JPH06302288A - 回転陽極型x線管 - Google Patents

回転陽極型x線管

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JPH06302288A
JPH06302288A JP8658393A JP8658393A JPH06302288A JP H06302288 A JPH06302288 A JP H06302288A JP 8658393 A JP8658393 A JP 8658393A JP 8658393 A JP8658393 A JP 8658393A JP H06302288 A JPH06302288 A JP H06302288A
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Japan
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bearing
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spiral groove
foreign matter
ray tube
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Katsuhiro Ono
勝弘 小野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、軸受部に発生又は到達する不所
望な異物を捕捉し、ヘリンボン・パターンらせん溝によ
る動圧の発生を妨げずに安定な動圧式すべり軸受動作を
維持する回転陽極型X線管を提供することを目的とす
る。 【構成】 この発明は、動圧すべり軸受の回転動作中に
ヘリンボン・パターンのらせん溝19a,19b,22
a,22bで潤滑剤が掻き集められる領域に、異物収容
用凹部21,24が形成された回転陽極型X線管であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転陽極型X線管に
係わり、とくに軸受構体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、周知のように、円
盤状の陽極ターゲットを相互間に軸受を有する回転体お
よび固定体で支え、これを真空容器外に配置した電磁コ
イルで付勢して高速回転させながら、陰極から放出させ
た電子ビームを陽極ターゲットに当ててX線を放射させ
る。軸受は、ボールベアリングのようなころがり軸受
や、軸受面に少なくとも一組のヘリンボン・パターンの
らせん溝を形成するとともにガリウム(Ga)、又はガ
リウム−インジウム−錫(Ga−In−Sn)合金のよ
うな動作中に液状となる金属潤滑剤を用いた動圧式すべ
り軸受で構成される。後者のすべり軸受を用いた例は、
たとえば特公昭60−21463号、特開昭60−97
536号、特開昭60−117531号、特開昭62−
287555号、特開平2−227947号、あるいは
特開平2−227948号等の各公報に開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような液体金属潤
滑剤を用いた動圧式すべり軸受を備える回転陽極型X線
管では、回転動作中、潤滑剤はヘリンボン・パターンの
らせん溝の周辺部から中央部のくの字に折返えされる部
分に掻き集められて動圧が発生する。ヘリンボン・パタ
ーンのらせん溝は、およそ20μmの深さを有し、ま
た、軸受面は回転動作中に約20μm程度の軸受間隔で
非接触状態が保たれる。しかし、回転が停止すると、回
転体の自重で軸受面の少なくとも一部が接触する。この
接触面に潤滑剤が薄い膜として介在すれば、次の回転開
始時も軸受面同士のこすれやそれによる傷の発生等は生
じない。しかし、動作中に潤滑剤が稀薄になる領域の軸
受面は、回転停止時に、接触した軸受面間に潤滑剤が存
在しない状態が起こり得る。軸受面間に潤滑剤が存在し
ないと、次の回転起動時に、こすれが発生して軸受面が
削られてしまう。軸受構成部材を鉄又は鉄合金のような
比較的軟らかい材料で構成した場合には、とくに軸受構
成部材が削られて微細鉄粉のような異物が多く発生して
潤滑剤に混入しやすい。あるいはまた、軸受構成部材と
液体金属潤滑剤との反応による反応生成物が生じ、この
異物がやはり潤滑剤に混入することも考えられる。そし
て、このような異物が軸受のヘリンボン・パターンらせ
ん溝の内部に徐々に堆積すると、溝の深さが徐々に浅く
なり、所要の動圧が発生しなくなり、動圧軸受の性能が
低下してしまう。
【0004】一方、ヘリンボン・パターン溝を有する動
圧式すべり軸受において、潤滑剤及び異物を溜める円周
状又は独立した多数の凹みをヘリンボン・パターンらせ
ん溝の領域の外側に設ける考えは、例えば特開平1−1
41218号、或いは同141219号公報などに開示
されている。しかしながら、凹みをヘリンボン・パター
ンらせん溝領域の外側に設けても、この凹みに異物が入
って収容される確率は小さく、異物捕捉効果は十分得ら
れない。
【0005】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、軸受部に発生又は到達する不所望な
異物を確実に捕捉できるとともに、ヘリンボン・パター
ンらせん溝による動圧の発生を妨げずに安定な動圧式す
べり軸受動作を維持することができる回転陽極型X線管
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、動圧すべり
軸受の回転動作中にヘリンボン・パターンのらせん溝で
潤滑剤が掻き集められる領域に、異物収容用凹部が形成
された回転陽極型X線管である。
【0007】
【作用】この発明によれば、軸受部に不所望な異物が発
生して潤滑剤に混入しても、この異物がヘリンボン・パ
ターンらせん溝で潤滑剤とともに掻き集められて異物収
容用凹部に捕捉される。そして、ヘリンボン・パターン
らせん溝が容易に浅くなることが抑制され、長期にわた
り安定で必要十分な動圧すべり軸受動作が維持される。
【0008】
【実施例】以下その実施例を図面を参照して説明する。
なお同一部分は同一符号であらわす。図1乃至図4に示
す実施例は、次の構成を有する。すなわち、重金属から
なる円盤状陽極ターゲット11が有底円筒状の回転体1
2の一端に突設された回転軸13にナット14により一
体的に固定されている。回転体12は、工具鋼からなる
内側円筒12aと、その外周に嵌合された鉄のような強
磁性体円筒12bと、さらにその外側に嵌合された銅の
ような良導電体円筒12cとを備えている。この回転体
12の内側には、円柱状の固定体15が挿入されてい
る。固定体15の図示下端部には、外径が縮小された固
定体径小部17が形成されている。そして回転体の図示
下端部には、固定体径小部17を近接して包囲してリン
グ状の開口部閉塞体16が複数個のボルトにより固着さ
れている。固定体径小部17は、鉄合金製の補助リング
17a及びシールリング17bを介してガラス製の真空
容器18に気密接合されている。
【0009】円筒状回転体12と固定体15との嵌合部
分には、前述の各公報に示されるような動圧式のヘリン
ボン・パターンのらせん溝すべり軸受が構成されてい
る。すなわち、固定体15の外周壁に、軸方向に所定間
隔をおいてヘリンボン・パターンのらせん溝19a,1
9bが形成されており、2組のラジアルすべり軸受20
a,20bが構成されている。各すべり軸受を構成して
いるヘリンボン・パターンらせん溝19a,19bは、
くの字をなす各溝が相互に軸方向に離れており、また、
各溝の深さは約20μmである。そして、各溝群の中間
領域、すなわち回転動作において潤滑剤がらせん溝で掻
き集められて潤滑剤圧力が最大又はそれに近い値となる
領域に、円周状に形成された深溝からなる異物収容用凹
部21,21がそれぞれ設けられている。この異物収容
用凹部21は、深さが約0.5mm、軸方向の幅が約1
mmである。
【0010】また、固定体15の図示上端壁すなわち回
転軸に垂直な面には、図3に示すように、サークル状の
ヘリンボン・パターンのらせん溝22aが形成されてお
り、一方のスラストすべり軸受23aが構成されてい
る。各溝の深さは、やはり約20μmである。そして、
実質的にくの字をなすらせん溝22aの中間の折返し領
域、すなわち潤滑剤がらせん溝で掻き集められて潤滑剤
圧力が最大又はそれに近い値となる領域に、サークル状
の深溝からなる異物収容用凹部24が形成されている。
この凹部24は、深さ及び半径方向の幅が約0.5mm
である。開口部閉塞体16の上面には、同様に図4に示
すサークル状のヘリンボン・パターンらせん溝22bが
形成され、他方のスラストすべり軸受23bが構成され
ている。各溝の深さは、やはり約20μmであり、潤滑
剤がらせん溝で掻き集められて潤滑剤圧力が最大又はそ
れに近い値となる領域に、同じくサークル状の深溝から
なる異物収容用凹部24が形成されている。この凹部2
4は、同じく深さ及び半径方向の幅が約0.5mmであ
る。
【0011】なお、これら回転体及び固定体の両軸受面
は、回転動作時におよそ20μmの軸受間隙をもって対
面するようになっている。固定体15には、その中心部
が軸方向に沿ってくり抜かれた孔からなる潤滑剤収容室
25が設けられている。この潤滑剤収容室25の図示上
端開口25aは、図示上部のサークル状らせん溝22a
の内側中心部に位置し、このスラスト軸受23aの軸受
間隙に連通している。潤滑剤収容室25の図示下端部2
5bは、下部のスラストらせん溝すべり軸受23bの近
傍位置まで延長されて終端となっている。また、この固
定体15には、その中間部外周壁が削られて径小部26
が形成されている。そして、軸方向の5箇所に、各一端
が潤滑剤収容室25に接続され各他端開口が固定体15
の外周面に位置する放射方向通路27,27…が、90
度間隔で軸対称的に形成されている。軸方向の中央部の
放射方向通路27は、径小部26に開口している。残り
4箇所の放射方向通路27…は、各ラジアルすべり軸受
20a,20bのヘリンボン・パターンのらせん溝19
aの領域内の外端部近傍にそれぞれ開口している。これ
ら開口位置は、回転体12が矢印Pのように高速回転し
た時、らせん溝および軸受間隙に供給されている液体金
属潤滑剤が相対的に稀薄になる領域である。この部分に
滑剤収容室25から延びる放射方向通路27…が開口し
ているため、滑剤収容室及び放射方向通路に充填されて
いる潤滑剤が回転起動時も連続回転時も速やかに軸受領
域に供給される。したがって、軸受面間に潤滑剤が常に
介在される。また、径小部26による円周状空間Sに
も、潤滑剤収容室25から放射方向通路27を経て潤滑
剤が供給されるので、らせん溝のない軸受面にも潤滑剤
が行き渡る。さらにまた、スラスト軸受にも、潤滑剤収
容室の開口25aから潤滑剤が供給される。こうして、
すべての軸受面に確実に潤滑剤が供給される。
【0012】上述のように、各軸受のらせん溝、軸受間
隙、およびこれに連通する潤滑剤収容室や各放射方向通
路、径小部による空間Sには、Ga合金のような液体金
属潤滑剤が供給されている。そして、異物が潤滑剤に混
入しても、回転動作中、この異物は潤滑剤とともにらせ
ん溝により潤滑剤圧力が最大となる領域に効率的に集め
られ、そこに形成されている深溝からなる異物収容用凹
部21,24に入り、徐々に堆積する。この異物収容用
凹部は深さがらせん溝よりも十分深いので、容易には異
物で埋め尽くされることがない。したがって、らせん溝
の深さが浅くなったり、あるいは軸受間隙が狭まってし
まうおそれが少ない。また、らせん溝による潤滑剤掻き
込み作用、動圧発生作用はそのまま維持される。こうし
て、長時間の動圧すべり軸受の動作が保証される。さら
に、潤滑剤収容室及び放射方向通路から比較的清浄な潤
滑剤がらせん溝軸受に供給され、安定な軸受動作が継続
される。
【0013】図5に示す実施例は、ヘリンボン・パター
ンのらせん溝19a,19bと深溝からなる異物収容用
凹部21,21とを連続して形成したものである。これ
によって、異物はらせん溝内にほとんど堆積することな
くらせん溝に添って掻き集められて異物収容用凹部に捕
捉収容される。したがって、長時間にわたるヘリンボン
・パターンらせん溝による動圧軸受動作が一層安定とな
る。
【0014】図6に示す実施例は、スラスト軸受を構成
するサークル状ヘリンボン・パターンらせん溝22a
と、深溝からなる異物収容用凹部24とを連続して形成
したものである。これによれば、前述の実施例と同様
に、らせん溝内に異物が堆積することが抑制される。
【0015】図7に示す実施例は、異物収容用凹部21
を回転体12の軸受構成部材である内側円筒12aの内
周面に形成したものである。同様に、スラスト軸受にお
いても、異物収容用凹部をヘリンボン・パターンらせん
溝を形成した軸受構成部材と対向する軸受構成部材に形
成してもよい。これによれば、らせん溝の形成領域が狭
められない利点がある。
【0016】図8に示す実施例は、深溝からなる異物収
容用凹部21が幅の狭い部分21aと幅の広い部分21
bとを交互に連続形成したものである。これによれば、
異物が幅の広い部分21bに滞留しやすいので、異物捕
獲作用が高まる。
【0017】図9に示す実施例は、潤滑剤がらせん溝で
掻き集められて潤滑剤圧力が最大又はそれに近い値とな
る領域に、複数個の円形窪みからなる異物収容用凹部2
1を円周方向に所定間隔で形成したものである。異物は
これらの凹部21,21…に堆積する。
【0018】図10の(a)及び(b)に示す実施例
は、ヘリンボン・パターンらせん溝19aの溝深さを、
潤滑剤がこのらせん溝で掻き集められて潤滑剤圧力が最
大となる溝折り返し部分(深さd1 )を最も深く形成
し、両端部(深さd2 )を浅く形成したものである。こ
れによれば、潤滑剤に混入した異物は深さの深い溝折り
返し部分(24)に多く堆積する。なお、同図の(a)
は固定体15の一部側面図であり、同(b)は(a)の
b−bにおける部分縦断面図である。
【0019】なお、以上の各実施例に示した異物収容用
凹部又はらせん溝自体を中央部で深く形成する構成を、
各軸受部分に適宜組合わせて構成することもできる。ま
た、回転中心軸上に回転体を設け、そのまわりに固定体
を同軸状に嵌合配置したものにも適用できる。さらにま
た、異物収容用凹部は、軸受を構成する固定体又は回転
体のいずれか一方、又は両方に形成してもよい。
【0020】なおまた、液体金属潤滑剤は、Ga、Ga
−In合金、あるいはGa−In−Sn合金のようなG
aを主体とするものが使用できるが、それに限らず、例
えばビスマス(Bi)を相対的に多く含むBi−In−
Pb−Sn合金、あるいはInを相対的に多く含むIn
−Bi合金、又はIn−Bi−Sn合金を使用し得る。
これらは融点が室温以上であるので、陽極ターゲットを
回転させる前に金属潤滑剤をその融点以上の温度に予熱
したうえで回転させることが望ましい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
異物がヘリンボン・パターンらせん溝で潤滑剤とともに
掻き集められて異物収容用凹部又はらせん溝の深溝部分
に捕捉され堆積する。したがって、らせん溝の主要部分
の深さが浅くなったり軸受間隙が狭まってしまうおそれ
が少ない。こうして、長期にわたり安定で必要十分な動
圧すべり軸受動作が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1のものの要部縦断面図。
【図3】図1の要部を示す上面図。
【図4】図1の要部を示す上面図。
【図5】この発明の他の実施例を示す要部縦断面図。
【図6】この発明のさらに他の実施例を示す要部上面
図。
【図7】この発明のさらに他の実施例を示す要部縦断面
図。
【図8】この発明のさらに他の実施例を示す要部側面
図。
【図9】この発明のさらに他の実施例を示す要部側面
図。
【図10】この発明のさらに他の実施例を示す要部側面
図及び一部断面図。
【符号の説明】
11…陽極ターゲット、 12…回転体、 15…固定体、 18…真空容器、 19a,19b,22a,22b…らせん溝、 20a,20b…ラジアルすべり軸受、 23a,23b…スラストすべり軸受、 21,24…異物収容用凹部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極ターゲットが固定された回転体と、
    この回転体に同軸状に嵌合され該回転体を回転可能に保
    持する固定体と、前記回転体及び固定体の嵌合部に設け
    られたヘリンボン・パターンのらせん溝を有する動圧す
    べり軸受と、前記軸受に供給された少なくとも動作中は
    液状である金属潤滑剤とを具備する回転陽極型X線管に
    おいて、 上記動圧すべり軸受を構成する固定体又は回転体の少な
    くとも一方の該軸受の回転動作中に上記ヘリンボン・パ
    ターンのらせん溝で潤滑剤が掻き集められる領域に異物
    収容用凹部が形成されていることを特徴とする回転陽極
    型X線管。
  2. 【請求項2】 異物収容用凹部は、回転体又は固定体の
    少なくとも一方に円周状に形成されている請求項1記載
    の回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 異物収容用凹部は、ヘリンボン・パター
    ンのらせん溝に連続している請求項2記載の回転陽極型
    X線管。
  4. 【請求項4】 陽極ターゲットが固定された回転体と、
    この回転体に同軸状に嵌合され該回転体を回転可能に保
    持する固定体と、前記回転体及び固定体の嵌合部に設け
    られたヘリンボン・パターンのらせん溝を有する動圧す
    べり軸受と、前記軸受に供給された少なくとも動作中は
    液状である金属潤滑剤とを具備する回転陽極型X線管に
    おいて、 上記動圧すべり軸受の回転動作中に上記ヘリンボン・パ
    ターンのらせん溝で潤滑剤が掻き集められる領域の該ら
    せん溝の深さが、他の領域の溝深さよりも深く形成され
    ていることを特徴とする回転陽極型X線管。
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