JPH06306508A - 低異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法 - Google Patents
低異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法Info
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- JPH06306508A JPH06306508A JP5096215A JP9621593A JPH06306508A JP H06306508 A JPH06306508 A JP H06306508A JP 5096215 A JP5096215 A JP 5096215A JP 9621593 A JP9621593 A JP 9621593A JP H06306508 A JPH06306508 A JP H06306508A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、材質異方性がなく高疲労強度を有
するチタン基複合材を、高い寸法精度あるいは高い形状
精度で製造するための方法、あるいは、材質異方性がな
く高疲労強度を有するチタン基複合材の長尺の板、棒、
線、パイプを製造する方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 チタン粉末と合金元素添加用粉末と3〜30
重量%の強化粒子添加用粉末を混合、成形、焼結した素
材を、基質のβ変態点以上で1300℃以下の温度で熱
間加工を行い、空冷以上の冷却速度で冷却し、さらに、
700℃以上で基質のβ変態点以下の温度で10分以上
4時間以下の時間、焼鈍処理を行う。
するチタン基複合材を、高い寸法精度あるいは高い形状
精度で製造するための方法、あるいは、材質異方性がな
く高疲労強度を有するチタン基複合材の長尺の板、棒、
線、パイプを製造する方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 チタン粉末と合金元素添加用粉末と3〜30
重量%の強化粒子添加用粉末を混合、成形、焼結した素
材を、基質のβ変態点以上で1300℃以下の温度で熱
間加工を行い、空冷以上の冷却速度で冷却し、さらに、
700℃以上で基質のβ変態点以下の温度で10分以上
4時間以下の時間、焼鈍処理を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタン基複合材の製造
方法に関する。さらに詳しくは、素粉末混合法による焼
結チタン合金の製造方法に関するものである。
方法に関する。さらに詳しくは、素粉末混合法による焼
結チタン合金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン材料は軽量、高強度の特性を活か
すべく、航空機部品を中心に使用されてきたが、ヤング
率が低い、耐摩耗性に劣る、600℃以上の高温強度が
低い、などの欠点のため、さらに広い分野への適用が敬
遠されてきた。これらの欠点を解消し、さらに広い分野
へのチタン材料の適用を可能とするために、基質のチタ
ン合金をTiC,SiC,TiBなどで強化したチタン
基複合材が検討されてきた。これら複合材の代表的な製
造方法としては、いわゆるニアーネットシェイプ技術の
一つである素粉末混合法がある。この方法は、チタン粉
末と合金元素添加用粉末および強化粒子添加用粉末を混
合し、成形し、焼結し、場合によってはHIP処理を行
う方法で、最終形状に近い形状の製品を製造することが
可能である。
すべく、航空機部品を中心に使用されてきたが、ヤング
率が低い、耐摩耗性に劣る、600℃以上の高温強度が
低い、などの欠点のため、さらに広い分野への適用が敬
遠されてきた。これらの欠点を解消し、さらに広い分野
へのチタン材料の適用を可能とするために、基質のチタ
ン合金をTiC,SiC,TiBなどで強化したチタン
基複合材が検討されてきた。これら複合材の代表的な製
造方法としては、いわゆるニアーネットシェイプ技術の
一つである素粉末混合法がある。この方法は、チタン粉
末と合金元素添加用粉末および強化粒子添加用粉末を混
合し、成形し、焼結し、場合によってはHIP処理を行
う方法で、最終形状に近い形状の製品を製造することが
可能である。
【0003】しかし、この方法で製造されたチタン基複
合材には三つの大きな欠点があった。まず、第一には、
焼結を、基質のβ変態点以上の高温β域で行うため、結
晶粒が粗大化し、疲労特性に劣る粗大ラメラ組織が冷却
中に析出することである。第二には、チタン基複合材は
通常のチタン合金に比べて著しく被削性に劣るためニア
ーネットシェイプでは不十分な場合が多く、高い形状精
度および寸法精度が要求される製品には適用しにくいこ
とである。第三には、長尺の板、棒、線、パイプなどの
製品が設備制約のため製造できないことである。
合材には三つの大きな欠点があった。まず、第一には、
焼結を、基質のβ変態点以上の高温β域で行うため、結
晶粒が粗大化し、疲労特性に劣る粗大ラメラ組織が冷却
中に析出することである。第二には、チタン基複合材は
通常のチタン合金に比べて著しく被削性に劣るためニア
ーネットシェイプでは不十分な場合が多く、高い形状精
度および寸法精度が要求される製品には適用しにくいこ
とである。第三には、長尺の板、棒、線、パイプなどの
製品が設備制約のため製造できないことである。
【0004】これらの欠点を解消するためには、焼結工
程の後さらに熱間加工を行うことが適しており、実際、
粉末冶金法では焼結工程の後、熱間鍛造、熱間押し出
し、熱間圧延などの熱間加工を行う方法が検討されてい
る。ところが、チタン合金をβ変態点以上の温度で加工
すると、冷却中にやはり粗大なラメラ組織が形成するた
め、第一の欠点を十分に解消できない。一方、β変態点
以下の温度で加工すると、その後の焼鈍工程で疲労特性
に優れる等軸組織を得ることができるが、著しく強い材
質異方性が生じ、実用的でないという欠点があった。
程の後さらに熱間加工を行うことが適しており、実際、
粉末冶金法では焼結工程の後、熱間鍛造、熱間押し出
し、熱間圧延などの熱間加工を行う方法が検討されてい
る。ところが、チタン合金をβ変態点以上の温度で加工
すると、冷却中にやはり粗大なラメラ組織が形成するた
め、第一の欠点を十分に解消できない。一方、β変態点
以下の温度で加工すると、その後の焼鈍工程で疲労特性
に優れる等軸組織を得ることができるが、著しく強い材
質異方性が生じ、実用的でないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような現状から本
発明は、材質異方性がなく、高疲労強度を有するチタン
基複合材を高い寸法精度あるいは高い形状精度で製造す
るための方法、あるいは、材質異方性がなく、高疲労強
度を有するチタン基複合材の長尺の板、棒、線、パイプ
を製造する方法を提供しようとするものである。
発明は、材質異方性がなく、高疲労強度を有するチタン
基複合材を高い寸法精度あるいは高い形状精度で製造す
るための方法、あるいは、材質異方性がなく、高疲労強
度を有するチタン基複合材の長尺の板、棒、線、パイプ
を製造する方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、(1)素粉末混合法でチタン基複合材を製
造する方法において、チタン粉末と合金元素添加用粉末
と3〜30重量%の強化粒子添加用粉末を混合、成形、
焼結した素材を、当該複合材基質のβ変態点以上130
0℃以下の温度で熱間加工を行い、空冷以上の冷却速度
で冷却し、さらに、700℃以上で当該複合材基質のβ
変態点以下の温度で10分以上4時間以下の時間、焼鈍
処理することを特徴とする、低異方性、高疲労強度チタ
ン基複合材の製造方法であり、(2)強化粒子添加用粉
末として、TiC粉末を使用することを特徴とする、前
項(1)記載の、低異方性、高疲労強度チタン基複合材
の製造方法であり、(3)強化粒子添加用粉末として、
TiB2 粉末を使用することを特徴とする、前項(1)
記載の、低異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方
法であり、(4)強化粒子添加用粉末として、B4 C粉
末を使用することを特徴とする、前項(1)記載の、低
異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法である。
の本発明は、(1)素粉末混合法でチタン基複合材を製
造する方法において、チタン粉末と合金元素添加用粉末
と3〜30重量%の強化粒子添加用粉末を混合、成形、
焼結した素材を、当該複合材基質のβ変態点以上130
0℃以下の温度で熱間加工を行い、空冷以上の冷却速度
で冷却し、さらに、700℃以上で当該複合材基質のβ
変態点以下の温度で10分以上4時間以下の時間、焼鈍
処理することを特徴とする、低異方性、高疲労強度チタ
ン基複合材の製造方法であり、(2)強化粒子添加用粉
末として、TiC粉末を使用することを特徴とする、前
項(1)記載の、低異方性、高疲労強度チタン基複合材
の製造方法であり、(3)強化粒子添加用粉末として、
TiB2 粉末を使用することを特徴とする、前項(1)
記載の、低異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方
法であり、(4)強化粒子添加用粉末として、B4 C粉
末を使用することを特徴とする、前項(1)記載の、低
異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法である。
【0007】ここで、合金元素添加用粉末としては、合
金元素の金属粉末を使用しても良いし、母合金粉末を使
用しても良い。また1種類のみでなくて2種類以上の合
金元素添加用粉末を混合して使用しても良い。β変態点
とは、平衡状態にてこれ以上の温度ではβ単相となる温
度で、複合材の場合、基質のβ変態点以上では、β相と
強化粒子相が存在する。ここで基質とは、複合材の強化
粒子相以外のチタン合金相(α,β相)を指している。
また、熱間加工は、開始から終了まですべて、当該複合
材基質のβ変態点以上で1300℃以下の温度範囲で行
わなくてはならない。
金元素の金属粉末を使用しても良いし、母合金粉末を使
用しても良い。また1種類のみでなくて2種類以上の合
金元素添加用粉末を混合して使用しても良い。β変態点
とは、平衡状態にてこれ以上の温度ではβ単相となる温
度で、複合材の場合、基質のβ変態点以上では、β相と
強化粒子相が存在する。ここで基質とは、複合材の強化
粒子相以外のチタン合金相(α,β相)を指している。
また、熱間加工は、開始から終了まですべて、当該複合
材基質のβ変態点以上で1300℃以下の温度範囲で行
わなくてはならない。
【0008】
【作用】本発明者らは、チタン基複合材の加工・熱処理
に関して鋭意研究を重ねた結果、特定条件の熱間加工と
熱処理を行うことにより、等方的な材質特性を有しかつ
疲労特性に優れる等軸微細組織からなる基質に変換でき
ることを見いだした。本発明はこの知見を、素粉末混合
法によるチタン基複合材の製造方法に適用し、高い寸法
精度や形状精度の要求される製品や、長尺の板、棒、
線、パイプを製造しようとするものである。
に関して鋭意研究を重ねた結果、特定条件の熱間加工と
熱処理を行うことにより、等方的な材質特性を有しかつ
疲労特性に優れる等軸微細組織からなる基質に変換でき
ることを見いだした。本発明はこの知見を、素粉末混合
法によるチタン基複合材の製造方法に適用し、高い寸法
精度や形状精度の要求される製品や、長尺の板、棒、
線、パイプを製造しようとするものである。
【0009】まず、本発明では、チタン粉末と合金元素
添加用粉末に、3〜30重量%の強化粒子添加用粉末を
混合し、成形、焼結を行う。これは、次工程の熱間加工
に供する素材(焼結プレフォーム)を製造する工程であ
る。次に、当該複合材基質のβ変態点以上1300℃以
下の温度で熱間加工を行い、空冷以上の冷却速度で冷却
する。これは、高い寸法精度や形状精度の要求される製
品や、長尺の板、棒、線、パイプを得るための工程であ
ると同時に、等方的な体心立方構造を有するβ単相域で
加工を行い、これを比較的速い冷却速度で冷却すること
により、ランダムな結晶方位の微細針状α相もしくはマ
ルテンサイト晶を冷却中に生成させるための工程であ
る。ここで、熱間加工は、開始から終了まですべて、当
該複合材基質のβ変態点以上で1300℃以下の温度範
囲で行わなくてはならない。その理由は以下のとおりで
ある。β変態点未満の温度で熱間加工を終了すると、析
出したα相が熱間加工を受けるため強い材質異方性が生
じ、次の工程の焼鈍を行っても解消しない。また、13
00℃を超える温度で熱間加工を行うと、加熱による酸
化が激しく、熱間加工中に割れを生じるためである。ま
た、熱間加工後、空冷以上の冷却速度で冷却するのは、
これより遅い冷却速度だと、冷却中に疲労特性の劣る粗
大ラメラα相が生成するからである。なお、30重量%
を超える強化粒子添加用粉末を使用した素材は、成形性
が著しく悪くなり十分熱間加工性を備えた焼結プレフォ
ームが製造できず、加工中に割れを生じ実際上熱間加工
が不可能である。
添加用粉末に、3〜30重量%の強化粒子添加用粉末を
混合し、成形、焼結を行う。これは、次工程の熱間加工
に供する素材(焼結プレフォーム)を製造する工程であ
る。次に、当該複合材基質のβ変態点以上1300℃以
下の温度で熱間加工を行い、空冷以上の冷却速度で冷却
する。これは、高い寸法精度や形状精度の要求される製
品や、長尺の板、棒、線、パイプを得るための工程であ
ると同時に、等方的な体心立方構造を有するβ単相域で
加工を行い、これを比較的速い冷却速度で冷却すること
により、ランダムな結晶方位の微細針状α相もしくはマ
ルテンサイト晶を冷却中に生成させるための工程であ
る。ここで、熱間加工は、開始から終了まですべて、当
該複合材基質のβ変態点以上で1300℃以下の温度範
囲で行わなくてはならない。その理由は以下のとおりで
ある。β変態点未満の温度で熱間加工を終了すると、析
出したα相が熱間加工を受けるため強い材質異方性が生
じ、次の工程の焼鈍を行っても解消しない。また、13
00℃を超える温度で熱間加工を行うと、加熱による酸
化が激しく、熱間加工中に割れを生じるためである。ま
た、熱間加工後、空冷以上の冷却速度で冷却するのは、
これより遅い冷却速度だと、冷却中に疲労特性の劣る粗
大ラメラα相が生成するからである。なお、30重量%
を超える強化粒子添加用粉末を使用した素材は、成形性
が著しく悪くなり十分熱間加工性を備えた焼結プレフォ
ームが製造できず、加工中に割れを生じ実際上熱間加工
が不可能である。
【0010】次に、700℃以上で当該複合材基質のβ
変態点以下の温度で10分以上4時間以下の時間、焼鈍
処理する。この工程により、ランダムな結晶方位の微細
針状α相もしくはマルテンサイト晶は、ランダムな方位
の微細等軸組織に変換される。これは、α相とβ相の界
面エネルギーを減少させようとするために起こる現象
で、低エネルギーの直線的界面よりも等軸化することに
よる界面面積の減少の方が、全体の界面エネルギーの減
少に対する寄与が大きいことによるものである。一般
に、等軸組織はラメラ組織や針状組織よりも疲労特性に
優れており、かつ、本工程で生成する等軸組織は等方的
であるため、異方性がなく、かつ高疲労特性のチタン基
複合材が製造できる。
変態点以下の温度で10分以上4時間以下の時間、焼鈍
処理する。この工程により、ランダムな結晶方位の微細
針状α相もしくはマルテンサイト晶は、ランダムな方位
の微細等軸組織に変換される。これは、α相とβ相の界
面エネルギーを減少させようとするために起こる現象
で、低エネルギーの直線的界面よりも等軸化することに
よる界面面積の減少の方が、全体の界面エネルギーの減
少に対する寄与が大きいことによるものである。一般
に、等軸組織はラメラ組織や針状組織よりも疲労特性に
優れており、かつ、本工程で生成する等軸組織は等方的
であるため、異方性がなく、かつ高疲労特性のチタン基
複合材が製造できる。
【0011】ここで、この等軸化現象は、通常のチタン
合金のように粗大なβ粒を有する材料では発現せず、特
定量の強化粒子を含む複合材のように、β粒が比較的小
さい材料に特有の現象である。それは、粗大なβ粒で
は、針状α相やマルテンサイト晶の長さが著しく長くな
り、等軸化するよりも、低エネルギーの直線状界面を優
先的にとるためである。この等軸化現象を発現させるた
めには、本発明において粉末の混合時に3重量%以上の
強化粒子添加用粉末を使用する必要がある。これ以下の
量だと、β粒が粗大化するため、等軸化現象は発現しな
い。また、本工程で、加熱保持温度を700℃以上で当
該複合材基質のβ変態点以下としたのは、700℃未満
の温度では、拡散が不十分なため等軸化現象が発現せ
ず、β変態点を超える温度では、α相が消失し、冷却中
に再び粗大なラメラ組織が生成し、熱間加工前の組織に
戻ってしまうからである。また、加熱保持時間を10分
以上4時間以下としたのは、10分未満の時間では、拡
散が不十分なため十分な等軸化が達成されないためであ
り、4時間以下の時間で十分等軸化は達成されているた
め、4時間を超える時間熱処理を行うことはエネルギー
的に無駄であるからである。
合金のように粗大なβ粒を有する材料では発現せず、特
定量の強化粒子を含む複合材のように、β粒が比較的小
さい材料に特有の現象である。それは、粗大なβ粒で
は、針状α相やマルテンサイト晶の長さが著しく長くな
り、等軸化するよりも、低エネルギーの直線状界面を優
先的にとるためである。この等軸化現象を発現させるた
めには、本発明において粉末の混合時に3重量%以上の
強化粒子添加用粉末を使用する必要がある。これ以下の
量だと、β粒が粗大化するため、等軸化現象は発現しな
い。また、本工程で、加熱保持温度を700℃以上で当
該複合材基質のβ変態点以下としたのは、700℃未満
の温度では、拡散が不十分なため等軸化現象が発現せ
ず、β変態点を超える温度では、α相が消失し、冷却中
に再び粗大なラメラ組織が生成し、熱間加工前の組織に
戻ってしまうからである。また、加熱保持時間を10分
以上4時間以下としたのは、10分未満の時間では、拡
散が不十分なため十分な等軸化が達成されないためであ
り、4時間以下の時間で十分等軸化は達成されているた
め、4時間を超える時間熱処理を行うことはエネルギー
的に無駄であるからである。
【0012】
【実施例】最も汎用のチタン合金であるTi−6Al−
4Vを基質とするチタン基複合材を例に、本発明につい
てさらに詳しく説明する。水素化脱水素法により製造し
た極低塩素チタン粉末(粒径150μm以下)と60A
l40V母合金粉末および強化粒子添加用粉末として約
5μmのTiC粒子、TiB2 粒子、あるいはB4 C粒
子を、基質がTi−6Al−4Vとなるように種々の割
合で混合し、CIP(冷間静水圧成形)を用いて成形
し、1250℃で2時間の真空焼結を行い、50mm幅、
30mm高さ、100mm長さの焼結プレフォームを製造し
た。この焼結プレフォームを、約80mm幅、10mm厚、
180mm長さの板に熱間鍛造し、長さ方向と平行な方向
(L方向)と垂直な方向(C方向)に疲労試験片を切り
出し、室温にて回転曲げ疲労試験を行った。疲労強度は
107 回の繰り返し数でも破断しない最大強度で定義し
た。
4Vを基質とするチタン基複合材を例に、本発明につい
てさらに詳しく説明する。水素化脱水素法により製造し
た極低塩素チタン粉末(粒径150μm以下)と60A
l40V母合金粉末および強化粒子添加用粉末として約
5μmのTiC粒子、TiB2 粒子、あるいはB4 C粒
子を、基質がTi−6Al−4Vとなるように種々の割
合で混合し、CIP(冷間静水圧成形)を用いて成形
し、1250℃で2時間の真空焼結を行い、50mm幅、
30mm高さ、100mm長さの焼結プレフォームを製造し
た。この焼結プレフォームを、約80mm幅、10mm厚、
180mm長さの板に熱間鍛造し、長さ方向と平行な方向
(L方向)と垂直な方向(C方向)に疲労試験片を切り
出し、室温にて回転曲げ疲労試験を行った。疲労強度は
107 回の繰り返し数でも破断しない最大強度で定義し
た。
【0013】表1は、加工を行っていない焼結プレフォ
ームを、HIP処理(熱間静水圧成形)し緻密化した
後、試験片を切り出して行った疲労試験結果で、従来法
で製造した試料に相当する。いずれの試料もL方向とC
方向の疲労強度差は10MPa 以下でほとんど異方性のな
い均質な材質であるが、疲労強度値はすべて390MPa
以下で低い値となっている。これは、基質が疲労特性に
劣る粗大ラメラ組織であるためである。
ームを、HIP処理(熱間静水圧成形)し緻密化した
後、試験片を切り出して行った疲労試験結果で、従来法
で製造した試料に相当する。いずれの試料もL方向とC
方向の疲労強度差は10MPa 以下でほとんど異方性のな
い均質な材質であるが、疲労強度値はすべて390MPa
以下で低い値となっている。これは、基質が疲労特性に
劣る粗大ラメラ組織であるためである。
【0014】これに対し、表2は、焼結プレフォームに
対し熱間鍛造および熱処理を行った試料の疲労試験結果
である。熱間鍛造は1200℃で開始し基質のβ変態点
以上の1070℃で終了した。熱間鍛造後の試料は、空
冷し、900℃で1時間の焼鈍を行った後空冷した。本
発明の実施例である試験番号11,12,13,15,
16,17,19,20,21はいずれも疲労強度が4
20MPa を超えており、表1に示した試験結果と較べて
著しく高い疲労特性を有している。しかも、L方向とC
方向の強度差は10MPa 以下で、異方性もない。これ
は、熱間鍛造を等方的な体心立法構造を有するβ単相域
で行ったことと、冷却中にランダムな結晶方位の微細針
状α相もしくはマルテンサイト晶を生成させ、これを後
熱処理により疲労特性に優れる等軸組織に変換したこと
によるものである。
対し熱間鍛造および熱処理を行った試料の疲労試験結果
である。熱間鍛造は1200℃で開始し基質のβ変態点
以上の1070℃で終了した。熱間鍛造後の試料は、空
冷し、900℃で1時間の焼鈍を行った後空冷した。本
発明の実施例である試験番号11,12,13,15,
16,17,19,20,21はいずれも疲労強度が4
20MPa を超えており、表1に示した試験結果と較べて
著しく高い疲労特性を有している。しかも、L方向とC
方向の強度差は10MPa 以下で、異方性もない。これ
は、熱間鍛造を等方的な体心立法構造を有するβ単相域
で行ったことと、冷却中にランダムな結晶方位の微細針
状α相もしくはマルテンサイト晶を生成させ、これを後
熱処理により疲労特性に優れる等軸組織に変換したこと
によるものである。
【0015】一方、試験番号10は、同じ工程を施して
も疲労強度が390MPa 以下と低い値しか得られなかっ
た。これは、強化粒子添加用粉末の添加量が、本発明の
下限値である3%未満であったため、粗大なβ粒が生成
し等軸化現象は発現せず、疲労特性に劣る針状組織とな
ったためである。また、本発明における強化粒子添加用
粉末の添加量の上限値である30%を超える強化粒子添
加用粉末を添加した、試験番号14および18は、成形
性が著しく悪くなり十分熱間加工性を備えた焼結プレフ
ォームが製造できず、加工中に割れが生じ疲労試験片を
採取すらできなかった。
も疲労強度が390MPa 以下と低い値しか得られなかっ
た。これは、強化粒子添加用粉末の添加量が、本発明の
下限値である3%未満であったため、粗大なβ粒が生成
し等軸化現象は発現せず、疲労特性に劣る針状組織とな
ったためである。また、本発明における強化粒子添加用
粉末の添加量の上限値である30%を超える強化粒子添
加用粉末を添加した、試験番号14および18は、成形
性が著しく悪くなり十分熱間加工性を備えた焼結プレフ
ォームが製造できず、加工中に割れが生じ疲労試験片を
採取すらできなかった。
【0016】さて、表3は、強化粒子添加用粉末として
TiCを10%添加した材料を用いて、熱間鍛造温度、
冷却速度、焼鈍条件の影響を調べた結果である。この試
料の基質のβ変態点は1020℃である。表3におい
て、本発明の実施例である試験番号22,25,28,
30,31はいずれも420MPa 以上の高い疲労強度を
有しており、しかもL方向とC方向の差は10MPa 以下
で異方性もない。これに対し、試験番号23,24は著
しく大きな異方性が生じており、試験番号26は熱間加
工中に割れが生じ疲労試験すら実施できず、また、試験
番号27,29,32,33は疲労強度が390MPa以
下と低くなっており、高疲労強度と異方性の解消の両方
を満たした試料はなかった。これは、試験番号23,2
4では基質のβ変態点未満での加工が加わったため、強
い異方性が生じたものであり、試験番号26では、13
00℃を超える温度で加工を行ったため、酸化に伴なう
割れが生じたものであり、また、試験番号27では、熱
間鍛造後の冷却速度が遅すぎたため、疲労特性に劣る粗
大ラメラ組織が冷却中に生成したためであり、さらに、
試験番号29では、焼鈍温度が拡散が不十分な700℃
未満であったため、針状組織の等軸化現象が発現しなか
ったことによるものであり、試験番号32では、β変態
点を超える温度で焼鈍を行ったため、α相が消失し冷却
中に再び疲労特性の劣る粗大なラメラ組織が生成したた
めであり、試験番号33は、加熱保持時間が拡散が不十
分な10分未満であったため十分な等軸化が達成されな
かったことによるものである。また、試験番号34で
は、疲労特性および異方性の解消ともに達成されている
が、焼鈍時間がこれより短い試験番号28と同等の特性
であり、このような長時間の焼鈍はエネルギー的に無駄
である。
TiCを10%添加した材料を用いて、熱間鍛造温度、
冷却速度、焼鈍条件の影響を調べた結果である。この試
料の基質のβ変態点は1020℃である。表3におい
て、本発明の実施例である試験番号22,25,28,
30,31はいずれも420MPa 以上の高い疲労強度を
有しており、しかもL方向とC方向の差は10MPa 以下
で異方性もない。これに対し、試験番号23,24は著
しく大きな異方性が生じており、試験番号26は熱間加
工中に割れが生じ疲労試験すら実施できず、また、試験
番号27,29,32,33は疲労強度が390MPa以
下と低くなっており、高疲労強度と異方性の解消の両方
を満たした試料はなかった。これは、試験番号23,2
4では基質のβ変態点未満での加工が加わったため、強
い異方性が生じたものであり、試験番号26では、13
00℃を超える温度で加工を行ったため、酸化に伴なう
割れが生じたものであり、また、試験番号27では、熱
間鍛造後の冷却速度が遅すぎたため、疲労特性に劣る粗
大ラメラ組織が冷却中に生成したためであり、さらに、
試験番号29では、焼鈍温度が拡散が不十分な700℃
未満であったため、針状組織の等軸化現象が発現しなか
ったことによるものであり、試験番号32では、β変態
点を超える温度で焼鈍を行ったため、α相が消失し冷却
中に再び疲労特性の劣る粗大なラメラ組織が生成したた
めであり、試験番号33は、加熱保持時間が拡散が不十
分な10分未満であったため十分な等軸化が達成されな
かったことによるものである。また、試験番号34で
は、疲労特性および異方性の解消ともに達成されている
が、焼鈍時間がこれより短い試験番号28と同等の特性
であり、このような長時間の焼鈍はエネルギー的に無駄
である。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を適用する
ことにより、材質異方性がなく、高疲労強度を有するチ
タン基複合材を、高い寸法精度や形状精度で製造するこ
とができる。あるいは、本発明を適用することにより、
材質異方性がなく、高疲労強度を有するチタン基複合材
の長尺の板、棒、線、パイプなどを製造することができ
る。
ことにより、材質異方性がなく、高疲労強度を有するチ
タン基複合材を、高い寸法精度や形状精度で製造するこ
とができる。あるいは、本発明を適用することにより、
材質異方性がなく、高疲労強度を有するチタン基複合材
の長尺の板、棒、線、パイプなどを製造することができ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 素粉末混合法でチタン基複合材を製造す
る方法において、チタン粉末と合金元素添加用粉末と3
〜30重量%の強化粒子添加用粉末を混合、成形、焼結
した素材を、当該複合材基質のβ変態点以上1300℃
以下の温度で熱間加工を行い、空冷以上の冷却速度で冷
却し、さらに、700℃以上で当該複合材基質のβ変態
点以下の温度で10分以上4時間以下の時間、焼鈍処理
することを特徴とする、低異方性、高疲労強度チタン基
複合材の製造方法。 - 【請求項2】 強化粒子添加用粉末として、TiC粉末
を使用することを特徴とする、請求項1記載の、低異方
性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法。 - 【請求項3】 強化粒子添加用粉末として、TiB2 粉
末を使用することを特徴とする、請求項1記載の、低異
方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法。 - 【請求項4】 強化粒子添加用粉末として、B4 C粉末
を使用することを特徴とする、請求項1記載の、低異方
性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5096215A JPH06306508A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 低異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5096215A JPH06306508A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 低異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06306508A true JPH06306508A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14159022
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5096215A Withdrawn JPH06306508A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 低異方性、高疲労強度チタン基複合材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06306508A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008507624A (ja) * | 2004-07-22 | 2008-03-13 | エフエムダブリュー コンポジットシステムズ,インコーポレイテッド | 特性が強化されたチタン合金ワイヤーの製造方法 |
| JP2014105355A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Takefu Tokushu Kozai Kk | Ti−TiC合成材の製造方法 |
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| CN107130133A (zh) * | 2017-05-26 | 2017-09-05 | 哈尔滨工业大学 | 一种梯度双连续结构的陶瓷/金属复合材料以及其制备方法和应用 |
| JP2017222899A (ja) * | 2016-06-15 | 2017-12-21 | 国立大学法人 名古屋工業大学 | 積層造形用金属粉末および金属粉末を用いた積層造形体 |
| CN112958784A (zh) * | 2021-02-01 | 2021-06-15 | 中国科学院金属研究所 | 一种颗粒增强钛基复合材料中增强相均匀分布及生长方向主动控制方法 |
| CN117798380A (zh) * | 2023-12-26 | 2024-04-02 | 沈阳精合数控科技开发有限公司 | 一种用于梯度材料的增材制造方法 |
| CN118600346A (zh) * | 2024-05-28 | 2024-09-06 | 西北工业大学 | 激光增材制造高温钛基复合材料的热处理强化方法 |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP5096215A patent/JPH06306508A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| CN107130133A (zh) * | 2017-05-26 | 2017-09-05 | 哈尔滨工业大学 | 一种梯度双连续结构的陶瓷/金属复合材料以及其制备方法和应用 |
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