JPH06279901A - 熱間加工性及び磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金 - Google Patents
熱間加工性及び磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金Info
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- JPH06279901A JPH06279901A JP7020293A JP7020293A JPH06279901A JP H06279901 A JPH06279901 A JP H06279901A JP 7020293 A JP7020293 A JP 7020293A JP 7020293 A JP7020293 A JP 7020293A JP H06279901 A JPH06279901 A JP H06279901A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はBを添加し、不純物元素量(Pb,
Bi,Sn,Zn,S)を規制することで熱間加工性及
び磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金を提供するも
のである。 【構成】 重量%で、65〜85%Ni−Fe系合金に
B:0.0005〜0.02%含有し、更に重量ppm
で、Pb:15ppm 以下、Bi:15ppm 以下、Sn:
200ppm 以下、Zn:20ppm 以下、S:50ppm 以
下でありかつ1式で規定されるCVの値が25ppm 以下
である、熱間加工性及び磁気特性に優れたFe−Ni系
磁性合金。 【効果】 熱間圧延時に発生する耳割れ現象を実操業上
問題にならない程度に低減し、しかも磁気特性にも優れ
たFe−Ni系磁性合金を安定して供給でき、産業上有
効な効果がもたらされる。
Bi,Sn,Zn,S)を規制することで熱間加工性及
び磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金を提供するも
のである。 【構成】 重量%で、65〜85%Ni−Fe系合金に
B:0.0005〜0.02%含有し、更に重量ppm
で、Pb:15ppm 以下、Bi:15ppm 以下、Sn:
200ppm 以下、Zn:20ppm 以下、S:50ppm 以
下でありかつ1式で規定されるCVの値が25ppm 以下
である、熱間加工性及び磁気特性に優れたFe−Ni系
磁性合金。 【効果】 熱間圧延時に発生する耳割れ現象を実操業上
問題にならない程度に低減し、しかも磁気特性にも優れ
たFe−Ni系磁性合金を安定して供給でき、産業上有
効な効果がもたらされる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延時に発生する
耳割れ現象を実操業上問題にならない程度に低減改善
し、しかも磁気特性にも優れたFe−Ni系磁性合金に
関するものである。
耳割れ現象を実操業上問題にならない程度に低減改善
し、しかも磁気特性にも優れたFe−Ni系磁性合金に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】Fe−Ni系磁性合金は、いわゆるパー
マロイと呼ばれ、磁気ヘッドや磁気シールド等の軟質磁
性材料として広く使用されている。このような用途には
薄板あるいは箔が使用され、スラブを熱間圧延し、次い
で冷間圧延して製造される。
マロイと呼ばれ、磁気ヘッドや磁気シールド等の軟質磁
性材料として広く使用されている。このような用途には
薄板あるいは箔が使用され、スラブを熱間圧延し、次い
で冷間圧延して製造される。
【0003】しかしながら、Fe−Ni系磁性合金を熱
間圧延すると、熱間加工性が悪いので耳割れが発生する
ことがある。熱間圧延合金板及び帯に耳割れが存在する
と、後工程の冷間圧延時に板破断するので冷間圧延前に
トリミングを行う必要がある。このことは、歩留りを著
しく低下させる原因となっている。
間圧延すると、熱間加工性が悪いので耳割れが発生する
ことがある。熱間圧延合金板及び帯に耳割れが存在する
と、後工程の冷間圧延時に板破断するので冷間圧延前に
トリミングを行う必要がある。このことは、歩留りを著
しく低下させる原因となっている。
【0004】また、従来の製造では、原料としてスクラ
ップが使用されている。近年、製造コストの低減化を目
的に低価格のスクラップが大量に使われる傾向にある。
この場合、スクラップ中に存在する不純物元素の材質特
性に及ぼす影響を考慮する必要がある。これまで鋼中の
Pb,Bi,Sn,Zn,S等の不純物元素濃度が上昇
すると、熱間加工性時に割れが発生すると言われてき
た。しかし、これらの元素の製品特性に及ぼす影響は定
量化されていないのが現状である。
ップが使用されている。近年、製造コストの低減化を目
的に低価格のスクラップが大量に使われる傾向にある。
この場合、スクラップ中に存在する不純物元素の材質特
性に及ぼす影響を考慮する必要がある。これまで鋼中の
Pb,Bi,Sn,Zn,S等の不純物元素濃度が上昇
すると、熱間加工性時に割れが発生すると言われてき
た。しかし、これらの元素の製品特性に及ぼす影響は定
量化されていないのが現状である。
【0005】従来、耳割れ現象を防止し熱間加工性を向
上させるためには、Mn,Ti,Mg等の元素を添加さ
せる方法が知られている。しかしMn,Ti,Mg等の
過度の添加は磁気特性を低下させる一方、最終工程であ
る磁性焼鈍時に表面に白濁現象が発生し製品の意匠性を
損なうために問題がある。
上させるためには、Mn,Ti,Mg等の元素を添加さ
せる方法が知られている。しかしMn,Ti,Mg等の
過度の添加は磁気特性を低下させる一方、最終工程であ
る磁性焼鈍時に表面に白濁現象が発生し製品の意匠性を
損なうために問題がある。
【0006】磁気特性の点からは、磁気ヘッド、磁気シ
ールド材等の使用周波数域の上昇に伴い、ますます高い
磁気特性が要求されている。従って、熱間圧延時に発生
する耳割れ現象のない、熱間加工性及び磁気特性に優れ
たFe−Ni系磁性合金が強く要望されている。
ールド材等の使用周波数域の上昇に伴い、ますます高い
磁気特性が要求されている。従って、熱間圧延時に発生
する耳割れ現象のない、熱間加工性及び磁気特性に優れ
たFe−Ni系磁性合金が強く要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な熱間圧延時に発生する耳割れ現象を、実操業上問題に
ならない程度に低減改善し、しかも磁気特性にも優れた
Fe−Ni系磁性合金を提供することを目的とする。
な熱間圧延時に発生する耳割れ現象を、実操業上問題に
ならない程度に低減改善し、しかも磁気特性にも優れた
Fe−Ni系磁性合金を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的のた
めにBとMoあるいは、BとMo及びCuを複合添加す
るとともに、熱間加工性に及ぼすPb,Bi,Sn,Z
n,S等不純物元素の影響を詳細に調査し、更にその他
の成分も種々検討した結果、下記のように成分を限定す
ることにより達成されたものである。
めにBとMoあるいは、BとMo及びCuを複合添加す
るとともに、熱間加工性に及ぼすPb,Bi,Sn,Z
n,S等不純物元素の影響を詳細に調査し、更にその他
の成分も種々検討した結果、下記のように成分を限定す
ることにより達成されたものである。
【0009】すなわち本発明の要旨は、(1)重量%に
て、Ni:75〜85%、 C :0.03%
以下、Si:0.05〜1.0%、 Mn:2.0%
以下、Ti:0.05%以下、 Mg:0.05
%以下、Al:0.05%以下、 O :0.0
08%以下、N :0.008%以下、 B :
0.0005〜0.02%、Mo:1〜10%とし、更
にPb,Bi,Sn,Zn,Sの含有量が、重量ppm
で、Pb:15ppm 以下、 Bi:15ppm 以
下、Sn:200ppm 以下、 Zn:20ppm 以
下、S :50ppm 以下であり、かつ下式(1)で規定
されるCVの値を25ppm 以下とし、残部がFe及び不
可避的不純物からなることを特徴とする熱間加工性及び
磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金。 CV=Pb+Bi+0.03Sn+0.63Zn+0.21S……(1) (2)重量%にて、Ni:75〜85%、 C
:0.03%以下、Si:0.05〜1.0%、
Mn:2.0%以下、Ti:0.05%以下、
Mg:0.05%以下、Al:0.05%以下、
O :0.008%以下、N :0.008%以下、
B :0.0005〜0.02%、Mo:1〜1
0%、 Cu:1〜10%とし、更にPb,
Bi,Sn,Zn,Sの含有量が、重量ppm で、Pb:
15ppm 以下、 Bi:15ppm 以下、Sn:
200ppm 以下、 Zn:20ppm 以下、S :
50ppm 以下であり、かつ下式(1)で規定されるCV
の値を25ppm 以下とし、残部がFe及び不可避的不純
物からなることを特徴とする熱間加工性及び磁気特性に
優れたFe−Ni系磁性合金。 CV=Pb+Bi+0.03Sn+0.63Zn+0.21S……(1)
て、Ni:75〜85%、 C :0.03%
以下、Si:0.05〜1.0%、 Mn:2.0%
以下、Ti:0.05%以下、 Mg:0.05
%以下、Al:0.05%以下、 O :0.0
08%以下、N :0.008%以下、 B :
0.0005〜0.02%、Mo:1〜10%とし、更
にPb,Bi,Sn,Zn,Sの含有量が、重量ppm
で、Pb:15ppm 以下、 Bi:15ppm 以
下、Sn:200ppm 以下、 Zn:20ppm 以
下、S :50ppm 以下であり、かつ下式(1)で規定
されるCVの値を25ppm 以下とし、残部がFe及び不
可避的不純物からなることを特徴とする熱間加工性及び
磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金。 CV=Pb+Bi+0.03Sn+0.63Zn+0.21S……(1) (2)重量%にて、Ni:75〜85%、 C
:0.03%以下、Si:0.05〜1.0%、
Mn:2.0%以下、Ti:0.05%以下、
Mg:0.05%以下、Al:0.05%以下、
O :0.008%以下、N :0.008%以下、
B :0.0005〜0.02%、Mo:1〜1
0%、 Cu:1〜10%とし、更にPb,
Bi,Sn,Zn,Sの含有量が、重量ppm で、Pb:
15ppm 以下、 Bi:15ppm 以下、Sn:
200ppm 以下、 Zn:20ppm 以下、S :
50ppm 以下であり、かつ下式(1)で規定されるCV
の値を25ppm 以下とし、残部がFe及び不可避的不純
物からなることを特徴とする熱間加工性及び磁気特性に
優れたFe−Ni系磁性合金。 CV=Pb+Bi+0.03Sn+0.63Zn+0.21S……(1)
【0010】以下、本発明合金の化学成分の限定理由に
ついて詳細に説明する。Niは、本合金の基本成分であ
り、Niが75%未満の場合、または85%を超える場
合は合金の磁気特性が低下して、軟質磁性材料としての
特性を発揮できなくなる。従って、Niの範囲は75〜
85%とした。Cは、含有量が多くなり過ぎると合金中
に炭化物を形成し、熱間加工性や磁気特性を劣化させる
ため、その上限を0.03%とした。Siは、脱酸剤と
して有効な成分であり、0.05%未満ではその効果が
少なく、また1.0%を超える場合は、SiO2 が顕著
に生成するために磁気特性が劣化する。従って、Siの
範囲は0.05〜1,0%とした。更に好ましくは、
0.20〜0.50%が良い。Mnは、2.0%を超え
ると熱間加工性を飽和させるために、その上限を2.0
%とした。
ついて詳細に説明する。Niは、本合金の基本成分であ
り、Niが75%未満の場合、または85%を超える場
合は合金の磁気特性が低下して、軟質磁性材料としての
特性を発揮できなくなる。従って、Niの範囲は75〜
85%とした。Cは、含有量が多くなり過ぎると合金中
に炭化物を形成し、熱間加工性や磁気特性を劣化させる
ため、その上限を0.03%とした。Siは、脱酸剤と
して有効な成分であり、0.05%未満ではその効果が
少なく、また1.0%を超える場合は、SiO2 が顕著
に生成するために磁気特性が劣化する。従って、Siの
範囲は0.05〜1,0%とした。更に好ましくは、
0.20〜0.50%が良い。Mnは、2.0%を超え
ると熱間加工性を飽和させるために、その上限を2.0
%とした。
【0011】Tiは、熱間加工性の向上及び脱酸剤とし
て有効な成分であるが、0.05%を超えると磁性焼鈍
後にTiO2 が製品表面に偏析し白濁現象を起こすの
で、その上限を0.05%とした。更に好ましくは、
0.03%以下が良い。Mgは、熱間加工性を向上させ
るために有効な成分であるが、0.05%を超えると磁
性焼鈍後にMgOが製品表面に偏析し白濁現象を起こす
ので、その上限を0.05%とした。更に好ましくは、
0.03%以下が良い。Alは、脱酸剤として有効な成
分であるが、0.05%を超えると磁性焼鈍後にAl2
O3 が製品表面に濃化し白濁現象を起こすので、その上
限を0.05%とした。更に好ましくは、0.03%以
下が良い。Oは、含有量が多くなり過ぎると酸化物が析
出し磁気特性を劣化させるので、その上限を0.008
%とした。更に好ましくは、0.003%以下が良い。
て有効な成分であるが、0.05%を超えると磁性焼鈍
後にTiO2 が製品表面に偏析し白濁現象を起こすの
で、その上限を0.05%とした。更に好ましくは、
0.03%以下が良い。Mgは、熱間加工性を向上させ
るために有効な成分であるが、0.05%を超えると磁
性焼鈍後にMgOが製品表面に偏析し白濁現象を起こす
ので、その上限を0.05%とした。更に好ましくは、
0.03%以下が良い。Alは、脱酸剤として有効な成
分であるが、0.05%を超えると磁性焼鈍後にAl2
O3 が製品表面に濃化し白濁現象を起こすので、その上
限を0.05%とした。更に好ましくは、0.03%以
下が良い。Oは、含有量が多くなり過ぎると酸化物が析
出し磁気特性を劣化させるので、その上限を0.008
%とした。更に好ましくは、0.003%以下が良い。
【0012】Nは、含有量が多くなり過ぎると窒化物が
析出し磁気特性を劣化させるので、その上限を0.00
8%とした。更に好ましくは、0.003%以下が良
い。
析出し磁気特性を劣化させるので、その上限を0.00
8%とした。更に好ましくは、0.003%以下が良
い。
【0013】Bは、Sの粒界偏析を防止し熱間加工性及
び磁気特性向上のために有効な成分であるが、0.00
05%未満ではその効果が少なく、また0.02%を超
える場合は、硬くて脆いホウ化物が形成し、熱間加工性
及び磁気特性が劣化する。従って、Bの範囲は0.00
05%〜0.02%とした。Mo,Cuは、上記成分範
囲のBとの複合効果により、磁気特性の改善に有効な元
素である。Moは1%以上の単独添加で効果があり、ま
たMo,Cuを複合して各々1%以上添加すると磁気特
性に効果がある。しかし、これら元素を10%を超えて
添加すると逆に磁気特性、特に飽和磁束密度が小さくな
る。従って、磁気特性を向上する場合に、Moは単独で
1〜10%添加し、または、Mo,Cuを複合して各々
1〜10%添加する。
び磁気特性向上のために有効な成分であるが、0.00
05%未満ではその効果が少なく、また0.02%を超
える場合は、硬くて脆いホウ化物が形成し、熱間加工性
及び磁気特性が劣化する。従って、Bの範囲は0.00
05%〜0.02%とした。Mo,Cuは、上記成分範
囲のBとの複合効果により、磁気特性の改善に有効な元
素である。Moは1%以上の単独添加で効果があり、ま
たMo,Cuを複合して各々1%以上添加すると磁気特
性に効果がある。しかし、これら元素を10%を超えて
添加すると逆に磁気特性、特に飽和磁束密度が小さくな
る。従って、磁気特性を向上する場合に、Moは単独で
1〜10%添加し、または、Mo,Cuを複合して各々
1〜10%添加する。
【0014】Pb,Zn,Biは凝固時の溶質濃化によ
り偏析しやすく、かつ粒界で低融点相を形成しやすいた
め、熱間加工性を著しく低下させる。このため、Pb,
Biの上限を15ppm 、Znの上限を20ppm とした。
Sn,Sは、Pb,Zn,Biに比較して影響は少ない
ものの、高濃度では熱間加工性を劣化させる傾向がある
ため、それぞれ上限を200ppm 、50ppm とした。こ
れらの不純物元素は先に述べたように特に凝固時の溶質
濃化により偏析しやすく、かつ粒界において低融点相を
形成しやすい。上記(1)式における各元素の係数は偏
析及び低融点相の形成能の2つの要因により決定され
る。またCVの値は、熱間加工性に及ぼす不純物元素含
有量の影響を表す指標である。Pb,Bi,Sn,Zn
及びSはスクラップ及び合金原料より混入するものであ
る。Pb,Bi,Znは高蒸気圧成分であり、精錬時間
のコントロールによる高温下での蒸発反応により除去可
能である。一方、Snは、Pb,Bi,Znに比較して
蒸気圧が低いため、蒸発反応によっても除去しにくく、
現状の大量生産工程においては原料を選択する以外にな
い。一方、Sはスラグ精錬による除去が可能であり、例
えば高塩基度スラグを用いた脱硫処理がなされる。本発
明では原料選択、蒸発反応、スラグ精錬を利用して、C
Vの値が25ppm以下になるように制御することによ
り、安定して熱間加工性の優れた材料を得ることを可能
とするものである。図1に熱間引張破断時の絞り値、熱
延板の表面疵発生ランクとCVの値の関係を示す。CV
の値が25ppm を超えた場合、熱間加工性が著しく低下
し、熱間圧延にて表面及び端部に疵発生が観察された。
そこで、CVの値を25ppm 以下と限定した。また、絞
り値は高値ほど熱間加工性が良好であり、本発明では約
80%以上であれば割れ等の欠陥を発生することなく熱
間圧延が可能であった。
り偏析しやすく、かつ粒界で低融点相を形成しやすいた
め、熱間加工性を著しく低下させる。このため、Pb,
Biの上限を15ppm 、Znの上限を20ppm とした。
Sn,Sは、Pb,Zn,Biに比較して影響は少ない
ものの、高濃度では熱間加工性を劣化させる傾向がある
ため、それぞれ上限を200ppm 、50ppm とした。こ
れらの不純物元素は先に述べたように特に凝固時の溶質
濃化により偏析しやすく、かつ粒界において低融点相を
形成しやすい。上記(1)式における各元素の係数は偏
析及び低融点相の形成能の2つの要因により決定され
る。またCVの値は、熱間加工性に及ぼす不純物元素含
有量の影響を表す指標である。Pb,Bi,Sn,Zn
及びSはスクラップ及び合金原料より混入するものであ
る。Pb,Bi,Znは高蒸気圧成分であり、精錬時間
のコントロールによる高温下での蒸発反応により除去可
能である。一方、Snは、Pb,Bi,Znに比較して
蒸気圧が低いため、蒸発反応によっても除去しにくく、
現状の大量生産工程においては原料を選択する以外にな
い。一方、Sはスラグ精錬による除去が可能であり、例
えば高塩基度スラグを用いた脱硫処理がなされる。本発
明では原料選択、蒸発反応、スラグ精錬を利用して、C
Vの値が25ppm以下になるように制御することによ
り、安定して熱間加工性の優れた材料を得ることを可能
とするものである。図1に熱間引張破断時の絞り値、熱
延板の表面疵発生ランクとCVの値の関係を示す。CV
の値が25ppm を超えた場合、熱間加工性が著しく低下
し、熱間圧延にて表面及び端部に疵発生が観察された。
そこで、CVの値を25ppm 以下と限定した。また、絞
り値は高値ほど熱間加工性が良好であり、本発明では約
80%以上であれば割れ等の欠陥を発生することなく熱
間圧延が可能であった。
【0015】
【実施例】次に、本発明の優位性を実施例と比較例を用
いて、具体的に説明する。表1に本発明例と比較例の化
学成分及び熱間加工性、磁気特性を示す。
いて、具体的に説明する。表1に本発明例と比較例の化
学成分及び熱間加工性、磁気特性を示す。
【0016】表1に示すような本発明合金と比較合金
を、真空誘導溶解炉で溶製し、連続鋳造法によりスラブ
とした。その後1250℃×2時間加熱後熱間圧延を行
った。また、各特性の評価は下記の方法で行った。 (1)熱間加工性 1250℃加熱後冷却過程において高速引張試験を実施
した。熱間加工性の評価は冷却過程の1100℃におけ
る引張破断部の熱間絞り値(%)で評価した。また、熱
延を行いその時の熱延板の表面疵及び耳割れ発生を以下
のようにランク評価した。 ○…表面疵及び耳割れ発生なし △…一部表面疵及び耳割れ発生 ×…全面表面疵及び耳割れ発生 (2)磁気特性 熱延板端部をスリットし表面の疵取りを行い、冷間圧
延、中間焼鈍を繰り返し板厚0.5mmの冷延薄板を得た
後、外径45mm×内径33mmのJIS規格に基づいたリ
ング片を採取した。その後、磁性焼鈍(1100℃×3
時間、水素雰囲気中、露点:−45℃)を行い、最大比
透磁率を測定した。
を、真空誘導溶解炉で溶製し、連続鋳造法によりスラブ
とした。その後1250℃×2時間加熱後熱間圧延を行
った。また、各特性の評価は下記の方法で行った。 (1)熱間加工性 1250℃加熱後冷却過程において高速引張試験を実施
した。熱間加工性の評価は冷却過程の1100℃におけ
る引張破断部の熱間絞り値(%)で評価した。また、熱
延を行いその時の熱延板の表面疵及び耳割れ発生を以下
のようにランク評価した。 ○…表面疵及び耳割れ発生なし △…一部表面疵及び耳割れ発生 ×…全面表面疵及び耳割れ発生 (2)磁気特性 熱延板端部をスリットし表面の疵取りを行い、冷間圧
延、中間焼鈍を繰り返し板厚0.5mmの冷延薄板を得た
後、外径45mm×内径33mmのJIS規格に基づいたリ
ング片を採取した。その後、磁性焼鈍(1100℃×3
時間、水素雰囲気中、露点:−45℃)を行い、最大比
透磁率を測定した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】本発明例No.1〜7及び比較例No.8〜1
9は、構成元素、不純物元素Pb,Bi,Sn,Zn,
S量及びCV値の影響を示すものである。各元素の量も
しくはCV値が本発明範囲を超える場合、熱間加工性は
本発明に劣る。
9は、構成元素、不純物元素Pb,Bi,Sn,Zn,
S量及びCV値の影響を示すものである。各元素の量も
しくはCV値が本発明範囲を超える場合、熱間加工性は
本発明に劣る。
【0020】比較例No.12は、Pb量が、No.13は
Bi量が、No.14は、Sn量が、No.15はZn量
が、No.16はS量が高く、CV値の本発明範囲を単一
で超えるものであり、熱間加工性が劣り、熱延時におい
て割れが発生している。また、比較例No.17はPb,
Biが、No.18はSn,Znが高く、CV値が本発明
範囲を超えるものであり、この場合においても熱間加工
性が著しく劣り、熱延時において割れが多発している。
また、比較例No.19は、不純物元素Pb,Bi,S
n,Zn,S量は本発明範囲内ではあるが、CV値が本
発明範囲を超えるものであり、この場合においても熱間
加工性が著しく劣り、熱延時において割れが多発してい
る。一方、比較例No.8,9はNi量が、No.10はM
oが、No.11はMo,Cuが本発明範囲を超えるもの
であり、この場合においては、磁気特性が著しく低下し
ている。
Bi量が、No.14は、Sn量が、No.15はZn量
が、No.16はS量が高く、CV値の本発明範囲を単一
で超えるものであり、熱間加工性が劣り、熱延時におい
て割れが発生している。また、比較例No.17はPb,
Biが、No.18はSn,Znが高く、CV値が本発明
範囲を超えるものであり、この場合においても熱間加工
性が著しく劣り、熱延時において割れが多発している。
また、比較例No.19は、不純物元素Pb,Bi,S
n,Zn,S量は本発明範囲内ではあるが、CV値が本
発明範囲を超えるものであり、この場合においても熱間
加工性が著しく劣り、熱延時において割れが多発してい
る。一方、比較例No.8,9はNi量が、No.10はM
oが、No.11はMo,Cuが本発明範囲を超えるもの
であり、この場合においては、磁気特性が著しく低下し
ている。
【0021】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によるFe−Ni系磁性合金は、熱間圧延時に発生する
耳割れ現象を実操業上問題にならない程度に低減改善
し、しかも磁気特性にも優れたものである。
によるFe−Ni系磁性合金は、熱間圧延時に発生する
耳割れ現象を実操業上問題にならない程度に低減改善
し、しかも磁気特性にも優れたものである。
【図1】熱間引張破断時の絞り値、熱延板の表面疵及び
耳割れ発生ランクとCV値の関係を示す図である。
耳割れ発生ランクとCV値の関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%にて、 Ni:75〜85%、 C :0.03%以下、 Si:0.05〜1.0%、 Mn:2.0%以下、 Ti:0.05%以下、 Mg:0.05%以下、 Al:0.05%以下、 O :0.008%以下、 N :0.008%以下、 B :0.0005〜0.02%、 Mo:1〜10% とし、更にPb,Bi,Sn,Zn,Sの含有量が、重
量ppm で、 Pb:15ppm 以下、 Bi:15ppm 以下、 Sn:200ppm 以下、 Zn:20ppm 以下、 S :50ppm 以下 であり、かつ下式(1)で規定されるCVの値が25pp
m 以下であって、残部がFe及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする熱間加工性及び磁気特性に優れたF
e−Ni系磁性合金。 CV=Pb+Bi+0.03Sn+0.63Zn+0.21S……(1) - 【請求項2】 重量%にて、 Ni:75〜85%、 C :0.03%以下、 Si:0.05〜1.0%、 Mn:2.0%以下、 Ti:0.05%以下、 Mg:0.05%以下、 Al:0.05%以下、 O :0.008%以下、 N :0.008%以下、 B :0.0005〜0.02%、 Mo:1〜10%、 Cu:1〜10% とし、更にPb,Bi,Sn,Zn,Sの含有量が、重
量ppm で、 Pb:15ppm 以下、 Bi:15ppm 以下、 Sn:200ppm 以下、 Zn:20ppm 以下、 S :50ppm 以下 であり、かつ下式(1)で規定されるCVの値が25pp
m 以下であって、残部がFe及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする熱間加工性及び磁気特性に優れたF
e−Ni系磁性合金。 CV=Pb+Bi+0.03Sn+0.63Zn+0.21S……(1)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7020293A JPH06279901A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 熱間加工性及び磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7020293A JPH06279901A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 熱間加工性及び磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06279901A true JPH06279901A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=13424705
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7020293A Withdrawn JPH06279901A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 熱間加工性及び磁気特性に優れたFe−Ni系磁性合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06279901A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2737043A1 (fr) * | 1995-07-18 | 1997-01-24 | Imphy Sa | Alliage fer-nickel pour masque d'ombre tendu |
| JP2014218694A (ja) * | 2013-05-08 | 2014-11-20 | 日本冶金工業株式会社 | 熱間加工性および交流磁気特性に優れるNi−Fe系パーマロイ合金 |
| CN114855005A (zh) * | 2022-04-06 | 2022-08-05 | 中国科学院上海高等研究院 | 一种深冷低温坡莫合金及其制备方法以及应用 |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP7020293A patent/JPH06279901A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2737043A1 (fr) * | 1995-07-18 | 1997-01-24 | Imphy Sa | Alliage fer-nickel pour masque d'ombre tendu |
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| US5788783A (en) * | 1995-07-18 | 1998-08-04 | Imphy S.A. | Iron-nickel alloy for stretched shadow mask |
| JP2014218694A (ja) * | 2013-05-08 | 2014-11-20 | 日本冶金工業株式会社 | 熱間加工性および交流磁気特性に優れるNi−Fe系パーマロイ合金 |
| CN114855005A (zh) * | 2022-04-06 | 2022-08-05 | 中国科学院上海高等研究院 | 一种深冷低温坡莫合金及其制备方法以及应用 |
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