JPH06302910A - 量子井戸半導体レーザ - Google Patents
量子井戸半導体レーザInfo
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- JPH06302910A JPH06302910A JP10993593A JP10993593A JPH06302910A JP H06302910 A JPH06302910 A JP H06302910A JP 10993593 A JP10993593 A JP 10993593A JP 10993593 A JP10993593 A JP 10993593A JP H06302910 A JPH06302910 A JP H06302910A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 キャリアの活性層への注入効率や温度特性が
高く、シリーズ抵抗が低い量子井戸半導体レーザを提供
する。 【構成】 n型GaAs基板1上に、n−GaAsバッ
ファ層2、n−InGaPクラッド層3、n型光閉じ込
め層15、InGaAs歪量子井戸活性層7、p型光閉じ
込め層16、p−InGaPクラッド層11、p−GaAs
キャップ層12を順に積層形成し、キャップ層12とクラッ
ド層11の一部分にかけて半導体レーザの左右両側をエッ
チング除去し、除去した部分にポリイミド膜17を形成す
る。n型光閉じ込め層15とp型光閉じ込め層16は各々バ
レンスバンドエネルギが異なるInGaAsPの層を積
層形成して、エネルギ的に階段状になるように構成し、
p型光閉じ込め層16の厚さをn型光閉じ込め層15の厚さ
よりも厚くする。
高く、シリーズ抵抗が低い量子井戸半導体レーザを提供
する。 【構成】 n型GaAs基板1上に、n−GaAsバッ
ファ層2、n−InGaPクラッド層3、n型光閉じ込
め層15、InGaAs歪量子井戸活性層7、p型光閉じ
込め層16、p−InGaPクラッド層11、p−GaAs
キャップ層12を順に積層形成し、キャップ層12とクラッ
ド層11の一部分にかけて半導体レーザの左右両側をエッ
チング除去し、除去した部分にポリイミド膜17を形成す
る。n型光閉じ込め層15とp型光閉じ込め層16は各々バ
レンスバンドエネルギが異なるInGaAsPの層を積
層形成して、エネルギ的に階段状になるように構成し、
p型光閉じ込め層16の厚さをn型光閉じ込め層15の厚さ
よりも厚くする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光通信用の光源
として利用される量子井戸半導体レーザに関するもので
ある。
として利用される量子井戸半導体レーザに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光通信等の光源用として利用される半導
体レーザは、基板の上側にクラッド層や活性層等からな
る層構造を有しており、半導体レーザは、レーザから発
するレーザ光の横モードを制御するために、レーザのデ
バイスサイズは制限されている場合が殆どである。ま
た、半導体レーザの発光効率の向上が可能であること等
から、活性層とは異なる材料系で形成した光閉じ込め層
を活性層の上下両側に設けて活性層を挟むようにした、
ダブルヘテロ接合ダイオードを有する半導体レーザがよ
く用いられている。
体レーザは、基板の上側にクラッド層や活性層等からな
る層構造を有しており、半導体レーザは、レーザから発
するレーザ光の横モードを制御するために、レーザのデ
バイスサイズは制限されている場合が殆どである。ま
た、半導体レーザの発光効率の向上が可能であること等
から、活性層とは異なる材料系で形成した光閉じ込め層
を活性層の上下両側に設けて活性層を挟むようにした、
ダブルヘテロ接合ダイオードを有する半導体レーザがよ
く用いられている。
【0003】このように、デバイスサイズが制限されて
いて、ダブルヘテロ接合ダイオードを有する半導体レー
ザのシリーズ抵抗は、ダブルヘテロ接合ダイオードの電
流−電圧特性でほぼ決定される。また、クラッド層と活
性層とのバンドギャップのバレンスバンド側オフセット
が大きい材料系で形成されている半導体レーザは、シリ
ーズ抵抗が大きくなり、特性温度が低くなることがわか
っている。特に、前記各光閉じ込め層を均一な材料で形
成した単純な光−キャリア分離閉じ込め構造の半導体レ
ーザでは、その傾向が、より顕著に表れる。
いて、ダブルヘテロ接合ダイオードを有する半導体レー
ザのシリーズ抵抗は、ダブルヘテロ接合ダイオードの電
流−電圧特性でほぼ決定される。また、クラッド層と活
性層とのバンドギャップのバレンスバンド側オフセット
が大きい材料系で形成されている半導体レーザは、シリ
ーズ抵抗が大きくなり、特性温度が低くなることがわか
っている。特に、前記各光閉じ込め層を均一な材料で形
成した単純な光−キャリア分離閉じ込め構造の半導体レ
ーザでは、その傾向が、より顕著に表れる。
【0004】すなわち、半導体レーザに電圧をかける
と、キャリアである電子やホール(正孔)が活性層に注
入されるが、クラッド層と活性層とを形成する材料のバ
レンスバンド側オフセットが大きいと、活性層の上下界
面に形成されるスパイクが量子学的に障壁となり、エネ
ルギ的に重いホールにとって、その障壁を越えることが
難しくなり、ホールの活性層への注入が阻害され、シリ
ーズ抵抗が増大することになるのである。
と、キャリアである電子やホール(正孔)が活性層に注
入されるが、クラッド層と活性層とを形成する材料のバ
レンスバンド側オフセットが大きいと、活性層の上下界
面に形成されるスパイクが量子学的に障壁となり、エネ
ルギ的に重いホールにとって、その障壁を越えることが
難しくなり、ホールの活性層への注入が阻害され、シリ
ーズ抵抗が増大することになるのである。
【0005】また、単純な光−キャリア分離閉じ込め構
造の半導体レーザでは、図4に示すように、上記スパイ
ク21がエネルギ的に特に高くて広いために、バレンスバ
ンドEV の下側にあるホール20がホール20の疑フェルミ
レベルEFP側へ移動しにくく、活性層への注入が阻害さ
れ、シリーズ抵抗を大きく増大させる要因となってい
る。また、以上のように、スパイク21によりホール20の
活性層への注入が阻害されると、半導体レーザの特性温
度の低下も、もたらされることになるのである。
造の半導体レーザでは、図4に示すように、上記スパイ
ク21がエネルギ的に特に高くて広いために、バレンスバ
ンドEV の下側にあるホール20がホール20の疑フェルミ
レベルEFP側へ移動しにくく、活性層への注入が阻害さ
れ、シリーズ抵抗を大きく増大させる要因となってい
る。また、以上のように、スパイク21によりホール20の
活性層への注入が阻害されると、半導体レーザの特性温
度の低下も、もたらされることになるのである。
【0006】ところで、近年、半導体レーザの高出力
化、高速化が求められるようになり、そのように高出力
のレーザや高速で駆動するレーザの実現のためには、半
導体レーザのシリーズ抵抗を低減させることが必要不可
欠となり、上記のようにシリーズ抵抗が大きい、単純な
光−キャリア分離閉じ込め構造の半導体レーザに代わ
り、グレーデッドインデックス型の光−キャリア分離閉
じ込め構造を有する半導体レーザがよく用いられるよう
になった。
化、高速化が求められるようになり、そのように高出力
のレーザや高速で駆動するレーザの実現のためには、半
導体レーザのシリーズ抵抗を低減させることが必要不可
欠となり、上記のようにシリーズ抵抗が大きい、単純な
光−キャリア分離閉じ込め構造の半導体レーザに代わ
り、グレーデッドインデックス型の光−キャリア分離閉
じ込め構造を有する半導体レーザがよく用いられるよう
になった。
【0007】グレーデッドインデックス型の半導体レー
ザは、スパイクをエネルギ的に低くて狭いスパイクに分
割する、あるいは、スパイクを完全に除去するために、
光閉じ込め層がエネルギ的に徐々に変化するように構成
したレーザであり、光閉じ込め層を形成する材料とし
て、通常、InGaAsP/InPやInGaAsP/
GaAs等の格子整合系の材料が用いられている。グレ
ーデッドインデックス型の光−キャリア分離閉じ込め構
造の半導体レーザでは、これらの格子整合系の材料の格
子整合を維持しながら組成を連続的に変化させることは
技術的に困難なため、バンドギャップがそれぞれ異なる
格子整合系の光閉じ込め材料層を多層に積層形成するこ
とにより、エネルギ的に階段状の層となるように形成
し、光閉じ込め層がエネルギ的に徐々に変化するように
構成している。
ザは、スパイクをエネルギ的に低くて狭いスパイクに分
割する、あるいは、スパイクを完全に除去するために、
光閉じ込め層がエネルギ的に徐々に変化するように構成
したレーザであり、光閉じ込め層を形成する材料とし
て、通常、InGaAsP/InPやInGaAsP/
GaAs等の格子整合系の材料が用いられている。グレ
ーデッドインデックス型の光−キャリア分離閉じ込め構
造の半導体レーザでは、これらの格子整合系の材料の格
子整合を維持しながら組成を連続的に変化させることは
技術的に困難なため、バンドギャップがそれぞれ異なる
格子整合系の光閉じ込め材料層を多層に積層形成するこ
とにより、エネルギ的に階段状の層となるように形成
し、光閉じ込め層がエネルギ的に徐々に変化するように
構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体
レーザを光ファイバのようなミクロな導波路に結合する
ためには、レーザ光のビーム形状を円形に且つ狭くする
ことが必要であり、そのようなレーザ光制御のために、
上記グレーデッドインデックス型の半導体レーザの光閉
じ込め層の厚さを薄くすると、多層の光閉じ込め層を形
成している各光閉じ込め層の界面に存在するスパイクが
接近し、エネルギ的に低くて狭いスパイクでも密接する
と、エネルギ的に重くて移動が遅いホールにとっては、
越えるのが難しい障壁群となるといった問題があった。
このように、ホールが密接した障壁群を越えることが難
しくなると、シリーズ抵抗は増大し、特性温度が低下す
る要因となるのである。
レーザを光ファイバのようなミクロな導波路に結合する
ためには、レーザ光のビーム形状を円形に且つ狭くする
ことが必要であり、そのようなレーザ光制御のために、
上記グレーデッドインデックス型の半導体レーザの光閉
じ込め層の厚さを薄くすると、多層の光閉じ込め層を形
成している各光閉じ込め層の界面に存在するスパイクが
接近し、エネルギ的に低くて狭いスパイクでも密接する
と、エネルギ的に重くて移動が遅いホールにとっては、
越えるのが難しい障壁群となるといった問題があった。
このように、ホールが密接した障壁群を越えることが難
しくなると、シリーズ抵抗は増大し、特性温度が低下す
る要因となるのである。
【0009】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、キャリアの注入効率や特性
温度が高く、シリーズ抵抗の低い量子井戸半導体レーザ
を提供することにある。
たものであり、その目的は、キャリアの注入効率や特性
温度が高く、シリーズ抵抗の低い量子井戸半導体レーザ
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成されている。すなわち、本
発明は、歪量子井戸活性層が多層のp型光閉じ込め層と
多層のn型光閉じ込め層で挟まれているグレーデッドイ
ンデックス型の光−キャリア分離閉じ込め構造を有する
量子井戸半導体レーザにおいて、前記p型光閉じ込め層
の厚さをn型光閉じ込め層の厚さよりも厚くしたことを
特徴として構成されている。
に、本発明は次のように構成されている。すなわち、本
発明は、歪量子井戸活性層が多層のp型光閉じ込め層と
多層のn型光閉じ込め層で挟まれているグレーデッドイ
ンデックス型の光−キャリア分離閉じ込め構造を有する
量子井戸半導体レーザにおいて、前記p型光閉じ込め層
の厚さをn型光閉じ込め層の厚さよりも厚くしたことを
特徴として構成されている。
【0011】
【作用】上記構成の本発明において、p型光閉じ込め層
の厚さがn型光閉じ込め層の厚さよりも厚く形成されて
いるために、活性層内にホールが注入される際に、多層
のp型光閉じ込め層内に存在しているバレンスバンドス
パイクがホールの活性層への注入に及ぼす影響は少なく
なる。そのため、ホールが活性層内に注入される注入効
率や特性温度が高くなり、シリーズ抵抗も低くなる。
の厚さがn型光閉じ込め層の厚さよりも厚く形成されて
いるために、活性層内にホールが注入される際に、多層
のp型光閉じ込め層内に存在しているバレンスバンドス
パイクがホールの活性層への注入に及ぼす影響は少なく
なる。そのため、ホールが活性層内に注入される注入効
率や特性温度が高くなり、シリーズ抵抗も低くなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には、本発明に係る量子井戸半導体レーザの
一実施例が示されている。このレーザは幅3μm、共振
器長1mmのリッジ導波路レーザである。同図において、
n型GaAs基板1上に、膜厚0.5 μmのn−GaAs
バッファ層2と、膜厚2.0 μmのn−InGaPクラッ
ド層3と、膜厚30nmの多層のn型光閉じ込め層15と、
膜厚9nmのInGaAsの歪量子井戸活性層7と、膜
厚60nmの多層のp型光閉じ込め層16を順に積層形成し
ている。
する。図1には、本発明に係る量子井戸半導体レーザの
一実施例が示されている。このレーザは幅3μm、共振
器長1mmのリッジ導波路レーザである。同図において、
n型GaAs基板1上に、膜厚0.5 μmのn−GaAs
バッファ層2と、膜厚2.0 μmのn−InGaPクラッ
ド層3と、膜厚30nmの多層のn型光閉じ込め層15と、
膜厚9nmのInGaAsの歪量子井戸活性層7と、膜
厚60nmの多層のp型光閉じ込め層16を順に積層形成し
ている。
【0013】p型光閉じ込め層16の上側には、膜厚2.0
μmのp−InGaPクラッド層11と、膜厚0.5 μmの
p−GaAsキャップ層12を順に積層形成し、このキャ
ップ層12とクラッド層11の一部分にかけて積層半導体の
左右両側にエッチングで除去し、除去した後にクラッド
層11の左右両側位置にポリイミド絶縁膜17を積層形成し
ている。基板1の下面側にはn側電極13を形成し、ポリ
イミド絶縁膜17とキャップ層12の上面側にはp側電極14
を形成している。
μmのp−InGaPクラッド層11と、膜厚0.5 μmの
p−GaAsキャップ層12を順に積層形成し、このキャ
ップ層12とクラッド層11の一部分にかけて積層半導体の
左右両側にエッチングで除去し、除去した後にクラッド
層11の左右両側位置にポリイミド絶縁膜17を積層形成し
ている。基板1の下面側にはn側電極13を形成し、ポリ
イミド絶縁膜17とキャップ層12の上面側にはp側電極14
を形成している。
【0014】この量子井戸半導体レーザは、グレーデッ
ドインデックス型の光−キャリア分離構造を有するレー
ザで、図2に示すように、n型光閉じ込め層15は、膜厚
10nmの各n−InGaAsP光閉じ込め層4,5,6
を順に積層形成したものであり、これらのn型光閉じ込
め層4,5,6の各バレンスバンドエネルギ(Eg)
は、それぞれ1.77eV,1.65eV,1.55eVであり、n型光閉
じ込め層15はエネルギ的に階段状の層となっている。p
型光閉じ込め層16は膜厚20nmのp−InGaAsP光
閉じ込め層8,9,10を順に積層形成したものであり、
これらのp型光閉じ込め層8,9,10の各Egは、それ
ぞれ1.55eV,1.65eV,1.75eVで、p型光閉じ込め層16も
エネルギ的に階段状の層となっている。
ドインデックス型の光−キャリア分離構造を有するレー
ザで、図2に示すように、n型光閉じ込め層15は、膜厚
10nmの各n−InGaAsP光閉じ込め層4,5,6
を順に積層形成したものであり、これらのn型光閉じ込
め層4,5,6の各バレンスバンドエネルギ(Eg)
は、それぞれ1.77eV,1.65eV,1.55eVであり、n型光閉
じ込め層15はエネルギ的に階段状の層となっている。p
型光閉じ込め層16は膜厚20nmのp−InGaAsP光
閉じ込め層8,9,10を順に積層形成したものであり、
これらのp型光閉じ込め層8,9,10の各Egは、それ
ぞれ1.55eV,1.65eV,1.75eVで、p型光閉じ込め層16も
エネルギ的に階段状の層となっている。
【0015】また、n型光閉じ込め層15の各層4,5,
6とp型光閉じ込め層16の各層8,9,10のバレンスバ
ンドエネルギ差が、活性層7を挟んで上下対称になって
おり、n型光閉じ込め層15の最も下側にある光閉じ込め
層4のバレンスバンドエネルギ(Eg)とp型光閉じ込
め層16の最も上側にある光閉じ込め層10のEgは同じと
なっている。このように、n型光閉じ込め層4とp型光
閉じ込め層10のEgを同じに構成し、活性層7と各光閉
じ込め層4,10のバレンスバンドエネルギ差を等しくす
ることにより、活性層10から発生するレーザ光の放射パ
ターンフィールドを制御している。
6とp型光閉じ込め層16の各層8,9,10のバレンスバ
ンドエネルギ差が、活性層7を挟んで上下対称になって
おり、n型光閉じ込め層15の最も下側にある光閉じ込め
層4のバレンスバンドエネルギ(Eg)とp型光閉じ込
め層16の最も上側にある光閉じ込め層10のEgは同じと
なっている。このように、n型光閉じ込め層4とp型光
閉じ込め層10のEgを同じに構成し、活性層7と各光閉
じ込め層4,10のバレンスバンドエネルギ差を等しくす
ることにより、活性層10から発生するレーザ光の放射パ
ターンフィールドを制御している。
【0016】放射パターンフィールドは、各光閉じ込め
層4,10と活性層7とのバレンスバンドエネルギ差によ
り制御されるのと同時に、光閉じ込め層15,16の厚さの
和によって制御される。すなわち、放射パターンフィー
ルドをある形態に設定すると、半導体レーザの作製に際
し、その放射パターンフィールドに対応してp型とn型
の光閉じ込め層の厚さの和も一義的に決まってくる。従
来例ではp型とn型の光閉じ込め層の厚さの和が一定と
いう条件のもとに、p型の光閉じ込め層とn型光閉じ込
め層の厚さを同じにしたが、本実施例ではp型とn型の
光閉じ込め層の和が一定という条件のもとで、p型光閉
じ込め層16の厚さをn型光閉じ込め層15の厚さよりも厚
く構成したことを大きな特徴としている。
層4,10と活性層7とのバレンスバンドエネルギ差によ
り制御されるのと同時に、光閉じ込め層15,16の厚さの
和によって制御される。すなわち、放射パターンフィー
ルドをある形態に設定すると、半導体レーザの作製に際
し、その放射パターンフィールドに対応してp型とn型
の光閉じ込め層の厚さの和も一義的に決まってくる。従
来例ではp型とn型の光閉じ込め層の厚さの和が一定と
いう条件のもとに、p型の光閉じ込め層とn型光閉じ込
め層の厚さを同じにしたが、本実施例ではp型とn型の
光閉じ込め層の和が一定という条件のもとで、p型光閉
じ込め層16の厚さをn型光閉じ込め層15の厚さよりも厚
く構成したことを大きな特徴としている。
【0017】以上のように本実施例の量子井戸半導体レ
ーザは構成されており、次にその動作について説明す
る。n側電極13とp側電極14に電圧をかけると、歪量子
井戸活性層7にはn型光閉じ込め層15側から電子が注入
され、p型光閉じ込め層16側からはホールが注入され
る。活性層7では、この注入された電子とホールの再結
合が起こり、発振する光が活性層7で増幅されてレーザ
光として発射される。
ーザは構成されており、次にその動作について説明す
る。n側電極13とp側電極14に電圧をかけると、歪量子
井戸活性層7にはn型光閉じ込め層15側から電子が注入
され、p型光閉じ込め層16側からはホールが注入され
る。活性層7では、この注入された電子とホールの再結
合が起こり、発振する光が活性層7で増幅されてレーザ
光として発射される。
【0018】ところで、この量子井戸半導体レーザのp
型光閉じ込め層16の厚さは、n型光閉じ込め層15の厚さ
よりも厚く形成されていて、各p型光閉じ込め層8,
9,10の厚さも厚いために、図3に示すように、各p型
光閉じ込め層8,9,10の各バレンスバンドEV からな
るp型光閉じ込め層16のバレンスバンドEV 構造は、エ
ネルギ的に緩やかな階段状となる。そのため、各p型光
閉じ込め層8,9,10の界面に形成されるスパイク21
は、エネルギ的に緩やかな階段状のバレンスバンドEV
の境界側に形成され、スパイク21とスパイク21の幅dは
広くなる。
型光閉じ込め層16の厚さは、n型光閉じ込め層15の厚さ
よりも厚く形成されていて、各p型光閉じ込め層8,
9,10の厚さも厚いために、図3に示すように、各p型
光閉じ込め層8,9,10の各バレンスバンドEV からな
るp型光閉じ込め層16のバレンスバンドEV 構造は、エ
ネルギ的に緩やかな階段状となる。そのため、各p型光
閉じ込め層8,9,10の界面に形成されるスパイク21
は、エネルギ的に緩やかな階段状のバレンスバンドEV
の境界側に形成され、スパイク21とスパイク21の幅dは
広くなる。
【0019】半導体レーザの電極13,14に電圧がかけら
れると、バレンスバンドEV の下側にあるホール20は、
矢印のようにホール20の疑フェルミレベルEFP側へ移動
し、活性層7に注入されるが、このとき、バレンスバン
ドEV の境界側に形成されるスパイク21間の幅dが広い
ために、スパイク21がホール20の移動を妨げる密接すた
障壁群のようにはならず、ホール20は支障なく疑フェル
ミレベルEFPへ移動し、活性層7に注入される。したが
って、ホール20の活性層7への注入効率は上昇し、半導
体レーザのシリーズ抵抗は低下し、特性温度も上昇す
る。
れると、バレンスバンドEV の下側にあるホール20は、
矢印のようにホール20の疑フェルミレベルEFP側へ移動
し、活性層7に注入されるが、このとき、バレンスバン
ドEV の境界側に形成されるスパイク21間の幅dが広い
ために、スパイク21がホール20の移動を妨げる密接すた
障壁群のようにはならず、ホール20は支障なく疑フェル
ミレベルEFPへ移動し、活性層7に注入される。したが
って、ホール20の活性層7への注入効率は上昇し、半導
体レーザのシリーズ抵抗は低下し、特性温度も上昇す
る。
【0020】一方、n型光閉じ込め層15はp型閉じ込め
層16よりも厚みが薄く、その分だけn型光閉じ込め層15
の各層8,9,10の界面に生じるスパイク21幅dは狭く
なり、密接するが、電子はホール20のようにエネルギ的
に重くはないために、スパイク21により電子の移動を妨
げられることもなく、電子は支障なく活性層7に注入さ
れる。
層16よりも厚みが薄く、その分だけn型光閉じ込め層15
の各層8,9,10の界面に生じるスパイク21幅dは狭く
なり、密接するが、電子はホール20のようにエネルギ的
に重くはないために、スパイク21により電子の移動を妨
げられることもなく、電子は支障なく活性層7に注入さ
れる。
【0021】したがって、本実施例のように、p型光閉
じ込め層16の厚みをn型光閉じ込め層15の厚みより厚く
した量子井戸半導体レーザでは、電子の活性層7への注
入等は従来通りに行われ、ホール20の活性層7への注入
効率等が改善されるために、結果として、キャリアの注
入効率や特性温度が高く、シリーズ抵抗の低い優れた量
子井戸半導体レーザとなる。
じ込め層16の厚みをn型光閉じ込め層15の厚みより厚く
した量子井戸半導体レーザでは、電子の活性層7への注
入等は従来通りに行われ、ホール20の活性層7への注入
効率等が改善されるために、結果として、キャリアの注
入効率や特性温度が高く、シリーズ抵抗の低い優れた量
子井戸半導体レーザとなる。
【0022】本実施例の効果を確かめるために、比較例
として、活性層7の上下両側の光閉じ込め層、すなわ
ち、p型光閉じ込め層とn型光閉じ込め層の厚さを等し
くした、従来例と同様の量子井戸半導体レーザを作り、
本実施例の量子井戸半導体レーザとの比較検討を行っ
た。この比較例のレーザは光閉じ込め層を除く部分の構
成は本実施例と同様であり、p型光閉じ込め層16を形成
している、p−InGaAsPの各光閉じ込め層8,
9,10の厚さがそれぞれ15nmであり、n型光閉じ込め
層15を形成している、n−InGaAsPの各光閉じ込
め層4,5,6の厚さが、それぞれ15nmの量子井戸半
導体レーザである。つまり、p型光閉じ込め層16とn型
光閉じ込め層15はの厚さは何れも45nmで等しく形成さ
れ、p型光閉じ込め層15とn型光閉じ込め層16の厚さの
和は90nmである。
として、活性層7の上下両側の光閉じ込め層、すなわ
ち、p型光閉じ込め層とn型光閉じ込め層の厚さを等し
くした、従来例と同様の量子井戸半導体レーザを作り、
本実施例の量子井戸半導体レーザとの比較検討を行っ
た。この比較例のレーザは光閉じ込め層を除く部分の構
成は本実施例と同様であり、p型光閉じ込め層16を形成
している、p−InGaAsPの各光閉じ込め層8,
9,10の厚さがそれぞれ15nmであり、n型光閉じ込め
層15を形成している、n−InGaAsPの各光閉じ込
め層4,5,6の厚さが、それぞれ15nmの量子井戸半
導体レーザである。つまり、p型光閉じ込め層16とn型
光閉じ込め層15はの厚さは何れも45nmで等しく形成さ
れ、p型光閉じ込め層15とn型光閉じ込め層16の厚さの
和は90nmである。
【0023】本実施例の量子井戸半導体レーザのp型光
閉じ込め層16は厚さ20nmのp−InGaAsPの各光
閉じ込め層8,9,10で形成され、n 型光閉じ込め層15
は厚さ10nmのn−InGaAsPの各光閉じ込め層
4,5,6で形成され、p型光閉じ込め層16の厚さは60
nm、n型光閉じ込め層15の厚さは30nmでp型光閉じ
込め層16の厚さはn型光閉じ込め層15の厚さよりも厚く
形成されている。p型光閉じ込め層16とn型光閉じ込め
層15の厚さの和は90nmであり、本実施例と比較例とは
同一の値となっている。
閉じ込め層16は厚さ20nmのp−InGaAsPの各光
閉じ込め層8,9,10で形成され、n 型光閉じ込め層15
は厚さ10nmのn−InGaAsPの各光閉じ込め層
4,5,6で形成され、p型光閉じ込め層16の厚さは60
nm、n型光閉じ込め層15の厚さは30nmでp型光閉じ
込め層16の厚さはn型光閉じ込め層15の厚さよりも厚く
形成されている。p型光閉じ込め層16とn型光閉じ込め
層15の厚さの和は90nmであり、本実施例と比較例とは
同一の値となっている。
【0024】以上のような、量子井戸半導体レーザにつ
いて、レーザの垂直遠視野像の半値全角を20度とし、10
0 mA駆動時の電圧を測定した。その結果、本実施例の
量子井戸半導体レーザでは電圧が1.9 V、比較例のレー
ザでは電圧が2.1 Vとなり、本実施例のレーザの方が比
較例のレーザよりも電圧が0.2 V低かった。したがっ
て、この検討により、p型光閉じ込め層16の厚さをn型
光閉じ込め層15の厚さよりも厚く形成した本実施例のレ
ーザは、p型光閉じ込め層16とn型光閉じ込め層15の厚
さを等しくした従来例のレーザよりもシリーズ抵抗が低
くなり、低い電圧でも従来例と同様の駆動力を発揮する
優れたレーザとなったことが立証された。
いて、レーザの垂直遠視野像の半値全角を20度とし、10
0 mA駆動時の電圧を測定した。その結果、本実施例の
量子井戸半導体レーザでは電圧が1.9 V、比較例のレー
ザでは電圧が2.1 Vとなり、本実施例のレーザの方が比
較例のレーザよりも電圧が0.2 V低かった。したがっ
て、この検討により、p型光閉じ込め層16の厚さをn型
光閉じ込め層15の厚さよりも厚く形成した本実施例のレ
ーザは、p型光閉じ込め層16とn型光閉じ込め層15の厚
さを等しくした従来例のレーザよりもシリーズ抵抗が低
くなり、低い電圧でも従来例と同様の駆動力を発揮する
優れたレーザとなったことが立証された。
【0025】なお、本発明の構成は上記実施例に限定さ
れるものではなく、様々な実施の態様を採り得る。例え
ば、上記実施例では、n型光閉じ込め層15の各層4,
5,6とp型光閉じ込め層16の各層8,9,10の各バン
ドギャップエネルギ差は活性層7を挟んで上下対称にな
るように構成したが、必ずしも各バンドギャップエネル
ギ差を上下対称とする必要はなく、各バンドギャップエ
ネルギの値も上記実施例で示した値であるとは限らな
い。ただし、n型光閉じ込め層15の最も下側にある光閉
じ込め層4とp型光閉じ込め層15の最も上側にある光閉
じ込め層10のバンドギャップエネルギを同一にすること
で、レーザ光のパターンフィールドを規制することが望
ましい。
れるものではなく、様々な実施の態様を採り得る。例え
ば、上記実施例では、n型光閉じ込め層15の各層4,
5,6とp型光閉じ込め層16の各層8,9,10の各バン
ドギャップエネルギ差は活性層7を挟んで上下対称にな
るように構成したが、必ずしも各バンドギャップエネル
ギ差を上下対称とする必要はなく、各バンドギャップエ
ネルギの値も上記実施例で示した値であるとは限らな
い。ただし、n型光閉じ込め層15の最も下側にある光閉
じ込め層4とp型光閉じ込め層15の最も上側にある光閉
じ込め層10のバンドギャップエネルギを同一にすること
で、レーザ光のパターンフィールドを規制することが望
ましい。
【0026】また、上記実施例では、n型光閉じ込め層
15を形成している層4,5,6とp型光閉じ込め層16を
形成している層8,9,10の層数は各々3層としたが、
各光閉じ込め層15,16を形成する層の数は3層以外でも
よく、n型光閉じ込め層15とp型光閉じ込め層とで層の
数が違っていても構わない。
15を形成している層4,5,6とp型光閉じ込め層16を
形成している層8,9,10の層数は各々3層としたが、
各光閉じ込め層15,16を形成する層の数は3層以外でも
よく、n型光閉じ込め層15とp型光閉じ込め層とで層の
数が違っていても構わない。
【0027】また、上記実施例では、幅3μm、共振器
長1mmのリッジ導波路レーザとしたが、レーザの大きさ
や、レーザの構造、レーザを構成している各層の組成や
層数などは特に限定されるものではなく、他のあらゆる
量子井戸半導体レーザに本発明を適用することができ
る。
長1mmのリッジ導波路レーザとしたが、レーザの大きさ
や、レーザの構造、レーザを構成している各層の組成や
層数などは特に限定されるものではなく、他のあらゆる
量子井戸半導体レーザに本発明を適用することができ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、活性層を挟むp型光閉
じ込め層の厚さn型閉じ込め層の厚さよりも厚くしたこ
とにより、多層のp型光閉じ込め層側から活性層へ注入
されるホールはp型光閉じ込め層内に形成されるバレン
スバンドスパイクの影響を受けることが少なく、支障な
く活性層に注入される。そのため、ホールが活性層内に
注入される注入効率や特性温度を高くすることができ、
シリーズ抵抗を低下させることができる。一方、n型光
閉じ込め層側から活性層へ注入される電子はホールのよ
うにエネルギが重くないために、従来通り活性層へ注入
されるため、本発明はキャリアの注入効率や特性温度が
高く、シリーズ抵抗の低い優れた量子井戸半導体レーザ
とすることができる。そして、これらのことから、本発
明は半導体レーザの高出力化、高速度化を可能とするこ
とができる。
じ込め層の厚さn型閉じ込め層の厚さよりも厚くしたこ
とにより、多層のp型光閉じ込め層側から活性層へ注入
されるホールはp型光閉じ込め層内に形成されるバレン
スバンドスパイクの影響を受けることが少なく、支障な
く活性層に注入される。そのため、ホールが活性層内に
注入される注入効率や特性温度を高くすることができ、
シリーズ抵抗を低下させることができる。一方、n型光
閉じ込め層側から活性層へ注入される電子はホールのよ
うにエネルギが重くないために、従来通り活性層へ注入
されるため、本発明はキャリアの注入効率や特性温度が
高く、シリーズ抵抗の低い優れた量子井戸半導体レーザ
とすることができる。そして、これらのことから、本発
明は半導体レーザの高出力化、高速度化を可能とするこ
とができる。
【図1】本発明に係る量子井戸半導体レーザの一実施例
を示す構成図である。
を示す構成図である。
【図2】図1の活性層7と各光閉じ込め層15,16の多層
構造と、それらのエネルギ状態を示す説明図である。
構造と、それらのエネルギ状態を示す説明図である。
【図3】本実施例の多層のp型光閉じ込め層16側でのホ
ール20の移動を示す説明図である。
ール20の移動を示す説明図である。
【図4】単純な光−キャリア分離閉じ込め構造を有する
レーザのホール20の移動を示す説明図である。
レーザのホール20の移動を示す説明図である。
4,5,6,15 n型光閉じ込め層 7 活性層 8,9,10,16 p型光閉じ込め層 20 ホール 21 スパイク
Claims (1)
- 【請求項1】 歪量子井戸活性層が多層のp型光閉じ込
め層と多層のn型光閉じ込め層で挟まれているグレーデ
ッドインデックス型の光−キャリア分離閉じ込め構造を
有する量子井戸半導体レーザにおいて、前記p型光閉じ
込め層の厚さをn型光閉じ込め層の厚さよりも厚くした
ことを特徴とする量子井戸半導体レーザ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10993593A JPH06302910A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | 量子井戸半導体レーザ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10993593A JPH06302910A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | 量子井戸半導体レーザ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06302910A true JPH06302910A (ja) | 1994-10-28 |
Family
ID=14522842
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10993593A Pending JPH06302910A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | 量子井戸半導体レーザ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06302910A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6553046B2 (en) | 2000-05-19 | 2003-04-22 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | High-power semiconductor laser device including resistance reduction layer which has intermediate energy gap |
| US6873637B2 (en) | 2002-05-13 | 2005-03-29 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Semiconductor laser element including optical waveguide layers which have gradually varying bandgaps so as to reduce electrical resistance at interfaces |
-
1993
- 1993-04-12 JP JP10993593A patent/JPH06302910A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6553046B2 (en) | 2000-05-19 | 2003-04-22 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | High-power semiconductor laser device including resistance reduction layer which has intermediate energy gap |
| US6873637B2 (en) | 2002-05-13 | 2005-03-29 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Semiconductor laser element including optical waveguide layers which have gradually varying bandgaps so as to reduce electrical resistance at interfaces |
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