JPH06293226A - 車輪の動力配分制御装置 - Google Patents

車輪の動力配分制御装置

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JPH06293226A
JPH06293226A JP10498493A JP10498493A JPH06293226A JP H06293226 A JPH06293226 A JP H06293226A JP 10498493 A JP10498493 A JP 10498493A JP 10498493 A JP10498493 A JP 10498493A JP H06293226 A JPH06293226 A JP H06293226A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遊星歯車を支持するキヤリヤを、走行条件に
対応して強制的に回転制御することにより、各車輪にス
リツプが生じない、円滑な旋回走行を得る。 【構成】 左右の後車軸30に結合した1対の太陽歯車
32と、機関2により駆動される1対のリング歯車35
aとの間に、それぞれ遊星歯車28を噛み合せる。各遊
星歯車28を支持する1対のキヤリヤ31に油圧モータ
25を結合する。ヨーセンサ13により検出した実ヨー
レートと、舵角と各輪の回転数と荷重から求めた規範ヨ
ーレートとの偏差をなくすように、油圧モータ25の回
転数を各別に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は左右の駆動輪に適正な動
力を配分することにより、車両の旋回走行時の運動性能
を向上する車輪の動力配分制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両が旋回走行する場合に、各輪の旋回
半径および回転速度(回転数)が異なるので、左右の駆
動輪に適正な動力が伝達されないと、円滑な旋回走行が
妨げられ、駆動輪にスリツプが生じる。
【0003】特開平3-208730号公報に開示される車輪の
動力配分制御装置では、湿式多板クラツチにより機関の
動力を各駆動輪へ各別に伝達する場合に、機関から駆動
輪へ伝達される駆動トルクが湿式多板クラツチが伝達し
得るトルクよりも小さいと、湿式多板クラツチは滑らな
くなり、内輪(旋回方向内側の車輪)の実回転数は目標
とする旋回半径に対応する理想回転数ないし必要回転数
よりも大きくなり、内輪はスリツプする。また、外輪
(旋回方向外側の車輪)の実回転数は目標とする旋回半
径に対応する必要回転数よりも小さくなり、外輪は逆方
向にスリツプし、大きな制動力を発生し、結果として車
両の操向特性はアンダステア気味になる。
【0004】特開平4-5128号公報に開示される差動制限
制御装置でも、機関から駆動輪へ伝達されるトルクが、
湿式多板クラツチが伝達し得るトルクよりも大きくない
限り、車両の操向特性はアンダステア気味になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
問題に鑑み、遊星歯車を支持するキヤリヤを、走行条件
に対応して強制的に回転制御することにより、駆動輪に
スリツプが生じない、円滑な安定した旋回走行を得る、
車輪の動力配分制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成は左右の車軸に結合した1対の太陽歯
車と機関により駆動される1対のリング歯車との間にそ
れぞれ遊星歯車を噛み合せ、各遊星歯車を支持する1対
のキヤリヤにモータを結合し、ヨーセンサにより検出し
た実ヨーレートと、舵角と各車輪の回転数と車輪荷重と
から求めたヨーレートとの偏差をなくすように、前記モ
ータの回転数を各別に制御するものである。
【0007】
【作用】機関の動力は左右1対のリング歯車へ伝達さ
れ、1対のリング歯車の回転は1対の遊星歯車を経て、
左右の駆動輪の車軸の太陽歯車へ各別に伝達される。遊
星歯車を支持する1対のキヤリヤの回転数は、旋回走行
条件に対応してモータ(油圧モータ、電動機など)によ
り制御される。即ち、ヨーセンサにより検出した実ヨー
レートと旋回走行条件に基づき求めた規範ヨーレートと
の偏差をなくすように、左右1対のキヤリヤの回転数を
モータにより各別に制御する。これにより、各駆動輪が
スリツプしない、円滑な安定した旋回走行が得られる。
【0008】
【実施例】図1は本発明に係る車輪の動力配分制御装置
の概略構成を示す平面図、図2は同動力配分制御装置の
油圧回路図である。図示の実施例では、機関2の動力は
後輪26の車軸30へ伝達される。即ち、機関2と一体
の変速機の出力軸に結合した歯車3は、軸5の歯車4に
噛み合され、軸5の傘歯車6は推進軸10の傘歯車7に
噛み合される。
【0009】推進軸10の後端の傘歯車15は傘歯車3
5に噛み合される。傘歯車35と一体に形成した左右1
対のリング歯車35aは、それぞれ遊星歯車28を介し
左右の後車軸30の太陽歯車32に噛み合される。各遊
星歯車28を軸33により各別に支持する1対のキヤリ
ヤ31は傘歯車31aを備えている。各傘歯車31aは
油圧モータ25により駆動される傘歯車27に噛み合さ
れる。
【0010】各油圧モータ25は油圧ポンプ14から圧
油を電磁油量制御弁24を経て供給され、油量に対応し
て傘歯車27の回転数を制御する。電磁油量制御弁24
の励磁電流はマイクロコンピユータからなる電子制御装
置12の出力により制御される。
【0011】各輪23,26にそれぞれ回転数センサ1
6が配設され、前後軸21,30と車体との間に、相対
車高を検出する車高センサ22が配設される。車高セン
サの代りに、各輪23,26の荷重を直接検出する荷重
センサを備えるのが好ましい。ハンドル9に舵角センサ
8が配設される。回転数センサ16,車高センサ22,
舵角センサ8の各信号は電子制御装置12へ入力され
る。
【0012】図2に示すように、油圧ポンプ14は油槽
47から油をフイルタ46を経て吸い込み、逆止弁4
3、電磁切換弁44を経て油圧モータ25へ供給し、電
磁切換弁44、電磁油量制御弁24を経て油槽47へ戻
す。逃し弁45は油圧ポンプ14の吐出油圧が所定値を
超えると開いて油槽47へ逃し、油圧モータ25へ供給
される油圧をほぼ一定に保つ。油圧モータ25は電磁切
換弁44の動作に伴い逆転可能であり、油圧モータ25
の入口の油圧が過大になつた時は、逃し弁41または4
2が開いて油圧モータ25の過負荷状態を防止する。
【0013】図1に示すように、機関2により駆動され
る推進軸10の回転は、傘歯車15,35を経て1対の
リング歯車35aへ伝達され、さらに自転と公転を伴う
遊星歯車28、太陽歯車32、後車軸30を経て後輪2
6へ伝達される。車両の旋回走行時、電子制御装置12
は舵角と各輪23,26の荷重と各輪23,26の回転
数に基づき電磁油量制御弁24を駆動し、1対の油圧モ
ータ25により左右のキヤリヤ31の回転数を各別に制
御する。
【0014】車両の旋回走行時、車体に働く力は駆動輪
即ち後輪26に働く力であり、駆動輪の内輪に働く力は
ヨーレートを減じるようなヨーモーメントになり、外輪
に働く力は内輪と逆のヨーモーメントになる。
【0015】 Iy*dγr /dt=LF (FyFL +FyFR )−LR (FyRL +FyRR ) +TR (FxRR −FxRL )/2 m・g1 =FyFL +FyFR +FyRL +FyRR ……(1) ただし、γr :実ヨーレート(角速度R/sec ) FxRL ,FxRR :前推力 FyFL 〜FyRR :各車輪の横力 g1 :横加速度 Iy :車体のヨー慣性モーメント LF ,LR :車体重心と前・後軸との間隔 m:車体質量 TR :後輪のトレツド 左右の後輪、即ち内外輪が車体へ与えるヨーモーメント
ΔMin,ΔMout は、次の式で表される。
【0016】 ΔMin=−LR FyRL −TR FxRL /2 ΔMout =−LR FyRR +TR FxRR /2 ……(2) 車両の旋回走行時内外輪の発生する力は、前推力Fx と
横力Fy であり、前推力Fx と横力Fy は内外輪のスリ
ツプ率Sにより変化する。前推力Fx と横力Fy は車輪
荷重Fz で徐すことにより一般化できる。車体へ与える
ヨーモーメントΔMは前推力Fx と横力Fy に起因する
と考えると、スリツプ率Sがある値以下では、ヨーモー
メントΔMはスリツプ率Sの増加につれて比例的に増加
するとみてよい。
【0017】つまり、現在の左右の後輪26のスリツプ
率So の範囲を0.2〜0.3に抑えれば、内外輪が車
体に及ぼすヨーモーメントΔMを線形化でき、内外輪の
ヨーモーメントΔMin,ΔMout は次のように表すこと
ができる。
【0018】 ΔMin=aS+b, ΔMout =cS+d ……(3) ただし、a〜d:係数 S:スリツプ率 車両の旋回走行時、内外輪のヨーモーメントΔMin,Δ
Mout と車輪荷重Fzの積から、車体に発生するヨーレ
ートの変化量を求めることができる。外輪の荷重が内輪
の荷重よりも非常に大きくなるので、外輪だけの回転数
を制御し、外輪だけの制御ではヨーレートの偏差を小さ
くできない場合は、内輪の回転数をも制御する。
【0019】本発明では各輪23,26の回転数センサ
16、各輪23,26の車高センサ(または荷重セン
サ)22、舵角センサ8の各検出値から規範ヨーレート
γm を求め、ヨーレートセンサ13から検出した実ヨー
レートγr との偏差Δγをなくすように油圧モータ25
の回転数を制御し、機関2から左右の内外輪へ伝達され
るトルクを適正に配分する。
【0020】規範ヨーレートγm は舵角入力δの1次遅
れ系とすれば次の式が成り立つ。
【0021】 γm =G・δ/(1+sT) ……(4) ただし、γm :規範ヨーレート δ:舵角 G:ゲイン s:ラプラス演算子 T:時定数 規範ヨーレートγm とヨーレートセンサ13から検出し
た実ヨーレートγr との差Δγを0にするためにヨーレ
ートを変化させるに必要なヨーモーメントΔMを求め
る。
【0022】 Δγ=γm −γr ……(5) ΔM=Iy*Δγ ……(6) 各輪23,26の荷重変化量ΔFzRL 〜ΔFzRR は、車
体のロール角Δφ、ピツチ角Δθから次の式で与えら
れ、初期荷重FzoFL〜FzoRRと荷重変化量ΔFzFL 〜Δ
FzRR の和が各輪23,26の荷重FzFL 〜FzRR にな
る。
【0023】 Δφ=(ΔZFL−ΔZFR)/TF +(ΔZRL−ΔZRR)/TR Δθ={(ΔZFL+ΔZFR)−(ΔZRL+ΔZRR)}/(LF +LR ) ……(7) ΔFzFL =KF(−LF Δθ/2−TF Δφ/2) ΔFzFR =KF(−LF Δθ/2+TF Δφ/2) ΔFzRL =KR(LR Δθ/2−TR Δφ/2) ΔFzRR =KR(LR Δθ/2+TR Δφ/2) ……(8) FzFL =FzoFL+ΔFzFL FzFR =FzoFR+ΔFzFR FzRL =FzoRL+ΔFzRL FzRR =FzoRR+ΔFzRR ……(9) ただし、Δφ:ロール角 Δθ:ピツチ角 ΔFzFL 〜ΔFzRR :荷重変化量 FzFL 〜FzRR :車輪荷重 FzoFL〜FzoRR:初期荷重 KF,KR:ばね定数 TF :前輪のトレツド ΔZFL〜ΔZRR:車高変位量 各輪23,26の荷重FzFL 〜FzRR と現在のスリツプ
率SoRL ,SoRR から、ヨーレートを変化させるに必要
なヨーモーメントΔMを求め、線形化したS−M線図
(スリツプ率SとヨーモーメントΔMの関係を表す線
図)により、ヨーレートを変化させるに必要なスリツプ
率SRL,SRRを求める。
【0024】例えば左旋回走行の場合は、現在の左後輪
のスリツプ率SoRL は、前輪23の回転数の平均値を車
速とすれば次の式で与えられる。
【0025】 SoRL ={(VFL+VFR)/2−VRL}/VRL ……(10) SRL=(SoRL −b)/a ……(11) ただし、SoRL :現在のスリツブ率 SRL:ヨーレートを変化させるに必要なスリツブ率 VFL〜VRR:各輪の回転数 ここで、必要とするヨーモーメントΔMの線形性は、ス
リツプ率Sが0.3程度までであるので、これをしきい
値SL とし、求めたスリツプ率SRLがしきい値SL より
も小さい場合は、上記スリツプ率SRLを得るように、電
磁油量制御弁24の制御電流を制御し、油圧モータ25
による遊星歯車28の回転数NRLを制御する。
【0026】スリツプ率SRLがしきい値SL よりも大き
い場合は、スリツプ率SRLをしきい値SL (0.3〜
0.4の値)に設定し、内輪のスリツプ率を同様にして
求めた後、内輪におけるしきい値SM を設定し、油圧モ
ータ25の回転数NRRを求め、内輪を駆動する。この場
合、ヨーレートを変化させるに必要なヨーモーメントΔ
Mから外輪で得られたヨーモーメントΔMout を引き、
上述の外輪の場合と同様の方法で内輪のスリツプ率SRR
を求める。
【0027】図3,4は上述の制御をマイクロコンピユ
ータからなる電子制御装置により実行する制御プログラ
ムの流れ図である。本制御プログラムは所定時間ごとに
繰り返し実行する。p11で制御プログラムを開始し、p
12で舵角δから規範ヨーレートγm を求め、p13で実ヨ
ーレートγr と規範ヨーレートγm の差Δγを求める。
p14でヨーレートを変化させるに必要なヨーモーメント
ΔMを求める。p15で左舵か否かを判別し、左舵でない
場合は図4に示すp36へ進む。
【0028】p15で左舵の場合は、p16で右後輪荷重F
zRR を求め、p17で右後輪荷重で徐した、ヨーレートを
変化させるに必要なヨーモーメントΔMzRR を求め、p
18で現在の右後輪のスリツプ率SoRR を求め、p19でヨ
ーレートを変化させるに必要な右後輪のスリツプ率SRR
を求め、p20でヨーレートを変化させるに必要な右後輪
のスリツプ率SRRがしきい値SL よりも大か否かを判別
し、ヨーレートを変化させるに必要な右後輪のスリツプ
率SRRがしきい値SL よりも小の場合は、p21で遊星歯
車の回転数NRRを求め、p28へ進む。
【0029】p20でヨーレートを変化させるに必要な右
後輪のスリツプ率SRRがしきい値SL よりも大の場合
は、p22で左後輪の荷重FzRL を求め、p23で後輪荷重
で徐した、ヨーレートを変化させるに必要なモーメント
ΔMz'RLを求め、p24で現在の左後輪のスリツプ率SoR
L を求め、p25でヨーレートを変化させるに必要な左後
輪のスリツプ率S'RL を求め、p26でヨーレートを変化
させるに必要な左後輪のスリツプ率S'RL がしきい値S
M よりも大か否かを判別し、ヨーレートを変化させるに
必要な左後輪のスリツプ率S'RL がしきい値SM よりも
小の場合はp28へ進む。
【0030】p26でヨーレートを変化させるに必要な左
後輪のスリツプ率S'RL がしきい値SM よりも大の場合
は、左後輪のスリツプ率S'RL をしきい値SM とし、p
28で各油量制御弁24の電流を求め、油圧モータ25を
駆動し、p26で終了する。
【0031】
【発明の効果】本発明は上述のように、左右の車軸に結
合した1対の太陽歯車と機関により駆動される1対のリ
ング歯車との間にそれぞれ遊星歯車を噛み合せ、各遊星
歯車を支持する1対のキヤリヤにモータを結合し、ヨー
センサにより検出した実ヨーレートと、舵角と各車輪の
回転数と車輪荷重とから求めたヨーレートとの偏差をな
くすように、前記モータの回転数を各別に制御するもの
であり、遊星歯車を支持する1対のキヤリヤの回転数
は、旋回走行条件に対応してモータにより制御されるの
で、各車輪のスリツプが抑えられ、円滑な安定した旋回
走行が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輪の動力配分制御装置の正面断
面図である。
【図2】同動力配分制御装置の油圧回路図である。
【図3】同動力配分制御装置の制御プログラムの流れ図
である。
【図4】同動力配分制御装置の制御プログラムの流れ図
である。
【符号の説明】
2:機関 8:舵角センサ 12:電子制御装置 1
3:ヨーレートセンサ 16:回転数センサ 22:車
高センサ 23:前輪 24:油量制御弁 25:油圧
モータ 26:後輪 28:遊星歯車 30:後車軸
31:キヤリヤ 35a:リング歯車

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右の車軸に結合した1対の太陽歯車と機
    関により駆動される1対のリング歯車との間にそれぞれ
    遊星歯車を噛み合せ、各遊星歯車を支持する1対のキヤ
    リヤにモータを結合し、ヨーセンサにより検出した実ヨ
    ーレートと、舵角と各車輪の回転数と車輪荷重とから求
    めたヨーレートとの偏差をなくすように、前記モータの
    回転数を各別に制御することを特徴とする、車輪の動力
    配分制御装置。
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