JPH06298657A - 免疫強化剤 - Google Patents

免疫強化剤

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JPH06298657A
JPH06298657A JP5113682A JP11368293A JPH06298657A JP H06298657 A JPH06298657 A JP H06298657A JP 5113682 A JP5113682 A JP 5113682A JP 11368293 A JP11368293 A JP 11368293A JP H06298657 A JPH06298657 A JP H06298657A
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JP
Japan
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bacterial
preparation
infection
actinobacillus
cell
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JP5113682A
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Takashi Watanabe
隆司 渡邉
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Nippon Shoji Co Ltd
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Nippon Shoji Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アクチノバチルス属に属する菌の菌体、特にア
クチノバチルス スイス(ATCC15557)または
アクチノバチルス アクチノマイセテムコミタンス(A
TCC29522)の生菌体または加熱処理された死菌
体を有効成分として含有する免疫強化剤。 【効果】本発明のアクチノバチルス属に属する菌から調
製された細菌製剤は、MRSA感染または日和見菌感染
に対する抵抗性の増強作用、並びにザルコーマ細胞やL
−1210白血病細胞に対する抗悪性腫瘍作用等を有す
る免疫強化剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチノバチルス属
(Actinobacillus) に属する菌、中でもアクチノバチル
ス スイス(Actinobacillus suis )ATCC1555
7株またはアクチノバチルス アクチノマイセテムコミ
タンス(A. actinomycetemcomitans) ATCC2952
2株の菌体を有効成分として含有するMRSA感染症、
日和見感染症および悪性腫瘍に対する免疫強化剤に係る
ものである。
【0002】
【従来の技術】重度の熱傷、癌あるいはステロイド剤の
長期・大量投与などで惹起される免疫系諸機能の減弱あ
るいは低下の結果、宿主は易感染状態となり、重篤な日
和見感染症に陥り、死に至る症例が多いことは周知のと
ころである。一方、種々の悪性腫瘍に対する免疫・化学
療法剤に関する研究開発も盛んにおこなわれている。こ
れら成果の中には、細菌菌体またはその抽出物を用いた
免疫強化剤あるいは抗腫瘍剤がある。例えば、特公昭
43−6690号公報に記載されているA群溶血性連鎖
球菌(ストレプトコッカス ピオゲネス)Su株の生菌
菌体(以下、溶連菌製剤という)を用いた方法、黄色
ブドウ球菌の菌体成分を用いた特公昭59−46487
号公報の方法、緑膿菌菌体成分を用いた特公昭61−
23167号公報の方法、乳酸桿菌の1菌種であるラ
クトバチルスカゼイ菌YIT−9018株の菌体(以
下、LC−9018製剤という)を用いた特公昭62−
34727号公報の方法、あるいは非定型抗酸菌の菌
体抽出物を用いた特公昭62−41214号公報の方法
などが、その例として挙げられる。ところで、このよう
な細菌性製剤をはじめとする、いわゆる外来性生体応答
調節物質は宿主免疫系の諸機能を非特異的に活性化する
免疫薬理学的作用を有することは、多数の報告よりすで
に明らかにされているところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】細菌製剤を免疫強化剤
あるいは抗腫瘍剤として用いる場合、ヒトに対して病原
性を示さない菌種が好ましく、またヒトの常在菌として
共生し、ヒトに有益な菌も望ましい菌種といえるであろ
う。この観点から、溶連菌、緑膿菌あるいは抗酸菌など
は、その製剤が生菌体の場合は勿論のこと、たとえ死菌
体であっても、元来ヒトに対して病原性を示す菌種であ
るという点で問題が残る。また菌体抽出物を有効成分と
して利用する場合には、製造上、抽出、分離、単離、精
製などの複雑な処理工程を必要とする問題点がある。他
方、常在性非病原性菌の菌体そのものを用いる場合、そ
の投与量あるいは投与期間によっては免疫担当細胞群の
豊富な臓器や造血臓器・器官などに対する2次的な副作
用の生じる可能性が考えられる(Sato K.,Infect.Immu
n.,44,445,1984)。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述のよう
な現状と問題点を背景に、菌体そのものが免疫系諸機
能の強力な増強能を有し、臓器毒性が極めて低くヒ
トに対しては病原性がなく、しかも生菌体であること
を必要としない細菌属の探索を鋭意進めた結果、アクチ
ノバチルス属に属する菌、中でもアクチノバチルス ス
イス種の1菌株であるATCC15557株およびアク
チノバチルス アクチノマイセテムコミタンス種の1菌
株であるATCC29522株が、前記の条件に適合す
る菌種であることを見出し、さらに研究を進めて本発明
を完成した。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、(1)アクチ
ノバチルス属に属する菌の菌体を有効成分として含有す
る免疫強化剤、(2)アクチノバチルス スイス(AT
CC15557)またはアクチノバチルス アクチノマ
イセテムコミタンス(ATCC29522)の菌体を有
効成分として含有する免疫強化剤、(3)菌体が加熱処
理された死菌体である前記(1)または(2)記載の免
疫強化剤、(4)免疫強化がMRSA感染症に対するも
のである前記(1)〜(3)いずれか記載の免疫強化
剤、(5)免疫強化が日和見感染症に対するものである
前記(1)〜(3)いずれか記載の免疫強化剤、(6)
免疫強化が悪性腫瘍に対するものである前記(1)〜
(3)いずれか記載の免疫強化剤に関する。
【0006】本発明に用いられるアクチノバチルス属に
属する菌はグラム陰性の通性嫌気性桿菌で、分類学上は
パスツエラ科に属する(Bergey's Manual of Systematic
Bacteriology,1984) 。アクチノバチルス属に属する菌
はヒトを含む哺乳動物に寄生性があり、形状は球形が優
勢であるが、桿状や糸状を呈することもある。アクチノ
バチルス スイス菌の豚、馬や牛に対する感染症例報告
は、これまでに数編みられるものの、ヒトへの感染や病
原性に関する報告は、現在までのところ皆無である。ア
クチノバチルス属に属する菌株は、ATCCや工業技術
院生命工学工業技術研究所等の菌株保存センターから入
手することができる。本発明に特に有利に用いられるア
クチノバチルス スイス菌およびアクチノバチルス ア
クチノマイセテムコミタンス菌もATCCから入手する
ことができ、例えばアクチノバチルス スイスATCC
15557株およびアクチノバチルスアクチノマイセテ
ムコミタンスATCC29522株を例示することがで
きる。
【0007】本発明に用いられるアクチノバチルス属に
属する菌の菌体は、生菌体でも死菌体でもよく、次のよ
うにして調製することができる。まず、ブレインハート
インフュージョン培地(仔牛脳浸出液20%、牛心臓浸
出液25%、ペプトン1%、グルコース0.5%、塩化
ナトリウム0.5%、リン酸水素二ナトリウム0.25
%、pH7.4)1000mlを2.5リットル容フラ
スコに分注し、121℃で15分間滅菌した後、予め前
培養しておいた種用培養液を接種する。ついで、37℃
で18〜24時間静置培養した後、遠心分離により培養
液から菌体を集め、生理的食塩水で2回洗浄する。な
お、アクチノバチルス属に属する菌の培養用の培地とし
ては、ブレインハートインフュージョン培地の代わり
に、グルコース(0.5%)、リン酸塩(0.5%)、
ペプトン(0.5%)、酵母エキス(1%)を含む培地
(pH7.4)を用いることもできる。アクチノバチル
ス アクチノマイセテムコミタンス等のように培養時に
CO2ガスの供給により菌の増殖を促進できる場合もあ
る。この場合のCO2 ガス濃度は、通常5%である。
【0008】こうして得られた湿菌体を滅菌蒸留水に懸
濁し、そのまま凍結乾燥すると粉末状の生菌体が得られ
る。また、上記湿菌体の滅菌蒸留水懸濁液を80℃の湯
浴中で60分間加熱処理した後、凍結乾燥して死菌体粉
末を得ることができる。別法として、湿菌体を121℃
で20分間加熱滅菌した後、80℃の熱風で乾燥して死
菌体粉末とすることもできる。これらの菌体粉末はバイ
アル瓶やアンプルに無菌的に真空封入して冷蔵保存す
る。
【0009】本発明に用いるアクチノバチルス スイス
ATCC15557株およびアクチノバチルス アクチ
ノマイセテムコミタンスATCC29522株の生菌
体、死菌体の調製も、上述したアクチノバチルス属に属
する菌一般の菌体調製法に従って行なうことができる。
【0010】本発明の免疫強化剤は、上述のようにして
調製した菌体を有効成分として含有するものであり、後
述の実施例において詳述するように、MRSA感染、日
和見感染、悪性腫瘍等に対する防御機構である免疫系機
能を増強させることができる優れた作用を有している。
その一方、本発明の免疫強化剤は毒性が低く、急性毒性
値(LD50)は、極めて大きいことが特長といえる。本
発明の免疫強化剤は、菌体粉末を滅菌した生理食塩水、
リンゲル液等に懸濁した液剤として、あるいは通常用い
られる適当な基剤を利用して坐剤、顆粒剤、錠剤または
軟膏剤として調製される。この場合、他の化学療法剤や
ステロイド等の免疫抑制剤を配合した製剤の調製も可能
である。
【0011】本発明の免疫強化剤の投与方法としては、
静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、経口投与あるいは
注腸内投与のいずれを選択することもできる。免疫強化
剤の投与量は、投与方法によって異なるが、粉末菌体量
として、成人1日あたり、静脈内投与で30〜150m
g/kg、皮下投与で500〜2000mg/kg、腹
腔内投与で5〜20mg/kg、経口投与で1000〜
4000mg/kg、注腸内投与では500〜2000
mg/kg程度であり、1日1〜3回に分け、5〜10
日間投与するのが好ましい。なお、これらの投与量は、
年令・症状などによってはこれらの範囲外となってもよ
い。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0013】実施例1 本発明に用いられるアクチノバチルス スイスATCC
15557株の生菌体粉末及び死菌体粉末(以下、As
−15557製剤という)は次のようにして調製した。
培養液1000ml中に、仔牛脳浸出液200g、牛心
臓浸出液250g、ペプトン10g、グルコース5g、
塩化ナトリウム5g、リン酸水素二ナトリウム2.5g
を含有するpH7.4の培地(一般名:ブレインハート
インフュージョン培地)を121℃で15分間滅菌した
後、予め前培養した種用菌液を適当量接種した。37℃
で18〜24時間静置培養した後、培養菌液から菌体を
遠心分離し、生理的食塩水で2回洗浄した。洗浄後、滅
菌蒸留水による菌体懸濁液を作製し、そのまま(生菌体
の場合)または80℃の湯浴中で60分間加熱処理し
(死菌体の場合)、凍結乾燥し粉末化した。菌体はクリ
ーム様黄色を呈した。なお、0.5mg/mlの菌浮遊
液の吸光度は540nmにて測定した場合、1.5を示
した。
【0014】実施例2 アクチノバチルス アクチノマイセテムコミタンスAT
CC29522株の生菌体および死菌体(以下、Aa−
29522製剤という)の調製方法も実施例1に記載し
た方法と全く同様である。なお、菌体粉末は白色を呈し
た。一方、比較対照用の他種細菌製剤(3菌種)のう
ち、ストレプトコッカス サーモフィルスIFO353
5株の菌体(以下、St−3535製剤という)は実施
例1に記載の方法と同じ方法で調製し、LC−9018
製剤は加藤らの方法(Kato, I. et al: Gann, 72: 517,
1981 )に準じて調製し、市販溶連菌製剤は中外製薬社
製のものを使用した。
【0015】実施例3 日和見菌感染に対する抵抗性の増強作用 緑膿菌感染およびカンジダ菌感染に対する抵抗性の増強
能 ddY系雌マウス(5週令、体重25g前後)を1群1
0匹宛用い、マウス1匹あたり供試5菌種細菌製剤(A
s−15557,Aa−29522,LC−9018,
市販溶連菌,St−3535)の各々0.1mg(生理
的食塩水1ml中に0.5mgの菌体を含む菌液0.2
ml:4mg/kg)または0.5mg(生理的食塩水
1ml中に2.5mgの菌体を含む菌液0.2ml)を
腹腔内投与し、その3日後にマウス1匹あたり患者喀痰
より分離培養した緑膿菌MNCC4709株の1.8×
107 生菌単位(CFU)、または患者尿由来のカンジ
ダアルビカンス(C.albicans) MNCC4105株の
1.3×108 CFU(St−3535製剤を除く4菌
種製剤を供試)を腹腔内感染させた。感染後10日間に
亘り、動物の死亡数を記録し、10日目の生残率を求め
た(生残とは、無処理のマウスと同程度に自然死するま
で生存し続けることを意味する)。一方、非投与対照群
にはマウス1匹あたり、生理的食塩水0.2mlを腹腔
内投与し、同量の緑膿菌またはカンジダ アルビカンス
で攻撃した。なお、10日目以降に生き残った動物は、
さらに1ヵ月間飼育したが、生死数の変動は感染後5日
目迄であり、1ヵ月間におけるその後の変動は皆無であ
った。各群における生残率を表1に示す。
【0016】供試5菌種細菌製剤のうち、アクチノバチ
ルス属に属する菌の2菌種の製剤(As−15557製
剤とAa−29522製剤)の緑膿菌感染およびカンジ
ダ菌感染に対する抵抗性の増強能は、いずれの投与量に
おいてもLC−9018製剤や市販溶連菌製剤のそれら
よりも強く、中でもAs−15557製剤においては4
mg/kg(0.1mg/マウス)の投与量でも80〜
90%の生残率を示した。これに対し、市販溶連菌製剤
と同属に属する菌のSt−3535製剤には、緑膿菌に
対する感染抵抗性の増強能は殆どみられなかった。
【0017】
【表1】
【0018】実施例4 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染に対す
る抵抗性の増強能 ddY系雌マウス(5週令)を1群10匹宛用い、実施
例3と同様の方法でマウス1匹あたり供試細菌製剤(4
菌種)を腹腔内投与し、その3日後にマウス1匹あた
り、患者喀痰由来メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MR
SA)MNCC4810株(4.4×107 CFU/マ
ウス)を腹腔内感染させた。感染後10日間に亘り、動
物の死亡数を記録し、10日目の生残率を求めた。その
結果を表2に示す(なお、供試4菌種細菌製剤とは、A
s−15557製剤,Aa−29522製剤,LC−9
018製剤および市販溶連菌製剤のことである)。As
−15557製剤およびAa−29522製剤のMRS
A菌感染に対する抵抗性の増強能は、表2に示すよう
に、LC−9018製剤あるいは市販溶連菌製剤のそれ
よりも強く、中でもAs−15557製剤の感染抵抗性
の増強能は極めてすぐれていた。
【0019】
【表2】
【0020】実施例5 デキサメサゾン処置免疫減弱動物における緑膿菌感染抵
抗性の増強能 ddY系雌マウス(5週令)を1群10匹宛用い、緑膿
菌感染5日前よりマウス1匹あたり副腎皮質ホルモン剤
であるデキサメサゾン(品名:デカドロン,日本メルク
社)0.2ml(生理的食塩水1ml中に1mg含む)
を3日間に亘り1日1回腹腔内投与した。さらに感染3
日前に供試4菌種の細菌製剤をマウス1匹あたり4mg
/kgまたは20mg/kgの腹腔内投与を行い、その
投与3日後に非処置正常対照群の生残率が20〜30%
になるように緑膿菌MNCC4709株(6.2×10
6 CFU/マウス)を腹腔内感染させた後、10日目の
生残率を求めた。その結果を図1に示す(なお供試4菌
種細菌製剤とは、As−15557製剤,Aa−295
22製剤,LC−9018製剤および市販溶連菌製剤を
意味する)。
【0021】デキサメサゾンで処置した細菌製剤非投与
対照群のマウスは、緑膿菌感染により全例死亡したのに
対し、4種の供試細菌製剤(20mg/kg,0.5m
g/マウス)をデキサメサゾン処置マウスに投与するこ
とにより、非処置正常対照群における生残率(20%)
よりも高い生残率を示し、中でもAs−15557製剤
投与群の生残率は80%と最も高率であった。また4m
g/kgの供試細菌製剤を投与した場合の感染抵抗性増
強能はAs−15557製剤(60%)、Aa−295
22製剤(30%)、LC−9018製剤(20%)、
市販溶連菌製剤(10%)の順であった。
【0022】実施例6 デキサメサゾン処置マウス腹腔マクロファージにおける
緑膿菌殺菌能の増強 実施例5で示されたデキサメサゾン処置免疫能減弱マウ
スにおける供試細菌製剤の緑膿菌感染抵抗性の増強作用
が、デキサメサゾンによって低下した免疫系機能の活性
化に起因しているか否かを調べるために、腹腔マクロフ
ァージの緑膿菌殺菌能が供試細菌製剤により増強された
か否かについて検討した。
【0023】ddY系雌マウス(5週令)1群あたり3
匹を用い、実施例5と同じ条件でデキサメサゾンによる
処置および供試3菌種細菌製剤4mg/kg(0.1m
g/マウス)の腹腔内投与を行った。その3日後にデキ
サメサゾン非処置正常群およびデキサメサゾン処置対照
群と共に緑膿菌MNCC4709株(1×105 CFU
/マウス)を腹腔内感染させた。感染直後および3時間
後にヘパリン(4単位/ml)添加ハンクス緩衝液2.
5mlで動物腹腔内を2回洗浄し、採取された腹腔洗浄
液(5ml)を遠心分離し、得られた遠心上清および遠
心沈澱細胞に0.83%塩化アンモニウム液(5ml)
を添加した後、緑膿菌生菌単位(CFU)を緑膿菌選択
用寒天培地を用いて各々算定し、上清中のCFUと細胞
内CFUの和をもって腹腔内の感染菌の全CFUとし、
下記の式により腹腔マクロファージの緑膿菌殺菌能の増
強率(%)を求めた。 殺菌能増強率(%)={〔(感染直後のCFU)−(感
染3時間後のCFU)〕/感染直後のCFU}×100
【0024】その結果を図2に示す(なお、供試3菌種
細菌製剤は、As−15557製剤、LC−9018製
剤および市販溶連菌製剤である)。マウス腹腔マクロフ
ァージの緑膿菌殺菌能は、デキサメサゾンで処置するこ
とにより非処置正常群のそれよりも著しく減弱された。
しかし、供試いずれかの細菌製剤の投与により、減弱し
た腹腔マクロファージ殺菌能の明らかな回復と機能亢進
がみられた。中でも本発明のAs−15557製剤投与
群における腹腔マクロファージの機能亢進は極めて顕著
であった。このことは、マクロファージの機能亢進の結
果、サイトカインネットワークなどの免疫系が作動する
ことにより、図1で示された成績が得られたことを強く
示唆した。
【0025】実施例7 緑膿菌感染に対する抵抗性の増強作用における有効量 ddY系雌マウス(5週令)を1群10匹宛用い、マウ
ス1匹あたりAs−15557製剤またはLC−901
8製剤の0.4mg/kg、2mg/kg、4mg/k
g、8mg/kg、20mg/kgまたは40mg/k
gを腹腔内投与し、その3日後に緑膿菌MNCC470
9株(1.8×107 CFU/マウス)を用いて腹腔内
攻撃した後、10日目の生残率を求めた。その結果を表
3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】5%危険率(Student t-テスト法) より、
各々の細菌製剤の最小有効量を求めたところ、LC−9
018製剤のそれは8mg/kg(0.2mg/kg)
であった。これに対し、本発明のAs−15557製剤
の最小有効量は2mg/kg(0.05mg/マウス)
であった。
【0028】実施例8 緑膿菌感染に対する抵抗性増強作用の持続効果 ddY系雌マウス(5週令)を1群10匹宛用い、緑膿
菌感染21日前、14日前、10日前、7日前あるいは
3日前に、マウス1匹あたり供試細菌製剤(As−15
557製剤またはLC−9018製剤)の2mg/kg
を腹腔内投与した後、緑膿菌MNCC4709株(1.
8×107 CFU/マウス)で腹腔内攻撃し、10日目
の生残率を求めた。
【0029】その結果、供試細菌製剤を1回のみ投与し
た場合の緑膿菌感染に対する抵抗性は、日数の経過に伴
って低下(即ち生残率は低下)するものの、As−15
557製剤の投与10日目における生残率は60%であ
り、非投与対照群(感染後2日までに全動物死亡:生残
率0%)との間に有意差(危険率5%以下)がみられた
が、LC−9018製剤の生残率に有意性がみられたの
は投与3日目(生残率:70%)のみであった。これら
の結果から、本発明のAs−15557製剤の2mg/
kg、1回投与における感染抵抗性増強の持続期間は少
なくとも10日間であり、LC−9018製剤の3日間
に比べて、その効果が極めて長期間持続することが示さ
れた。
【0030】実施例9 緑膿菌感染マウスにおける感染症発症遅延作用 ddY系雌マウス(5週令)を1群10匹宛用い、マウ
ス1匹あたり緑膿菌MNCC4709株(1×107
FU/マウス)を腹腔内感染させた後、その3時間後に
供試3菌種製剤(As−15557製剤、LC−901
8製剤または市販溶連菌製剤)の20mg/kgを腹腔
内投与した。感染後6時間毎に各群の動物が死亡するま
でに要した時間(即ち、生存時間)を記録し、これら細
菌製剤の緑膿菌感染症発症遅延効果の有無について調べ
た(Student t-テスト法)。その結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】いずれの投与群においても全動物は死亡し
たものの、As−15557製剤およびLC−9018
製剤は有意性のある生存時間の延長、即ち延命効果を示
したが、危険率からみると、本発明のAs−15557
製剤の緑膿菌感染症発症遅延作用はLC−9018製剤
のそれよりもすぐれていることが認められた。一方、市
販溶連菌製剤にはほとんど延命効果は認められなかっ
た。
【0033】実施例10 ザルコーマ180癌細胞移植実験系における抗腫瘍作用 本試験は3つの系で行なった。即ちICR系雌マウス
(5週令、体重25g前後)を1群10匹宛用い、担癌
3日前より、マウス1匹あたりAs−15557製剤8
mg/kg(0.2mg/マウス)を3日間に亘り1日
1回計3回(総投与量:24mg/kg)、12mg/
kg(0.3mg/マウス)のものを2日間に亘り1日
1回計2回(総投与量:24mg/kg)または24m
g/kg(0.6mg/マウス)のものを移植3日目に
1回(総投与量24mg/kg)腹腔内投与した後、ザ
ルコーマ180癌細胞(1×106 コ/マウス)を腹腔
内移植した系、マウス1匹あたり1×106 コの癌細
胞を腹腔内移植した後、As−15557製剤8mg/
kgを3日間に亘り1日1回計3回(総投与量:24m
g/kg)、12mg/kgのものを2日間に亘り1日
1回計2回(総投与量:24mg/kg)または24m
g/kgのものを移植3日目に1回(総投与量:24m
g/kg)腹腔内投与した系、As−15557製剤
4mg/kg(0.1mg/マウス)を癌細胞の腹腔内
移植(1×106 コ/マウス)前後6日間に亘り1日1
回計6回(総投与量:24mg/kg)腹腔内投与した
系、でおこない移植後8週間に亘り、腫瘍死した動物の
匹数を記録し、8週目の生残率を求めた。なお、ザルコ
ーマ180癌細胞移植対照群は生理的食塩水を腹腔内投
与した。その結果を表5に示す。
【0034】
【表5】
【0035】ザルコーマ180癌細胞移植前および後あ
るいは前後通じてAs−15557製剤を投与(総投与
量:24mg/kg)した場合、その投与方法により動
物の生残率は異なるもののかなりの生残率を示したこと
から、本発明のAs−15557製剤はザルコーマ18
0癌移植(腹腔内)に対して抗腫瘍活性を有するものと
思われる。表5に見られるように、As−15557製
剤の場合、癌細胞移植前、後あるいは前後通じての生残
率(移植前投与平均生残率:36.7%,移植後投与平
均生残率:16.7%,移植前および後投与生残率:5
0%)は、免疫強化剤(生体免疫応答物質)の有する作
用機序から考えて極めて信頼性の高い結果であるといえ
る。
【0036】実施例11 L−1210白血病細胞移植実験系における抗腫瘍作用 実験系は実施例10と同様の系を用いた。即ち、DB
A/2Cr系雌マウス(5週令、体重18g前後)を1
群10匹宛を用い、担癌3日前より、マウス1匹あたり
As−15557製剤11.1mg/kg(0.2mg
/マウス)を3日間に亘り1日1回計3回(総投与量:
33.3g/kg)あるいは33.3mg/kg(0.
6mg/マウス)のものを移植3日目に1回(総投与
量:33.3mg/kg)腹腔内投与した後、L−12
10白血病細胞(4×106 コ/マウス)を腹腔内移植
した系、マウス1匹あたり、4×106 コの癌細胞を
腹腔内移植した後、As−15557製剤11.1mg
/kgを3日間に亘り1日1回計3回(総投与量:3
3.3mg/kg)腹腔内投与した系、As−155
57製剤5.55mg/kg(0.1mg/マウス)を
癌細胞の腹腔内移植(1×106 /マウス)前後6日間
に亘り1日1回計6回(総投与量:33.3mg/k
g)腹腔内投与した系、でおこない、移植後、動物が腫
瘍死するまでの日数を観察し、生理的食塩水のみを投与
したL−1210白血病細胞移植対照群の平均生存日数
を1とした場合のAs−15557製剤投与群における
相対生存値並びに平均生存日数を算定した。その結果を
表6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】L−1210白血病細胞移植前および後あ
るいは前後通じてAs−15557製剤を投与(総投与
量:33.3mg/kg)した場合、その投与方法によ
り動物の平均生存期間は異なるものの、対照群の生存時
間を1として算出した相対生存値(移植前および後ある
いは前後通じての相対生存値は各々1.30,1.15
あるいは1.45である)に有意差がみられたことか
ら、免疫強化剤の作用機序とL−1210白血病細胞の
性状から考えても極めて信頼性の高い結果であり、本発
明のAs−15557製剤は強力な増殖能を有するL−
1210白血病細胞(腹腔内移植)に対しても、抗腫瘍
活性を有するものと思われる。
【0039】実施例12 As−15557製剤の毒性試験 (1)供試細菌製剤の急性毒性試験(LD50) ddY系雌マウスおよび雄マウス(5週令)を1群5匹
宛用い、供試3菌種製剤(2倍階段希釈)の急性毒性
(LD50)について、Litchfield-Wilcoxon 法に従って
求めた。その結果を表7に示す。
【0040】
【表7】
【0041】As−15557製剤の雌マウスに対する
LD50は、腹腔内および静脈内投与においてLC−90
18製剤および市販溶連菌製剤のそれらよりも1.1〜
6.5倍高い値を示し、急性毒性は極めて低いことが明
らかとなった。またAs−15557製剤の腹腔内およ
び静脈内投与において雄マウスよりも雌マウスに対して
相対的に高いLD50値を示し、皮下あるいは経口投与で
のLD50値は3000mg/kg以上であった。
【0042】(2)本発明の細菌製剤投与マウスの肝臓
および脾臓組織における病理組織学的所見 As−15557製剤の20mg/kgをマウス尾静脈
内に投与した後、10日目に全動物を麻酔、屠殺した。
肝臓および脾臓を摘出し、ホルマリン固定した後、パラ
フィン包埋組織切片標本を作製し、光学顕微鏡下でこれ
ら標本における病理組織学的病変について観察した。そ
の結果、肝臓組織切片像において、非投与群のそれらと
比較して極めて微弱な肝細胞壊死や顆粒球の類洞への浸
潤がみらられるものの、明らかな病変所見像は、ほとん
どみられなかった。また、脾臓組織標本の赤脾髄所見お
よび白脾髄所見においては非投与対照群と比べて異常は
みられなかった。
【0043】(3)抗原性試験 ddY系雌マウス(5週令)を1群3匹宛用い、マウス
1匹あたりAs−15557製剤、160mg/kg
(4mg/マウス)を腹腔内あるいは静脈内に1回のみ
投与した後、14日目および21日目に血清を分離採取
し、血清中の抗As−15557抗体産生の有無につい
てAs−15557菌体に対する凝集試験およびAs−
15557菌体の超音波処理破壊(200W,30分
間)菌上清液に対する沈降試験および免疫電気泳動法で
調べた結果、いずれの投与群由来血清においても陰性で
あり、抗体の産生は認められなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明のアクチノバチルス属に属する菌
から調製された細菌製剤は、MRSA感染または日和見
菌感染に対する抵抗性の増強作用、並びにザルコーマ細
胞やL−1210白血病細胞に対する抗悪性腫瘍作用等
を有する免疫強化剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、デキサメサゾン処置免疫減弱マウスの
緑膿菌感染抵抗性に対する各種細菌製剤の増強作用を示
す図である。
【図2】図2は、デキサメサゾン処置マウスの腹腔マク
ロファージの緑膿菌殺菌能に対する各種細菌製剤の増強
作用を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチノバチルス属に属する菌の菌体を
    有効成分として含有する免疫強化剤。
  2. 【請求項2】 アクチノバチルス スイス(ATCC1
    5557)またはアクチノバチルス アクチノマイセテ
    ムコミタンス(ATCC29522)の菌体を有効成分
    として含有する免疫強化剤。
  3. 【請求項3】 菌体が加熱処理された死菌体である請求
    項1または2記載の免疫強化剤。
  4. 【請求項4】 免疫強化がMRSA(メチシリン耐性黄
    色ブドウ球菌)感染症に対するものである請求項1〜3
    いずれか記載の免疫強化剤。
  5. 【請求項5】 免疫強化が日和見感染症に対するもので
    ある請求項1〜3いずれか記載の免疫強化剤。
  6. 【請求項6】 免疫強化が悪性腫瘍に対するものである
    請求項1〜3いずれか記載の免疫強化剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7514089B2 (en) 1997-09-10 2009-04-07 Vion Pharmaceuticals, Inc. Genetically modified tumor-targeted bacteria with reduced virulence

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