JPH06304411A - 凝集沈澱法及びその処理設備 - Google Patents

凝集沈澱法及びその処理設備

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JPH06304411A
JPH06304411A JP9944893A JP9944893A JPH06304411A JP H06304411 A JPH06304411 A JP H06304411A JP 9944893 A JP9944893 A JP 9944893A JP 9944893 A JP9944893 A JP 9944893A JP H06304411 A JPH06304411 A JP H06304411A
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壽昭 落合
Hiroshi Kitatani
宏 北谷
Eiichi Ohashi
栄一 大橋
Hideaki Suzuki
秀昭 鈴木
Tomoaki Miyanoshita
友明 宮ノ下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濁水から低濁水に渡って薬品注入量を少な
くでき、密で粗大な凝集フロックの形成、大きな処理速
度、コンパクトな設備、汚泥の容易な処分を実現した新
規な凝集沈澱法を提供する。 【構成】 無機凝集剤の添加によって、被処理水に含ま
れる微粒な懸濁物質を凝集フロック化させて沈澱分離す
る凝集沈澱法であって、短尺チューブ型等の空隙率の大
きな小片接触材を多数ランダムに集積することで上向き
の通水に対するよどみ部分が該集積部内に多数形成され
るようにした接触材集積ゾーンに対し、懸濁物質と無機
凝集剤からなる100μm以下の微小フロックを含む被
処理水を上向流で通水させる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば河川水などを原
水として上水や工業用水を製造する場合、あるいは排水
処理等において、無機凝集剤、特にはアルミニウム系の
無機凝集剤を原水に添加して懸濁物質を凝集沈澱分離す
る凝集沈澱法、及びその処理設備に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、河川水などを原水としてこれに
含まれる数μmないしそれ以下の微細な懸濁物質を沈澱
分離する方法(除濁法とも言う)は種々提案されている
が、一般的には、凝集剤を用いない沈澱方法と、凝集剤
を用いる凝集沈澱法に大別される。
【0003】前者の凝集剤を用いない方法は、広い面積
の沈澱池等として設けた横流沈澱池を用いて原水をゆっ
くりと横流させて沈澱させる方法や、下部に沈降分離ゾ
ーンを設けると共にその上部に比重1以下の多数の濾材
小片を網等で流出を防止して形成した濾材層を設け、被
処理水を沈降分離ゾーンから濾材層へと上向流で通して
懸濁物質を沈澱と濾過によって除去する高速沈澱槽を用
いた固液分離法(特開昭60−193508号、特開平
1−7920号)等が知られているが、沈澱分離が可能
であるのは、被処理水中の濁質のうち粒子径が10-2
m程度のものまでであり、それ以下の粒子径のものは除
去できない。
【0004】一方上記後者の凝集沈澱法は、これらの凝
集剤を用いない方式とは異なり、沈澱池や沈澱槽に凝集
剤を添加しながら撹拌を行なって懸濁物質をフロック化
させ、あるいは既存のフロックを更に成長させて沈澱さ
せる方法であり、粒子径が10-3mm以下のコロイド粒
子と総称される濁質も沈澱分離することが可能である。
なお、これらと共に傾斜板や傾斜管などの沈降促進装置
を組み合わせた凝集沈澱法なども知られている。このよ
うな凝集沈澱法は、濁質成分の濃度が年間を通じて大き
く変化し、その大半の期間においては濁度は低いが年間
に何度か高濁水の処理が必要になる河川水などを原水と
して用いる我が国には、その緩衝能力が大きい点で適し
ており、広く普及している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、凝集剤
を添加して除濁処理を行う凝集沈澱法は、微細な懸濁物
質を高濁度に含む原水に対しては有効な方法であり、凝
集剤の添加量とフロック成長の関係、あるいはフロック
の性質など種々の研究報告がされている。
【0006】ところで、凝集沈澱法における凝集剤の添
加率は、原水の濁度と相関があり、高濁水(例えば濁度
20度以上)の原水に対しては、例えばアルミニウム系
の無機凝集剤をそのALT比(原水濁度に対するアルミ
ニウムの注入量(mg/l)比)で言えば、0.05以
下の比較的低い添加率で懸濁物質の除去が行えるが、反
面において年間の大半を占める低濁水(例えば濁度20
度以下)についてその懸濁物質の除去を効果的に行うに
は、0.1〜0.4という大過剰な添加が必要とされて
おり、結果として以下のような問題が生じている。
【0007】 過剰な凝集剤添加のためにフロック内
部に包含する間隙水の量が多くなり、極めて脆弱で粘稠
性を有し、かつフロック密度が低く沈降しにくいフロッ
クが生成され、その結果、発生する汚泥の濃縮,脱水性
が極端に悪く、汚泥処理が容易でなく、処分量も多くな
って維持管理費用が増大する。
【0008】 低濁水に対しては大過剰の凝集剤の添
加を余儀なくされるため、薬品費用が多い。
【0009】 凝集沈澱法を適用する処理設備は、例
えば上水処理に適用する場合、水温や濁度の変化を考慮
した緩衝能力をもつことが望ましいとされ、このために
1ないし2時間程度の滞留時間をもつ大容量の沈澱槽を
建設しなければならず、広い敷地と多額の建設費用を要
する。
【0010】以上のように、従来の凝集沈澱法は、高濁
水に対しては、その大きな緩衝能力により優れた除濁性
能を発揮するが、低濁水に対しては様々な問題がありそ
の改善が求められているのが現状である。
【0011】そこで本発明者は、凝集剤を添加して懸濁
物質をフロック化させ沈澱除去する方法における従来の
考え方を再検討し、従来法とは全く異なる観点から種々
研究を進めた。
【0012】従来の凝集沈澱法で低濁水を対象とする場
合に、原水に大過剰の凝集剤を添加するのが必須とされ
るのは、懸濁物質を比較的低濃度(濁度1〜20度程
度)に含む原水に高濁水と同程度の低い添加率で凝集剤
を添加したのでは、フロックの成長が不十分で懸濁物質
の除去が有効に行なえないからである。
【0013】そこで本発明者は、凝集剤の過剰添加によ
るフロック成長の考え方を変えて、凝集剤を添加して形
成した微小(例えば100μm以下程度)なフロック同
士の邂逅機会を機械的,構造的に与えることでフロック
成長を行なわせるようにすれば、凝集剤の添加量をその
分減少できると考えた。そしてこの考え方に基づき凝集
剤を添加した原水の流れを部分的に制約する接触材を設
けることで流れの裏側によどみを形成させると、この部
分に上記微小なフロックが滞留してフロック成長するこ
とを知見した。しかも極少量にしか凝集剤を添加してい
ないことによると思われるが、驚くべきことに上記のよ
うにして成長したフロックは、従来の凝集剤過剰添加で
生ずる粘稠性がなく、サラサラした極めて沈降性,分離
性に優れたものであり、したがって上記の滞留し成長し
たフロックがよどみ部分の広がりを越えるようになると
自然と下方に落下することも知見した。したがってこれ
らの現象を凝集沈澱槽の内部において都合よく起こさせ
ることで、従来解決が困難であった低濁水に対する凝集
剤の少量添加が実現できることが分かったのである。
【0014】本発明者は、以上のような知見に基づき凝
集沈澱法について望まれている課題に取組み、原水濁度
に応じて薬品注入量を必要最小限度に抑えた凝集処理を
行なうことで懸濁物質の沈降性を有効に生かしつつ、密
で大きな凝集フロックを形成させ、その結果大きな処理
速度を有し、しかも設備的にはコンパクトで設備面積が
小さく、形成された凝集フロックの処分が容易かつ簡単
で、設備の維持管理も容易な新規な凝集沈澱法を実現す
る本発明をなすに至ったのである。
【0015】すなわち本発明の第1の目的は、原水に含
まれる懸濁物質を高速で除去でき、したがって設備容積
を小さくできる凝集沈澱法及びその処理設備を提供する
ところにある。
【0016】本発明の第2の目的は、少薬品量で懸濁物
質を沈降性に優れた高密度のフロックとすることがで
き、薬品費用の削減を実現できる凝集沈澱法及びその処
理設備を提供するところにある。
【0017】本発明の第3の目的は、少薬品量で間隙水
の少ない高密度のフロックを形成させることで、汚泥の
沈澱分離や脱水の簡易化に有益で、また発生汚泥量を減
少させることで汚泥処分設備の簡易化、処分費用の削減
を実現できる凝集沈澱法及びその処理設備を提供すると
ころにある。
【0018】本発明の第4の目的は、原水の有する懸濁
物質の濁質濃度に応じて最適な凝集剤注入量を選定可能
とすることで、高濁水から低濁水に渡り安定した性能を
発揮することができる新規な凝集沈澱法及びその処理設
備を提供するところにあり、更に、原水の濁度状態に応
じて凝集剤注入量を自動的に選択制御できるようにする
ことで、設備の最適運転状態の確保ができる産業設備上
最も期待されている自動化処理設備を提供することもそ
の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を実現するた
めに、本発明者は上記特許請求の範囲の各請求項に記載
した本発明を完成した。
【0020】これらにより記載された本発明の代表的な
特徴の一つは、無機凝集剤の添加によって、原水に含ま
れる微細な懸濁物質を凝集フロック化させて沈澱分離す
る凝集沈澱法であって、短尺チューブ型等の空隙率の大
きな小片接触材を多数ランダムに集積することで上向き
の通水に対するよどみ部分が該集積部内に多数形成され
るようにした接触材集積ゾーンに対し、原水に無機凝集
剤を添加することによって調製される懸濁物質と無機凝
集剤からなる100μm以下の微小フロックを含む被処
理水を上向流で通水させるようにした方法にある。
【0021】上記の接触材集積ゾーンは、小片接触材の
多数ランダムな集積によって上向きの通水に対するよど
み部分が該集積部内に多数形成されるようにして形成さ
れたものであればよく、このような集積部内に通水に対
するよどみ部分が多数ランダムに存在することにより、
被処理水中に含まれる微小なフロックは接触材表面に沈
着ないしその周囲に浮遊して他の微小フロックと邂逅結
合しフロック成長する。この際、本発明の方法では、被
処理水中の凝集剤の添加率が少ないために懸濁物質に付
着している凝集剤の量も少なく、成長フロックは間隙水
の少ない密度の大きな沈降性に優れたものとなる。この
よどみ部分が内部に多数ランダムに存在する接触材集積
ゾーンの形成は、例えば通水路として機能する空隙が小
片の外観的な輪郭内に60%以上有し、これを集積した
時の接触材容積1m3 当りの表面積が200m2 以上、
好ましくは300m2 以上有するような大きな空隙率と
表面積をもつ、例えば直径4〜12mm程度で長さが1
5〜20mm程度のプラスチック製の短尺チューブ型小
片接触材、内部中空の球体の球面に多数の孔を穿った充
填材、あるいはテラレットパッキン等が好ましく選択し
て使用されるが、特にこれに限定されるものではない。
また、余剰の成長フロックが下方に沈降することを考慮
して本発明方法では該接触材集積ゾーンに上向流で被処
理水を通水させる構成を採用しており、このため、該接
触材集積ゾーンを形成する接触材には、例えば真比重が
1以上であって接触材支持板上に集積ゾーンを形成する
ような材質の接触材の使用に加えて、プラスチック材な
どにより真比重が1前後で上向流により浮上する材質の
ものを用い、沈澱槽の上部にこの接触材の上方への流出
を防止する網板等の流出防止手段を設ける構成が好まし
く採用される。
【0022】接触材集積ゾーンに通水する上向流の通水
速度は、200m/d〜800m/d、好ましくは30
0m/d〜500m/dとすることによって高速の処理
が実現できる。
【0023】また接触材集積ゾーンに通水させる被処理
水は、原水に無機凝集剤を極少量添加することによって
100μm以下、好ましくは数μm〜数10μm程度の
大きさの懸濁物質の微小フロックを含むように調製され
る。接触材集積ゾーンに通水させる被処理水中に含まれ
るフロックのうち100μmを越えるものの割合が多く
なると、成長したフロックの粘稠性が増大し、接触材と
の剥離性や汚泥として回収した後の脱水性等が低下して
望ましくないので、100μmを越えるフロックの割合
は出来るだけ少ないことが望まれ、5%を越えることが
ないようにされることが必要である。
【0024】このような100μm以下の懸濁物質のフ
ロックを含有するようにさせるためには、無機凝集剤が
アルミニウム塩である場合には、原水の濁度によっても
変わるが一般的にはALT比(前出)で0.05〜0.
005、好ましくは0.01〜0.005とすることが
よい。
【0025】本発明方法は、原水濁度が数度〜1000
度の範囲に渡って適用できる。
【0026】以上のような本発明の方法の実施のために
用いられる処理設備の特徴は、被処理水が上向流で通水
されて上部に処理水回収手段が設けられた槽と、この槽
内の上記処理水回収手段よりも下方に設けられて、短尺
チューブ型等の空隙率の大きな小片接触材を多数ランダ
ムに集積して上向きの通水に対するよどみ部分を該集積
部内に多数有するように設けた接触材集積ゾーンと、こ
の接触材集積ゾーンよりも下方位置に流入するように設
けられた被処理水の供給手段と、この被処理水の供給手
段に接続され、かつ微細な懸濁物質を含有する原水に対
する極少量の無機凝集剤添加及び撹拌によって該懸濁物
質と無機凝集剤からなる100μm以下の微小フロック
を含有した被処理水を形成するように設けた原水調製手
段と、上記被処理水の流入位置のさらに下方に、沈降す
る凝集フロックを滞留させかつ必要に応じて外部に排出
するように設けられた汚泥排出部とを備えた構成をなす
ところにある。
【0027】上記構成において、原水調製手段として
は、被処理水の供給手段として設けた供給配管に無機凝
集剤を直接注入する構成のもの、あるいは被処理水の供
給手段として設けた供給配管の前段に配置した撹拌槽と
して構成したものを例示することができる。
【0028】また、特に望ましい構成としては、原水の
濁度を測定する濁度検出手段と、アルミニウム塩の添加
量を該濁度検出手段の検出結果に基づいてALT比で
0.05〜0.005の範囲に制御する添加量制御手段
とを設けた設備を例示することができ、これにより処理
設備を自動化して運転させることが可能となる。
【0029】更に、上記構成において、汚泥沈澱ゾーン
に沈降した凝集フロックの一部を原水側に返送する手段
を設けることも好ましく、これにより凝集沈澱槽内での
フロックの成長をより促進することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を図面を参照しながら更に詳細
に説明する。
【0031】実施例1 図1は本発明方法を実施するための凝集沈澱槽1の構成
概要一例を示したものであり、この槽1の最上部には、
槽壁から溢流する処理水を外部に流出させるための流出
管7が接続され、槽1内の最上部から若干下側(したが
って水面下)には、その下方に充填した接触材9(図1
中に別に示した短尺チューブ型)が流出しないように上
部および下部に流出防止板8を横設して接触材集積ゾー
ン20を形成させる。
【0032】この接触材集積ゾーン20の下方に位置す
る流入ゾーン21には、無機凝集剤注入管3、アルカリ
剤注入管4が接続された流入管2が流入弁5を介して槽
1内に貫入され、該槽1内で下向きに被処理水を噴出す
るように接続されている。また、接触材を撹拌洗浄する
ための逆洗空気管13が槽外から槽内に貫入されてい
る。
【0033】22は汚泥貯留ゾーンであり、上記流入ゾ
ーン21の更に下方に位置していて、沈澱汚泥14の界
面を検出するための汚泥界面計19が設けられている。
またこの汚泥貯留ゾーン22には、排泥管15、排泥弁
16が接続されている。なお12は流入管2より槽1内
に下向きに噴出される被処理水を衝突させて上向きの流
れに変えるための変流板である。
【0034】装置の稼動初期 このような装置においてまず、処理の開始に当たっては
流入弁5を開き、予め無機凝集剤注入管3から ALT
比0.05から0.005となるようアルミニウム系無
機凝集剤、及びアルカリ剤注入管4から必要に応じてア
ルカリ剤を添加することで原水を調製した被処理水が、
流入管2より流入弁5を経て流入ゾーン21内に導入さ
れる。
【0035】接触材の選定と挙動 接触材9は、真比重1以下の浮上性接触材の場合には通
水当初より上部流出防止板8の下に接触材集積ゾーン2
0を形成している。また、真比重が1以上の接触材9を
使用する場合、真比重がほぼ1である場合には通水前は
下部流出防止板8の上に沈積し、200m/d以上の上
向流を通水することによって浮上し、上部流出防止板8
の下に接触材集積ゾーン20を形成する。一方、真比重
が1.05以上であれば常に下部流出防止板8の上に沈
積し、該流出防止板8の上に接触材集積ゾーン20を形
成する。
【0036】微フロックの生成〜粗大フロックヘの成長過程 微フロツクの生成 流入管2の内部ならびに槽1内部で、懸濁物質は凝結反
応によって直径十〜数十ミクロン程度の微フロックを形
成する。
【0037】微フロツクの付着・捕捉 通水開始当初は、流入する微フロックは接触材9による
「さえぎり」の効果によってその表面を被覆する形で捕
捉されていく。
【0038】フロツクの成長 しかし、一旦接触材9の表面に微フロツクが吸着され始
めると、後続する微フロックは、未付着の接触材9表面
への付着は無論のこと、それ自体凝集付着力を持ってい
るため、すでに接触材9表面に捕捉された微フロックと
も衝突し、微フロツク同士の邂逅が加速度的に進み、成
長してゆく。
【0039】フロックの剥離・沈積 付着当初の微フロックの接触材9に対する付着力は、あ
る程度大きなものであるため簡単に剥離することはない
が、後続する微フロックを吸着して次第に粗大化すると
水流の剪断力によって剥離するようになる。
【0040】これらの微フロックは、懸濁物質に対する
凝集剤注入率が従来の凝集沈殿法のALT比の0.1か
ら0.4に比ベて0.05から0.005と低いため、
大きな密度とフロック強度を持ち、剥離の際に解体する
ことはなく、さらに大きな沈降速度を有するので、一定
以上の径まで成長した凝集フロックは、接触材集積ゾー
ン20内の水流の遅い所や水流の影響の及ばない接触材
9の上部表面あるいは内部などの空隙内に沈積するよう
になる。
【0041】フロック群による流路の閉塞ならびに崩壊と分級作用 このように懸濁物質の捕捉が進むと、接触材集積ゾーン
20内部には接触材9表面に付着している微フロックか
ら大きな沈降速度を持つ粗大な凝集フロックまでと、多
様なフロツク群を包含するようになるが、一部では接触
材9内部あるいは接触材同士の間隙を閉塞するようにフ
ロツクの堆積が進んで、通過水流の影響によって堆積フ
ロック群の崩壊を起こす。
【0042】このフロツク群の崩壊現象は、当該フロッ
ク群を分級する効果を持っている。すなわち、粗大化さ
れていないフロツク粒子はその流速によって上部に巻き
上げられて接触材9周囲を旋回しながら更に後続の微フ
ロックを取り込んで粗大化してゆくが、粗大化が進み十
分大きな沈降速度を持つ凝集フロツクは、より下部に位
置する接触材9表面もしくはその内部空隙へと沈積する
ことを繰り返し、やがては接触材層の最下部ヘと集積さ
れてゆく。
【0043】凝集フロックの滑落・沈降 接触材層の最下部に集積された凝集フロックは、その粗
大化が臨界点に達すると、最下部の接触材9から滑落
し、当該滑落した凝集フロツクは、流入ゾーン21を経
て汚泥貯留ゾーン22へと沈降してゆき、沈殿汚泥14
として貯留される。
【0044】図1の構成によれば、粗大化した凝集フロ
ックを、機械力などを用いることなく、接触材集積ゾー
ン20から排除できるので、接触材集積ゾーン20内の
フロック群の凝集吸着活性を常に高く保持することがで
きる。
【0045】処理水質の安定 このように、本来沈殿分離されることのない微フロック
が大きな表面積、空隙率を持つ接触材9ならびにその周
囲のフロツク群の働きによって付着、吸着、粗大化さ
れ、同時に剥離・巻き上げ・沈殿・滑落・堆積などを繰
り返しながら、大きな密度、フロック強度,沈降性を有
する凝集フロックヘと成長してゆくが、その過程で接触
材9層内部は次第にその包含フロック量を増加させ、か
つ、その下層部ヘの凝集フロックの集中をもたらす。こ
のため、通水初期には多くの接触材9によって捕捉され
ることにより微フロツクの流出が抑制され、またフロツ
ク量が増加するに従って、微フロックと種々のフロック
との接触機会が増大することにより安定した処理水質の
確保を図ることができる。
【0046】なお、低濁度時に比ベると、高濁度時には
懸濁物質の密度がより高くなる傾向があり、凝集フロッ
クの剥離・巻き上げ・沈殿・滑落・堆積などの現象は一
層加速されるので処理水質が悪化することなく安定した
処理を継続できる。
【0047】制御性の向上 原水の濁度は必ずしも常に一定ではなく、気象条件その
他の理由によって変動するが、原水濁度を検出して予め
設定したALT比に従って薬品注入量の管理を行えば、
適正な凝集剤添加の状態を自動的に維持管理することも
極めて容易に行なうことができる。
【0048】接触材の洗浄 上記のように、接触材9からのフロツク粒子の剥離・脱
落が自然に行われるので、日常的な洗浄は不要である
が、長時間運転すると内部にフロツク粒子が残留する接
触材9の出現も予想されるため、例えば月に1もしくは
2回の割合いで通水を停止し、逆洗空気管13からブロ
ワ11によって得られた圧縮空気を送って撹拌洗浄する
ことも好ましい。この際に、本発明方法で生成されるフ
ロックは、従来の凝集剤過剰添加による粘稠なフロック
と異なり、サラサラしたものであるから容易に接触材か
ら剥離し、接触材9を常に新品同様に保つことが可能で
ある。
【0049】汚泥処理・処分面の改善 汚泥貯留ゾーン22に貯留された沈殿汚泥14は、少量
の凝集剤注入によつて凝集処理したものであるので濃縮
性が良好であり、槽内で5〜15%と高濃度に濃縮でき
る。したがって、槽内での沈澱汚泥の濃度が1〜2%程
度にしかならない従来の高速凝集沈殿槽のような低濃度
の汚泥を頻繁に引き抜くことによる水ロスを招くことも
ない。また、通水中に汚泥界面計19からの信号によっ
て、排泥弁16の開・閉を行なわせることにより、槽内
水を排除することなく濃縮汚泥のみを排泥弁15から排
除でき、その後の脱水処理工程での濃縮を不要とするこ
ともできる。
【0050】また得られた濃縮汚泥は、脱水性も極めて
良好で、脱水装置が小さくて済み、更にケーキ含水率が
低下するので処分費の低減が図れる。
【0051】以上のような処理効果は、主に流入直前の
原水に必要最小限度の無機凝集剤を注入すること、大き
な表面積・空隙率を持つ多数の接触材を集積した接触材
集積ゾーン20を設けること、および上向流で通水する
この3点によってもたらされたものである。
【0052】第一の、流入直前の原水に必要最小限度の
無機凝集剤を注入することについては、その注入率は原
水の性状によつて決定されるが、一般的にはたとえ低濃
度であってもALT比0.05から0.005の範囲で
良く、この値は低濁水を処理する場合における従来法の
数分の一から十数分の一と少ない。
【0053】この凝集剤注入率と下記の効果の相乗効果
によって、沈殿分離速度が200m/dから800m/
dと従来法の数から十倍の高速処理が可能になってい
る。
【0054】なお、仮に注入率を従来法と同様のALT
比0.1から0.4とすると、生成する凝集フロツクは
粘調性を示し、上記のような大きな沈降速度をもつ凝集
フロツクを決して形成することはない。
【0055】第二の、多数の接触材を集積した接触材集
積ゾーン20を設けたことで、その内部に微フロツクか
ら粗大化した凝集フロツクまでの種々のフロツク群を包
含することができるようになり、継続的に流入する微フ
ロックとの接触機会を飛躍的に高めることができ、低A
LT比運転であるにもかかわらず良好な処理水が得られ
るという効果をもたらしている。
【0056】第三の、接触材集積ゾーンに対する上向流
通水によって、内部のフロック群に剥離・巻き上げ・沈
殿・滑落・堆積などの作用を与えて、最終的に大きな沈
降速度を持っ凝集フロックヘと成長させ、 また分級作
用によって凝集フロックを凝集層下部に集めると共に凝
集・吸着活性の低下した凝集フロツクを接触材集積ゾー
ンから排除して、接触材集積ゾーン内の捕捉フロック総
量を一定に保つなどの効果がもたらされる。
【0057】実施例2 図2に示す本例は、比較的大型の装置に適用した構成例
を示したもので、被処理水を槽1内のほぼ全面に均等に
噴出させるべく、槽1内に貫入させた流入管2から複数
本の流入枝管6を分岐すると共に、汚泥貯留ゾーン22
内に沈降した凝集フロックを槽1の中央部に集泥するべ
く該汚泥貯留ゾーン22内に汚泥掻寄機10を設けた構
成を有している。
【0058】更に、本例の装置は、槽1外の流入管2の
途中に原水調製手段としての撹拌槽17を設けると共
に、汚泥貯留ゾーン22に沈降した凝集フロックの一部
を該撹拌槽17に返送すべく、一端が槽1の底部に付設
されている排泥管15に連通し、他端が上記撹拌槽17
に連通した汚泥返送管18を設け、該汚泥返送管18の
途中に汚泥返送ポンプ19を設けた構成を有しているこ
とを特徴とする。
【0059】このような汚泥の返送手段を有する本例の
装置においては、汚泥貯留ゾーン22に沈降した凝集フ
ロックの一部を汚泥返送ポンプ19によって撹拌槽17
に返送することにより、該返送フロックと被処理水中の
微フロックとの接触邂逅が進行し、その結果、凝集効果
がより向上する。なお、このような凝集フロックの返送
は、低濁水の処理時において特に有効である。
【0060】更に本例の装置においては接触材9とし
て、被処理水の上昇流によっても浮上することはなく常
に下部流出板8の上部に沈積しているような比重の重い
ものを採用しており、そのため、上記実施例1における
上部流出板8を省略した構成とできる。
【0061】なお、その他の点は実施例1と同様の構成
を有しており、共通する部材には実施例1と同じ符号を
付して説明は省略した。
【0062】試験例1(低濁水の除濁試験) 図1の装置を用い、以下の凝集沈澱試験を行なった。
【0063】すなわち、原水として原水濁度が15〜4
0度程度の低濁度の河川表流水を用い、該原水にPAC
(ポリ塩化アルミニウム)をALT比が0.007とな
るように添加した後、下記のような仕様の装置に通水速
度(LV)=400m/dで通水して除濁試験を行なっ
た。
【0064】 (1)凝集沈澱槽 400mmφ×3500mmH (2)充填材 形状 : 短尺チューブ状 寸法 : 内径10mmφ×長さ20mm 比重 : 0.98 充填層高: 700mmH この時の処理水濁度、濁度除去率、および汚泥貯留ゾー
ンからの引き抜き汚泥の測定結果を下記表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】試験例2(高濁水の除濁試験) 試験例1と同じ原水にカオリン粉末を添加して原水濁度
が480〜1000度程度の高濁水を調整し、該高濁水
にPACをALT比が0.005となるように添加して
除濁試験を行なった。
【0067】なお、使用した装置および通水速度は上記
実施例1の場合と同じである。
【0068】試験結果を下記表2に示した。
【0069】
【表2】
【0070】比較例 試験例1と同じ原水にPACをALT比が0.1となる
ように添加した被処理水を従来形式の横流沈澱池によっ
て処理したところ、濁度の除去率は90%以上であった
が、得られた引抜き汚泥の固形物濃度は2.3%であ
り、上記試験例1および2に比べて著しく低かった。
【0071】また、得られた濃度2.3%の汚泥を濃縮
槽にて24時間濃縮したが、固形物濃度は4.8%にし
か達しなかった。
【0072】参考のために、この濃縮汚泥と、上記試験
例1で得られた引抜き汚泥とをそれぞれ加圧脱水機によ
って無薬注で脱水したところ、下記表3に示したような
結果が得られた。この表3より、本発明によって得られ
る引抜き汚泥の脱水性が極めて良好であることが分か
る。
【0073】
【表3】
【0074】以上の試験例及び比較例から明らかな如
く、本発明によれば濁度20〜40度程度の低濁水を、
ALT比=0.007という極めて低率の凝集剤添加
下、かつLV=400m/dという高流速通水下におい
て、原水中の濁度を約90%以上の除去率で除去するこ
とができると共に、固形物濃度が約12%という従来で
は考えられないような高濃度の、かつ脱水性の良好な引
抜き汚泥として得ることができる。
【0075】なお以上の説明では、上水,工業用水処理
における適用例を中心に述べてきたが、本発明は排水処
理等において鉄系無機凝集剤を用いて凝集沈澱を行なう
場合にも適用することが可能であり、その場合には上記
ALT比をFeT比(原水濁度に対する鉄イオンの注入
量比)もしくはFeSS比(原水濁質濃度に対する鉄イ
オンの注入量比)に置き換えればよく、同様の効果が得
られる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば以下の特徴的効果が奏さ
れる。 原水濁度に応じて薬品の注入を、従来よりも低いA
LT比、例えば年間の85〜90%を占める低濁水を処
理する際には、従来の数分の一から十数分の一という極
めて少ない必要最小限度に抑えた凝集処理を行なうこと
ができる。
【0077】 また、懸濁物質の本来もっている沈降
分離特性を最大限に生かしつつ、密で粗大な凝集フロッ
クを形成させる結果、大きな処理速度を実現できる。
【0078】 設備的にはコンパクトで設備面積が小
さく、形成された凝集フロックの処分が容易かつ簡単
で、それ故に設備の維持管理も容易である。
【0079】 密で粗大な凝集フロックが形成され、
高濃度の汚泥が得られる。
【0080】 回収された高濃度の汚泥は、密度が高
く間隙水が少ないので、脱水が容易かつ簡単で、設備の
合理化が実現できる。
【0081】 設備運転や維持管理が、バルブの切り
換えだけで行えるため容易であり、浮上性分を除去する
ような別途の装置が必要でない。
【0082】 従来は、たとえ低濁水処理時であって
も凝集剤を過剰に添加しなければならなかったためにp
H調整用のアルカリ剤を多量に添加するケースが多かっ
たが、本発明によれば、凝集剤の添加率が極めて少ない
ためにアルカリ剤の添加は殆ど必要なく、アルカリ剤の
消費量を従来より削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなる凝集沈澱槽の構成概要一例を示
した図である。
【図2】本発明よりなる凝集沈澱槽の他の例の構成概要
を示した図である。
【符号の説明】
1・・・凝集沈澱槽、2・・・流入管、3・・・無機凝
集剤注入管、4・・・アルカリ剤注入管、5・・・流入
弁、7・・・流出管、8・・・流出防止板、9・・・短
尺チューブ型接触材、11・・・ブロワ、13・・・逆
洗空気管、14・・・沈澱汚泥、15・・・排泥管、1
6・・・排泥弁、20・・・接触材集積ゾーン、21・
・・流入ゾーン、22汚泥貯留ゾーン。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 秀昭 東京都文京区本郷5丁目5番16号 オルガ ノ株式会社内 (72)発明者 宮ノ下 友明 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機凝集剤の添加によって、原水に含ま
    れる微細な懸濁物質を凝集フロック化させて沈澱分離す
    る凝集沈澱法であって、 短尺チューブ型等の空隙率の大きな小片接触材を多数ラ
    ンダムに集積することで上向きの通水に対するよどみ部
    分が該集積部内に多数形成されるようにした接触材集積
    ゾーンに対し、原水に無機凝集剤を添加することによっ
    て調製される懸濁物質と無機凝集剤からなる100μm
    以下の微小フロックを含む被処理水を上向流で通水させ
    ることを特徴とする凝集沈澱法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、接触材集積ゾーンに
    通水する上向流の通水速度が200m/d〜800m/
    dであることを特徴とする凝集沈澱法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、懸濁物質と無
    機凝集剤からなる100μm以下の微小フロックを含む
    被処理水は、微細な懸濁物質を含有する原水に対して極
    少量の無機凝集剤を添加し、撹拌して調製されたもので
    あることを特徴とする凝集沈澱法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、懸濁物質と共に微小
    フロックを形成するために添加される無機凝集剤がアル
    ミニウム塩であり、原水に対して添加される該アルミニ
    ウム塩の量が、ALT比で0.05〜0.005である
    ことを特徴とする凝集沈澱法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4において、極少量の無機
    凝集剤を添加し撹拌して調製される原水は、濁度が数度
    〜1000度の範囲の原水を対象とするものであること
    を特徴とする凝集沈澱法。
  6. 【請求項6】 被処理水が上向流で通水されて上部に処
    理水回収手段が設けられた槽と、この槽内の上記処理水
    回収手段よりも下方に設けられて、短尺チューブ型等の
    空隙率の大きな小片接触材を多数ランダムに集積して上
    向きの通水に対するよどみ部分を該集積部内に多数有す
    るように設けた接触材集積ゾーンと、この接触材集積ゾ
    ーンよりも下方位置に流入するように設けられた被処理
    水の供給手段と、この被処理水の供給手段に接続され、
    かつ微細な懸濁物質を含有する原水に対する極少量の無
    機凝集剤添加及び撹拌によって該懸濁物質と無機凝集剤
    からなる100μm以下の微小フロックを含有した被処
    理水を形成するように設けた原水調製手段と、上記被処
    理水の流入位置のさらに下方に、沈降する凝集フロック
    を滞留させかつ必要に応じて外部に排出するように設け
    られた汚泥貯留ゾーンと、を備えたことを特徴とする凝
    集沈澱処理設備。
  7. 【請求項7】 請求項6において、接触材集積ゾーン
    は、上向流の通水速度が200m/d以上である場合に
    浮上する真比重1前後の接触材と、この接触材の上方へ
    の流出を防止する網板等の流出防止手段との組合わせに
    より形成したことを特徴とする凝集沈澱処理設備。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、原水調製手段
    は、被処理水の供給手段として設けた供給配管に無機凝
    集剤を直接注入するものであることを特徴とする凝集沈
    澱処理設備。
  9. 【請求項9】 請求項6又は7において、原水調製手段
    は、被処理水の供給手段として設けた供給配管の前段に
    配置した撹拌槽であることを特徴とする凝集沈澱処理設
    備。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし9のいずれかにおい
    て、原水調製手段においてアルミニウム塩を無機凝集剤
    として原水に添加するように設けると共に、原水の濁度
    を測定する濁度検出手段と、アルミニウム塩の添加量を
    該濁度検出手段の検出結果に基づいてALT比で0.0
    5〜0.005の範囲に制御する添加量制御手段とを設
    けたことを特徴とする凝集沈澱処理設備。
  11. 【請求項11】 請求項6ないし10のいずれかにおい
    て、汚泥貯留ゾーンに沈降した凝集フロックの一部を原
    水調製手段に返送する手段を設けたことを特徴とする凝
    集沈澱処理設備。
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