JPH06306641A - サスペンションフォークパイプ - Google Patents
サスペンションフォークパイプInfo
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- JPH06306641A JPH06306641A JP11658393A JP11658393A JPH06306641A JP H06306641 A JPH06306641 A JP H06306641A JP 11658393 A JP11658393 A JP 11658393A JP 11658393 A JP11658393 A JP 11658393A JP H06306641 A JPH06306641 A JP H06306641A
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- JP
- Japan
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- layer
- plating
- film
- fork pipe
- coating
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- Pending
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高耐食・耐摩耗性を有する自転車、原動機付
自転車および自動二輪車等用サスペンションフォークパ
イプを提供する。 【構成】 サスペンションフォークパイプの表面に密着
してめっき法により形成した無電解Ni−Pからなる第
1層と、さらに該第1層上にイオンプレーティング法に
より被覆したTi、Zr、Hf、V、Nb、Taおよび
Cr層からなる第2層と、さらに該第2層上にTi、Z
r、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる少な
くとも1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭窒
化物からなる第3層を有する。
自転車および自動二輪車等用サスペンションフォークパ
イプを提供する。 【構成】 サスペンションフォークパイプの表面に密着
してめっき法により形成した無電解Ni−Pからなる第
1層と、さらに該第1層上にイオンプレーティング法に
より被覆したTi、Zr、Hf、V、Nb、Taおよび
Cr層からなる第2層と、さらに該第2層上にTi、Z
r、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる少な
くとも1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭窒
化物からなる第3層を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自転車、原動機付き自転
車および自動二輪車等用のサスペンションのフォークパ
イプに関し、特に耐摩耗性と共に耐食性にも優れたフォ
ークパイプに関する。
車および自動二輪車等用のサスペンションのフォークパ
イプに関し、特に耐摩耗性と共に耐食性にも優れたフォ
ークパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】自転車、原動機付き自転車および自動二
輪車等の車輪のサスペンションは、路面の凹凸による振
動を吸収する役割を果たしている。そのためサスペンシ
ョンフォークパイプは常に摺動しており、その表面は摩
耗を防止し、寿命を延ばす手段として、めっき法やPV
D法やCVD法などによりフォークパイプ表面に硬質被
膜を形成することが行われている。ここでは、硬質被膜
として、めっき法によりCrまたはNi被膜を、PVD
法やCVD法などによりTi、Zr、Hf、V、Nb、
TaおよびCrから選ばれる少なくとも1種の、炭化
物、窒化物および/または炭窒化物からなる被膜層を形
成することが行われている。また、上記めっき膜とPV
D法やCVD法などによる被膜層を組み合わせた2層膜
を形成することも行われている。これら硬質被膜を形成
することによりサスペンションの耐摩耗性が向上し、パ
イプが劣化するまでの寿命が延長される。しかし、上記
硬質被膜には微小な空孔が存在するため、屋外で使用す
る自転車、原動機付き自転車および自動二輪車等の車輪
のサスペンションは、常に風雨に晒されるため、表面に
錆を生じ、フォークパイプのスムースな摺動を阻害する
原因となる。めっき被膜の場合、硬質Crめっきでは耐
摩耗性に関しては向上が見られるが、最初から表面に無
数のクラックが生じており、腐食に対しては効果がな
い。また、Niめっきでは腐食対策として膜厚を厚くす
ることにより上記の微小な空孔をなくすことが行われて
いるが、硬度が不足しているため、摩耗に対してあまり
効果が期待できないという問題がある。また、耐摩耗性
および耐食性を合わせ持つ目的でめっき被膜とPVD膜
あるいはCVD被膜の2層膜を形成することも行われて
いるが、硬質Crめっきとの2層膜では、耐摩耗性はめ
っき被膜のみの場合より向上するものの、耐食性は上記
Crめっき表面のクラックが原因で効果が薄い。Niめ
っきとの2層膜では、めっき層の厚みを厚くして耐食性
を向上させることが行われているが、硬度が低いため硬
質Crめっきの場合ほど耐摩耗性の向上は望めない。さ
らにめっき被膜との2層膜の場合、PVD膜あるいはC
VD膜の成膜条件によっては膜剥離を生じ、耐摩耗性を
損なうことがある。この原因としては、めっき被膜表面
にめっき処理時に生成した酸化膜あるいは汚れがPVD
処理あるいはCVD処理前のクリーニングで十分除去で
きなかった場合に剥離が生じることがある。また、その
酸化膜や汚れを除去し、めっき表面を平滑にする目的で
表面を研磨した際にめっき表面に歪みが生じ、これがP
VD処理あるいはCVD処理時の熱履歴によって解放さ
れ剥離を引き起こすことが知られている。このため、自
転車、原動機付き自転車および自動二輪車等用サスペン
ションフォークパイプの表面の被膜の改善、即ち耐摩耗
性と共に耐食性にも優れた被膜を有するフォークパイプ
の開発が待たれていた。
輪車等の車輪のサスペンションは、路面の凹凸による振
動を吸収する役割を果たしている。そのためサスペンシ
ョンフォークパイプは常に摺動しており、その表面は摩
耗を防止し、寿命を延ばす手段として、めっき法やPV
D法やCVD法などによりフォークパイプ表面に硬質被
膜を形成することが行われている。ここでは、硬質被膜
として、めっき法によりCrまたはNi被膜を、PVD
法やCVD法などによりTi、Zr、Hf、V、Nb、
TaおよびCrから選ばれる少なくとも1種の、炭化
物、窒化物および/または炭窒化物からなる被膜層を形
成することが行われている。また、上記めっき膜とPV
D法やCVD法などによる被膜層を組み合わせた2層膜
を形成することも行われている。これら硬質被膜を形成
することによりサスペンションの耐摩耗性が向上し、パ
イプが劣化するまでの寿命が延長される。しかし、上記
硬質被膜には微小な空孔が存在するため、屋外で使用す
る自転車、原動機付き自転車および自動二輪車等の車輪
のサスペンションは、常に風雨に晒されるため、表面に
錆を生じ、フォークパイプのスムースな摺動を阻害する
原因となる。めっき被膜の場合、硬質Crめっきでは耐
摩耗性に関しては向上が見られるが、最初から表面に無
数のクラックが生じており、腐食に対しては効果がな
い。また、Niめっきでは腐食対策として膜厚を厚くす
ることにより上記の微小な空孔をなくすことが行われて
いるが、硬度が不足しているため、摩耗に対してあまり
効果が期待できないという問題がある。また、耐摩耗性
および耐食性を合わせ持つ目的でめっき被膜とPVD膜
あるいはCVD被膜の2層膜を形成することも行われて
いるが、硬質Crめっきとの2層膜では、耐摩耗性はめ
っき被膜のみの場合より向上するものの、耐食性は上記
Crめっき表面のクラックが原因で効果が薄い。Niめ
っきとの2層膜では、めっき層の厚みを厚くして耐食性
を向上させることが行われているが、硬度が低いため硬
質Crめっきの場合ほど耐摩耗性の向上は望めない。さ
らにめっき被膜との2層膜の場合、PVD膜あるいはC
VD膜の成膜条件によっては膜剥離を生じ、耐摩耗性を
損なうことがある。この原因としては、めっき被膜表面
にめっき処理時に生成した酸化膜あるいは汚れがPVD
処理あるいはCVD処理前のクリーニングで十分除去で
きなかった場合に剥離が生じることがある。また、その
酸化膜や汚れを除去し、めっき表面を平滑にする目的で
表面を研磨した際にめっき表面に歪みが生じ、これがP
VD処理あるいはCVD処理時の熱履歴によって解放さ
れ剥離を引き起こすことが知られている。このため、自
転車、原動機付き自転車および自動二輪車等用サスペン
ションフォークパイプの表面の被膜の改善、即ち耐摩耗
性と共に耐食性にも優れた被膜を有するフォークパイプ
の開発が待たれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記従来の耐摩耗性硬質被膜を有するサスペンションフォ
ークパイプの問題を解消し、より高い耐食・耐摩耗性を
持つ自転車、原動機付き自転車および自動二輪車等用サ
スペンションフォークパイプを提供することを目的とす
る。
記従来の耐摩耗性硬質被膜を有するサスペンションフォ
ークパイプの問題を解消し、より高い耐食・耐摩耗性を
持つ自転車、原動機付き自転車および自動二輪車等用サ
スペンションフォークパイプを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のサスペンションフォークパイプは、表面に
密着してめっき法により形成した無電解Ni−Pからな
る第1層と、該第1層上にイオンプレーティング法によ
り被覆したTi、Zr、Hf、V、Nb、TaおよびC
r層からなる第2層と、さらに該第2層上にTi、Z
r、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる少な
くとも1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭窒
化物からなる第3層を有する点に特徴がある。
め、本発明のサスペンションフォークパイプは、表面に
密着してめっき法により形成した無電解Ni−Pからな
る第1層と、該第1層上にイオンプレーティング法によ
り被覆したTi、Zr、Hf、V、Nb、TaおよびC
r層からなる第2層と、さらに該第2層上にTi、Z
r、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる少な
くとも1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭窒
化物からなる第3層を有する点に特徴がある。
【0005】本発明に使用されるフォークパイプの材質
は、一般に使用されているSCM鋼などの肌焼鋼、焼入
鋼、窒化鋼等の鋼系金属材料で良い。本発明の無電解N
i−P層の形成には公知のめっき法をも使用することが
できる。また、本発明の第2層の金属層の形成、および
第3層の硬質被膜の形成には、公知のPVDやCVDを
使用することができる。またPVD法の一種であるイオ
ンプレーティング法は、第2層の金属層を形成するに当
たり有利な手法でもあり、イオンプレーティング法によ
る第2層の形成に続けて第3層の硬質被膜を形成するよ
うにしてももちろん差し支えない。
は、一般に使用されているSCM鋼などの肌焼鋼、焼入
鋼、窒化鋼等の鋼系金属材料で良い。本発明の無電解N
i−P層の形成には公知のめっき法をも使用することが
できる。また、本発明の第2層の金属層の形成、および
第3層の硬質被膜の形成には、公知のPVDやCVDを
使用することができる。またPVD法の一種であるイオ
ンプレーティング法は、第2層の金属層を形成するに当
たり有利な手法でもあり、イオンプレーティング法によ
る第2層の形成に続けて第3層の硬質被膜を形成するよ
うにしてももちろん差し支えない。
【0006】本発明において用いる第1層の被膜形成法
の無電解Ni−Pめっき法は公知のいずれの方法を用い
ても良く、例えば次のような方法を用いる。塩化ニッケ
ル30g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/l、ヒド
ロキシ酢酸ナトリウム50g/lを含む溶液中で温度9
0℃の条件で、2時間浸漬させ該表面に被膜を形成する
方法である。その後、342℃で2時間熱処理を施し、
Ni3 Pを折出させ表面を硬化させる。
の無電解Ni−Pめっき法は公知のいずれの方法を用い
ても良く、例えば次のような方法を用いる。塩化ニッケ
ル30g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/l、ヒド
ロキシ酢酸ナトリウム50g/lを含む溶液中で温度9
0℃の条件で、2時間浸漬させ該表面に被膜を形成する
方法である。その後、342℃で2時間熱処理を施し、
Ni3 Pを折出させ表面を硬化させる。
【0007】第1層のめっき被膜の厚さは10μm〜1
00μmが好ましく、通常30μm〜70μm形成すれ
ば良い。なお、上記めっき被膜を形成した後、表面の汚
れ、酸化被膜を除去し、かつ平滑性を出すためにバフ研
磨等を施し第2層、第3層の被膜形成を行う。
00μmが好ましく、通常30μm〜70μm形成すれ
ば良い。なお、上記めっき被膜を形成した後、表面の汚
れ、酸化被膜を除去し、かつ平滑性を出すためにバフ研
磨等を施し第2層、第3層の被膜形成を行う。
【0008】第2層、第3層の被膜形成に用いるイオン
プレーティング法は、一般に金属を蒸発させ、この蒸発
した金属をイオン化し、さらにイオン化した金属分子を
反応性ガス雰囲気下で電界により加速して、物品の表面
に付着固定させるものである。
プレーティング法は、一般に金属を蒸発させ、この蒸発
した金属をイオン化し、さらにイオン化した金属分子を
反応性ガス雰囲気下で電界により加速して、物品の表面
に付着固定させるものである。
【0009】金属を蒸発させるには、市販のイオンプレ
ーティング装置に備わった抵抗加熱や電子銃加熱などい
ずれを用いても良い。また、蒸発した金属のイオン化
は、公知のカソードアーク放電、グロー放電、高周波放
電、イオン化電極を用いる方法、ホロカソード法のいず
れでも良い。これらの中で、カソードアーク放電型のイ
オンプレーティング法は金属の蒸発とイオン化とを同時
に行う方式のものであり、他の方法に比べて金属のイオ
ン化効率が高く、かつ複数の金属源を同一の真空容器内
に配置できるため、本発明の様に金属膜を形成した後
で、異種の金属化合物の被膜を形成する場合などでは特
に推奨される。
ーティング装置に備わった抵抗加熱や電子銃加熱などい
ずれを用いても良い。また、蒸発した金属のイオン化
は、公知のカソードアーク放電、グロー放電、高周波放
電、イオン化電極を用いる方法、ホロカソード法のいず
れでも良い。これらの中で、カソードアーク放電型のイ
オンプレーティング法は金属の蒸発とイオン化とを同時
に行う方式のものであり、他の方法に比べて金属のイオ
ン化効率が高く、かつ複数の金属源を同一の真空容器内
に配置できるため、本発明の様に金属膜を形成した後
で、異種の金属化合物の被膜を形成する場合などでは特
に推奨される。
【0010】また、被膜の形成に先立って基盤の加熱を
行う際にイオン照射による加熱を採用する場合は金属イ
オンにて行い、イオン化した金属イオンを加速する電界
は電圧の値として500Vから2000Vが好ましく、
さらに好ましくは800Vから1500Vである。
行う際にイオン照射による加熱を採用する場合は金属イ
オンにて行い、イオン化した金属イオンを加速する電界
は電圧の値として500Vから2000Vが好ましく、
さらに好ましくは800Vから1500Vである。
【0011】金属被膜の第2層を形成する場合には、T
i、Zr、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれ
る少なくとも1種の金属を蒸発源に用い、金属の蒸発、
イオン化を真空下で行えば良い。金属層を形成する場合
でのイオン化した金属を加速する電界は電圧の値とし
て、0Vから500Vが好ましく、さらに好ましくは0
Vから200Vである。金属層の厚さは0.5μm〜2
μmが好ましく、通常約1μm形成すれば良い。
i、Zr、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれ
る少なくとも1種の金属を蒸発源に用い、金属の蒸発、
イオン化を真空下で行えば良い。金属層を形成する場合
でのイオン化した金属を加速する電界は電圧の値とし
て、0Vから500Vが好ましく、さらに好ましくは0
Vから200Vである。金属層の厚さは0.5μm〜2
μmが好ましく、通常約1μm形成すれば良い。
【0012】第3層の硬質被膜の作製には、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる少な
くとも1種の金属を蒸発源に用い、反応性ガスとしてN
2 、NH3 、炭化水素類または窒素を含んだ有機化合
物、例えば(CH3 )3 Nなどが使用できる。反応性ガ
スの圧力は、用いるガスの種類により異なるが、一般に
10-3〜10-1Torrの範囲内で適宜選択すれば良
い。第3層の硬質被膜を形成する場合でのイオン化した
金属を加速する電圧の値として、50Vから700Vが
好ましく、さらに好ましくは100Vから500Vであ
る。第3層の硬質被膜の厚さは2〜5μmが好ましく、
通常3μm形成すれば良い。
r、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる少な
くとも1種の金属を蒸発源に用い、反応性ガスとしてN
2 、NH3 、炭化水素類または窒素を含んだ有機化合
物、例えば(CH3 )3 Nなどが使用できる。反応性ガ
スの圧力は、用いるガスの種類により異なるが、一般に
10-3〜10-1Torrの範囲内で適宜選択すれば良
い。第3層の硬質被膜を形成する場合でのイオン化した
金属を加速する電圧の値として、50Vから700Vが
好ましく、さらに好ましくは100Vから500Vであ
る。第3層の硬質被膜の厚さは2〜5μmが好ましく、
通常3μm形成すれば良い。
【0013】
【作用】本発明記載の3層膜にした場合に耐食性および
耐摩耗性に優れた被膜が得られる理由は、次の通りであ
る。まず第1層に無電解Ni−Pめっきを施した場合、
第2層を被覆する前に行う研磨のため、直接第3層の硬
質被膜をイオンプレーティング法により被覆すると、処
理時の熱履歴により研磨時に残留していた歪みが解放さ
れ、耐摩耗性等の機械的特性に対し有害な膜剥離を引き
起こす。しかし、第2層として金属層を挿入すると、こ
の層が緩衝層の役割を果たし、剥離を防ぐものと考えら
れる。特に硬質化のため熱処理を施す無電解Ni−Pめ
っきの場合、めっき被膜中に蓄積される歪み量は大き
く、金属層の挿入による緩和効果は絶大である。
耐摩耗性に優れた被膜が得られる理由は、次の通りであ
る。まず第1層に無電解Ni−Pめっきを施した場合、
第2層を被覆する前に行う研磨のため、直接第3層の硬
質被膜をイオンプレーティング法により被覆すると、処
理時の熱履歴により研磨時に残留していた歪みが解放さ
れ、耐摩耗性等の機械的特性に対し有害な膜剥離を引き
起こす。しかし、第2層として金属層を挿入すると、こ
の層が緩衝層の役割を果たし、剥離を防ぐものと考えら
れる。特に硬質化のため熱処理を施す無電解Ni−Pめ
っきの場合、めっき被膜中に蓄積される歪み量は大き
く、金属層の挿入による緩和効果は絶大である。
【0014】
(実施例1)大きさ20mmφ×200mmのSCM4
35鋼のフォークパイプを基材とし、第1層として無電
解Ni−Pめっきを施した。パイプ表面をバフ研磨した
後、電解脱脂を行い水洗し、表面の汚れを除去し、かつ
水ぬれを良くした後に、塩化ニッケル30g/l、次亜
リン酸ナトリウム10g/l、ヒドロキシ酢酸ナトリウ
ム50g/lを含む溶液中で温度90℃の条件で、2時
間浸漬させ基材表面にNi−Pめっき被膜を形成した。
その後、342℃で2時間熱処理を施し、Ni3 Pを析
出させ表面を硬化させた。次にめっき表面の汚れおよび
酸化物等を除去するため、バフ研磨を行い基材表面を平
滑にし、その後エタノール中で超音波洗浄を行った。第
2層および第3層は、Tiカソードを備えたカソードア
ーク方式のイオンプレーティング装置を用いて本発明の
被膜構造を形成した。装置反応容器内の所定位置に基材
をセットした後、反応容器内を10-5Torrまで排気
した。次に基材に1000Vのバイアス電圧を印加し、
Tiカソードよりアーク放電を生起させた。この時のア
ーク放電電流は60Aであった。赤外放射温度計により
基材表面温度を監視しながら、アーク放電を3分間続
け、Tiを蒸発、イオン化させ、基材表面のスパッタク
リーニングを行った。アーク放電中最大300℃まで基
材表面温度の上昇が認められた。さらに、バイアス電圧
を50Vまで下げて、20分間基材上に第2層であるT
i層を形成した。次に、Tiカソードへの電圧印加を一
旦停止し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧
力が3×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しな
がら基材に300Vのバイアス電圧を印加し、再びTi
カソードよりアーク放電を生起させた。この時のアーク
放電電流は70Aであった。アーク放電は1時間続け
た。これによりTi層の上にさらにTiNの第3層が形
成された。形成された被膜の無電解Ni−Pめっきの第
1層、イオンプレーティングによるTiの第2層および
TiAlNの第3層の厚みをボールクレーター法によっ
て測定したところ、それぞれ32μm、1.1μm、
3.4μmであった。基材の被膜形成面のビッカース硬
度Hv(荷重50g)は1805〜1912で十分な硬
度を有していた。また、めっき層と第2層、第3層との
密着性も良好であった。次に、被膜を形成した基材被膜
形成面以外はエポキシ系樹脂でマスキングし、塩水噴霧
試験(JIS−Z−2371)を行った結果、腐食部分
は確認されなかった。さらに、作製したフォークパイプ
をシリンダーとしたサスペンションに組み込み、1,0
00時間のベンチスタンダード耐久試験を行った。その
結果、シール部からのオイル漏れ等は見られず、良好な
特性を示した。
35鋼のフォークパイプを基材とし、第1層として無電
解Ni−Pめっきを施した。パイプ表面をバフ研磨した
後、電解脱脂を行い水洗し、表面の汚れを除去し、かつ
水ぬれを良くした後に、塩化ニッケル30g/l、次亜
リン酸ナトリウム10g/l、ヒドロキシ酢酸ナトリウ
ム50g/lを含む溶液中で温度90℃の条件で、2時
間浸漬させ基材表面にNi−Pめっき被膜を形成した。
その後、342℃で2時間熱処理を施し、Ni3 Pを析
出させ表面を硬化させた。次にめっき表面の汚れおよび
酸化物等を除去するため、バフ研磨を行い基材表面を平
滑にし、その後エタノール中で超音波洗浄を行った。第
2層および第3層は、Tiカソードを備えたカソードア
ーク方式のイオンプレーティング装置を用いて本発明の
被膜構造を形成した。装置反応容器内の所定位置に基材
をセットした後、反応容器内を10-5Torrまで排気
した。次に基材に1000Vのバイアス電圧を印加し、
Tiカソードよりアーク放電を生起させた。この時のア
ーク放電電流は60Aであった。赤外放射温度計により
基材表面温度を監視しながら、アーク放電を3分間続
け、Tiを蒸発、イオン化させ、基材表面のスパッタク
リーニングを行った。アーク放電中最大300℃まで基
材表面温度の上昇が認められた。さらに、バイアス電圧
を50Vまで下げて、20分間基材上に第2層であるT
i層を形成した。次に、Tiカソードへの電圧印加を一
旦停止し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧
力が3×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しな
がら基材に300Vのバイアス電圧を印加し、再びTi
カソードよりアーク放電を生起させた。この時のアーク
放電電流は70Aであった。アーク放電は1時間続け
た。これによりTi層の上にさらにTiNの第3層が形
成された。形成された被膜の無電解Ni−Pめっきの第
1層、イオンプレーティングによるTiの第2層および
TiAlNの第3層の厚みをボールクレーター法によっ
て測定したところ、それぞれ32μm、1.1μm、
3.4μmであった。基材の被膜形成面のビッカース硬
度Hv(荷重50g)は1805〜1912で十分な硬
度を有していた。また、めっき層と第2層、第3層との
密着性も良好であった。次に、被膜を形成した基材被膜
形成面以外はエポキシ系樹脂でマスキングし、塩水噴霧
試験(JIS−Z−2371)を行った結果、腐食部分
は確認されなかった。さらに、作製したフォークパイプ
をシリンダーとしたサスペンションに組み込み、1,0
00時間のベンチスタンダード耐久試験を行った。その
結果、シール部からのオイル漏れ等は見られず、良好な
特性を示した。
【0015】(実施例2)実施例1と同様の方法で無電
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、同様の手順で
Ti層を形成した後、窒素ガス共にアセチレンガスおよ
び少量のアルゴンガスを流しながら、Ti層の上にさら
にTiCN層の第3層を形成した。次に実施例1と同様
の試験を行った。形成された被膜の第1層、イオンプレ
ーティングによる第2層および第3層の厚みをボールク
レーター法によって測定したところ、それぞれ41μ
m、1.3μm、2.5μmであった。基材の被膜形成
面のビッカース硬度Hv(荷重50g)は2236〜2
492で十分な硬度を有していた。また、めっき層と第
2層、第3層との密着性も良好であった。次に、被膜を
形成した基材被膜形成面以外はエポキシ系樹脂でマスキ
ングし、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を行っ
た結果、腐食部分は確認されなかった。さらに、作製し
たフォークパイプをシリンダーとしたサスペンションに
組み込み、1,000時間のベンチスタンダード耐久試
験を行った。その結果、シール部からのオイル漏れ等は
見られず、良好な特性を示した。
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、同様の手順で
Ti層を形成した後、窒素ガス共にアセチレンガスおよ
び少量のアルゴンガスを流しながら、Ti層の上にさら
にTiCN層の第3層を形成した。次に実施例1と同様
の試験を行った。形成された被膜の第1層、イオンプレ
ーティングによる第2層および第3層の厚みをボールク
レーター法によって測定したところ、それぞれ41μ
m、1.3μm、2.5μmであった。基材の被膜形成
面のビッカース硬度Hv(荷重50g)は2236〜2
492で十分な硬度を有していた。また、めっき層と第
2層、第3層との密着性も良好であった。次に、被膜を
形成した基材被膜形成面以外はエポキシ系樹脂でマスキ
ングし、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を行っ
た結果、腐食部分は確認されなかった。さらに、作製し
たフォークパイプをシリンダーとしたサスペンションに
組み込み、1,000時間のベンチスタンダード耐久試
験を行った。その結果、シール部からのオイル漏れ等は
見られず、良好な特性を示した。
【0016】(実施例3)実施例1と同様の方法で無電
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、Tiカソード
の代わりにZrカソードを用いて同様の手順でZr層を
形成した後、Zr層の上にさらにZrN層の第3層を形
成した。次に実施例1と同様の試験を行った。形成され
た被膜の第1層、イオンプレーティングによる第2層お
よび第3層の厚みをボールクレーター法によって測定し
たところ、それぞれ36μm、1.1μm、3.1μm
であった。基材の被膜形成面のビッカース硬度Hv(荷
重50g)は1765〜1890で十分な硬度を有して
いた。また、めっき層と第2層、第3層との密着性も良
好であった。次に、被膜を形成した基材被膜形成面以外
はエポキシ系樹脂でマスキングし、塩水噴霧試験(JI
S−Z−2371)を行った結果、腐食部分は確認され
なかった。さらに、作製したフォークパイプをシリンダ
ーとしたサスペンションに組み込み、1,000時間の
ベンチスタンダード耐久試験を行った。その結果、シー
ル部からのオイル漏れ等は見られず、良好な特性を示し
た。
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、Tiカソード
の代わりにZrカソードを用いて同様の手順でZr層を
形成した後、Zr層の上にさらにZrN層の第3層を形
成した。次に実施例1と同様の試験を行った。形成され
た被膜の第1層、イオンプレーティングによる第2層お
よび第3層の厚みをボールクレーター法によって測定し
たところ、それぞれ36μm、1.1μm、3.1μm
であった。基材の被膜形成面のビッカース硬度Hv(荷
重50g)は1765〜1890で十分な硬度を有して
いた。また、めっき層と第2層、第3層との密着性も良
好であった。次に、被膜を形成した基材被膜形成面以外
はエポキシ系樹脂でマスキングし、塩水噴霧試験(JI
S−Z−2371)を行った結果、腐食部分は確認され
なかった。さらに、作製したフォークパイプをシリンダ
ーとしたサスペンションに組み込み、1,000時間の
ベンチスタンダード耐久試験を行った。その結果、シー
ル部からのオイル漏れ等は見られず、良好な特性を示し
た。
【0017】(実施例4)実施例1と同様の方法で無電
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、同様の手順で
Ti層を形成した後、アセチレンガスおよび少量のアル
ゴンガスを流しながら、Ti層の上にさらにTiC層の
第3層を形成した。次に実施例1と同様の試験を行っ
た。形成された被膜の第1層、イオンプレーティングに
よる第2層および第3層の厚みをボールクレーター法に
よって測定したところ、それぞれ32μm、1.4μ
m、2.8μmであった。基材の被膜形成面のビッカー
ス硬度Hv(荷重50g)は2540〜2790で十分
な硬度を有していた。また、めっき層と第2層、第3層
との密着性も良好であった。次に、被膜を形成した基材
被膜形成面以外はエポキシ系樹脂でマスキングし、塩水
噴霧試験(JIS−Z−2371)を行った結果、腐食
部分は確認されなかった。さらに、作製したフォークパ
イプをシリンダーとしたサスペンションに組み込み、
1,000時間のベンチスタンダード耐久試験を行っ
た。その結果、シール部からのオイル漏れ等は見られ
ず、良好な特性を示した。
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、同様の手順で
Ti層を形成した後、アセチレンガスおよび少量のアル
ゴンガスを流しながら、Ti層の上にさらにTiC層の
第3層を形成した。次に実施例1と同様の試験を行っ
た。形成された被膜の第1層、イオンプレーティングに
よる第2層および第3層の厚みをボールクレーター法に
よって測定したところ、それぞれ32μm、1.4μ
m、2.8μmであった。基材の被膜形成面のビッカー
ス硬度Hv(荷重50g)は2540〜2790で十分
な硬度を有していた。また、めっき層と第2層、第3層
との密着性も良好であった。次に、被膜を形成した基材
被膜形成面以外はエポキシ系樹脂でマスキングし、塩水
噴霧試験(JIS−Z−2371)を行った結果、腐食
部分は確認されなかった。さらに、作製したフォークパ
イプをシリンダーとしたサスペンションに組み込み、
1,000時間のベンチスタンダード耐久試験を行っ
た。その結果、シール部からのオイル漏れ等は見られ
ず、良好な特性を示した。
【0018】(比較例1)実施例1と同様の方法で無電
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、直接TiAl
N被膜を形成した。その結果、フォークパイプのパイプ
の表面には、微小な剥離箇所が観察された。
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、直接TiAl
N被膜を形成した。その結果、フォークパイプのパイプ
の表面には、微小な剥離箇所が観察された。
【0019】(比較例2)実施例1と同様の方法で無電
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、実施例1と同
様の試験を行った。得られた被膜の厚みは42μmであ
った。ビッカース硬度Hvは927〜1084で、塩酸
噴霧試験で腐食部分は認められなかった。しかし、耐久
試験では、600時間を経過した時点で摺動による磨滅
から、オイル漏れを生じた。
解Ni−Pめっきを施し、表面を研磨後、実施例1と同
様の試験を行った。得られた被膜の厚みは42μmであ
った。ビッカース硬度Hvは927〜1084で、塩酸
噴霧試験で腐食部分は認められなかった。しかし、耐久
試験では、600時間を経過した時点で摺動による磨滅
から、オイル漏れを生じた。
【0020】
【発明の効果】本発明の被膜構造によれば、めっきの第
1層によりフォークパイプの耐食性が向上し、さらに金
属層および第3層硬質被膜との積層により機械的特性が
向上する。本発明での第1層と第3層との密着性は、第
2層である金属層の存在により非常に良好であり、耐食
性と耐久性に優れた機械特性とを合わせ持つ極めて実用
的効果を有する自転車、原動機付き自転車および自動二
輪車等用のサスペンションのフォークパイプを得ること
ができる。
1層によりフォークパイプの耐食性が向上し、さらに金
属層および第3層硬質被膜との積層により機械的特性が
向上する。本発明での第1層と第3層との密着性は、第
2層である金属層の存在により非常に良好であり、耐食
性と耐久性に優れた機械特性とを合わせ持つ極めて実用
的効果を有する自転車、原動機付き自転車および自動二
輪車等用のサスペンションのフォークパイプを得ること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 サスペンションフォークパイプの表面に
密着してめっき法により形成した無電解Ni−Pからな
る第1層と、該第1層上にイオンプレーティング法によ
り被覆したTi、Zr、Hf、V、Nb、TaおよびC
r層からなる第2層と、さらに該第2層上にTi、Z
r、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる少な
くとも1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭窒
化物からなる第3層を有することを特徴とするサスペン
ションフォークパイプ。 - 【請求項2】 第1層の無電解Ni−P層の厚さが10
μm〜100μmであることを特徴とする請求項1記載
のサスペンションフォークパイプ。 - 【請求項3】 第2層の厚さが0.5μm〜2μmであ
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のサス
ペンションフォークパイプ。 - 【請求項4】 第3層の厚さが2μm〜5μmであるこ
とを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載
のサスペンションフォークパイプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11658393A JPH06306641A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | サスペンションフォークパイプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11658393A JPH06306641A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | サスペンションフォークパイプ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06306641A true JPH06306641A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14690728
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11658393A Pending JPH06306641A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | サスペンションフォークパイプ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06306641A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1533397A3 (de) * | 2003-11-21 | 2005-06-29 | Enthone Inc. | Verfahren zur Abscheidung von nickel- und chrom(VI)-freien, metallischen Mattschichten |
| CN100460271C (zh) * | 2006-02-17 | 2009-02-11 | 明安国际企业股份有限公司 | 自行车车架及其表面彩衣涂装方法 |
-
1993
- 1993-04-21 JP JP11658393A patent/JPH06306641A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1533397A3 (de) * | 2003-11-21 | 2005-06-29 | Enthone Inc. | Verfahren zur Abscheidung von nickel- und chrom(VI)-freien, metallischen Mattschichten |
| KR100734969B1 (ko) * | 2003-11-21 | 2007-07-03 | 엔쏜 인코포레이티드 | 니켈 및 크롬(vi)이 없는 금속 무광택층의 형성 방법 |
| CN100460271C (zh) * | 2006-02-17 | 2009-02-11 | 明安国际企业股份有限公司 | 自行车车架及其表面彩衣涂装方法 |
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