JPH06285149A - 生体親和性に優れた生体用人工素材及びその製造法 - Google Patents

生体親和性に優れた生体用人工素材及びその製造法

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JPH06285149A
JPH06285149A JP5073423A JP7342393A JPH06285149A JP H06285149 A JPH06285149 A JP H06285149A JP 5073423 A JP5073423 A JP 5073423A JP 7342393 A JP7342393 A JP 7342393A JP H06285149 A JPH06285149 A JP H06285149A
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JP
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titanium
ion
calcium phosphate
artificial
evaporation source
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JP5073423A
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Yoshiro Otsuka
芳郎 大塚
Masamichi Matsuura
正道 松浦
Nakaya Senda
中哉 千田
Toshio Sumii
俊夫 住井
Masao Yoshinari
正雄 吉成
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生体用事項素材における基材とその表面上のコ
ーティング膜との界面における密着性を、コーティング
膜と骨組織との親和性を損なわずに、改善することにあ
る。 【構成】蒸着と同時にイオン注入を併用するイオンビー
ムダイナミックミキシングにより基材上にリン酸カルシ
ウム塩コーティング膜を設けることにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療分野で利用される
人工骨や人工歯根等の生体用人工素材及びその製造法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタンやチタン系合金などは生体用金属
材料として優れた生体適合性を有しており人工骨や人工
歯根として従来から用いられているが、近年、生体親和
性(骨組織親和性)をさらに向上させる目的で生体用金
属材料の表面をカルシウムイオンの注入やリン酸カルシ
ウム塩のコーティングなどで処理することが行われるよ
うになってきた(例えば「表面技術」、Vol.43, pp739-
743,(1992)参照)。金属基材にリン酸カルシウム塩をコ
ーティングする方法としては、一般に電解質水溶液中で
の陽極酸化処理、プラズマ溶射法、イオンプレーティン
グ法などが挙げられる。以下1例としてプラズマ溶射法
によるコーティング法について説明する。
【0003】添付図面の図2は公知のプラズマ溶射法の
模式図であり、中心電極Aを陰極とし、ノズルBを陽極
として、プラズマガス導入口CからAr 、N2 、H2
のガスを導入し、陰極Aと陽極Bの間にアーク放電を発
生させてプラズマ化し、これを陽極Bから噴出させ、超
高温、高速流のプラズマジェットDを形成する。こうし
て形成されたプラズマジェットDに溶射原料供給部Eか
らリン酸カルシウム塩粉末を点線で示すように導入し、
溶融させて飛ばし、陽極に対向して位置された金属基材
から成る基板Fに膜Gをコーティングする。このような
コーティング法により金属基材の表面を骨と類似の物質
であるリン酸カルシウム塩で被覆した人工骨は、生体内
に埋め込まれた後、コーティング膜が骨組織と結合し、
次第に接合が密になっていく。
【0004】また、チタン及びチタン合金製の人工骨の
表面にカルシウムイオンを注入することも公知であり、
これによりチタン及びチタン合金製の人工骨の表面にチ
タンイオンだけではなくカルシウムイオンが存在するた
めリン酸イオンの吸着が早まり、リン酸カルシウムの生
成が加速されると考えられている。このカルシウムイオ
ンの注入による生体内でのリン酸カルシウムの生成の促
進について表面分析した例が雑誌“IONICS”1992年11月
号、pp. 31〜34に開示されており、30日間擬似体液中に
浸漬した後で純チタン試料とカルシウム注入したチタン
試料とを比較した結果、カルシウムを注入した場合の方
が表面でのリン酸カルシウムの生成量は増加することが
報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リン酸カルシウム塩を
コーティングした人工骨は生体親和性に優れているが、
しかしながら、基材であるチタンなどの金属とリン酸カ
ルシウム塩であるコーティング膜との濡れ性(化学結合
性)が乏しいため、現在行われている電解質水溶液中で
の陽極酸化処理、プラズマ溶射法、イオンプレーティン
グ法などのコーティング法では、基材とコーティング膜
との密着性が不十分であり、そのため上記のような従来
のコーティング法を利用して用意した人工骨が生体内に
埋め込まれた場合、コーティング膜と人工骨基材との界
面の密着性が劣化していき、著しい場合にはコーティン
グ膜が剥離するという問題が指摘されている。
【0006】そこで本発明は、人工骨や人工歯根として
用いられる生体用人工素材におけるコーティング膜と骨
組織との親和性を損なわずに、コーティング膜と生体用
人工素材との密着性を改善した生体用人工素材及びその
製造法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の第1の発明による生体親和性に優れた生体
用人工素材は、チタンやチタン系合金などの金属または
セラミック材料から成る基材の表面に、イオンミキシン
グ法によりリン酸カルシウム塩をコーディングしたこと
を特徴としている。好ましくは、本発明による生体親和
性に優れた生体用人工素材は、チタンやチタン系合金な
どの金属またはセラミック材料から成る基材の表面にコ
ーティングされたリン酸カルシウム塩には、カルシウム
元素が注入され得る。また、本発明の第2の発明による
生体親和性に優れた生体用人工素材の製造法は、真空容
器内にチタンやチタン系合金などの金属またはセラミッ
ク材料から成る基材を配置し、蒸発原料としてリン酸カ
ルシウム塩を用い、蒸着法により基材表面に蒸着しなが
ら、密着性または親和性促進用イオンを同時にイオン注
入することを特徴としている。各発明において基材の表
面にコーティングされるリン酸カルシウム塩は、例えば
結晶質または非結晶質のハイドロキシアパタイトから成
ることができる。
【0008】
【作用】本発明の製造法によれば、リン酸カルシウム塩
の蒸着と同時にカルシウムイオンの注入を行なうイオン
ビームダイナミックミキシング技術を採用したことによ
り、高エネルギーのイオンビームによるミキシング効果
が得られ、基材とコーティング層の界面に、基材とコー
ティング層の混ざりあった中間層が生成されることにな
り、密着性が改善される。また、注入イオン種としてカ
ルシウムイオンを用いた場合には、生体用人工素材の基
材表面にカルシウム富化層が形成されることになり、こ
の基材表面に存在するカルシウムの働きにで親和性の改
善が期待できることになる。
【0009】
【実施例】以下、添付図面の図1を参照して本発明の実
施例について説明する。図1には本発明による生体用人
工素材の製造に用いられるイオンビームダイナミックミ
キシング法を利用した装置の一例を概略的に示してい
る。図1において1は真空容器で、この真空容器1内に
は、コーティング処理すべき基板2を保持する基板ホル
ダー3及び蒸発源ハース4が図示したように配設され、
蒸発源ハース4には、蒸発させるハイドロキシアパタイ
ト焼結体5が入れられている。また蒸発源ハース4の上
部に臨んでガス導入ノズル6が設けられている。また、
真空容器1にはイオン源及びイオン加速器7が連接され
ており、このイオン源及びイオン加速器7自体は公知の
ものであるので、その具体的構成は省略されている。真
空容器1内に示された矢印8はイオン源及びイオン加速
器7から基板ホルダー3上の基板2へ向かって打ち込ま
れるイオンビームを表し、また矢印9は、図示してない
E/B ガンによって加熱蒸発された蒸発源ハース4内のハ
イドロキシアパタイト焼結体の蒸発粒子を表している。
【0010】本発明の一実施例では、図1に示す装置を
用いてチタン基板にイオンビームダイナミックミキシン
グ法によりハイドロキシアパタイトをコーティングし
た。蒸発源材料は、ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO
4 6 (OH)2 、以下HAp )であり、コーティング手法と
しては図1に示す装置において、H2 O雰囲気下で蒸発
源ハース4内のHAp をE/B ガンを用いて加熱蒸発させ、
蒸発粒子をチタン基板に蒸着させると同時に、イオン源
及びイオン加速器7からカルシウムイオンを加速電圧50
Kvでチタン基板に注入した。なおコーティング膜厚は約
1μmである。すなわち、まず、真空容器1内を高真空
(6×10-4Pa)に排気した状態でイオン源及びイオン加
速器7から引き出されたカルシウムイオンをチタン基板
2に注入した。この場合、イオンビームのエネルギーは
50Kev 、電流密度は6.7 μA/cm2 、イオン注入量は5×
10-16 個/cm2 とした。次に、ガス導入ノズル6からH
2 Oガスを導入して、真空容器1内のの圧力を1.2×10
-2Paに保ち、この状態で、上述と同一の条件でイオンビ
ームをチタン基板2に注入しながら、電子ビーム加熱に
より蒸発源ハース4内のハイドロキシアパタイト焼結体
5を蒸発させて、チタン基板2上に蒸着した。この場
合、蒸着速度は1〜3A/S に調節した。この操作をチタ
ン基板2へのカルシウムイオンの注入量が1×10-17
/cm2 になるまで続けた。尚、蒸着の際にH2 Oガスを
導入することにより、コーティング膜中のOH基の形成
が促進されることになる。その後、イオン注入条件は同
一にしてハイドロキシアパタイトの蒸着速度を約10オン
グストローム/秒にしてチタン基板2に形成されるコー
ティング膜の厚さが約1μmになるまで続けた。このよ
うにしてハイドロキシアパタイト膜をコーティングした
試料について密着性や表面状態の変化を調べるため、試
料を簡便な体液の模擬として一般に使用される1%NaCl
溶液中に約1カ月浸漬した後観察した結果、試料表面の
変化はほとんど見られず、密着性も良好であることが認
められた。
【0011】ところで、上記実施例では、蒸発源原料と
してハイドロキシアパタイトを用いているが、代わりに
例えばTCPCa3 (PO4 2 などのようなその他の多く
のリン酸カルシウム塩を用いてもよい。また、密着性、
親和性促進用イオン種として上記実施例ではカルシウム
イオン(Ca+ )を用いているが、代わりに、Ti+
+ 、O2 + 、Ar+ などを用いることもできる。さらに
蒸発源としてE/B 加熱法を用いているが、代わりにレー
ザーによる加熱法(レーザーアブレーション法)を利用
してもよい。さらにまた基板としてチタン以外にTi−6A
1 −4V、Ti−Ni形状記憶合金などのチタン合金やステン
レス鋼、或いはAl2 3 などのセラミックス材料を使用
することも可能である。
【0012】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の方法
によれば、イオンビームダイナミックミキシング法を利
用して、蒸着と同時にイオン注入を行なうように構成し
ているので、高エネルギーのイオンビームによるミキシ
ング効果が得られ、それにより基材とコーティング層と
の界面に、基材とコーティング層との混ざりあった中間
層が生成されるため、基材とコーティング層との密着性
を大幅に改善することができるようになる。また、本発
明による生体用人工素材は、リン酸カルシウム塩コーテ
ィング膜と基材との密着性が長期に渡って良好に維持で
きるので、例えば人工骨として生体内に埋め込まれた場
合に、基材とコーティング膜との剥離が生じにくくな
り、骨と人工骨の接合性を改善することができるように
なる。さらに、基材表面に形成されるコーティング層に
カルシウムイオン等のイオンを注入した場合にはコーテ
ィング膜の密着性の改善だけではなく、骨組織に対する
親和性をより一層改善することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に使用される装置の構成を示
す図。
【図2】 従来のコーティング法の1例であるプラズマ
溶射法の構成図。
【符号の説明】
1‥‥真空容器 2‥‥コーティングを施す基板 3‥‥基板を保持する基板ホルダー 4‥‥蒸発源ハース 5‥‥蒸発させるハイドロキシアパタイト焼結体 6‥‥ガス導入ノズル 7‥‥イオン源及びイオン加速器 8‥‥イオンビーム 9‥‥蒸発粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住井 俊夫 千葉県千葉市花見川区作新台7−8−16 (72)発明者 吉成 正雄 千葉県千葉市美浜区真砂1−7−3

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンやチタン系合金などの金属またはセ
    ラミック材料から成る基材の表面にイオンビームダイナ
    ミックミキシング法によりリン酸カルシウム塩をコーデ
    ィングしたことを特徴とする生体親和性に優れた生体用
    人工素材。
  2. 【請求項2】リン酸カルシウム塩が結晶質または非結晶
    質のハイドロキシアパタイトからなる請求項1に記載の
    生体親和性に優れた生体用人工素材。
  3. 【請求項3】チタンやチタン系合金などの金属またはセ
    ラミック材料から成る基材の表面にカルシウム元素が注
    入されているリン酸カルシウム塩をコーティングしたこ
    とを特徴とする生体親和性に優れた生体用人工素材。
  4. 【請求項4】リン酸カルシウム塩が結晶質または非結晶
    質のハイドロキシアパタイトからなる請求項3に記載の
    生体親和性に優れた生体用人工素材。
  5. 【請求項5】真空容器内にチタンやチタン系合金などの
    金属またはセラミック材料から成る基材を配置し、蒸発
    原料としてリン酸カルシウム塩を用い、蒸着法により基
    板表面に蒸着しながら、密着性、親和性促進用イオンを
    同時にイオン注入することを特徴とする生体親和性に優
    れた生体用人工素材の製造法。
JP5073423A 1993-03-31 1993-03-31 生体親和性に優れた生体用人工素材及びその製造法 Pending JPH06285149A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1066721A (ja) * 1996-08-28 1998-03-10 Showa Gomme Kk ガスクラスターイオンビームによる医療用物品の表面 処理方法
KR20010073801A (ko) * 2000-01-20 2001-08-03 김현이 생체 이식용 복합체 제조 방법
KR100855017B1 (ko) * 2006-12-06 2008-08-28 연세대학교 산학협력단 생체유리 박막이 코팅된 생체 이식재료 및 이의 제조방법
JP2011078745A (ja) * 2009-09-09 2011-04-21 Kinki Univ 骨補填材
JP2011078749A (ja) * 2009-09-10 2011-04-21 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute 人工骨部材

Cited By (5)

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