JPH06305887A - MgO単結晶基板 - Google Patents
MgO単結晶基板Info
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- JPH06305887A JPH06305887A JP9813093A JP9813093A JPH06305887A JP H06305887 A JPH06305887 A JP H06305887A JP 9813093 A JP9813093 A JP 9813093A JP 9813093 A JP9813093 A JP 9813093A JP H06305887 A JPH06305887 A JP H06305887A
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Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 強誘電体、超伝導体、人工格子体などの電子
材料薄膜育成用として好適に使用可能なMgO単結晶基
板を得る。 【構成】 MgO単結晶基板において、亜粒界に囲まれ
た結晶粒の数が0〜5×105 個/cm2 の範囲で、か
つ亜粒界を除いた結晶中の転位密度が1×103〜5×
108 個/cm2 の範囲にあるMgO単結晶基板。
材料薄膜育成用として好適に使用可能なMgO単結晶基
板を得る。 【構成】 MgO単結晶基板において、亜粒界に囲まれ
た結晶粒の数が0〜5×105 個/cm2 の範囲で、か
つ亜粒界を除いた結晶中の転位密度が1×103〜5×
108 個/cm2 の範囲にあるMgO単結晶基板。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電体、超伝導体、
人工格子体などの電子材料薄膜育成用のMgO単結晶基
板に関する。
人工格子体などの電子材料薄膜育成用のMgO単結晶基
板に関する。
【0002】
【従来の技術】MgOは海水から人工的に抽出、または
天然鉱石として大量に採取できる元素であり、絶縁材、
耐熱材料、光学部品など様々な産業上の利用分野があ
る。特に近年、強誘電体、超伝導体、人工格子体などの
薄膜育成用基板としての活発な応用が始まっている。こ
のような薄膜製造に関しては、スパッタリング法、CV
D法やMBE法などの様々なプロセスが利用されている
が、それらの多くはMgO単結晶基板上に成膜されたも
のである。
天然鉱石として大量に採取できる元素であり、絶縁材、
耐熱材料、光学部品など様々な産業上の利用分野があ
る。特に近年、強誘電体、超伝導体、人工格子体などの
薄膜育成用基板としての活発な応用が始まっている。こ
のような薄膜製造に関しては、スパッタリング法、CV
D法やMBE法などの様々なプロセスが利用されている
が、それらの多くはMgO単結晶基板上に成膜されたも
のである。
【0003】このことは、MgO単結晶基板上に前述し
た様々な薄膜をエピタキシャル(へテロエピタキシャ
ル)成長させるため、基板の結晶の性質は膜質に直接的
な影響をもたらすことを意味し、MgO単結晶基板の良
否が膜質の良否につながるといっても過言ではない。
た様々な薄膜をエピタキシャル(へテロエピタキシャ
ル)成長させるため、基板の結晶の性質は膜質に直接的
な影響をもたらすことを意味し、MgO単結晶基板の良
否が膜質の良否につながるといっても過言ではない。
【0004】従来より、MgO単結晶は、耐火材料とし
て電融法(アーク溶解法)により比較的小型の結晶が製
造されており、更に原料純度を向上させることにより、
前述した薄膜形成基板用として大型化のニーズに対応が
なされてきた。
て電融法(アーク溶解法)により比較的小型の結晶が製
造されており、更に原料純度を向上させることにより、
前述した薄膜形成基板用として大型化のニーズに対応が
なされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】MgO単結晶の育成に
関しては、その融点が2800℃と極めて高い上に融点
付近での蒸気圧が高いため、工業的に大型の結晶を製造
するには、基本的にアーク溶解法に依存するしか無い。
しかしながら、従来の電融法では、結晶その物の形状は
確保されるものの、結晶育成速度(冷却速度)があまり
にも早すぎるため結晶中に亜粒界や転位が多く発生し、
その性質は電子材料のエピタキシャル成長基板として適
用するには十分と言い難い。
関しては、その融点が2800℃と極めて高い上に融点
付近での蒸気圧が高いため、工業的に大型の結晶を製造
するには、基本的にアーク溶解法に依存するしか無い。
しかしながら、従来の電融法では、結晶その物の形状は
確保されるものの、結晶育成速度(冷却速度)があまり
にも早すぎるため結晶中に亜粒界や転位が多く発生し、
その性質は電子材料のエピタキシャル成長基板として適
用するには十分と言い難い。
【0006】すなわち、通常の電融法では炭素電極を埋
没させずかつ上部から原料MgOを順次投入していくた
め、MgO融体は過冷却され、サイズの小さな単結晶に
なる。そればかりでなく、溶融時に大きなアーク電流を
使い一気に溶解し、溶解が終了すると通電を停止するた
め、MgO融体は自然冷却によって凝固していき、融体
の周辺部から小さな結晶が析出する。その時、析出する
MgO単結晶は、冷却速度が自然放冷であり人工的な制
御技術を行わないため、同じ純度であっても析出物が
発生しやすい、結晶が熱的歪みを受けやすく光学的な
問題も残す、結晶内部に結晶学的欠陥、即ち亜粒界や
転位を多く発生しやすいなどの欠点がある。
没させずかつ上部から原料MgOを順次投入していくた
め、MgO融体は過冷却され、サイズの小さな単結晶に
なる。そればかりでなく、溶融時に大きなアーク電流を
使い一気に溶解し、溶解が終了すると通電を停止するた
め、MgO融体は自然冷却によって凝固していき、融体
の周辺部から小さな結晶が析出する。その時、析出する
MgO単結晶は、冷却速度が自然放冷であり人工的な制
御技術を行わないため、同じ純度であっても析出物が
発生しやすい、結晶が熱的歪みを受けやすく光学的な
問題も残す、結晶内部に結晶学的欠陥、即ち亜粒界や
転位を多く発生しやすいなどの欠点がある。
【0007】本発明の目的は、強誘電体、超伝導体、人
工格子体などの電子材料薄膜育成用として好適に使用可
能なMgO単結晶基板を得ることにある。
工格子体などの電子材料薄膜育成用として好適に使用可
能なMgO単結晶基板を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、亜粒界に囲
まれた結晶粒の数が0〜5×105 個/cm2 の範囲
で、かつ亜粒界を除いた結晶中の転位密度が1×103
〜5×108 個/cm2の範囲にあるMgO単結晶基板
によって達成できる。さらに、X線回折のロッキングカ
ーブ測定における回折ピークの半値幅が2度以内にある
ものによって達成できる。
まれた結晶粒の数が0〜5×105 個/cm2 の範囲
で、かつ亜粒界を除いた結晶中の転位密度が1×103
〜5×108 個/cm2の範囲にあるMgO単結晶基板
によって達成できる。さらに、X線回折のロッキングカ
ーブ測定における回折ピークの半値幅が2度以内にある
ものによって達成できる。
【0009】製造されたMgO単結晶の純度は、99.
9wt%以上で、単結晶中に存在する気泡量も1000
volppm以下が望ましい。特に、単結晶中の気泡は
基板材料上に前述した電子材料を成膜する上で(特にデ
バイスかした時)不良部位となるため、出来るだけ気泡
量は少ないことが好ましい。1000volppm以
下、特に200volppm以下にすることが望まし
く、これ以下であれば気泡が表面に露出する確率はかな
り低くなる。
9wt%以上で、単結晶中に存在する気泡量も1000
volppm以下が望ましい。特に、単結晶中の気泡は
基板材料上に前述した電子材料を成膜する上で(特にデ
バイスかした時)不良部位となるため、出来るだけ気泡
量は少ないことが好ましい。1000volppm以
下、特に200volppm以下にすることが望まし
く、これ以下であれば気泡が表面に露出する確率はかな
り低くなる。
【0010】本発明のMgO単結晶基板の育成技術であ
るアーク溶解においては、一度に大量の原料を溶解出来
るメリットがある以外に、MgOのような高融点材料を
セルフライニング溶解(アーク熱で解けた溶融物をその
回りの原料で保持しながら溶解する方法:ルッボ等の溶
解容器を必要としないもの)できる。
るアーク溶解においては、一度に大量の原料を溶解出来
るメリットがある以外に、MgOのような高融点材料を
セルフライニング溶解(アーク熱で解けた溶融物をその
回りの原料で保持しながら溶解する方法:ルッボ等の溶
解容器を必要としないもの)できる。
【0011】また、溶解する原料を溶融する前に、炭素
電極を原料MgO中に埋没させてかつ適正な粒度構成を
行い、溶解する際にMgO融体の回りにスカル(MgO
原料が強固に焼結した層)を生成させることにより、蒸
気圧の高い物質の蒸発を抑制することができ、安定した
溶解が可能となる。このため、原料MgOの溶解量が多
くなると同時に溶け込み深さも大きくとることができ、
結晶の直径方向が大きく、かつ長尺の単結晶が得られ
る。
電極を原料MgO中に埋没させてかつ適正な粒度構成を
行い、溶解する際にMgO融体の回りにスカル(MgO
原料が強固に焼結した層)を生成させることにより、蒸
気圧の高い物質の蒸発を抑制することができ、安定した
溶解が可能となる。このため、原料MgOの溶解量が多
くなると同時に溶け込み深さも大きくとることができ、
結晶の直径方向が大きく、かつ長尺の単結晶が得られ
る。
【0012】
【作用】単結晶基板は、成膜する素材の特性を左右する
ものであるために、少なくとも亜粒界と亜粒界を除く転
位密度が一定のレベルになくてはならず、大きなMgO
単結晶を育成するだけでは電子材料基板としては必要か
つ十分な特性とはなり得ない。
ものであるために、少なくとも亜粒界と亜粒界を除く転
位密度が一定のレベルになくてはならず、大きなMgO
単結晶を育成するだけでは電子材料基板としては必要か
つ十分な特性とはなり得ない。
【0013】電子材料基板としては必要な値は、MgO
単結晶表面で、亜粒界に取り囲まれた結晶粒の数が0〜
5×105 個/cm2 の範囲にあり、かつ亜粒界を除く
結晶中の転位密度が1×103 〜5×108 個/cm2
の範囲が必要である。
単結晶表面で、亜粒界に取り囲まれた結晶粒の数が0〜
5×105 個/cm2 の範囲にあり、かつ亜粒界を除く
結晶中の転位密度が1×103 〜5×108 個/cm2
の範囲が必要である。
【0014】単結晶の原子配列が完全であれば、結晶性
を規定するものはないが、それが乱れた場合に、点欠陥
→線欠陥→面欠陥へと欠陥レベルが進展する。その欠陥
が点から線そして面単位へと発展した場合に、見掛け
上、結晶方位差が僅かに異なる亜粒界(または小角粒
界:結晶子の粒界がさまざまな転位により構成)を生じ
ることとなる。また、亜粒界はその粒界で囲まれた結晶
子とそれぞれの隣り合う結晶子との間で結晶方位が僅か
にずれる事によって起こるものであるため、それぞれの
方位差は最小限度に止める必要がある。その結晶子同志
の方位ずれのバラツキはその基板上に析出させる薄膜の
配向性に大きな影響をもたらすため、その値は少なくと
もX線回折のロッキングカーブ測定においてその回折ピ
ークの半値幅が2度以内(回折ピークの中心に対してそ
の半値幅が±1度以内)であることも重要である。
を規定するものはないが、それが乱れた場合に、点欠陥
→線欠陥→面欠陥へと欠陥レベルが進展する。その欠陥
が点から線そして面単位へと発展した場合に、見掛け
上、結晶方位差が僅かに異なる亜粒界(または小角粒
界:結晶子の粒界がさまざまな転位により構成)を生じ
ることとなる。また、亜粒界はその粒界で囲まれた結晶
子とそれぞれの隣り合う結晶子との間で結晶方位が僅か
にずれる事によって起こるものであるため、それぞれの
方位差は最小限度に止める必要がある。その結晶子同志
の方位ずれのバラツキはその基板上に析出させる薄膜の
配向性に大きな影響をもたらすため、その値は少なくと
もX線回折のロッキングカーブ測定においてその回折ピ
ークの半値幅が2度以内(回折ピークの中心に対してそ
の半値幅が±1度以内)であることも重要である。
【0015】ロッキングカーブの測定による回析角の広
がりは、ゴニオメータ(角度計)を構成するスリットと
相関関係があるので、この条件を規定していなければな
らない。本発明においては、発散スリット1deg、受
送スリット0.15deg、散乱スリット1degで測
定したときの値である。
がりは、ゴニオメータ(角度計)を構成するスリットと
相関関係があるので、この条件を規定していなければな
らない。本発明においては、発散スリット1deg、受
送スリット0.15deg、散乱スリット1degで測
定したときの値である。
【0016】X線回折をする場合の測定面は、(20
0)面より高角側のピークを用いて調べればよい。しか
し、通常MgOは<100>方位に対して強いへき開性
があり、へき開された面が切断時の歪みなどを受けない
良質の面であるのでこの方位、すなわち、(200)面
を測定するのが、最も好ましいと考えられる。
0)面より高角側のピークを用いて調べればよい。しか
し、通常MgOは<100>方位に対して強いへき開性
があり、へき開された面が切断時の歪みなどを受けない
良質の面であるのでこの方位、すなわち、(200)面
を測定するのが、最も好ましいと考えられる。
【0017】この要求を満足するためには、アーク溶解
技術を用い、MgO単結晶の溶融時間は、耐火物原料と
なるいわゆる一般的な電融MgOを製造する4〜5時間
程度の操業時問では不十分で、原料を十分丹念に溶か
し、解け残りが無いようにする事が不可欠である。
技術を用い、MgO単結晶の溶融時間は、耐火物原料と
なるいわゆる一般的な電融MgOを製造する4〜5時間
程度の操業時問では不十分で、原料を十分丹念に溶か
し、解け残りが無いようにする事が不可欠である。
【0018】また、一旦溶解した溶融物は炭素電極をゆ
っくり移動させながら(または炉体をゆっくり下げなが
ら)、30mm/hr以下の移動速度で徐冷していくこ
とが肝要である。本発明のMgO単結晶基板を得るため
には、少なくとも8時間以上、好ましくは15時間以上
かけて、原料の溶融と炭素電極の引上げを行い、MgO
融体を下部から出来るだけ一方向に結晶化させることが
重要である。
っくり移動させながら(または炉体をゆっくり下げなが
ら)、30mm/hr以下の移動速度で徐冷していくこ
とが肝要である。本発明のMgO単結晶基板を得るため
には、少なくとも8時間以上、好ましくは15時間以上
かけて、原料の溶融と炭素電極の引上げを行い、MgO
融体を下部から出来るだけ一方向に結晶化させることが
重要である。
【0019】基本的に良質のMgO単結晶を得るには、
前述したスカル中の溶解が好ましく、また溶融時間と冷
却時間を十分にかける事が好ましいが、単結晶の生産性
とMgO単結晶基板上へのデバイス化した時の特性を考
慮すると、特許請求範囲に記述した範囲が経済性と特性
との兼ね合いで最も適した基板材料となり得る。
前述したスカル中の溶解が好ましく、また溶融時間と冷
却時間を十分にかける事が好ましいが、単結晶の生産性
とMgO単結晶基板上へのデバイス化した時の特性を考
慮すると、特許請求範囲に記述した範囲が経済性と特性
との兼ね合いで最も適した基板材料となり得る。
【0020】また、一旦育成した単結晶を1800〜2
700°Cの温度範囲で熱処理し、これを室温まで徐冷
することによっても、MgO単結晶中の亜粒界の数、転
位発生数および結晶の方位ずれを若干改善することがで
きる。
700°Cの温度範囲で熱処理し、これを室温まで徐冷
することによっても、MgO単結晶中の亜粒界の数、転
位発生数および結晶の方位ずれを若干改善することがで
きる。
【0021】一方、亜粒界に囲まれた結晶粒の数や、亜
粒界を除いた結晶中の転移密度は、MgO単結晶を(1
00)面でへキ開し、H2 SO4 +NH4 Cl溶液など
の腐食剤でエッチングしてエッチピットを発生(亜粒界
部や転位をエッチング)させ、これを顕微鏡で観察する
ことによって調べることができる。また、X線トポグラ
フ法によって単結晶の内部欠陥を直接観察することもで
きる。
粒界を除いた結晶中の転移密度は、MgO単結晶を(1
00)面でへキ開し、H2 SO4 +NH4 Cl溶液など
の腐食剤でエッチングしてエッチピットを発生(亜粒界
部や転位をエッチング)させ、これを顕微鏡で観察する
ことによって調べることができる。また、X線トポグラ
フ法によって単結晶の内部欠陥を直接観察することもで
きる。
【0022】結晶内部の方位のバラツキに関しては前述
したX線回折においてロッキングカーブを測定し、得ら
れた回折ピークの半値幅を測定すれば良い。MgO単結
晶は、<100>,<110>,<111>等の、デバ
イス化に必要な方位とサイズに切断され、表面粗度が1
00A以下の精密研磨が施されたものが、MgO単結晶
基板となり得る。このようにして作製されたMgO単結
晶基板上にスパッタリング法、CVD法などの様々な製
膜プロセスによって、良質の電子デバイスを作製するこ
とが出来る。
したX線回折においてロッキングカーブを測定し、得ら
れた回折ピークの半値幅を測定すれば良い。MgO単結
晶は、<100>,<110>,<111>等の、デバ
イス化に必要な方位とサイズに切断され、表面粗度が1
00A以下の精密研磨が施されたものが、MgO単結晶
基板となり得る。このようにして作製されたMgO単結
晶基板上にスパッタリング法、CVD法などの様々な製
膜プロセスによって、良質の電子デバイスを作製するこ
とが出来る。
【0023】
【実施例】実施例1〜8は、アーク溶解炉中に、純度9
9.9wt%のMgO原料を粒度調整して3000kg
投入し、この原料中に炭酸電極を埋没させてアーク電流
を通電させた。通電した電力量は最大900KVAで、
溶融したMgOのまわりにスカルを形成させ、更に炭素
電極の引上げを行うことにより、一方向凝固したMgO
単結晶を製造した。それぞれ、結晶化速度、言い換えれ
ば炭素電極の引上げ速度を変化させることによって、亜
粒界で囲まれた結晶粒数や転移密度を異ならせた。
9.9wt%のMgO原料を粒度調整して3000kg
投入し、この原料中に炭酸電極を埋没させてアーク電流
を通電させた。通電した電力量は最大900KVAで、
溶融したMgOのまわりにスカルを形成させ、更に炭素
電極の引上げを行うことにより、一方向凝固したMgO
単結晶を製造した。それぞれ、結晶化速度、言い換えれ
ば炭素電極の引上げ速度を変化させることによって、亜
粒界で囲まれた結晶粒数や転移密度を異ならせた。
【0024】一方比較例1,2は、実施例に示した溶融
方法と基本的な差異は無い(原料純度も同一)が、結晶
化速度が早すぎたために、単結晶中の結晶粒子(亜粒
界)が増大または転位密度が増大した例である。比較例
3,4は、通常の電融法に従って製造(原料純度は9
9.7wt%)したもので、電融MgOの中から比較的
結晶の発達した部分を取り出した。
方法と基本的な差異は無い(原料純度も同一)が、結晶
化速度が早すぎたために、単結晶中の結晶粒子(亜粒
界)が増大または転位密度が増大した例である。比較例
3,4は、通常の電融法に従って製造(原料純度は9
9.7wt%)したもので、電融MgOの中から比較的
結晶の発達した部分を取り出した。
【0025】表1は、上記方法によって製造した、種々
の結晶性を持つ(100)MgO単結晶基板上に、Bi
−Sr−Ca−Cu−0系超伝導体をRFスパッタリン
グ法で成膜した時の超伝導特性を示す。
の結晶性を持つ(100)MgO単結晶基板上に、Bi
−Sr−Ca−Cu−0系超伝導体をRFスパッタリン
グ法で成膜した時の超伝導特性を示す。
【0026】
【表1】 ここで、1),2) はMgO単結晶を研磨前に(100)面
でヘキ開しNH4 Cl+H2 SO4 混合溶液でエッチン
グ後、反射顕微鏡下で観察し、画像解析装置でぞれぞれ
の値を計測。1)の結晶粒数は亜粒界で囲まれた結晶粒数
を意味する。
でヘキ開しNH4 Cl+H2 SO4 混合溶液でエッチン
グ後、反射顕微鏡下で観察し、画像解析装置でぞれぞれ
の値を計測。1)の結晶粒数は亜粒界で囲まれた結晶粒数
を意味する。
【0027】3)は試料を研磨後、X線回折においてロッ
キングカーブを測定したときの(200)面回析ピーク
における半値幅。
キングカーブを測定したときの(200)面回析ピーク
における半値幅。
【0028】4)は比較例1におけるMgO単結晶を研磨
前に2500℃で5時間熱処理した。
前に2500℃で5時間熱処理した。
【0029】なお、ここで用いた基板は、全て15×1
5×10.5mmのサイズであり、基板の表面研磨は同
じラップ−ポリッシュ盤上で行い、表面粗度Ra=2.
9A,平坦度RMS=λ/10(λ/632nm)に精
密仕上げした。また、成膜条件は下記の通りである。 スパッタリングガス:Ar+O2 (Ar:O2 =8:
2) スパッタリング圧力:1.5×10-2Torr 基板温度 :720°C 高周波周波数 :13.56MHz 高周波電力 :60W 析出速度 :80A/min 膜厚 :6400A ターゲット組成 :Bi:Sr:Ca:Cu=2.5:
2.1:1.0:2.0 (元素比) 成膜した超伝導体の化学組成を機器分析したところ、B
i;Sr:Ca:Cu=2:2:1:2で、目的とする
組成(超伝導特性の良好な化学組成)になっていた。
5×10.5mmのサイズであり、基板の表面研磨は同
じラップ−ポリッシュ盤上で行い、表面粗度Ra=2.
9A,平坦度RMS=λ/10(λ/632nm)に精
密仕上げした。また、成膜条件は下記の通りである。 スパッタリングガス:Ar+O2 (Ar:O2 =8:
2) スパッタリング圧力:1.5×10-2Torr 基板温度 :720°C 高周波周波数 :13.56MHz 高周波電力 :60W 析出速度 :80A/min 膜厚 :6400A ターゲット組成 :Bi:Sr:Ca:Cu=2.5:
2.1:1.0:2.0 (元素比) 成膜した超伝導体の化学組成を機器分析したところ、B
i;Sr:Ca:Cu=2:2:1:2で、目的とする
組成(超伝導特性の良好な化学組成)になっていた。
【0030】表1に示すように、亜粒界数、転位密度お
よびX線の回折幅のそれぞれの値が小さくなったMgO
単結晶ほど作製された超伝導薄膜の特性が良好となって
おり、実施例1〜8は、超伝導臨界温度が100°K以
上で臨界電流密度も104 A/cm2 以上と高い値を示
した。
よびX線の回折幅のそれぞれの値が小さくなったMgO
単結晶ほど作製された超伝導薄膜の特性が良好となって
おり、実施例1〜8は、超伝導臨界温度が100°K以
上で臨界電流密度も104 A/cm2 以上と高い値を示
した。
【0031】また、比較例1〜4は、超伝導臨界温度お
よび超伝導臨界電流密度値が、実施例よりもかなり劣っ
ている。特にX線回折幅の大きな比較例3及び4は、臨
界電流密度が102 A/cm2 台付近まで低下し、超伝
導特性にかなりの欠点を生じていることがわかる。
よび超伝導臨界電流密度値が、実施例よりもかなり劣っ
ている。特にX線回折幅の大きな比較例3及び4は、臨
界電流密度が102 A/cm2 台付近まで低下し、超伝
導特性にかなりの欠点を生じていることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明のMgO単結晶基板は、精密研磨
することによって、特に超伝導特性に優れた高性能な単
結晶基板となり得る。超伝導材料に関してJcを高く設
定できることは、ジョセフソン素子や超伝導量子干渉素
子(SQUID)などの応用面で有利な特性を持つこと
になる。
することによって、特に超伝導特性に優れた高性能な単
結晶基板となり得る。超伝導材料に関してJcを高く設
定できることは、ジョセフソン素子や超伝導量子干渉素
子(SQUID)などの応用面で有利な特性を持つこと
になる。
【0033】また、BaTiO3 ,PZT(Pb−Zr
−Ti−O),PLT(Pb−La−Ti−O),PT
(Pb−Ti−O)等は、電気光学素子、圧電素子、赤
外線検出素子および光変調素子などへ応用されつつあ
り、これらの薄膜デバイス化に際してはほとんどがMg
O単結晶基板が用いられており、そのようなその他のエ
レクトロニクス分野においても超伝導材料と同様に有益
な効果をもたらすことが期待できる。
−Ti−O),PLT(Pb−La−Ti−O),PT
(Pb−Ti−O)等は、電気光学素子、圧電素子、赤
外線検出素子および光変調素子などへ応用されつつあ
り、これらの薄膜デバイス化に際してはほとんどがMg
O単結晶基板が用いられており、そのようなその他のエ
レクトロニクス分野においても超伝導材料と同様に有益
な効果をもたらすことが期待できる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】製造されたMgO単結晶の純度は、99.
9wt%以上で、単結晶中に存在する気泡量も1000
volppm以下が望ましい。特に、単結晶中の気泡は
基板材料上に前述した電子材料を成膜する上で(特にデ
バイス化した時)不良部位となるため、出来るだけ気泡
量は少ないことが好ましい。1000volppm以
下、特に200volppm以下にすることが望まし
く、これ以下であれば気泡が表面に露出する確率はかな
り低くなる。
9wt%以上で、単結晶中に存在する気泡量も1000
volppm以下が望ましい。特に、単結晶中の気泡は
基板材料上に前述した電子材料を成膜する上で(特にデ
バイス化した時)不良部位となるため、出来るだけ気泡
量は少ないことが好ましい。1000volppm以
下、特に200volppm以下にすることが望まし
く、これ以下であれば気泡が表面に露出する確率はかな
り低くなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明のMgO単結晶(単結晶を機械加工
することによって基板とする)の育成技術であるアーク
溶解においては、一度に大量の原料を溶解出来るメリッ
トがある以外に、MgOのような高融点材料をセルフラ
イニング溶解(アーク熱で解けた溶融物をその回りの原
料で保持しながら溶解する方法:ルッボ等の溶解容器を
必要としないもの)できる。
することによって基板とする)の育成技術であるアーク
溶解においては、一度に大量の原料を溶解出来るメリッ
トがある以外に、MgOのような高融点材料をセルフラ
イニング溶解(アーク熱で解けた溶融物をその回りの原
料で保持しながら溶解する方法:ルッボ等の溶解容器を
必要としないもの)できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】ロッキングカーブの測定による回析角の広
がりは、ゴニオメータ(角度計)を構成するスリットと
相関関係があるので、この条件を規定していなければな
らない。本発明においては、発散スリット1deg、受
光スリット0.15deg、散乱スリット1degで測
定したときの値である。
がりは、ゴニオメータ(角度計)を構成するスリットと
相関関係があるので、この条件を規定していなければな
らない。本発明においては、発散スリット1deg、受
光スリット0.15deg、散乱スリット1degで測
定したときの値である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】X線回折をする場合の測定面は、(20
0)面より高角側のピークを用いて調べればよい。しか
し、通常MgO単結晶は<100>方位に対して強いへ
き開性があり、へき開された面が切断時の歪みなどを受
けない良質の面であるのでこの方位、すなわち、(20
0)面を測定するのが、最も好ましいと考えられる。
0)面より高角側のピークを用いて調べればよい。しか
し、通常MgO単結晶は<100>方位に対して強いへ
き開性があり、へき開された面が切断時の歪みなどを受
けない良質の面であるのでこの方位、すなわち、(20
0)面を測定するのが、最も好ましいと考えられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】3)は試料を研磨後、X線回折においてロッ
キングカーブを測定したときの(200)面の回析ピー
クにおける半値幅。
キングカーブを測定したときの(200)面の回析ピー
クにおける半値幅。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】なお、ここで用いた基板は、全て15×1
5×0.5mmのサイズであり、基板の表面研磨は同じ
ラップ−ポリッシュ盤上で行い、表面粗度Ra=2.9
A,平坦度RMS=λ/10(λ/632nm)に精密
仕上げした。また、成膜条件は下記の通りである。 スパッタリングガス:Ar+O2 (Ar:O2 =8:
2) スパッタリング圧力:1.5×10-2Torr 基板温度 :720°C 高周波周波数 :13.56MHz 高周波電力 :60W 析出速度 :80A/min 膜厚 :6400A ターゲット組成 :Bi:Sr:Ca:Cu=2.5:
2.1:1.0:2.0 (元素比) 成膜した超伝導体の化学組成を機器分析したところ、B
i;Sr:Ca:Cu=2:2:1:2で、目的とする
組成(超伝導特性の良好な化学組成)になっていた。
5×0.5mmのサイズであり、基板の表面研磨は同じ
ラップ−ポリッシュ盤上で行い、表面粗度Ra=2.9
A,平坦度RMS=λ/10(λ/632nm)に精密
仕上げした。また、成膜条件は下記の通りである。 スパッタリングガス:Ar+O2 (Ar:O2 =8:
2) スパッタリング圧力:1.5×10-2Torr 基板温度 :720°C 高周波周波数 :13.56MHz 高周波電力 :60W 析出速度 :80A/min 膜厚 :6400A ターゲット組成 :Bi:Sr:Ca:Cu=2.5:
2.1:1.0:2.0 (元素比) 成膜した超伝導体の化学組成を機器分析したところ、B
i;Sr:Ca:Cu=2:2:1:2で、目的とする
組成(超伝導特性の良好な化学組成)になっていた。
Claims (2)
- 【請求項1】 MgO単結晶基板において、亜粒界に囲
まれた結晶粒の数が0〜5×105 個/cm2 の範囲
で、かつ亜粒界を除いた結晶中の転位密度が1×103
〜5×108 個/cm2 の範囲にあるMgO単結晶基
板。 - 【請求項2】 X線回折のロッキングカーブ測定におけ
る回折ピークの半値幅が2度以内にある請求項1記載の
MgO単結晶基板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9813093A JPH06305887A (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | MgO単結晶基板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9813093A JPH06305887A (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | MgO単結晶基板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06305887A true JPH06305887A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14211682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9813093A Pending JPH06305887A (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | MgO単結晶基板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06305887A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006070855A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Tateho Chemical Industries Co., Ltd. | 結晶性制御酸化マグネシウム単結晶及びその製造方法並びにその単結晶を用いた基板 |
| JP2006265058A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Tateho Chem Ind Co Ltd | 酸化マグネシウム単結晶及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-04-23 JP JP9813093A patent/JPH06305887A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006070855A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Tateho Chemical Industries Co., Ltd. | 結晶性制御酸化マグネシウム単結晶及びその製造方法並びにその単結晶を用いた基板 |
| JP2006182620A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Tateho Chem Ind Co Ltd | 結晶性制御酸化マグネシウム単結晶及びその製造方法並びにその単結晶を用いた基板 |
| KR100883228B1 (ko) * | 2004-12-28 | 2009-02-18 | 다테호 가가쿠 고교 가부시키가이샤 | 결정성 제어 산화마그네슘 단결정 및 그 제조 방법 및 그단결정을 사용한 기판 |
| US7544345B2 (en) | 2004-12-28 | 2009-06-09 | Tateho Chemical Industries Co., Ltd. | Magnesium oxide single crystal having controlled crystallinity and method for producing the same |
| JP2006265058A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Tateho Chem Ind Co Ltd | 酸化マグネシウム単結晶及びその製造方法 |
| WO2006104027A1 (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Tateho Chemical Industries Co., Ltd. | 酸化マグネシウム単結晶及びその製造方法 |
| KR100895118B1 (ko) * | 2005-03-25 | 2009-04-28 | 다테호 가가쿠 고교 가부시키가이샤 | 산화마그네슘 단결정 및 그 제조 방법 |
| US7691200B2 (en) | 2005-03-25 | 2010-04-06 | Tateho Chemical Industries Co., Ltd | Magnesium oxide single crystal and method for producing the same |
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