JPH06307291A - 水素エンジンの水素燃料供給装置 - Google Patents

水素エンジンの水素燃料供給装置

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JPH06307291A
JPH06307291A JP5102720A JP10272093A JPH06307291A JP H06307291 A JPH06307291 A JP H06307291A JP 5102720 A JP5102720 A JP 5102720A JP 10272093 A JP10272093 A JP 10272093A JP H06307291 A JPH06307291 A JP H06307291A
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賢治 森本
Michihiro Imada
道宏 今田
Keishin Morimasa
敬信 森政
Kiyotaka Mamiya
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    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素吸着合金の水素放出圧力を精度良くしか
も応答性良く調整しもってエンジンへの水素供給量を常
時適正に維持する。 【構成】 水素吸蔵タンク10内の水素吸着合金におけ
る吸着水素量が、該吸着水素量の変化にかかわらず水素
放出圧力が略一定に保持される領域にある状態において
は少なくとも上記水素吸蔵タンク10への上記熱媒の流
通量を調整することで該水素吸蔵タンクの内圧を調整す
るようにする。かかる構成とすることで、少なくとも上
記水素吸蔵タンクへの上記熱媒の流通量を調整して水素
放出圧力を調整する場合、熱媒の流通量の調整による水
素吸着合金の温度変化は比較的緩やかであることから、
吸着水素量の変化に対する水素放出圧力の変化割合が少
ない状態下にあっては、水素放出圧力をより精度良く制
御することが可能となるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、水素エンジンの水素
燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用エンジンにおいては、排
気ガスに含まれるHC,NOx等の有害物質による環境汚
染を防止するという観点から、かかる有害物質の排出の
おそれの無い水素ガスを燃料として使用する水素エンジ
ンの開発が進められている。そして、このような水素エ
ンジンにおいては、水素ガスの貯溜手段として、水素を
吸着収蔵する能力をもち且つ所定温度以上に加熱される
ことでこの吸着した水素を水素ガスとして放出する性質
を有する水素吸着合金を収容してなる水素吸蔵タンクが
用いられる。
【0003】ここで、この水素吸着合金の性質を図4を
参照して簡単に説明すると、この水素吸着合金の吸着水
素量と水素放出圧力(即ち、水素解離圧)との関係をみた
場合、次の二つのことが言える。
【0004】第1は、特性図L1〜L3で示すように、水
素放出圧力は吸着水素量の全範囲において水素吸着合金
の温度に支配され、該水素吸着合金の温度が高くなるほ
ど水素放出圧力が上昇するものである。尚、特性図L1
は水素吸着合金の温度TがT1の場合、特性図L2は水素
吸着合金の温度TがT2の場合、さらに特性図L3は水素
吸着合金の温度TがT3の場合であって、これら各温度
1〜T3は、T1<T2<T3の関係にある。従って、水素
ガスを多量に放出させるには、同じ吸着水素量であって
も水素吸着合金の温度を高くすればするほど多量の水素
ガスを放出させることができると言える。
【0005】第2に、水素吸着合金における吸着水素量
からみた場合、各特性図L1〜L3の変化状態から判るよ
うに、吸着水素量がC1〜C2の中間領域(即ち、水素吸
蔵タンク内に水素が十分に残存している領域であり、以
下においてはこの領域をM領域と略称する)においては
吸着水素量の変化にかかわらず水素放出圧力がほぼ一定
に推移するが、吸着水素量C1以下の極少領域(即ち、水
素吸蔵タンク内の水素残量が極めて少なくなった領域で
あり、以下においてはこれをE領域と略称する)におい
ては吸着水素量の減少変化に伴って水素放出圧力が急激
に低下し、さらに吸着水素量C2以上の極多領域(即ち、
水素吸蔵タンク内の水素残量が極めて多く満杯状態の領
域であり、以下においてはこれをF領域と略称する)に
おいては吸着水素量の増加変化に伴って水素放出圧力が
急激に上昇するものである。即ち、水素放出圧力は、例
え水素吸着合金の温度が同じであっても一定で推移する
のではなく、吸着水素量の変化に応じて変化するもので
あると言える。
【0006】一方、水素吸着合金から放出される水素ガ
スをエンジンの燃料として使用する水素エンジンにおい
ては、一般に該水素ガスをインジェクタ−により直接筒
内に噴射する供給形態を採用する。従って、かかる供給
形態を採用するに当たっては、上述の如き水素吸着合金
の性質を十分に考慮した上で、以下の諸点に留意するこ
とが必要となる。即ち、(イ) 水素ガスの供給性あるい
はエンジンの燃焼性という観点から、水素吸着合金の温
度によって水素放出圧力が大きく変化するのを極力避け
てできるだけ一定の圧力でエンジンに水素ガスを供給し
得るようにすること、(ロ) 特にE領域においては、吸
着水素量の減少に伴って水素放出圧力が急激に落ち込む
と例え水素ガスは放出されてもこれをエンジンの筒内に
噴射することができなくなるので、このE領域において
は特に水素放出圧力を筒内噴射が可能な下限値以上の圧
力に維持し得るようにすること、(ハ) また、F領域に
おいては、吸着水素量の増加に伴って水素放出圧力が急
激に上昇することから、この水素放出圧力が過大となる
と水素吸蔵タンクそのものの信頼性に問題が生じるた
め、水素放出圧力を水素吸蔵タンクの信頼性上から設定
される上限値以下に維持し得るようにすること、等が必
要となる。
【0007】以上の観点から、従来一般には、図4に示
すように、水素ガスの筒内噴射が可能な水素放出圧力の
下限値Paと、水素吸蔵タンクの信頼性が確保される水
素放出圧力の上限値Pbとをそれぞれ設定し、全吸着水
素量領域において水素放出圧力を上記下限値Paと上限
値Pbの範囲内に位置せしめるべく水素放出圧力の調整
制御を行うことが試みられている。
【0008】例えば、特開昭53ー118607号公報
(第1の公知例)には、水素吸着合金をエンジン排熱によ
って加熱する水素エンジンにおいて、水素吸着合金から
放出される水素ガスの水素放出圧力を検出し、これを排
熱供給量制御にフィードバックすることで水素放出圧力
を所定範囲に収めるものが開示されている。
【0009】また、特開平2ー218812号公報(第
2の公知例)には、水素吸着合金をエンジン冷却水の熱
量によって加熱するもので、補助的なヒータを備え、冷
却水温度が低くて十分な水素ガス発生量が得られない場
合には、上記ヒータによって冷却水を加熱することで所
要の水素ガス発生量を確保するようにしたものが開示さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記第1の
公知例の如く、水素吸着合金からの水素放出圧力を排熱
供給量の調整により制御する場合には、排熱供給量の増
減変化に対する水素吸着合金の温度変化が少ないため、
例えば図4のM領域の如く水素吸着合金の変化に対して
ほとんど水素放出圧力が変化しないような領域において
は精度の良い圧力調整が行えるものの、同図のE領域あ
るいはF領域の如く吸着水素量の変化に対する水素放出
圧力の変化割合が極めて大きな領域においては圧力調整
作用が緩慢となり応答性の良い制御が行えないという問
題がある。
【0011】一方、上記第2の公知例の如く水素放出圧
力の調整を水素吸着合金の加熱媒体となるエンジン冷却
水の温度の調整により行うものにおいては、該冷却水の
温度変化が直接的に水素吸着合金の温度変化として反映
されることから、図4のE領域あるいはF領域の如き領
域においては応答性の良い水素放出圧力の調整制御が可
能となる反面、図4のM領域の如き領域においては精度
の良い圧力調整ができにくいという問題がある。
【0012】そこで本願発明は、水素吸着合金の水素放
出圧力を精度良くしかも応答性良く調整しもってエンジ
ンへの水素供給量を常時適正に維持し得るようにした水
素エンジンの水素燃料供給装置を提供せんとしてなされ
たものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、所定温度に加熱されることで吸着している水素
を水素ガスとして放出する水素吸着合金を内蔵した水素
吸蔵タンクを備え、該水素吸蔵タンクから供給される水
素ガスを燃料としてエンジンに供給するとともに、該水
素吸蔵タンクにエンジン冷却用熱媒を流通させ該熱媒に
より上記水素吸着合金を加熱して水素ガスを放出させる
ようにした水素エンジンの水素燃料供給装置において、
上記水素吸蔵タンク内の水素吸着合金における吸着水素
量が、該吸着水素量の変化にかかわらず水素放出圧力が
略一定に保持される領域にある状態においては少なくと
も上記水素吸蔵タンクへの上記熱媒の流通量を調整する
ことで該水素吸蔵タンクの内圧を調整するようにしたこ
とを特徴としている。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
水素エンジンの水素燃料供給装置において、水素吸蔵タ
ンクの内圧と予じめ設定した目標圧との偏差が所定値以
下の領域においては上記水素吸蔵タンクに流通せしめら
れる上記熱媒の流通量の調整により、また上記偏差が上
記所定値以上の場合には少なくとも上記熱媒の温度の調
整により、上記水素吸蔵タンクの内圧を調整するように
したことを特徴としている。
【0015】請求項3記載の発明では、請求項1または
請求項2記載の水素エンジンの水素燃料供給装置におい
て、上記水素吸蔵タンクの内圧を上昇方向に調整する場
合には上記熱媒の流通量を増加制御し、降下方向に調整
する場合には上記熱媒の流通量を減少制御することを特
徴としている。
【0016】請求項4記載の発明では、所定温度に加熱
されることで吸着している水素を水素ガスとして放出す
る水素吸着合金を内蔵した水素吸蔵タンクを備え、該水
素吸蔵タンクから供給される水素ガスを燃料としてエン
ジンに供給するとともに、該水素吸蔵タンクにエンジン
冷却用熱媒を流通させ該熱媒により上記水素吸着合金を
加熱して水素ガスを放出させるようにした水素エンジン
の水素燃料供給装置において、上記水素吸蔵タンク内の
水素吸着合金における吸着水素量が、該吸着水素量の変
化に伴って水素放出圧力が急激に変化する領域にある状
態においては上記水素吸蔵タンクに流通する上記熱媒の
温度を調整することで該水素吸蔵タンクの内圧を調整す
るようにしたことを特徴としている。
【0017】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
水素エンジンの水素燃料供給装置において、水素放出圧
力が吸着水素量の減少変化に伴って急減する領域では上
記熱媒温度を上昇制御して水素吸蔵タンクの内圧を所定
の下限値以上に維持せしめることを特徴としている。
【0018】
【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによって
それぞれ次のような作用が得られる。
【0019】 請求項1記載の発明では、水素吸蔵タ
ンク内の水素吸着合金における吸着水素量が、該吸着水
素量の変化にかかわらず水素放出圧力が略一定に保持さ
れる領域にある状態においては、少なくとも上記水素吸
蔵タンクへの上記熱媒の流通量を調整することで該水素
吸蔵タンクの内圧、即ち、水素放出圧力が調整される
が、この場合、熱媒の流通量の調整による水素吸着合金
の温度変化は比較的緩やかであることから、吸着水素量
の変化に対する水素放出圧力の変化割合が少ない状態下
にあっては、水素放出圧力をより精度良く制御すること
が可能となるものである。
【0020】 請求項2記載の発明では、水素吸蔵タ
ンク内の水素吸着合金における吸着水素量が、該吸着水
素量の変化にかかわらず水素放出圧力が略一定に保持さ
れる領域にある状態であっても、特に水素吸蔵タンクの
内圧と予じめ設定した目標圧との偏差が所定値以下の領
域においては上記水素吸蔵タンクに流通せしめられる熱
媒の流通量の調整により水素放出圧力が調整され、また
上記偏差が上記所定値以上の場合には少なくとも上記熱
媒の温度の調整により水素放出圧力が調整されるので、
前者の領域においては熱媒流通量による水素吸着合金温
度の調整により水素放出圧力をより精度良く制御するこ
とが可能ならしめられ、また後者の領域においては水素
吸着合金の温度変化に直接的に反映される熱媒温度によ
り該水素吸着合金温度を調整することで応答性の良い水
素放出圧力制御が可能となり、結果的に上記に記載の
場合よりもさらに信頼性の高い水素放出圧力制御が実現
されるものである。
【0021】 請求項3記載の発明では、上記また
は記載の作用に加えて、特に水素吸着合金の温度を熱
媒の流通量の調整により制御する場合には、該熱媒の流
通量を増加制御することで水素放出圧力が上昇方向に調
整され、また熱媒の流通量を減少制御することで水素放
出圧力が降下方向に調整されるものである。
【0022】 請求項4記載の発明では、水素吸蔵タ
ンク内の水素吸着合金における吸着水素量が、該吸着水
素量の変化に伴って水素放出圧力が急激に変化する領域
にある状態においては水素吸蔵タンクに流通する上記熱
媒の温度を調整することで水素放出圧力が調整される
が、この場合、熱媒の温度変化はこれにより加熱される
水素吸着合金の温度に直接的に反映されることから、該
水素吸着合金の温度がより迅速に調整され、より応答性
の高い水素放出圧力制御が実現されるものである。
【0023】 請求項5記載の発明では、水素放出圧
力が吸着水素量の減少変化に伴って急減する領域では熱
媒温度を上昇制御することで水素放出圧力がより迅速に
所定の下限値以上に維持せしめられることから、吸着水
素量そのものが少ない状態下においてもインジェクタ−
による水素ガスの筒内への供給が確実に実現されるもの
である。
【0024】
【発明の効果】従って、本願各発明の水素エンジンの水
素燃料供給装置によればそれぞれ次のような効果が得ら
れる。
【0025】(a) 請求項1〜3記載の水素エンジンの
水素燃料供給装置によれば、全吸着水素量範囲において
精度良く且つ高い応答性で水素放出圧力を適正状態に調
整することができることから、水素ガスのエンジンへの
供給状態が常時良好に維持され、運転上の信頼性が高い
水素エンジンを提供できるという効果が得られるもので
ある。
【0026】特に、請求項2記載の水素エンジンの水素
燃料供給装置によれば、上記の効果に加えて、水素放出
圧力(即ち、エンジンへの水素供給量)のフィードバック
制御が可能となることから、さらに精度の良い水素放出
圧力制御が実現されるものである。
【0027】(b) 請求項4及び5記載の水素エンジン
の水素燃料供給装置によれば、熱媒の温度調整によって
水素放出圧力を調整することでより応答性の高い水素放
出圧力制御が実現されエンジンへの安定的な水素供給が
可能となることから、運転上の信頼性の高い水素エンジ
ンが提供できるものである。また、特に請求項5記載の
発明の如く水素放出圧力を所定の下限値以上に維持して
インジェクタ−による水素ガスの筒内への供給を確実な
らしめるようにした場合には、運転上の高い信頼性が得
られることに加えて、航続距離の長大化が図れることか
ら、水素エンジンを備えた自動車の実用化に多大な貢献
を果たすことができるものである。
【0028】
【実施例】以下、本願発明の水素エンジンの水素燃料供
給装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0029】図1には、本願各発明の実施例にかかる水
素エンジンの水素燃料供給装置の全体システム図が示さ
れており、同図において符号1はエンジン、2はラジエ
ータであり、該エンジン1とラジエータ2とは、冷却水
戻り路4と、冷却水ポンプ15を備えた冷却水供給路5
と、サーモスタット7を介し上記冷却水戻り路4と冷却
水供給路5とを接続するバイパス路6とからなるエンジ
ン冷却水系3により接続されている。
【0030】また、図1において符号10は、その内部
に水素吸着合金(図示省略)を収容した水素吸蔵タンクで
あり、該水素吸蔵タンク10内の水素吸着合金から放出
される水素ガスを水素燃料供給路8を介して上記エンジ
ン1に供給しこれを燃料として該エンジン1が運転され
る。尚、このエンジン1には、図示しないが、この水素
ガス供給系とは別にガソリン等の液体燃料の供給系が設
けられており、必要に応じて水素ガスを燃料とした運転
とガソリン等を燃料とした運転との二つの運転形態とに
切り替えることができるようになっている。
【0031】また、この水素吸蔵タンク10内の水素吸
着合金は、冷態時にその内部に吸着貯蔵した水素をこれ
が加熱されることで水素ガスとして順次放出するもので
あり、この実施例においてはこの水素吸着合金の加熱熱
源としてエンジン冷却水を利用するようにしている(こ
の冷却水は特許請求の範囲中の熱媒に該当するものであ
るが、本願発明の他の実施例においてはこの熱媒として
エンジン冷却水の他に例えばエンジン潤滑オイル等をも
使用できるものである)。これを実現するためこの実施
例においては、上記エンジン1と水素吸蔵タンク10と
の間に後述する熱媒循環系20を設けている。
【0032】熱媒循環系20は、一端が上記水素吸蔵タ
ンク10の熱媒入口10aに接続されるとともに他端が
熱媒ポンプ11に接続された熱媒供給路21と、一端が
水素吸蔵タンク10の熱媒出口10bに接続されるとと
もに他端が上記冷却水供給路5の冷却水ポンプ15の上
流側に接続された熱媒排出路22と、一端が上記冷却水
戻り路4に接続されるとともに他端がサーモバルブ12
の一方の導入口に接続された温水供給路23と、一端が
上記熱媒排出路22に接続されるとともに他端が上記サ
ーモバルブ12の他方の導入口に接続された冷水供給路
24と、一端が該サーモバルブ12の吐出口に接続され
るとともに他端が上記熱媒ポンプ11の吸入口に接続さ
れた熱媒吸込路27と、上記サーモバルブ12をバイパ
スして上記温水供給路23と熱媒吸込路27とを接続す
るとともにその通路途中に温水側制御弁13が設けられ
た温水分岐路25と、上記サーモバルブ12をバイパス
して上記熱媒排出路22と熱媒吸込路27とを接続する
とともにその通路途中に冷水側制御弁14が設けられた
冷水分岐路26とで構成されている。
【0033】尚、上記サーモバルブ12は、温水供給路
23を介して供給される高温の冷却水(以下、温水と略
称する)と冷水供給路24を介して供給される水素吸蔵
タンク10からの戻り冷却水(以下、冷水と略称する)と
を所定割合で混合することで常時一定水温の冷却水を上
記熱媒ポンプ11を介して水素吸蔵タンク10に供給す
るものである。また、上記温水側制御弁13と冷水側制
御弁14は、上記サーモバルブ12からの一定水温の冷
却水に対して、温水あるいは冷水を追加供給することで
その冷却水温度を増減させるものであって、後述のコン
トロールユニット9からの制御信号により開閉制御され
る。さらに、上記熱媒ポンプ11は、吐出量可変ポンプ
で構成され、後述のコントロールユニット9から出力さ
れる制御信号によりその供給電流値が可変制御されるも
のである。
【0034】このように構成された熱媒循環系20を循
環する冷却水により上記水素吸蔵タンク10内の水素吸
着合金を加熱して水素を放出させるが、その場合、水素
吸蔵タンク10側に供給される冷却水の供給量あるいは
供給水温を適宜に調整することで水素放出圧力を常時適
正値に維持するようになっている。即ち、冷却水供給量
による制御は、上記熱媒ポンプ11への供給電流値を増
減制御することで、水素吸蔵タンク10への冷却水供給
量を増減させてその供給熱量を調整しもって水素吸着合
金の温度調整を行うものである。一方、冷却水の温度に
よる制御は、上記温水側制御弁13と冷水側制御弁14
の開度を調整することで冷却水そのものの温度を増減制
御しもって水素吸着合金の温度調整を行うものである。
そして、このような水素放出圧力の調整制御を行うため
に、上記水素吸蔵タンク10には水素吸着合金の温度を
検出する温度センサ18を、また上記水素燃料供給路8
には水素放出圧力を検出する水素放出圧力センサ19を
それぞれ配置し、これらの各センサの検出信号を上記コ
ントロールユニット9に入力するようにしている。
【0035】尚、上記水素吸着合金の温度を検出する方
法として、この実施例のように直接水素吸着合金に温度
センサ18を配置する方法の他に、例えば、熱媒供給路
21と熱媒排出路22にそれぞれ温度センサを配置しこ
れらの差温に基づいて水素吸着合金の温度を算出するよ
うにすることもできる。
【0036】以下、このコントロールユニット9におけ
る水素放出圧力の制御を図2に示すフロ−チャ−トに基
づいて具体的に説明する。
【0037】制御開始後、先ず、現在の水素放出圧力P
と水素吸着合金の温度T(以下、MH温度と略称する)と
をそれぞれ読み込む(ステップS1,ステップS2)。
【0038】次に、ステップS3において、現在の水素
吸着合金の状態が、図4に示すように吸着水素量に基づ
いて設定した三つの領域のいずれの領域にあるのかを、
現在の水素放出圧力PとMH温度Tとから判定する。そ
して、各領域毎にそれぞれ次のような制御が行なわれ
る。
【0039】E領域であると判断された場合 E領域は、既述のように吸着水素量の減少変化に対して
水素放出圧力の減少変化割合が極めて大きい領域であ
り、該水素放出圧力が水素ガスの筒内噴射が可能な水素
放出圧力の下限値Paより下回るとエンジン1の運転が
続行できなくなる。このため、このE領域においてはよ
り迅速にMH温度を上昇させて水素放出圧力Pを上記下
限値Pa以上に回復させる必要がある。このため、この
E領域においては、MH温度に対する応答性の良好な冷
却水温度の調整による制御を採用している。即ち、E領
域と判定された場合には、ステップS7において、熱媒
ポンプ11への供給電流値を最大にしてこれを全開とし
た状態で、温水側制御弁13を全開に、また冷水側制御
弁14を全閉にそれぞれ設定し、サーモバルブ12から
供給される一定温度の冷却水に温水を加えることで水素
吸蔵タンク10に供給される冷却水の温度を高めるもの
である。
【0040】このように水素吸蔵タンク10に供給され
る冷却水の温度が高められることでMH温度が迅速に上
昇し、水素吸着合金からの水素ガス発生量が増加し、水
素放出圧力が下限値Pa以上に保持される。従って、吸
着水素量がほとんど無くなるまでエンジン1の運転を続
行することができ、延いては自動車の航続距離の長大化
が図れるものである。
【0041】F領域であると判断された場合 F領域は、既述のように吸着水素量の増加変化に対して
水素放出圧力の増加変化割合が極めて大きい領域であ
り、該水素放出圧力を水素吸蔵タンク10の信頼性上か
ら設定される上限値Pb以下に且つより迅速に低下させ
る必要のある領域である。このため、このF領域におい
ても、上記E領域と同様にMH温度に対する応答性の良
好な冷却水温度の調整による制御を採用している。即
ち、F領域と判定された場合には、ステップS12にお
いて、熱媒ポンプ11への供給電流値を最大にしてこれ
を全開とした状態で、温水側制御弁13を全閉に、また
冷水側制御弁14を全開にそれぞれ設定し、サーモバル
ブ12から供給される一定温度の冷却水に、水素吸蔵タ
ンク10での水素吸着合金との熱交換により温度が低下
した冷水を加えることで、熱媒供給路21を介して水素
吸蔵タンク10に供給される冷却水の温度を低下させる
ものである。
【0042】このように水素吸蔵タンク10に供給され
る冷却水の温度が低下することでMH温度が迅速に上昇
し、水素吸着合金からの水素ガス発生量が減少し、水素
放出圧力が上限値Pb以下に保持され、水素吸蔵タンク
10の信頼性が確保されるものである。
【0043】M領域と判断された場合 このM領域は、既述のように吸着水素量の変化に対する
水素放出圧力の変化割合が極めて少なく、且つ最も使用
頻度の高い常用領域であるため、より精度の良い水素放
出圧力制御が要求される領域である。しかし、だからと
いって水素放出圧力Pが上限値Pbあるいは下限値Paに
近い場合にも制御精度のみを重視した制御態様をとるこ
とは得策ではない。このため、この実施例においては、
水素放出圧力の目標値との偏差の大きさによって制御態
様を変えるようにしている。
【0044】即ち、このM領域においては、水素放出圧
力Pを所定の目標水素放出圧力P0(Pa<P0<Pb)に維
持すべくフィードバック制御を行うことを基本とする。
そして、この場合、図3の(イ)及び(ロ)に示すように、
水素放出圧力Pと目標水素放出圧力P0との偏差が所定
値以下の領域(P1〜P2の領域)では、制御の応答性より
も制御精度を重視し、制御精度の良い冷却水の供給量の
調整による制御を採用する。また、上記偏差が所定値以
上である領域(P1以下の領域及びP2以上の領域)におい
ては、より迅速に水素放出圧力を目標水素放出圧力P0
に収束させるべく、制御の応答性の良い冷却水温度の調
整による制御を採用する。具体的には以下の通りであ
る。
【0045】図2のフロ−チャ−トにおいて、ステップ
S3で現在はM領域であると判定された場合には、先ず
ステップS4において現在の水素放出圧力Pが目標水素
放出圧力P0よりも大きいか否かを判定する。そして、
P<P0である場合には、さらにステップS5において
水素放出圧力Pが水素放出圧力偏差の一方の基準値とな
る水素放出圧力P1よりも大きいか否かを判定し、P>
1(即ち、P1<P<P0)である場合には、ステップS
9において、熱媒ポンプ11の開度調整を行う(図3の
(ロ)参照)とともに、温水側制御弁13と冷水側制御弁
14をともに全閉とする(図3の(イ)参照)。尚、この場
合における熱媒ポンプ11の開度調整は、図3の(ロ)に
示すように、熱媒ポンプ11の供給電流値を水素放出圧
力Pの目標水素放出圧力P0からの偏差が大きい程大き
くなるように制御する。
【0046】かかる制御とすることで、水素吸蔵タンク
10への冷却水の供給量が増加し(即ち、水素吸着合金
に与えられる熱量が増加し)、水素吸着合金の温度が高
まって水素放出圧力が上昇せしめられ、最終的に目標水
素放出圧力P0に近付けられるものである。この場合、
この冷却水の供給量の調整による水素吸着合金の温度変
化は該冷却水の温度そのものを上げる場合に比して緩慢
で且つ変化量も小さいところから、水素放出圧力Pを大
きなハンチング等を生じることなく精度良く目標水素放
出圧力P0に収束させることができるものである。
【0047】これに対して、P<P1である場合には、
水素放出圧力Pの目標水素放出圧力P0に対する偏差が
過大であってより迅速なMH温度の上昇が要求されるた
め、この場合には、ステップS8において熱媒ポンプ1
1への供給電流値を最大にしてこれを全開状態とし(図
3の(ロ)参照)、且つ温水側制御弁13の開度調整を行
うとともに冷水側制御弁14を全閉に設定する(図3の
(イ)参照)。ここで、温水側制御弁13の開度調整は、
デューティ比の制御で行なわれ、且つ水素放出圧力Pの
目標水素放出圧力P0に対する偏差が大きくなるほどデ
ューティ比を大きくするものである。
【0048】かかる制御とすることで、冷却水の温度上
昇により水素吸着合金の温度が迅速に上昇し水素放出圧
力Pが急速に高められて目標水素放出圧力P0に収束せ
しめられるものである。従って、水素放出圧力Pがその
下限値Pa寄りに長く滞在しないことから、エンジン1
への水素ガスの供給が安定的に行なわれその運転性が良
好に維持されるものである。
【0049】一方、ステップS3での判定の結果、P>
0である場合には、さらにステップS6において水素
放出圧力Pが水素放出圧力偏差の他方の基準値となる水
素放出圧力P2よりも大きいか否かを判定する。そし
て、P<P2(即ち、P0<P<P2)である場合には、ス
テップS10において、熱媒ポンプ11を停止させると
ともに、温水側制御弁13と冷水側制御弁14をともに
全閉とする(図3の(イ)参照)。
【0050】かかる制御とすることで、水素吸蔵タンク
10への冷却水の供給が停止され、該水素吸蔵タンク1
0内の水素吸着合金は水素放出に伴う自然冷却により次
第にその温度が低下し、これにより水素放出圧力Pがス
ムーズに目標水素放出圧力P0に収束せしめられ、精度
の良い水素放出圧力制御が実現されるものである。
【0051】これに対して、P>P2である場合には、
水素放出圧力Pの目標水素放出圧力P0に対する偏差が
過大であってより迅速なMH温度の降下が要求されるた
め、この場合には、ステップS11において熱媒ポンプ
11への供給電流値を最大にしてこれを全開状態とし
(図3の(ロ)参照)、且つ温水側制御弁13を全閉とする
とともに冷水側制御弁14の開度調整を行う(図3の
(イ)参照)。ここで、冷水側制御弁14の開度調整は、
デューティ比の制御で行なわれ、且つ水素放出圧力Pの
目標水素放出圧力P0に対する偏差が大きくなるほどデ
ューティ比を大きくするものである。
【0052】かかる制御とすることで、冷却水の温度降
下により水素吸着合金の温度が迅速に降下し、水素放出
圧力Pが急速に低下して目標水素放出圧力P0にジンソ
クに収束せしめられるものである。従って、水素放出圧
力Pがその上限値Pb寄りに長く滞在しないことから、
水素吸蔵タンク10の信頼性が確保されるものである。
【0053】以上の制御が連続的に繰り返されること
で、水素吸蔵タンク10の信頼性を確保しつつ、エンジ
ン1への水素ガスの供給を、水素吸着合金における吸着
水素量の変化に拘わらず安定的に行うことができ、延い
ては水素エンジンの運転性の向上に寄与し得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例にかかる水素エンジンの水素
燃料供給装置の全体システム図である。
【図2】図1に示した水素燃料供給装置の制御フロ−チ
ャ−ト図である。
【図3】図1に示した熱媒制御弁と熱媒ポンプの制御特
性図である。
【図4】水素吸着合金の水素吸着性能図である。
【符号の説明】
1はエンジン、2はラジエータ、3はエンジン冷却水
系、4は冷却水戻り路、5は冷却水供給路、6はバイパ
ス路、7はサーモスタット、8は水素燃料供給路、9は
コントロールユニット、10は水素吸蔵タンク、11は
熱媒ポンプ、12はサーモバルブ、13は温水側制御
弁、14は冷水側制御弁、15は冷却水ポンプ、18は
温度センサ、19は水素放出圧力センサ、20は熱媒循
環系、21は熱媒供給路、22は熱媒排出路、23は温
水供給路、24は冷水供給路、25は温水分岐路、26
は冷水分岐路、27は熱媒吸込路である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間宮 清孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定温度に加熱されることで吸着してい
    る水素を水素ガスとして放出する水素吸着合金を内蔵し
    た水素吸蔵タンクを備え、該水素吸蔵タンクから供給さ
    れる水素ガスを燃料としてエンジンに供給するととも
    に、該水素吸蔵タンクにエンジン冷却用熱媒を流通させ
    該熱媒により上記水素吸着合金を加熱して水素ガスを放
    出させるようにした水素エンジンの水素燃料供給装置で
    あって、 上記水素吸蔵タンク内の水素吸着合金における吸着水素
    量が、該吸着水素量の変化にかかわらず水素放出圧力が
    略一定に保持される領域にある状態においては少なくと
    も上記水素吸蔵タンクへの上記熱媒の流通量を調整する
    ことで該水素吸蔵タンクの内圧を調整するようにしたこ
    とを特徴とする水素エンジンの水素燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、水素吸蔵タンクの内
    圧と予じめ設定した目標圧との偏差が所定値以下の領域
    においては上記水素吸蔵タンクに流通せしめられる上記
    熱媒の流通量の調整により、また上記偏差が上記所定値
    以上の場合には少なくとも上記熱媒の温度の調整によ
    り、上記水素吸蔵タンクの内圧を調整するようにしたこ
    とを特徴とする水素エンジンの水素燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、上記
    水素吸蔵タンクの内圧を上昇方向に調整する場合には上
    記熱媒の流通量を増加制御し、降下方向に調整する場合
    には上記熱媒の流通量を減少制御することを特徴とする
    水素エンジンの水素燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 所定温度に加熱されることで吸着してい
    る水素を水素ガスとして放出する水素吸着合金を内蔵し
    た水素吸蔵タンクを備え、該水素吸蔵タンクから供給さ
    れる水素ガスを燃料としてエンジンに供給するととも
    に、該水素吸蔵タンクにエンジン冷却用熱媒を流通させ
    該熱媒により上記水素吸着合金を加熱して水素ガスを放
    出させるようにした水素エンジンの水素燃料供給装置で
    あって、 上記水素吸蔵タンク内の水素吸着合金における吸着水素
    量が、該吸着水素量の変化に伴って水素放出圧力が急激
    に変化する領域にある状態においては上記水素吸蔵タン
    クに流通する上記熱媒の温度を調整することで該水素吸
    蔵タンクの内圧を調整するようにしたことを特徴とする
    水素エンジンの水素燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、水素放出圧力が吸着
    水素量の減少変化に伴って急減する領域では上記熱媒温
    度を上昇制御して水素吸蔵タンクの内圧を所定の下限値
    以上に維持せしめることを特徴とする水素エンジンの水
    素燃料供給装置。
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JP2008037731A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Nissan Motor Co Ltd 水素発生システム、燃料電池システム及び燃料電池自動車
US7980344B2 (en) * 2004-09-29 2011-07-19 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Hydrogen station, method of charging hydrogen, and vehicle
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