JPH06295715A - アルカリ電池セパレータ用不織布およびその製造方法 - Google Patents

アルカリ電池セパレータ用不織布およびその製造方法

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JPH06295715A
JPH06295715A JP5079828A JP7982893A JPH06295715A JP H06295715 A JPH06295715 A JP H06295715A JP 5079828 A JP5079828 A JP 5079828A JP 7982893 A JP7982893 A JP 7982893A JP H06295715 A JPH06295715 A JP H06295715A
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Toshihiro Shigematsu
俊広 重松
Takaomi Ishikawa
敬臣 石川
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐電解液性及び耐電気化学的酸化性が高く、
その他のセパレ−タに必要な諸性質を併せ持ち、しかも
特に電解液に濡れやすく、その保持量に優れたアルカリ
電池セパレータ用不織布、およびその製造方法を提供す
る。 【構成】 少なくとも1種類以上の繊維径が3〜10μ
mの短繊維で、且つアスペクト比が1000〜2000
の金属イオン付加アクリル繊維からなるアルカリ電池セ
パレータ用不織布、およびその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ電池セパレー
タ用不織布に関するものであり、特に、初期濡れ性と電
解液の保液性の両方に優れ、その他の諸性質を併せ持つ
アルカリ電池セパレータ用不織布、およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池は充放電特性、過充電過放
電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、小型
軽量化の著しいエレクトロニクス機器に広く使用されて
いる。このようなアルカリ電池の特性は、その電池セパ
レータの特性にも大きく依存している。
【0003】アルカリ電池セパレータには一般に、次の
性能が必要とされている。 (1)正極と負極を物理的に分離できること。 (2)短絡を防ぐための電気的絶縁性を持つこと。 (3)耐電解液性を持つこと。 (4)耐電気化学的酸化性を持つこと。 (5)電解液を含んだ状態で低い電気抵抗を示すこと。 (6)電解液に対して濡れやすく、電解液保持量が大き
いこと。 (7)電池組立工程で耐え得る強度、剛性を持つこと。 (8)電池にとっての有害物質を出さないこと。 (9)通気性を持つこと。
【0004】そのため従来から、電解液に濡れやすく
て、その保持量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で
電気抵抗が低い、ポリアミド繊維の不織布がアルカリ電
池用セパレータとして使用されている。また、比較的高
温における耐久性の必要な電池用には、ポリオレフィン
繊維不織布がセパレータとして使用されている。
【0005】ところが、前記のポリアミド繊維の不織布
からなるアルカリ電池用セパレータには、繰り返し使用
により、繊維から窒素酸化物が溶出し、電池の寿命を縮
めるという欠点がある。また、ポリオレフィン繊維不織
布からなるものは吸水性が低いため、電解液に対して濡
れにくくその保持量が少ない。
【0006】そこで最近、耐電解液性及び耐電気化学的
酸化性と、電解液の濡れやすさ及びその保持量とを共に
向上させるため、例えば、特開平3−257755号公
報のアルカリ電池用セパレータが提案されている。この
セパレータは、ポリオレフィンとエチレンビニルアルコ
ール共重合体との分割型複合繊維を35%以上含有する
不織布からなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
分割型複合繊維を含有する不織布からなるセパレータ
は、その不織布の通気性、電解液の濡れやすさ及びその
保持量等が不充分である。そのため、前記諸性能を併せ
持たせつつセパレータを薄型にすることができず、この
ようなセパレータを使用したアルカリ電池では、最近の
コードレス機器用に必要な、高容量、長寿命、高信頼性
等の高度の特性を達成することができないという問題が
ある。
【0008】本発明の目的は、低目付けであり、かつ前
記諸性質を併せ持ち、特に初期濡れ性と電解液の保液性
の両方に優れたアルカリ電池セパレータ用不織布、およ
びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究した結果、アルカリ電池用
不織布およびその製造方法を発明するに至った。即ち、
本発明のアルカリ電池セパレータ用不織布は、少なくと
も1種類以上の繊維径が3〜10μmの短繊維で、且つ
繊維長Lと繊維径Dの比(L/D、アスペクト比)が1
000〜2000である金属イオン付加アクリル繊維か
らなるアルカリ電池セパレータ用不織布から成る。
【0010】また、本発明のアルカリ電池セパレータ用
不織布の製造方法は、少なくとも1種類以上の繊維径が
3〜10μmの短繊維で、且つ繊維長Lと繊維径Dの比
(L/D、アスペクト比)が1000〜2000である
金属イオン付加アクリル繊維を水に分散してスラリーと
し、該スラリーを湿式抄造してウェブを形成し、次いで
該ウェブを水流交絡法により交絡結合後、熱圧加工する
ことを特徴とする。
【0011】以下、本発明の詳細な説明を行う。なお、
本文中では、アルカリ電池セパレ−タ用不織布を、単に
不織布と略記する。本発明における金属イオン付加アク
リル繊維としては、アクリル系繊維に架橋結合を導入
し、加水分解し、2価の金属イオンで架橋又は1価の金
属イオンを付加させて得られる公知の繊維は全て使用す
ることができる(例えば、特開平2−84528号公
報、特開平2−84532号公報参照)。
【0012】原料アクリル系繊維は、アクリロニトリル
40〜100重量%と他のビニル系モノマー60〜0重
量%とから得られるアクリロニトリル系の重合体あるい
は共重合体の繊維である。アクリロニトリルと共重合し
てもよい他のビニル系モノマ−としては、例えば、メタ
リルスルホン酸、P−スチレンスルホン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、及びこれらの塩、ハロゲン化ビニ
ル、ハロゲン化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、アクリルアミド、スチレン、酢酸ビ
ニルを挙げることができる。
【0013】原料アクリル系繊維への架橋結合の導入
は、例えば、ニトリル基を有する前記繊維をヒドラジ
ン、ヒドロキシルアミン等で加熱処理することによって
行なうことができる。このようにして架橋結合を導入し
たアクリル系繊維の加水分解は、酸又は塩基と共に加熱
処理することによって行なうことができ、ニトリル基を
カルボキシル基、アミド基に変換することができる。次
に、金属イオンによる架橋は、Zn、Cu、Ca、Fe
等の多価の金属塩水溶液で、また、金属イオンによる付
加はLi、Na、K等に1価の金属塩水溶液で繊維を処
理することによって行なうことができる。
【0014】本発明で用いる金属イオン付加アクリル繊
維の繊維径は、3〜10μmの短繊維が好ましく、4〜
7μmのものが更に好ましい。この範囲の繊維を使用し
た不織布は、ポア径及び通気性のコントロ−ルが容易で
ある。
【0015】本発明で用いる金属イオン付加アクリル繊
維のアスペクト比は、1000〜2000のものが好ま
しい。アスペクト比が2000を超える繊維は、水中で
の分散工程が難しく、分散剤を選択し、適量使用する必
要があるばかりか、一度分散した後、再度凝集して、よ
れ、もつれ、だま等が発生しやすくなるという問題が生
じてくる。また、分散濃度を低くしなければならず、生
産性が劣る。さらに、アスペクト比に関係する繊維長に
ついては、繊維径が太くても、20mmを超える繊維長
のものについては、ウェブの湿式抄造時に上述の問題が
生じ、地合の良好なウェブを得ることができない。
【0016】アスペクト比が1000未満の繊維は、分
散工程が容易であるが、水流により動きやすいため、繊
維を曲げ、絡み合わせるのが困難で、強度の大きい不織
布を得ることは困難である。また、繊維全体が動くた
め、繊維間のずれが生じ、不織布内部で歪が生じ、水流
を噴射した後、不織布に多くのしわが発生するという問
題点が生じる。
【0017】水流交絡法は、ウェブの加工方法の1つで
あるため、加工を行う前に、ウェブを供給する必要があ
る。ウェブ製造法は、カ−ド法、エアレイ法の乾式法、
メルトブロ−法、スパンボンド法、湿式抄造法等が挙げ
られる。
【0018】カ−ド法やエアレイ法は、繊維長の長い繊
維を用いることができるが、均一なウェブ化が困難で、
高圧柱状水流で加工され得られた不織布も、地合が悪
く、透過光で観察すると、班模様が見られる。スパンボ
ンド法で得たウェブを用いると、強度は大きいものの、
地合が悪く、繊維が連続につながっており、繊維の自由
末端が少なく、3次元交絡には大きなエネルギ−を必要
とする。また、この方法では、繊維径が10μm以下の
繊維を用いたウェブの製造が困難である。メルトブロ−
法は、微細な繊維のウェブ化が可能であるが、地合が悪
く、生産速度が遅く、また、高価であるという問題があ
る。このように、上記の4種類の方法で製造したウェブ
は地合が悪いため、短絡を防ぐために必要な空隙径を得
るには、高目付けにしなければならないという問題があ
る。
【0019】湿式抄造法では、生産速度が上記の方法に
比べて速く、同一装置で、繊度、種類の異なる複数の繊
維を任意の割合で混合できる。即ち、繊維の形態にも、
ステ−プル状、パルプ状等選択の幅は広く、使用可能な
繊維径も、所謂7μm以下の極細繊維から、太い繊維ま
で使用可能で、他の方法に比べ極めて良好な地合のウェ
ブが得られる方法である。このようなことから、極めて
応用範囲の広く、空隙径をコントロ−ルしやすいウェブ
形成方法と考えられる。
【0020】次に、本発明の不織布の製造方法を説明す
る。まず、繊維径及びアスペクト比が本発明の範囲内の
金属イオン付加アクリル繊維をパルパ−で離解し、アジ
テ−タ−等の緩やかな撹拌のもと、水中に分散して、均
一なスラリーを形成する。このスラリーを丸網、長網、
傾斜式等のワイヤ−の少なくとも1つを有する抄紙機を
用いて、抄紙して例えば厚み400μm以下となるよう
に地合の良好なウェブを製造する。
【0021】次に、このように調製されたウェブを開孔
率40%以下、1つの開孔の大きさが0.04mm2
下の多孔質の支持体上に積載し、ウェブ上方から高圧の
柱状水流を噴射し、水流とウェブを相対的に移動させ、
繊維を3次元的に交絡させる。ウェブと水流を相対的に
移動させる方法としては、コンベア−式の支持体あるい
はドラム式の支持体を回転運動させる方法が簡便であ
る。このとき支持体の搬送速度はウェブに与える印加エ
ネルギ−により決定されるが、1〜200m/分以下の
速度で用いることが可能である。
【0022】支持体の開孔率が40%より大きいと、得
られる不織布に開孔が生じ、空隙径の調整が困難にな
る。逆に、開孔率が小さいほど、得られた不織布の面質
が良くなるが、余りに開孔率が小さいと、交絡に要した
水が支持体から下に抜けず、支持体に当たった後、再び
ウェブに跳ね返り、跳ね返り水がウェブを突き上げ、ウ
ェブが破損する現象が生じ、好ましくない。このような
多孔質の支持体としては、平織り、綾織り等の織り方
で、ステンレス、ブロンズ等の金属あるいは強化ポリエ
ステル、ポリアミド等のプラスチック等の材質のワイヤ
−等が挙げられる。
【0023】次に、こうして得られた不織布は、温度1
00度以下、線圧500kg/cm以下の条件で、熱カ
レンダ−ロ−ル処理等の熱圧加工を行い、適当な厚さに
調整した不織布を製造することができる。
【0024】本発明のアルカリ電池セパレータ用不織布
において、充分な通気性を確保するためには、最大ポア
径が70μm以下、平均ポア径が25μm以下、最大ポ
ア径/平均ポア径が3以下であることが好ましい。コー
ドレス機器用のアルカリ電池セパレータとして好適に使
用しうるためには、不織布の厚みは180μm以下とす
ることが望ましい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中における、部、%はすべて重量によるも
のである。
【0026】実施例1 アクリル系繊維に架橋結合を導入し、加水分解反応によ
り3.5m mol/gのカルボキシル基と残部にアミ
ド基を導入し、次いで一価ナトリウム金属イオンを付加
させて得られる繊維径5.4μm、繊維長6mm(アス
ペクト比が1111)の金属イオン付加アクリル繊維を
97部、繊度1デニ−ル、繊維長3mmの熱水可溶性ポ
リビニルアルコ−ル繊維(VPW103、クラレ社製)
3部を湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量50g/m
2、幅50cmのウェブを製造した。このウェブを10
0メッシュのステンレスワイヤ−(線径0.112mm
のモノフィラメントを使用した平織りで開孔率34%、
1つの開孔の大きさが0.023mm2)である多孔質
支持体上に搬送し、搬送速度10m/分で高圧柱状水流
により水流交絡処理を行った。ノズルベッドは3ヘッド
用い、第1ヘッドのノズルはノズル径120μm、ノズ
ル間隔0.6mm、2列で水圧75kgf/cm2、第2ヘッ
ドのノズルはノズル径100μm、ノズル間隔0.3m
m、1列で100kgf/cm2、第3ヘッドのノズルはノズ
ル径100μm、ノズル間隔0.3mm、1列で125
kgf/cm2である。交絡は、まず片面で行い、次に同じ条
件で裏面の交絡を行った。こうして得られた不織布を8
0度の熱風乾燥機で乾燥し、次いで温度60度、線圧4
15kg/cmで、カレンダ−ロ−ル処理を行って、厚さ約
130μ mの不織布となし、切断してセパレータを得
た。このセパレータについて各種性能試験を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0027】実施例2 繊維径5.4μm、繊維長8mm(アスペクト比が14
81)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセ
パレータについて各種性能試験を行った。その結果を表
1に示す。
【0028】実施例3 繊維径5.4μm、繊維長10.5mm(アスペクト比
が1944)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した
以外は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。こ
のセパレータについて各種性能試験を行った。その結果
を表1に示す。
【0029】実施例4 繊維径3.1μm、繊維長6mm(アスペクト比が19
35)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセ
パレータについて各種性能試験を行った。その結果を表
1に示す。
【0030】実施例5 維径6.9μm、繊維長12mm(アスペクト比が17
39)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセ
パレータについて各種性能試験を行った。その結果を表
1に示す。
【0031】実施例6 維径9.8μm、繊維長15mm(アスペクト比が15
31)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセ
パレータについて各種性能試験を行った。その結果を表
1に示す。
【0032】実施例7 金属イオン付加アクリル繊維として、アクリル系繊維に
架橋結合を導入し、加水分解反応により3.5m mo
l/gのカルボキシル基と残部にアミド基を導入し、次
いで2価のZn金属イオンで架橋を形成させて得られる
繊維径5.6μm、繊維長6mm(アスペクト比が11
11)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレ−タを得た。このセ
パレータについて各種性能試験を行った。その結果を表
1に示す。
【0033】比較例1 繊維径5.4μm、繊維長5mm(アスペクト比が92
5)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外は、
実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセパレ
ータについて各種性能試験を行った。その結果を表2に
示す。
【0034】比較例2 繊維径5.4μm、繊維長12mm(アスペクト比が2
222)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。 この
セパレータについて各種性能試験を行った。その結果を
表2に示す。
【0035】比較例3 繊維径2.8μm、繊維長3mm(アスペクト比が10
87)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセ
パレータについて各種性能試験を行った。その結果を表
2に示す。
【0036】比較例4 繊維径3.1μm、繊維長3mm(アスペクト比が97
0)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以外は、
実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセパレ
ータについて各種性能試験を行った。その結果を表2に
示す。
【0037】比較例5 繊維径11.1μm、繊維長25mm(アスペクト比が
2252)の金属イオン付加アクリル繊維を使用した以
外は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。この
セパレータについて各種性能試験を行った。その結果を
表2に示す。
【0038】比較例6 アクリロニトリル91部、アクリル酸メチル9部を共重
合してなる繊維径3.5μm、繊維長6.0mm(アス
ペクト比が1714)のアクリル繊維を使用した以外
は、実施例1と同様の方法でセパレータを得た。このセ
パレータについて各種性能試験を行った。その結果を表
2に示す。
【0039】比較例7 ナイロン製乾式不織布(溶融紡糸タイプ)のセパレ−タ
について各種性能試験を行った。その結果を表2に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】なお、実施例及び比較例における性能試験
方法は次の通りである。不織布の強度の評価としては、
極板に巻き付ける際に、引っ張りながら巻き付けるの
で、縦(流れ方向)の引張強度(kg/2cm幅)を測
定した。引張強度は、JIS−8113により、セパレ
ータを幅2cm、長さ20cmに裁断し、テンシロン測
定機(オリエンテック社製、HTM−100)を用い
て、フルスケール10kgで破断時の荷重を10回測定
し、その平均値を示した。
【0043】正極側から発生する酸素が不織布を経て負
極側への透過するしやすさの評価としては、フラジール
通気度(cc/cm2/sec)を測定した。フラジー
ル通気度は、JIS−L−1096により、フラジール
形通気度試験機を用いて、試験片を通過する空気量を5
回測定し、その平均値を示した。
【0044】また、正極側から発生する酸素の負極側へ
の透過性と不織布が短絡するかどうかの評価としては、
ポア径(μm)を測定した。ポア径は、ASTM−F−
316記載のバブルポイント法及びミ−ンフロ−法によ
り、最大ポア径、平均ポア径を求めた。
【0045】不織布への電解液の染み込み易さ(初期の
濡れ性)の評価としては、電解液吸液速度(30分後の
cm)を測定した。電解液吸液速度は、各試料の長さ方
向から2.5cm×20cmの試験片を3枚採取し、4
0±5℃のもとに予備乾燥を行い、公定水分率以下にし
た後、試料を標準温室度状態の試験室に放置し、その後
試料を1時間以上の間隔で計量し、その前後の質量差が
後の質量の0.1%以内になった状態(この状態を水分
平衡状態という)とする。次に、試験片を20±2℃に
おける比重1.3(20℃)の苛性カリ(KOH)溶液
を入れた水槽上に所定高さの水平棒を設置し、各試料を
この水平棒にその下端を揃えてピンで止めて各試料を垂
れ下げ、水平棒を降下して各試験片の下端が5cmだけ
液中に漬かった状態となし、30分後に毛細管現象によ
りKOH溶液が上昇した高さを測定した。
【0046】不織布の電解液の保液性の評価としては、
電解液保持率(%)を測定した。電解液保持率は、各試
料から10cm×10cmの大きさの試験片を3枚採取
し、水分平衡状態となしたときの重量W(mg)を測定
する。次に、上記KOH溶液中に試験片を広げて浸漬
し、1時間以上放置したのち液中から取り出して試験片
の一つの角をクリップして吊り下げ、10分後に重量W
1(mg)を測定し、次の数1により、初期の電解液保
液率(%)を算出した。
【0047】
【数1】 電解液保液率(%)=(W1−W)/W×100
【0048】不織布の耐アルカリ性の評価としては、ア
ルカリ処理後の減量率(%)を測定した。アルカリ処理
後の減量率は、各試料から10cm×10cmの大きさ
の試験片を3枚採取し、水分平衡状態となしたときの重
量W(mg)を測定したのち、電解液に相当する30%
濃度のKOH溶液に浸漬して、80±2℃の雰囲気中で
7日間保存する。その後取り出した試料を中和点に達す
るまで水洗乾燥し、再び水分平衡状態となした時の重量
2(mg)を測定し、次の数2によりアルカリ処理後
の減量率(%)を求めた。
【0049】
【数2】アルカリ処理後の減量率(%)=(W−W2
/W×100
【0050】表1の実施例1〜7に示すように、本発明
のアルカリ電池セパレ−タ用不織布は、繊維同士の強固
な交絡により、流れ方向の引張強度が強く、また、耐ア
ルカリ性に優れる等、セパレ−タとして必要な諸性質を
併せ持ち、特に、電解液の濡れ性と保液性に優れてい
る。
【0051】表1の実施例1〜3に示すように、本発明
の不織布は、繊維径が本発明の範囲内であれば、アスペ
クト比が大きくなるほど、引張強度が強くなる。
【0052】表1の実施例1と実施例7に示すように、
金属イオン付加アクリル繊維からなる不織布の電解液の
濡れ性と保液性の効果は、1価の金属イオンを付加した
場合と2価の金属イオンを架橋した場合とでほとんど変
わらない。また、引張強度等も1価の金属イオンを付加
した場合と2価の金属イオンを架橋した場合とでほとん
ど変わらない。
【0053】表2の比較例1〜2、4〜5に示すよう
に、繊維径が本発明の範囲内であっても、アスペクト比
が1000より小さい場合、繊維同士を絡み合わせるこ
とが困難で、不織布の引張強度が非常に弱くなる。ま
た、アスペクト比が2000を超える場合、交絡前の抄
紙機で抄造したウェブは、繊維の未離解部分や結束が多
くみられ、これが原因で、交絡が不十分になり、交絡後
の不織布の引張強度も弱くなる。さらに、地合、面質も
劣ったものであるため、最大ポア径をコントロ−ルでき
ない。
【0054】表2の比較例3に示すように、アスペクト
比が本発明の範囲内であっても、繊維径が3μmより細
いと、繊維自体の強度が弱く、また、繊維同士の絡み合
いも不十分となり、不織布の引張強度が弱くなる。
【0055】表2の比較例6に示すように、アクリル系
繊維に架橋結合を導入し、加水分解し、金属イオンで架
橋、又は付加しないアクリル繊維からなる不織布では、
電解液の初期の濡れ性及び保液性は、ナイロン製乾式不
織布のものとほとんど変わらず、金属イオン付加アクリ
ル繊維からなる不織布に比べるとかなり劣ったものであ
る。
【0056】表2の比較例7に示すように、溶融紡糸タ
イプのナイロン製乾式不織布では、地合が悪いために、
坪量を大きくしなければならず、また、通気性と耐アル
カリ性が著しく劣り、電解液の濡れ性及び保液性も本発
明の不織布に比較すると、かなり劣ったものである。
【0057】
【発明の効果】本発明の不織布は、金属イオン付加アク
リル繊維からなるので、繊維自体の強度、耐アルカリ性
が高く、また吸水性も優れている。そのため、耐電解液
性及び耐電気化学的酸化性が高く、電解液に濡れやすく
その保持量が大きい。さらに、この繊維で製造した本発
明の不織布は、低目付けでありかつポア径が均一である
ため、従来より小さいポア径で従来と同等の通気性を得
ることもできる。そのため、不織布の厚さをさらに薄型
にし軽量化することができる。その結果、本発明によ
り、アルカリ電池セパレ−タに必要な諸性能を併せ持
ち、特に初期濡れ性と電解液の保液性に優れた不織布、
およびその製造方法を提供することが可能になり、高容
量、長寿命、高信頼性等の高度の特性の必要なコ−ドレ
ス機器のアルカリ電池用として好適に使用することがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種類以上の繊維径が3〜1
    0μmの短繊維で、且つ繊維長Lと繊維径Dの比(L/
    D、アスペクト比)が1000〜2000である金属イ
    オン付加アクリル繊維からなるアルカリ電池セパレータ
    用不織布。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアルカリ電池セパレー
    タ用不織布の製造方法であって、少なくとも1種類以上
    の繊維径が3〜10μmの短繊維で、且つ繊維長Lと繊
    維径Dの比(L/D、アスペクト比)が1000〜20
    00である金属イオン付加アクリル繊維を水に分散して
    スラリーとし、該スラリーを湿式抄造してウェブを形成
    し、次いで該ウェブを水流交絡法により交絡結合後、熱
    圧加工することを特徴とするアルカリ電池セパレータ用
    不織布の製造方法。
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