JPH06293632A - 温度応答型薬剤組成物 - Google Patents

温度応答型薬剤組成物

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JPH06293632A
JPH06293632A JP10375893A JP10375893A JPH06293632A JP H06293632 A JPH06293632 A JP H06293632A JP 10375893 A JP10375893 A JP 10375893A JP 10375893 A JP10375893 A JP 10375893A JP H06293632 A JPH06293632 A JP H06293632A
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JP
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temperature
drug
polymer
phase transition
responsive
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Application number
JP10375893A
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English (en)
Inventor
Koichi Ikeda
浩一 池田
Kazumi Tamura
和美 田村
Mitsuo Okano
光夫 岡野
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】所定の温度変化に応答して薬剤の放出制御を行
うことのできる温度応答型薬剤組成物を提供する。 【構成】N置換(メタ)アクリルアミド誘導体の一種以
上と任意成分として他のビニル系単量体との重合体また
は共重合体、ポリオキシエチレン誘導体、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルアルコール部分酢化物等
からなる群よりえらばれる一種以上の温度応答型高分子
の水溶液と薬剤から構成される温度応答型薬剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度変化により薬剤の
必要量を、必要な場所に必要な時だけ送達させることの
可能な、温度応答型薬剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、人間を含む動物への
薬物の投与、植物や害虫への農薬の投与、化学反応など
における触媒の供給、悪臭環境への芳香剤等の放出等に
おいて、分解速度の速い薬剤、安定性の悪い薬剤、薬効
発現期間の短い薬剤等の投薬量の制御は難しいという問
題があった。
【0003】これに対して近年、必要な量を、必要な場
所に、必要な時だけ作用させる薬剤、いわゆるドラッグ
デリバリーシステム(DDS)の基礎的、実用的研究が
盛んに行われるようになり、実用化されているものとし
ては、乗り物酔い止め用のスコポラミン、狭心症治療用
のニトログリセリンをはじめとする亜硝酸エステル系薬
物、禁煙補助用ニコチン等の経皮吸収型製剤、ダイアジ
ノンをはじめとする農薬のマイクロカプセル型製剤等が
あげられる。
【0004】しかし、これらは単に薬剤の徐放化を図っ
たものがほとんどであり、DDSの概念すべてを全うし
ていない。
【0005】最近、刺激応答性高分子を利用して、刺激
が製剤に加えられた時のみ必要な場所へ必要な量の薬物
を放出する理想的なDDSの実現を目指した研究が行わ
れ始めている。とりわけ、N−アルキル置換(メタ)ア
クリルアミド系高分子に代表される温度応答型DDSが
注目されている。
【0006】従来の温度応答型高分子による放出制御方
法は、膜,ミクロスフィア,マイクロカプセル,ホロー
ファイバー等に成形した水に不溶性の高分子を用いて、
相転移温度を境として温度を変化させることにより薬剤
の放出を膜制御している。
【0007】すなわち、相転移温度以下の温度では水に
不溶性の温度応答型高分子は水和して膨潤し、薬剤は該
高分子中に存在する水を通じて拡散が容易になり外部環
境へ放出される。相転移温度以上の温度では水に不溶性
の温度応答型高分子に水和していた水が脱水して脱膨潤
し、薬剤は水が欠乏した該高分子中での拡散が抑制され
外部環境への放出が停止する。この様な性質を利用して
薬剤の放出を膜制御している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な膜制
御による方法では、製剤の構造が複雑になり、適用範囲
が限られてしまうとかあるいは工業的に不利である等の
実用上の問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、温度応答型高
分子の水性溶液に薬剤を分散あるいは溶解させた組成物
は、外部温度変化に応答して可逆的に該高分子へ薬剤が
吸・脱着することにより薬剤の放出制御が可能となる工
業的及び実用的に有利な薬剤組成物であることを見い出
し本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明は、 1、相転移温度が4〜90℃の範囲にある温度応答型高
分子の水性溶液と薬剤から構成されることを特徴とする
温度応答型薬剤組成物、
【0011】2、温度応答型高分子がN置換(メタ)ア
クリルアミド誘導体の一種以上の又はこれとビニル系単
量体との重合体または共重合体、ポリオキシエチレン誘
導体、ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルア
ルコール部分酢化物からなる群より選ばれる一種以上で
あることを特徴とする上記1項記載の温度応答型薬剤組
成物、
【0012】3、温度応答型高分子の水性溶液と薬剤か
らなり、相転移温度以上の温度では、薬剤は該高分子に
吸着し外部環境への放出が抑制され、相転移温度以下の
温度では、薬剤は該高分子から脱着し外部環境へ放出さ
れることを特徴とする放出制御用温度応答型薬剤組成
物、に関する。
【0013】本発明における「温度応答型高分子」と
は、相転移温度を持つ高分子を指し、更に詳しくは、相
転移温度以下の低温では高分子と水分子が水素結合(水
和)し親水性となり、相転移温度以上の高温では水分子
が解離(脱水和)し疎水性となり高分子間で相互作用し
凝集する現象が可逆的に起こる高分子を指す。
【0014】本発明における温度応答型高分子の代表的
な例としては、具体的には、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、けん化度70〜90モル%のポリビニルアルコー
ル部分酢化物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等
のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導
体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデ
シルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
誘導体、ポリオキシエチレンラウリルアミン等のポリオ
キシエチレンアルキルアミン誘導体、ポリオキシエチレ
ンソルビタンラウレート等のポリオキシエチレンソルビ
タンエステル誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリ
オキシエチレンヒマシ油誘導体、(ポリオキシエチレン
−ポリオキシプロピレン)ブロックコポリマー誘導体、
等のポリオキシエチレン誘導体、
【0015】N−n−プロピルアクリルアミド、N−イ
ソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイ
ルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アク
リロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミ
ド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメ
タクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、
N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピ
ペリジン、N−メタクリロイルモルホリン等の、その重
合体が温度応答型高分子となるN置換(メタ)アクリル
アミド誘導体の重合体を挙げることができる。
【0016】また、上記N置換(メタ)アクリルアミド
誘導体は、その二種以上を共重合しても使用することも
できる。更に、一種以上の上記N置換(メタ)アクリル
アミド誘導体とこれと共重合可能なその他のビニル系単
量体との共重合体も使用することができる。共重合可能
なビニル系単量体としては、親水性単量体及び疎水性単
量体等が挙げられ、それらの一種以上の単量体を使用す
ることができる。
【0017】上記N置換(メタ)アクリルアミド誘導体
と共重合可能なビニル系単量体の具体例としては、親水
性単量体では、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリ
ドン、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパ
ンスルホン酸等の酸及びそれらの塩、
【0018】N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のア
ミン及びそれらの塩等、各種ポリオキシエチレンアクリ
レート、各種ポリオキシエチレンメタクリレート、各種
ポリオキシメチルエチレンアクリレート、各種ポリオキ
シメチルエチレンメタクリレート等を挙げることができ
る。
【0019】又、疎水性単量体としては、例えば、N−
n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルア
ミド、N−n−ヘキシルアクリルアミド、N−n−オク
チルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミ
ド、N−n−ドデシルアクリルアミド、N−n−ブチル
メタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、
N−n−ヘキシルメタクリルアミド、N−n−オクチル
メタクリルアミド、N−t−オクチルメタクリルアミ
ド、N−n−ドデシルメタクリルアミド等のN−アルキ
ル(メタ)アクリルアミド誘導体、
【0020】N,N−ジグリシジルアクリルアミド、N
−(4−グリシドキシブチル)アクリルアミド、N−
(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−
(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド、N,N
−ジグリシジルメタクリルアミド、N−(4−グリシド
キシブチル)メタクリルアミド、N−(5−グリシドキ
シペンチル)メタクリルアミド、N−(6−グリシドキ
シヘキシル)メタクリルアミド等のN−(ω−グリシド
キシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体、
【0021】エチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ラウ
リルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等の(メタ)アクリレー
ト誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢
酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、ブテン
等のオレフィン類、
【0022】スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等、ジメチルビニルメトキシシラン、ジ
メチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシ
シラン、メチルビニルジエトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
ス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリス(トリメトキシ)シラン、1−(3−メタク
リロキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチ
ルジシロキサン、N,N−ビス(3−(トリメトキシシ
リル)プロピル)メタクリルアミド等のシラン誘導体等
を挙げることができる。
【0023】なお、疎水性の単量体を用いる場合、N置
換(メタ)アクリルアミド誘導体と共重合した後、必要
により、共重合体中の疎水性単量体由来構造部分を加水
分解して、共重合体に親水性を付与することもできる。
【0024】前記の、その重合体が温度応答型高分子と
なるN置換(メタ)アクリルアミド誘導体は、重合させ
る全単量体中30モル%以上用いるのが好ましく、特に
好ましくは50モル%以上用いるのがよい。
【0025】その際、重合を開始させる方法としては、
放射線、加熱等の公知の方法を採用できるが、通常、重
合開始剤を使用した方が良好な結果が得られる。重合開
始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するも
のであれば制限はなく、例えば、無機過酸化物、有機過
酸化物、それらの過酸化物と還元剤との組合せ及びアゾ
化合物などが挙げられる。
【0026】具体的には、過酸化水素、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、ベンゾイルパーオキシド、t
−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、過安息香酸ブチル等の過酸化物が
あり、それらと組み合わせる還元剤としては亜硫酸塩、
亜硫酸水素塩、鉄、コバルト、銅等の塩、アスコルビン
酸等の有機酸、アニリンなどの有機アミン等を挙げるこ
とができる。
【0027】アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン
塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル等を挙げることができる。
【0028】これらの重合開始剤の添加量は通常のラジ
カル重合で採用される範囲で充分であり、例えば、単量
体に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜
2重量%の範囲である。重合温度及び重合時間は、使用
する開始剤の種類によって異なるが、それぞれ通常4〜
90℃、好ましくは40〜80℃であり、通常1〜72
時間、好ましくは12〜48時間である。
【0029】このようにして得られる温度応答型高分子
は、再沈法,限外濾過法,ゲル濾過法等の公知の方法で
未反応物を除去した後、乾燥させて精製物を得ることが
できる。本発明に使用できる温度応答型高分子を得る方
法としては、最終的に該高分子が得られればよく、上記
の方法に特に限定されない。具体的には、単量体を溶媒
で希釈せずそのまま重合させる方法、単量体を溶剤で希
釈し重合させる方法等が挙げられる。
【0030】また、本発明の温度応答型高分子の構造
は、ホモポリマーあるいはランダムコポリマーで充分使
用可能であるが、必要により、ブロックコポリマー、グ
ラフト(コ)ポリマー、スターバースト(コ)ポリマー
等の構造にして使用することもできる。
【0031】本発明の温度応答型高分子の相転移温度
は、ポリオキシエチレン誘導体の種類またはオキシエチ
レンの重合度、ヒドロキシプロピルセルロースの分子
量、ポリビニルアルコール部分酢化物のけん化度または
分子量、N置換(メタ)アクリルアミド誘導体の種類、
共重合させる単量体の種類または組成比によって自由に
変えることができる。
【0032】具体的には、ポリオキシエチレン誘導体の
場合は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
のアルキル基の炭素数が多いほど、あるいはオキシエチ
レンの重合度が小さいほど相転移温度は低くなる。ヒド
ロキシプロピルセルロースの場合は、分子量が大きくな
るほど相転移温度は低くなる傾向があり、ポリビニルア
ルコール部分酢化物の場合は、けん化度が小さくなるほ
ど、あるいは分子量が大きくなるほど相転移温度は低く
なる傾向がある。
【0033】N置換(メタ)アクリルアミド誘導体の
(共)重合体の場合は、該誘導体の置換基の疎水性を高
くするほど、あるいは疎水性の単量体を共重合する、あ
るいは疎水性の単量体の組成比を高くするほど相転移温
度は低くなる傾向がある。また、置換基の疎水性を低く
するほど、あるいは親水性の単量体を共重合する、ある
いは親水性の単量体の組成比を高くするほど相転移温度
は高くなる傾向がある。
【0034】なお、本発明で用いられる温度応答型高分
子の相転移温度は、放出制御する時の境の温度に設定す
ればよく、この温度は、用いる薬剤または適用する環境
によって概ね決定されるが、本発明の温度応答型高分子
は、4℃〜90℃の範囲で相転移温度を設計することが
可能であるため、広範囲の応用が可能である。
【0035】本発明において、「温度応答型薬剤組成
物」とは、温度応答型高分子の水性溶液に薬剤を分散ま
たは溶解させた組成物をさす。薬剤は、温度応答型高分
子が相転移温度以上の疎水性時に吸着できる最大吸着量
以下の濃度で溶解または分散させて用いることができ
る。薬剤組成物の形態は、従来のどんな形態でもよく、
例えば、医薬ではカプセル、軟膏、ローション、注射剤
等、農薬においては、マイクロカプセルや散布剤等とし
て使用することができる。
【0036】ここで、「水性溶液」における媒体は、水
だけである必要はなく、温度応答型高分子を溶解し、該
高分子が親水性- 疎水性変化の挙動をすることができる
水含有媒体であればいずれでもよく、例えば、水以外の
成分として10%以下の各種界面活性剤及び/または5
0%以下の有機溶媒等を含む水含有媒体や各種電解質水
溶液等が挙げられる。温度応答型高分子の水性溶液中の
濃度は高分子の種類等により異なるが、通常0.01〜
50重量%の範囲で選ばれ、好ましくは0.1〜20重
量%の範囲で選ばれる。
【0037】本発明の温度応答型薬剤組成物から放出制
御される薬剤としては、水性溶液に可溶であれば特に制
限はなく、例えば医薬では、インドメタシン、ケトプロ
フェン、サリチル酸等の消炎鎮痛剤、テトラサイクリ
ン、クロラムフェニコール、ペニシリン等の抗生物質、
塩化ベンザコルコニウム、クロトリマゾール、ピロール
ニトリン等の抗菌剤、リドカイン、ペントバルビタール
等の麻酔薬、アミノアセトフェノン、エテンザミド、ア
スピリン等の感冒薬、
【0038】塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジ
ン、フマル酸クレマスチン等の抗ヒスタミン剤、ニトロ
グリセリン、硝酸イソソルビド、ニトロマンニトール等
の抗狭心症剤、クロニジン、ヒドララジン、メチルドパ
等の抗高血圧薬、テストステロン、エストラジオール、
等のホルモン剤、チアミン、リボフラビン、ピリドキシ
ン、アスコルビン酸等のビタミン剤、ブレオマイシン、
シスプラチン、ベスタチン、エトポシド等の抗癌剤等を
挙げることができる。
【0039】又、農薬では、ペンタクロルフェノールナ
トリウム、ジンクエチレンビスジチオカーバメート、
O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチオホスフェー
ト、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ(3,4−
b)ベンゾチアゾール等の殺菌剤、硫酸ニコチン、ジメ
チル(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオフォスフ
ェート、(2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−
6)−ジエチルチオホスフェート等の殺虫剤、
【0040】2,4−ジクロルフェノキシ酢酸ナトリウ
ム塩、2,4−ジニトロオルソ−sec−ブチルフェノ
ールイソプロパノールアミン、3−(5−tert−ブ
チル−3−イソオキザゾリル)−1,1−ジメチル尿素
等の除草剤、インドール酪酸、ニコチン酸アミド、マレ
イン酸ヒドラジドカリウム塩等の植物生育調整剤、2−
(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール等の防腐剤等を
挙げることができる。
【0041】化学反応などにおける触媒の例としては、
ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライ
ド、アスコルビン酸、メチルアミン等の還元剤、過酸化
水素、N−ブロモスクシイミド、メタ過ヨウ素酸ナトリ
ウム等の酸化剤、2−メチルイミダゾール、2,4,6
−トリス(ジエチルアミノメチル)フェノール等のエポ
キシ硬化促進剤、
【0042】アンモニウムパーオキサイド、2,2’−
アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハドロク
ロライド、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン)ジハイドロクロライド等の重
合開始剤、アルファ−アミラーゼ、パパイン、キモパパ
イン、リパーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、グルコー
スオキシターゼ、カタラーゼ、ラクターゼ、リゾチー
ム、ペプシン、L−アスパラギナーゼ、プロテアーゼ等
の酵素等を挙げることができる。
【0043】更に、悪臭環境への芳香剤の例としては、
ムスコン、シベトン、ケイ皮酸、安息香酸、カストルア
ミン、リトロール、リナロール、カンフェン、サンタロ
ール、d−リモネン、シトラール、l−メントール、シ
ンナミックアルヒド、バニリン、ヘリオトロピン、リリ
アール等を挙げることができる。
【0044】本発明の温度応答型薬剤組成物に分散また
は溶解させる薬剤の量は、特に限定されないが、用いる
薬剤、用いる温度応答型高分子、適用する環境によって
概ね決ってくる。具体的には、該高分子1gに対して
0.1μg〜最大吸着量の範囲が好ましい。
【0045】ここで、温度応答型高分子への薬剤の最大
吸着量は次の通りにして求めた値をさす。所定濃度の温
度応答型高分子の水性溶液中に、相転移温度以下の低温
にて特定量の薬剤を加えた後、相転移温度以上の高温に
し、疎水性になり沈澱した温度応答型高分子を限外濾過
する。濾液中の薬剤量を測定し、最初に加えた薬剤量か
ら濾液中の薬剤量を引いた値を最大吸着量とする。
【0046】例えば、37℃に相転移温度を持つ(ポリ
オキシエチレン−ポリオキシプロピレン)ブロックコポ
リマー(サンモールI-906 (株)日華化学社製 相転
移温度37℃)に対するニトログリセリンの最大吸着量
は、39℃においてサンモール1gあたり7.524m
gであった。
【0047】本発明において、「放出制御用温度応答型
薬剤組成物」とは、温度応答型高分子が外部環境温度に
応じ、相転移温度を境として可逆的に親水性と疎水性の
変化をする際、薬剤が該高分子に可逆的に吸・脱着し、
その結果、薬剤の放出制御を可能とする組成物である。
【0048】すなわち、相転移温度以上の温度では、疎
水性となった該高分子に薬剤が分配または吸着し、外部
環境へ薬剤の放出は抑制される。相転移温度以下の温度
では、親水性になった該高分子から薬剤は脱着し外部環
境へ薬剤は放出される。これらの挙動を可逆的に行わせ
ることができる。よって、放出制御用温度応答型薬剤組
成物として前記の温度応答型薬剤組成物がそのまま利用
できる。
【0049】本発明の組成物から薬剤を効率よく放出制
御させるには、温度応答型高分子の種類,濃度及び薬剤
の種類,濃度を、放出制御させる環境に応じて選定する
ことにより達成することができる。
【0050】例えば、本発明の組成物をウサギに対する
ニトログリセリンの経皮吸収製剤として適用する場合、
放出制御する環境(ウサギの体表温度:平均38.5
℃)によって該高分子の相転移温度は概ね決定され、具
体的には、加熱によって放出を制御する場合には相転移
温度が38.5℃以上の該高分子、冷却によって制御す
る場合には相転移温度が38.5℃以下である該高分子
を設計すればよい。
【0051】更に、上記のように選定された該高分子の
最適な濃度は、用いる薬剤の種類及び濃度を特定するこ
とにより、以下の方法に従って決定することができる。
具体的には、放出制御させたい環境中で、該高分子の相
転移温度(吸・脱着させる温度)以下の温度と該高分子
の相転移温度(吸・脱着させる温度)以上の温度におけ
る薬剤の分配係数を求めることにより決定することがで
きる。
【0052】すなわち、相転移温度以下及び以上の温度
において、一定濃度の薬剤の水性溶液中に種々の濃度の
該高分子を加え、それぞれの分配係数を測定し、相転移
温度以下での分配係数が相転移温度以上での分配係数よ
り大きくなる(換言すれば、相転移温度以上で薬剤が吸
着し、相転移温度以下で薬剤が脱着する)該高分子濃度
を捜し出すことにより、最適な該高分子濃度が決定でき
る。
【0053】例えば、本発明の組成物をウサギに対する
ニトログリセリンの経皮吸収製剤として適用する場合、
温度応答型高分子としてサンモールI−906を用いる
場合の濃度は、ウサギの皮膚に対するニトログリセリン
の、相転移温度を境とした温度における分配係数を測定
することにより求めることができる。
【0054】具体的には、0.1%サンモールI−90
6水溶液中での32℃と39℃のウサギの皮膚に対する
ニトログリセリンの分配係数は256.5と665(実
施例1)、0.5%サンモールI−906水溶液中での
それぞれの分配係数は485と227(実施例2)、1
%サンモールI−906水溶液でのそれぞれの分配係数
は161.9と46(実施例3)であった。すなわち、
実施例1では、ニトログリセリンの放出制御を行うこと
は困難であり、実施例2及び3では、ニトログリセリン
の放出制御は可能である。
【0055】ここで、分配係数は以下の式により算出し
た。 Cpre:1%サンモール水溶液中のニトログリセリン
初期濃度 Cpost:24時間後の1%サンモール水溶液中のニ
トログリセリン濃度 V:1%サンモール・ニトログリセリン水溶液の体積 Vs:ウサギ皮膚片の体積
【0056】上記のようにサンモールI−906の濃度
を変化させて分配係数を測定することにより、最適なサ
ンモールI−906濃度を決定することができる。ウサ
ギに対するニトログリセリンの経皮吸収製剤として適用
する場合は、0.5%以上のサンモール濃度が適してい
ることがわかる。本発明の組成物は、そのままの状態で
使用でき、又、常法により、薬剤透過性の膜を介して薬
剤が放出できるような剤型(例えばカプセル)で又は薬
剤透過性の膜あるいはペレット等の担体に含浸させて使
用することができる。本発明の組成物は、環境の温度変
化に応答して薬剤を必要な場所に、必要な量、必要な時
のみ供給することができる。
【0057】
【実施例】次に実施例により本発明の内容を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0058】実施例1 ニトログリセリンを所定量溶解させた0.1%サンモー
ルI−906((株)日華化学社製)水溶液中にウサギ
の皮膚片を浸し、32℃及び39℃の温度に24時間保
った後のニトログリセリンのウサギの皮膚への分配係数
を測定した結果を表1に示す。
【0059】実施例2〜5 サンモール濃度を表1に示したように変えた以外は、実
施例1と同様の方法で分配係数を測定した結果を表1に
まとめて示す。
【0060】比較例1 ニトログリセリンを所定量溶解させた水溶液中にウサギ
の皮膚片を浸し、32℃及び39℃の温度に24時間保
った後のニトログリセリンのウサギの皮膚への分配係数
を測定した結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】実施例6 N−イソプロピルアクリルアミド10gを水100ml
に溶解した単量体溶液を、撹拌装置、温度計、冷却器、
窒素導入管を取り付けた300ml四つ口丸底セパラブ
ル型フラスコに仕込み窒素置換した後、重合開始剤とし
て過硫酸アンモニウムをモノマーに対して1%加え、6
0℃にて4時間重合した。この混合溶液から、水を減圧
留去し、トルエン10mlに溶解し、500mlの石油
エーテル中で再沈させて精製した。
【0063】得られたポリN−イソプロピルアクリルア
ミドを1重量%水溶液に調整した後、温度コントローラ
ー付分光光度計(U-3210、(株)日立製作所社製)にて
700nmでの温度変化に対する透過率を測定した。白
濁した温度を相転移温度とし、結果を表2に示す。
【0064】実施例7 N−イソプロピルアクリルアミド10gと2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート0.526gを水100mlに
溶解した単量体溶液を、実施例6と同様の方法により共
重合、精製し、N−イソプロピルアクリルアミド95重
量%,2−ヒドロキシエチルメタクリレート5重量%の
共重合体を得た。実施例6と同様の方法で相転移温度を
測定した結果を表2に示す。
【0065】実施例8〜12 表2に示す単量体を表2に示す割合で用いた以外は実施
例7と同様の方法にて共重合し、相転移温度を測定し
た。その結果を表2にまとめて示す。
【0066】
【表2】 略号の説明 N-IPAAm :N-イソフ゜ロヒ゜ルアクリルアミト゛ VP :N-ヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン HEMA:2-ヒト゛ロキシエチルメタクリレート DMAA:N,N-シ゛メチルアクリルアミ
ト゛ AA:アクリル酸 AAm:アクリルアミト゛
【0067】実施例13〜16 実施例12の共重合体の水溶液の濃度を表3のように変
えて、実施例1と同様の方法にてウサギ皮膚へのニトロ
グリセリンの分配係数を測定した結果を表3にまとめて
示す。
【0068】
【表3】
【0069】実施例17 ジャケット付きガラス製2チャンバーセルに透析膜(SPE
CTRUM MEDICAL IND--USTRIES,INC社製 CUTOFF分子量:1
000 )を挟み、一方のセルに1%サンモールI−906
水溶液に最大吸着量のニトログリセリンを加えたものを
入れ、もう一方のセルにPH7.4の0.2Mリン酸緩
衝液を入れ、温度を4.5時間毎に32℃と39℃に段
階的に変え、リン酸緩衝液を入れたセルから経時的にサ
ンプリングしてニトログリセリンの累積透過量をHPL
Cによって測定し、透過係数を求めた結果を表4に示
す。
【0070】実施例18〜19 サンモールI−906の濃度を表4に示したように変え
た以外は、実施例17と同様の方法で透過係数を求めた
結果を表4にまとめて示す。
【0071】
【表4】
【0072】実施例20 ジャケット付きガラス製2チャンバーセルにウサギの皮
膚を挟み、一方のセルに0.5%サンモールI−906
水溶液に最大吸着量のニトログリセリンを加えたものを
入れ、その他は実施例17と同様の方法にて透過実験を
おこなった結果を表5に示す。
【0073】実施例21〜22 サンモールの濃度を表5に示したように変えた以外は実
施例20と同様の方法にて透過実験をおこなった結果を
表5にまとめて示す。
【0074】
【表5】
【0075】実施例23 ジャケット付きガラス製2チャンバーセルにウサギの皮
膚を挟み、一方のセルに実施例9のN−イソプロピルア
クリルアミド95重量%,N−ビニルピロリドン5重量
%から得られた温度応答型高分子の1%水溶液に最大吸
着量のニトログリセリンを加えたものを入れ、実施例1
7と同様の方法にて透過係数を求めた結果を表6に示
す。
【0076】実施例24 温度応答型高分子を表6に示したように変えた以外は、
実施例23と同様の方法で透過係数を求めた結果を表6
にまとめて示す。
【0077】
【表6】
【0078】
【発明の効果】本発明の組成物は、環境の温度変化に応
答して、薬剤を必要な場所に、必要な量、必要な時のみ
供給する可逆的な放出制御を達成することができ、薬剤
の投与期間の自動化、外部刺激に応答するインテリジェ
ント化を可能としたディスペンサーを提供することがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相転移温度が4〜90℃の範囲にある温度
    応答型高分子の水性溶液と薬剤から構成されることを特
    徴とする温度応答型薬剤組成物。
  2. 【請求項2】温度応答型高分子がN置換(メタ)アクリ
    ルアミド誘導体の一種以上の又はこれとビニル系単量体
    との重合体または共重合体、ポリオキシエチレン誘導
    体、ヒドロキシプロピルセルロース、及びポリビニルア
    ルコール部分酢化物からなる群より選ばれる一種以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の温度応答型薬剤組
    成物。
  3. 【請求項3】温度応答型高分子の水性溶液と薬剤からな
    り、相転移温度以上の温度では、薬剤は該高分子に吸着
    し外部環境への放出が抑制され、相転移温度以下の温度
    では、薬剤は該高分子から脱着し外部環境へ放出される
    ことを特徴とする放出制御用温度応答型薬剤組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003164531A (ja) * 2001-11-30 2003-06-10 Hiroo Iwata 薬理活性物質の放出を温度でコントロールできるバルーンカテーテル
US6979464B2 (en) 1997-06-06 2005-12-27 Battelle Memorial Institute Reversible geling co-polymer and method of making
CN100347225C (zh) * 2005-03-11 2007-11-07 清华大学 一种生物可降解的反向温度敏感材料的制备方法
CN119405618A (zh) * 2024-10-30 2025-02-11 江苏恒丰强生物技术有限公司 一种阿莫西林制剂及其制备方法

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