JPH06293941A - 固体電解質型燃料電池用金属材料 - Google Patents

固体電解質型燃料電池用金属材料

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JPH06293941A
JPH06293941A JP5101937A JP10193793A JPH06293941A JP H06293941 A JPH06293941 A JP H06293941A JP 5101937 A JP5101937 A JP 5101937A JP 10193793 A JP10193793 A JP 10193793A JP H06293941 A JPH06293941 A JP H06293941A
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JP
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less
steel
fuel cell
oxidation resistance
stainless steel
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JP5101937A
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English (en)
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Yoshitaka Nishiyama
佳孝 西山
Yoshio Taruya
芳男 樽谷
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/0204Non-porous and characterised by the material
    • H01M8/0206Metals or alloys
    • H01M8/0208Alloys
    • H01M8/021Alloys based on iron
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温酸化雰囲気中においても優れた耐酸化性
と電気伝導性を示す固体電解質型燃料電池用オ−ステナ
イト系ステンレス鋼を提供する。 【構成】 オ−ステナイト系ステンレス鋼を、C:0.15
%以下, Si: 0.375〜4.55%, Mn: 3.0%以下,
Cr:15〜30%, Ni:20〜60%, Al: 2.5
〜 6.0%を含有するか、或いは更にY,希土類元素また
はCaのうちの1種以上:合計で 0.5%以下をも含み、か
つ式 {Al(%) −1}/4 ≦ Si(%) ≦ 0.8Al(%)−
0.25を満たしていて残部がFe及び不可避不純物より成る
と共に、必要に応じて不可避不純物であるSの含有量が
0.002%以下で、SとOとの合計含有量が 0.005%以下
である成分構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、600℃以上の高温
酸化雰囲気中においても優れた耐酸化性と電気伝導性を
示す固体電解質型燃料電池用オ−ステナイト系ステンレ
ス鋼に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、将来に予想される石油資
源枯渇と大気汚染を含む環境問題の観点から、石炭改質
ガスを利用することが可能で、かつエネルギ−変換効率
が高い燃料電池が次世代の電力供給源として脚光を浴び
始めており、1981年度からム−ンライト計画の一環
として「燃料電池発電技術の研究開発」が進められてき
た。
【0003】ところで、燃料電池は起電力を発生する電
解質の種類により“リン酸型",“溶融炭酸塩型",“固体
電解質型" 等に分類されており、各々運転温度も異なっ
ているが、その中で運転温度が200℃程度であるリン
酸型燃料電池は基本的な技術開発が終了し、実用間近と
なっている。
【0004】また、固体電解質型燃料電池は、運転温度
が1000℃にも達するために幾つかの未解決な問題を
抱えてはいるものの、 a) エネルギ−効率が他の発電システムより高い, b) 石炭改質ガス等種々の燃料ガスが利用可能である, c) NOX の発生が少なく環境への影響が小さい, d) 液体,融体を用いないため構造がコンパクトであ
る, 等の利点を数多く有していることから、次世代の最も期
待されている発電システムであると考えられている。
【0005】しかし、これらの燃料電池にあっては、製
造コストの低減,長寿命化,信頼性および保守性の問題
解決が今後の実用化を考える上で極めて重要な課題とな
っており、これらを満足させるための安価で高性能な材
料の開発が強く求められている。
【0006】特に、前述した固体電解質型燃料電池は電
池構成も含めて開発がこれからとも言えるものではある
が、その中の「平板型」のものは量産性に優れると共に
高出力密度が得られると期待されており、これに適用す
る材料の開発にしのぎが削られている。
【0007】即ち、「平板型」の固体電解質型燃料電池
は電解質と燃料極と空気極の薄膜3層から成る平坦な発
電膜とインタコネクタから構成されており、発電膜とイ
ンタコネクタとの間に波型支持層でガス流路を形成する
構造となっているが、実験室規模で検討されているイン
タ−コネクタや波型支持層等の構成部材には、耐酸化
性,高温での電気伝導性,電解質との熱膨張差から見た
整合性の点から従来より導電性セラミックスが用いられ
てきた。しかし、このような材料は、加工性が悪い上に
高温での強度も金属材料より小さく、しかも高価である
ことから、システムの大型化に対応できないという問題
を有していた。また、大面積化により、長時間の安定運
転に対する信頼性についても克服し難い問題も生じる。
そのため、安価で高性能な金属材料の開発が急務となっ
ていたのである。
【0008】ところで、高温での強度や耐久性に優れる
比較的安価な金属材料ということになると“ステンレス
鋼”が思い浮かぶが、上述のような固体電解質型燃料電
池のインタ−コネクタや波型支持層等の構成部材として
ステンレス鋼を適用しようとすると、1000℃という
極めて過酷な酸化環境での耐酸化性と高温での良電気伝
導性の確保という点で、これまでのステンレス鋼とは一
線を画する性能を付与することが必要となる。
【0009】もっとも、耐酸化性については、鋼中に適
正量のAl,Si等の耐酸化性改善元素を添加することによ
ってある程度は改善されることが知られている。例え
ば、Fe基合金では、フェライト系の場合、15%以上の
Cr(以降、 成分割合を表す%は重量%とする)を添加し
た上で 2.0%以上のAlを添加すると表面に均一なAl系酸
化スケ−ルが安定に生成されるようになって耐酸化性に
優れた材料となるため、電熱線や自動車排気ガス改質触
媒の担体用部材として使用されている。また、オ−ステ
ナイト系のFe基合金では、例えば特公昭55−4349
8号公報にも開示されているように、15%以上のCrを
添加した上で 4.0%以上のAlを添加することによりやは
り表面に均一なAl系酸化スケ−ルが安定に生成されるよ
うになり、耐酸化性に優れた材料となる。
【0010】しかしながら、一般的に耐酸化性に優れた
金属材料表面の生成酸化物は電気伝導性が低いことか
ら、このような耐熱材料をそのまま電池インタ−コネク
タや波型支持層等に適用することは難しいと考えられ、
それへの適用に際しては高温での電気伝導性確保のため
の工夫が必要である。特に、1000℃を超える条件で
のステンレス鋼の耐酸化性改善に最も望ましいと考えら
れるα-Al23 は絶縁性酸化物であり、1000℃付近
では10-6S/cm 程度の導電率しか示さない。
【0011】しかるに、耐酸化性改善元素を含有させた
ステンレス鋼、特にオ−ステナイト系ステンレス鋼は加
工性が良好である上に高温強度や高温での耐酸化性に優
れているので、その基本的な特徴を損なうことなく高温
酸化雰囲気中での電気伝導性を確保することができれば
固体電解質型燃料電池の構成部材用材料として極めて有
望なものと考えられた。
【0012】このようなことから、本発明が目的とする
のは、セラミックス材料に比べて加工性や高温での機械
的強度に優れ、かつ安価であるというオ−ステナイト系
ステンレス鋼の基本的な特性,利点をそのまま備え、か
つ高温酸化雰囲気中においても優れた耐酸化性と電気伝
導性を示す固体電解質型燃料電池用オ−ステナイト系ス
テンレス鋼を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得
ることができた。即ち、オ−ステナイト系ステンレス鋼
中に耐酸化性改善のための合金元素としてCr,Al,Si等
を添加した場合、酸化速度の点(酸化速度が減少するこ
と)からすると900℃以上での使用がある程度可能と
なるが、酸化スケ−ルの成長に伴い高温での電気伝導性
が低下する。
【0014】特に、オ−ステナイト系ステンレス鋼の場
合、1000℃を超えての適用では耐酸化性確保の点か
らAlを 4.0%以上添加することが最も有効であるが、Al
添加により鋼表面に絶縁性のAl系酸化スケ−ルが生成す
るため電気伝導の低下が著しい。そのため、このような
高Al添加のオ−ステナイト系ステンレス鋼を固体電解質
型燃料電池のインタ−コネクタ等の部材に適用すると、
電気抵抗が高くなるので電気特性が急激に低下する可能
性がある。
【0015】しかしながら、Al,Siの適量添加が行われ
ないと1000℃程度の高温酸化雰囲気中ではFe−Cr系
主体のスピネル型酸化物が生成し、母材の耐酸化性が急
速に劣化する。
【0016】一方、Cr含有鋼では、組成調整により高温
酸化雰囲気中で表面に“1000℃での電気伝導性が約
2×10-3S/cm と比較的良好である Cr23 ”のスケ
−ルを形成させることができるが、この場合にはスケ−
ルの成長速度が速く、更にFe−Cr系のスピネル酸化物の
生成に伴い異常酸化が起きるので材料の劣化が加速度的
に進行する。従って、Cr系酸化スケ−ルの場合にはスケ
−ルが厚くなって電気伝導性が低下するだけでなく、加
熱中のスケ−ル剥離により電気伝導が非常に不安定とな
る。
【0017】ところが、Siをはじめとした鋼の成分調整
によっては、高温酸化雰囲気中で生成する表面酸化スケ
−ルを、Al系酸化物を主体とし、これにCr系酸化物を含
有したものとすることができ、これによって耐酸化性と
電気伝導性が共に優れるオ−ステナイト系ステンレス鋼
を実現できることを見出した。
【0018】つまり、次に示す事項を究明したのであ
る。 a) Crを15%以上、Niを20%以上、更にAlを 4.0%
以上含有するステンレス鋼は、Al系酸化スケ−ルを生成
して850℃から950℃を超えるほどの温度領域にお
いても優れた耐酸化性を損なうことはないが、電気伝導
性に問題がある。 b) しかるに、上記合金系のオ−ステナイト系ステンレ
ス鋼においてAlを 2.5%以上に調整すると同時に、Si含
有量を“Al含有量に係わる特定の領域”に調整した場合
には、高温酸化雰囲気中においてAl系酸化物主体にCr系
酸化物を含有する酸化スケ−ルを生成するようになり、
このような鋼はAl系酸化スケ−ルを生成する耐熱合金よ
り耐酸化性が劣るものの、Fe−Cr−Ni系より耐酸化性に
優れる上、Al系酸化スケ−ルを生成する合金以上の電気
伝導性を示す。 c) しかも、上記ステンレス鋼に総量で 0.5%以下の
Y,希土類元素又はCaを更に添加した場合には、電気伝
導性を損なわずに材料の劣化寿命を延ばすことができ
る。 d) 更に、これらのステンレス鋼において不純物元素で
あるS及びOの含有量を特定の領域にまで低減した場合
には、異常酸化の発生がより一層抑えられて長時間にわ
たり優れた耐酸化性を維持する材料となる。
【0019】本発明は、上記知見事項等を基にした更な
る検討の末に完成されたものであって、「オ−ステナイ
ト系ステンレス鋼を、C:0.15%以下, Si: 0.375
〜4.55%, Mn: 3.0%以下,Cr:15〜30%, N
i:20〜60%, Al: 2.5〜 6.0%を含有するか、
或いは更にY,希土類元素またはCaのうちの1種以
上:合計で 0.5%以下をも含み、 かつ式 {Al(%) −1}/4 ≦ Si(%) ≦ 0.8Al(%)−0.25 を満たしていて残部がFe及び不可避不純物より成ると共
に、 必要に応じて不可避不純物であるSの含有量が 0.0
02%以下で、 SとOとの合計含有量が 0.005%以下であ
る成分構成とすることにより、 固体電解質型燃料電池用
としても十分に満足できる高温酸化雰囲気中での優れた
耐酸化性,電気伝導性を備えしめた点」に大きな特徴を
有している。
【0020】以下、本発明において、鋼の成分割合を前
記の如くに数値限定した理由を説明する。
【作用】
C:Cには鋼の機械的強度を確保する作用があるが、高
温での使用時或いは溶接熱影響部においてCr236 型の
炭化物を形成して加工性を劣化したり、Crによる耐酸化
性の向上効果を著しく減じたりするほか、スケ−ル剥離
を起こしやすくする元素であるので0.15%を超える含有
量とするのは避けなければならない。なお、機械的強度
を重視する場合は上限まで含有させることもあるが、C
含有量は低い方が好ましいと言える。もっとも、製鋼コ
ストの問題から実際上は0.0001%程度が下限値になると
言える。
【0021】Si:Siは本発明鋼において重要な成分であ
り、その含有量は図1の斜線で示す領域に調整する必要
がある。即ち、Si含有量が 0.375%を下回ったり、ある
いは直線「 Si(%)={Al(%) −1}/4」で示される値
を下回った場合には、高温酸化雰囲気中において均一な
Al系酸化スケ−ルのみ生成するので電気伝導性が問題と
なる。一方、Si含有量が4.55%を超えたり、直線「 Si
(%)=0.8Al(%)−0.25」で示される値を上回った場合に
は、Fe−Cr系主体のスピネル型酸化物が形成され、耐酸
化性が急激に低下する。従って、Si含有量は 0.375〜4.
55%で、かつ式 {Al(%) −1}/4 ≦ Si(%) ≦ 0.8Al(%)−0.25 を満たす値と定めた。
【0022】Mn:Mnは鋼中へ必然的に随伴される元素で
あってオ−ステナイト相安定化に有効な成分であるが、
高温での強度確保を目的として積極的に添加しても良
い。しかしながら、 3.0%を超えて含有させると耐酸化
性が急速に劣化することからMn含有量を 3.0%以下と定
めたが、0.01〜 3.0%の範囲で調整するのが望ましい。
【0023】Cr:CrはAlと共に高温での耐酸化性を得る
のに必要な基本的な元素である。即ち、600℃を超え
る温度に加熱されて“電気伝導性をそれほど損なわない
Al系とCr系の酸化スケ−ル”を生成し耐酸化性を保つた
めには、15%以上のCr含有量が必要である。一方、3
0%を超えてCrを含有させてもそれ以上の耐酸化性向上
効果が得られないばかりか、成形性,加工性に悪影響が
出てくることから、Cr含有量は15〜30%と定めた。
【0024】Ni:Niはオ−ステナイト鋼の基本的性質を
与えるのみならず、Al系酸化物にCr系酸化物を含有した
複合酸化スケ−ルを生成するのに重要な元素である。し
かし、その含有量が20%未満ではオ−ステナイト相が
不安定となるほか、Cr系もしくはAl系の単一スケ−ルし
か生成しない。一方、60%を超える鋼はコスト的に実
用し難いものであることから、Ni含有量は20〜60%
と定めた。
【0025】Al:Alは本発明鋼において重要な基本元素
であり、Al系酸化物を主体としCr系酸化物を含有する複
合酸化スケ−ルを生成させるためには 2.5%以上含有さ
せる必要がある。しかし、 6.0%を含有させるとSi,Ni
量にかかわらずAl系酸化スケ−ルのみが均一に生成する
ようになるほか、常温での靱性低下が極めて顕著となる
ため、Al含有量は 2.5〜 6.0%と定めた。
【0026】Y,希土類元素(REM)及びCa:これら
の成分には鋼の耐酸化性を改善する等しい作用があり、
また鋼中のSを固定して熱間加工性を改善する作用をも
有しているので必要により1種又は2種以上の添加がな
されるが、過剰に含有させると粗大酸化物の生成して逆
に耐酸化性を劣化することから、含有量の上限は総量で
0.5%と定めたが、望ましくは総量で 0.1%以下に調整
するのが良い。
【0027】S及びO:不可避的な不純物元素であるS
は 0.002%以下に規制するのが好ましい。なぜなら、S
含有量が 0.002%を超えるとMnSの形成が顕著となるた
めである。つまり、鋼中にMnSが形成されていると、高
温雰囲気中でこれが分解して遊離Sが粒界に濃化し、そ
のためCr,Al等の母材表面への拡散が阻害され保護皮膜
の形成,補修が行われ難くなる。
【0028】更に、粒界に存在するSは酸素(O)と結
合して酸化の起点となり、酸化スケ−ルの薄利要因とな
る。そこで、この弊害を防ぐため、必要に応じてMnより
も高温でより安定な硫化物を形成する希土類元素または
Ca等を添加し、Sの固定化が図られる。しかし、これら
の効果を高めるためには、鋼中のO濃度は低い方が良
い。なぜなら、これらの添加元素が酸化物を作りやす
く、鋼中のS固定元素として機能する以前に酸化物とし
て消費され、有効量が減少するためである。そこで、鋼
中の「S(%) +O(%) 」値は低い方が好ましいが、上記
弊害を十分に抑えるためにはこの値を 0.005%以下とす
べきである。
【0029】その他、本発明鋼における不可避的不純物
元素の代表的なものとしてP,Cu及びNが挙げられる
が、以下、これらの含有量について説明する。 P:不純物であるPについては0.03%以下に規制するの
が好ましい。 Cu:鋼中へはNi源からの不純物としてCuが随伴されるこ
とがあるが、 1.5%程度までは許容される。 N:Nは鋼中のCr,Alと結合して窒化物を形成し、Cr,
Alによる高温の耐酸化性を低下させる元素であり、好ま
しくは0.10%以下に規制するのが良い。なお、鋼中の
C,Nの悪影響を減ずる目的で、必要に応じてCr或いは
AlよりもC,Nとの親和力の強いTi,Nb又はZrといった
安定化元素を添加しても良い。この安定化元素を添加す
る場合は、材料の脆化の問題から総量を 2.0%以下に抑
えることが必要である。
【0030】更に、Moも、高温での強度確保作用や耐食
性を改善する作用を有しているため必要に応じて添加し
ても良いが、10.0%を超えて添加してもそれ以上の性能
改善効果が得られない。
【0031】ところで、本発明に係るオ−ステナイト系
ステンレス鋼が高温酸化雰囲気中で優れた耐酸化性と電
気伝導性を示すのは、形成されるスケ−ルがAl主体の酸
化物にCr主体の酸化物が適正割合で含まれた構成となる
ためである。つまり、Al主体の酸化物とCr主体の酸化物
で構成されるスケ−ルでは a) 絶縁性酸化物であるAl主体の酸化物へCr主体の酸化
物を生成させることにより電気伝導性が上がる, b) Cr主体の酸化物の増加により耐酸化性が低下し、更
にスケ−ル厚が増加することで電気伝導性が急激に低下
していく, という傾向があるため、Cr主体の酸化物の含有量は重要
であるが、本発明鋼に係る成分組成に調整されると高温
酸化雰囲気中でAl主体の酸化物に対し15〜60vol%
の割合でCr主体の酸化物が含まれるスケ−ルが形成さ
れ、優れた耐酸化性と電気伝導性とが両立するようにな
る。
【0032】次に、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【実施例】表1及び表2に示される成分組成の各鋼を真
空溶解炉にて溶製した後、鍛造,熱間圧延,冷間圧延を
施して厚さ2mmの板材とした。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】次に、上記各鋼板から各種試験材を切出
し、高温酸化雰囲気中での特性(耐酸化性,導電性)を
調査した。まず、各試験材を1000℃大気中で連続酸
化試験に供し、200時間経過後に取り出して表面に生
成した酸化物の種類を調べた。なお、この酸化物の種類
に関する調査は、表面に生成した酸化物をX線回折して
同定する方法(タ−ゲット:Cu,入射角α=0.3°)によ
った。この同定結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3に示される結果からも、本発明鋼にお
いて生成した酸化物は「Al主体の酸化物(α-Al23)に
Cr主体の酸化物(Cr23)が複合されたもの」であること
が確認できる。これに対して、比較鋼25〜27,31および
33は Al23 スケ−ルを、また比較鋼23〜24,28〜30及
び32は何れも FeCr24 ,(FeCr24, Cr23, Al23)
多層スケ−ルを形成していることが分かる。更に、比較
鋼28についてスケ−ル断面の観察,EPME分析を行っ
たところ、 Al23 の内部酸化層が母材奥深く成長し、
その先端部にAlNが生成しているのが確認された。
【0038】また、図2は、種々割合でSiとAlを含有す
るオ−ステナイト系ステンレス鋼板について前記連続酸
化試験を行い、その生成酸化物の種類を同定して整理し
た結果を示しているが、SiおよびAlの含有量が本発明で
規定する範囲内に調整されて初めて生成酸化物が「Al主
体の酸化物(α-Al23)にCr主体の酸化物(Cr23)が複
合されたもの」となることが分かる。
【0039】ところで、図3は、本発明鋼および比較鋼
23,24,27,30の1000℃大気中での酸化増量の経時
変化を比較したグラフであり、耐酸化性を評価するため
に整理したものである{酸化増量は試料と剥離スケ−ル
を含めた重量を測定し、単位面積当りの変化量(mg/cm2)
で評価している}。図3に示す酸化増量の経時変化か
ら、本発明鋼は比較鋼27(Al23 スケ−ルが形成されて
いる)より劣るものの、既存のFe−Cr系鋼(比較鋼24)
やFe−Cr−Ni系鋼(比較鋼23)に比べて耐酸化性に優れ
ていることが分かる。なお、Y,希土類元素,Caを添加
したものはスケ−ル剥離が見られず、より耐酸化性に優
れることも確認された。
【0040】一方、図4は、本発明鋼5および14、並び
に比較鋼27および30の1000℃大気中での電気抵抗の
経時変化を示したグラフである。なお、この「電気抵抗
の経時変化」の測定は鋼板の厚さ方向で行い、結果は面
積抵抗(Ω・cm2)に換算して整理した。
【0041】図4に示される結果からも、本発明鋼5お
よび14では0.10Ω・cm2 程度の低い電気抵抗を維持して
いて電気伝導性が極めて高いのに対して、 FeCr24
ケ−ル生成鋼30は時間経過と共に電気抵抗が上昇し、 A
l23 スケ−ル生成鋼27の場合には僅かの間に電気抵抗
が極めて高い値にまで急上昇していることが確認でき
る。なお、上記電気抵抗の経時変化傾向は、その他の本
発明鋼においても同様であった。そして、耐酸化性と同
じく電気伝導性に優れていることは固体電解質型燃料電
池部材(インタ−コネクタ等)に適用する上で重要な要
求性能であり、本発明鋼が固体電解質型燃料電池部材と
して非常に優れていることを確認できる。
【0042】
【効果の総括】以上に説明したように、この発明によれ
ば、高温酸化雰囲気中でも優れた耐酸化性,電気伝導性
を示し、固体電解質型燃料電池の構成部材として優れた
性能を発揮する比較的安価なオ−ステナイト系ステンレ
ス鋼を提供することが可能となり、固体電解質型燃料電
池の実用化に大きく寄与できるなど、産業上極めて優れ
た効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋼におけるSiとAlの含有量範囲を示した
グラフである。
【図2】種々割合でSiとAlを含有するオ−ステナイト系
ステンレス鋼板の連続酸化試験で生成した酸化物の種類
を同定して整理した結果を示すグラフである。
【図3】実施例で作成した鋼について高温耐酸化性を比
較したグラフである。
【図4】実施例で作成した鋼について高温酸化雰囲気で
の電気抵抗変化を示したグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量割合にてC:0.15%以下, Si:
    0.375〜4.55%, Mn: 3.0%以下,Cr:15〜30%,
    Ni:20〜60%, Al: 2.5〜 6.0%を含有
    し、かつ式 {Al(%) −1}/4 ≦ Si(%) ≦ 0.8Al(%)−0.25 を満たしていて残部がFe及び不可避不純物より成ること
    を特徴とする、固体電解質型燃料電池用オ−ステナイト
    系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 重量割合にてC:0.15%以下, Si:
    0.375〜4.55%, Mn: 3.0%以下,Cr:15〜30%,
    Ni:20〜60%, Al: 2.5〜 6.0% Y,希土類元素またはCaのうちの1種以上:合計で 0.5
    %以下 を含有し、かつ式 {Al(%) −1}/4 ≦ Si(%) ≦ 0.8Al(%)−0.25 を満たしていて残部がFe及び不可避不純物より成ること
    を特徴とする、固体電解質型燃料電池用オ−ステナイト
    系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 重量割合にてC:0.15%以下, Si:
    0.375〜4.55%, Mn: 3.0%以下,Cr:15〜30%,
    Ni:20〜60%, Al: 2.5〜 6.0%を含有
    し、かつ式 {Al(%) −1}/4 ≦ Si(%) ≦ 0.8Al(%)−0.25 を満たしていて残部がFe及び不可避不純物より成ると共
    に、不可避不純物であるSの含有量が 0.002%以下で、
    SとOとの合計含有量が 0.005%以下であることを特徴
    とする、固体電解質型燃料電池用オ−ステナイト系ステ
    ンレス鋼。
  4. 【請求項4】 重量割合にてC:0.15%以下, Si:
    0.375〜4.55%, Mn: 3.0%以下,Cr:15〜30%,
    Ni:20〜60%, Al: 2.5〜 6.0% Y,希土類元素またはCaのうちの1種以上:合計で 0.5
    %以下 を含有し、かつ式 {Al(%) −1}/4 ≦ Si(%) ≦ 0.8Al(%)−0.25 を満たしていて残部がFe及び不可避不純物より成ると共
    に、不可避不純物であるSの含有量が 0.002%以下で、
    SとOとの合計含有量が 0.005%以下であることを特徴
    とする、固体電解質型燃料電池用オ−ステナイト系ステ
    ンレス鋼。
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