JPH06299040A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06299040A
JPH06299040A JP10776193A JP10776193A JPH06299040A JP H06299040 A JPH06299040 A JP H06299040A JP 10776193 A JP10776193 A JP 10776193A JP 10776193 A JP10776193 A JP 10776193A JP H06299040 A JPH06299040 A JP H06299040A
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JP
Japan
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propylene
ethylene
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block copolymer
ethylene block
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Pending
Application number
JP10776193A
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English (en)
Inventor
Naganori Masubuchi
長則 増渕
Masaaki Isoi
政明 磯井
Kunio Iwanami
邦夫 岩浪
Yoshitada Kitano
吉祥 北野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形時のフローマークが改良された熱可
塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a) 多段重合により得られるプロピレン−エ
チレンブロック共重合体50〜75重量%と、(b) オレフィ
ン系エラストマー20〜35重量%と、(c) 無機フィラー5
〜20重量%とを含有し、前記(a) 多段重合により得られ
るプロピレン−エチレンブロック共重合体は、1.4 以上
のダイスウェル比 (210 ℃、剪断速度103 -1、キャピ
ラリーのL/D=40/0.8)を有し、前記プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン−エチレ
ンランダム共重合部分は4.0 以上の極限粘度を有する熱
可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関
し、特に射出成形時のフローマークが改良された熱可塑
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレンは軽量であり、かつ機械的強度等に優れている
ので、各種の分野に広く利用されている。しかしなが
ら、耐衝撃性に劣るため、その改良を目的として、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)等のゴム成分やタルク等の無機
フィラーを添加してなる種々のポリプロピレン系樹脂組
成物が提案されている。
【0003】特開昭61-12742号は、(a) エチレン含量2
〜3重量%、メルトフローレート40〜45g/10 分のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体62〜57重量%、(b)
エチレン含量70〜80重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100
℃)55 〜58のエチレン−プロピレン共重合体ゴム26〜28
重量%、(c) 密度0.955 〜0.960 g/cm3 、メルトフロー
レート18〜22g/10 分の高密度ポリエチレン2〜3重量
%、(d) 平均粒径1.8 〜2.2 μm、比表面積36000 〜42
000 cm2 /gのタルク10〜12重量%からなり、メルトフロ
ーレート13〜18g/10 分、密度0.950 〜0.980 g/cm3
曲げ弾性率11500〜14000 kg/ cm2 、20〜80℃間の線膨
張係数7×10-5〜10×10-5cm/ cm/ ℃及びJIS-Z8741 の
60°−60°法による表面光沢度55%以上である樹脂組成
物を開示している。
【0004】特開平1-149845号は、(a) エチレン含有量
が20〜60重量%の沸騰キシレン可溶分を5〜12重量%含
み、重合体全体のエチレン含量が1〜7重量%でかつメ
ルトフローレートが15〜50g/10 分のプロピレン−エチ
レンブロック共重合体59〜74重量%と、(b) プロピレン
含量が20〜60重量%でかつムーニー粘度ML1+4 (100℃)
が100 〜150 のエチレン−プロピレン系共重合体ゴム35
〜20重量%と、(c) 比表面積が30000 cm2 /g以上、平均
粒径が0.5 〜2.0 μmであるタルク3〜6重量%を配合
してなる樹脂組成物を開示している。
【0005】しかしながら特開昭61-12742号及び特開平
1-149845号の樹脂組成物のようにプロピレン−エチレン
ブロック共重合体とエチレン−プロピレン共重合体ゴム
(必要に応じて高密度ポリエチレン等を添加)とタルク
とからなるような系では、プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体やエチレン−プロピレン共重合体ゴムにおけ
るエチレンとプロピレンとの比や、分子量等を調整する
ことにより、それぞれの用途に適した流動性を有する組
成物としている。しかしながら、上記組成物は、射出成
形したときにフローマークが生じやすいという問題があ
る。
【0006】そこで、成形耐の表面にシボを形成した
り、塗装を施すことによりフローマークを隠蔽すること
が行われているが、これらの方法では特に大型射出成形
品を製造する場合に十分なフローマークの隠蔽効果を得
ることができず、また使用する用途によってはこれらの
方法を採用できない場合もある。
【0007】したがって、本発明の目的は、射出成形時
のフローマークが改良された熱可塑性樹脂組成物を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み、本発明
者らは、多段重合プロピレン−エチレンブロック共重合
体と、オレフィン系エラストマーと、タルク等の無機フ
ィラーとを含有する組成物において、射出成形した際の
フローマークを減少させるにはどのような物性を有する
ものを使用すればよいか鋭意研究した結果、プロピレン
−エチレンブロック共重合体として、所定の範囲のダイ
スウェル比と、所定の範囲のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合部分の極限粘度とを有するものを使用すれ
ば、フローマークがほとんど生じないことを見出し、本
発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、(a) 多段重合により得られるプロピレン−エチレン
ブロック共重合体50〜75重量%と、(b) オレフィン系エ
ラストマー20〜35重量%と、(c) 無機フィラー5〜20重
量%とを含有するものであって、前記(a) 多段重合によ
り得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、
1.4 以上のダイスウェル比 (210 ℃、剪断速度10
3 -1、キャピラリーのL/D=40/0.8)を有
し、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプ
ロピレン−エチレンランダム共重合部分は4.0 以上の極
限粘度を有することを特徴とする。
【0010】本発明を以下詳細に説明する。〔1〕組成成分 (a) プロピレン−エチレンブロック共重合体 本発明において使用する(a) プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体は、多段重合により合成されるものであ
る。
【0011】上記多段重合により合成されたプロピレン
−エチレンブロック共重合体は、実質的に結晶性ホモ
ポリプロピレン部分と、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合部分と、少量の結晶性エチレンホモポリマー
部分とからなるものであり、それぞれの部分は単独のポ
リマーとして存在していても、あるいはそれぞれが結合
した状態にあってもよい。なお、上記各部分は基本的に
はプロピレン及び/又はエチレンとからなるものである
が、他のα−オレフィンやジエン系モノマー等を少量含
有していてもよい。
【0012】結晶性プロピレンホモポリマー部分 プロピレンホモポリマー部分としては、プロピレンのホ
モポリマー又は少量(5モル%以下程度)のコモマー成
分を含むプロピレンコポリマーが挙げられる。コモノマ
ー成分としては、ブテン−1、オクテン−1等の他のα
−オレフィンやジエン系モノマー等が挙げられる。
【0013】上記プロピレンホモポリマー部分は0.8 〜
1.5 l/g の極限粘度〔η〕H を有するのが好ましい。極
限粘度が0.8 dl/g未満では延性が不足し、また1.5 dl/g
を超えると、組成物の流動性が不足するため好ましくな
い。
【0014】プロピレン−エチレンランダム共重合部分 プロピレン−エチレンランダム共重合部分は、低結晶性
の部分であり、エチレンの含有率が25〜65重量%のもの
が好ましい。エチレンの含有率が25重量%未満あるいは
65重量%を超えると、特に延性が不足するため好ましく
ない。また上記プロピレン−エチレンランダム共重合部
分は、少量(5モル%以下程度)のコモノマー成分を含
有していてもよい。コモノマー成分としては、ブテン−
1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやジエン系モ
ノマー等が挙げられる。
【0015】上記プロピレン−エチレンランダム共重合
部分の極限粘度〔η〕CXS は4.0 以上、好ましくは4.0
〜10.0dl/gである。プロピレン−エチレンランダム共重
合部分の極限粘度が4.0 dl/g未満では、フローマークが
生じやすい。なお、極限粘度が10.0 dl/g を超えると、
組成物の流動性が不足するので好ましくない。
【0016】結晶性エチレンホモポリマー部分 エチレンホモポリマー部分は、任意成分であり、上記プ
ロピレン−エチレンランダム共重合部分の合成時にわず
かに合成される成分である。上記結晶性エチレンホモポ
リマー部分としては、エチレンのホモポリマー又は少量
(5モル%以下程度)のコモマー成分を含むエチレンコ
ポリマーが挙げられる。コモノマー成分としては、ブテ
ン−1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやジエン
系モノマー等が挙げられる。
【0017】上述したような各部分を含有する多段重合
プロピレン−エチレンブロック共重合体全体におけるエ
チレンの含有量は、1〜16重量%であり、特に2.0 〜1
2.5重量%であるのが好ましい。また結晶性プロピレ
ンホモポリマー部分と、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合部分との含有量については、+の合計を10
0 重量%として、結晶性プロピレンホモポリマー部分が
75〜95重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合部
分が5〜25重量%であるのが好ましい。上記範囲外で
は、物性のバランスが悪化する。なお、結晶性エチレン
ホモポリマー部分を含有する場合、その含有量は5重量
%以下程度である。
【0018】上記多段重合プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体は、1.4 以上、好ましくは1.4 〜2.4 のダイ
スウェル比 (210 ℃、剪断速度103 -1、キャピラリー
のL/D=40/0.8)を有する。ダイスウェル比が
1.4 未満ではフローマークが生じやすくなる。なお、ダ
イスウェル比が2.4 を超えると組成物の成形性が不足す
るので好ましくない。
【0019】また、多段重合プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体のメルトフローレート(MFR、230 ℃、
2.16kg荷重) は15〜90g/10 分であるのが好ましい。M
FRの値が15g/10 分未満では得られる組成物の成形
性、特に射出成形性が低下し、また90g/10 分を超える
と機械的強度が低下するため好ましくない。
【0020】なお、プロピレン−エチレンランダム共重
合部分以外の成分の合計(結晶性プロピレンホモポリマ
ー+結晶性エチレンホモポリマー)のメルトフローレー
トは、20〜220 g/10分であるのが好ましい。
【0021】上述したような多段重合プロピレン−エチ
レンブロック共重合体は、まずチーグラ触媒等の存在下
でプロピレンを重合することにより、結晶性プロピレン
ホモポリマー部分(少量のコモノマー成分を含んでいて
もよい)を生成し、次の段階でエチレン+プロピレンに
切替えてランダム共重合部分を生成することにより合成
することができる。なお、結晶性エチレンホモポリマー
部分は、上記ランダム共重合部分の合成工程において微
量生成される。
【0022】なお、結晶性プロピレンホモポリマー部
分、プロピレン−エチレンランダム共重合部分及び結晶
性エチレンホモポリマー部分は、例えば、プロピレン−
エチレンブロック共重合体を沸騰キシレンに溶解し、冷
却後に結晶性プロピレンホモポリマー部分と、結晶性エ
チレンホモポリマー部分を不溶部として分離し、前記不
溶部を100 ℃に再加熱して結晶性プロピレンホモポリマ
ー部分を不溶部として、それぞれ分離することができ
る。
【0023】(b) オレフィン系エラストマー オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピ
レン、1ーブテン、1ーヘキセン、4ーメチルー1ーペ
ンテン等のα−オレフィンの2種又は3種以上の共重合
体ゴム、並びに上記モノオレフィンの2種(エチレンと
プロピレンが望ましい)とジシクロペンタジエン、1,4
ーヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボ
ルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン又は
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンとの共重合体ゴ
ム等が挙げられる。典型的には、エチレン−プロピレン
共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム(EBR)及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)等が挙げられる。
【0024】エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
R)は、エチレンの含有率が60〜80モル%、プロピレン
の含有率が20〜40モル%であるのが好ましい。より好ま
しい範囲は、エチレンが72〜78モル%、プロピレンが22
〜28モル%である。このようなエチレン−プロピレン共
重合体ゴムは、0.3 〜9.0 g/10分、特に0.4 〜8.6g
/10分のメルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) を有するのが好ましい。
【0025】また、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体ゴム(EPDM)は、上記エチレン−プロピレン共
重合体ゴムに、さらにジエン化合物を20モル%以下程度
共重合体したオレフィン系エラストマーである。上記エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムは、0.3 〜3.
0 g/10分、特に0.4 〜2.5 g/10分のメルトフローレ
ート(MFR、230 ℃、2.16kg荷重) を有するのが好まし
い。
【0026】エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)
は、エチレンの含有量が78〜86モル%、ブテン-1の含有
量が14〜22モル%であるのが好ましい。特にエチレンの
含有量が80〜84モル%、ブテン-1の含有量が16〜20モル
%のものが好ましい。なお、エチレン−ブテン共重合体
ゴムは、エチレン及びブテン−1以外にヘキセン−1、
オクテン−1等の他のα−オレフィンやエチリデンノル
ボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエン化合物等を
少量含有していてもよい。このようなエチレン−ブテン
共重合体ゴムは1.0 〜80g/10分、特に2.0 〜50g/10
分のメルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷重) を
有するのが好ましい。
【0027】(c) 無機フィラー 本発明において使用する無機フィラーとしては、タル
ク、マイカ、各種ウィスカ、ガラス繊維、炭酸カルシウ
ム等が挙げられる。これらの内ではタルクが好ましい。
【0028】上記タルクは、平均粒径が3.0 μm以下の
ものが好ましい。タルクの平均粒径が3.0 μmを超える
と、曲げ弾性率等の機械的強度や寸法安定性が低下する
ため好ましくない。特に好ましいタルクの平均粒径は1.
0 〜2.0 μmである。なお、ここでいう平均粒径とは、
遠心沈降式粒度分布測定から求められる粒径である。
【0029】〔2〕配合割合 上述したような各種成分の配合割合は、(a) 多段重合プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体が50〜75重量%、
好ましくは55〜70重量%であり、(b) オレフィン系エラ
ストマーが20〜35重量%、好ましくは20〜30重量%であ
り、(c) 無機フィラーが5〜20重量%、好ましくは5〜
15重量%である。
【0030】(a) 多段重合プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体が50重量%未満では得られる組成物の剛性、
硬度等が低下しやすく、一方70重量%を超えると延性が
低下する。
【0031】(b) オレフィン系エラストマーが20重量%
未満では引張破断伸度等の引張物性及び衝撃強度が低下
し、一方35重量%を超えると硬度及び剛性等が低下す
る。
【0032】さらに(c) 無機フィラーの含有量が5重量
%未満では、剛性及び耐熱変形性が十分でなく、20重量
%を超えると延性が低下する。
【0033】〔3〕その他の成分 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その他にその改質を目
的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、
光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡
剤等を添加することができる。
【0034】〔4〕製造方法 このような本発明の組成物は一軸押出機、二軸押出機等
の押出機を用いて、180 〜220 ℃、好ましくは190 〜21
0 ℃で溶融混練することによって得ることができる。
【0035】〔5〕物性 上述したようにして得られる本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、7〜40g/10分、特に9〜30g/10分のメルトフ
ローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷重)を有するの
が好ましい。MFRの値が7g/10 分未満では得られる
組成物の成形性、特に射出成形性が低下し、また40g/1
0 分を超えると機械的強度が低下するため好ましくな
い。
【0036】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、1.
3 以上、特に1.3 〜2.3 のダイスウェル比 (210 ℃、剪
断速度103 -1、キャピラリーのL/D=40/0.
8)を有するのが好ましい。ダイスウェル比が1.3 未満
では、射出成形品にフローマークが生じやすくなるため
好ましくない。なお、ダイスウェル比が2.3 を超えると
成形性が低下するため好ましくない。
【0037】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、5.
0 ×102 〜2.0 ×103 ポイズ、特に7.0 ×102 〜1.5 ×
103 ポイズの粘度 (キャピログラフにより測定) を有す
るのが好ましい。粘度が5.0 ×102 ポイズ未満では、射
出成形品にフローマークが生じやすくなり、一方2.0 ×
103 ポイズを超えると、組成物の成形性、特に射出成形
性が低下するため好ましくない。
【0038】
【作用】本発明においては、多段重合プロピレン−エチ
レンブロック共重合体と、オレフィン系エラストマー
と、無機フィラーとをそれぞれ所定量含有してなる組成
物において、多段重合プロピレン−エチレンブロック共
重合体として、所定の範囲のダイスウェル比と、所定の
範囲のプロピレン−エチレンランダム共重合部分の極限
粘度とを有するものを使用しているので、得られる組成
物は、射出成形したときにフローマークがほとんど生じ
ず、かつ良好な機械的強度を有する。
【0039】このような効果が得られる理由は必ずしも
明らかではないが、上記物性を有するプロピレン−エチ
レンブロック共重合体は、オレフィン系エラストマー及
び無機フィラーとの組成物とした時に、組成物が射出成
形に好適な溶融粘度を有するように作用するため、得ら
れる組成物が射出成形時に均一な樹脂の流動性を示すた
めであると考えられる。
【0040】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、原料となる樹脂及びタルクとしては以下
のものを使用した。 [1] 2段重合プロピレン−エチレンブロック共重合体
【0041】 第 1 表 物 性 BPP−1 BPP−2 BPP−3 BPP−4 BPP−5 MFR(1) 30 70 40 60 80 Cv(2) 15 10 15 15 5 Gv(3) 50 30 50 50 50 〔η〕CXS (4) 4 6 6 3 4 MFRHOMO (5) 90 180 140 140 140 ダイスウェル比(6) 1.4 1.7 1.7 1.4 1.3
【0042】注) (1) MFR:ASTM D1238により230
℃、2.16kg荷重下で測定した (単位はg/10分) 。 (2) Cv:プロピレン−エチレンブロック共重合体中の
共重合部分 (プロピレン−エチレンランダム共重合部
分) の含有率 (単位は重量%) 。 (3) Gv:プロピレン−エチレンランダム共重合部分に
おけるエチレンの含有率(単位は重量%) 。 (4) 〔η〕CXS :プロピレン−エチレンブロック共重合
体中の共重合部分 (プロピレン−エチレンランダム共重
合部分) の極限粘度 (単位はdl/g) 。 (5) MFRHOMO:プロピレン−エチレンブロック共重合
体中のホモ部分 (結晶性プロピレンホモポリマー部分及
び結晶性エチレンホモポリマー部分) のメルトフローレ
ート(MFR、230 ℃、2.16kg荷重;単位はg/10
分)。 (6) ダイスウェル比:210 ℃、剪断速度103 -1、キャ
ピラリーのL/D=40/0.8の条件下で測定した
(無次元量)。
【0043】[2] オレフィン系エラストマー EPR−1:〔プロピレン含有率26重量%、メルトフロ
ーレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)3.2g/10
分〕 EPR−2:〔プロピレン含有率23重量%、メルトフロ
ーレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)0.8g/10
分〕 EBR−1:〔ブテン含有率20重量%、メルトフローレ
ート(MFR、230 ℃、2.16kg荷重)7.1g/10分〕
【0044】[3] タルク タルク−1:〔富士タルク(株)製 LMR100、平
均粒径1.8 μm〕 タルク−2:〔富士タルク(株)製 LMS300、平
均粒径1.2 μm〕
【0045】実施例1〜6、比較例1〜7 第2表に示す割合で多段重合プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(BPP-1乃至BPP-7)、オレフィン系エラス
トマー (EPR-1 、EPR-2 又はEBR-1)及びタルク(タルク
−1又はタルク−2) をスーパーミキサーでドライブレ
ンドし、その後二軸押出機 (45mmφ) に投入して180 〜
220 ℃及びスクリュー回転数200 rpm で混練し、ペレッ
トを得た。
【0046】次に得られたペレットを射出成形機によ
り、射出温度210 ℃及び射出圧力60kg/cm 2 で後述する
物性測定用の試験片に成形した。
【0047】このようにして得られた試験片に対して、
メルトフローレート、ダイスウェル比及び粘度の測定、
フローマークの有無、剛性及び耐衝撃性の評価を行っ
た。結果を第3表に示す。
【0048】 第 2 表 組 成 (重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 BPPの種類 BPP-1 BPP-1 BPP-2 BPP-2 BPP-2 配合量 60 65 60 60 65 EPR又はEBRの種類 EPR-1 EPR-1 EBR-1 EBR-1 EPR-2 配合量 30 25 30 25 25 タルクの種類 タルク-1 タルク-1 タルク-1 タルク-2 タルク-1 配合量 10 10 10 10 10
【0049】 第 2 表 (続 き) 組 成 (重量部) 実施例6 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 BPPの種類 BPP-3 BPP-4 BPP-5 BPP-3 BPP-3 配合量 70 60 60 45 70 EPR又はEBRの種類 EPR-1 EPR-1 EPR-1 EPR-1 EPR-1 配合量 25 30 30 35 15 タルクの種類 タルク-2 タルク-1 タルク-1 タルク-1 タルク-1 配合量 5 10 10 20 15
【0050】
【0051】 第 3 表 物 性 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 M F R (1) 15 17 30 30 20 ダイスウェル比(2) 1.3 1.3 1.6 1.6 1.6 粘度 (×102 ) (3) 9.0 8.5 7.0 7.0 8.0 フローマークの有無(4) 無 無 無 無 無 剛性の評価(5) ○ ○ ○ ○ ○ 耐衝撃性の評価(6) ○ ○ ○ ○ ○
【0052】 第 3 表 (続 き) 物 性 実施例6 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 M F R (1) 25 30 40 15 25 ダイスウェル比(2) 1.6 1.3 1.2 1.4 1.6 粘度 (×102 ) (3) 7.5 7.0 6.0 9.0 8.0 フローマークの有無(4) 無 有 有 有 無 剛性の評価(5) ○ ○ ○ ○ ○ 耐衝撃性の評価(6) ○ ○ ○ ○ ×
【0053】第 3 表 (続 き)物 性 比較例5 比較例6 比較例7 M F R (1) 10 22 15 ダイスウェル比(2) 1.4 1.6 1.4 粘度 (×102 ) (3) 10.0 8.0 9.0 フローマークの有無(4) 無 無 無 剛性の評価(5) × × ○ 耐衝撃性の評価(6) ○ ○ ×
【0054】(1) MFR:ASTM D1238により230 ℃、2.
16kgの荷重下で測定した (単位g/10分) 。 (2) ダイスウェル比:210 ℃、剪断速度103 -1、キャ
ピラリーのL/D=40/0.8の条件下で測定した
(無次元量)。 (3) 粘度:210 ℃、剪断速度103 -1の条件下で測定し
た (単位はポイズ) 。 (4) フローマークの有無:35cm×10cm×0.3 cmの射出成
形品を作製し、その表面を目視にて観察してフローマー
クの認められたものを ^有" 、認められなかったものを
^無" として記載した。 (5) 剛性の評価:曲げ弾性率 (単位はkgf/cm2 ) をASTM
D790 により準拠して測定し、その値が6000kgf/cm2
上のものを○、それ未満のものを×はして評価した。 (6) 耐衝撃性の評価:アイゾット衝撃強度(単位はkgf-
cm/cm)をASTM D256 に準拠して6.4 mmの厚さの試験片を
用いて、−30℃、ノッチ付きにて測定し、その値が5kg
f-cm/cm 以上のものを○、それ未満のものを×として評
価した。
【0055】第3表より明らかなように、実施例1〜6
の組成物は、MFRの値、ダイスウェル比及び粘度の値
が射出成形に好適なものであり、フローマークが無く、
剛性及び耐衝撃性が良好なものであった。これに対し、
各比較例の組成物は、フローマークの無いものは、剛性
及び/又は耐衝撃性が十分でなく、また剛性及び耐衝撃
性の良好なものには、フローマークが認められた。
【0056】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明において
は、多段重合プロピレン−エチレンブロック共重合体
と、オレフィン系エラストマーと、無機フィラーとをそ
れぞれ所定量含有してなる組成物において、多段重合プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体として、所定の範
囲のダイスウェル比と、所定の範囲のプロピレン−エチ
レンランダム共重合部分の極限粘度とを有するものを使
用しているので、得られる組成物は、射出成形したとき
にフローマークがほとんど生じず、かつ良好な機械的強
度を有する。
【0057】このような本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、大型射出成形品、特に自動車の各種外装品、例えば
バンパー、サイドモール、スポイラー、マットガード等
に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 吉祥 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 多段重合により得られるプロピレン
    −エチレンブロック共重合体50〜75重量%と、(b) オレ
    フィン系エラストマー20〜35重量%と、(c) 無機フィラ
    ー5〜20重量%とを含有する熱可塑性樹脂組成物であっ
    て、前記(a) 多段重合により得られるプロピレン−エチ
    レンブロック共重合体は、1.4 以上のダイスウェル比
    (210 ℃、剪断速度103 -1、キャピラリーのL/D=
    40/0.8)を有し、前記プロピレン−エチレンブロ
    ック共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重合
    部分は4.0 以上の極限粘度を有することを特徴とする熱
    可塑性樹脂組成物。
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