JPH06285654A - レーザ加工の予測方法、レーザ加工品の製造方法、およびレーザ加工装置 - Google Patents
レーザ加工の予測方法、レーザ加工品の製造方法、およびレーザ加工装置Info
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- JPH06285654A JPH06285654A JP5080505A JP8050593A JPH06285654A JP H06285654 A JPH06285654 A JP H06285654A JP 5080505 A JP5080505 A JP 5080505A JP 8050593 A JP8050593 A JP 8050593A JP H06285654 A JPH06285654 A JP H06285654A
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- laser
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- processing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被加工品に対し適切なレーザ加工を施すこと
目的とする。 【構成】 この発明の場合、シミュレーション手法によ
るレーザ加工の予測結果を、被加工品における微小部分
の融解または蒸発除去を検知するとともに、この微小部
分の融解または蒸発除去の検知結果をフィードバックす
ることで得るようにしている。
目的とする。 【構成】 この発明の場合、シミュレーション手法によ
るレーザ加工の予測結果を、被加工品における微小部分
の融解または蒸発除去を検知するとともに、この微小部
分の融解または蒸発除去の検知結果をフィードバックす
ることで得るようにしている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被加工品に対しレー
ザを照射して加工を行う際に用いられるレーザ加工の予
測方法、レーザ加工品の製造方法およびレーザ加工装置
に関する。
ザを照射して加工を行う際に用いられるレーザ加工の予
測方法、レーザ加工品の製造方法およびレーザ加工装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ(レーザビーム)を照射して半導
体薄膜に対してスクライビングを施すというレーザ加工
がある。このレーザ加工を施す半導体薄膜は単一層に限
らず、積層型化合物半導体太陽電池の場合のように異種
材質を重ねて塗布積層する多層(太陽電池の場合は4
層)の場合もある。
体薄膜に対してスクライビングを施すというレーザ加工
がある。このレーザ加工を施す半導体薄膜は単一層に限
らず、積層型化合物半導体太陽電池の場合のように異種
材質を重ねて塗布積層する多層(太陽電池の場合は4
層)の場合もある。
【0003】半導体薄膜にスクライビングを施すレーザ
加工の場合、材料の薄膜性、選択除去加工、また前
記太陽電池では加えて異種材質の多層積層構造といっ
たバルク材にはない特殊な事情がある。
加工の場合、材料の薄膜性、選択除去加工、また前
記太陽電池では加えて異種材質の多層積層構造といっ
たバルク材にはない特殊な事情がある。
【0004】半導体薄膜にスクライビングを施す場合、
狙った箇所のみ精度よく除去加工し、しかも、周辺領域
や下層には物理的あるいは熱的なダメージを与えないこ
とが肝要であり、このためにはレーザ照射条件が適切に
設定されている必要がある。
狙った箇所のみ精度よく除去加工し、しかも、周辺領域
や下層には物理的あるいは熱的なダメージを与えないこ
とが肝要であり、このためにはレーザ照射条件が適切に
設定されている必要がある。
【0005】しかしながら、この適切なレーザ照射条件
を簡単に知ることが出来ないのである。カットアンドト
ライによる実験を行い、適切なレーザ照射条件を知るこ
とは可能かもしれないが、多大な時間が必要である上、
得られた結果はプロセスの変更に対する有効性が低く、
カットアンドトライによるレーザ照射条件の探索は現実
的ではない。
を簡単に知ることが出来ないのである。カットアンドト
ライによる実験を行い、適切なレーザ照射条件を知るこ
とは可能かもしれないが、多大な時間が必要である上、
得られた結果はプロセスの変更に対する有効性が低く、
カットアンドトライによるレーザ照射条件の探索は現実
的ではない。
【0006】つまり、従来は、適切なレーザ照射条件が
なかなか分からないため、薄膜に対し適切なレーザ加工
を施すことが難しかったのである。
なかなか分からないため、薄膜に対し適切なレーザ加工
を施すことが難しかったのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記事情
に鑑み、レーザ加工の対象である被加工品に対する適切
なレーザ照射条件を簡単に知ることのできる方法を提供
することを課題とするとともに、被加工品に対し適切な
レーザ加工を施すことのできる方法および装置を提供す
ることを課題とする。
に鑑み、レーザ加工の対象である被加工品に対する適切
なレーザ照射条件を簡単に知ることのできる方法を提供
することを課題とするとともに、被加工品に対し適切な
レーザ加工を施すことのできる方法および装置を提供す
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の適切なレーザ照射
条件を簡単に知るという課題を解決するため、この発明
にかかるレーザ加工の予測方法では、被加工品に対しレ
ーザを照射して、照射部分を融解を経て、または融解を
経ないで蒸発除去させることにより行う加工をシミュレ
ーション手法により予測するにあたり、被加工品内にお
けるレーザ照射によるエネルギー密度分布と必要に応じ
て被加工品内での輻射エネルギー分布とを算出し、前記
エネルギー密度分布の算出結果または前記両算出結果に
基づいて被加工品における微小部分での発熱量を算出し
て、この発熱量の算出結果を用いて微小部分の融解また
は蒸発除去を検知するとともに、この微小部分の融解ま
たは蒸発除去の検知結果を前記エネルギー密度分布の算
出過程と必要に応じて輻射エネルギー分布の算出過程に
組み込んでレーザ加工のシミュレーションを行う構成と
なっている。このレーザ加工の予測方法の具体的形態と
しては、被加工品が薄膜を有する被加工品であって、レ
ーザ照射が被加工品の薄膜部分に対しなされる形態が挙
げられるが、これに限らず、被加工品は非薄膜体のバル
ク材であってもよい。この発明におけるシミュレーショ
ンはもちろんコンピュータ演算を利用するものである。
条件を簡単に知るという課題を解決するため、この発明
にかかるレーザ加工の予測方法では、被加工品に対しレ
ーザを照射して、照射部分を融解を経て、または融解を
経ないで蒸発除去させることにより行う加工をシミュレ
ーション手法により予測するにあたり、被加工品内にお
けるレーザ照射によるエネルギー密度分布と必要に応じ
て被加工品内での輻射エネルギー分布とを算出し、前記
エネルギー密度分布の算出結果または前記両算出結果に
基づいて被加工品における微小部分での発熱量を算出し
て、この発熱量の算出結果を用いて微小部分の融解また
は蒸発除去を検知するとともに、この微小部分の融解ま
たは蒸発除去の検知結果を前記エネルギー密度分布の算
出過程と必要に応じて輻射エネルギー分布の算出過程に
組み込んでレーザ加工のシミュレーションを行う構成と
なっている。このレーザ加工の予測方法の具体的形態と
しては、被加工品が薄膜を有する被加工品であって、レ
ーザ照射が被加工品の薄膜部分に対しなされる形態が挙
げられるが、これに限らず、被加工品は非薄膜体のバル
ク材であってもよい。この発明におけるシミュレーショ
ンはもちろんコンピュータ演算を利用するものである。
【0009】エネルギー密度分布の算出結果だけでもシ
ミュレーションは可能であるが、エネルギー密度分布の
算出結果に加えて輻射エネルギー分布の算出結果も用い
ることで高精度のシミュレーションが期待できる。
ミュレーションは可能であるが、エネルギー密度分布の
算出結果に加えて輻射エネルギー分布の算出結果も用い
ることで高精度のシミュレーションが期待できる。
【0010】そして、前記の被加工品に対する適切なレ
ーザ加工を施すことのできる方法および装置を提供する
という後者の課題を解決するため、この発明にかかるレ
ーザ加工品の製造方法は、レーザ加工が施された製品を
得る方法において、前記レーザ加工の条件設定をシミュ
レーション手法によるレーザ加工の予測結果に基づいて
行うことを特徴としており、また、この発明にかかるレ
ーザ加工装置は、被加工品に対しレーザ加工を施すため
のレーザ照射手段と、前記レーザ加工の条件を設定する
加工条件設定手段とを備え、前記加工条件設定手段はシ
ミュレーション手法によるレーザ加工の予測結果に基づ
いてレーザ加工の条件設定が行えるようになっている構
成を特徴としている。
ーザ加工を施すことのできる方法および装置を提供する
という後者の課題を解決するため、この発明にかかるレ
ーザ加工品の製造方法は、レーザ加工が施された製品を
得る方法において、前記レーザ加工の条件設定をシミュ
レーション手法によるレーザ加工の予測結果に基づいて
行うことを特徴としており、また、この発明にかかるレ
ーザ加工装置は、被加工品に対しレーザ加工を施すため
のレーザ照射手段と、前記レーザ加工の条件を設定する
加工条件設定手段とを備え、前記加工条件設定手段はシ
ミュレーション手法によるレーザ加工の予測結果に基づ
いてレーザ加工の条件設定が行えるようになっている構
成を特徴としている。
【0011】以下、この発明をより詳しく説明する。ま
ず、この発明での必須要素のシミュレーション手法によ
るレーザ加工の予測を先に述べる。
ず、この発明での必須要素のシミュレーション手法によ
るレーザ加工の予測を先に述べる。
【0012】この発明では、図1にみるように、薄膜1
を有する被加工品2の薄膜部分に対しレーザ(波長λ、
出力P)3を照射して、照射部分を融解を経て、または
融解を経ないで蒸発除去させることにより行う加工をコ
ンピュータ演算を利用するシミュレーション手法により
加工前に予測することになる。なお、図1において、7
は集光レンズ系(開口数NA)であり、8はアパーチャ
である。
を有する被加工品2の薄膜部分に対しレーザ(波長λ、
出力P)3を照射して、照射部分を融解を経て、または
融解を経ないで蒸発除去させることにより行う加工をコ
ンピュータ演算を利用するシミュレーション手法により
加工前に予測することになる。なお、図1において、7
は集光レンズ系(開口数NA)であり、8はアパーチャ
である。
【0013】レーザ加工のシミュレーションには、薄膜
内におけるレーザ照射によるエネルギー密度分布EE(x,
y,z,t) と薄膜内での単位時間、単位面積当たりの輻射
エネルギー分布Ef(x,y,z,t) とをそれぞれ算出する必要
がある。
内におけるレーザ照射によるエネルギー密度分布EE(x,
y,z,t) と薄膜内での単位時間、単位面積当たりの輻射
エネルギー分布Ef(x,y,z,t) とをそれぞれ算出する必要
がある。
【0014】エネルギー密度分布EE(x,y,z,t) は、以下
のようにして算出することが出来る。
のようにして算出することが出来る。
【0015】図1の(a)に示すレーザ照射系の場合、
薄膜1の表面上の相対光強度分布I(x,y,t)は、下記の式
(1),(2)で与えられ、図で示すと図2の(a)よ
うな分布となる。
薄膜1の表面上の相対光強度分布I(x,y,t)は、下記の式
(1),(2)で与えられ、図で示すと図2の(a)よ
うな分布となる。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】ここで、J1(Ur):Urの一次第1種ベッセル
関数,λ:レーザの波長,NA:光学系開口数,x,
y:衝立面中心からのx,y方向距離、とする。
関数,λ:レーザの波長,NA:光学系開口数,x,
y:衝立面中心からのx,y方向距離、とする。
【0019】光学系および空間によるエネルギー損失は
無いものと見なし、薄膜表面の光エネルギー密度分布E
(x,y,t)は相対光強度分布I(x,y,t)に従うとすると、 ∫sE(x,y,t)ds= C∫sI(x,y,t)ds =P ・・(3) なる関係が成り立つ。
無いものと見なし、薄膜表面の光エネルギー密度分布E
(x,y,t)は相対光強度分布I(x,y,t)に従うとすると、 ∫sE(x,y,t)ds= C∫sI(x,y,t)ds =P ・・(3) なる関係が成り立つ。
【0020】ここで、S:薄膜上のレーザスポット面
積,C:単位面積当たりのエネルギーの単位を持つ定
数,P:出力パワー、とする。
積,C:単位面積当たりのエネルギーの単位を持つ定
数,P:出力パワー、とする。
【0021】また、IB=∫sI(x,y,t)ds /SなるIB
を定義すると、出力パワーPは、P=C・IB・Sで表
されることになる。ここで、C・IB=E0 と定義する
と、先の式から、E0 =P/Sとなり、このE0 は平均
パワー密度と定義されるものである。
を定義すると、出力パワーPは、P=C・IB・Sで表
されることになる。ここで、C・IB=E0 と定義する
と、先の式から、E0 =P/Sとなり、このE0 は平均
パワー密度と定義されるものである。
【0022】そして、実際の光エネルギー密度分布E(x,
y,t)と平均パワー密度E0 とを重ねて図示すると図3に
示すようになる。右上がり斜線部が光エネルギー密度分
布を示し、左上がり斜線部が平均パワー密度を示す。右
上がり斜線部の大きさ(面積)が∫sI(x,y,t)ds であ
り、右上がり斜線部の大きさ(面積)がE0 ・S=Pで
ある。
y,t)と平均パワー密度E0 とを重ねて図示すると図3に
示すようになる。右上がり斜線部が光エネルギー密度分
布を示し、左上がり斜線部が平均パワー密度を示す。右
上がり斜線部の大きさ(面積)が∫sI(x,y,t)ds であ
り、右上がり斜線部の大きさ(面積)がE0 ・S=Pで
ある。
【0023】一方、図1の(b)に示すアパーチュアの
ないレーザ照射系の場合、薄膜1の表面上の光エネルギ
ー密度分布E(x,y,t)は、シングルビームモードと仮定す
れば、下記の式(A)で与えられ、図示すると図2の
(b)の通りとなる。
ないレーザ照射系の場合、薄膜1の表面上の光エネルギ
ー密度分布E(x,y,t)は、シングルビームモードと仮定す
れば、下記の式(A)で与えられ、図示すると図2の
(b)の通りとなる。
【0024】 E(x,y,t)=I0 ・exp(−2r2 /r0 2 ) ・・・(A) 但し、I0 =2P/(πr0 2 ),r=(x2 +y2 )
1/2 である。
1/2 である。
【0025】ここで、I0 :最大エネルギー密度、P:
出力パワー、r0 :E=I0 /e2となる集光ビーム半
径とする。
出力パワー、r0 :E=I0 /e2となる集光ビーム半
径とする。
【0026】一方、薄膜1のレーザ加工過程では、薄膜
1に照射されたレーザは、まず、薄膜1の表面でその一
部が反射され、残りが薄膜1内に入射し、薄膜1内を通
過する間に吸収されて減衰しつつ、その一部が透過する
ことになる。
1に照射されたレーザは、まず、薄膜1の表面でその一
部が反射され、残りが薄膜1内に入射し、薄膜1内を通
過する間に吸収されて減衰しつつ、その一部が透過する
ことになる。
【0027】レーザの薄膜1表面での反射率をR、薄膜
1の透過率をTとすると、加工に寄与するレーザエネル
ギーEE(x,y,t) は、下記の式(4)で与えられる。
1の透過率をTとすると、加工に寄与するレーザエネル
ギーEE(x,y,t) は、下記の式(4)で与えられる。
【0028】 EE(x,y,t)=E(x,y,t)・(1−R−T) ・・(4) 薄膜1に入射したレーザが、その内部を通過する際、薄
膜表面における強度の1/eに減衰する深さを吸収長a
とすると、薄膜1表面から深さzにある位置での相対光
強度分布I(x,y,z,t)は、下記の式(5)で与えられる。
膜表面における強度の1/eに減衰する深さを吸収長a
とすると、薄膜1表面から深さzにある位置での相対光
強度分布I(x,y,z,t)は、下記の式(5)で与えられる。
【0029】I(x,y,z,t)=I(x,y,t)e-z/a ・・(5) 従って、エネルギー密度分布EE(x,y,z,t) は、下記の式
(6)で算出できることとなる。
(6)で算出できることとなる。
【0030】 EE(x,y,z,t) =EE(x,y,t) e-z/a ・・(6) なお、ここでは、加工進行に伴う薄膜表面の凹凸の変化
によるレーザの乱反射、薄膜の昇温,相変化によるレー
ザ光吸収率の変化、プラズマ発生によるレーザ光散乱,
吸収、薄膜の吸熱による変質、レーザ光発散角の影響等
の無視可能な要因は考慮していない。
によるレーザの乱反射、薄膜の昇温,相変化によるレー
ザ光吸収率の変化、プラズマ発生によるレーザ光散乱,
吸収、薄膜の吸熱による変質、レーザ光発散角の影響等
の無視可能な要因は考慮していない。
【0031】そして、薄膜内での単位時間、単位面積当
たりの輻射エネルギー分布Ef(x,y,z,t) の方は、以下の
ようにして算出できる。
たりの輻射エネルギー分布Ef(x,y,z,t) の方は、以下の
ようにして算出できる。
【0032】薄膜1と外界とのエネルギー授受は、主要
因たるレーザによるエネルギーの注入と薄膜1からの輻
射によるエネルギーの放出に絞り、無視可能な外界の空
気の対流は考慮していない。輻射については、用いた座
標方向(直交系)についてのみ取り扱った。薄膜1内の
適宜の位置の1方向1面からの単位時間、単位面積当た
りの輻射エネルギー、すなわち輻射エネルギー分布Ef
(x,y,z,t) は、下記の式(7)で算出できる。
因たるレーザによるエネルギーの注入と薄膜1からの輻
射によるエネルギーの放出に絞り、無視可能な外界の空
気の対流は考慮していない。輻射については、用いた座
標方向(直交系)についてのみ取り扱った。薄膜1内の
適宜の位置の1方向1面からの単位時間、単位面積当た
りの輻射エネルギー、すなわち輻射エネルギー分布Ef
(x,y,z,t) は、下記の式(7)で算出できる。
【0033】 Ef(x,y,z,t) =σ・ε・f(Tp4−To4) ・・(7) ここで、σ:ステファン・ボルツマン定数(5.67032×10
-8W/(m2 ・K 4) 、ε:輻射率、f:形態係数、Tp :
輻射元の温度、To :輻射先の温 度、とする。
-8W/(m2 ・K 4) 、ε:輻射率、f:形態係数、Tp :
輻射元の温度、To :輻射先の温 度、とする。
【0034】このようにして、薄膜内におけるレーザ照
射によるエネルギー密度分布EE(x,y,z,t) と薄膜内での
輻射エネルギー分布Ef(x,y,z,t) とがそれぞれ算出でき
れば、薄膜1内の適宜の位置での発熱量(エネルギー吸
収量)が求められる。薄膜1内の適宜の位置での単位時
間、単位体積当たり(微小部分)の発熱量、つまり、薄
膜1内の発熱量分布S(x,y,z,t)を下記の式(8)により
算出することができるのである。すなわち、 S(x,y,z,t)=EE(x,y,z,t) −(Efx +Efy +Efz) ・・(8) なる式に基づく算出を行うのである。
射によるエネルギー密度分布EE(x,y,z,t) と薄膜内での
輻射エネルギー分布Ef(x,y,z,t) とがそれぞれ算出でき
れば、薄膜1内の適宜の位置での発熱量(エネルギー吸
収量)が求められる。薄膜1内の適宜の位置での単位時
間、単位体積当たり(微小部分)の発熱量、つまり、薄
膜1内の発熱量分布S(x,y,z,t)を下記の式(8)により
算出することができるのである。すなわち、 S(x,y,z,t)=EE(x,y,z,t) −(Efx +Efy +Efz) ・・(8) なる式に基づく算出を行うのである。
【0035】ここで、Efx =Efx(x,y,z,t)、Efy =Efy
(x,y,z,t)、Efz =Efz(x,y,z,t)であり、それぞれ、
x,y,z方向における単位時間当たりの輻射エネルギ
ーなのである。
(x,y,z,t)、Efz =Efz(x,y,z,t)であり、それぞれ、
x,y,z方向における単位時間当たりの輻射エネルギ
ーなのである。
【0036】レーザの照射に伴い薄膜1内では発熱量分
布S(x,y,z,t)で算出された量の発熱が生じており、その
結果、図4にみるように、材料の昇温、溶融、蒸発など
が起こる。一方、薄膜1内の適宜の位置(微小部分)の
温度は、下記の式(9)で示すFourier の3次元非定常
熱伝導方程式により算出することが出来るので、薄膜1
内の適宜の位置での温度を算出し、続いて、その求めた
温度からその位置での材料の溶融あるいは蒸発を検知す
るようにする。
布S(x,y,z,t)で算出された量の発熱が生じており、その
結果、図4にみるように、材料の昇温、溶融、蒸発など
が起こる。一方、薄膜1内の適宜の位置(微小部分)の
温度は、下記の式(9)で示すFourier の3次元非定常
熱伝導方程式により算出することが出来るので、薄膜1
内の適宜の位置での温度を算出し、続いて、その求めた
温度からその位置での材料の溶融あるいは蒸発を検知す
るようにする。
【0037】
【化3】
【0038】この場合、融解潜熱分を考慮した融点を修
正融点θmc、気化潜熱分を考慮した沸点を修正沸点θvc
として、これら仮想の物理量(仮想温度Tc)を組み込
むことで算出を容易化することが出来る。すなわち、図
5に示すように、熱伝導計算としてはTを用い、相変化
に用いる仮想温度としてはTcを用いるのである。な
お、融解を経ないで昇華する物質の場合は融点すなわち
沸点だから修正融点θmcすなわち修正沸点θvcとなる。
正融点θmc、気化潜熱分を考慮した沸点を修正沸点θvc
として、これら仮想の物理量(仮想温度Tc)を組み込
むことで算出を容易化することが出来る。すなわち、図
5に示すように、熱伝導計算としてはTを用い、相変化
に用いる仮想温度としてはTcを用いるのである。な
お、融解を経ないで昇華する物質の場合は融点すなわち
沸点だから修正融点θmcすなわち修正沸点θvcとなる。
【0039】すなわち、θmc=θm +hm /C1とし、
θvc=θv +hv /C2とするのである。ここで、θm
:融点、hm :融解潜熱、C1:固相比熱、θv :融
点、hv :気化潜熱、C2:液相比熱とする。
θvc=θv +hv /C2とするのである。ここで、θm
:融点、hm :融解潜熱、C1:固相比熱、θv :融
点、hv :気化潜熱、C2:液相比熱とする。
【0040】Fourier の3次元非定常熱伝導方程式は、
例えば、コントロール・ボリューム法を用い、完全陰解
法(インプリシット法)の形で離散化し、計算スキーム
として線順法(line-by-line method) を用いるようにす
れば、算出は容易に行える。
例えば、コントロール・ボリューム法を用い、完全陰解
法(インプリシット法)の形で離散化し、計算スキーム
として線順法(line-by-line method) を用いるようにす
れば、算出は容易に行える。
【0041】レーザ加工の進行につれ薄膜1では相境界
の移動が起こるが、この相境界移動は、2次元の例で示
すと図6にみるように、薄膜1を長方形(正方形含む)
のセル(微小部分)に分割してセル毎に溶解・蒸発を考
えるセルリム−バルモデルを用いることで簡略化して捉
えるようにすることもできる。セルリム−バルモデルで
は、セル単位でエネルギーの授受、つまり発熱量を算出
し、溶融を経て蒸発現象をとる物質においては修正融点
θmcに達したセルは蒸発したものとして液相として扱
い、修正沸点θvcに達したセルは蒸発したものとして除
去操作を行う。なお、溶融と蒸発が同時に起こる昇華性
物質の場合は修正融点θmcに達したセルは、修正融点θ
mcが修正沸点θvcであるために蒸発したものとして除去
操作を行う。
の移動が起こるが、この相境界移動は、2次元の例で示
すと図6にみるように、薄膜1を長方形(正方形含む)
のセル(微小部分)に分割してセル毎に溶解・蒸発を考
えるセルリム−バルモデルを用いることで簡略化して捉
えるようにすることもできる。セルリム−バルモデルで
は、セル単位でエネルギーの授受、つまり発熱量を算出
し、溶融を経て蒸発現象をとる物質においては修正融点
θmcに達したセルは蒸発したものとして液相として扱
い、修正沸点θvcに達したセルは蒸発したものとして除
去操作を行う。なお、溶融と蒸発が同時に起こる昇華性
物質の場合は修正融点θmcに達したセルは、修正融点θ
mcが修正沸点θvcであるために蒸発したものとして除去
操作を行う。
【0042】完全陰解法の場合、セル毎に式(9)の方
程式が設定され(つまり、セルの数だけ方程式があ
る)、マトリックス演算で算出がなされる方式であり、
この完全陰解法では、Δtを粗くしても精度よい結果が
得られるため、演算に要する時間が短くて済む。
程式が設定され(つまり、セルの数だけ方程式があ
る)、マトリックス演算で算出がなされる方式であり、
この完全陰解法では、Δtを粗くしても精度よい結果が
得られるため、演算に要する時間が短くて済む。
【0043】なお、薄膜1の除去は、材料の吸熱による
蒸発のみを考慮し、熱応力の影響や薄膜から飛びだす粒
子の運動の影響、薄膜からのガス発生の影響等の除外可
能な因子については考慮していないが、ガス吹きつけ等
による液相除去手段を用いる場合のように他の除去因子
を算出過程に組み込むこともある。
蒸発のみを考慮し、熱応力の影響や薄膜から飛びだす粒
子の運動の影響、薄膜からのガス発生の影響等の除外可
能な因子については考慮していないが、ガス吹きつけ等
による液相除去手段を用いる場合のように他の除去因子
を算出過程に組み込むこともある。
【0044】そして、セルでの液相化やセルの除去は、
前述のエネルギー密度分布EE(x,y,z,t) と輻射エネルギ
ー分布Ef(x,y,z,t) の算出結果にフィードバックするよ
うにする。そのため、レーザ照射部分の時々刻々の変化
に追随した正確な算出がなされるため、シミュレーショ
ンは実際の加工結果によくマッチすることになる。セル
での固相から気相への変化は、例えば、(6)式のEE
(x,y,z,t) =EE(x,y,t) e-z/aではaの変更となり、
(7)式のEf(x,y,z,t) =σ・ε・f(Tp4−To4)で
は、εの変更となってフィードバックされる。
前述のエネルギー密度分布EE(x,y,z,t) と輻射エネルギ
ー分布Ef(x,y,z,t) の算出結果にフィードバックするよ
うにする。そのため、レーザ照射部分の時々刻々の変化
に追随した正確な算出がなされるため、シミュレーショ
ンは実際の加工結果によくマッチすることになる。セル
での固相から気相への変化は、例えば、(6)式のEE
(x,y,z,t) =EE(x,y,t) e-z/aではaの変更となり、
(7)式のEf(x,y,z,t) =σ・ε・f(Tp4−To4)で
は、εの変更となってフィードバックされる。
【0045】セルでの液相から気相への変化は、薄膜表
面位置の変更であるから、例えば、(6)式のEE(x,y,
z,t) =EE(x,y,t) e-z/a 、(7)式のEf(x,y,z,t)
=σ・ε・f(Tp4−To4)での深さ(z)の変更とな
ってフィードバックされる。
面位置の変更であるから、例えば、(6)式のEE(x,y,
z,t) =EE(x,y,t) e-z/a 、(7)式のEf(x,y,z,t)
=σ・ε・f(Tp4−To4)での深さ(z)の変更とな
ってフィードバックされる。
【0046】なお、式(9)においても、固相から液相
への変化は、式(9)の密度、比熱、熱伝導率の変化と
して組み込まれている。
への変化は、式(9)の密度、比熱、熱伝導率の変化と
して組み込まれている。
【0047】勿論、セルリム−バルモデルでなく、薄膜
1の表面から内部に向かう多数の線分を予め定めてお
き、各線分に沿って特定の点を定めておき、これらの点
について、温度を算出し、溶融あるいは蒸発除去を判定
し、相境界点を結ぶ境界より上は除去されているとする
ようにしてもよい。この場合、薄膜1の表面から内部に
向かう多数の線分を完全に予め決めずに相境界点を結ぶ
境界と垂直となる方向に線分が向かうように随時線分を
定めてゆくという方法でもよい。
1の表面から内部に向かう多数の線分を予め定めてお
き、各線分に沿って特定の点を定めておき、これらの点
について、温度を算出し、溶融あるいは蒸発除去を判定
し、相境界点を結ぶ境界より上は除去されているとする
ようにしてもよい。この場合、薄膜1の表面から内部に
向かう多数の線分を完全に予め決めずに相境界点を結ぶ
境界と垂直となる方向に線分が向かうように随時線分を
定めてゆくという方法でもよい。
【0048】表1にアルミニウムの相の変化と物性値の
変化を示す。
変化を示す。
【0049】
【表1】
【0050】アルミニウムの場合、密度は固相で約2.
6、 液相で約2.3であり、融点は933.5K、沸
点は2723Kである。
6、 液相で約2.3であり、融点は933.5K、沸
点は2723Kである。
【0051】このように算出される薄膜1での時々刻々
の温度変化、相変化、蒸発は、図7にみるように、通常
のコンピュータグラフィック技術を利用してモニタ(T
V)上に表示することができる。例えば、モニタ画面
が、レーザ加工の進行につれ図7の(a)→(b)→
(c)と変化することが目視できるようになり、レーザ
加工で薄膜1が削られていく様がシミュレーションで予
めよく理解できる。カラーモニタで温度の相違や相の相
違を色変化で付ければ、より分かり易いシミュレーショ
ンとなる。
の温度変化、相変化、蒸発は、図7にみるように、通常
のコンピュータグラフィック技術を利用してモニタ(T
V)上に表示することができる。例えば、モニタ画面
が、レーザ加工の進行につれ図7の(a)→(b)→
(c)と変化することが目視できるようになり、レーザ
加工で薄膜1が削られていく様がシミュレーションで予
めよく理解できる。カラーモニタで温度の相違や相の相
違を色変化で付ければ、より分かり易いシミュレーショ
ンとなる。
【0052】続いて、この発明のレーザ加工機(レーザ
加工装置)の一例について説明する。
加工装置)の一例について説明する。
【0053】図8のレーザ加工機20では、被加工品の
薄膜部分に対しレーザ加工を施すためのレーザ照射手段
21と、レーザ加工の条件を設定する加工条件設定手段
22とを備えている。
薄膜部分に対しレーザ加工を施すためのレーザ照射手段
21と、レーザ加工の条件を設定する加工条件設定手段
22とを備えている。
【0054】レーザ照射手段21では、励起ランプ31
の励起でYAGロッド32に生じたレーザ3はベンドミ
ラー33で90度の方向に反射されたあと、集光レンズ
系7で細く絞られてから薄膜1の表面に照射される。ま
た、薄膜1の表面はTVカメラ36によりモニタ37の
画面に拡大表示できるようにもなっている。なお、発光
部は冷却手段38で冷却し過熱状態にならないようにし
てある。
の励起でYAGロッド32に生じたレーザ3はベンドミ
ラー33で90度の方向に反射されたあと、集光レンズ
系7で細く絞られてから薄膜1の表面に照射される。ま
た、薄膜1の表面はTVカメラ36によりモニタ37の
画面に拡大表示できるようにもなっている。なお、発光
部は冷却手段38で冷却し過熱状態にならないようにし
てある。
【0055】レーザ加工の条件を設定する加工条件設定
手段22では、加工条件を操作キー等で設定することが
できるようになっており、この設定により励起ランプ3
1用の電源39などが適切にコントロールされることに
なる。
手段22では、加工条件を操作キー等で設定することが
できるようになっており、この設定により励起ランプ3
1用の電源39などが適切にコントロールされることに
なる。
【0056】この発明におけるシミュレーションからレ
ーザ加工終了までの流れの一例を、図9に示す。
ーザ加工終了までの流れの一例を、図9に示す。
【0057】シミュレーションの前提条件を決め、シミ
ュレーション結果を検討し、使用するレーザ加工装置お
よび加工条件を決定する。そして、この決定に従って選
んだレーザ加工装置を用い決定した加工条件に従って薄
膜の加工を行う。
ュレーション結果を検討し、使用するレーザ加工装置お
よび加工条件を決定する。そして、この決定に従って選
んだレーザ加工装置を用い決定した加工条件に従って薄
膜の加工を行う。
【0058】なお、シミュレーションの前提条件の決
定、さらには、シミュレーション結果の検討、あるい
は、使用するレーザ加工装置および加工条件の決定は人
間が行う場合もあれば、AI(人工知能)等を搭載した
コンピュータにて行う場合もあり、後者の場合、コンピ
ュータを含む制御系または他のコンピュータにて、加工
に用いるレーザ加工装置の加工条件設定手段22をシミ
ュレーション結果に基づいて制御することになる。
定、さらには、シミュレーション結果の検討、あるい
は、使用するレーザ加工装置および加工条件の決定は人
間が行う場合もあれば、AI(人工知能)等を搭載した
コンピュータにて行う場合もあり、後者の場合、コンピ
ュータを含む制御系または他のコンピュータにて、加工
に用いるレーザ加工装置の加工条件設定手段22をシミ
ュレーション結果に基づいて制御することになる。
【0059】レーザ加工装置の決定は、シミュレーショ
ン結果から、レーザの種類、すなわち波長(YAGレー
ザ、CO2 レーザ)、最大出力、パルス幅、尖頭値、走
査速度など考慮して行う。レーザ加工装置が決まると、
照射パワー、周波数、フォーカス径などの加工条件の設
定を行う。勿論、レーザ加工装置自体が、レーザの種
類、最大出力、パルス幅、尖頭値、走査速度の一つまた
は複数の設定も可能であれば、勿論、これらをも加工条
件とすることができる。
ン結果から、レーザの種類、すなわち波長(YAGレー
ザ、CO2 レーザ)、最大出力、パルス幅、尖頭値、走
査速度など考慮して行う。レーザ加工装置が決まると、
照射パワー、周波数、フォーカス径などの加工条件の設
定を行う。勿論、レーザ加工装置自体が、レーザの種
類、最大出力、パルス幅、尖頭値、走査速度の一つまた
は複数の設定も可能であれば、勿論、これらをも加工条
件とすることができる。
【0060】この発明は上記に限らない。被加工品が薄
膜でなくバルク材であってもよい。被加工品の材質も半
導体の他に例えば金属であってもよい。
膜でなくバルク材であってもよい。被加工品の材質も半
導体の他に例えば金属であってもよい。
【0061】上記の場合、算出過程で無視可能な因子は
除去したりしたが、条件によっては適宜に算出過程に補
正ファクターとして組み込み正確を期するようにしても
よい。
除去したりしたが、条件によっては適宜に算出過程に補
正ファクターとして組み込み正確を期するようにしても
よい。
【0062】
【作用】この発明のレーザ加工の予測方法の場合、時々
刻々の微小部分の融解または蒸発除去の検知結果を演算
にフィードバックしているため、実際とよくマッチした
シミュレーションが行える。
刻々の微小部分の融解または蒸発除去の検知結果を演算
にフィードバックしているため、実際とよくマッチした
シミュレーションが行える。
【0063】この発明のレーザ加工品の製造方法および
レーザ加工機では、レーザ加工の条件設定をシミュレー
ション手法によるレーザ加工の予測結果に基づいて行う
ため、適切なレーザ加工が施された製品を得ることがで
きる。
レーザ加工機では、レーザ加工の条件設定をシミュレー
ション手法によるレーザ加工の予測結果に基づいて行う
ため、適切なレーザ加工が施された製品を得ることがで
きる。
【0064】
【実施例】続いて、実施例を説明する。
【0065】実施例のシミュレーションでは、ガラス基
板上に設けた厚み約40μmのCdS焼結膜に対してレ
ーザ加工を行った。CdSは固体から直接気体となる、
つまり融解せずに昇華する物質である。
板上に設けた厚み約40μmのCdS焼結膜に対してレ
ーザ加工を行った。CdSは固体から直接気体となる、
つまり融解せずに昇華する物質である。
【0066】CdSの場合、密度:4820〔kg/m
2 〕、熱伝導率15.9(W・m-1・K-1)、真の昇華
点:1253.2〔K〕、昇華潜熱:1487.9〔K
J・Kg-1〕、固相比熱:0.337〔KJ・Kg-1・
K-1〕、修正融点:1487.9÷0.337+125
3.2=5668.3〔K〕となる。
2 〕、熱伝導率15.9(W・m-1・K-1)、真の昇華
点:1253.2〔K〕、昇華潜熱:1487.9〔K
J・Kg-1〕、固相比熱:0.337〔KJ・Kg-1・
K-1〕、修正融点:1487.9÷0.337+125
3.2=5668.3〔K〕となる。
【0067】シミュレーションで想定したレーザ加工機
の性能は、下記のとおりである。 レーザの種類:YAGレーザ(波長1.06μm)、発
振モードTEM00、集束レンズの焦点距離:25mm、 Qスイッチ 繰り返し周波数 平均出力 パルス幅 尖頭出力 (kHz) (W) (ns) (KW) 1 3.5 120 29.1 3 7.5 160 15.6 5 9.0 190 9.4 レーザ照射後のCdS焼結膜での瞬間の温度分布を図1
0に示す。図10の(a)は照射中心から所定距離にあ
る位置での深さと温度の関係を示し、図10の(b)は
ある深さでの照射中心からの距離と温度の関係を示す。
の性能は、下記のとおりである。 レーザの種類:YAGレーザ(波長1.06μm)、発
振モードTEM00、集束レンズの焦点距離:25mm、 Qスイッチ 繰り返し周波数 平均出力 パルス幅 尖頭出力 (kHz) (W) (ns) (KW) 1 3.5 120 29.1 3 7.5 160 15.6 5 9.0 190 9.4 レーザ照射後のCdS焼結膜での瞬間の温度分布を図1
0に示す。図10の(a)は照射中心から所定距離にあ
る位置での深さと温度の関係を示し、図10の(b)は
ある深さでの照射中心からの距離と温度の関係を示す。
【0068】図7はコンピュータグラフィックによる加
工経過のモニタ画面を示しており、図7の(a)が照射
開始から1msec後の状態、図7の(b)が照射開始
から3msec後の状態、図7の(c)が照射開始から
5msec後の状態を示す。
工経過のモニタ画面を示しており、図7の(a)が照射
開始から1msec後の状態、図7の(b)が照射開始
から3msec後の状態、図7の(c)が照射開始から
5msec後の状態を示す。
【0069】CdS焼結膜の場合には、ビームスポット
センタ部の膜表面と裏面では約600Kの温度差が認め
られ、深さ方向に指数関数的な変化を呈している。これ
に対して、ビームスポットセンターから半径30μmの
位置では、前記の温度差は数十K程度であり、深さ方向
には、ほぼ均一な温度となっている。また、同様にビー
ムスポットのセンターから半径方向への温度分布は、そ
の途中に偏曲点を有する光強度分布に類似していた。
センタ部の膜表面と裏面では約600Kの温度差が認め
られ、深さ方向に指数関数的な変化を呈している。これ
に対して、ビームスポットセンターから半径30μmの
位置では、前記の温度差は数十K程度であり、深さ方向
には、ほぼ均一な温度となっている。また、同様にビー
ムスポットのセンターから半径方向への温度分布は、そ
の途中に偏曲点を有する光強度分布に類似していた。
【0070】なお、CdS焼結膜の加工形状および熱ダ
メージ域は、ビームスポットセンターを中心に概略光強
度分布に強い相関をもった形で刻々進行していることが
認められた。
メージ域は、ビームスポットセンターを中心に概略光強
度分布に強い相関をもった形で刻々進行していることが
認められた。
【0071】Qスイッチ繰り返し周波数5Hzであって、
直径約20μm、レーザパワー0.5W、レーザ走査速
度50mm/Sの場合について、レーザ加工を実際に行
った。
直径約20μm、レーザパワー0.5W、レーザ走査速
度50mm/Sの場合について、レーザ加工を実際に行
った。
【0072】図11にシミュレーションによる加工結果
を、図12に実際の加工結果を示す。両者はよく一致し
ており、この発明のシミュレーション手法により正確な
加工結果の予測が行えることがよく分かる。
を、図12に実際の加工結果を示す。両者はよく一致し
ており、この発明のシミュレーション手法により正確な
加工結果の予測が行えることがよく分かる。
【0073】
【発明の効果】この発明のレーザ加工の予測方法の場
合、時々刻々の微小部分の融解または蒸発除去の検知結
果を演算にフィードバックしているため、実際とよくマ
ッチしたシミュレーションが行え、この結果に基づき、
非常に適切なレーザ加工が施された製品を得ることがで
きるから、この発明は非常に有用であるということが出
来る。
合、時々刻々の微小部分の融解または蒸発除去の検知結
果を演算にフィードバックしているため、実際とよくマ
ッチしたシミュレーションが行え、この結果に基づき、
非常に適切なレーザ加工が施された製品を得ることがで
きるから、この発明は非常に有用であるということが出
来る。
【0074】この発明のレーザ加工品の製造方法および
レーザ加工装置では、レーザ加工の条件設定をシミュレ
ーション手法によるレーザ加工の予測結果に基づいて行
うため、適切なレーザ加工が施された製品を得ることが
できるため、非常に有用である。
レーザ加工装置では、レーザ加工の条件設定をシミュレ
ーション手法によるレーザ加工の予測結果に基づいて行
うため、適切なレーザ加工が施された製品を得ることが
できるため、非常に有用である。
【図1】この発明におけるレーザ照射の様子をあらわす
説明図。
説明図。
【図2】被加工品の表面での相対光強度分布I(x,y,t)お
よびエネルギー密度を示すグラフ。
よびエネルギー密度を示すグラフ。
【図3】光エネルギー密度分布と平均パワー密度をあら
わす特性曲線図。
わす特性曲線図。
【図4】レーザ照射後の被加工品の概略温度変化をあら
わす特性曲線図。
わす特性曲線図。
【図5】この発明で利用する修正融点と修正沸点を示す
特性曲線図。
特性曲線図。
【図6】この発明で利用するセルリム−バルモデルを示
す説明図。
す説明図。
【図7】シミュレーション結果を示すモニタ画面例を示
す説明図。
す説明図。
【図8】この発明のレーザ加工機の要部構成例を示す説
明図。
明図。
【図9】この発明のレーザ加工方法による加工進行の流
れを示すフローチャート。
れを示すフローチャート。
【図10】実施例での薄膜の温度状態を示す特性曲線図。
【図11】実施例でのシミュレーション結果を示すモニタ
画面の説明図。
画面の説明図。
【図12】実施例でのレーザ加工後の薄膜の断面図。
1 薄膜 2 被加工品 3 レーザ(レーザビーム) 7 集光レンズ系
Claims (6)
- 【請求項1】 被加工品に対しレーザを照射して、照射
部分を融解を経て、または融解を経ないで蒸発除去させ
ることにより行う加工をシミュレーション手法により予
測する方法であって、被加工品内におけるレーザ照射に
よるエネルギー密度分布と必要に応じて被加工品内での
輻射エネルギー分布とを算出し、前記エネルギー密度分
布の算出結果または前記両算出結果に基づいて被加工品
における微小部分での発熱量を算出して、この発熱量の
算出結果を用いて微小部分の融解または蒸発除去を検知
するとともに、この微小部分の融解または蒸発除去の検
知結果を前記エネルギー密度分布の算出過程と必要に応
じて輻射エネルギー分布の算出過程に組み込んでレーザ
加工のシミュレーションを行うことを特徴とするレーザ
加工の予測方法。 - 【請求項2】 被加工品が薄膜を有する被加工品であっ
て、レーザ照射が被加工品の薄膜部分に対しなされる請
求項1記載のレーザ加工の予測方法。 - 【請求項3】 レーザ加工が施された製品を得る方法に
おいて、前記レーザ加工の条件設定をシミュレーション
手法によるレーザ加工の予測結果に基づいて行うことを
特徴とするレーザ加工品の製造方法。 - 【請求項4】 シミュレーション手法によるレーザ加工
の予測結果が請求項1または2記載のレーザ加工の予測
方法により得られたものである請求項3記載のレーザ加
工品の製造方法。 - 【請求項5】 被加工品に対しレーザ加工を施すための
レーザ照射手段と、前記レーザ加工の条件を設定する加
工条件設定手段とを備えたレーザ加工装置において、前
記加工条件設定手段はシミュレーション手法によるレー
ザ加工の予測結果に基づいてレーザ加工の条件設定が行
えるようになっていることを特徴とするレーザ加工装
置。 - 【請求項6】 シミュレション手法によるレーザ加工の
予測結果が請求項1または2記載のレーザ加工の予測方
法により得られるようになっているものである請求項5
記載のレーザ加工装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5080505A JPH06285654A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | レーザ加工の予測方法、レーザ加工品の製造方法、およびレーザ加工装置 |
| KR1019940007131A KR0132133B1 (ko) | 1993-04-07 | 1994-04-06 | 레이저가공의 예측방법 및 레이저가공 장치 |
| CN94104118A CN1070097C (zh) | 1993-04-07 | 1994-04-07 | 激光加工预测方法、激光加工品制造方法及激光加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5080505A JPH06285654A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | レーザ加工の予測方法、レーザ加工品の製造方法、およびレーザ加工装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06285654A true JPH06285654A (ja) | 1994-10-11 |
Family
ID=13720177
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5080505A Pending JPH06285654A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | レーザ加工の予測方法、レーザ加工品の製造方法、およびレーザ加工装置 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06285654A (ja) |
| KR (1) | KR0132133B1 (ja) |
| CN (1) | CN1070097C (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003080283A1 (en) * | 2002-03-26 | 2003-10-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Laser beam positioning device for laser machining, apparatus |
| WO2005037482A1 (ja) * | 2003-10-16 | 2005-04-28 | Olympus Corporation | 超短パルスレーザ加工方法 |
| JP2021511217A (ja) * | 2018-01-26 | 2021-05-06 | レーザー エンジニアリング アプリケーションズ | レーザー加工をシミュレートするための方法および該方法を使用するレーザー加工装置 |
| CN114781206A (zh) * | 2022-03-29 | 2022-07-22 | 哈尔滨工业大学 | 纳秒激光作用致杂散光吸收功能薄膜损伤的仿真方法 |
| JP2023003203A (ja) * | 2021-06-23 | 2023-01-11 | 株式会社ディスコ | レーザー加工装置 |
| JP2023008405A (ja) * | 2021-07-06 | 2023-01-19 | 日本電信電話株式会社 | 表面状態推定方法 |
| WO2025203603A1 (ja) * | 2024-03-29 | 2025-10-02 | Ntt株式会社 | 物質除去厚推定方法 |
| WO2025203592A1 (ja) * | 2024-03-29 | 2025-10-02 | Ntt株式会社 | 物質除去厚推定方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011061140A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Hitachi High-Technologies Corp | 膜除去検査装置及び膜除去検査方法並びに太陽電池パネル生産ライン及び太陽電池パネル生産方法 |
| KR102379823B1 (ko) | 2015-10-23 | 2022-03-30 | 삼성전자주식회사 | 공기조화시스템 |
-
1993
- 1993-04-07 JP JP5080505A patent/JPH06285654A/ja active Pending
-
1994
- 1994-04-06 KR KR1019940007131A patent/KR0132133B1/ko not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003080283A1 (en) * | 2002-03-26 | 2003-10-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Laser beam positioning device for laser machining, apparatus |
| US7006237B2 (en) | 2002-03-26 | 2006-02-28 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Laser beam positioning device for laser processing equipment |
| WO2005037482A1 (ja) * | 2003-10-16 | 2005-04-28 | Olympus Corporation | 超短パルスレーザ加工方法 |
| JP2021511217A (ja) * | 2018-01-26 | 2021-05-06 | レーザー エンジニアリング アプリケーションズ | レーザー加工をシミュレートするための方法および該方法を使用するレーザー加工装置 |
| JP2023003203A (ja) * | 2021-06-23 | 2023-01-11 | 株式会社ディスコ | レーザー加工装置 |
| JP2023008405A (ja) * | 2021-07-06 | 2023-01-19 | 日本電信電話株式会社 | 表面状態推定方法 |
| CN114781206A (zh) * | 2022-03-29 | 2022-07-22 | 哈尔滨工业大学 | 纳秒激光作用致杂散光吸收功能薄膜损伤的仿真方法 |
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| WO2025203592A1 (ja) * | 2024-03-29 | 2025-10-02 | Ntt株式会社 | 物質除去厚推定方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| CN1070097C (zh) | 2001-08-29 |
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| KR0132133B1 (ko) | 1998-04-17 |
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