JPH06305930A - 機能印象材 - Google Patents

機能印象材

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JPH06305930A
JPH06305930A JP5117693A JP11769393A JPH06305930A JP H06305930 A JPH06305930 A JP H06305930A JP 5117693 A JP5117693 A JP 5117693A JP 11769393 A JP11769393 A JP 11769393A JP H06305930 A JPH06305930 A JP H06305930A
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Tadashige Kamemizu
忠茂 亀水
Satoshi Sasano
覚士 篠野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑なプロセスを必要とせず、実生活に即し
た機能印象面をそのまま強固な裏装面とする。 【構成】 光重合可能な多官能性メタクリレート30〜
95重量%、アルコール5〜20重量%、可塑剤0〜6
5重量%からなる混合物に光増感剤を添加してなる液剤
と、メタクリル酸エステル重合体あるいは共重合体から
なる粉剤とで構成され、液剤と粉剤の混合物が、未重合
の状態では機能印象性を有し、光の照射により重合硬化
して裏装面を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、未重合の状態では機能
印象材としての作用をなし、重合硬化後は、耐久性に優
れた強固な裏装面となることを特徴とする光硬化性の機
能印象材に関する。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会の到来により、義歯装着者の
数は年々増加の一途をたどっており、義歯に対する重要
度、関心度はますます高まってきている。しかし、現状
において、使用した義歯に十分満足している患者は以外
と少ないものである。それは、義歯の製作が、印象採
得、模型作製、ベースプレート作製、ロウ堤の作製、咬
合採得、咬合器装着、人工歯排列、歯肉形成、ロウ義歯
の試適、埋没、流ロウ、レジン填入、重合硬化、とり出
し、仕上げ研磨という極めて多くの、しかも独立したス
テップからなり、その間のわずかなミスによっても寸法
変化が生じるからである。
【0003】また、現在、義歯床材料としては、一般に
メチルメタクリレートを主成分とするレジンが使用され
ているが、このレジンは重合硬化時に収縮するため、硬
化後に寸法変化が生じることは避けられない。このレジ
ンの重合は一般に高温下で行われるため、重合収縮の他
に加熱、冷却に伴う熱収縮が加わり、そのため、寸法変
化はさらに大きなものとなる。従って、前述した各プロ
セスがすべて正確に実施されたとしても、材料の特性の
面から寸法精度の良い義歯床を作製することは極めて困
難である。
【0004】一方、患者の顎堤自体も骨吸収により経時
的に変化が起こり、仮に義歯装着当初は十分に適合して
いたとしても、顎堤との適合は次第に悪化していく。一
般に全部床患者は、装着後5年を境に咀嚼機能の低下、
維持、安定の不良、顎粘膜の疼痛等を訴えるようにな
る。これも、この骨吸収が原因と考えられている。この
ように、加齢に伴う骨の吸収が徐々に進行する以上、い
かに精巧に作られた義歯でも、顎堤との適合が次第に悪
化していくことは、現状においては避けられないことで
ある。
【0005】現在、このような義歯の適合不良を訴える
患者が来院した場合の措置として、主に次の2つの方法
がとられている。 義歯を新しく作り換える。 義歯床の粘膜面を裏装する。
【0006】しかし、総義歯患者に対しては、時間的制
約、経済性、心理的側面、身体的側面、適応能力等の観
点から、裏装法、とりわけチェアサイドで行う直接裏装
法の利用価値が極めて高いものと考えられ、この方法が
現状においても臨床で頻繁に行われている。ここで使用
される裏装材としては、自己(常温)硬化型と光硬化型
の2種類に分けられる。
【0007】この自己硬化型の材料は、粉剤と液剤を混
合したペースト状の材料を、適合不良となった義歯床の
粘膜面に塗布し、それを患者の口腔内に装着し、咬合、
筋圧形成を行い、そのまま口腔内で、あるいは、口腔外
に取り出し、室温下で、重合硬化させるというものであ
る。一方、光硬化型の場合、その使用方法は前述の自己
硬化型の材料と同じであるが、異なる点は、筋圧形成が
終わった義歯床を口腔内より取り出し、その裏装面に光
(紫外線又は可視光線)を照射して重合硬化させるとい
う点である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記自己硬化型の材料
は、光照射器のような特別の装置が不要という手軽さは
あるが、口腔内で硬化反応が徐々に進行するため、操作
時間に対する制約があり、筋圧形成が充分に行えないと
いう欠点がある。一方、光硬化型材料の場合、光を照射
するまでは重合反応が起らないため、自己硬化型材料に
みられるような時間的制約はないが、材料の粘膜に対す
る刺激、味、におい等の問題から、長時間口腔内に保持
することができず、また、一回の診療行為中に完了しな
ければならない関係上、筋圧形成に費やせる時間は自己
硬化型と同様自ずと制限される。
【0009】すなわち、従来の裏装材を用いた直接裏装
法においては、筋圧形成に費やせる時間は、一般に数分
程度と非常に短く、これは人間の日常生活全体からみれ
ばほんの一瞬に過ぎない。従って、裏装時の作為的で数
分間の筋圧形成のみで、真の意味での機能時の印象を正
確に採得することはとうてい不可能なことである。その
ため、裏装後の義歯は静的な状態では口腔内にぴったり
適合しても、咀嚼、嚥下、発音等の機能時には、痛い、
はずれる等の不具合が生じる場合が起こり得る。
【0010】一方、機能時の印象面(動的印象面)を採
得するための材料としては機能印象材(動的印象材)と
いうものがある。これは、可塑剤、アルコールからなる
液成分と、ポリエチルメタクリレートからなる粉成分と
から構成され、その粉液混合物を適合不良となった義歯
床粘膜面に塗布した後、口腔内に装着し、実際に日常で
使用させながら機能時の印象を採得するというものであ
る。しかし、ここで用いられる材料は、あくまでも機能
印象採得用の材料であり、重合性を持たないため、採得
した印象面は軟らかいままであり、材質的に弱く、劣化
が激しいため長期の使用に耐え得ない。
【0011】従って、この機能印象材を用いた方法で
は、採得した印象面に石膏を流して模型を作製し、この
作業用模型を基準として新たに義歯を作製するか、ある
いは、間接法で石膏埋没後、機能印象材を取りはずし、
そのすき間にレジンを流し込んで裏装する方法がとられ
る。しかし、この場合、多くの複雑なプロセスを経なけ
ればならず、また、材料硬化時の収縮等から、機能印象
面を正確に再現することは、極めて困難なこととなる。
本発明は、前記の点に留意し、複雑なプロセスを全く必
要とせず、実生活に即した機能印象面をそのまま強固な
裏装面とすることができる機能印象材を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の機能印象材は、光重合可能な多官能性メタ
クリレート30〜95重量%、アルコール5〜20重量
%、可塑剤0〜65重量%からなる混合物に光増感剤を
添加してなる液剤と、メタクリル酸エステル重合体ある
いは共重合体からなる粉剤とで構成され、前記液剤と前
記粉剤の混合物が、未重合の状態では機能印象性を有
し、光の照射により重合硬化して裏装面を形成するもの
である。
【0013】また、前記光重合可能な多官能性メタクリ
レートが、トリメチロールプロパントリメタクリレート
であるものである。さらに、前記アルコールが、エチル
アルコールであるものである。
【0014】
【作用】前記のように構成された本発明の機能印象材
は、液剤が、光重合可能な多官能性メタクリレート30
〜95重量%、アルコール5〜20重量%、可塑剤0〜
65重量%からなる混合物に光増感剤を添加してなり、
粉剤が、メタクリル酸エステル重合体あるいは共重合体
からなり、その液剤と粉剤の混合物が、未重合の状態で
は機能印象性を有し、光の照射により重合硬化して裏装
面を形成するため、適合不良となった義歯を直接法で裏
装するに際し、その混合物を義歯床粘膜面に塗布した
後、口腔内に装着し、そのまま日常生活を送らせ、この
未重合の混合物が機能印象材として作用し、咀嚼、嚥
下、発音等の機能時の印象が確実に採得でき、この時点
で口腔内より義歯を取り出し、裏装面に光を照射し、重
合硬化させる。この場合、間接裏装法のような複雑なプ
ロセスは全く必要とせず、また、光重合反応においては
ほとんど発熱を伴わないため、硬化時の変形は極めて少
ないものであり、そのため、機能時の粘膜面にぴったり
適合した精度の高い裏装義歯が完成する。また、重合後
の裏装材は強固に硬化しているため、物性的に優れ、長
期の使用が可能となる。
【0015】
【実施例】本発明の機能印象材は、硬化前は機能印象材
として作用し、硬化後は強固な裏装材となることを特徴
としている。この機能印象は、印象材を塗布した義歯を
口腔内に装着し、日常生活をさせることにより行われ
る。従って、硬化前の機能印象材としては口腔粘膜に対
する刺激性、味、においが極めて低いものでなければな
らず、また、口腔内での咬合圧、筋圧に応じて、徐々に
塑性変形するものでなければならない。また硬化後に裏
装材として機能するためには、光を照射することにより
効率的に重合硬化し、強固で表面硬度の高い材料となら
なければならない。
【0016】本発明者らは、種々の検討の結果、光重合
可能な多官能性メタクリレート30〜95重量%、アル
コール5〜20重量%、可塑剤0〜65重量%に光増感
剤を添加してなる液剤と、メタクリル酸エステルの重合
体あるいは共重合体からなる粉剤とで構成され、その液
剤と粉剤を混合してなる材料が、本目的を達成し得るこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】本発明の液剤に使用する光重合可能な多官
能性メタクリレートとしては、光増感剤の存在下、紫外
線、又は可視光線を照射することにより効率的に重合硬
化し、さらに刺激性、味、におい等の少ないものが使わ
れる。それらの例としては、二官能性メタクリレートで
あるエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジメタクリレート、1.3−ブチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、2.2ビス(4−メタクリロキシポリエ
トキシフェニル)プロパン、ジ(メタクリロキシエチ
ル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン、2.2ビス
〔4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル〕プロパン、三官能性メタクリレートであ
るトリメチロールプロパントリメタクリレート、四官能
性メタクリレートであるテトラメチロールメタンテトラ
メタクリレート等があげられる。
【0018】これらの中で特にトリメチロールプロパン
トリメタクリレートは、粘膜に対する刺激性が全くな
く、味、においもほとんど無いことから、本目的に最も
適している。
【0019】これらの多官能性メタクリレートは単独で
使用しても良く、また2種類以上を併用しても良い。こ
れらのモノマーの添加量は、使用するモノマーにより異
なるが、30〜95重量%の範囲であることが好まし
い。ここで、添加量が30重量%より少ないと、光硬化
させた場合に充分強固な裏装面とはなり難く、また、9
5重量%より多いと、相対的に後述するアルコールの量
が少なくなり、粉剤に対する溶解性が低下し、粉液混合
材料を義歯床に塗布できるようになるまでの時間が非常
に長くなる等の問題が生じる。
【0020】さらに液剤には、粉剤に対する溶解性を向
上させる目的でアルコールを配合する。アルコールとし
ては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール等があげられるが、人体への安全性の面から
エチルアルコールの使用が最も好ましい。このアルコー
ルの添加量は5〜20重量%の範囲でなければならな
い。ここで添加量が5重量%より少ないと、粉剤に対す
る溶解性が低下し、粉液混合材料を義歯床に塗布できる
ようになるまでの時間が非常に長くなり、また、20重
量%より多いと、多量のアルコールの揮発により、収
縮、面荒れが大きくなる。
【0021】また、液剤には0〜65重量%の範囲で可
塑剤を添加することができる。この可塑剤は、液剤の刺
激性、味、におい等を緩和する効果を有する。本目的に
使用できる可塑剤としては、周知のフタル酸エステル及
びアビエチン酸の誘導体等がある。これらの例としては
ブチルフタレート、オクチルフタレート、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート、ブチルフタリルブチル
グリコレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸
エステル、及びメチルアビエテート、ブチルアビエテー
ト、オクチルアビエテート等の水添されたアビエチン酸
エステルがあげられる。
【0022】これらは単独で使用しても、また2種類以
上を併用しても良いが、あまり多量に添加すると、硬化
後の物性が著しく低下するため、その添加量は液成分全
体に対し65重量%以下とすることが好ましい。なお、
光重合可能な多官能性メタクリレートとしてトリメチロ
ールプロパントリメタクリレートを主成分として使用す
る場合には、この成分の刺激、におい、味等が極めて少
ないため、あえて可塑剤を添加しなくてもよい。
【0023】また、液剤には、紫外線あるいは可視光線
の照射により硬化する光重合性を付与するため、光増感
剤が配合される。光源として紫外線ランプを使用する場
合には、光増感剤としてベンゾインアルキルエーテル及
び各種の置換されたベンゾフェノン誘導体が使用でき、
その例としてベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、4.4−ジ
メチルベンゾフェノン、4−メタクリルオキシベンゾフ
ェノン等があげられる。
【0024】また、光源として可視光を発するハロゲン
ランプ、またはキセノンランプを用いる場合には、ベン
ジル、2.3−ペンタンジオンのような鎖状のα−ジケ
トン化合物、カンファーキノンのような脂環式α−ジケ
トン化合物、アントラキノン、ナフトキノン等のような
多核キノン、2−メチル−1.4−ナフトキノン、1.
2−ベンズアントラキノンのような多核キノンの誘導体
が本目的に使用できる。これらの成分の添加量は、液成
分の組成により異なるが、0.01〜5重量%の範囲で
あることが好ましい。ここで、添加量が0.01重量%
より少ないと、光を照射した場合に効率的に重合反応が
起こらなくなり、また、5重量%より多いと、硬化した
材料の黄変が著しくなる。
【0025】さらに、液剤中には、光重合反応をより効
果的に行うため、光重合促進剤(還元剤)を添加するこ
とが好ましく、アミン類が本目的に使用出来る。それら
の例としては、NN−ジメチルパラトルイジン、NN−
ジエチルパラトルイジン、トリルジエタノールアミン、
NN−ジメチルアミノエチルメタクリレート等が含まれ
る。これら成分の添加量は液成分の組成、及び光重合開
始剤の種類と量により異なるが、0.01〜5重量%の
範囲であることが好ましい。ここで、添加量が0.01
重量%より少ないと、充分な促進効果が得られず、ま
た、5重量%より多いと、逆に効果が低下する。
【0026】さらに、液剤には、前述した多官能性メタ
クリレート以外にも、他のラジカル重合性の低分子量メ
タクリレートを配合しても良い。これらは粉剤に対する
液剤の溶解性を向上させる効果があり、その配合によ
り、前述したアルコールの添加量を減少させることが可
能となる。
【0027】ここで使用可能なメタクリレートとして
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、n−ブチルメタク
リレート、イソブチルメタクリレート等があげられる。
これらのメタクリレートは単独で使用しても、また2種
類以上を併用しても良い。ただし、これらの成分はいず
れも刺激性、味、においが強いため、その添加量は液成
分全体に対し、15重量%以下とすることが好ましい。
【0028】つぎに、本発明の粉剤は、メタクリル酸エ
ステルの重合体あるいは共重合体が主成分となる。メタ
クリル酸エステルの重合体としては、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタ
クリレート等が含まれ、メタクリル酸エステルの共重合
体としては、メチルメタクリレート/エチルメタクリレ
ート共重合体、メチルメタクリレート/ブチルメタクリ
レート共重合体等があげられる。
【0029】これらは単独で使用しても、また、2種類
以上を併用してもよい。粉剤の分子量は広範囲のものが
使用できるが、平均分子量が1万〜100万の範囲のも
のが適している。また、粒子径は液成分への溶解性を良
くするため、できるだけ細かいものが好ましく、10μ
m〜100μmの範囲のものが好ましい。また、粉剤中
には必要に応じて各種の着色剤、無機フィラーを適宜配
合してもよい。
【0030】さらに、液剤と粉剤の混合比は、粉剤1重
量部に対し、液剤0.3〜1.0重量部の範囲であるこ
とが好ましい。ここで、液剤の量が0.3重量部より少
ないと、粉剤と液剤の混合性が極めて悪くなり、また、
液剤の量が1.0重量部より多くなると、粉液混合物の
流動性が大きくなり過ぎ、義歯床面に塗布できる状態に
なるまでかなりの時間を必要とし、診療効率が著しく低
下する。
【0031】(実験例1)トリメチロールプロパントリ
メタクリレート40重量部、トリエチレングリコールジ
メタクリレート10重量部、ブチルフタリルブチルグリ
コレート30重量部、イソブチルメタクリレート5重量
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部、エ
チルアルコール10重量部、ベンゾインメチルエーテル
1重量部をビーカーにとり、10分間撹拌して均一な液
剤を得た。平均分子量20万、平均粒子径50μmのポ
リエチルメタクリレート100重量部、二酸化チタン
0.1重量部、ベンガラ0.05重量部をボールミルに
入れ、1時間混合し、均一な粉剤を調製した。
【0032】粉剤6gと液剤4gを混合した材料を65
×25×3mmの型に充填し、表面をガラス板で圧接し
た。ガラス面を上にして紫外線重合器(GC社製 Perma
cure UC-1 )に入れ、20分間照射した。硬化した試験
片に対し、島津万能試験機を用いて曲げ試験を行った。
試験条件は、支点間距離50mm、荷重速度1mm/min で
ある。また、曲げ試験後の試験片のガラス圧接面の硬さ
をアカシ微小硬度計MVK−E3を用いて測定した。そ
れらの測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】また、粉剤6gと液剤4gを混合した後、
室温下で2分間静置し、ペースト状となった材料を義歯
床粘膜面に塗布し、口腔内装着後5分間筋圧形成を行っ
た。この時点で、一度口腔内より撤去し、余剰分をトリ
ミングした後、再度口腔内にもどした。以後、その義歯
を装着した状態で、3日間日常で使用させた。3日後、
義歯を撤去したところ、滑沢な印象面が得られていた。
その義歯を紫外線重合装置(GC社製 Permacure UC-1
)に粘膜面を上にして置き、20分間照射した。裏装
面が重合硬化した義歯を再度、口腔内に装着した結果、
1週間経過後も適合性は極めて良好であり、咀嚼、嚥
下、発音等の機能時においても、痛い、はずれる等の問
題は全く生じておらず、裏装面も滑沢性を保持してい
た。
【0035】(実験例2)トリメチロールプロパントリ
メタクリレート85重量部、イソブチルメタクリレート
5重量部、エチルアルコール10重量部、dl−カンフ
ァーキノン0.5重量部、NN−ジメチルアミノエチル
メタクリレート0.5重量部をビーカーにとり、10分
間撹拌して均一な液剤を調製した。平均分子量30万、
平均粒子径50μmのポリエチルメタクリレート80重
量部、平均分子量20万、平均粒子径30μmのメチル
メタクリレート/エチルメタクリレート共重合体(メチ
ルメタクリレート/エチルメタクリレート重量比=2/
3)20重量部、二酸化チタン0.1重量部、ベンガラ
0.1重量部をボールミルに入れ、1時間混合し、均一
な粉剤を得た。
【0036】粉剤6gと液剤4gを混合し、実験例1と
同様にして曲げ強さ、及び硬さを測定した。ただし、こ
の場合は光照射器としてGC社製ジーシーラボライトL
V−IIを使用し、照射時間は10分間とした。測定結果
を表1に示した。また、粉剤6gと液剤4gを混合し、
3分間室温下に放置した後、義歯床粘膜面に塗布し、口
腔内に装着後、5分間筋圧形成を行った。以下、実験例
1と同様にして3日間使用させ、機能印象面を採得し
た。その義歯を光照射器(GC社製ジーシーラボライト
LV−II)に粘膜面を上にして置き、10分間照射し
た。裏装面が硬化した義歯を再度口腔内に装着したとこ
ろ、1週間経過後においても機能的に全く問題がなく、
適合性は極めて良好であった。また、裏装面は全体的に
滑沢性が保持されていた。
【0037】(比較例1)ブチルフタリルブチルグリコ
レート85重量部、エチルアルコール15重量部をビー
カーにとり、10分間撹拌して均一な液剤を調製した。
この液剤4gと、実験例1に示した粉剤6gを混合した
後、1分間静置し、ペースト状になった材料を義歯床粘
膜面に塗布し、口腔内装着後5分間筋圧形成を行った。
以下同様にして3日間使用させた。3日後、義歯を撤去
したところ、滑沢な印象面が得られていた。再度その義
歯を使用させ、1週間後に調べた結果、裏装面に表面荒
れ、汚れ等がみられた。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏する。本発明の機
能印象材は、液剤が光重合可能な多官能性メタクリレー
ト30〜95重量%、アルコール5〜20重量%、可塑
剤0〜65重量%からなる混合物に光増感剤を添加して
なり、粉剤が、メタクリル酸エステル重合体あるいは共
重合体からなり、その液剤と粉剤の混合物が、未重合の
状態では機能印象性を有し、その混合物を義歯床粘膜面
に塗布した後、口腔内に装着し、そのまま日常生活を送
らせ、この未重合の混合物が機能印象材として作用し、
咀嚼、嚥下、発音等の機能時の印象が確実に採得でき、
その後口腔内より義歯を取り出し、裏装面に光を照射
し、重合硬化させることにより、機能時の粘膜面にぴっ
たり適合した精度の高い裏装義歯を完成することがで
き、かつ、重合後の裏装材は強固に硬化しているため、
物性的に優れ、長期の使用が可能であり、従来の間接裏
装法のような複雑なプロセスは全く必要とせず、また、
光重合反応においてはほとんど発熱を伴わないため、硬
化時の変形は極めて少ないものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合可能な多官能性メタクリレート3
    0〜95重量%、アルコール5〜20重量%、可塑剤0
    〜65重量%からなる混合物に光増感剤を添加してなる
    液剤と、メタクリル酸エステル重合体あるいは共重合体
    からなる粉剤とで構成され、 前記液剤と前記粉剤の混合物が、未重合の状態では機能
    印象性を有し、光の照射により重合硬化して裏装面を形
    成することを特徴とする機能印象材。
  2. 【請求項2】 光重合可能な多官能性メタクリレート
    が、トリメチロールプロパントリメタクリレートである
    請求項1記載の機能印象材。
  3. 【請求項3】 アルコールが、エチルアルコールである
    請求項1記載の機能印象材。
JP5117693A 1993-04-20 1993-04-20 機能印象材 Expired - Lifetime JPH0825855B2 (ja)

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