JPH06273729A - 液晶性高分子およびそれを用いた液晶素子 - Google Patents
液晶性高分子およびそれを用いた液晶素子Info
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- JPH06273729A JPH06273729A JP5060090A JP6009093A JPH06273729A JP H06273729 A JPH06273729 A JP H06273729A JP 5060090 A JP5060090 A JP 5060090A JP 6009093 A JP6009093 A JP 6009093A JP H06273729 A JPH06273729 A JP H06273729A
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- liquid crystalline
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 応答性にすぐれるとともに応答のしきい値電
圧が高く、しかも自己支持性にもすぐれた高分子液晶/
低分子液晶混合膜を構成できる液晶性高分子と、それを
用いた液晶素子を提供する。 【構成】 液晶性高分子は、下記一般式(1) (式中Yは
側鎖液晶基、Aは柔軟な屈曲鎖。)で表される繰り返し
単位を有する。液晶素子は、上記液晶性高分子を含む高
分子液晶/低分子液晶混合膜1を、一対の基材2で挟持
した。 【化1】
圧が高く、しかも自己支持性にもすぐれた高分子液晶/
低分子液晶混合膜を構成できる液晶性高分子と、それを
用いた液晶素子を提供する。 【構成】 液晶性高分子は、下記一般式(1) (式中Yは
側鎖液晶基、Aは柔軟な屈曲鎖。)で表される繰り返し
単位を有する。液晶素子は、上記液晶性高分子を含む高
分子液晶/低分子液晶混合膜1を、一対の基材2で挟持
した。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な液晶性高分子
と、それを用いた、TV画面や一般OA機器、自動車に
搭載して地図表示、案内表示等の情報を運転者に提供す
る車載ナビゲーション等のディスプレイ画面に好適に使
用される液晶素子に関するものである。
と、それを用いた、TV画面や一般OA機器、自動車に
搭載して地図表示、案内表示等の情報を運転者に提供す
る車載ナビゲーション等のディスプレイ画面に好適に使
用される液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常の液晶素子は、数μmの間隔に固定
した一対の基材間に、低分子量の液晶材料を注入するこ
とで形成される。ところがこのような構成では、大面積
のディスプレイの作製が困難である。また液晶を封入し
た一対の基材には、それぞれ素子の動作原理上、一対の
偏光板を、その偏光軸を互いに直交させた状態で取り付
ける必要があり、画面の明るさや視野角等が不十分にな
るという問題がある。
した一対の基材間に、低分子量の液晶材料を注入するこ
とで形成される。ところがこのような構成では、大面積
のディスプレイの作製が困難である。また液晶を封入し
た一対の基材には、それぞれ素子の動作原理上、一対の
偏光板を、その偏光軸を互いに直交させた状態で取り付
ける必要があり、画面の明るさや視野角等が不十分にな
るという問題がある。
【0003】また従来の液晶素子は、強誘電性液晶を用
いる場合を除き、配向状態にメモリー性がないため、大
画素数の表示画面用には、製造歩留りの悪いTFT等を
用いたアクティブマトリクス駆動が必要となり、故障等
が発生しやすく信頼性が低い、素子が高価になる、等の
問題も生じる。強誘電性液晶を使用すればアクティブマ
トリクス駆動は不要になるが、1〜2μmという極めて
薄いセルギャップ制御と液晶の均一な配向制御が必要な
ため、実用化には程遠く、小面積ですら満足な表示を得
られないのが現状である。
いる場合を除き、配向状態にメモリー性がないため、大
画素数の表示画面用には、製造歩留りの悪いTFT等を
用いたアクティブマトリクス駆動が必要となり、故障等
が発生しやすく信頼性が低い、素子が高価になる、等の
問題も生じる。強誘電性液晶を使用すればアクティブマ
トリクス駆動は不要になるが、1〜2μmという極めて
薄いセルギャップ制御と液晶の均一な配向制御が必要な
ため、実用化には程遠く、小面積ですら満足な表示を得
られないのが現状である。
【0004】高分子の骨格鎖に、柔軟な屈曲鎖(スペー
サ)を介して、液晶材料に相当する側鎖(側鎖液晶基)
を結合した側鎖型液晶性高分子を、通常の低分子量の液
晶材料と混合して高分子液晶/低分子液晶混合膜を形成
し、それを、一定間隔に配置された一対の基材間に挟持
してなる液晶素子が、九州大学の梶山千里教授らのグル
ープによって開発された〔特開平2−193115号公
報、特開平2−127494号公報、Chem. Lett., 817
(1989) 、Polym. Preprints, Japan 39 (8) 2373 (199
0)〕。
サ)を介して、液晶材料に相当する側鎖(側鎖液晶基)
を結合した側鎖型液晶性高分子を、通常の低分子量の液
晶材料と混合して高分子液晶/低分子液晶混合膜を形成
し、それを、一定間隔に配置された一対の基材間に挟持
してなる液晶素子が、九州大学の梶山千里教授らのグル
ープによって開発された〔特開平2−193115号公
報、特開平2−127494号公報、Chem. Lett., 817
(1989) 、Polym. Preprints, Japan 39 (8) 2373 (199
0)〕。
【0005】この液晶素子は、上記混合膜に印加される
電場の周波数により、白濁あるいは透明の何れかの状態
を示すように動作する。つまり混合膜に低周波または直
流の電場を印加すると、当該膜内で電場に付随してイオ
ンが移動し、側鎖型液晶性高分子の主鎖に衝突して液晶
の配列が乱されるため、素子は入射光が散乱されて不透
明な白濁状態になる。一方、混合膜に高周波の電場を印
加すると、当該膜内の液晶分子が電場方向にホメオトロ
ピック配向して、入射光が散乱されずに透過できるよう
になるため、素子は透明状態になる。
電場の周波数により、白濁あるいは透明の何れかの状態
を示すように動作する。つまり混合膜に低周波または直
流の電場を印加すると、当該膜内で電場に付随してイオ
ンが移動し、側鎖型液晶性高分子の主鎖に衝突して液晶
の配列が乱されるため、素子は入射光が散乱されて不透
明な白濁状態になる。一方、混合膜に高周波の電場を印
加すると、当該膜内の液晶分子が電場方向にホメオトロ
ピック配向して、入射光が散乱されずに透過できるよう
になるため、素子は透明状態になる。
【0006】また混合膜はスメクチック相構造を形成す
るため、上記液晶素子は透明、白濁の両状態ともに、電
場印加停止後も安定に保持されるいわゆるメモリー性を
有する。したがって上記高分子液晶/低分子液晶混合膜
を用いた液晶素子では、そのメモリー性のためにアクテ
ィブマトリクス駆動が不要になる。またこの混合膜は高
分子を含有するものゆえ、それ自身が自己支持性を有し
ており、強誘電性液晶のような厳密なセルギャップ制御
を必要としない。しかも上記駆動機構からもわかるよう
に、混合膜は液晶の均一な配向制御も必要としない。
るため、上記液晶素子は透明、白濁の両状態ともに、電
場印加停止後も安定に保持されるいわゆるメモリー性を
有する。したがって上記高分子液晶/低分子液晶混合膜
を用いた液晶素子では、そのメモリー性のためにアクテ
ィブマトリクス駆動が不要になる。またこの混合膜は高
分子を含有するものゆえ、それ自身が自己支持性を有し
ており、強誘電性液晶のような厳密なセルギャップ制御
を必要としない。しかも上記駆動機構からもわかるよう
に、混合膜は液晶の均一な配向制御も必要としない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記高分子
液晶/低分子液晶混合膜を用いた液晶素子は、液晶性高
分子の粘性が高いため、透明から白濁および白濁から透
明への転換の応答速度が遅いという問題がある。混合膜
中の液晶性高分子の比率を下げるか、または液晶性高分
子の重合度(分子量)を下げることで混合膜の粘性を低
下させれば、素子の応答速度が速くなるように考えられ
るが、実際には、逆に応答速度、とくに透明から白濁へ
の転換の応答速度が極めて遅くなるか、または全く転換
しなくなるという問題が生じる。
液晶/低分子液晶混合膜を用いた液晶素子は、液晶性高
分子の粘性が高いため、透明から白濁および白濁から透
明への転換の応答速度が遅いという問題がある。混合膜
中の液晶性高分子の比率を下げるか、または液晶性高分
子の重合度(分子量)を下げることで混合膜の粘性を低
下させれば、素子の応答速度が速くなるように考えられ
るが、実際には、逆に応答速度、とくに透明から白濁へ
の転換の応答速度が極めて遅くなるか、または全く転換
しなくなるという問題が生じる。
【0008】この原因は、前記のように液晶性高分子の
主鎖が、透明から白濁への転換に関与しているためであ
ると考えられる。つまり液晶性高分子の比率や重合度が
低いと、電場に付随して移動したイオンが液晶性高分子
の主鎖に衝突する確率が小さくなり、液晶配列の乱れが
十分に起こらないため、透明から白濁への転換が悪化す
るのである。
主鎖が、透明から白濁への転換に関与しているためであ
ると考えられる。つまり液晶性高分子の比率や重合度が
低いと、電場に付随して移動したイオンが液晶性高分子
の主鎖に衝突する確率が小さくなり、液晶配列の乱れが
十分に起こらないため、透明から白濁への転換が悪化す
るのである。
【0009】また、上記のように液晶性高分子の比率や
重合度を下げると、混合膜の自己支持性が低下するとい
う問題も生じる。そこで本発明者らは、先に、主鎖を架
橋した液晶性高分子を使用することを提案した(特願平
3−327725号)。この構造では、イオンの衝突に
よって生じた液晶配列の乱れが、架橋を通じて、混合膜
の広範囲にわたって迅速に伝わるため応答性が改善され
るとともに、架橋構造ゆえ混合膜の自己支持性が向上す
ることが可能になった。
重合度を下げると、混合膜の自己支持性が低下するとい
う問題も生じる。そこで本発明者らは、先に、主鎖を架
橋した液晶性高分子を使用することを提案した(特願平
3−327725号)。この構造では、イオンの衝突に
よって生じた液晶配列の乱れが、架橋を通じて、混合膜
の広範囲にわたって迅速に伝わるため応答性が改善され
るとともに、架橋構造ゆえ混合膜の自己支持性が向上す
ることが可能になった。
【0010】本発明者らが、上記架橋構造の液晶性高分
子の採用を検討した際に、混合膜中での液晶性高分子の
動作機構について解析したところによると、主鎖構造の
交差部分が、イオンの衝突による配列の乱れと、それに
ともなう混合膜の透明から白濁への転換に重要な役割を
担っていることが明らかとなった。そこで本発明者ら
は、つぎに、上記架橋構造の液晶性高分子に代えて、主
鎖が交差した形の最も小さい構造として、下記一般式
(2) : Z(A−Y)n (2) (式中ZはC、Si、N、B、Ge、Yは側鎖液晶基、Aは
柔軟な屈曲鎖を示し、nは3または4の整数である。)
で表される液晶性オリゴマーを使用して、混合膜の粘度
の低下と、とくに透明から白濁への応答性の向上とを両
立させることを提案した(特願平4−272059
号)。
子の採用を検討した際に、混合膜中での液晶性高分子の
動作機構について解析したところによると、主鎖構造の
交差部分が、イオンの衝突による配列の乱れと、それに
ともなう混合膜の透明から白濁への転換に重要な役割を
担っていることが明らかとなった。そこで本発明者ら
は、つぎに、上記架橋構造の液晶性高分子に代えて、主
鎖が交差した形の最も小さい構造として、下記一般式
(2) : Z(A−Y)n (2) (式中ZはC、Si、N、B、Ge、Yは側鎖液晶基、Aは
柔軟な屈曲鎖を示し、nは3または4の整数である。)
で表される液晶性オリゴマーを使用して、混合膜の粘度
の低下と、とくに透明から白濁への応答性の向上とを両
立させることを提案した(特願平4−272059
号)。
【0011】但し、普通の液晶性高分子に代えてこのよ
うな分子量の小さな液晶性オリゴマーを使用した場合に
は、しきい値電圧が著しく低下してしまう場合があっ
た。そのような場合には単純マトリクス駆動では、書込
みを行わない画素にも、書込みを行う画素の1/3程度
の電圧が常時印加されるため、上記のようにしきい値電
圧が低い混合膜を使用した場合には必要のない画素まで
応答してしまい、表示のコントラストが低下する。また
液晶性オリゴマーは分子量が小さいので、混合膜の自己
支持性がやや低下して、素子を曲げると混合膜が浮き上
がる等の問題が生じる場合もあることがわかった。
うな分子量の小さな液晶性オリゴマーを使用した場合に
は、しきい値電圧が著しく低下してしまう場合があっ
た。そのような場合には単純マトリクス駆動では、書込
みを行わない画素にも、書込みを行う画素の1/3程度
の電圧が常時印加されるため、上記のようにしきい値電
圧が低い混合膜を使用した場合には必要のない画素まで
応答してしまい、表示のコントラストが低下する。また
液晶性オリゴマーは分子量が小さいので、混合膜の自己
支持性がやや低下して、素子を曲げると混合膜が浮き上
がる等の問題が生じる場合もあることがわかった。
【0012】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、応答性にすぐれるとともに応答のしきい値電
圧が高く、しかも自己支持性にもすぐれた高分子液晶/
低分子液晶混合膜を構成し得る、新規な液晶性高分子
と、それを用いた液晶素子を提供することを目的として
いる。
であって、応答性にすぐれるとともに応答のしきい値電
圧が高く、しかも自己支持性にもすぐれた高分子液晶/
低分子液晶混合膜を構成し得る、新規な液晶性高分子
と、それを用いた液晶素子を提供することを目的として
いる。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、液晶性高分子の構造につい
てさらに検討を行った。その結果、混合膜の透明から白
濁への転換は液晶配列の乱れによるものであるから、側
鎖型の液晶性高分子の場合は、電場に付随して移動する
イオンが、側鎖液晶基を主鎖と繋いでいる屈曲鎖と衝突
しやすく、かつ屈曲鎖にイオンが衝突した際に、その先
に繋がれた側鎖液晶基が動きやすい構造にすれば、分子
量を小さくしたり、あるいは混合膜中での配合割合を低
くしたりしなくても、透明から白濁への応答性にすぐれ
た混合膜を形成し得る液晶性高分子が得られる、との知
見を得た。
決するため、本発明者らは、液晶性高分子の構造につい
てさらに検討を行った。その結果、混合膜の透明から白
濁への転換は液晶配列の乱れによるものであるから、側
鎖型の液晶性高分子の場合は、電場に付随して移動する
イオンが、側鎖液晶基を主鎖と繋いでいる屈曲鎖と衝突
しやすく、かつ屈曲鎖にイオンが衝突した際に、その先
に繋がれた側鎖液晶基が動きやすい構造にすれば、分子
量を小さくしたり、あるいは混合膜中での配合割合を低
くしたりしなくても、透明から白濁への応答性にすぐれ
た混合膜を形成し得る液晶性高分子が得られる、との知
見を得た。
【0014】そこで上記知見に基づいて、液晶性高分子
の構造についての分子設計を行った結果、下記一般式
(1) :
の構造についての分子設計を行った結果、下記一般式
(1) :
【0015】
【化2】
【0016】(式中Yは側鎖液晶基、Aは柔軟な屈曲鎖
を示す。)で表されるように、トリメチレンオキシド
(オキセタン)の開環重合物であるポリオキセタン主鎖
を構成する繰り返し単位からなり、かつ各繰り返し単位
がそれぞれ屈曲鎖Aを介して2つずつの側鎖液晶基Yを
有する構造の液晶性高分子が、応答性にすぐれるととも
に応答のしきい値電圧が高く、しかも自己支持性にもす
ぐれるという相反する要求を全て満足する高分子液晶/
低分子液晶混合膜を構成し得ることを見出し、本発明を
完成するに至った。
を示す。)で表されるように、トリメチレンオキシド
(オキセタン)の開環重合物であるポリオキセタン主鎖
を構成する繰り返し単位からなり、かつ各繰り返し単位
がそれぞれ屈曲鎖Aを介して2つずつの側鎖液晶基Yを
有する構造の液晶性高分子が、応答性にすぐれるととも
に応答のしきい値電圧が高く、しかも自己支持性にもす
ぐれるという相反する要求を全て満足する高分子液晶/
低分子液晶混合膜を構成し得ることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0017】すなわち本発明の液晶性高分子は、上記一
般式(1) で表される繰り返し単位を有することを特徴と
する。また本発明の液晶素子は、少なくとも一方の表面
に電極層を形成した、一定の距離に配置された一対の基
材間に、上記一般式(1) で表される繰り返し単位を有す
る液晶性高分子と、低分子の液晶材料と、電解質とを含
有する混合膜を挟持したこと特徴とする。
般式(1) で表される繰り返し単位を有することを特徴と
する。また本発明の液晶素子は、少なくとも一方の表面
に電極層を形成した、一定の距離に配置された一対の基
材間に、上記一般式(1) で表される繰り返し単位を有す
る液晶性高分子と、低分子の液晶材料と、電解質とを含
有する混合膜を挟持したこと特徴とする。
【0018】上記一般式(1) で表される繰り返し単位を
有する本発明の液晶性高分子は、各繰り返し単位が、そ
れぞれ屈曲鎖Aを介して2つずつの側鎖液晶基Yを有す
るので、主鎖を構成する繰り返し単位が1つしか側鎖液
晶基を有さない従来の液晶性高分子に比べて、側鎖液晶
基Yを繋ぐ屈曲鎖Aにイオンが衝突する機会が多くな
り、白濁化応答速度の高速化が期待される。また、上記
液晶性高分子は主鎖としてポリオキセタン鎖が採用さ
れ、メソゲン基(A−Y)の間隔が、他の主鎖の場合に
比べて広いため、液晶基間の相互作用が小さく、電場印
加時に側鎖液晶基Yが電場方向に配向しやすい。このた
め本発明の液晶性高分子は、従来のものに比べて、同じ
分子量、同じ配合割合で、混合膜の透明から白濁への応
答速度を向上させることができる。
有する本発明の液晶性高分子は、各繰り返し単位が、そ
れぞれ屈曲鎖Aを介して2つずつの側鎖液晶基Yを有す
るので、主鎖を構成する繰り返し単位が1つしか側鎖液
晶基を有さない従来の液晶性高分子に比べて、側鎖液晶
基Yを繋ぐ屈曲鎖Aにイオンが衝突する機会が多くな
り、白濁化応答速度の高速化が期待される。また、上記
液晶性高分子は主鎖としてポリオキセタン鎖が採用さ
れ、メソゲン基(A−Y)の間隔が、他の主鎖の場合に
比べて広いため、液晶基間の相互作用が小さく、電場印
加時に側鎖液晶基Yが電場方向に配向しやすい。このた
め本発明の液晶性高分子は、従来のものに比べて、同じ
分子量、同じ配合割合で、混合膜の透明から白濁への応
答速度を向上させることができる。
【0019】また本発明の液晶性高分子について実験を
繰り返した結果、上記のように配向しやすい側鎖液晶基
Yは、混合膜に高周波の電場を印加した際に、当該混合
膜中に含まれる低分子の液晶材料と同様の挙動をするた
め、混合膜における低分子の液晶材料の比率を増加して
いないにも拘らず、その比率を増加したのと同様の作用
が得られ、混合膜の白濁から透明への応答速度も向上す
ることが確認された。
繰り返した結果、上記のように配向しやすい側鎖液晶基
Yは、混合膜に高周波の電場を印加した際に、当該混合
膜中に含まれる低分子の液晶材料と同様の挙動をするた
め、混合膜における低分子の液晶材料の比率を増加して
いないにも拘らず、その比率を増加したのと同様の作用
が得られ、混合膜の白濁から透明への応答速度も向上す
ることが確認された。
【0020】以下に本発明を説明する。まず本発明の液
晶性高分子について説明する。前記一般式(1) で表され
る本発明の液晶性高分子は、前記の理由により、主鎖の
化学構造がポリオキセタン主鎖に限定される。このポリ
オキセタン主鎖は、前記のようにトリメチレンオキシド
(オキセタン)を、たとえばカチオン重合法により開環
重合させることで得られる。
晶性高分子について説明する。前記一般式(1) で表され
る本発明の液晶性高分子は、前記の理由により、主鎖の
化学構造がポリオキセタン主鎖に限定される。このポリ
オキセタン主鎖は、前記のようにトリメチレンオキシド
(オキセタン)を、たとえばカチオン重合法により開環
重合させることで得られる。
【0021】上記ポリオキセタン主鎖に側鎖液晶基Yを
結合するための柔軟な屈曲鎖Aとしては、アルキレン鎖
(メチレン鎖等)、オキシアルキレン鎖、シロキサン
鎖、エーテル鎖等があげられるが、これ以外の、従来公
知の種々の屈曲鎖を採用することもできる。上記屈曲鎖
Aを介して主鎖に結合される側鎖液晶基Yについてもと
くに限定されず、たとえば下記一般式(3)(4):
結合するための柔軟な屈曲鎖Aとしては、アルキレン鎖
(メチレン鎖等)、オキシアルキレン鎖、シロキサン
鎖、エーテル鎖等があげられるが、これ以外の、従来公
知の種々の屈曲鎖を採用することもできる。上記屈曲鎖
Aを介して主鎖に結合される側鎖液晶基Yについてもと
くに限定されず、たとえば下記一般式(3)(4):
【0022】
【化3】
【0023】(式中Rは−CN、−OCH3 等の任意の
置換基を示す。)で表される基等、低分子の液晶材料に
相当する、従来公知の種々の液晶基を任意に採用するこ
とができる。上記液晶性高分子の構造としては、側鎖液
晶基がすべて同一である、いわゆるホモポリマー型が普
通であるが、同一の主鎖に2種類以上の側鎖液晶基を結
合した、いわゆるコポリマー型の構造を採用することも
できる。
置換基を示す。)で表される基等、低分子の液晶材料に
相当する、従来公知の種々の液晶基を任意に採用するこ
とができる。上記液晶性高分子の構造としては、側鎖液
晶基がすべて同一である、いわゆるホモポリマー型が普
通であるが、同一の主鎖に2種類以上の側鎖液晶基を結
合した、いわゆるコポリマー型の構造を採用することも
できる。
【0024】液晶性高分子の分子量は、前述のように混
合膜の自己支持性に影響を及ぼすので、後述する低分子
の液晶材料との配合割合等の条件に合わせて、十分な自
己支持性を有する混合膜を構成し得るよう、分子量の値
を設定するのがよい。上記本発明の液晶性高分子は、種
々の製造方法により合成可能であるが、とくにトリメチ
レンオキシド中の所定の炭素に、屈曲鎖Aと側鎖液晶基
Yとを含む化合物を反応させてオキセタンモノマーを製
造し、これをカチオン重合法によって開環重合させて液
晶性高分子を合成する方法が、好適に採用される。この
方法によれば、液晶性高分子の分子量を自由にコントロ
ールできるので、混合膜の応答性や自己支持性等、素子
に要求される性能を考慮して、それに最適な分子量の液
晶性高分子を合成することが可能である。
合膜の自己支持性に影響を及ぼすので、後述する低分子
の液晶材料との配合割合等の条件に合わせて、十分な自
己支持性を有する混合膜を構成し得るよう、分子量の値
を設定するのがよい。上記本発明の液晶性高分子は、種
々の製造方法により合成可能であるが、とくにトリメチ
レンオキシド中の所定の炭素に、屈曲鎖Aと側鎖液晶基
Yとを含む化合物を反応させてオキセタンモノマーを製
造し、これをカチオン重合法によって開環重合させて液
晶性高分子を合成する方法が、好適に採用される。この
方法によれば、液晶性高分子の分子量を自由にコントロ
ールできるので、混合膜の応答性や自己支持性等、素子
に要求される性能を考慮して、それに最適な分子量の液
晶性高分子を合成することが可能である。
【0025】つぎに本発明の液晶素子について説明す
る。上記本発明の液晶性高分子を使用した本発明の液晶
素子は、少なくとも一方の表面に電極層を形成した、一
定の距離に配置された一対の基材間に、本発明の液晶性
高分子と、低分子の液晶材料と、電解質とを含有する高
分子液晶/低分子液晶混合膜を挟持することで構成され
る。
る。上記本発明の液晶性高分子を使用した本発明の液晶
素子は、少なくとも一方の表面に電極層を形成した、一
定の距離に配置された一対の基材間に、本発明の液晶性
高分子と、低分子の液晶材料と、電解質とを含有する高
分子液晶/低分子液晶混合膜を挟持することで構成され
る。
【0026】混合膜に使用される、本発明の液晶性高分
子は1種類単独でもよく、また、屈曲鎖Aや側鎖液晶基
Y等の異なる2種以上を併用してもよい。また、本発明
の作用効果を損なわない範囲で、主鎖型あるいは側鎖型
の、従来公知の他の液晶性高分子を併用することもでき
る。上記液晶性高分子とともに混合膜を構成する低分子
の(ここでいう「低分子の」とは、液晶性高分子のよう
な主鎖構造、側鎖構造を有しないということを表し、決
して分子量で規定しているのではない。)液晶材料とし
ては、主鎖型あるいは側鎖型の液晶性高分子を除外し
た、通常用いられる市販あるいは公知で、かつ単成分も
しくは複数成分からなる種々の液晶材料を使用すること
ができる。
子は1種類単独でもよく、また、屈曲鎖Aや側鎖液晶基
Y等の異なる2種以上を併用してもよい。また、本発明
の作用効果を損なわない範囲で、主鎖型あるいは側鎖型
の、従来公知の他の液晶性高分子を併用することもでき
る。上記液晶性高分子とともに混合膜を構成する低分子
の(ここでいう「低分子の」とは、液晶性高分子のよう
な主鎖構造、側鎖構造を有しないということを表し、決
して分子量で規定しているのではない。)液晶材料とし
ては、主鎖型あるいは側鎖型の液晶性高分子を除外し
た、通常用いられる市販あるいは公知で、かつ単成分も
しくは複数成分からなる種々の液晶材料を使用すること
ができる。
【0027】低分子の液晶材料の物性としては、誘電率
異方性Δεが大きいもの、屈折率異方性Δnが大きいも
のが好ましい。またとくに重要な要素として、液晶性高
分子と混合した際に、素子の使用温度領域でスメクチッ
ク相を示すことがあげられる。これにより混合膜は、前
述したようなメモリー性を有するものとなる。かかる液
晶材料は、1種類を単独で使用しても、2種以上を併用
してもよい。
異方性Δεが大きいもの、屈折率異方性Δnが大きいも
のが好ましい。またとくに重要な要素として、液晶性高
分子と混合した際に、素子の使用温度領域でスメクチッ
ク相を示すことがあげられる。これにより混合膜は、前
述したようなメモリー性を有するものとなる。かかる液
晶材料は、1種類を単独で使用しても、2種以上を併用
してもよい。
【0028】液晶性高分子と低分子の液晶材料との混合
比率はとくに限定されないが、重量比で、液晶性高分子
/低分子の液晶材料=1/9〜7/3程度が好ましい。
液晶性高分子の割合が上記範囲を超えた場合には、素子
の応答速度が遅くなるおそれがあり、逆に液晶性高分子
の割合が上記範囲未満では、屈曲鎖にイオンが衝突する
確率が小さくなって、透明から白濁への転換が起こりに
くくなるおそれがあるとともに、混合膜の自己支持性が
不十分となって、とくにフレキシブルな基材を用いた屈
曲性のある大面積の液晶素子を構成できなくなるおそれ
がある。
比率はとくに限定されないが、重量比で、液晶性高分子
/低分子の液晶材料=1/9〜7/3程度が好ましい。
液晶性高分子の割合が上記範囲を超えた場合には、素子
の応答速度が遅くなるおそれがあり、逆に液晶性高分子
の割合が上記範囲未満では、屈曲鎖にイオンが衝突する
確率が小さくなって、透明から白濁への転換が起こりに
くくなるおそれがあるとともに、混合膜の自己支持性が
不十分となって、とくにフレキシブルな基材を用いた屈
曲性のある大面積の液晶素子を構成できなくなるおそれ
がある。
【0029】上記混合膜には、微小量の電解質が配合さ
れる。電解質としては、塗布液に溶解するものであれば
いずれも使用することができ、たとえば一般式(5) :
れる。電解質としては、塗布液に溶解するものであれば
いずれも使用することができ、たとえば一般式(5) :
【0030】
【化4】
【0031】(式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は同一また
は異なってメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル等のアルキル基を示し、X
はF、Cl、Br、I、ClO4 、PF4 、BF4 等を示
す。)で表される4級アンモニウム塩が好適なものとし
てあげられる。電解質の添加量は、混合膜の総量に対し
て0.005〜1重量%が好ましい。かかる電解質は、
1種類を単独で使用しても、2種以上を併用してもよ
い。
は異なってメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル等のアルキル基を示し、X
はF、Cl、Br、I、ClO4 、PF4 、BF4 等を示
す。)で表される4級アンモニウム塩が好適なものとし
てあげられる。電解質の添加量は、混合膜の総量に対し
て0.005〜1重量%が好ましい。かかる電解質は、
1種類を単独で使用しても、2種以上を併用してもよ
い。
【0032】上記各成分からなる混合膜には、表示をカ
ラー化するために、従来公知の各種2色性色素を配合す
ることもできる。また混合膜には、その特性を損なわな
い範囲で、各種添加物や非液晶性化合物等を混合して特
性を調整することもできる。また混合膜には、当該混合
膜を挟持する一対の基材間の間隔を一定に保つべく、シ
リカ製、ガラスファイバー製または樹脂製で、かつ粒
状、針状等の任意の形状のスペーサ材を混入、分散させ
ることもできる。スペーサ材の粒径は、所望する基材間
の距離(すなわち混合膜の膜厚)に合わせて設定され
る。スペーサ材の混合割合は、これに限定されるもので
はないが、液晶面積1mm2 当り10〜300個程度であ
るのが望ましい。
ラー化するために、従来公知の各種2色性色素を配合す
ることもできる。また混合膜には、その特性を損なわな
い範囲で、各種添加物や非液晶性化合物等を混合して特
性を調整することもできる。また混合膜には、当該混合
膜を挟持する一対の基材間の間隔を一定に保つべく、シ
リカ製、ガラスファイバー製または樹脂製で、かつ粒
状、針状等の任意の形状のスペーサ材を混入、分散させ
ることもできる。スペーサ材の粒径は、所望する基材間
の距離(すなわち混合膜の膜厚)に合わせて設定され
る。スペーサ材の混合割合は、これに限定されるもので
はないが、液晶面積1mm2 当り10〜300個程度であ
るのが望ましい。
【0033】混合膜の材料として使用される、上記各成
分からなる混合物は、液晶性高分子を含有しているので
比較的粘度が高く、このため、液晶の流動によってスペ
ーサ材が局在化するおそれがない。したがってスペーサ
材は混合膜中に均一に分散され、基材の間隔を一定に保
つために十分に作用する。混合膜の膜厚は、本発明では
とくに限定されないが、上記スペーサ材を使用して、ラ
ミネート法により素子を製造する場合には、粒径1μm
未満のスペーサ材が入手困難であるため、混合膜の膜厚
も1μm以上であるのが好ましい。一方、注入法や塗布
法等により素子を製造する場合にはスペーサ材を使用し
ないこともあり、その場合には、混合膜の膜厚は1μm
未満であってもよい。また混合膜の膜厚は10μm以下
であるのが、素子の駆動電圧等の点で好ましい。
分からなる混合物は、液晶性高分子を含有しているので
比較的粘度が高く、このため、液晶の流動によってスペ
ーサ材が局在化するおそれがない。したがってスペーサ
材は混合膜中に均一に分散され、基材の間隔を一定に保
つために十分に作用する。混合膜の膜厚は、本発明では
とくに限定されないが、上記スペーサ材を使用して、ラ
ミネート法により素子を製造する場合には、粒径1μm
未満のスペーサ材が入手困難であるため、混合膜の膜厚
も1μm以上であるのが好ましい。一方、注入法や塗布
法等により素子を製造する場合にはスペーサ材を使用し
ないこともあり、その場合には、混合膜の膜厚は1μm
未満であってもよい。また混合膜の膜厚は10μm以下
であるのが、素子の駆動電圧等の点で好ましい。
【0034】上記混合膜を挟持する一対の基材として
は、ガラス板等の、液晶素子の基材として従来より使用
されている種々の基材が使用可能であるが、重くかつ割
れやすいというガラス板の欠点を解消して、軽量でしか
も丈夫な素子を得るには、プラスチックフィルムやプラ
スチック板が、基材として好適に使用される。プラスチ
ックフィルムとしては、たとえば耐熱性、実用的強度、
光学的均一性などにすぐれたポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムやポリエーテルスルホン(PE
S)フィルム等があげられる。プラスチックフィルムの
厚みは、これに限定されるものではないが、50〜50
0μm程度が好ましい。
は、ガラス板等の、液晶素子の基材として従来より使用
されている種々の基材が使用可能であるが、重くかつ割
れやすいというガラス板の欠点を解消して、軽量でしか
も丈夫な素子を得るには、プラスチックフィルムやプラ
スチック板が、基材として好適に使用される。プラスチ
ックフィルムとしては、たとえば耐熱性、実用的強度、
光学的均一性などにすぐれたポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムやポリエーテルスルホン(PE
S)フィルム等があげられる。プラスチックフィルムの
厚みは、これに限定されるものではないが、50〜50
0μm程度が好ましい。
【0035】プラスチック板としては、たとえば各種ア
クリル樹脂板、ポリカーボネート板、ポリスチレン板等
の、光学的特性にすぐれたプラスチック板が好適に使用
される。プラスチック板の厚みは、これに限定されるも
のではないが0.5〜3mm程度が好ましい。一対の基材
のうち少なくとも一方の表面には、混合膜に電場を印加
するための電極層が形成される。透過型の素子の場合、
電極層としては、ITO(インジウム−チン−オキサイ
ド)やSnO2 等の透明導電材料からなる透明導電膜が好
適に使用される。透明導電膜は、真空蒸着法や反応性ス
パッタリング法により形成される他、上記透明導電材料
を含むインクを基材上に塗布あるいは印刷して形成する
こともできる。また本発明の液晶素子をデータ等の表示
に用いる場合、上記電極層には、エッチング等によって
所定の表示パターンを形成することもできる。
クリル樹脂板、ポリカーボネート板、ポリスチレン板等
の、光学的特性にすぐれたプラスチック板が好適に使用
される。プラスチック板の厚みは、これに限定されるも
のではないが0.5〜3mm程度が好ましい。一対の基材
のうち少なくとも一方の表面には、混合膜に電場を印加
するための電極層が形成される。透過型の素子の場合、
電極層としては、ITO(インジウム−チン−オキサイ
ド)やSnO2 等の透明導電材料からなる透明導電膜が好
適に使用される。透明導電膜は、真空蒸着法や反応性ス
パッタリング法により形成される他、上記透明導電材料
を含むインクを基材上に塗布あるいは印刷して形成する
こともできる。また本発明の液晶素子をデータ等の表示
に用いる場合、上記電極層には、エッチング等によって
所定の表示パターンを形成することもできる。
【0036】上記本発明の液晶素子は、従来公知の種々
の製造方法により製造することができる。たとえば基材
として、フィルム等の屈曲性のある基材を使用する場合
には、図1(a)(b)に示すように、上記各成分を適当な溶
媒に溶解し、かつスペーサ材Sを分散した後、乾燥して
得たペースト状の混合物1′を一方の基材2上に載置
し、その上にもう一方の基材2を重ねてラミネートロー
ルR,Rによってラミネート処理することで高分子液晶
/低分子液晶混合膜1を形成する、いわゆるラミネート
法が好適に採用される。
の製造方法により製造することができる。たとえば基材
として、フィルム等の屈曲性のある基材を使用する場合
には、図1(a)(b)に示すように、上記各成分を適当な溶
媒に溶解し、かつスペーサ材Sを分散した後、乾燥して
得たペースト状の混合物1′を一方の基材2上に載置
し、その上にもう一方の基材2を重ねてラミネートロー
ルR,Rによってラミネート処理することで高分子液晶
/低分子液晶混合膜1を形成する、いわゆるラミネート
法が好適に採用される。
【0037】またガラス基材や硬質プラスチック基材等
の従来同様の基材を使用する際には、一定距離に保持し
た一対の基材間に上記混合物を注入して、高分子液晶/
低分子液晶混合膜を形成する方法や、あるいは一方の基
材の表面に、上記各成分を適当な溶媒に溶解した塗布液
を塗布し、乾燥固化させて高分子液晶/低分子液晶混合
膜を形成した後、もう一方の基材を重ね合わる方法等が
採用される。前者において、混合物を基材間に注入する
方法としては、混合物を毛細管現象によって基材間に含
浸させる方法や、基材間の隙間を減圧状態にして混合物
を吸い込ませる方法等があげられる。これらの方法によ
り混合物を基材間に注入する際には、その注入をスムー
ズに行わせるために、混合物を加熱して粘度を低下させ
てもよい。また同時に基材を加熱してもよい。混合物お
よび基材の加熱温度はとくに限定されず、液晶性高分子
や高分子材料等が分解したり変質したりしない温度範囲
で、かつ注入がスムーズになる温度に加熱すればよい。
の従来同様の基材を使用する際には、一定距離に保持し
た一対の基材間に上記混合物を注入して、高分子液晶/
低分子液晶混合膜を形成する方法や、あるいは一方の基
材の表面に、上記各成分を適当な溶媒に溶解した塗布液
を塗布し、乾燥固化させて高分子液晶/低分子液晶混合
膜を形成した後、もう一方の基材を重ね合わる方法等が
採用される。前者において、混合物を基材間に注入する
方法としては、混合物を毛細管現象によって基材間に含
浸させる方法や、基材間の隙間を減圧状態にして混合物
を吸い込ませる方法等があげられる。これらの方法によ
り混合物を基材間に注入する際には、その注入をスムー
ズに行わせるために、混合物を加熱して粘度を低下させ
てもよい。また同時に基材を加熱してもよい。混合物お
よび基材の加熱温度はとくに限定されず、液晶性高分子
や高分子材料等が分解したり変質したりしない温度範囲
で、かつ注入がスムーズになる温度に加熱すればよい。
【0038】また後者において、塗布液を基材の表面に
塗布する方法としては、バーコート法スピンコート法、
プレコート法、ローラーコート法等の従来公知の種々の
塗布方法が採用できる。本発明の液晶素子は、混合膜
が、前記一般式(1) で表される本発明の液晶性高分子を
含有すること、以外の構成についてはとくに限定されな
い。たとえば混合膜を挟持する一対の基材のうち少なく
とも一方の基材の外側に、偏光板を配置してもよい。偏
光板としては、フィルム状、板状等の種々の形状のもの
が使用でき、これらの形状を有する市販品を使用するの
が簡単でよい。また、一方の基材の裏面に反射膜を設け
る等して反射型の素子とするなど、本発明の要旨を変更
しない範囲で、従来の液晶素子と同様な、種々の設計変
更を施すことができる。
塗布する方法としては、バーコート法スピンコート法、
プレコート法、ローラーコート法等の従来公知の種々の
塗布方法が採用できる。本発明の液晶素子は、混合膜
が、前記一般式(1) で表される本発明の液晶性高分子を
含有すること、以外の構成についてはとくに限定されな
い。たとえば混合膜を挟持する一対の基材のうち少なく
とも一方の基材の外側に、偏光板を配置してもよい。偏
光板としては、フィルム状、板状等の種々の形状のもの
が使用でき、これらの形状を有する市販品を使用するの
が簡単でよい。また、一方の基材の裏面に反射膜を設け
る等して反射型の素子とするなど、本発明の要旨を変更
しない範囲で、従来の液晶素子と同様な、種々の設計変
更を施すことができる。
【0039】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づき説
明する。実施例1 *液晶性高分子の合成 5.51ミリモルのペンタエリスリトール〔C(CH2
OH)4 〕と、6.89ミリモルのジエチルカーボネー
ト〔(C2 H5 O)2 C=O〕とを、エタノール/KO
H触媒下で24時間還流させた後、200℃で減圧蒸留
して、下記式(6) で表される3,3−ビスヒドロキシメ
チルオキセタンを合成した。3,3−ビスヒドロキシメ
チルオキセタンの赤外分光分析法(IR法)による分析
結果を図2(a) に示す。
明する。実施例1 *液晶性高分子の合成 5.51ミリモルのペンタエリスリトール〔C(CH2
OH)4 〕と、6.89ミリモルのジエチルカーボネー
ト〔(C2 H5 O)2 C=O〕とを、エタノール/KO
H触媒下で24時間還流させた後、200℃で減圧蒸留
して、下記式(6) で表される3,3−ビスヒドロキシメ
チルオキセタンを合成した。3,3−ビスヒドロキシメ
チルオキセタンの赤外分光分析法(IR法)による分析
結果を図2(a) に示す。
【0040】
【化5】
【0041】つぎにこの3,3−ビスヒドロキシメチル
オキセタンの1モルと、下記式(7)で表される化合物2
モルとを、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とし
て、相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブ
ロマイドと、50%水酸化ナトリウム3モルとの存在
下、60℃で48時間還流させた。
オキセタンの1モルと、下記式(7)で表される化合物2
モルとを、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とし
て、相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブ
ロマイドと、50%水酸化ナトリウム3モルとの存在
下、60℃で48時間還流させた。
【0042】
【化6】
【0043】反応終了後THFを除去し、塩酸水溶液で
中和した反応液をクロロホルムで抽出し、ヘキサン、ジ
エチルエーテルおよびクロロホルムの2/1/1(体積
比)の混合溶媒を展開溶媒として用いたカラムクロマト
グラフィーによって単離精製して、下記式(8) で表され
るオキセタンモノマーを得た。
中和した反応液をクロロホルムで抽出し、ヘキサン、ジ
エチルエーテルおよびクロロホルムの2/1/1(体積
比)の混合溶媒を展開溶媒として用いたカラムクロマト
グラフィーによって単離精製して、下記式(8) で表され
るオキセタンモノマーを得た。
【0044】
【化7】
【0045】つぎにこのオキセタンモノマーを、溶媒と
しての乾燥ジクロロメタン中に、モノマー濃度が1モル
/リットルとなるように溶解し、さらに触媒としてのB
F3O(C2 H5 )2 を、モノマーに対して1モル%の
割合で添加して、−5℃に冷却しつつ、24時間カチオ
ン重合させた。反応終了後、メタノールでポリマーを再
沈し、その後減圧下80℃で5時間乾燥して固形物を得
た。この固形物について、赤外分光分析法(IR法)に
より分析を行ったところ図2(b) の結果が得られ、下記
式(9) で表される繰り返し単位を有する、ポリオキセタ
ン型の液晶性高分子であることが確認された。またこの
液晶性高分子の分子量をゲルパーミェーションクロマト
グラフ法(GPC法)法により測定したところ、重量平
均分子量Mw =2500であった。
しての乾燥ジクロロメタン中に、モノマー濃度が1モル
/リットルとなるように溶解し、さらに触媒としてのB
F3O(C2 H5 )2 を、モノマーに対して1モル%の
割合で添加して、−5℃に冷却しつつ、24時間カチオ
ン重合させた。反応終了後、メタノールでポリマーを再
沈し、その後減圧下80℃で5時間乾燥して固形物を得
た。この固形物について、赤外分光分析法(IR法)に
より分析を行ったところ図2(b) の結果が得られ、下記
式(9) で表される繰り返し単位を有する、ポリオキセタ
ン型の液晶性高分子であることが確認された。またこの
液晶性高分子の分子量をゲルパーミェーションクロマト
グラフ法(GPC法)法により測定したところ、重量平
均分子量Mw =2500であった。
【0046】
【化8】
【0047】*液晶素子の作製 上記液晶性高分子の製造で得られた液晶性高分子28重
量部を、低分子の液晶材料としての、28重量部の4−
n−ペンチルベンゾイックアシッド−4′−n−オクチ
ルオキシフェニルエステル、および44重量部の混合液
晶(メルクジャパン社製の品番E31LV)、ならび
に、上記各液晶材料の総量に対して0.05重量%の、
電解質としてのテトラエチルアンモニウムブロマイドと
ともに、適当量のジクロロメタンに溶解し、十分に攪拌
したのち乾燥させて、ペースト状の混合物を製造した。
量部を、低分子の液晶材料としての、28重量部の4−
n−ペンチルベンゾイックアシッド−4′−n−オクチ
ルオキシフェニルエステル、および44重量部の混合液
晶(メルクジャパン社製の品番E31LV)、ならび
に、上記各液晶材料の総量に対して0.05重量%の、
電解質としてのテトラエチルアンモニウムブロマイドと
ともに、適当量のジクロロメタンに溶解し、十分に攪拌
したのち乾燥させて、ペースト状の混合物を製造した。
【0048】つぎにこの混合物を、表面にITO電極層
が形成されたPESフィルム基材2枚の間に挟み、図1
(a)(b)に示したようにラミネート処理して、膜厚10μ
mの混合膜を有する液晶素子を作製した。比較例1 オキセタンモノマーである3−[{5−〔(4−シアノ
ビフェニル−4′−イル)オキシ〕ペンチルオキシ}メ
チル]−3−メチルオキセタンを、モノマー濃度1モル
/リットルとなるように、溶媒としてのジクロロメタン
中に溶解し、触媒としてのBF3 O(C2 H5 )2 の存
在下、−5℃で24時間カチオン重合させた。
が形成されたPESフィルム基材2枚の間に挟み、図1
(a)(b)に示したようにラミネート処理して、膜厚10μ
mの混合膜を有する液晶素子を作製した。比較例1 オキセタンモノマーである3−[{5−〔(4−シアノ
ビフェニル−4′−イル)オキシ〕ペンチルオキシ}メ
チル]−3−メチルオキセタンを、モノマー濃度1モル
/リットルとなるように、溶媒としてのジクロロメタン
中に溶解し、触媒としてのBF3 O(C2 H5 )2 の存
在下、−5℃で24時間カチオン重合させた。
【0049】反応終了後、メタノールでポリマーを再沈
し、その後減圧下80℃で5時間乾燥して、ポリオキセ
タン型液晶性高分子を得た。そして、前記式(9) で表さ
れる繰り返し単位を有するポリオキセタン型の液晶性高
分子に代えて、このポリオキセタン型液晶性高分子28
重量部を使用したこと以外は、前記実施例1と同様にし
て液晶素子を作製した。
し、その後減圧下80℃で5時間乾燥して、ポリオキセ
タン型液晶性高分子を得た。そして、前記式(9) で表さ
れる繰り返し単位を有するポリオキセタン型の液晶性高
分子に代えて、このポリオキセタン型液晶性高分子28
重量部を使用したこと以外は、前記実施例1と同様にし
て液晶素子を作製した。
【0050】上記実施例、比較例の液晶素子について、
以下の各試験を行い、その特性を評価した。応答性試験 実施例、比較例の液晶素子を分光光度計にセットした状
態で、当該素子の一対のITO膜間に直流60Vの電場
を印加した時に、He−Neレーザ光(波長633nm)の透
過率が飽和透過率の90%から10%に減衰するのに要
した時間を白濁化応答速度toff 、交流1KHz、60
Vの電場を印加した時に、上記He−Neレーザ光の透過率
が飽和透過率の10%から90%に到達するのに要した
時間を透明化応答速度tonとした。
以下の各試験を行い、その特性を評価した。応答性試験 実施例、比較例の液晶素子を分光光度計にセットした状
態で、当該素子の一対のITO膜間に直流60Vの電場
を印加した時に、He−Neレーザ光(波長633nm)の透
過率が飽和透過率の90%から10%に減衰するのに要
した時間を白濁化応答速度toff 、交流1KHz、60
Vの電場を印加した時に、上記He−Neレーザ光の透過率
が飽和透過率の10%から90%に到達するのに要した
時間を透明化応答速度tonとした。
【0051】しきい電圧値測定 実施例、比較例の液晶素子を、その一対のITO膜間に
直流60Vの電場を印加して十分に白濁させた状態で分
光光度計にセットし、He−Neレーザ光(波長633nm)
の透過率を測定しつつ、交流1KHzの電場を印加した
際の、透過率変化の有無を調べた。この測定を、交流電
場の電圧を種々違えて行い、電場を印加しても50秒の
あいだ透過率に変化がみられなかった電圧をしきい値電
圧とした。
直流60Vの電場を印加して十分に白濁させた状態で分
光光度計にセットし、He−Neレーザ光(波長633nm)
の透過率を測定しつつ、交流1KHzの電場を印加した
際の、透過率変化の有無を調べた。この測定を、交流電
場の電圧を種々違えて行い、電場を印加しても50秒の
あいだ透過率に変化がみられなかった電圧をしきい値電
圧とした。
【0052】折り曲げ性試験 実施例、比較例の液晶素子を手にもって折り曲げた際
に、混合膜に浮きが見られるか否かを観察した。上記各
試験の結果を表1に示す。
に、混合膜に浮きが見られるか否かを観察した。上記各
試験の結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】上記表1の結果より、実施例1の液晶素子
は、比較例1の液晶素子に比べて透明→白濁、白濁→透
明の応答速度が速く、かつしきい電圧値が高いため、単
純マトリクス駆動が可能であることが確認された。また
実施例1の液晶素子は、上記比較例1の液晶素子のよう
に、折り曲げても混合膜に浮きが発生することがなく、
フレキシブルな使用が可能であることもわかった。
は、比較例1の液晶素子に比べて透明→白濁、白濁→透
明の応答速度が速く、かつしきい電圧値が高いため、単
純マトリクス駆動が可能であることが確認された。また
実施例1の液晶素子は、上記比較例1の液晶素子のよう
に、折り曲げても混合膜に浮きが発生することがなく、
フレキシブルな使用が可能であることもわかった。
【0055】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の液晶性高
分子は特有の構造を有するため、応答性にすぐれるとと
もに応答のしきい値電圧が高く、しかも自己支持性にも
すぐれるという相反する要求を全て満足する高分子液晶
/低分子液晶混合膜を構成することができる。また本発
明の液晶素子は、上記液晶性高分子を用いて高分子液晶
/低分子液晶混合膜を構成しているので、応答性にすぐ
れるとともに応答のしきい値電圧が高く、しかも自己支
持性にもすぐれるという相反する要求を全て満足するも
のである。
分子は特有の構造を有するため、応答性にすぐれるとと
もに応答のしきい値電圧が高く、しかも自己支持性にも
すぐれるという相反する要求を全て満足する高分子液晶
/低分子液晶混合膜を構成することができる。また本発
明の液晶素子は、上記液晶性高分子を用いて高分子液晶
/低分子液晶混合膜を構成しているので、応答性にすぐ
れるとともに応答のしきい値電圧が高く、しかも自己支
持性にもすぐれるという相反する要求を全て満足するも
のである。
【図1】同図(a)(b)は、本発明の液晶素子をラミネート
法により製造する工程を説明する図である。
法により製造する工程を説明する図である。
【図2】同図(a) は、本発明の実施例1において使用さ
れるポリオキセタン型の液晶性高分子の原料としての、
3,3−ビスヒドロキシメチルオキセタンの赤外分光分
析結果を示すグラフ、同図(b) は、上記3,3−ビスヒ
ドロキシメチルオキセタンを原料として合成された、実
施例1において使用されるポリオキセタン型の液晶性高
分子の赤外分光分析結果を示すグラフである。
れるポリオキセタン型の液晶性高分子の原料としての、
3,3−ビスヒドロキシメチルオキセタンの赤外分光分
析結果を示すグラフ、同図(b) は、上記3,3−ビスヒ
ドロキシメチルオキセタンを原料として合成された、実
施例1において使用されるポリオキセタン型の液晶性高
分子の赤外分光分析結果を示すグラフである。
1 高分子液晶/低分子液晶混合膜 2 基材
フロントページの続き (72)発明者 森川 佳代子 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(1) : 【化1】 (式中Yは側鎖液晶基、Aは柔軟な屈曲鎖を示す。)で
表される繰り返し単位を有することを特徴とする液晶性
高分子。 - 【請求項2】少なくとも一方の表面に電極層を形成し
た、一定の距離に配置された一対の基材間に、上記一般
式(1) で表される繰り返し単位を有する液晶性高分子
と、低分子の液晶材料と、電解質とを含有する混合膜を
挟持したこと特徴とする液晶素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5060090A JPH06273729A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 液晶性高分子およびそれを用いた液晶素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5060090A JPH06273729A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 液晶性高分子およびそれを用いた液晶素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06273729A true JPH06273729A (ja) | 1994-09-30 |
Family
ID=13132052
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5060090A Pending JPH06273729A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 液晶性高分子およびそれを用いた液晶素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06273729A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110537123A (zh) * | 2017-04-25 | 2019-12-03 | 富士胶片株式会社 | 液晶组合物、光吸收各向异性膜、层叠体及图像显示装置 |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP5060090A patent/JPH06273729A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110537123A (zh) * | 2017-04-25 | 2019-12-03 | 富士胶片株式会社 | 液晶组合物、光吸收各向异性膜、层叠体及图像显示装置 |
| US11789302B2 (en) | 2017-04-25 | 2023-10-17 | Fujifilm Corporation | Liquid crystal composition, light absorption anisotropic film, laminate, and image display device |
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