JPH0627767B2 - 電力ケーブルの絶縁劣化診断方法 - Google Patents

電力ケーブルの絶縁劣化診断方法

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JPH0627767B2
JPH0627767B2 JP5957490A JP5957490A JPH0627767B2 JP H0627767 B2 JPH0627767 B2 JP H0627767B2 JP 5957490 A JP5957490 A JP 5957490A JP 5957490 A JP5957490 A JP 5957490A JP H0627767 B2 JPH0627767 B2 JP H0627767B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、電力ケーブル,とくにCVケーブルの絶縁
劣化診断方法に関する。
(従来の技術) 電力ケーブルの絶縁劣化診断を行なう場合、当該ケーブ
ルの絶縁層等の絶縁劣化の程度を測定し、その測定値に
基づいて判断することが必要である。
かかる絶縁層等の絶縁劣化の程度を正確に把握するうえ
では、破壊電圧値自体を測定することが最適であるが、
破壊電圧値を測定するとその電力ケーブルが破壊される
ので送配電線の点検等の作業ではすることができない。
そのため、一般にこの破壊電圧値と関連性のあるその他
の物理量を破壊電圧値に代えて測定し、その測定値に基
づいて電力ケーブルの絶縁劣化診断が行なわれており、
破壊電圧値に代えて測定される物理量(以下、代用物理
量という)としては、直流漏れ電流値, tanδ値,直流
成分電流値等種々のものがある。
これらの代用物理量の測定値は、それぞれ別々の測定原
理に基づいて得られた別の物理量であるので、従来それ
ぞれ別個の数値として取り扱われ、いずれも破壊電圧値
とは異なる物理量であるので絶縁劣化の程度を正確に示
すことができない部分があるため測定結果の信頼性が不
十分である。
そのため、従来においては、同一の電力ケーブルについ
て複数種類の代用物理量を測定して、これらの測定結果
を複合させて判断することにより電力ケーブルの絶縁劣
化診断の正確を期すことも提案されている(例えば、特
開昭64−59086号公報参照)。
(発明が解決しようとする課題) 本願発明者らは、かかる状況に対し、測定された代用物
理量の測定値と絶縁劣化の状態との対応性を高めるた
め、これらの代用物理量は、本来、電力ケーブルの破壊
電圧値と密接な関係を示すものであるという本質的立場
から、再検討を行ない、その結果後述するごとき統計的
手法を用いることに想到して本願発明をするに至った。
すなわちこの発明は、各種の代用物理量として別々に取
り扱われている既存のデータを、破壊電圧値をパラメー
タとする統一的データとして大量の基礎データを形成
し、これに基づいて測定値と電力ケーブルの破壊電圧値
との対応の精度を高めて回帰式を決定し、この回帰式を
用いて代用物理量の測定値から把握される電力ケーブル
の絶縁劣化状況の信頼性を向上させ、これにより電力ケ
ーブルの絶縁劣化診断の精度を高めることを目的とする
ものである。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、この発明は、破壊電圧値の
代用となる単一種類または複数種類の物理量による破壊
電圧値の回帰式を各種用意し、測定された物理量の種類
に対応する回帰式を用いて破壊電圧値を算出し、算出さ
れた前記破壊電圧値をパラメータとして単一のデータを
形成するとともに、その単一のデータについて破壊電圧
値をパラメータとした判断基準を設定し、電力ケーブル
の絶縁劣化診断の物理量測定値をその物理量の種類に応
じた回帰式を前記回帰式中から選択して、これにり破壊
電圧値を算出し、この算出された破壊電圧値を前記判断
基準に照らして判断するものである。
(作用) この発明によれば、測定された代用物理量の種類に応じ
て、適切な回帰式で高精度に破壊電圧値を算出すること
ができ、回帰式や判断基準も多量のデータに基づいた破
壊電圧値をパラメータとして設定されるので、前記算出
した破壊電圧値をそのまま判断基準に照合させて、電力
ケーブルの絶縁劣化診断の精度を高めることができる。
(実施例) 以下、図面に示す電力ケーブルの絶縁劣化診断装置にお
ける一実施例によりこの発明を説明する。
1は電源、2は高圧配電線、3はGPTを示し、4はC
Vケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニールシースケー
ブル)からなる電力ケーブルであって、絶縁劣化の診断
の対象の被測定ケーブルである。
そして、この電力ケーブル4の一端からは接地開閉器を
有する接地線5がシールドから導出され、該電力ケーブ
ル4の他端側となるシールドには測定診断装置7が接続
可能にされている。
この測定診断装置7は、この発明に係る診断装置8と、
該電正接測定器11と、直流成分電流測定器12と、直
流漏れ電流測定器13とを有するもので、これらの誘電
正接測定器11,直流分電流測定器12および直流漏れ
電流測定器13は公知のものである。
すなわち、誘電正接測定器11は電力ケーブル4の接地
線5を切り離し、接地線と大地との間に挿入して接地線
に流れる電流を測定し、一方、高圧配電線2のケーブル
心線と対地間の電圧を測定し、その位相差より誘電正接
地(以下、 tanδという)を求めるものである。
直流成分電流測定器12は、電力ケーブル4の接地線5
を切り離し、接地線と大地との間に挿入し、ここに流れ
る電流のうち水トリーによる直流成分電流の大きさおよ
び極性を測定するものである。
直流漏れ電流測定器13は、電力ケーブル4の両端を切
り離し、電力ケーブル4の導体と接地線の間に3kv〜
5kvの高圧電流を印加し、電力ケーブル4の絶縁体の
部分を流れる漏れ電流から絶縁抵抗を求めるものであ
る。
そして、前記誘電正接測定器11の2つの端子は開閉ス
イッチ14,15を介して電力ケーブル4のシールドと
高圧配電線2の導体とにそれぞれ接続可能に構成されて
いる。
この実施例においては、前記開閉スイッチ14には、直
流成分電流測定器12から延びる端子も接続され、開閉
スイッチ14を切り換えることによって、測定診断装置
7をシールドから切り離し、あるいは前記誘電正接測定
器11または直流成分電流測定器12を択一的に接続可
能に構成されている。
なお、直流漏れ電流測定器13は、測定にともない電力
ケーブル4を電源1から切り離すことが必要であるた
め、前記開閉スイッチ14を用いず、図示しない独自の
端子を電力ケーブル4に接続する事により測定が行なわ
れるようになっている。
また、これらの誘電正接測定器11および直流成分電流
測定器12は電力ケーブル4を停電状態とし、別途電源
により測定することとしても良い。
そして、これらの測定器11,12,13は診断装置8
に接続され、これらの測定器11,12,13によって
測定された測定地が診断装置8に伝達されるようになっ
ている。
この診断装置8は、マイクロコンピュータで構成された
もので、後から述べる演算や処理あるいは診断を行なう
ものであり、これらの動作を行なうため、次に説明する
ようなデータや演算式および判断基準が記憶されてい
る。
すなわち、この診断装置8には、この発明にかかる電力
ケーブルの絶縁劣化診断方法による動作を行なうため
に、診断準備としてのデータの蓄積および回帰式が記憶
されている。
まず、診断準備としてのデータの蓄積および回帰式の決
定について説明する。
A.既存データの状況 電力ケーブルの絶縁劣化診断に際して、破壊電圧値に代
えて測定されている代用物理量としては、主に、直流漏
れ電流値, tanδ値,直流成分電流値であり、これらと
破壊電圧値との関係は各所から精度の良いデータが多数
発表さているが、同一の電力ケーブルについて破壊電圧
値とこれらの代用物理量の全てを測定したデータはほと
んど存在しない。
また、電力会社等による電力ケーブルの絶縁劣化診断
は、個々に前記代用物理量のいずれかを測定することと
して行なわれてきたので、多数の既存のデータが存在し
ているが、各代用物理量毎あるいはその任意の組み合せ
の状態であり、大量の統一的データではない。
B.各種データの統一化および回帰式の決定 まず、これらの既存のデータを用いて、破壊電圧に対す
る前記各代用物理量毎の一覧表を作成した。この場合、
データの信頼性,測定条件,データの採用範囲等に注意
した。
次に、この一覧表に基づいて破壊電圧値に対する各代用
物理量の単相関解析を行なった。
これにより得られた回帰式は次の通りである。
a.破壊電圧値(YKV)−直流漏れ電流値(XμA) b.破壊電圧値(YKV)−tanδ値(X%) c.破壊電圧値(YKV)−直流成分電流値(XnA) また、前述のデータを用い、破壊電圧値をパラメータと
して、次の3種類の一覧表を作成した。
すなわち、 破壊電圧値−直流漏れ電流値, tanδ値,直流成分
電流値 破壊電圧値−直流漏れ電流値, tanδ値 破壊電圧値− tanδ値,直流成分電流値 である。
なお、この一覧表の作成にあたっては、同一破壊電圧値
のデータ数や前記a〜cとの整合性に配慮した。
これらの〜の3種類の組合せとしたのは、tanδ値
が広く常用されているからである。
そして、同一破壊電圧値に対応するこれらの各代用物理
量の数値を一組のデータとして取り扱うこととして、前
記〜について作成した一覧表に基づいて重相関解析
を行い、下記の回帰式を得た。
d.破壊電圧値(Y KV)−直流漏れ電流値(X1μA),tanδ
値(X2%),直流成分電流値(X3nA) e.破壊電圧値(Y KV)−直流漏れ電流値(X1μA),tanδ
値(X2%) f.破壊電圧値(Y KV)−tanδ値(X2%),直流成分電流値
(X3nA) C.診断装置への記憶 このようにして得られた前記a〜fの6つの回帰式、お
よびこれらの回帰式によって算出された破壊電圧値をパ
ラメータとして前記の既存のデータを単一のデータとし
て蓄積する。
また、各種の代用物理量毎に設定されていた既存の判断
基準を見直し、前記回帰式による破壊電圧値をパラメー
タとした判断基準を統一的に決定して記憶させる。
すなわち、この判断基準は、例えば破壊電圧値として35
KV以上の場合には電力ケーブルは健全であり、10KV以下
の場合には電力ケーブルの劣化が進行し交換を要するも
のとし、35KV〜10KVの場合は要注意状態であるとのもの
である。
したがって、これらのデータや回帰式等および判断基準
を記憶した診断装置8は、以下のように動作する。
今、仮に電力ケーブル4について、誘電正接測定器11
によってtanδの測定値X,直流成分電流測定器12
によって直流成分電流測定値X,直流漏れ電流測定器
13によって直流漏れ電流測定値Xを得たとする。
この場合、診断装置8は前記dの回帰式を選択して破壊
電圧値Yを算出する。
そして、この算出された破壊電圧値Yを記憶されている
判断基準と照合させて、判断を行いその結果を表示す
る。
また、仮に直流漏れ電流測定器13を用いた測定を行な
うことができず、誘電正接測定器11と直流成分電流測
定器12との測定値X,Xだけしか得られなかった
場合、診断装置8は前記fの回帰式によって破壊電圧値
Yを算出し、この破壊電圧値Yに基づいて前記と同様に
絶縁劣化の診断を行なう。なお、誘電正接値と直流漏れ
電流値とのみが得られた場合も同様である。
さらに、仮に、これらの代用物理量の内の1種の測定値
のみが得られた場合には、その得られた測定値の種類に
応じて前記a〜cの内から対応する回帰式が選択され、
その回帰式によって破壊電圧値が算出され、診断装置8
はこの破壊電圧値によって絶縁劣化の診断を行なう。
このように、この診断装置8においては、前記a〜fの
多数の回帰式を設定し、測定された代用物理量の種類や
組合に応じて回帰式を使い分けるので、種々の測定状況
に広く対応して破壊電圧値を算出することができる。
そして、破壊電圧をパラメータとしたことによって、既
存の多数のデータに基づいて相関性を判断することがで
き、また、各種の測定値はいずれも統計的に処理さた前
述の回帰式によって破壊電圧値が算出されるので破壊電
圧値の精度がよい利点がある。
さらに、前記の回帰式として、 としたので、この意味からもさらに精度が良好となって
いる。
これは、破壊電圧値が大きくなれば、それについて直流
漏れ電流値やtanδ値および直流成分電流値は小さくな
り、逆に、これらの値が大きくなれば破壊電圧は小さく
なる漸近線と考えらえるからである。
なお、この発明においては回帰式の形は上記に限られる
ものではなく、その他の形,例えばY=AX2 あるいは,Y
=A+BX としても実施することができる。
さらに、本願発明者らは、算出される破壊電圧値の精度
をより一層向上させるために、共分散分析法を用い、ダ
ミー変数による重回帰分析により、前記a〜fにそれぞ
れ対応する別の回帰式を、作成した。
例えば、前記dに対応する,破壊電圧値(HKV)−直流漏
れ電流値(XμA), tanδ値(Y%),直流成分電流値(Zn
A)回帰式を示せば次のようである。
なお、この回帰式において、x1,x2,y1,y2,y3,z1,z2,z3,
z4は、それぞれ「0」または「1」をとることにより、
各測定法や装置を区別するための値であり、回帰係数 R
=0.944 である。
このような回帰式により、各代用物理量の測定値から破
壊電圧値を算出することとすれば、さらに良好な精度の
破壊電圧値を得ることができる。
したがって、このようにして得られた回帰式を診断装置
8に記憶させることによっても、前記と同様に前記測定
診断装置7を実施することができ、電力ケーブルの絶縁
劣化の診断を行うことができる。
(発明の効果) この発明は、以上説明したように構成したから、測定さ
れた代用物理量の種類に応じて、適切な回帰式で高精度
に破壊電圧値を算出することができ、回帰式や判断基準
も多量のデータに基づいた破壊電圧値をパラメータとし
て設定されるので、前記算出した破壊電圧値をそのまま
判断基準に照合させて、電力ケーブルの絶縁劣化診断の
精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法
を用いた診断装置の使用状態の説明図である。 1;電源、2;高圧配電線、3;GPT、 4;電力ケーブル、7;測定診断装置、 8;診断装置、 11;誘電正接測定器、 12;直流成分電流測定器、 13;直流漏れ電流測定器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】破壊電圧値の代用となる単一種類または複
    数種類の物理量による破壊電圧値の回帰式を各種用意
    し、測定された物理量の種類に対応する回帰式を用いて
    破壊電圧値を算出し、算出された前記破壊電圧値をパラ
    メータとして単一のデータを形成するとともに、その単
    一のデータについて破壊電圧値をパラメータとした判断
    基準を設定し、電力ケーブルの絶縁劣化診断の物理量測
    定値をその物理量の種類に応じた回帰式を前記回帰式中
    から選択して、これにより破壊電圧値を算出し、この算
    出された破壊電圧値を前記判断基準に照らして判断する
    ことを特徴とする電力ケーブルの絶縁劣化診断方法。
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