠内に、混練したセメントスラ
    リー、あるいは、石膏スラリーのマトリックス、もしく
    は、両者の混合マトリックスを型枠に流し込み、前記不
    織布を前記スラリーの硬化体との間に、スラリーの均一
    な滲出しによる強固な接合構造を形成せしめた後、型枠
    内から取り出してなることを特徴とする無機質成形体。
JP1988105082U 1988-08-08 1988-08-08 無機質成形体補強用不織布および無機質成形体 Expired - Lifetime JPH0627371Y2 (ja)

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