JPH06298840A - 側鎖に液晶分質部分と電荷移動錯体部分を有する電導性ポリマー - Google Patents

側鎖に液晶分質部分と電荷移動錯体部分を有する電導性ポリマー

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JPH06298840A
JPH06298840A JP3240489A JP24048991A JPH06298840A JP H06298840 A JPH06298840 A JP H06298840A JP 3240489 A JP3240489 A JP 3240489A JP 24048991 A JP24048991 A JP 24048991A JP H06298840 A JPH06298840 A JP H06298840A
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liquid crystal
polymer
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transfer complex
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JP3240489A
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English (en)
Inventor
Jiee Hiigaa Aran
アラン・ジェー・ヒーガー
Kazumi Naito
一美 内藤
Masao Kobayashi
征男 小林
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性、可撓性、透明性に優れた高機能の電
導性ポリマー。 【構成】 主鎖としては周知のポリマーであって、側鎖
に液晶物質部分と電荷移動錯体部分を有する単量体の重
合または重縮合(グラフト、ブロック等の共重合でも
可)して電気伝導度が10-8S・cm-1以上のポリマ
ー。 【効果】 本発明のポリマーは主鎖は任意に選択できる
ため、ポリマーの物性(加工性、機械的性質等)を主鎖
で調節すると共に導電性を電荷移動錯体部分に分担させ
るが、液晶物質部分が電荷移動錯体部分の高度の配列化
を促進するため電導性の高いポリマーとなったと推定し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、側鎖に液晶物質部分と
電荷移動錯体部分を有する新規な電導性ポリマーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電導性有機物としては、テトラシ
アノキノジメタンのごとき化合物があり、その後ポリマ
ーに金属粉や炭素粉を混合して導電性ポリマーが提案さ
れ、更に主鎖の共役結合を利用したポリマー、例えばポ
リアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリセ
レノフェン等が開発されている。
【0003】これらの主鎖の共役結合を利用した導電性
ポリマーは、一般に単量体の合成、重合も困難であり、
また得られたポリマーの物性も比較的加工が困難であっ
たりして、実用化に問題があった。
【0004】このような化合物とは別に、例えばモノマ
ーとしてアクリル酸エステルのアルコール部分に電荷移
動錯体部分を組み込んだ電導性ポリマーの提案がある。
このポリマーは主鎖は従来周知の結合を有するポリマー
でよいためポリマーとしての物性は前記主鎖の共有結合
を利用したポリマーより遥かに自由度を高くすることが
でき、理論的にはこの形であっても高い電気伝導度が得
られて良いはずであるが、いつでも確実には充分に高い
電気伝導度のポリマーが得られていない。本発明者らは
この原因としてポリマーの配列状態がランダムになり、
特に電荷移動錯体部分の配列が不十分なために高い電気
伝導度が得られないものと推定した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】主鎖としては周知のポ
リマーであって、側鎖に電荷移動錯体部分を有する高い
電気伝導性を有するポリマーの開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合または重
縮合により得られるポリマーにおいて、側鎖に液晶物質
部分(L)と電荷移動錯体部分(CT )を有する単量体
を重合または重縮合した電気伝導度が10-8S・cm-1
以上であることを特徴とする電導性ポリマーを開発する
ことにより本発明を開発した。
【0007】本発明により提供される新規な電導性液晶
ポリマーは、ポリマーを構成する側鎖の部分に液晶物質
部分と電荷移動錯体部分を有する電導性液晶ポリマーで
ある。
【0008】本発明の電導性ポリマーを模式的に例示す
ると次の表1の通りである。
【0009】
【0010】表1では液晶物質(L)がスペーサー
(1)を介して幹モノマーに結合しているか、このスペ
ーサーを介さず直接結合していても良い。また上記表1
では電荷移動錯体部分(CT )がスペーサー(2)を介
して液晶物質部分Lに結合しているが直接結合していて
もさしつかえない。更にこれらLとCT とが逆に結合し
ていても良く、即ちCT が幹モノマーに直接またはスペ
ーサーを介して結合していても良い。
【0011】nは重合度を示し、上記で示される繰り返
し単位によりポリマーを構成する。本発明ポリマーは、
当該ポリマーを構成する側鎖の部分にLとCT とを有し
てなり、表1には側鎖にLとCT とを有してなる例を示
す。
【0012】またこの幹モノマーが他のポリマーの主鎖
に結合したグラフト共重合体あるいはブロック共重合体
であっても良い。
【0013】このポリマーとしては周知のポリマー、例
えばポリオレフィン等エチレン性二重結合の重合、ある
いはアルデヒド、ケトン、エポキシ、イソシアネート等
から得られるポリマー、主鎖が炭素−炭素、酸素、窒
素、硫黄、ケイ素などを含む連鎖からなるポリマー、例
えばエポキシ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエーテル等の結合を有するポリマーであって良
い。
【0014】本発明においてはこれら連鎖とは関係な
く、側鎖部分に液晶物質部分と電荷移動錯体部分が存在
することが必要である。
【0015】本発明の電導性液晶ポリマーにおいて液晶
残基は公知の液晶物質を利用して導入することができ
る。
【0016】液晶物質の導入(液晶残基)については液
晶としての性格を失わないようにすることが必要であ
り、また液晶物質部分と電導性移動錯体部分との化学的
結合に際しても液晶的性質と電導性とを失わないような
結合のしかたが必要であり、これら液晶物質による液晶
残基の導入等については当業者であれば適宜その知識を
活用して実施、改変が可能である。
【0017】液晶物質としては、ネマチック、スメクチ
ック、コレステリック等各種構造のものが使用される。
中でも、電荷移動分子が立体的にそろいやすい等からス
メクチック液晶が好ましいが、ケースバイケースであ
る。
【0018】それらの例としてすでに多くのものが提案
されており、例えば昭和56年12月30日(株)オー
ム社発行佐々木昭夫編「液晶エレクトロニクスの基礎と
応用」の205〜217頁に多くの例が示されている。
【0019】本発明において使用される液晶物質として
ネマチック、スメクチック液晶を例示すれば、 (1)芳香族化合物として (a)アゾメチン系 (b)アゾ、アゾオキシ系、 (c)エステル系、 (d)スチルペン系、 (e)ビフェニル、ターフェニル系 (2)トランス・シクロヘキサン系及び (3)ピリミジン系 を挙げることができる。
【0020】それらの具体的な化合物としては(1)
(a)N−(4−エトキシベンジリデン)−4−n−ヘ
キシルアニリン、(b)4−エトキシ−4’−n−ペン
タノイルオキシアゾベンゼン、(c)4−n−ヘキシロ
ベンゾイックアシッド−4’−n−ヘプトキシフェニル
エステル、(d)4,4’−ジエトキシ−トランス−ス
チルペン、(e)4−n−ヘキシル−4’−シアノビフ
ェニル及び(2)4−(トランス−4−ペンチルシクロ
ヘキシル)ベンゾニトリル、(3)5−n−ヘプチル2
−(4−シアノフェニル)ピリミジン等を例示すること
ができる。
【0021】またコレステリック液晶を例示すれば、コ
レステロール誘導体、カイラル・メソーゲン物質等を挙
げることができる。
【0022】それらの具体的な化合物としては、コレス
テリベンゾエイト、4−(3−メチルペンチル)−4’
−シアノビフェニル等を例示することができる。
【0023】本発明の電導性液晶ポリマーにおいて電導
性の付与には電荷移動錯体が関与する。即ち、前記液晶
残基(L)に直接またはスペーサーを介して結合してい
るホスト成分(分子を含む)およびゲスト成分(分子を
含む)からなる電荷移動錯体によって電導性が発現す
る。
【0024】ホスト成分(分子)としては電子供与体
(ドナー)が、ゲスト成分(分子)としては電子受容体
(アクセプター)が用いられる場合とその逆の場合もあ
る。
【0025】電子供与体(ドナー)の例には次のものが
挙げられる。 (I)芳香族炭化水素;ナフタレン、アンスラセン、フ
ェナンスレン、クリセン(chrysene)、ピレ
ン、ペリレン、1,2(または3,4)ベンズピレン、
パーリレン、コロネン(Coronene)、ピランス
レン、ビオランスレン(Violanthrene)、
ビオランスロン、イソビオランスレン、イソビオランス
ロン、アズレン、4,6,8−トリメチルアズレン、ヘ
キサメチルベンゼン、ジエトキシジナフトスチルペン、
フタロシアニンβ−カロチン等、 (II)脂肪族及び芳香族アミン;インドール、アクリジ
ン、N−メチルアクリジン、N−メチルキノリン、ペン
ジジン、1−メチル−2−ビコリニウムイオン、テトラ
メチルアンモニウムイオン、トリメチルフェニルアンモ
ニウムイオン等、 (III) ヘテロ芳香族アミン;N−メチルピリジン、2−
メチルピリジン、キノリン、N−メチルキノリン、N−
メチルアクリジン、フェナジン、ビピリジン、インドー
ル、フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、セレ
ノジフェニルアミン、テトラチオテトラセン、3−アミ
ノカルバゾール、モルフォリン、共塩基;4−アミノフ
ェニルアニリン、4−(4’−N’,N’−ジメチルフ
ェニルノアミノ−N,N−ジメチルアニリン、 (IV)フルバレン誘導体; 具体例;テトラチオフルタレン(TTF)、テトラメチ
ルテトラチオフルバレン、テトラセレノフルバラン、テ
トラメチルテトラセノンフルバレン、 (V)フタロシアニン及びその誘導体 (VI)その他 (C653+ (CH3 ),(C653 As+
−CH3
【0026】また電子受容体(アクセプター)の例には
次のものが挙げられる。 (I)ハロゲン;I2 ,Br2 ,I−Cl (II)金属ハロゲン化物;AsF5 ,SbF5 ,SiF
e,PCl5 ,PF5 ,AlCl3 ,AlBr3 ,Sn
Cl4 (III) テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及びその
誘導体 (IV)テトラシアノエチレン(TCNE)及びその誘導
体 (V)置換ベンゾキノン類 p−フルオロアニル、p−クロロアニル、P−ヨードク
ロロアニル、o−ブロモアニル、2,3−ジシアノ−
5,6−ジクロロベンゾキノン、2,3−ジシアノ−
5,6−ジブロモベンゾキノン (VI)トリニトロベンゼン (VII) バークロレート(ClO4
【0027】その他電荷移動錯体として昭晃堂刊(19
72年)土田英俊訳著「高分子有機半導体」の113〜
177頁に示されているものが使用される。
【0028】電荷移動錯体の合成はポリマー化するモノ
マーの段階で行っても良いし、またはポリマー化した後
の段階で行っても良いが、ポリマー化した後に行うのが
好ましい。
【0029】電荷移動錯体の合成はあらかじめ液晶成分
に結合させたドナー成分にアクセプター成分を錯体化さ
せても、あらかじめ液晶成分に結合させたアクセプター
成分にドナー成分を錯体化させても良いが、あらかじめ
単量体の間に液晶成分に結合させたドナー成分にポリマ
ー化した後でアクセプター成分を錯体化させることが好
ましい。
【0030】錯体化する方法としては化学的に錯体化す
る方法と電気化学的に錯体化する方法があるが、いずれ
の方法で行っても良い。これらの方法は従来公知の方法
で行って良い。
【0031】電荷移動錯体の生成はドナー成分分子とア
クセプター成分分子の両溶液を混合するか、またはドナ
ー成分分子とアクセプター成分分子を化学的または電気
化学的に直接接触させることによって合成されるが、本
発明ではそれらの方法には特に制限はない。
【0032】ドナー分子とアクセプター分子のモル比は
ドナー分子1モルに対してアクセプター分子0.1〜1
0モル、好ましくは0.25〜4モル、特に好ましくは
0.4〜3モルの範囲である。
【0033】本発明の電導性液晶ポリマーにおけるスペ
ーサー(1)となる原子または原子団の例としては(C
2n1で表されるメチレン列炭化水素、−O−(CH
2n2で表されるエーテル系メチレン列炭化水素、−C
OO−(CH2n3で表されるエステル系メチレン列炭
化水素、 なる原子または原子団の例としても同様のものが挙げら
れる。但しn1〜n6は6以下の整数である。
【0034】本発明の電導性液晶ポリマーを構成する幹
ポリマーの例としては、シリコーン系ポリマー、アクリ
ル系ポリマー、メタアクリル系ポリマー、スチレン系ポ
リマーがあり、他に縮合系ポリマー例えばポリエーテ
ル、ポリエステル、フェノールホルマリン樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリアミドがある。またエポキシポリマ
ー、ウレタンポリマー等の重付加ポリマーであっても良
い。ポリマーの重合度(n)は好ましくは10〜2万で
ある。
【0035】次に本発明の電導性液晶ポリマーの製造方
法の詳細を説明する。 1)モノマーの合成法 液晶部分を持つ重合性モノマーの合成反応は、特開昭5
5−21479号公報の記載のごとき方法が知られてい
るが、本発明の電導性液晶ポリマーもこれと類似の方法
を採用することができる。 モノマー例; :CH2 =CR1 −COO(CH2m −O−A−CO:O−A−R2 −D: :←───────────(B)────────→:←─(C)──→:
【0036】本発明の電導性液晶ポリマーを合成する際
の単量体の製法の一例を上記で例示した単量体により説
明する。但し、上記においてAはフェニレン基、R1
水素、メチル基等の有機基、mは整数である。又、 R
2 ;−COO−、D;(ドナー成分)芳香族炭化水素残
基、例えば式(1)で示される残基である。
【化1】
【0037】(B)成分の合成は例えば次式に従いおこ
なわれる。 CH2 CR1 −COOH+HO(CH2m −O−A−COOH (H+ ,−H2 O)→CH2 CR1 −COO−(CH2m −O−A−COOH ……(2)
【0038】また、(C)成分の合成は例えば次式に従
い行われる。 HO−A−COOH+HO−D→HO−A−COO−D ……(3)
【0039】上記で得られた(2)式化合物と(3)式
化合物とのエステル化により上記モノマーが得られる。
【0040】またR2 を−COO−(CH2m2−CO
O(ただし、m2は整数)とした場合の(C)成分の合
成は次式に従い行われる。 HO(CH2m2−COOH+HO−D→HO−(CH2m2−COOD ……(4)
【0041】この(4)式化合物と(2)式化合物によ
り相当するモノマーが得られる。上記はエステル化によ
りモノマーを合成する方法について説明したが、エーテ
ル化により合成する方法、グリニヤール反応、フリーデ
ルクラフト反応、ウルツ反応等を利用したアルキル化に
より合成する方法等も採用できる。
【0042】2)ポリマーの合成 上記のごとく合成されたモノマーを使用して重合を行い
ポリマー化することができる。重合方法としては溶液重
合、塊重合、乳化、懸濁重合等の各種の方法が採用され
る。特開昭56−79173号公報に記載のごときシリ
コーンポリマーとの高分子反応を利用しても良い。また
縮重合、重付加も採用される。
【0043】この場合アクセプターはモノマーの段階で
結合させても、またポリマーを合成した後結合させても
良い。
【0044】本発明電導性ポリマーの電気伝導度は10
-8S・cm-1以上、好ましくは10-6S・cm-1以上で
ある。
【0045】
【作用】従来有機電導性高分子としては、主鎖の共役系
を利用したポリマー、例えばポリアセチレン[(CH)
X ]や金属などとの複合体を利用したものが提案されて
いるが、本発明は側鎖の電荷移動錯体(分子)を通じて
導電性が発現するもので全く新規なものであり、また電
荷移動分子(Charge TransferMole
cules)の配列を液晶ポリマー特有の動作機構でコ
ントロールできるのが大きな特徴の一つとなっている。
【0046】本発明のポリマーにおいては、液晶物質部
分と電荷移動錯体部分を同時に側鎖に導入し、液晶物質
部分の分子配列性を利用して電荷移動錯体部分の配列の
高度性を高めるため、単にポリマーの側鎖に電荷移動錯
体をペンダントとしたものより遥かに高い配列が可能と
なり、電気伝導性も飛躍的に高くなることを利用したも
のである。
【0047】従って本発明ポリマーは電導度が温度でコ
ントロールされるので、これを利用した温度センサーと
して有用である。即ち液晶の転移点(結晶相→スメクチ
ック相S→ネマチック相N→等方性液体相I)、幹ポリ
マーのガラス転移点と電導度とが相関関係を用い電導度
が温度でコントロールされるのでこれを活用した用途に
向いている。
【0048】また電導度が電場でコントロールされる、
即ち、液晶の電場コントロール性に従って電導度が上が
るので増幅器やセンサーとして有用であること、光学的
特性が電場でコントロールされる点は液晶ポリマーと同
じである。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例をもって説明する。 (実施例1) −1 4−(2−プロペノイルオキシ)−エトキシ
−安息香酸の合成 (CH2 =CHCOOCH2 CH2 OA−COOH) A:フェニレン基 p−(−ヒドロキシエトキシ)−安息香酸50g、アク
リル酸120g、p−トルエンスルフォン酸5g、およ
び重合禁止剤としてハイドロキノン5gをクロロフォル
ム200mlに溶かし、水分離器と還流冷却器を取りつ
けた500mlフラスコ中で5時間還流させる。反応溶
液を冷却してからエーテル約1リットル中に注ぎ、毎回
200mlの水を用いて5回洗浄する。Na2 SO4
エーテル相を乾燥した後、溶媒をストリップし、生成物
を少量のエタノールに溶かし、石油エーテルを溶液がや
っと透明を保つまで加える。−15℃に冷却すると生成
物が沈降する。薄層クロマト(シリカゲル、移動相は
4:1の酢酸エチル/ヘキサン混合液)で純粋と認めら
れるまで再結晶を繰り返す。
【0050】−2 1−フェナレニル−4−ヒドロ
キシベンゾエートの合成 (HO−A−COO−D:但しDは式(1)で示される
残基である。) フェナレノン100g及びNaBH4 3gをテトラヒド
ロフラン(THF)1リットルに溶かし、50℃で8時
間反応させ、フェナレノールを得た。得られたフェナレ
ノール90gとp−ヒドロキシ安息香酸140gをTH
F1リットルに溶解し、濃硫酸1mlを加え、3時間還
流した。THFを留去後、生成物を水で充分洗浄し、赤
外線吸収スペクトルのエステル基の特性吸収(1200
cm-1,および1720cm-1)により、1−フェナレ
ニル−4−ヒドロキシベンゾエートの80g(フェナレ
ノール基準で収率50%)が得られたことを確認した。
【0051】−3 4−(2−プロペノイルオキ
シ)−エトキシ−安息香酸と1−フェナレニル−4−ヒ
ドロキシベンゾエートのエステル化反応 (CH2 =CHCOOCH2 CH2 −O−A−COO−
A−COOD) 4−(2−プロペノイルオキシ)−エトキシ安息香酸
6.2g、1−フェナレニル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート15g及び重合禁止剤として1,3−ジニトロベン
ゼン数mgを滴下ロートおよび乾燥管(CaCl2 )を
備えた250mlのフラスコ内で純テトラヒドロフラン
(無水)60ml及びCH2 Cl2 30ml中に溶解し
た11.3gのジシクロヘキシルカルボジイミドを前記
溶液に撹拌下にゆっくり滴下する。混合液は0℃で約3
時間撹拌し、その後室温で1晩置く。次いで沈降したジ
シクロヘキシルウレアをロ別し、溶液を濃縮する。残渣
をアセトニトリル中にとり、沈殿してきた尿素を再びロ
別する。その後アセトニトリルをストリップする。粗生
成物を酢酸エチル中に取り、−15℃に冷却して結晶を
生ぜしめる。沈降した生成物を吸引ろ過する。再結晶を
繰り返して薄層クロマトグラフィーで不純物が検出され
なくなるまで精製する。精製物の元素分析値は以下のと
おりで目的物が得られていることが確認された。 C=74.0% H=4.5% O(残部)=2
1.5%
【0052】−3で合成された重合性モノマーをトル
エン10%に溶解し、アゾイソブチロニトリルをフリー
ラジカル開始剤として酸素の不存在下に60℃20時間
溶液重合した。次いで生成ポリマーを重合溶液に対して
10倍量のメタノールで沈殿させ、遠心分離し、乾燥す
る。得られたポリマーの収率はアゾビスイソブチロニト
リル1%のときは22%、2%のときは31%。4%の
ときは41%であった。
【0053】ここで得られたポリマー(アゾイソブチロ
ニトリル4%により重合したポリマー)を酢酸エチルに
濃度2%に溶解し、ヨウ素(ゲスト分子)の酢酸エチル
10%溶液を滴下した。2時間撹拌した後酢酸エチルを
留去し、電導性ポリマーを得た。
【0054】ポリマーの重量5.2gに対して滴下した
ヨウ素の重量3.0gのとき、得られた電気伝導性ポリ
マー中のゲスト/ホストのモル比は元素分析で1:1の
結果が得られた。
【0055】ここで得られたゲスト分子の処理を行って
いないポリマーは、150℃以下で軟化し、50Kg/
cm2 程度の圧力でプレスすることによりフィルム状に
することができ、この形状でアクセプターを導入すれば
良い。またヨウ素処理をしたものもプレスでフィルム化
することができるが、プレスの際アクセプターの一部が
離脱するのでフィルム化した後再度アクセプターを導入
しておくことが電導性を高くするには好ましい方法であ
る。
【0056】ここで得られた錯体化されたポリマーの電
導度は2×10-5S・cm-1であった。また、この錯体
化物は空気中で安定で、加速テストの結果数年間は電導
性の劣化はないものと予想される。
【0057】この錯体化されたポリマーの温度を上げて
いくと80〜120℃前後では電導性が2桁〜3桁減少
し、この温度範囲以下においては高い電導性を有する。
【0058】このゲスト分子としてクロラニルとテトラ
シアノキノジメタンを使用したときの電導度は8×10
-6S・cm-1、3×10-5S・cm-1であった。
【0059】(実施例2) −1 4−(2−プロペニルオキシ)−安息香酸−
4’−フェナレニル−フェニルエステルの合成 (CH2 =CHCH2 −O−A−COO−A−COO
A) 4−ヒドロキシ−安息香酸を苛性ソーダの存在下で臭化
アリルと反応させた。粗生成物をエタノールから再結晶
した。得られた4−プロペン−2−オキシ安息香酸を過
剰の塩化チオニル中に溶解し、還流器を付けて煮沸し、
引き続き未反応の塩化チオニルを真空蒸留し、残留する
酸クロリドをテトラヒドロフラン中にとった。−2と
同様な方法で製造した、1−フェナレニル−4−ヒドロ
キシベンゾエートをテトラヒドロフラン中に溶解し、上
記のテトラヒドロフラン中の酸クロリドの等モル量を冷
却しながら滴下した。反応温度は5℃であった。添加終
了後、更に1時間煮沸還流した。引き続き反応生成物を
氷水中に入れ、中和し、沈殿として生ずる粗生成物をロ
別した。得られた4−(2−プロペニルオキシ)−安息
香酸−4’−フェナレニル−フェニルエステルをエタノ
ールから再結晶した。
【0060】−2 メチル−水素−ポリシロキサンと
−1の生成物とのグラフトポリマー(5)で示される
ポリシロキサン
【化2】 のメチル−水素−ポリシロキサンおよび−1の生成物
の等モル量をテトラヒドロフラン中に溶かした。引き続
きヘキサクロロ白金酸を総量に対して10ppmの量で
添加した。反応混合物を一夜50℃に保持した。得られ
たオルガノポリシロキサングラフトポリマーをメタノー
ルで沈殿させ、最後に真空中で乾燥した。
【0061】−3 ゲスト分子との錯体 実施例1と同様な方法でヨウ素をゲスト分子として錯体
化し、電導性ポリマーを得た。元素分析によるゲスト/
ホスト比は1:1であり、電導性は3×10-5S・cm
-1、クロラニルおよびテトラシアノキノジメタンをアク
セプターとしたときのそれはそれぞれ1×10-5S・c
-1、8×10-5S・cm-1であった。
【0062】(実施例3) (a) 1−テトラチオテトラニル−4−ヒドロキシベンゾ
エートの合成
【化3】 テトラセンとイオウをトリクロロベンゼン中で10時間
反応させて得たテトラチオテトラセン100gをテトラ
ヒドロフラン3リットルに溶かし、NaBH410gの
テトラヒドロフラン100ml溶液を滴下して、テトラ
チオテトラノールを得た。得られたテトラチオテトラノ
ール80gとp−ヒドロキシ安息香酸100gをテトラ
ヒドロフラン2リットルに溶解し、濃硫酸を触媒として
5時間反応させた。テトラヒドロフランを留去後1−テ
トラチオテトラニル−4−ヒドロキシベンゾエート70
gを得た。構造をIRから確認した。
【0063】(b) 4−(2−プロペノイルオキシ)−エ
トキシ安息香酸と1−テトラチオテトラニル−4−ヒド
ロキシベンゾエートのエステル化反応 実施例1で得た4−(2−プロペノイルオキシ)−エト
キシ安息香酸20gと(a) で作製した1−テトラチオテ
トラニル−4−ヒドロキシベンゾエート30gおよび重
合禁止剤として1,3−ジニトロベンゼン4mlを使っ
て実施例1と同様にしてエステル化反応を行い、モノマ
ーを合成した。
【0064】(c) 重合反応及びゲスト分子との錯体化 上記したモノマーを実施例1と同様にして重合しポリマ
ーを得た。このポリマーにゲスト分子としてヨウ素及び
クロラニルを使用して錯体化した。 アクセプター 電導度(S・cm-1) ヨウ素 3×10-4 クロラニル 2×10-3
【0065】(実施例4) (a) 1−テトラチオフルバレニル−4−ヒドロキシベン
ゾエートの合成
【化4】 実施例3で用いたテトラチオテトラセンに代えてテトラ
チオフルバレンを使用した以外は実施例3の(a) と同様
にして1−テトラチオフルバレニル−4−ヒドロキシベ
ンゾエートを合成した。
【0066】(b) 実施例1の4−(2−プロペノイルオ
キシ)−エトキシ安息香酸と上記した1−テトラチオフ
ルバレニル−4−ヒドロキシベンゾエートとの錯体化及
び重合反応とゲスト分子との錯体化 実施例3で用いた1−テトラチオテトラセニル−4−ヒ
ドロキシベンゾエートに代えて(a) で合成した1−テト
ラチオフルバレニル−4−ヒドロキシベンゾエートを使
用した以外は実施例3と同様にしてエステル化、重合お
よび錯体化を行い目的とする錯体化したポリマーを得
た。電導度はそれぞれ8×10-5S・cm-1、4×10
-4S・cm-1であった。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る電導性ポリマーは側鎖に液
晶物質部分と電荷移動錯体部分とを有するため、電導性
の付与により多様化され、ディスプレイ、特に多様化ニ
ーズに応じたディスプレイに使用できること、電気信号
が記憶され、幹ポリマーの転移点以下で凍結されるので
メモリーとして有用であること、その他ゲスト分子によ
り電導性が向上し、静電場によって電導性が変化するの
でソフトコピーとして使用できること、又圧電素子、ガ
スセンサー、光起電力を利用した太陽電池、電極、ガス
クロマトグラフィー、超電導等として有用であり、他に
電導性を更に付与したことに伴う各種用途が期待でき
る。従来の液晶分野においても電導性の付与により新た
な効果が期待できる。
【0068】本発明のポリマーを従来の有機電導体(低
分子物)と比較した場合、本発明ポリマーは可撓性、成
膜性、強度、接着性、透明性、機能性等において優れて
おり、また既存の電導性高分子、例えばポリアセチレ
ン、ポリパラフェニレン、ポリピロール等に比しても成
形性、耐久性、機能性、透明性に優れ、更に在来の液晶
ポリマーと比較してもポリマー自身が電導性の機能を有
しているから、表示素子として用いた場合、従来の液晶
ポリマーのごとき電導性の電極が不要であるばかりでな
く、その応答速度も速いから工業的に非常に有用であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合または重縮合により得られるポリマ
    ーにおいて、側鎖に液晶物質部分(L)と電荷移動錯体
    部分(CT )を有する単量体を重合または重縮合した電
    気伝導度が10-8S・cm-1以上であることを特徴とす
    る電導性ポリマー。
  2. 【請求項2】 側鎖がスペーサー(1)、液晶物質部分
    (L)、スペーサー(2)、電荷移動錯体(CT )(但
    し、スペーサー(1)及びスペーサー(2)はないとき
    もあり、液晶物質部分(L)と電荷移動錯体の配列は任
    意である。)からなる単量体である請求項1記載の電導
    性ポリマー。
  3. 【請求項3】 液晶物質部分(L)が、芳香族系化合物
    としてアゾメチン系;アゾ・アゾオキシ系;エステル
    系;スチルベン系;ビフェニル、ターフェニル系;トラ
    ンス・シクロヘキサン系およびピリミジン系等のネマチ
    ック、スメクチック液晶及びコレステロール誘導体、カ
    イラル・メソーゲン物質等のコレステリック液晶から選
    ばれた少なくとも一つのこれらの構造を有する請求項1
    記載の電導性ポリマー。
  4. 【請求項4】 電荷移動錯体部分(CT )が電子供与体
    と電子受容体からなり、電子供与体は芳香族炭化水素、
    脂肪族及び芳香族アミンヘテロ芳香族アミン、フルバレ
    ン誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体等から誘導
    されたものであり、電子受容体がハロゲン、金属ハロゲ
    ン化物、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチ
    レン、置換ベンゾキノン、トリニトロベンゼン及びパー
    クロレート等から誘導されたものである請求項1記載の
    電導性ポリマー。
  5. 【請求項5】 電荷移動錯体部分(CT )の電子受容体
    が単量体が重合または重縮合した後で錯体化された請求
    項1記載の電導性ポリマー。
JP3240489A 1991-08-27 1991-08-27 側鎖に液晶分質部分と電荷移動錯体部分を有する電導性ポリマー Pending JPH06298840A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002512451A (ja) * 1998-04-16 2002-04-23 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド ポリマー製素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002512451A (ja) * 1998-04-16 2002-04-23 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド ポリマー製素子

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